• 検索結果がありません。

1 9 8 7 , pp. 51‑85  ISSN 0287‑6817 

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1 9 8 7 , pp. 51‑85  ISSN 0287‑6817 "

Copied!
36
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

質問紙法における反応歪曲の検出について(?) : YG性格検査の場合

その他のタイトル Detection of Faking on the YG Personality Questionnaire Scales

著者 辻岡 美延, 東 正訓

雑誌名 関西大学社会学部紀要

19

1

ページ 51‑85

発行年 1987‑11‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00022689

(2)

関西大学『社会学部紀要』第

1 9

巻第

1

1 9 8 7 , pp. 51‑85  ISSN 0287‑6817 

質問紙法における反応歪曲の検出について

(I) 

―YG 性格検査の場合—

辻 岡 美 延 ・ 東 正 訓

D e t e c t i o n  o f   F a k i n g  on t h e  YG P e r s o n a l i t y  Q u e s t i o n n a i r e  S c a l e s   B i e n  T s u j i o k a  & M a s a n o r i  H i g a s h i  

Abstract 

For detecting the structure and dimensions of faking on the YG Personality  Questionnaire  (contains  12  Scales),  cross‑modal  supercorrelation  matrixes  obtained  from  two  groups  of  Japanese  university  students  administered  in  1973(old)  and  1986(new)  both  under  a  standard  test  condition  and  the  valuation  instruction, were analyzed by three kinds of factor analytic methods. 

.  Fq~the first  time  ordinary  common  factor  analysis  was  adopted  using the  pr1nc1pal  factor  ana(ysis  with  estimated  communalities,  Varimax  and  Promax  rotations  for  the  old  data  and  the・new  one  was  rotated  to  get  the  maximum  con¥lruence  by  Schonemann's  orthogonal  Procrustes  me̲thod  with  the  old  one's  oblique  transfomation  matrix.  Secondly,  differential  R‑technique  factor  analysis  and  thirdly :so‑called  partial group  princip<!l  component  analysis  were  done  to  the  new  data  in  order  to  detect

nd eliminate  t ̲ h e   effect  of  the valuation  factors  from  the YG scale  scores  ,n  a standard  situation. 

The  results  show  that  there  are  three  d'  1mens1ons  of  the  valuation  criteria  according  to  three  second‑order  factors  in  personality  domain. 

Social  Desirability  for  Emotionality  (SD‑E),  Social  Desirability  for  Introversion‑Extraversion  (SD‑I)  a n ̲ d   Personal  Desirability  o r : ,   Reflecti‑

veness~PD-R) as  well  as  seven  intrinsic  primary  personality  fact9rs  linealy  independent  to  each  valuation  factor  and  also  to  each  personality  factor:̲  Emotionally  stab̲le,  Fantastic,  Frustratedness;  Dominant, ̲Actiye; 

Reflective  and  Progressive.  For  the  construction  of  the  questionnaire  scales  free  from  fakin(,  the  item  analysis  by  t~e. principle  of  factor‑

trueness  was  proposed  a ong  the  intrinsic  persona~ity factor  axes  obtained  through  the ,partial  group  factor  analysis. 

Key words: faking, personality  questionnaire, factor  analysis,  Procrustes  r o t a t i o n ,  d i f f e r e n t i a l  factor a n a l y s i s ,   p a r t i a l  group factor  a n a l y s i s ,   s o c i a l   d e s i r a b i l i t y ,  item a n a l y s i s ,   YG  Personality Questionnaire, university student 

抄 録

1 2

尺度からなる

YG

性格検査における歪曲の構造と次元性を検出するために,

1 9 7 1

年(旧資 料)と

1986

年(新資料)において,標準のテスト施行状況と価値判断状況の両状況で施行した 2群 の日本人大学生から得られた交叉相面的超相関行列が三種の因子分析的方法により分析された。

まず最初に,通常の共通因子分析が繰返し推定による共通性を用いる主因子分析,バリマック ス回転とプロマックス回転を用いて旧資料に適用され,新旧両群の最大近似解をうるためにシェ ーネマンの直交フ゜ロクラステス法を両主因子解に適用した後,両方の最大近似解が旧資料の斜交 変換行列を用いて回転された。二番目に,差得点因子分析,第三番目に,所謂「偏グループ主軸 法」とよばれる方法が,標準状況における

YG

性格検査得点から価値判断の効果を検出し,これ

を除くために新資料に対して行われた。

分析結果によれば,三次元の価値判断基準が人格領域における三種の二次因子ごとに存在する ことが明らかにされた。それらは,情緒安定性に対する社会的望ましさの因子

( S D ‑ E ) ,

外向性 に対する社会的望ましさの因子

(SD‑I)

と内省性についての個人的望ましさの因子

(PD‑R)

あり,それに加えて 7個の本来的な一次人格因子が先の価値判断基準とも,また人格因子相互と も一次独立的に存在する。これらの七因子は,情緒安定性,空想性,不満性;主導性,活動性;

内省性,進取性の七因子である。歪曲の混入しない質問紙法尺度を構成するには,偏グループ主 軸法を通じて得られる本来的な人格因子軸に沿って,因子的真実性の原理による項目分析法が最 善であるとの提案がなされた。

キーワード:歪曲,性格検査,因子分析,プロクラステス回転,差得点因子分析,偏グループ因 子分析,社会的望ましさ,項目分析,

YG

性格検査,大学生

‑ 5 1   ‑

(3)

関西大学「社会学部紀要」第

1 9

巻第

1

〔 問 題 〕

質問紙法形式のバーソナリティ・テストに対する被験者の回答には,被験者自身の価値判断に もとづく反応の歪曲が混入することは古くから認められて来たところである。しかし,人は,① いかなる状況において,③いかなる方向に,③どの程度,反応を歪曲するかという実体につい て,これを検出することは案外困難な問題なのである。

そこで,本稿では,この問題解決にとりくんで来た従来の諸研究を,方法論的な観点から分類 整理し,その方法の成否について検討しつつ,この問題に対するもっとも有効な方法論を展開し たいと考える。

この問題解決の方法は大別して二つある。その一つは,反応の中に歪曲の混入し難い尺度を構 成するという尺度構成法の問題であり,その二つは,たとえ,反応に歪曲の混入が認められても,

歪曲を除去する方法を考案するということである。前者は「毒消し」であり,後者は「毒抜き」

といえよう。しかし前者の操作は,構成された尺度水準において実現されうることであって.テ スト項目ごとに,歪曲の混入しないような項目を作成するということではない。むしろ逆に,反 応歪曲は,積極的にこれを容認し,後の処理において,これを除去するという所謂「毒抜き」操 作の方が現実的な方法といえよう。なんとなれば,教育測定の先人,ソーンダイク

( T h o r n d i k e , E .  L . )

