質問紙法における反応歪曲の検出について(?) : YG性格検査の場合
その他のタイトル Detection of Faking on the YG Personality Questionnaire Scales
著者 辻岡 美延, 東 正訓
雑誌名 関西大学社会学部紀要
巻 19
号 1
ページ 51‑85
発行年 1987‑11‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00022689
関西大学『社会学部紀要』第
1 9
巻第1
サ,1 9 8 7 , pp. 51‑85 ISSN 0287‑6817
質問紙法における反応歪曲の検出について
(I)
―YG 性格検査の場合—
辻 岡 美 延 ・ 東 正 訓
D e t e c t i o n o f F a k i n g on t h e YG P e r s o n a l i t y Q u e s t i o n n a i r e S c a l e s B i e n T s u j i o k a & M a s a n o r i H i g a s h i
Abstract
For detecting the structure and dimensions of faking on the YG Personality Questionnaire (contains 12 Scales), cross‑modal supercorrelation matrixes obtained from two groups of Japanese university students administered in 1973(old) and 1986(new) both under a standard test condition and the valuation instruction, were analyzed by three kinds of factor analytic methods.
. Fq~the first time ordinary common factor analysis was adopted using the pr1nc1pal factor ana(ysis with estimated communalities, Varimax and Promax rotations for the old data and the・new one was rotated to get the maximum con¥lruence by Schonemann's orthogonal Procrustes me̲thod with the old one's oblique transfomation matrix. Secondly, differential R‑technique factor analysis and thirdly :so‑called partial group princip<!l component analysis were done to the new data in order to detect
町nd eliminate t ̲ h e effect of the valuation factors from the YG scale scores ,n a standard situation.
The results show that there are three d' 1mens1ons of the valuation criteria according to three second‑order factors in personality domain.
Social Desirability for Emotionality (SD‑E), Social Desirability for Introversion‑Extraversion (SD‑I) a n ̲ d Personal Desirability o r : , Reflecti‑
veness~PD-R) as well as seven intrinsic primary personality fact9rs linealy independent to each valuation factor and also to each personality factor:̲ Emotionally stab̲le, Fantastic, Frustratedness; Dominant, ̲Actiye;
Reflective and Progressive. For the construction of the questionnaire scales free from fakin(, the item analysis by t~e. principle of factor‑
