植物遊離アミノ酸についての研究(第1報) : ユリ科植物中の環状イミノ酸
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(2) . 昭和6 2年3月. 北海道教育大学紀要 (第2部A) 第3 7巻 第2号. lof Hokka ido Uni i ty ofEducat ion (Sec ionl l t Journa ver s I A) Vo .37 .2 , No. D dar ch ,1987. 植物遊離アミノ酸についての研究 (第1報) ユリ科植物中の環状イミノ酸. 渡. 部. 俊. 夫・榊 伊. 原 郁 子・岡 田 恵美子・鶴 藤 佳代子・伊 藤 英 治 *. 田. 幸. ニ. 北海道教育大学岩見沢分校化学教室 *北海道大学理学部化学科. ino Ac Studies on the Free Anl idsin P1ants,. 1 Cycl ino Ac ic l1 ids occurring in the Lil iaceae. ・ ・ 。 ‐ Toshio wr ATANABE,lkuko SAKAK1BARA, Emiko 。KADA, Yukimi tSu TSURUTA, * Kayoko ITo and E I i i To . i Chemi l caILaboratory zawa Col ege ,lwami ,. Hokka i do University ofEducation,lwamizawa068 *Departmento fChemistry,Facul fScience ty o , Hokkaido Univers i ty ,Sapporo 060. Abstract. 帆′ igatedthe presence ofcyc l i t idsinthe Li l i e haveinves cimino ac aceae by means of in‐ l th ayer chromatography. Fowden andSt idine 2 i ewardhaveshownthatazet ‐ ‐ carboxyl cacid occursin many plants. be 1ongingtotheLi 1 iaceaefami 1y ti sabsen亡insα 7 2 sの彰“”sp .Thunb ,andtwospecies ,andthati ′ f c 劣 〆 o の “ れ8 , ln our experiments a large amount of azet idine‐2‐carboxyl ic acid was detected in ,. Sα 2牝α var. 7 2彫り”伽 z砂如7. Laurent i iand and a sma l lamount ofthesameimino ac idin the ,. lose lyre lated genera 入着 Z Z o‘ c ”α and CDγメタZ “e .. Two n inhydr in‐pos i ive subs lapped at the s i t tances whi id ine 2 te of the azet ch over ‐ ‐ i id ontheord inarythin‐ layerchromatography wereseparatedfrom theazet ine id carboxyl cac ‐ i 2 idonthetwo‐ d ionalth iment in‐ layerchromatography ingthedeve lope M carboxy. cac ‐ ,byrepeat fthetwo substances showed a somewhats imi lar character to ment of each solvent . one o. i i id di ne ‐2 ‐ cac azet carboxyl .. 1) (4.