がいみじくも論破したように,「存在するものは測定できる。」と考えられるからである。

その意味するところは,「もしも,反応の中に,一定の反応傾向が存在するならば,その傾向は,

少なくとも一つの共通分散として,因子分析的にこれを抽出することができる。」からである。

さて,これらの問題解決のうち,もっとも古くかつ系統的に行われた研究は,種々の実験条件 を想定した分散分折的研究であった。

(1)  反応歪曲の分散分析的研究

これらの研究には,

B i s l o w ( 1 9 5 8 ) , C r o s s  ( 1 9 5 0 ) ,  Gordon & S t a p l e t o n  ( 1 9 5 6 ) ,  Heilbrum 

&  G o o d s t e i n  J r .   and L . D .   ( 1 9 5 9 ) ,   Heron ( 1 9 5 6 ) ,   Mayo  &  Guttman ( 1 9 5 9 ) ,  R a b i n o w i t z   ( 1 9 5 4 ) ,   Rosen ( 1 9 5 6 ) ,   S h e l d o n  ( 1 9 5 9 ) ,   S o r e n s o n  ( 1 9 5 6 ) ,   S o r e s o n  & S h e l d o n   ( 1 9 5 8 )  

らの古い研究がある。そのうち,

S o r e n s o n  & S h e l d o n

の研究と

S h e l d o n

自身の研究がもっ とも系統的な実験計画であったといえる。

彼等の研究は, いずれも, 分散分析のための実験要因として, R質問項目の内容, @被験者

(年齢,性別,教育程度,集団所属性, 価値観など)c実験条件,

(i)

実験状況教示の順序,

( i i )

記名の有無,

( i i i )

教示の種類をとり上げ,これらの主効果と交互作用を分散分析によって検 定したものである。

彼等の研究結果を要約すると, 実験状況において, 「自分を良く見せかけるように」教示され

‑ 5 2  ‑

(4)

l

関紙法における反応歪曲の検出について

C I )

C 辻岡•東)

た被験者群は,社会的に望ましい方向に得点を変化させ

(1%

で有意),またこの教示の順序(標 準状況が先か実験教示状況が先か)も

1%

で有意であった。そして,この両者の交互作用も

5%

で有意であった。しかし,記名の有無や,記名と状況および順序とのいずれの交互作用も有意で はなかった。

Sheldon

はさらに,質問紙法の種類を変えて実験したところ, やはり, 教示状況 と順序はおおむね有意差が検出された。

これらの研究を要約すると,自分を良く見せかけるようにとの教示の下では,人は,質問紙法 に対して反応を歪曲するという事実である。しかし,考えてみると,これはごく当り前の事実で あって,所謂「標準状況」において,人はどれぐらい反応を歪曲するかという問題に対する解答 とはなり得ないものであった。また,たとえ順序効果が有意であるとしても,現実のテスト状況 では,唯一回の標準状況のテスト施行があるだけであるから,この知見は何の役にも立たない。

それよりもむしろ,問題解決に有効な知見は,

Sheldon

の研究が, テスト尺度によって, 歪曲 の程度が異なるという分散分析の結果を提起したことであった。この方が余程,問題解決に有効 な知見といえよう。すなわち,パーソナリティの特性により,また項目の表現形式により歪曲の 程度や方向が異なるという知見は, 1960年当時としては,その後のテスト尺度構成に有効な指導 概念を見出す方途を提供するものであった。

このように,実験条件を種々組み合わせた分散分析的手法は,実際場面のある種の想定実験で はあったが,現実の標準状況におけるテストの歪曲問題の解明となり得なかったのであった。

(2) 

反応歪曲の交叉相面的研究 (A)  状況間の平均差,分散比の研究

異なる教示状況下での尺度得点間の平均差や分散比を検定した研究例は数多い。一般的な結論 として,標準状況における尺度得点平均は,歪曲教示状況あるいは価値判断状況においては,社 会的に望ましい方向へ平均点は偏位し,尺度得点の分散は縮小化する。また,状況間の尺度間相 関は,

0 . 4 乃至 0 . 1

程度の中程度の値を示すことが明らかにされている。状況間の対応する尺度 得点間の相関がある程度高い値を示す場合,この相関値をもって,直ちに,標準状況の尺度値 が,価値判断の影響を受けていると即断する研究者が多いが,この考え方は正しくはない。なん となれば,もし価値判断の中に,その人のパーソナリティが投影されておれば,両者の間に相関 が認められるようになるのは当然であるからである。もっとも,このようなケースがすべてでは ないから,この問題はもっと実体に即した研究に立脚して判断する必要にせまられる。

この件に関して,

Edwards,A.  L .   ( 1 9 5 7 )

の研究は, かなりの人に誤解されていることを指 摘しておく必要があると思う。彼の研究の要旨は,パーソナリティを測定すると考えられる質問 項目に対する「社会的望ましさに対する評定の平均」と,その項目に対する「承認率」との相関

0 . 9

程度の高い値を示すという事実である。この場合の相関は項目を要素として算出されてお り,普通よく行われるような被験者ではない。また,相関を求める二変数は,いずれも被験者集

‑ 5 3  ‑

(5)

関 西 大 学 『 社 会 学 部 紀 要 」 第

1 9

巻第

1

団の平均値である。すなわち,評定値の平均と,当該集団の承認率すなわち,項目への反応の反 応率との二変数であり,反応率も当然のこと一種の平均である。平均と平均との相関が高いか ら,個々人の反応傾向の相関も同じ位高いと考えるのは論理の飛躍にすぎない。項目を要素とし た相関と,被験者を要素とした相関は同じでもなく,いわんや

Edwards

の相関値は平均値間の 相関であり,個々人の評定値ではない。求めるべきは少なくとも,同一個人の評定値とその人の 回答との相関でなければならない。

このような観点から,方法の節で後述するように本研究では,この両者すなわち,標準状況と 価値判断状況との二相面における交叉相面的研究として三つの研究を計画した。

(B)  差得点の因子分析

その一つは,標準状況と価値判断状況との尺度得点の差を個々人について求め,この差得点間 の相関行列を因子分析(あるいは主成分分析)する方法である。求められた構造にしたがって,

直交あるいは斜交回転を行う。.この方法によって得られる知見は,価値判断によって影響をうけ る標準状況の得点が,人格特性間において,いかなる共変動を示すかという知見である。この研 究は,ある一群の人格特性内では,回答は同一の偏位傾向を示すか,またそのような共通傾向 は,大略何次元により説明されるかという知識をわれわれに示してくれる。

この場合,相関行列ではなく,積和行列や共分散行列を多次元分解の対象とすることもでき る。前者の場合は,生の得点を比率尺度的にとり扱い反応の水準をも対象としていることを意味 している。相関行列を分析対象とした場合と,構造が非常に異ならない限り,共分散行列の分解 は,その後の解釈が困難であるという欠点をもっている。

( C )  

汎相面的因子分析

上の差得点の因子分析に対し,両状況の尺度間について,そのまま因子分析を行う方法が汎相 面的因子分析である。特別の方法を用いないで,あるがままの共通因子分散を抽出し,両状況に わたる共変構造をあきらかにする方法である。それ故,現実の現象を忠実に反映するという利点 がある反面,両面相の因子が強固に合体したような因子が存在する場合は精密な分析が不可能に なるという弱点を持っている。しかし,両状況全体の次元数を決定したり,全体の構造に対する 概観的展望を得るのに欠かすことのできない方法であり,まず最初の分析ステップとしては大切 なものである。