trueness was proposed a ong the intrinsic persona~ity factor axes obtained through the ,partial group factor analysis.
Key words: faking, personality questionnaire, factor analysis, Procrustes r o t a t i o n , d i f f e r e n t i a l factor a n a l y s i s , p a r t i a l group factor a n a l y s i s , s o c i a l d e s i r a b i l i t y , item a n a l y s i s , YG Personality Questionnaire, university student
抄 録
1 2
尺度からなるYG
性格検査における歪曲の構造と次元性を検出するために,1 9 7 1
年(旧資 料)と1986
年(新資料)において,標準のテスト施行状況と価値判断状況の両状況で施行した 2群 の日本人大学生から得られた交叉相面的超相関行列が三種の因子分析的方法により分析された。まず最初に,通常の共通因子分析が繰返し推定による共通性を用いる主因子分析,バリマック ス回転とプロマックス回転を用いて旧資料に適用され,新旧両群の最大近似解をうるためにシェ ーネマンの直交フ゜ロクラステス法を両主因子解に適用した後,両方の最大近似解が旧資料の斜交 変換行列を用いて回転された。二番目に,差得点因子分析,第三番目に,所謂「偏グループ主軸 法」とよばれる方法が,標準状況における
YG
性格検査得点から価値判断の効果を検出し,これを除くために新資料に対して行われた。
分析結果によれば,三次元の価値判断基準が人格領域における三種の二次因子ごとに存在する ことが明らかにされた。それらは,情緒安定性に対する社会的望ましさの因子
( S D ‑ E ) ,
外向性 に対する社会的望ましさの因子(SD‑I)
と内省性についての個人的望ましさの因子(PD‑R)
で あり,それに加えて 7個の本来的な一次人格因子が先の価値判断基準とも,また人格因子相互と も一次独立的に存在する。これらの七因子は,情緒安定性,空想性,不満性;主導性,活動性;内省性,進取性の七因子である。歪曲の混入しない質問紙法尺度を構成するには,偏グループ主 軸法を通じて得られる本来的な人格因子軸に沿って,因子的真実性の原理による項目分析法が最 善であるとの提案がなされた。
キーワード:歪曲,性格検査,因子分析,プロクラステス回転,差得点因子分析,偏グループ因 子分析,社会的望ましさ,項目分析,
YG
性格検査,大学生‑ 5 1 ‑
関西大学「社会学部紀要」第
1 9
巻第1
号〔 問 題 〕
質問紙法形式のバーソナリティ・テストに対する被験者の回答には,被験者自身の価値判断に もとづく反応の歪曲が混入することは古くから認められて来たところである。しかし,人は,① いかなる状況において,③いかなる方向に,③どの程度,反応を歪曲するかという実体につい て,これを検出することは案外困難な問題なのである。
そこで,本稿では,この問題解決にとりくんで来た従来の諸研究を,方法論的な観点から分類 整理し,その方法の成否について検討しつつ,この問題に対するもっとも有効な方法論を展開し たいと考える。
この問題解決の方法は大別して二つある。その一つは,反応の中に歪曲の混入し難い尺度を構 成するという尺度構成法の問題であり,その二つは,たとえ,反応に歪曲の混入が認められても,
歪曲を除去する方法を考案するということである。前者は「毒消し」であり,後者は「毒抜き」
といえよう。しかし前者の操作は,構成された尺度水準において実現されうることであって.テ スト項目ごとに,歪曲の混入しないような項目を作成するということではない。むしろ逆に,反 応歪曲は,積極的にこれを容認し,後の処理において,これを除去するという所謂「毒抜き」操 作の方が現実的な方法といえよう。なんとなれば,教育測定の先人,ソーンダイク
( T h o r n d i k e , E . L . )
がいみじくも論破したように,「存在するものは測定できる。」と考えられるからである。その意味するところは,「もしも,反応の中に,一定の反応傾向が存在するならば,その傾向は,
少なくとも一つの共通分散として,因子分析的にこれを抽出することができる。」からである。
さて,これらの問題解決のうち,もっとも古くかつ系統的に行われた研究は,種々の実験条件 を想定した分散分折的研究であった。
(1) 反応歪曲の分散分析的研究
これらの研究には,
B i s l o w ( 1 9 5 8 ) , C r o s s ( 1 9 5 0 ) , Gordon & S t a p l e t o n ( 1 9 5 6 ) , Heilbrum