(3) . 150. 渡部 俊夫・榊原 郁子・岡田恵美子・鶴田 幸三・伊藤佳代子・伊藤 英治. 緒. 言. 植物抽出液中から遊離状態で, タンパク質構成アミノ酸の 一つである プロリンの他に, 環状イ ミ. ノ 酸 と して, ピペ コ リ ン酸 お よ び ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン 酸 が 検 出 さ れる こ と が あ る,. )がイ ンゲン豆中にその存在を示して以来,各種の植物から ピ ペ コ リ ン 酸 は,1952年 Zachar ius ら1. 認められている, しかし, 一般のアミノ酸に適用される条件下では, ピペコリン酸のニンヒドリ ン 反応は, 炉紙や薄層のクロマ トグラム上においては, 極めて発色時間が長くかかり, 水溶液の反応 では吸光係数が著しく低く, その存在が見落されがち である.. ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン 酸 は, 1955年 Fowden2に よ り ス ズ ラ ン か ら 発 見 さ れた, 同 じ 年 に Vir )も 分 子 量 測 定 の 誤 り か ら正 し い 構 造 を 与 え 得 な か っ た が ア マ ドコ ロ とス ズ ラ ン tanen と Li nko3 , ,. から同一物質を見出している. ピペコリ ン酸もアゼチジン‐2‐カルボン酸もその発見にみるように, 前者はマメ科の後者はユリ. 科の植物に, 異常な量蓄積されることがあり, 特に後者ではマメ科植物 Deわ”桝 にその存在が認め }迄は ユリ科植物の 一部のものに特徴的なアミノ酸とされていた られる4 . , 5 )は ユリ科を中心に80種の植物(ユリ科47属 ヒガンバナ科3属, リ ュウゼ Fowden とS t eward , , ツラン科6属, 計56属) について, 当時新しく発見された ピペコリン酸, ア ゼチジ ン-2-カルボン. 酸やグルタミン酸誘導体の存否を主として, 低分子窒素化合物の検討を行なっている. ユリ科植物 )が新アミノ酸 新オリ ゴペプチドを見出して いる からは, 最近も葛西ら6 , . Fowden らが多数のユリ科植物を試料に試みようとした, 植物分類と特殊なアミノ酸との関連 は. 特に興味深く, われわれもユリ料3 9属49種, ヒガンバナ科(Fowden らのリ ュ ウゼツラン科も含む) 1 2属1 2種について, 主として葉を用い, 遊離アミノ酸分画の検討を行なった. その結果得られた 一 般的特徴については別に報告するが, ここではその中で, ア ゼチジン-2-カ ルボン酸の存否を中心 に, 関連する16属, 18種の植物について, その他のイ ミノ酸の存在, およ びア ゼチジン‐2-カルボ ン酸に性質の類似した, ニンヒ ドリン反応陽性物質の存在にもふれて検討した結果を報告する,. 試料植物および実験方法 1 試料植物 処理し, アミノ酸分画について検討 をした試料植物のうち, 結果的に環状イミノ酸, 特にアゼチ ジン-2‐カルボン酸の存否に関連のある18種を, 番号を附して第1表に示 した, 採取場所の欄で自. 生および庭としてある植物は, 岩見沢近辺で得たものである, 2. 試薬. L-ア ゼ チ ジ ン-2‐カ ル ボ ン酸 は Sigma Chemi caICoの結晶を, ピペコリン酸は和光純薬の試薬 l i b 特級,およびトッ プクロッ プより分離抽出した結晶を,その他のアミノ酸は Ca rade ochem の Ag の も の を用 い た.. 3. 遊離アミノ酸分画の調製. 植物試料 (約l ) を, 8~10倍量の80%エタノールとともに, ホモジナイ ザ÷ で処理し, 3,000 og 2) (4.
(4) . ユリ科植物中の環状イミノ酸. 151. 第 - 表 試料植物. 番号. 植. 物. 名. 属. 名. 採 取 場 所. I. タ マ ツ ルク サ. Bowi ea. 北教大・岩見沢・温室. 2. ニフ. AI 1 i um. 野生. 3. ツルボ. i l l Sc a. 北大・植物園. 4. ア ツノゞキ ミ ガヨラ ン. Yucca. 北大・植物園・温室. 5. トツク リ ラ ン. Nol ina. 北大・植物園・温室. 6. シロ シマ セ ンネ ンボク. l ine Cordy. 北大・植物園・温室. 7. アイ チ アカ. Dracaena. 北大・植物園・温室. 8. フク リ ンチ トセラ ン. Sansev l er l a. 鉢植 (北教大・岩見沢). 9. ユキザサ. Smi l ina ac. 野生. 10. マイ ヅ ル ソウ. ian M【 a themum. 野生. 11. オオ アマ ドコ ロ. Polygonatum 野生. 12. ヒメイ ズイ. Po lygonatum. 