( D )  

偏グ)レープ主軸法

この方法は本研究において最も重視するものであり,歪曲の検出に最も有効な方法である。辻 岡•藤村 (1975a,

1 9 7 5 b ,  1 9 7 5 c ,  1 9 7 5 d ,  1 9 7 5 e ,  19750

YG

性格検査における反応歪曲の検 出についてこの方法を最初に適用し,一応の成果をおさめている。本研究では,最近の新しいデ ークに対して,この方法を適用するにあたって,さらにこの方法の変法を考案して,標準状況に おける反応歪曲の実体にせまろうとした。

この研究目的の一つには,最近の若者の価値観は以前と比べてかなり変化しているといわれて

‑ 5 4  ‑

(6)

質1

1 ! 1

紙法における反応歪曲の検出について

(I)

(辻岡・東)

いるので,以前の研究の追試をこの際行うとともに,以前の知見をふまえて,反応歪曲の構造モ デルを構築したいと考えたからである。偏グループ主軸法については,土井•清水

( 1 9 7 9 )

がコ ンピュータ・プログラムをも含めて発表している。本研究では,以前と同一の方法とその変法

(グループ指定を変える)の双方を行ったが,本稿では変法の分についてのみ発表することとし た。これらの方法論については,次節において詳述する。

(3) 

尺度得点•項目得点プロフィールの距離行列の多次元分解

この方法は一種の交叉断面的

( C r o s s ‑ s e c t i o n a l )

な研究法で,調査対象となる被験者集団は.

異集団でも.またテスト施行状況も同一でも異っていても良い。また特殊な場合として,被験者 集団が同一集団であっても良い。たとえば,採用試験状況下の資料をもその中に含めることもで きる。その点からは,広汎な適用範囲をもっている。集団の平均プロフィールの間にユークリッ ド距離にもとづく距離行列を求め.これを多次元分解する方法である。その意味から尺度得点,

あるいは一群の項目得点(場合によっては反応率)を測度として距離を求めるので, 必 ら ず し も,ユークリッド距離に限らず,変換を施す多様な方法も可能である。

辻岡 ( 1 9 6 0 )

は,

YG

性格検査

1 2

尺度の各尺度に含まれる項目ごとの反応率をプロフィールと して採用試験状況,価値判断状況,標準状況における多数の集団間に距離行列を求め.これを3 次元乃至

5

次元に分解して,採用試験状況の項目への回答が,標準状況と価値判断状況からどの 程度偏位するかを調査した。

この結果によれば,反応の偏位は,年齢,性別等により,また尺度により多様で,価値判断に より大きく影響される尺度もあれば,それよりも,年齢や性別に依存する尺度もあり,測定しよ うとする性格特性に関わることが大きいことが判明した。この方法は,因子分析と異なり,得ら れた座標値を相対的大小により比較することになるので,これを比較する一般化プロクラステス 法(柴田

1 9 8 6 a , 1 9 8 6 b ,  1 9 8 7 )

のような方法の適用なくしては利用価値は少ないと考えられる。

〔 方 法 〕

前節において述べたとおり,質問紙法の反応歪曲が,標準のテスト施行状況において,どの方 向に,どの程度現われるかの実体について,これを検出する方法としては,交叉相面的因子分析 的方法がもっとも有望であることが議論された。そこで本研究で展開した三種の因子分析的方法 すなわち,汎相面的因子分析,差得点因子分析,偏グループ主軸法についての方法論に論及した

(1) 汎相面的因子分析

( P a n ‑ m o d a lf a c t o r  a n a l y s i s )  

この方法は,標準状況と価値判断状況の両相面の尺度得点を特定グループ化せず,両者をこみ

‑ 5 5  ‑

(7)

関西大学『社会学部紀要」第

1 9

巻第

1

にして,通常の共通因子分析(または主成分分析)を行い,バリマックスまたはそれに続く斜交 因子回転を行う方法である。この方法は,標準状況の尺度変量のみ,あるいは,価値判断状況の 尺度変量のみによって飽和されるのみならず,両状況の尺度変量にわたって因子負荷を示す因子 も見出されるケースが多い。その場合,求められた因子が真の人格因子であるのか,あるいは価 値判断因子であるのか,それともその両者が合体し複合化した因子であるのかは,最終的には不 明である。また先に辻岡•藤村において明らかにされたように,真の人格因子と認められる因子 であっても,微弱とはいえ,異状況の同一尺度が,付随するように負荷する所謂 影因子 が出 現することが多い。たとえば,社会的外向尺度と支配性尺度からなる主導性因子に,価値判断状 況の同一尺度が微弱に因子負荷するという現象が認められる。この場合,標準状況の,社会的外 向尺度得点に対して,価値判断が微弱に働くと解釈するのがもっとも自然な解釈であるが,両状 況の因子負荷が,ほとんど同一水準を示す場合は,その因子を人格因子と認めるのか,価値判断 因子とするのかは不明とならざるを得なくなる。ここに,この汎相面的因子分析の最大の弱点が ある。しかしこの汎相面的因子分析を省略して,直ちに次の方法に飛躍することはできない。な んとなれば,これらの両相面にわたる全体的構造の展望は,この汎相面的因子分析によってはじ めて与えられるものであるからである。とくに対象となる両相面の有意味な次元数(ランク)は この研究によって与えられるからである。

(2) 

差得点の因子分析

( D i f f e r e n t i a lR ‑ t e c h n i q u e  f a c t o r  a n a l y s i s )  

この方法は,標準状況と価値判断状況との両状況における対応する尺度得点の差を,被験全員 について算出し,この差得点間の相関行列を共通因子分析(または主成分分析)して,その次元 数を決定し,以後,直交または斜交軸回転する方法である。ここで特に読者に注意しておかなけ ればならない点は,所謂この差得点の全分散は,歪曲そのものではないということである。おそ らく,歪曲の分散は,この差得点の全分散の一部分に過ぎないという事実である。なんとなれ ば,差得点の全分散

o i

はは,次の

( 1 )

式により求められる。

( 1 )

= o , 2 + o . 2 ‑ 2 r •• o , o .  

