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岡 田 玲 子

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(1)

幼児の食生活に関する研究(第14報)

都市近郊農村における幼児栄養の10年間の推移

岡田玲子

Dietary Studies of Preschool Children in Japan (part 14) 

Sequential Change in Nutritional Status of Preschool Children  in a Suburban‑Farm Village during the Last Decade

Reiko Okada

      緒     言

国民の鹸づくり罰において飾・翻・休養の・・ラソスが強調さ2t C久しく・今日で}城人病 予防閤置して拗児期・学童期の食事のあり方瀬みられ漸た襯点から研究力竃闘されつつあ

る・)・)・).折しも詔和54年は国際児童年の年にあたり・r¥生省主催の蝕活改善甑醐4)も「糠 は,、ラソスのとれた姓活から」を標語として,こどもの姓活にその実樋点がおかれた・す肋 ち,(、)こどもの融を予防する,②こどものうちからうす味になれさせる・(3)おやつのあり方を正し

く理解する,の3項目である。

著者は幼児の栄養指導に関してより適切な指針を求むべく漸潟県内幼児の栄獄ま暴取の実態を地 域的蠣点から把握すると共に詩代の流2・・tt・・るその推移veついて調査を行っている5)6)・今回は

日雄済の離成長の棚から,鯉明雄て・低成購代に至る約・・轍こ・都市近郊翻幼児の 栄養報取状況はどのよう離移したカ・について,昭和43年・48年および53年度の調査蘇に基づ て分析を試みたので,それらの成績を報告する。

      調 査 方 法  1 調査対象地区の概況

縫対象地区の新潟市海老ケ瀬津鰹i也鴎交通の便利な近郊の田園地帯で・新興饒地林 工,鰍石材の工稠地として開発が進み,この・・輔姓活環境にも変化カミ見られた・世撒は 海老ケ瀬、2。戸→263戸,灘屋2・・戸→3・8戸・う膿家数は海老ケ瀬51戸→47戸・灘屋43

(2)

一90−一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980

戸→40戸・平均耕作面積は1.56hα→1.48haへと推移し,稲作のほか,馬鈴薯,キャベツ,ぶどうの 生産地である。農業の機械化が著しく進み,兼業農家が殆んどで,農家所得は潤沢である。対象児は 地元の市立保育園と私立幼稚園に通園しており,保育園児は給食を受けている。なお,食料品の購入 はスーパー・マーケットの進出等により,便利になった。      、  2 調 査 対 象

 表1に示すごとく農家世帯の4〜6歳の健康な幼児10〜14名を対象とした。なお,幼児のいる世帯 が限られているため悉皆調査としたが,推計学的な検討を試みるのに十分な被検者数を確保すること はできなかった。

表1 調 査 対 象 児

男児1女児合計平均轍

43 年 48 年・

53  年

(名)

7 7 7

(名)

3 3 7

(名)

10 10 14

(歳)

4.7

5.2

5.1

註 平均年齢は調査年度の10月1日現在の平均値

  3 調査時期および期間

 昭和43年,48年および53年度のそれぞれ四季の各連続した3日間(通年12日間)である。

  4 調査内容および方法

 1)鋤撒状欄査国民栄翻査に準じ・ as人別龍方式によった.雑羅の算出は三訂日

本食品成分表の成分値500品目を入力した電子計鋒機を用いて行った。得られた成績の比較基準に は紹和50轍定の栄漸要量の簾方式7)にならい・対象児の樋をもとに個人別栄漸要量を算 出して適肌た・なお渤物猷ん韻所要齢動物性たん白蹴を50% t L,脂質所蜘ま脂質エ ネルギー比を25%としてそれぞれ算出した・また・A糧繊基準量は,手塚ら・)の食wwe成基準をも とに表2のごとく試作し,おのおのに対する摂取比率を求めた。

2)撒比率パターン噸似性飾ならびeこ栄養素摂取比率パターソの,基準量.所要量パター ン(それぞれ10°%とする)闘す獺似性は・田村ら・)の数値群・・ター塀析灘より算出した。

繍算肌纐膵が1・oに近いoまど・比較した二つのパターンはよく類似していることを示す。

3)撫不足および麗・鑓撫児砒率の推移臓馨に対して摂取比率が5・%以下蝦取

不足・91〜110%を遡摂取・2°・%o以上(飾の場合)ま燃・5・%以上(栄獄の場合)を多量摂 取として・各群に属する対象児数の5〜10年間の推移を百分率で示した。