& G o o d s t e i n J r . and L . D . ( 1 9 5 9 ) , Heron ( 1 9 5 6 ) , Mayo & Guttman ( 1 9 5 9 ) , R a b i n o w i t z ( 1 9 5 4 ) , Rosen ( 1 9 5 6 ) , S h e l d o n ( 1 9 5 9 ) , S o r e n s o n ( 1 9 5 6 ) , S o r e s o n & S h e l d o n ( 1 9 5 8 )
らの古い研究がある。そのうち,S o r e n s o n & S h e l d o n
の研究とS h e l d o n
自身の研究がもっ とも系統的な実験計画であったといえる。彼等の研究は, いずれも, 分散分析のための実験要因として, R質問項目の内容, @被験者
(年齢,性別,教育程度,集団所属性, 価値観など)c実験条件,
(i)
実験状況教示の順序,( i i )
記名の有無,( i i i )
教示の種類をとり上げ,これらの主効果と交互作用を分散分析によって検 定したものである。彼等の研究結果を要約すると, 実験状況において, 「自分を良く見せかけるように」教示され
‑ 5 2 ‑
質
l
関紙法における反応歪曲の検出についてC I )
C 辻岡•東)た被験者群は,社会的に望ましい方向に得点を変化させ
(1%
で有意),またこの教示の順序(標 準状況が先か実験教示状況が先か)も1%
で有意であった。そして,この両者の交互作用も5%
で有意であった。しかし,記名の有無や,記名と状況および順序とのいずれの交互作用も有意で はなかった。
Sheldon
はさらに,質問紙法の種類を変えて実験したところ, やはり, 教示状況 と順序はおおむね有意差が検出された。これらの研究を要約すると,自分を良く見せかけるようにとの教示の下では,人は,質問紙法 に対して反応を歪曲するという事実である。しかし,考えてみると,これはごく当り前の事実で あって,所謂「標準状況」において,人はどれぐらい反応を歪曲するかという問題に対する解答 とはなり得ないものであった。また,たとえ順序効果が有意であるとしても,現実のテスト状況 では,唯一回の標準状況のテスト施行があるだけであるから,この知見は何の役にも立たない。
それよりもむしろ,問題解決に有効な知見は,
Sheldon
の研究が, テスト尺度によって, 歪曲 の程度が異なるという分散分析の結果を提起したことであった。この方が余程,問題解決に有効 な知見といえよう。すなわち,パーソナリティの特性により,また項目の表現形式により歪曲の 程度や方向が異なるという知見は, 1960年当時としては,その後のテスト尺度構成に有効な指導 概念を見出す方途を提供するものであった。このように,実験条件を種々組み合わせた分散分析的手法は,実際場面のある種の想定実験で はあったが,現実の標準状況におけるテストの歪曲問題の解明となり得なかったのであった。
(2)
反応歪曲の交叉相面的研究 (A) 状況間の平均差,分散比の研究異なる教示状況下での尺度得点間の平均差や分散比を検定した研究例は数多い。一般的な結論 として,標準状況における尺度得点平均は,歪曲教示状況あるいは価値判断状況においては,社 会的に望ましい方向へ平均点は偏位し,尺度得点の分散は縮小化する。また,状況間の尺度間相 関は,
0 . 4 乃至 0 . 1
程度の中程度の値を示すことが明らかにされている。状況間の対応する尺度 得点間の相関がある程度高い値を示す場合,この相関値をもって,直ちに,標準状況の尺度値 が,価値判断の影響を受けていると即断する研究者が多いが,この考え方は正しくはない。なん となれば,もし価値判断の中に,その人のパーソナリティが投影されておれば,両者の間に相関 が認められるようになるのは当然であるからである。もっとも,このようなケースがすべてでは ないから,この問題はもっと実体に即した研究に立脚して判断する必要にせまられる。この件に関して,
Edwards,A. L . ( 1 9 5 7 )
の研究は, かなりの人に誤解されていることを指 摘しておく必要があると思う。彼の研究の要旨は,パーソナリティを測定すると考えられる質問 項目に対する「社会的望ましさに対する評定の平均」と,その項目に対する「承認率」との相関 は0 . 9
程度の高い値を示すという事実である。この場合の相関は項目を要素として算出されてお り,普通よく行われるような被験者ではない。また,相関を求める二変数は,いずれも被験者集‑ 5 3 ‑
関 西 大 学 『 社 会 学 部 紀 要 」 第
1 9
巻第1