ここでがは,標準状況の尺度得点の分散であり,

o . 2

は,価値判断状況の分散,

r ••

は,両状 況における尺度得点間相関である。そもそも,歪曲とは,意識的,無意識的に行われる標準状況 における反応水準の偏位であって,価値判断そのものではない。歪曲とは価値判断の引力に引っ 張られて偏位する反応であって,価値判断は反応歪曲ではないのである。岩脇

( 1 9 7 3 )

が喝破し ているように,反応歪曲の研究者達は,「暗がりで落して来た鍵を明るい所で探している。」とは,

まさにこの点を批判したものである。しかし,批判することはたやすい。求むべきは,暗がりを 照らす照明具でなければならない。

そこで,この差得点の平均と分散を求めてみると,平均差の大きな尺度と小さな尺度とがあ り,一方,分散にも大小があり,両状況の相関も

0 . 1

レベルのものもあれば

0 . 4

程度のものもあ

‑ 5 6  ‑

(8)

質問紙法における反応歪曲の検出について

(I)

(辻岡・東)

る。平均差がなければ歪曲が行われていないと考えるのは必らずしも正しくはないし,平均差が 大きければ歪曲の程度が大きいと考えるのも正しくはない,平均差が大きくても,もし歪曲の分 散がきわめて小であれば,妥当性の点からみれば歪曲が行われなかったのと同じである。また両 状況間の対応尺度間相関の大小をもって直ちに歪曲の程度の大小と直結して考えるのも誤判断に 導く。これらの問題の解明は,先の汎相面的因子分析とこの差得点の因子分析との比較検討によ って求められる。しかし,やはり,この方法は,明示的計量的に歪曲の程度を測定しうる方法と はならず,その全貌をある程度われわれに与えてくれるものにすぎない。この問題についての詳 細は次の結果の節で(偏グループ主軸法による

AG

因子の節で)再吟味しよう。

(3) 

偏グループ主軸法

( P a r t i a lgroup p r i n c i p a l  a x e s  method) 

この方法は,偏相関法とグループ主軸法とを結合しつつ,両者の特徴を巧みに利用した方法で グループ指定の仕方によっていくつかの変法が考えられる。

辻岡•藤村 (1975b) は,標準状況の YG 性格検査の 12尺度得点と,価値判断状況の同検査の

1 2

尺度得点との超相関行列

(24X24)

を大学生

3 0 0

名について求め,この超相関行列に対して偏 グループ主軸法を適用した。因子数は,先の汎相面的因子分析においては,スクリー基準から

1 0

因子であることが妥当とされたため,主因子法による繰返し推定によって求められた共通性を用 いて,これを主対角要素とする縮減超相関行列のうち,価値判断状況の相関行列に属する部分か

3

次元の主因子を求め,この

3

因子の影響をとり除いた残差相関を,価値判断状況に属する 部分のみならず,超相関行列の全要素についてこれを求めたのである。これを行列代数的にあら わすと

( 2 )

式のようになる。

R*

を,標準および価値判断両状況の縮減超相関行列とし,それぞれ の部分相関を(2)式右辺

(2) 

R*=[  R , . *  R  ••

R  •• R  ••   ] *

のようにあらわす。ここで添字の

S

は標準状況,

0

は価値判断状況の尺度群の意である。

いま先の辻岡らの研究では

R ••

*すなわち,価値判断状況のみの部分を主因子分析した場合,

3

次元の主因子分散によって,ほぼ,

R ••

*の内容が説明される。そこで

( 3 )   R,.*=A.A.'+E  ••

と表わす。ここで

A.

は主因子負荷行列(構造行列)であり,

E ••

は近似的に空行列である。

ところで

R ••

*の主対角要素には,先の汎相面的因子分析によって求められた共通性が挿入され ている。

ここでこの重み行列

w .

は,超行列

R*

について考えると,

R , , *  R , .   0  A ,   ( 4 )   [  R . ,  R 0 0 * ]  [  w.J=[ A.] 

とあらわされ,重み行列の標準状況に属する部分はゼロ行列であるが, 対応する構造行列

A,

‑ 5 7  ‑

(9)

関西大学『社会学部紀要」第

1 9

巻第

1

はゼロ行列とはならない。したがって,この価値判断状況から求められた因子の効果を除去した 超残差相関行列をさらに主因子分析して得られる構造行列

B , , B

。は,先に求められた価値判断 状況からの因子に対する構造行列

A , ,A

。とは直交直和の関係になっている。ここで

B , ,B. 

( 5 )

式によって求められたものである。

R . ,

十等は残差相関行列を意味している。

R , ,  

十凡,+

W,  B ,  

( 5 )

  [  R . , +  R , , + ]   。 [ ] = [ B . J

ところで,

A , ,  A, 

および

B , ,B, 

はそれぞれ主因子分析によって求められた直交の構造行列 であるから,そのまま解釈することは容易ではない。したがって,バリマックス回転やそれに続 くプロマックス回転によって解釈しやすいように変換される。しかしここで,

A , ,A. 

と且,

B,

を一括して回転してはならない。標準状況の変量に,価値判断因子が再び混入しないように,

A.

A.

の空間と,且と

B,

の空間とは直交関係を保持するよう,それぞれの空間内でのみ回転 を行う必要がある。

このように,価値判断空間における主因子軸あるいは主成分軸を定義する場合に,価値判断状 況におけるどの変量をグループ指定するかについて, 先の辻岡•藤村 (1975b) においては, 値判断状況のすべての変量

( 1 2

尺度)を

3

因子について指定したものであるが,これを別個に

3

種類にグループ指定し,しかも,これらの

3

因子間においては,直交性を保つように,逐次残差 相関行列を求めて,グループ主軸法を適用したのが今回の変法である。

このような変法を用いた理由は,標準状況において混入する価値判断にもとづく歪曲は,ほぼ

3

次元からなり,高次階層の人格因子に対応して歪曲される傾向が強いことが明らかにされたの で,関係のない人格因子領域における歪曲の影響までをも含めて,歪曲の除去を行うような過大 修正の影響を少なくしようと考えたからである。

この点については,結果の節で再吟味する予定であるが,もしも,正準相関分析のように標準 状況と価値判断状況との両状況から求められる正準合成変量によって,その効果のすべてを除去 した場合は,とり除かれた分散の中に,真正の人格因子の分散をも含む可能性がさらに大きくな ると考えられる。これはガン細胞を殺すために,正常細胞をも傷つけるようなものである。それ 故,今回の変法では,関係のない人格領域に属する変量には

0

の重みを与えた合成変量を作り,

逐次残差相関行列を求めて,直交の価値判断基準を求め,その影響から自由な真正の人格次元を 求めるという方法をとった。この方法によってどの程度除去される分散に影響が出るかは,双方 の抽出総分散を比較することによって得られる。

ところで,最後に最も重要な課題について論及しなければならない。それは歪曲の根本問題に ついてである。上述までの論題は,価値判断によって影響を受ける標準状況の尺度得点の分散の 検出の問題であった。ここで,「影響を受ける部分」のすべてが歪曲なのであろうか。実は, 影 響とは原因に対する結果の一部のことである。しかし,標準状況の得点が結果であるとは必らず しも限らない。原因の一部でもあり,両者は原因と結果との因果関係ではない部分を含んでい

‑ 5 8   ‑

(10)

質問紙法における反応歪曲の検出について

(I)

(辻岡•東)

る。この所に,歪曲検出のきわめて困難な問題がひそんでいるのである。この問題は,一般的な 方法論の問題ではなく,個々の人格特性領域,たとえば,気質,態度などの個別領域において実 質科学的に解決しなければならない個別方法論の問題に属する問題なのである。さらにいえば,

当該性格検査,当該社会的態度尺度の因子尺度ごとに解明をせまられる問題なのである。されば こそ,逆に道を誤らない一般的方法論の確立が望まれるのである。

YG

性格検査については,次 の結果の節でこの点を詳述しよう。

〔 結 果 〕

(1) 