4)体位測定身長・魎を測定し・舗鶴度の対応する45年,5・年および55年における躰 人の栄漸要量作成に用いられた体位(推計)基準値・)ew比して,牌を求めた。

5)体力測定平勧(概版立ち)・簾久力(体支擶続時間),醗性(立幅蜘)お

(3)

幼児の食生活に関する研究(14報) ・一一・ 91一

表2 本調査に試用した食糧構成

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130 100 30 10 45 10 40 55 110 100 40 35 50 290*

         *生乳に換算した数値       ∴

よび調整力(両足連続とびこし),の4種目について実施した。その評価は新潟県教育委員会による 幼児の運動能力基準10)に従い,3点を中位とする5段階法によって行なった。

      調査結果ならびに考察  1 摂取食品数ならびに献立の比較

 1人1日当たりの食品数は表3に示すように,17種類から23種類,さらに29種類へとこの5年〜10年       表3 摂取食品数の推移

      (1人1日当たり平均)

1調査年度1総

秋一冬

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(4)

県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980 一92−一

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(5)

幼児の食生活に関する研究(14報)

一一X3一

間に増加した。とくに動物性食品数は3種類から7種類へと10年間に2. 3倍に及び,植物性食品数は 14種類から22種類へと1・6倍になっている。しかしながら,間食の食品数の変動は小さく,10年間に

3種類から4種類になった。

 次に,平均的な献立例は表4に示すごとくであり,米飯・味噌汁・主菜・副菜・潰物という型式が 多い。10年前に比して朝食の献立に動物性食品が用いられることが通例となり,また全般的に油脂を 用いる調理が増え・先の食品数の増加と並んで,農村の献立が内容的に充実してきている傾向がうか がわれる。

 昼食については,保育園給食と弁当とでは食品数ならびに献立の変化の上でかなりの差が見られ,

とくに弁当では野菜類が乏しく,動物性食品と主食にかたよる傾向がうかがわれ,幼児の食生活パタ ーソを拡大する場として,保育園給食の果す役割の大いさを改めて認識させられた。

 2 摂取食品の構成とその比較

 対象児の食品摂取状況を総括したのが表5である。季節別ならびに調査年度別に多様であり,この 5〜10年間に変動の見られなかった食品は皆無に近く,殆んどの食品の摂取量に増減いずれかの変動 が観察された。とくに10年間に変動の大きかった食品で増加したのは,小麦類,砂糖類,油脂類,緑 黄色野菜,その他の野菜および肉・卵・乳類であり,減歩したのは,米類,菓子類,豆類および果実 類であ?・た。なお,対象児10〜14名の摂取上の個人差は,変異係数で見る限り年々縮少してきてお り,53年では米類,菓子類,油脂類および卵類の摂取上の個人差が極めて小さいことが注目される。

 次に,基準量(表2)に対する摂取比率とそのパターン類似率を求めて総括したのが表6である。

各食品の摂取比率は季節別,年度別にそれぞれ変動しているが,この10年間には殆んどの食品の摂取 比率が上昇し,その差はP<0.05で有意であった。なかでも油脂類,乳類,肉類,砂糖類およびその 他の野菜のそれが顕著であり,摂取比率の低下したのは菓子類,豆類および果実類の3食品のみであ る。しかしながら,53年において基準量を充足していない食品は,穀類,豆類,緑黄色野菜および乳 類であり,幼児期の食嗜好を望ましい方向に形成して行く上でも,これら4食品の摂取を促す努力は 続けられなければならない。なお,摂取比率の個人差は穀類のそれが10年来最小であり,対象児にと

って穀類は基本食品すなわち主食として定着していることがうかがわれる。また,果実類を除く他の 全ての食品の摂取比率上の個人差は10年間に低値となり,対象児の食品摂取状況は平準化の傾向が認 められる。

 基準量パターンに対する摂取比率パターンの類似率については,53年度は四季別においても年平均 においても5〜10年前よりいずれも高値となり,望ましい方向に推移している。

 さて,基準量に対する食品摂取状況(年平均)の推移を表7に示したが,適量を摂取している対象 児は0〜36%と概して少ないものの,穀類および菓子類の適丑摂取児が15%から36%へ漸増している のが注目される。また,摂取不足児は全食品において減少し,他方多量摂取児は食品群別に増減が多 様であるが・穀類・乳類の多量摂取児は10年来存在せず,菓子類,豆類,緑黄色野菜および卵類の多 量摂取児は減じて皆無となり・砂糖類・油脂類・その他の野菜および肉類の多量摂取児の漸増傾向が