号団の平均値である。すなわち,評定値の平均と,当該集団の承認率すなわち,項目への反応の反 応率との二変数であり,反応率も当然のこと一種の平均である。平均と平均との相関が高いか ら,個々人の反応傾向の相関も同じ位高いと考えるのは論理の飛躍にすぎない。項目を要素とし た相関と,被験者を要素とした相関は同じでもなく,いわんや
Edwards
の相関値は平均値間の 相関であり,個々人の評定値ではない。求めるべきは少なくとも,同一個人の評定値とその人の 回答との相関でなければならない。このような観点から,方法の節で後述するように本研究では,この両者すなわち,標準状況と 価値判断状況との二相面における交叉相面的研究として三つの研究を計画した。
(B) 差得点の因子分析
その一つは,標準状況と価値判断状況との尺度得点の差を個々人について求め,この差得点間 の相関行列を因子分析(あるいは主成分分析)する方法である。求められた構造にしたがって,
直交あるいは斜交回転を行う。.この方法によって得られる知見は,価値判断によって影響をうけ る標準状況の得点が,人格特性間において,いかなる共変動を示すかという知見である。この研 究は,ある一群の人格特性内では,回答は同一の偏位傾向を示すか,またそのような共通傾向 は,大略何次元により説明されるかという知識をわれわれに示してくれる。
この場合,相関行列ではなく,積和行列や共分散行列を多次元分解の対象とすることもでき る。前者の場合は,生の得点を比率尺度的にとり扱い反応の水準をも対象としていることを意味 している。相関行列を分析対象とした場合と,構造が非常に異ならない限り,共分散行列の分解 は,その後の解釈が困難であるという欠点をもっている。
( C )
汎相面的因子分析上の差得点の因子分析に対し,両状況の尺度間について,そのまま因子分析を行う方法が汎相 面的因子分析である。特別の方法を用いないで,あるがままの共通因子分散を抽出し,両状況に わたる共変構造をあきらかにする方法である。それ故,現実の現象を忠実に反映するという利点 がある反面,両面相の因子が強固に合体したような因子が存在する場合は精密な分析が不可能に なるという弱点を持っている。しかし,両状況全体の次元数を決定したり,全体の構造に対する 概観的展望を得るのに欠かすことのできない方法であり,まず最初の分析ステップとしては大切 なものである。
( D )
偏グ)レープ主軸法この方法は本研究において最も重視するものであり,歪曲の検出に最も有効な方法である。辻 岡•藤村 (1975a,
1 9 7 5 b , 1 9 7 5 c , 1 9 7 5 d , 1 9 7 5 e , 19750
は,YG
性格検査における反応歪曲の検 出についてこの方法を最初に適用し,一応の成果をおさめている。本研究では,最近の新しいデ ークに対して,この方法を適用するにあたって,さらにこの方法の変法を考案して,標準状況に おける反応歪曲の実体にせまろうとした。この研究目的の一つには,最近の若者の価値観は以前と比べてかなり変化しているといわれて
‑ 5 4 ‑
質1
1 ! 1
紙法における反応歪曲の検出について(I)
(辻岡・東)いるので,以前の研究の追試をこの際行うとともに,以前の知見をふまえて,反応歪曲の構造モ デルを構築したいと考えたからである。偏グループ主軸法については,土井•清水
( 1 9 7 9 )
がコ ンピュータ・プログラムをも含めて発表している。本研究では,以前と同一の方法とその変法(グループ指定を変える)の双方を行ったが,本稿では変法の分についてのみ発表することとし た。これらの方法論については,次節において詳述する。
(3)
尺度得点•項目得点プロフィールの距離行列の多次元分解この方法は一種の交叉断面的
( C r o s s ‑ s e c t i o n a l )
な研究法で,調査対象となる被験者集団は.異集団でも.またテスト施行状況も同一でも異っていても良い。また特殊な場合として,被験者 集団が同一集団であっても良い。たとえば,採用試験状況下の資料をもその中に含めることもで きる。その点からは,広汎な適用範囲をもっている。集団の平均プロフィールの間にユークリッ ド距離にもとづく距離行列を求め.これを多次元分解する方法である。その意味から尺度得点,
あるいは一群の項目得点(場合によっては反応率)を測度として距離を求めるので, 必 ら ず し も,ユークリッド距離に限らず,変換を施す多様な方法も可能である。
辻岡 ( 1 9 6 0 )
は,YG
性格検査1 2
尺度の各尺度に含まれる項目ごとの反応率をプロフィールと して採用試験状況,価値判断状況,標準状況における多数の集団間に距離行列を求め.これを3 次元乃至5
次元に分解して,採用試験状況の項目への回答が,標準状況と価値判断状況からどの 程度偏位するかを調査した。この結果によれば,反応の偏位は,年齢,性別等により,また尺度により多様で,価値判断に より大きく影響される尺度もあれば,それよりも,年齢や性別に依存する尺度もあり,測定しよ うとする性格特性に関わることが大きいことが判明した。この方法は,因子分析と異なり,得ら れた座標値を相対的大小により比較することになるので,これを比較する一般化プロクラステス 法(柴田