汎相面的確認的因子分析

( C o n f i r m a t o r yp a n ‑ m o d a l  f a c t o r  a n a l y s i s )  

① 

方 法

YG

性格検査

1 2

尺度を標準状況と価値判断状況との二状況において施行した大学生の結果から 超相関行列を求める。価値判断状況は標準状況の後に施行する。価値判断状況では, 「あなたが 考えて,いずれが望ましい性格と考えますか」という問いに対して三件について回答を求めた。

その際,世間の基準からではなく,あなたの考えとして,「はい」の側が望ましいか,「いいえ」

の方が望ましいかを答えさせた。いずれとも決められないときは「どちらでもない」の中間反応 を求めた。価値判断状況の尺度得点は,

YG

性格検査の採点

Key

により算定された。

③ 

被 験 者

辻岡・藤村

( 1 9 7 5 a )

において用いられた資料:関西大学学生

3 0 0

名(男

2 0 0

名,女

1 0 0

名)一

1 9 7 3

年施行ーと,新しい資料:関西大学学生

2 7 6

名(男

1 5 8

名,女

1 1 8

名)ー

1 9 8 6

1 0

月施行ーの

2

群である。

⑧ 

分析方法

(i) 

両資料から求めた相関行列

(Table1

および

2)

から, 因子数を

1 0

個として,主因子法 による繰返し推定によって共通性を求め,主因子解を求めた。これは辻岡・藤村の先の分析によ って,スクリー基準により,

1 0

因子目の所に明確な固有値(因子分散)のギャップが認められた からである。

( i i )  

旧資料の主因子解をバリマックス回転し,さらにプロマックス法と

R o t o p l o t

法による 微調整による斜交解を求めた。

( i i i )  

新旧両資料別の主因子解について辻岡・柴田

( 1 9 8 3 )

によるパタンマックス法を用い て,直交状態を保持しつつ,両解の最大近似解を求めた。この両者の凍結解を先の旧資料の最終 解の変換行列を用いて,両解を回転した。換言すれば,両解の最終解は,旧資料の最終単純構造 解を基準として,新資料を最大近似させたことを意味している。最大近似化の指標として,柴田

( 1 9 8 2 )

に従い,R因子バターンの一致性係数,R共通因子空間内変量ベクトル頂点間距離,c

‑ 5 9  ‑

(11)

Tablel  Correlation  Matrix,  Means  and  SD  of  YG  Scales  in  Standard  and  Valuation  Administration  in  1973  (old  data) 

60

s  I  D* 

D  C  I  N  ゜ Co 

Ag  G  R  T  A  C*  I*  N*  O*  Co*  Ag*  G*  R*  T*  A*  S*  D  598  579  625  678  537  107  ‑422  ‑003  ‑484  ‑333  ‑353  294  113  079  110  268  245  145  ‑025  075  ‑195  ‑080  ‑068  C  598  566  646  601  530  337  ‑339  278  ‑214  ‑261  ‑215  125  226  083  101  217  232  198  043  158  ‑040  ‑026  026 

I  579  566  637  491  493  ‑071  ‑476  010  ‑253  ‑508  ‑471  131  090  154  116  218  182  049  ‑010  049  ‑043  ‑135  ‑059  N  625  646  637  588  544  137  ‑396  ‑027  ‑484  ‑342  ‑366  145  130  108  131  201  219  119  ‑021  045  ‑151  ‑081  ‑073  準° 678  601  491  588  547  256  ‑240  191  ‑365  ‑190  ‑207  234  190  106  112  333  237  180  ‑032  134  ‑089  ‑123  ‑089  Co  537  530  493  544  547  210  ‑317  138  ‑258  ‑275  ‑304  122  089  059  089  219  408  253  ‑139  070  ‑078  ‑073  ‑039 

Ag 107  337  ‑071  137  256  210  190  511  ‑025  275  228  018  137  ‑063  033  094  154  464  ‑008  243  026  042  142  G  ‑422  ‑339  ‑476  ‑396  ‑240  ‑317  190  306  145  500  544  ‑054  006  ‑010  ‑026  ‑053  ‑083  051  160  082  ‑063  054  008 

R ‑003  278  010  ‑027  191  138  511  306  265  330  430  012  159  060  043  162  128  254  034  298  152  041  093  T  ‑484  ‑214  ‑253  ‑484  ‑365  ‑258  ‑025  145  265  122  212  ‑206  ‑086  ‑081  ‑136  ‑103  ‑121  ‑054  029  ‑028  438  056  087  A  ‑333  ‑261  ‑508  ‑342  ‑190  ‑275  275  500  330  122  773  ‑076  ‑061  ‑044  ‑005  ‑088  ‑102  051  099  078  012  185  143  s  ‑353  ‑215  ‑471  ‑366  ‑207  ‑304  228  544  430  212  773  ‑099  ‑025  ‑053  ‑037  ‑056  ‑113  097  125  179  038  169  197  D*  294  125  131  145  234  122  018  ‑054  012  ‑206  ‑076  099  643  539  601  641  470  181  ‑446  150  ‑440  ‑436  ‑444  C*  113  226  090  130  190  089  137  006  159  ‑086  ‑061  ‑025  643  584  654  620  434  247  ‑400  258  ‑281  ‑428  ‑431 

I* 079  083  154  108  106  059  ‑063  ‑010  060  ‑081  ‑044  ‑053  539  584  782  473  335  ‑079  ‑534  035  ‑290  ‑577  ‑580 

N*  110  101  116  131  112  089  033  ‑026  043  ‑136  ‑005  ‑037  601  654  782  547  470  107  ‑522  079  ‑347  ‑506  ‑518 

〇*

268  217  218  201  333  219  094  ‑053  162  ‑103  ‑088  ‑056  641  620  473  547  539  294  ‑253  183  ‑420  ‑347  ‑362 

Co* 245  232  182  219  237  408  154  ‑083  128  ‑121  ‑102  ‑113  470  434  335  470  539  307  ‑302  107  ‑356  ‑312  ‑261 

Ag* 145  198  049  119  180  253  464  051  254  ‑054  051  097  181  247  ‑079  107  294  307  119  516  ‑121  107  139 

G*  025  043  ‑010  ‑021  ‑032  ‑139  ‑008  160  034  029  099  125  ‑446  ‑400  ‑534  ‑522  ‑253  ‑302  119  095  092  563  562  R*  075  158  049  045  134  070  243  082  298  ‑028  078  179  150  258  035  079  183  107  516  095  007  122  158 

T* ‑195  ‑040  ‑043  ‑151  ‑089  ‑078  026  ‑063  152  438  012  038  ‑440  ‑281  ‑290  ‑347  ‑420  ‑356  ‑121  092  007  187  255  A*  ‑080  ‑026  ‑135  ‑081  ‑123  ‑073  042  054  041  056  185  169 