野生. 13. ス ズラ ン. Conva l l ia ar. 北大・植物園. 14. ドイ ツ ス ズラ ン. Conval lar ia. 個人宅・庭. 15. オモ ト. Rohdea. 鉢植 (個人). 16. オキナヤブラン. Li i r ope. 北大・植物園. 17. リ ュ ウ ゼツラ ン. Agave. 北大・植物園・温室. 18. ゲ ッカ コ ウ. Po l ianthes. 北教大・岩見沢・温室. 北大は北海道大学の, 北教大・岩見沢は北海道教育大学・岩見沢分校の略である。. 0分間遠心分離し, 残遣は更に2回60%エタノールを用いて同様処理した 3回の上清を合 r p , ,m, ,1 . わ せ, イ オ ン 交 換 樹 脂 Amber l i 120 Typ teCG‐ l (H+ ) を通してアミノ酸を吸着させ, 5%アン el モニア水で溶出し, エバポ レーターで濃縮し, 蒸留水で一定量にして遊離アミノ酸分画を調製し , 検討のための試料とした, 4. 各分画成分の薄層ク ロマトグラフィ ーによる 分離. oCで 活 性 化 Merck の Si l i 160G を20×20cm2の プ レ ー ト に 厚 さ0.25mm に 塗 布 し 1 時 間11o cage ,. して用いた. 最初に ブタノールー酢酸-水(4:1:l v/v/v)で, 次 に フ ェ ノ ー ル - 水(5 : l w/ w) で二次元展開をした, 展開後乾燥させた プレートに,0 .2%ニンヒ ドリ ンー ブタノール溶液を噴霧し, 各窒素成分を発色. さ せ た.. アゼチジン-2-カルボン酸の同定, 加水分解物の検討には, 市販のプレート (Me r ck Art 5721 , 55 5 3 ) も用いた, 5. 加水分解. 同一試料の約1 0枚の薄層クロマトグラムから, 特定の部分を削り集め, 6M 塩酸を加 えて減圧下 oCで加水分解を行なった に封管し, 11 o , 3) (4.
(5) . . 152. 渡部 俊夫・榊原 郁子・岡田恵美子・鶴田 幸三・伊藤佳代子・伊藤 英治. 実験結果 1 薄層クロマ トグラフィ ーによる環状イ ミノ酸の分離と検出 薄層クロマ トグラフィ ーでは, ペーパーを用いた場合に比べ, 環状イ ミノ酸は γ アミノ酪酸, バ リン, 芳香族アミノ酸, アミドな どとは, プレート上で十分離れた位置に展開される. また, ニン ヒ ドリン反応では プロリンの黄色をはじめ, ピペコリ ン酸は青紫で, 著しい量の場合には中心部が. 黄色, ア ゼチジン‐2-カルボン酸は赤~赤紫で, 顕著な場合は中心部が青紫の, いずれも特徴的な 色調を呈する. ただ, ピペコリン酸の発色には, ニンヒ ドリ ン反応の加熱時間をかなり必要とする, 7 0 ・. . o 5 .. ①. ①. R E ; 墓 .. l o. \ 02. 0. 図1. 0 1 .. 0. 0β o4 05 Rf フェノール‐水(5:1 /w) ÷÷÷ラ v ,・ o3. 02. マイ ヅルソ ウ葉アミノ酸分画の薄層クロマ トグラム. 2 アラニン 3 γマアミノ酪酸 1 グリシン 4 バリン 5 ロイシン・インロイシン6 セリン 8 アスパラギン酸 9 アスパラギン 7 トレオニン 1 2 リジン 1 0 グルタミン酸 1 1 グルタミン 1 1 1 4 ヒスチジン 5 フェニルアラニン 3 アルギニン 1 8 アゼチジン‐2‐カルボン酸 1 7 トリプトファン 1 6 チロシン 2 1 エタノールアミン 2 0 ピペコリン酸 1 9 プロリン 1は未確認のニンヒドリン反応陽性物質 1および1 l 6は, このクロマトグラム上では検出されなかったが, 位置を点線で示した。 i ,1. 第2表. \\ アミノ酸 展開溶媒 \\\. アラニ ン. おもなアミノ 酸およ びイ ミノ 酸の Rf値. バリン ロイ シ ン. グルタミン酸. プロ リ ン. ピペコリン酸. ア ゼチ ジ ン‐2‐. カルボン酸. ブタノールー酢酸-水. .26. .48. .60. .26. .20. ,25. .16. フェノール-水. .18. .33. ,45. .01. .49. .50. .45. つぼみのできる前の時期のマイ ヅルソ ウの葉について, 抽出液から得られたクロマトグラムを図 1に示した. イ ミノ酸とおもなアミノ酸の, 平均的なクロマトグラムにおける位置を, Rfで示すと 4) (4.
