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12GHz帯コンパクトレンジアンテナの近傍界特性評価
宮田克正・伊藤桂一・山崎博之・鎌田 悟*
EvaluationofNear‑FieldCharacteristicsof al2GHz‑BandCompact‑RangeAntenna
KatsumasaMIYATA,KeiichilToH,HiroyukiYAMAzAKIandSatoruKAMATA*
(2006年1月4日受理)
Two‑dimensionalnear‑fieldmeasurementofal.8mdoffsetparabolicreflectorantenna forcompact‑rangeapplicationwasconductedatf=12GHz. Ascannerwasinstalledatthe positionl.8mapartfromtheaperture,andphase/amplitudemeasurementwasconductedover theaperture.
Ithasbeenfoundthatso‑called"plane‑waveregion''wasapproximately300mmx300mm.
Thesizeofantennasscheduledtobemountedontheantennapositionerforpatternmeasure‑
mentorgainevaluationis500mmx500mm,andsometrialtoenhancetheplane‑waveregion wasconductedexperimentally.
いる電波暗室で行った。
緒言
1
電波暗室とは,実験室内側全面を金属板でシール ドし, その内側に電波を吸収する電波吸収体を全面 に貼り付けたもので,暗室内部から放射された電波 は壁面で吸収されるため,電波的には無限自由空間 と見なすことの出来る環境を言う。(2)電波暗室内の 試験電波が,外部に漏れないと同時に,外部からの 不要電波も暗室内には到達しないため,電波的に独 立した空間でもある。
アンテナの遠方界放射特性を測定するためには,
試験(受信)アンテナに平面波を照射ことが必要で あり, そのためにアンテナの送受信間距離を十分に 確保することが重要となる。一般に,送信アンテナ の開口直径をD,受信アンテナの開口直径をD!と すると, 自由空間におけるアンテナの送受信間距離 rは, r≧2(D+D')2/スであるとされており, その 距離は使用波長とアンテナの開口直径により,数十 メートルから数百メートルにもおよぶことがある。
また,屋外での測定のため,周辺地域への電波障害 を与える可能性がある一方,天候に影響されやすく,
試験電波が地面や建物に反射して測定誤差が生じる 可能性もある。この問題を解決するために考案され た環境をコンパクトレンジと言い,屋内でアンテナ 特性などの測定を行うことが出来る。(1)
本研究では電波暗室に設置された直径1800[mm]
の平面波発生用アンテナ(オフセットパラボラアン テナ)の近傍界測定を行い,平面波領域の範囲を実 験的に確かめ, コンパクトレンジ応用の可能性を探 ると共に, その特性の改善を試みた結果について報 告する。実験は,本校電気情報工学科に設置されて
2. 近傍界の測定
2.1 測定系
実験で使用した測定系を図1に示す。発振器から 12[GHz]の信号を出し,一部を方向性結合器によっ て取り出している。測定した値から, Spectrum Analyzerによって振幅を求め,VectorVoltmeter によって測定値と基準値の相対値から位相を求めて いる。
なお, アンテナの特性を調べるためには,送信 電波の偏波を垂直偏波,及び水平偏波に切り替えて 出す必要がある。しかし, その度に回路をつなぎ替 えていては非効率的であり,誤差を生じる可能性も あるため,本実験では同軸切替器を使って偏波制御 を行った。その外観を図2に示す。この同軸切替器
*秋田県産業技術総合研究センター
平成18年2月
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12GHz帯コンパクトレンジアンテナの近傍界特性評価
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図1 測定系
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図4 コンパクトレンジの平面イメージ 図2同軸切替器
はオフセットアンテナの下部に設置してあり,電子 的に制御される。
2.2測定方法
平面波発生用のオフセットパラボラアンテナから 12[GHz]で,垂直偏波,及び水平偏波の電波を放 射し, アンテナより1500〜1900[mm]離れた地点に おいて, う°ローブを水平及び垂直方向に走査させて 平面波領域を測定した。う.ローブを水平方向に走査 させる場合には, アンテナの中心の点を0として
‑600〜+600[mm]の範囲で移動させ,垂直方向へ は‑320〜+780[mm]の範囲で移動させた。う.ロー ブ/スキャナーの外観を図3に, コンパクトレンジ のイメージを図4, 5に示す。
図5 コンパクトレンジの側面イメージ
23測定結果
周波数12[GHz]でア
周波数12[GHz]でア ンテナの開口中心から電波 の放射軸上, 1500[mm]〜1900[mm]の距離で,垂 直・水平の両偏波に対して,水平および垂直にプロー ブを走査して測定を行った。 ここでは, 1800[mm]
での測定結果を示す。 平面波 の基準は,振幅の リッフ.ルを±0.5[dB]以内の範囲,位相に関しては よく用いられる士11.25[。]以内の範囲とした。