・436  ‑428  ‑577  ‑506  ‑347  ‑312  107  563  122  187  670  S*  ‑068  026  ‑059  ‑073  ‑089  ‑039  142  008  093  087  143  197  ‑444  ‑431  ‑580  ‑518  ‑362  ‑261  139  562  158  255  670  M  111.4110.00  9.04  10.53  9.03  8.32  11.30  11.09  11.50  8.63  9.20  12.42,  4.00  3.78  2.25  3.19  6.00  4.3111.50  18.14  10.23  8.77  16.48  17.46  a  5.71  4.93  5.26  5.27  4.57  4.38  4.26  4.77  4.73  4.49  5.57  5.15  3.39  3.14  2.60  3.18  3.28  2.78  2.84  2.82  3.01  3.24  2.87  2.50 

涯固汁柿『芹柿鼎器裕涸』濾19~ffi

(12)

Table2  Correlation  Matrix,  Means  and  SD  of  YG  Scales  in  Standard  and  Valuation  Administration  in  1986  (new  data) 

61

:,  D* 

D  C  I  N  ゜ Co 

Ag  G  R  T  A  C*  I*  N* 

〇*

Co*  Ag*  G*  R*  T*  A*  S*  D  489  550  557  643  318  023  ‑333  ‑055  ‑471  ‑310  ‑290  380  288  114  224  378  245  063  022  030  ‑281  ‑152  ‑062  C  489  460  478  558  287  280  ‑260  307  ‑170  ‑170  ‑129  186  284  044  204  339  151  150  056  110  ‑175  ‑094  ‑070 

I  550  460  690  409  334  ‑259  ‑429  ‑165  ‑313  ‑491  ‑485  152  170  169  191  220  175  ‑027  031  ‑070  ‑170  ‑153  ‑022  N  577  478  690  498  417  ‑052  ‑310  ‑181  ‑456  ‑312  ‑361  204  149  169  264  287  259  067  037  ‑057  ‑285  ‑142  ‑099  準° 643  558  409  498  313  133  ‑195  136  ‑349  ‑135  ‑108  287  280  086  217  513  201  148  093  100  ‑280  ‑123  ‑044  Co  318  287  334  417  313  089  ‑250  ‑004  ‑218  ‑330  ‑297  101  100  106  179  172  398  065  ‑059  ‑044  ‑218  ‑104  ‑116 

Ag ‑023  280  ‑259  ‑052  133  089  245  493  ‑006  358  371  100  116  ‑032  067  131  039  387  056  288  ‑087  060  018  G  ‑333  ‑260  ‑429  ‑310  ‑195  ‑250  245  306  087  542  563  ‑061  ‑025  ‑131  ‑083  ‑087  ‑133  073  193  117  036  154  089 

R ‑055  307  ‑165  ‑181  136  004  493  306  331  388  497  ‑036  057  ‑112  ‑031  ‑017  ‑031  190  075  296  122  094  115  T  ‑471  ‑170  ‑313  ‑456  ‑349  ‑218  ‑006  087  331  136  126  ‑168  ‑039  ‑011  ‑124  ‑179  ‑124  ‑082  ‑087  041  371  030  027  A  ‑310  ‑170  ‑491  ‑312  ‑135  ‑330  358  542  388  136  715  ‑054  ‑119  ‑155  ‑086  ‑133  ‑168  058  112  054  ‑004  243  165  s  ‑290  ‑129  ‑485  ‑361  ‑108  ‑297  371  563  497  126  715  ‑108  ‑135  ‑178  ‑155  ‑150  ‑179  105  180  193  082  266  270  D*  380  186  152  204  287  101  100  ‑061  ‑036  ‑168  ‑054  ‑108  573  524  659  558  447  019  ‑395  ‑012  ‑274  ‑493  ‑384  C*  288  284  170  149  280  100  116  ‑025  057  ‑039  ‑119  ‑135  573  523  557  532  339  095  ‑299  131  ‑038  ‑378  ‑301 

I* 114  044  169  169  086  106  ‑032  ‑131  ‑112  ‑011  ‑155  ‑178  524  523  712  313  464  ‑146  ‑579  ‑115  ‑059  ‑649  ‑623 

N*  244  204  191  264  217  179  067  ‑083  ‑031  ‑124  ‑086  ‑155  659  557  712  440  576  ‑012  ‑440  ‑082  ‑269  ‑560  ‑499  O*  378  339  220  287  513  172  131  ‑087  ‑017  ‑179  ‑133  ‑150  558  532  313  440  344  103  ‑150  113  ‑297  ‑336  ‑205  判 Co* 245  151  175  259  201  398  039  ‑133  ‑031  ‑124  ‑168  ‑179  447  339  464  576  344  ‑002  ‑433  ‑094  ‑224  ‑476  ‑453 

Ag* 063  150  ‑027  067  148  065  387  073  190  ‑082  058  105  019  095  ‑146  ‑012  103  ‑002  180  483  030  178  215 

G*  022  056  031  037  093  ‑059  056  193  075  ‑087  112  180  ‑395  ‑299  ‑579  ‑440  ‑150  ‑433  180  129  ‑137  566  626  R*  030  110  ‑070  ‑057  100  ‑044  288  117  296  041  054  193  ‑012  131  ‑115  ‑082  113  ‑094  483  129  261  174  290 

T* ‑281  ‑175  ‑170  ‑285  ‑280  ‑218  ‑087  036  122  371  ‑004  082  ‑274  ‑038  ‑059  ‑269  ‑297  ‑224  030  ‑137  261  043  053  A*  ‑152  ‑094  ‑153  ‑142  ‑123  ‑104  060  154  094  030  243  266  ‑493  ‑378  ‑649  ‑560  ‑336  ‑476  178  566  174  043  715  S*  ‑062  ‑070  ‑022  099  ‑044  ‑116  018  089  115  027  165  270  ‑384  ‑301  ‑623  ‑499  ‑205  ‑453  215  626  290  053  715  M  110.  75  10.16  9.18  10.  04  9.  07  7.  84  11.  60  10.  59  12.  22  9.14  9.  67  13.  34  2.  88  3.  42  1.  50  2.  59  5.  04  3.  07  12.1118.  67  10.  32  8.  79  16.  84  18.  32  a  5.47  4.47  5.12  4.96  4.01  3.93  4.06  4.31  4.26  4.56  4.92  4.79  3.45  3.18  2.46  3.08  3.15  2.87  2.86  2.62  3.063.49  3.08  2.46 

漁湮蛍滸‑n サーfが河決嵌臣

0

EE‑ǹUく︑A(I) ︵汗耳・湊︶

(13)

関西大学「社会学部紀要」第

1 9

巻第

1

ベクトル間央角度が次頁の

Table3

に示されている。一致性係数

( c o n g r u e n c ec o e f f i c i e n t )

0 .  8300. 9 6 1 ,  

平均

0 . 9 1 4 ,

頂点間距離は

0.1240.4 6 9 ,  

平均

0 .2 3 0 ,  

央角度は

8 .0035. 8 0 ,  

平均

1 5 . 4 0

であった。

この新旧資料のパタンマックスによる比較は,

1 9 7 0

年代と

1 9 8 0

年代後半における所謂 新人類 との価値観の相異をわれわれに示すものである。もっともこれは望ましい性格像についての価値 観についてであって,すべての価値に対する価値観ではないことはいうまでもない。