(6) . ユr ミ の 県、 イ ミノ ユリ科植物中の環状イミノ酸. 153. 第2表のようになる, 環状イ ミノ酸の検出結果は第3表に示したが, 試料植物のうち, 4, 1 7 8を除いたものでは, ,1. い ず れ も プ ロ リ ン と と も に ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン酸 の 存 在 が 認 め ら れた フ ク リ ンチ トセ ラ ン . , マイ ヅ ル ソ ウ, オ オ ア マ ドコ ロ, ヒメ イ ズイ, ス ズ ラ ン, ドイ ツ ス ズ ラ ン, オ モ ト オ キ ナ ヤ ブ ラ ,. ンの8種からは著しく多量に, ユキザサからも多量にア ゼチジン-2-カルボン酸が認められた ピ ,. ペ コ リ ン酸 は こ れ ら 9種のうちの ユキザサ ヒメイ ズイ オキナヤブランを除いた6種およ びゲッ , , ,. カコウで, 明確にその存在が認められた, なお, ピペコリン酸 については, 表にあ げた以 外のユリ 科植物のコルチカムジャイ アントには多量に, ムラサキク ンシランには普通量, ヘメロカリスには 少量認められた, 番号. 第3表. 植物. 葉中 の環状イ ミノ 酸およ びニ ンヒ ドリ ン反応陽性物質1, 1 1. イミノ酸等 \- \\\. ピペコリ ン酸. プロ リ ン. ア ゼチ ジ ン-2-. カルボン酸. I. タ マ ツ ルク サ. +. 2. ニラo. 什. +. +. 3. ツルボ. +. +. 4. ア ツノぐキミ ヨ ガラ ン. 5. ト ツ ク リラ ン. +. +. 6. シロ シマ セ ンネ ン ボク. +. 廿. ー 1 i ー 1 1 +. 什 什 什. 7. アイ チアカ. 8. フク リ ンチ トセ ラ ンo. 9. ユキ ザサ0. 10. マイ ヅルソウo. +. +. 11. オ オ アマ ドコ ロo. +. +. 12. ヒメイ ズイo. 13. ス ズ ラ ンo. +. +. 14. ドイ ツス ズ ラ ンo. +. 廿. 15. オモ ト. 16. オ キ ナヤ ブラ ンo. 17. リ ュ ウ ゼツラ ン. 1 8 ‐. ゲ ッ カ コウ. 什. +. +. 什. 冊 + +. +. +. 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊. 什. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. +. 植物名の後のo印は, 開花時期の葉を用いたことを示す, +÷什什の記号は, 他のアミノ酸との比較的な量関係を示す. 十 微量 廿 普通量 針汁 多量 ++ ++ 著しく多量. ア ゼチジン-2-カルボン酸の著しく多い8種の植物からのクロマトグラムでは, すべて図1にみ るように, 下方に橋色の突出部分が認められ, また左上方部分も澄色を示した これらをそれぞれ . ニンヒドリン反応陽性物質1および1 1として, ア ゼチジン-2-カルボン酸とは別に, その検出結果 を第3表に加えた, 1および1 1のクロマトグラム上の位 置を Rfで示すと, それぞれ一次方向に0.08 ,0.20 , 二次方向 に0,45 , 0.36で あり, 多 量 の ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン酸 の 一 部 分 の よ う に 認 め ら れる.. アゼチジ ン-2-カルボン酸の顕著に認められる3種の植物について, それらの各部分におけるイ 5) (4.