(6)

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県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980

一94一

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幼児の食生活に関する研究(14報)

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(8)

一96一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980

表7基準量に対する食品摂取状況の推移 (単位:%)

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適 趾 摂 91〜110% 量201%以上

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見られる。

 3 摂取栄養素量の分析とその比較

 対象児の摂取栄養素量の推移をまとめたのが表8である。摂取上の個人差は前述の食品のそれに比 して概して小さく,しかもエネルギー,総たん白質,カルシウムおよびビタミソB2の摂取上の個人 差が5〜10年間に漸減している。しかしながら,個人別に算出した所要量の個人差に比ぺるならば,

摂取量のそれは殆んどがやや大であった。

 表9は所要量に対する摂取比率とそのパターン類似率の推移を示したものである。摂取比率は各栄 養素別に多様に推移しているが平均値では43年88%,48年96%,53年110%(P<O. 01にて有意)と 上昇し,所要量を充足していない栄養素は43年にはエネルギー,総たん白質,動物性たん白質,カル

シウム,ピタミソAおよびB1の6栄養素であり,48年にはこのうち総たん白質が充足されて・ビタ ミソB2が充足されずに加わり6栄獲素となり,53年にはエネルギ「 動物性たん白質,カルシウ ム,ビタミソAが充足されて,ビタミソB1とB2の2栄養素のみとなった。しかもこの10年間の増 加率は,43年から最初の5年間の増加率よりも後半の5年間のそれが,殆んどの栄養素において大で あった。すなわち増加率の加速現象が観察されたが,今後はどのように推移するか,さらに調査を継 続して行きたい。

 なお,栄養素の摂取比率の個人差は漸減傾向を示し,53年にはエネルギーと総たん白質の充足状況 における個人差が最小であった。また,所要量パターソに対する摂取比率パターソの類似率は逐年改 善され,53年には0.9919に達している。

 一方,表10に示すように,所要量に対比して摂取不足の対象児は10年後に皆無となり,適量摂取児 がやや増加し,多量摂取児は動物性たん白質と脂質等に漸増傾向がうかがわれる。

(9)

一一X7−一 幼児の食生活に関する研究(14報)

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(10)

県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980

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(11)

幼児の食生活に関する研究(14報) 一99・一

表10栄養所要量に対する栄養素摂取状況の推移

(単位:%)

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    \エネルギー および栄養素

摂政比率

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4

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 総じて,都市近郊農村幼児の栄養素摂取状況はこの10年間にかなりの改善が見られ,平均的な栄養 水準は概して所要量に接近するより良い方向に推移した。

 次に,摂取エネルギー比については表11に示すごとく,5〜10年間に糖質エネルギー比は68%→65

%→57%と減少,脂質エネルギー比は18%→22%→29%と増加の傾向を呈し,たん白質エネルギー比 は14%→13%→14%と変動はなかった。また,穀類エネルギー比および米類エネルギー比は漸減傾向 を呈し,それぞれ53年には39%および29%であった。なお,小麦類エネルギー比は8%→9%→10%

と僅かながら増加しつつある。

 4 たん白質栄養の質的評価の推移

 対象児のたん白質栄養の質的評価の推移は表11に示す通りである。動物性たん白質比は調査年度に より季節差が異なり,43,48年度は秋に高値で冬に低値であり,53年度は夏に高値で春に低値であっ たが,それぞれ逐年改善されて,53年には幼児期の推奨値(50%)11)に達している。たん白価と化学 価は改善の傾向を示し,アミノ酸は余り変化がない。第一制限アミノ酸はたん白価と卵価は含硫アミ ノ酸,アミノ酸価はスレオニソ,牛乳価はリジソであって10年来変らなかったが,人乳価のみはリジ ンからロイシソに変った。なお,有効たん白質量は10年間に39 9ら50 9へ著しい増加を示した。

表11 摂取エネルギー比の推移

エネルギi・・比

調一 

穀類エネルギー比 (%)

米類エネルギー比 (%)

小麦類エネルギー比(%)

43年

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48年

4EOOσ﹂張00

53斜

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エネルギー比調ミ年 P 4・年1 4・年153年

糖質エネルギー比 (%)