Table3

は,両資料についての10因子についての準拠構造行列

( r e f e r e n c es t r u c t u r e  m a t r i x )

である。

また

F i g u r e1  5

 は,そのプロットである。また

Table4

は因子間相関である。

④ 

見出される主たる知見

まず,両資料の因子構造の一致性または類似性という点では,両者の近似度はきわめて高く,

新人類の結果も10数年前の結果とほとんど変らないといえる。しいていえば,新人類における望 ましい性格像という点では,

T

尺度(思考的外向)についての望ましさの点でかなりの差異が認 められた。(ベクトル央角が

3 5 .8 ° ,  

頂点間距離

0 . 4 6 9 )

すなわち,新人類による思考的外向性は 衝動性のイメージに近く,その反面,社会的外向性や支配的であることをそれほど望ましくはな いという,非社会性と衝動性の結合した一人っ子的な性格を望ましいとするような価値観を新人 類はいだいているようである。

1 0

因子からなる準拠構造行列は大きく二大別され,内容的には

3

種類の因子に分類される。そ の第

1

類は,価値判断状況の尺度にのみ負荷する因子で,

3

個ある。第

2

類に属する因子には,

ほぽ標準状況の尺度にのみ負荷する因子が

3

個と,標準状況,価値判断の両状況に,ほぽ同程度 の負荷を持つ因子

4

個とがある。もっとも,因子負荷の程度を些細に見ると,多少のバライアテ ィが認められるが,大別して上のような様相が認められる。またこれらの10因子は,高次の人格 領域別に,

Table3

において配列したように,R二次の情緒安定性領域,R二次の外向性領域,

c二次の内省性領域の三領域に分類される。そして,それぞれの高次の人格特性領域別に,一個 の価値判断基準因子が存在し,その高次領域に属する一次因子尺度に負荷する真正の人格因子が 一次独立的に存在する様相が認められる。具体的には次のような分析結果が示された。

情緒安定性領域

•SD-E 因子 (Social

D e s i r a b i l i t y  F a c t o r  f o r  E m o t i o n a l i t y )  

この因子は,新旧両データ共に,価値判断状況の

N

(神経質),

(劣等感)に

0.40.3

程度の 負荷をもち, 自己領域内の標準状況における尺度群

( D ,C ,  I ,   N ,  0 ,  C o )

から抽出される人格 因子,またはその因子に属する尺度とも中程度の相関を持つ因子である。換言すれば,この価値 判断基準因子は,高次の情緒性一般における価値判断因子で,所謂,

Edwards

SD

因子に近 いものであり,情緒安定側を良しとし,その反対側を悪しとする判断基準があることを示してい る。またこの因子は,次の外向性因子における価値判断基準因子

( S D ‑ I )

とも一

0 .7 1 3

の高い逆 相関を示す。すなわち,

Edwards

SD

因子は, この両者を含めた一般因子と考えられる。こ

‑ 6 2  ‑

(14)

Table  3  Reference  Structure  of  1973  (left)  and  1986  (right)  in  standard  (upper)  and  valuation  (lower)  and  Congruence  Indexes. 

63

尺度

因子

II SD‑E  I  安情緒定不 性 空想性 不満性 I  SD‑I  活動性 主導性 I  PD‑R  非内省性 進取性 I ユ距ークリ離ッド対応灰角変度 量間 D  抑うつ性大 ‑184‑138  532  516  302  314  ‑045‑069  ‑072‑061  ‑062‑042  039  056  ‑042  011  ‑187‑192  ‑048‑087  155  10.3  ‑040  087  044  072  466  381  ‑080‑050  ‑117‑038  ‑022‑048  050  096  ‑020‑040  ‑090‑079  004‑002  159  10.8 

回帰性大 103  048  426  423  123  191  013‑080  158  106  ‑094‑022  ‑012‑045  000‑058  130  180  199  305  214  14.6  191  121  ‑032  046  268  295  ‑068‑063  002  011  091  050  ‑056‑064  111  171  082  159  156  020  212  14.8  I  劣等感の強 122  265  m  422  016‑079  077  047  126  212  ‑019‑048  ‑174‑161  049  033  086‑019  ‑104‑170  227  14.5  いこと 425  337  087‑004  ‑061‑047  ‑055  026  ‑035‑125  091  057  ‑025‑074  014  030  044  036  ‑015‑008  202  13.1  N  神経質 111  184  455  433  002‑073  064  123  090  126  ‑045  012  ‑084‑117  ‑036‑010  ‑195‑269  054‑047  188  12.9  429  392  ‑067‑046  055  104  070  139  059  100  ‑074‑067  037  023  ‑022‑083  ‑037‑048  088  069  148  9.5 

客観的でな ‑205‑232  586  528  251  413  ‑013‑055  ‑125‑046  102  049  037  091  024‑012  ‑034‑051  008‑015  221  15.4  いこと 007‑115  005  142  490  526  096‑061  108  025  013  045  018‑030  ‑054‑014  094  008  ‑007  011  261  17.9  Co 協調的でな ‑112‑075  225  023  028‑021  463  553  ‑049  017  ‑012  034  002‑104  034‑053  ‑009‑040  ‑034‑037  279  19.2  いこと 031  066  ‑160‑040  239  060  443  397  084‑112  ‑042  038  016  015  ‑071‑051  006‑048  023‑062  339  25.4  Ag 愛想の悪い ‑011‑018  002‑052  019  072  008  064  ‑011  011  ‑003  006  ‑018  088  008  059  014‑001  769  532  311  16.7  こと ‑068  015 

ニー

215‑168 202  009  226  073  138  092  ‑076‑070  ‑040‑107  312  396  ‑025‑097  250  322  312  24.2 

一般的活動 ‑008  021  ‑081‑018  ‑127‑194  080  169  029  093  376  490  060  057  036  140  ‑012‑051  027‑124  253  14.6  性 ‑006‑047  013  057  020  047  ‑008  000  494  428  ‑016‑054  ‑011  029  ‑023‑059  ‑007‑098  ‑060  006  180  11.  7  R  のんきさ ‑002  013  161  124  051  058  130  106  042  051  139  045  206  295  176  089  ‑439  512  173  247  210  13.5  ‑008‑084  ‑032‑086  053  061  016‑017  ‑013‑032  012‑030  001‑009  man  024  124  ‑004  115  287  18.0  T  思考的外向 ‑005  080  ‑372‑350  ‑028‑022  028  001  054  078  ‑043‑052  028  014  058  011  m  665  027  072  152  8.0  ‑080‑078  021‑042  ‑205‑259  ‑137‑147  ‑166‑322  ‑048‑121  014‑078  220  53?  443  387  045‑120  469  35.9  A  支配性大 ‑002  042  011  010  023  002  023‑052  004  057  ‑063‑030  588  479  ‑049‑089  ‑057‑060  020  111  158  10.3  ‑043‑079  -122-'-111~038-009 024  040  346  323  -335-23~ 249  199  029  029  ‑044‑058  ‑015‑008  124  8.8 