(7) . 154. 渡部 俊夫・榊原 郁子・岡田恵美子・鶴田 幸三・伊藤佳代子・伊藤 英治. ミノ酸および1の分布を, 第4表にまとめて示した, これら物質の植物部分による分布の違いはあ まり大きく はない. 第4表 植物各部分中の環状イミノ酸および1 植物 (番号). 生育状態 発. (8). ピペコリン酸. プロ リ ン. 芽. +. 什. 根. +. H‐. 芽. 茎. 根. フク リ ン チ トセ ラ ン. 部 分. 開. 花. +. 茎. +. 葉. 廿. 花. +. 汁 廿 什 什. 分泌粘液 発. 芽. マイ ヅ ル ソ ウ. ) ( 10. つぼみの できる前. ( i l ). H‐. 葉. 什. 根. 開. 花. 冊. 什 什 什. 葉. 汁 汁. 根. +. +. +. +. 茎. +. 廿. 葉. +. +. 花. +. 什. 柄. 葉. 茎. 根. オ オ アマ ドコロ. 根. +. 廿. +十の記 号は, 第3表と同 じ. +~ ++. ア ゼチ ジ ン-2‐. カルボン酸. 冊 冊 冊 冊 冊 冊 廿 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊 冊. T I ▲. 汁 廿 什 什 廿 什 +. + +. +. 什 +. ニンヒドリ ン反応後, 稀塩酸噴霧による環状イ ミノ酸の検出 薄層クロマトグラム上でアミノ酸のニンヒドリ ン呈色が, 2M 塩酸の噴霧により槌色してしまう ことは良く知られている が, ピペコリン酸は一般のアミノ酸と異なり, 青紫の色がそのまま保たれ る. プロリンも槌色はしないが, 黄色から赤 色に変化する. ア ゼチジン‐2-カ ルボン酸も槌色せず, 赤~赤紫から褐色に変わり, 多量の場合の中心部は青紫から黄色に変わる. チトセラン抽出液についての薄層クロマ トグラム上で,実施して得た呈色の変化を図2に示した, 2. a はニ ンヒドリ ン反応による色調を, bは続いて2M 塩酸を噴霧し変化してからの色調を示す. 工もその部分の消 失は認められないが, ア ゼチ この反応で, 1は槌色・変色がみられなかった. 1 ジン-2-カルボン酸との境界 が不明瞭で, その色調の変化は十分観察できなかっ た.. 1の検出 紫外線照射によるア ゼチジン-2‐カルボン酸およ び1, 1 A を照射すると, プロリン, ピペコ プレートに 紫外線 ( 2 5 3 7 ) 二次元展開して乾燥させた薄層 , 1も同様に蛍光が認 リ ン酸とは異なり, アゼチジン-2-カル ボン酸は蛍光を発する. また1およ び1 3. められる. これらの蛍光部分は, ニンヒ ドリン発色部分と全く重なる.. こ の こ と か ら, ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン 酸, 1 お よ びIDこっ い て は, ニ ンヒ ドリ ン反 応 な ど試 薬. との反応によらずに, 紫外線照射だけで検出 が可能であり, また蛍光部分からこれらの物質を抽 出 6) (4.
(8) . ユリ科植物中の環状イミノ酸. Bp ′ 、 R~ ′ ・ RP / 、 、 、. BP. ′ / 、 一 一′. or. ピペコリン酸. BP. プロピン. ′ \ ′ 、 、 Br ′ ー Y ′ \ ′ / 、 、、 ” ′. アゼチジン酸‐2‐. カノ レボン酸. l. or b. a. 図2. 155. 環状イ ミノ 酸およ び1 の薄層クロマ トグラム上 における a. ニ ンヒ ドリ ン反 応呈色. b. 引き続き稀塩酸噴霧後 の色調. 記号:BP 青紫 ;Br 褐色 ;or 横色 ;R 赤色 :RP 赤紫;Y 黄色 (R~RP 赤色ない し赤紫に発色す る) する こ と が で き る, 4. 1 お よ び1 1の ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン酸 か ら の 分 離. 一次方向に展開後乾燥し, また同一溶媒 での展開を繰り返し, 二次方向にも同様2回の展開を行 なっ て得たクロマ トグラム上では, 1は完全にアゼチジン-2-カルボン酸から分離した 1 . 1は図3 にみるように, 明瞭にアゼチジン-2-カルボン酸とは区別できたが, 分離は不十分であった. 十 魚十 十 十 十. 回N 美 ー 纏 滋ー. ( 8 蓮 : l l. ◎そ ぎr. プロリン. ア 1 8 g ギ烹;≧ ( : ( 8 瀞. ミ ー \ ト ー--. 凝 琶 ①(. --一一一 フェノール一水で2回. 図3. ヲ. 各方向に2 回ずつ展開後の薄層クロマ トグラム上 での 環状イ ミノ 酸およ び工, 1 1の相対的位置. 各数字は{三 瀦 唖 値 一次方向の溶媒, ブタノー ルー酢酸-水の混合比を2:1:1とした場合は 1回の展開でかな , り良く1がアゼチジン-2-カルボン酸から分離した. 5. 1の加水分解. 7 )が示したように ア ゼチジ ン-2-カルボン酸は塩酸での加水分解で 環を開いて付加生 Fowden , , 成物を生ずる, 7) (4.