脂肪エネルギー比 (%)

たん白質エネルギー比         (%)

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(12)

県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980

一100一

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(13)

幼児の食生活に関する研究(14報) 一101一

 5 体位・体力評価の推移

 表12に示すように,体位推計墓準値に対する身長ならびに体重の比率は逐年低下している。体力評 価は平衡力を除く他の3種目においてやや低下が見られ,従って平均値は43年,48年の3.1から53年 は2.6になり,中位よりやや低いといえよう。次に,体位・体力と栄養素摂取状況との相関性を求め たところ,その相関係数は低く,一定の傾向を見出すことはできなかった。

 以上のごとく,日本経済の高度成長の初期から最盛期を経て,低成長時代に至る約10年間の時代的 推移による都市近郊漉村幼児の食生活変容の実態を,10〜14名の事例について観察したのであるが,

前半の5年間の改善度はやや低位であったものの,後半の5年間の改善度はそれを凌いでいた。すな わち,食品数の増加,食品ならびに栄養素の目標値(基準量・所要量)に対する摂取比率ならびにバ ターソ類似率の上昇,P・F・Cエネルギー比の改善,動物性たん白質比・たん白価・化学価の上昇 など,栄養素摂取状況評価の各指標の10年間の改善度は顕著であった。また,個人栄養の視点から分 析すると,概して摂取不足児は減少し,適丑摂取児が増加しつつあり,多量摂取児は未だ少なく,摂 取上の個人差は逐年縮少される傾向を呈している。すなわち平均値に集約される傾向がみられ,総じ て摂取状況は望ましい水準に到達したといえよう。これらの現象の多くは国民栄養調査ならびに県民 栄養調査結果の推移と共通している。しかしながら,対豪児の体位・体力の発育状況には今のところ 反映しておらず,さらに学童期への影響を期して待ちたい。

 なお,成人病予防の視点から考慮される問題点のうち,動物性/植物性脂肪比については,逐年上 昇しているものの53年には0.96であり,52年度国民栄養調査成績の1.0912)に比べ未だ低値である。次 に,食塩摂取量については,43年の5.99から53年には8.5牙に増えているものの,菊地13)らの研究 による発育期(1〜14歳)の体重1kg当たり摂取量のO.3〜0.4佛こほぼ近似する成績であった。ア

メリカの小児科学会議栄養委員会3)では,乳幼児の食塩摂取が必要量の数倍以上にも及ぶところか ら,乳児および小児期の食塩摂取を減らすことを勧告しているが,わが国のこれらの調査・研究はよ

表13 対象児の体位・体力評価の推移

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調査年度 43 48 53

    \ Is・D・ Is・a ls・a

体位の体位推計基 準値に対する比率    (%)

体 力 評 価

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110

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2.6

3.1

3,4

平  均  値

3.4

6.0

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0.8

0.9

0.9

0.7

3.2

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3.7

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2.0

6.0

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0.7

0.8

0.9

0.7

3.4

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2.1

2.7

・・s 1 2・6

4.9

13。5

0.8

0.7

0.7

0.7

0.7

(14)

一ヱ02一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第17集 1980

うや儲についたところであり,54轍定の日本人の栄漸要量12)では・成人の食塩主勲の適正値を 10 9以下と示すにとどまり,小児についての数値は示されていない。

現在の栄欝の示す麟量・腰量を一応の食湘標とするならば・対象児の場合飾摂取にお いては綴色躾の撚比率を35% ,次い綴類,乳類および豆類のそれを・9〜14%増加し・栄養素 撒においてはピタミソB、の撒上ヒ率を19%・次いでビタミンB・のそれを7%増加することが望ま

しく,その他の摂取状況はほぼ現状維持が良いのではなかろうかと思料され,これらの諸点が,都市 近郊農村における幼児栄養の今後の課題として指摘されよう。

 新たなる80年代は,社会・経済的情勢が一層厳しくなり,環境問題や資源不足から生活や健康への 不安も加わって,低成長時代の延母の中で迎えることになろうと予測されているが,都市近郊農村に 住む幼児の食生活は今後如何に推移するか,さらに検討を続けて行きたい。

 幼児栄養をより的確に把握するために,43年,48年および53年度の都市近郊農村幼児の栄養素摂取 状況について検討を加えた。対象児は4〜6歳児10〜14名で,四季の連続3日間(通年12日間)の食 物摂取量を個人別に秤量し,食糧構成基準量ならびに個人別に算定した栄養所要量と対比して,5〜