社会的外向 002‑036  022  063  029  007  036  003  039  04  02  ‑002‑019  564  558  070  065  079  014  ‑052  020  150  9.7  ‑022‑034  ‑138‑131  026  158  043  058  358  n  ‑376‑423  m  350  059  134  028  029  052‑165  319  19.2  一致性集団間 900  960  914  913  906  909  953  897  961  830  I 平 230 15.4  係数状況間 535 663  ‑098  315  838  818  779  861  051  079  102‑071  919  778  771  358  868  881  843  658

均一_ー 癖蚕蛍滸︱ rs 芍‑}が河汗献号

0

滞圧︳rsA二`; AI) ︵汗耳・満︶

(対応変量間灰角度以外は小数点省略)

(15)

Table4  Factor  Correlations  of  Pan‑Modal  Factor  Analysis 

1.  SD‑E  2.  情緒不安定性 3.  空想性 4.  不満性 5.  SD‑I  6.  活動性 7. 

主導性

8.  PD‑R  9.  非内省性 10.  進取性 1.  SD‑E  2.  情緒不安定性 3. 

4. 

│ 64 

想満

5.  SD‑I  6. 

7.  主 動導

性性 性性

8.  PD‑R  9.  非内省性 10.  進取性

‑033  ‑033  739  276  ‑713  228  ‑066  ‑037  ‑095  ‑119  739  040  040  470  032  ‑501  ‑450  085  107  156  276  470  402  402  ‑479  237  ‑158  156  ‑204  021 

‑713  032  ‑479  ‑353  ‑353  ‑241  ‑314  060  ‑007  245  228  ‑501  237  ‑241  106  106  213  250  ‑041  129 

‑066  ‑450  ‑158  ‑314  213  671  671  057  ‑155  207 

‑037  085  156  060  250  057  122  122  ‑068  331 

‑095  107  ‑204  ‑007  ‑041  ‑155  ‑068  ‑149  ‑149  278 

‑119  156  021  245  129  207  331  278  ‑021  ‑021 

湮瀾汁怖 r#鼎怖茜裕瀬』濾

19~~1-ft

(16)

質問紙法における反応歪曲の検出について

(I)

(辻岡・東)

" " ' ' " " ' , . . ,  . .  ,. .. , , ... , ̲̲̲ "● 6 TG OATA 

・ "

‑o.o RAC• ・0.07' 

. . . . .   .    . . .

. . . . .   .    . . .

. .   ヽ..

0.20•

.  . . , .  

. . . . .  

一o.zo.

ー~-ヽ0.

  . .

-•-··.

‑0.80. 

︒︒゜゜

.  

1 0  

. . . . . . .  

. 

. 主 亨 饂

•——

•一.

 

. 

•.

•一

.

0 . '  

f  .  •.

.

 

0 .

•.

‑ ~ii

‑9 

.

 

•Eい“°

.

 

g g p g , e , ' 9 9 9 1 9 9 9 9 1 1 1 9 9 9 9 1 1 9  

︒︒

C T O A R C  

,

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 ,  

~sotJ- "← i 咄

"

 

0 . '   2 1 1  

. .

 

‑ .

0

 

.  

︐ 

. .

 

. .

0

 

'  

. 

. .  

. 

0 .  

. 

. .  

↓ .. 

0 .  

•.

ー ・

‑ ,   . . . .  

.  -•···

• ‑0.4

.  ‑ ,     . . . .  ·•···

• ‑1.00 

................... 

. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .  . 

‑1.00  ‑o.ao  ‑o.,o  -•·• .,. ....  ....   ..ヽ0 •••• •••• 1,00 

● ON‑PLOTTED ems• 10  ,c O• G• R• D• S• To 0  C● T‑G  AG AO AG G●  . . .  

F i g . 1   F a c t o r ‑ P l o t  o f  SD‑E and  Dominance F a c t o r  by P a t t e r n m a x   (N*: N u n d e r  V a l u a t i o n  i n   1 9 7 3 ,   N+  :  N u n d e r   V a l u a t i o n   i n   1 9 8 6 ,  

A : 

u n d e r  S t a n d a r d  i n   1 9 7 3 ,  

A‑: 

u n d e r  S t a n d a r d   i n  1 9 8 6 )  

""""""  ,, .... ,, 

.,  ,.̲, <‑"" "'"' 

1.

. 

00

. . .

.

o.

.

80

.

 

. . .

‑o

.

.60

.

 

. . .

‑o

.

.<

.

. . .

‑o

.

.a

.

. . .

o

.

.o

.

. . .

o.,o'‑'O 

. . . . . . . . . . .

o.

.

60

.

 

. . .

o.

.

80

.

 

. . .

1.

 

00 

1.00• 情 紐 不 安 定 : 性

, ' 

' 

' ' 

□ :  

 

~) 0  I 

戸岱四

0 0 •

. ;

oo 

'" 

'" 

'" 

'".  '" 

‑o.,o. 

•0.40•

‑ ,   . . . .  

-0.80•

-1.00•

.‑ ‑o.,o 

<EJ) 

‑0,40 

,

。 . .

. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .  

‑1‑00  ‑0.80  ̲,̲.,  ‑o. ヽ0 ‑o.zo  o . o o ' ・ " ' ・ " ' ・ "   0.80  1.00 

NOH‑eLOTHO ems• 0  ,., A G• ,C•• S

D-G+G-G-AGs+A•S.

F i g .  2 F a c t o r ‑ p l o t  o f  E m o t i o n a l  I n s t a b i l i t y  and  R e f l e c t i v e n e s s   F a c t o r  by Pattemmax 

‑ 6 5  ‑

Table 3 Reference Structure of 1973 (left) and 1986 (right) in standard (upper) and valuation (lower) and Congruence Indexes. 
Table 6 Means,  Standard D e v i a t i o n s  and C o r r e l a t i o n s  o f  D i f f e r e n t i a l  S c o r e s
Table 9 Rotated Reference Structure of 7 Component by Partial Group Principal Method and Factor Correlations (lower left triangle)  ~1

参照

関連したドキュメント

狭さが、取り違えの要因となっており、笑話の内容にあわせて、笑いの対象となる人物がふさわしく選択されて居ることに注目す

aripiprazole水和物粒子が徐々に溶解するのにとも ない、血液中へと放出される。PP

る、関与していることに伴う、または関与することとなる重大なリスクがある、と合理的に 判断される者を特定したリストを指します 51 。Entity

線遷移をおこすだけでなく、中性子を一つ放出する場合がある。この中性子が遅発中性子で ある。励起状態の Kr-87

① 新株予約権行使時にお いて、当社または当社 子会社の取締役または 従業員その他これに準 ずる地位にあることを

・子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備する

優越的地位の濫用は︑契約の不完備性に関する問題であり︑契約の不完備性が情報の不完全性によると考えれば︑

社会的に排除されがちな人であっても共に働くことのできる事業体である WISE