(9) . 156. 渡部 俊夫・榊原 郁子・岡田恵美子・鶴田 幸三・伊藤佳代子・伊藤 英治. ア ゼチジン-2-カルボン酸の6M 塩酸による加水分解物を, 薄層クロマトグラフィ ーを用い検討 した結果を図4に示した. 赤紫のニンヒドリ ン反応呈色部分は, ホモセリ ンを加えての二次元展開 で全く重なった. 他に, ニンヒドリ ン反応直後にはそれぞれ黄色と樵色を示し, ともに時間の経過 で赤紫色に変わる二つのスポッ トが認められた.. P O Y一R. oo r冊. 0…. 一一一------ フェノール一水. 図4. ア ゼチ ジン-2‐カ ルボン酸加水分解物の 薄層クロマ トグラ ム じであり, ニ ンヒ ドリ ン反 応の 記号 は, 図2 と同・. 色調と, 時間経過後の変色を示す,. ○ α→RP. oo r→RP. 。 Y一RP. ○B P. 一一一------ フェノール一水. 図5. ドイ ツス ズ ラ ン1加水分 解物の 薄層クロマ トグラム 記号 な どは図4と同 じ,. 8) (4.
(10) . ユ1 ご の 衆、、イ ミノ ユリ科植物中の環状イミノ酸. 157. 1をドイ ツスズラ ンの薄層ク ロマトグラムから, 紫外線照射による蛍光を利用してシリカゲ ルと ともに削りとり, 塩酸による加水分解を行ない, 炉過 してシリカゲ ルを除き 得た分解生成物を薄 , 層クロマトグラフィ ーで分離し, ニンヒドリンで発色させた結果を図5に示した 試料の量が少な , く, 各ス ポッ トの検討はまだ十分ではないが, 図4よりやや低く みえる位置に赤紫のスポッ トと , 他に黄~樽色から時間の経過 で赤紫に変わる四つのスポッ トがみられた 機色の最も目立つスポッ , ト と も う 一 つ は, フ ェ ノ ー ル 一 水 で の Rfが大 き い ,. 考. 察. }の 表 の 注 お よ び 本 文 中 で 乃ばcα C僻め’ Fowden ら は そ の 報 告5 ′ 〆”8 , , , Dmmβ””, Sα郡 効 卿 海 の. 4属については, 以前からユリ科とは別に分類されていた Ag肋eなどとともにまとめられ リュウ , ゼツラ ン科とされていること (Ba i l 9 ) に言及している. しかし, 彼らの表中での Z“cc” な ey ,194 ど4属のとり扱いは, 人によりキジカクシ亜科とも分類さ れるスズラン キジカクシなどの一群の , , すく 前におく以前からの分類 によ って位置づけている. (スズラ ンな どをキジカ クシ亜科とする場 合, Z“c c α などはリ ュウケツジュ亜科とさ れる, ここでは便宜的に, この呼び方を用 いる) . 