10年間の推移状況を調ぺ,以下の結果を得た。

 (1)摂取食品数は1人1日当たり平均17種類→23種類→29種類と漸増し,動物性食品は3〜7種類 へ,植物性食品は14〜22種類へ増加した。

(2)飾摂取状況は,・・年町増力・したのは・・飾群で,撚脾の購な上昇舳脂・乳・肉・

砂糖類およびその他の野菜に認められ,減少したのは菓子,豆1果実および米類の4食品群であり,

摂取比率の平均値は93±45%→123土34%(α=0.05で有意)へ,基準量に対するパターソ類似率は 0.909→0.959へ上昇した。しかしながら,緑黄色野菜,穀類および乳類は10年来充足されていない。

(3)栄養素摂取状況は,10年間に摂取比率の平均値は88土24%→110±15%(P<O. Olで有意)

へ所要量パターソに対するパターン類似率は0.967→O・ 992へ上昇し,とくにピタミソC・・カルシウ ム,脂肪および動物性たん白質の摂取増が顕著である。10年前充足されない栄養素は6個あったの が,今回はピタミソB1とB2の2栄養素のみとなり,しかも摂取上の個人差が縮少されている。

 (4)摂取エネルギー比については,穀類エネルギー比(44%→39%)および米類エネルギー比(36

%→29%)は減少,小麦類エネルギー比(8%→10%)は漸増傾向を示し,糖質エネルギー比(68%

→57%)は減少,脂肪エネルギー比(18%→29%)は増加し,たん白質エネルギー比(14%)は変り なかった。

 (5)摂取たん白質の質的評価は,動物性たん白質比は35%→51%,たん白価は81(S)→88(S),

アミノ酸価は89(Thr)→87(Thr),卵価は69(S)→74(S),人乳価は88(Lys)→90(Leu)・

牛乳価は80(L・ys)→87(Lys)へ推移し,総じて質的向上が認められた。

 (6)対象児の体位の体位推計基準値に対する比率は身長は105土3.4%→98土4.9%,体重は110

(15)

幼児の食生活に関する研究(14報) 一一 103一

±6.0→95土13. 5%といずれも若干低位となり,体力評価も3. 1土0.8→2. 6±O.7と中位の成績からや や低い成績に推移している。

 終りに臨み,本研究に際して終始ご懇篤なご指導を賜わりました本学塚原叡教授に厚く御礼申し上 げます。また,調査の進行上限りないお力添えを賜わりました大形保育園ならびにあおい幼稚園の諸 先生方,さらに調査対象のご家庭の方々の…一・一年間にわたるご協力に対しまして,深く感謝申し上げま

す。

1) Reismal1, M.:Atherosclerosis alld Pediatrics, J. Pediatrics,66,1,1965.

2)Co㎜ittee。n Nutrition:Childho。d Deit and Coronary Heart Disease, Amer. Academy of Pediatrics,49,

 305,1972

3)Committee on Nutrition:Salt lntake and Eating Patterns。f lntants and Children in Relation to Blood  Pressure, Amer. Academy of Pediatrics,53,115,1974.

4) 日本栄養士会:栄養同本,22(9),9,1978.

5) 岡田玲子:数値群パターン解析法による農・山・漁村幼児の栄養摂i取比較成績,栄巽と食糧.t 26,191,1973.

6) 岡田玲子:生活環境別に見た幼児栄養の5年間の推移,栄養と食糧,32,191,1979.

7)厚生省公衆衛生局栄養課(監修):昭和50年改定日本人の栄養所要量と解説,P.17,24,59,74,81,94,

 96,97,100,101,139,140,第一出版(東京),1975.

8) 手塚朋通・他:年齢,性,労作,妊婦授乳婦別食糧構成,栄養学雑誌,28,89,1970.

9) 田村真八郎・他:食糧消費パターソの数量的研究,栄養と食糧,22,559,1969.

10)新潟県教育委員会編:幼児の体力テストとその活用のしかた,1969.

11) 武藤静子(監修):母子栄養ハンドブック,P.117,医歯薬出版(東京),1974.

12)厚生省公衆衛生局栄養課編:昭和54年改定日本人の栄養所要量,P.52,第一出版(東京),1979.

13)菊地亮也・他:発育期の食塩摂取に闊する研究,第25回日本栄養改善学演講集,P.44,1978.

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