図6,図7に垂直偏波の場合の近傍界を, また図 8, 図9には水平偏波の場合の近傍界を示す。図よ り,垂直偏波を放射した場合,平面波領域は330x 320[mm]であり,一方水平偏波の場合は, 310×300 [mm]ことがわかった。位相に関しては600[mm]
程度の平面波領域を得ることができた。
秋田高専研究紀要第41号
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宮田克正・伊藤桂一・山崎博之・鎌田悟
犀議[mm]
0 200 4 6 800 1000 1200 範囲IT,m]
0 200 0 6帥 800 1000 1200
−20 11 0082
−20
00帥加﹇噸国翠垣0286111160−一一
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図6垂直偏波水平スキャン 図8水平偏波水平スキャン
位相陸創
‑180 ‑120 ‑60 0 60 120 180
位相陸創
−180 −120 −60 0 60 120 180
﹇EE﹈園解00000000000128765432012376543211一一一
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-50 -45 -40 -35 -" -25 -20 振唾]
‑50 −45 −40 −弱 −30 −25 −20 振…
図7垂直偏波幸直スキャン 図9垂直偏波垂直スキャン
子玉丙由曹 ' E4
時
3. 特性改善への試み
3.1 電波吸収体の装荷
本コンパクトレンジの近傍界分布を測定した結果,
アンテナの中心からの距離1800[mm]の点での平面 波領域は約300×300[mm]程度の結果となり, コン パクトレンジとして使用するには平面波領域が狭く,
特性改善する必要があることがわかった。位相に関 しては良好な結果が得られたが,振幅に関してはエッ ジ部分の振幅が低下しているため,平面波領域が狭 くなっていると判断し,次のような改善策を検討し た。すなわち,反射鏡のエッジテーパを上げること により,平面波領域を増加すること考え,副反射鏡 と主反射鏡の間の電波の通路を電波吸収体によって 狭めることを試みた。電波吸収体を装荷した電波の 通路を図10に示す。
図10電波吸収体装荷時のアンテナ給電部
3.2改善結果
アンテナの開口中心から電波の放射軸上, 1800 [mm]の点において,垂直偏波および水平偏波に対 して,水平および垂直にう.ローブを走査して測定を 行った結果を図11〜14に示す◎図より,平面波領域 は31()×410[mm] (垂直偏波)および410×420[mm]
(水平偏波) となり,平面波領域の拡大が得られる 見通しが得られた。
平成18年2月 ヘ
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−31−
12GHz帯コンパクトレンジアンテナの近傍界特性評価
4. 結言
範囲Lmm」
0 200 400 600 800 1,0 1200
面の己理垣00000288206111160−一一
−20 台 ■ e Q O Q ロ
平面波発生用アンテナの中心からの距離1800[mm]
で,垂直偏波および水平偏波に対して垂直方向およ び水平方向に測定した結果,平面波領域は約300×
300[mm]程度の平面波領域が得られることがわかっ た。この平面波領域の拡大のため,一次放射部に電 波吸収体を装荷し,電波の通路を狭め反射鏡エッジ テーパを調整したところ,平面波領域の改善が得ら れることが実験的に示され,平面波領域が拡大出来 る見通しが得られた。
瞳
‑35
−40
図11 垂直偏波水平スキャン
位相陸g]
−180 −120 −60 0 60 120 180
5. 今後の課題
﹇E畠囲濁0000000000022288888880212376543218一一一一﹄二町色■ゆ●■p■P■
本研究室で測定対象とする小型平面アンテナの開 口寸法は約500×500[mm]であるため, さらなる改 善が必要である。今後検討している改善策として,
(1)副反射鏡からの電波の通路をさらに狭め, より 点波源に近づけること, (2)副反射鏡からの電波の 通路を狭める形状を楕円など種々の形状を試してみ ること, (3)副反射鏡を経由せずに点波源で直接主 反射鏡に電波を照射することなどを検討している。
また,今回は周波数12GHzのみでの測定であっ たが,周波数特性も重要であり, 引き続き実験を行
う予定である。
−50 −45 −40 −35 −30 −25
振輻艇田
図12垂直偏波垂直スキャン
−20
範囲腫司
0 200 400 6 800 1000 1200
00圃糾些嘩垣0加帥8206111160一一一
−20 ロ ■ ■ 且 ■ E ロ
6. 謝辞
本研究の一部は,科学研究費補助金(課題番号 14550392)の援助により行われたことを付記する。
また,本校卒業生の金内洋平君,佐々木裕貴君の両 君には,卒業研究として本実験に携わって頂いた。
謝意を表する。
弱如一一
図13水平偏波水平スキャン
7. 参考文献
位相催型
−180 −120 $0 0 60 120 180
(1)WalterD. Burnside, etal.,℃urvedEdge ModificationofCompactRangeReflector'', IEEETransactionsonAntennasandPropa‑
gation,vol.AP‑35,no.2,pp.176‑182,Feb.1987.
(2)日経技術図書株式会社, 電磁波の吸収と遮蔽,
p.190〜204 1989年1月
780 680 580 480 380 280 180 80
‑20
‑120
‑220
‑320
卓■P町p■ゆり庫ゆ■ゆ ﹇E畠圏溜
-50 -45 ・‑40 ‑35 ‑30 ‑25 柵副
図14水平偏波垂直スキャン
‑20
秋田高専研究紀要第41号
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