彼らはリ ュウケツジュ 亜科の4属, 8種を含めた検討からこの亜 科については Dmmβ”” の4種. だけに,それぞれの葉にアゼチジ ン-2-カルボン酸の存在を認めている その結果から Dmmβ”” か , ら 乙 鰯ope までを通し, それらの葉中にこのイ ミノ酸が多い点に 積極的にではな いが 分類的な , , 意味をもたせようとしている. もちろん A座り eにはこの存在を認めていない. 本報告でとりあげた植物中 で番号4から 8 ま での 5 属 は, リ ュ ウ ケ ツ ジ ュ 亜 科 に,17,18はAg i α粥 とその近緑の PO Z ぜ α”豹鐙 である, 9から15までの属はキジカク シ亜科であり,16はそれに続いて位 置 づけられるヤ ブラ ン亜科である, Row吃れ らはキジカクシ亜科とヤブラン亜科のかなりの植物か ら, それぞれに多量のア ゼチジン-2‐カルボン酸の存在を示している , われわれの結果の中で, フクリンチトセラン (Sα“彩り Z ) では葉をはじめ各部分に, 著しい量 edα のア ゼチジ ン‐2-カルボン酸が認められた点, シロシマセ ンネンボク (Co〆吻Z Z ) の葉に普通量の ”e そ れ が 認 め ら れ た 点 は, 彼 ら と は異 な っ て いる し か し こ の こ と は Eo”〆〃” ら は 扱 っ て い な い ト ッ , ,. クリラン(那o”〃” ) の葉にも少量のこのイ ミノ酸が認められたこと, ゲッカコウ (Po加川彰s ) では 認められなかっ たことをもあわせ, 彼らがまとめようとした, このイ ミノ酸の分布と近緑の届との 間の関係について, かえってリ ュウケツジュ亜科で補足を加え, Ag i α健 などとの相違をも補う結果 になったようである. ただし, このイ ミノ酸の存在を葉に限定して, 分類との関係に言及すること の意味は薄いように思われる.. 薄層クロマ トグラム上で, ア ゼチジ ン-2-カ ルボン酸の一部分とも みえる ニンヒ ドリ ン反応陽 , 性物質1および1 1について, 1は完全にアゼチジン‐2-カルボン酸から分離することができた 1 . 1 は ブタノ」 ルー酢酸-水での展開では Rfの差が小さく, 差のやや大き いフェノール-水での展開 では, Rfが0.5に近く, 繰り返しての展開によっ ても分離の効果は低かった しかし これも明らか , . にアゼチジン-2‐カルボン酸とは別の物質である, 1および1 1のクロマ トグラム上の位置, つまりアゼチジン-2‐カルボン酸の近辺は 酸性 中性 , , , 芳香族アミノ酸の位置と は全く離れる, 塩基性アミノ酸やアミドに比べて フ ェノール-水での Rf , は1および1 1が明らかに大きい. ニ ンヒドリ ン反応後の稀塩酸噴霧や, 紫外線照射では, 1および1 1は環状イ ミノ酸に似た性質を 9) (4.
(11) . 158. 渡部 ・俊夫・榊原 郁子・岡田恵美子・鶴田 幸三・伊藤佳代子・伊藤 英治. 示した. 1はまた, 塩酸により加水分解をう ける点から一般のアミノ酸 とは異なり, 加水分解物からみて, アミドやオリ ゴペプチ ドとも考えにくい. )は ア ゼ チ ジ ン-2-カ ル ボ ン 酸 が, 塩 酸 で加 水 分 解 さ れ て 環 を 開 き, ホ モ セ リ ン, γ‐ア ミ Fowden7 ノーα-ヒ ドロ キ シ酪 酸, γ-ア ミ ノーα-ク ロ ロ 酪 酸, α-ア ミ ノーγ-ク ロ ロ 酪 酸 の 生 成 す る こ と を, ペ ー. パークロマ トグラフィ ーを用いて確かめている. また生成物のうち, 塩素誘導体の二つは, ニンヒ ドリ ンと反応して黄 色のスポッ トになり, 時間の経過で褐色がかった色調を経て, 紫色に変わるこ と を 記 して い る.. アゼチジン而2‐カルボン酸の6M 塩酸での加水分解物を, 薄層クロマトグラフィ ーで分離した結 果(図4)から, γ-アミノーα-ヒ ドロキシ酪酸に該当するス ポッ トがみられなかったのは, 用いた展. 開溶媒の関係でホモセリ ンと分離しなかったものと考えられる. 1の加水分解物も, アゼチジン-2-カルボン酸のそれと似たクロマトグラムを与えた, 即ち, い ずれにもともに黄ないし櫨色の大きさの 違う幾つかのスポッ トがみられ, それらは皆時間の経過で 赤紫に変色した. 1については, 適当な試料植物から十分な量 を単離して, さらに検討を加えること が必要である, 花期以前のマイ ヅルソウの各部分では, 例えば葉について図1に示したように, 著しく多量のア ゼ チ ジ ン-2‐カ ル ボ ン酸 に 隣 接 して, プ ロ リ ン, ピペ コ リ ン酸 が と も に や や 大 き め の ス ポ ッ ト と し. て認められ, 環状イ ミノ酸部分で特徴的なクロマ トグラムを形成した, 同様なクロマ トグラムはフ クリンチトセラ ン, オモトの葉についても得られたが, これを特に意義 づけることは難かしそうで あ る.. 要. 約. ユリ科植物の遊離アミノ 酸分画の薄層クロマ トグラフィ} による検討の中か ら, ア ゼチジン‐2 mカルボン酸の分布 を中心に, 環状イ ミノ酸の検出結果 を報告した,. ア ゼチジン-2-カル ボ ン酸のユリ科植物中での 存在については, かなり以前に Fowden らが示し ているが, フクリンチトセラ ンの各部分にこのイ ミノ酸が顕著に含まれ, また, これと近い関係の. 属にもその存在 が認められた, ア ゼチジン-2-カルボン酸が著しく含まれる植物に, このイ ミノ酸とクロマトグラム上で部分的 に重なる, 二つの ニンヒ ドリ ン反応陽性物質の存在 が認められた. そのうちの 一つは薄層クロマト グラ フィ 」の応用で, 完全にア ゼチジン-2‐カルボン酸から分離できた, この物質は幾つかの点で, ア ゼチジ ン-2-カルボン酸に似た性質を示 した,. 試料植物の多種類 をおわけいただいた北海道大学附属植物園の園長岡樫養三 教授をはじめ皆様, 植物採取について貴 重な ご助言をたまわった同園辻井達 一博 士, 温室利用の便宜と試料植物各種 を いた だき園芸植物についての ご指導をたまわった本学岩見沢分校吉田昭穂教授, 植物の分類および 採取に懇切な ご指導をいただいた本学岩見沢分校芳賀卓助教授, 実地で植物採取の ご指導をいただ. いた栗山町栗山小学校 長谷川正義教輸, 岩見沢市上幌向中学校 小久保英夫教諭に深い感謝の意 を表します.. 0) (5.
(12) . ユリ科植物中の環状イミノ酸. 文. 159. 献. 1) R. M,Zachar i us ー m ー psonand F.C,Steward ). .F,Tho ,J ‐粥. C彰 粥, Soc ,Z A . ,74 ,2949 (1952 2) L.Fowden 入 超カ 乙 ( の 1 ) 7 6 3 4 1 9 5 メ β 7 ( 5 ) の 2 ” , . , , 3) A.1 A tanenand P,Linko C た r 加 S α c の ” c α 7 2 . Vi , , , , ,9 ,551 (1955),. 4) M.L,Sung and L.Fowden, P勿阿り物の明 煽り′ 1968 ), ,7 ,2061 ( 5) L Fowdenand F.C.Steward, A”””Z sq f Bo加”ッ 21 53 (1957) , ,. .. 6) T,Kasai toba i taandS,Sakamura shi rosh ,T,Ni ,Y,Shi ,Ag〆た.Bメメ, Cた8粥. , ,48 ,2271 (1984) 7) L.Fowden 1956), O物のれ,ノ. , BZ ,64 ,323 (. 1) (5.
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