1 9 8 6 a , 1 9 8 6 b , 1 9 8 7 )
のような方法の適用なくしては利用価値は少ないと考えられる。〔 方 法 〕
前節において述べたとおり,質問紙法の反応歪曲が,標準のテスト施行状況において,どの方 向に,どの程度現われるかの実体について,これを検出する方法としては,交叉相面的因子分析 的方法がもっとも有望であることが議論された。そこで本研究で展開した三種の因子分析的方法 すなわち,汎相面的因子分析,差得点因子分析,偏グループ主軸法についての方法論に論及した い。
(1) 汎相面的因子分析
( P a n ‑ m o d a lf a c t o r a n a l y s i s )
この方法は,標準状況と価値判断状況の両相面の尺度得点を特定グループ化せず,両者をこみ
‑ 5 5 ‑
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号にして,通常の共通因子分析(または主成分分析)を行い,バリマックスまたはそれに続く斜交 因子回転を行う方法である。この方法は,標準状況の尺度変量のみ,あるいは,価値判断状況の 尺度変量のみによって飽和されるのみならず,両状況の尺度変量にわたって因子負荷を示す因子 も見出されるケースが多い。その場合,求められた因子が真の人格因子であるのか,あるいは価 値判断因子であるのか,それともその両者が合体し複合化した因子であるのかは,最終的には不 明である。また先に辻岡•藤村において明らかにされたように,真の人格因子と認められる因子 であっても,微弱とはいえ,異状況の同一尺度が,付随するように負荷する所謂 影因子 が出 現することが多い。たとえば,社会的外向尺度と支配性尺度からなる主導性因子に,価値判断状 況の同一尺度が微弱に因子負荷するという現象が認められる。この場合,標準状況の,社会的外 向尺度得点に対して,価値判断が微弱に働くと解釈するのがもっとも自然な解釈であるが,両状 況の因子負荷が,ほとんど同一水準を示す場合は,その因子を人格因子と認めるのか,価値判断 因子とするのかは不明とならざるを得なくなる。ここに,この汎相面的因子分析の最大の弱点が ある。しかしこの汎相面的因子分析を省略して,直ちに次の方法に飛躍することはできない。な んとなれば,これらの両相面にわたる全体的構造の展望は,この汎相面的因子分析によってはじ めて与えられるものであるからである。とくに対象となる両相面の有意味な次元数(ランク)は この研究によって与えられるからである。
(2)
差得点の因子分析( D i f f e r e n t i a lR ‑ t e c h n i q u e f a c t o r a n a l y s i s )
この方法は,標準状況と価値判断状況との両状況における対応する尺度得点の差を,被験全員 について算出し,この差得点間の相関行列を共通因子分析(または主成分分析)して,その次元 数を決定し,以後,直交または斜交軸回転する方法である。ここで特に読者に注意しておかなけ ればならない点は,所謂この差得点の全分散は,歪曲そのものではないということである。おそ らく,歪曲の分散は,この差得点の全分散の一部分に過ぎないという事実である。なんとなれ ば,差得点の全分散
o i
はは,次の( 1 )
式により求められる。( 1 )
心= o , 2 + o . 2 ‑ 2 r •• o , o .
ここでがは,標準状況の尺度得点の分散であり,
o . 2
は,価値判断状況の分散,r ••
は,両状 況における尺度得点間相関である。そもそも,歪曲とは,意識的,無意識的に行われる標準状況 における反応水準の偏位であって,価値判断そのものではない。歪曲とは価値判断の引力に引っ 張られて偏位する反応であって,価値判断は反応歪曲ではないのである。岩脇( 1 9 7 3 )
が喝破し ているように,反応歪曲の研究者達は,「暗がりで落して来た鍵を明るい所で探している。」とは,まさにこの点を批判したものである。しかし,批判することはたやすい。求むべきは,暗がりを 照らす照明具でなければならない。
そこで,この差得点の平均と分散を求めてみると,平均差の大きな尺度と小さな尺度とがあ り,一方,分散にも大小があり,両状況の相関も
0 . 1
レベルのものもあれば0 . 4
程度のものもあ‑ 5 6 ‑
質問紙法における反応歪曲の検出について
(I)
(辻岡・東)る。平均差がなければ歪曲が行われていないと考えるのは必らずしも正しくはないし,平均差が 大きければ歪曲の程度が大きいと考えるのも正しくはない,平均差が大きくても,もし歪曲の分 散がきわめて小であれば,妥当性の点からみれば歪曲が行われなかったのと同じである。また両 状況間の対応尺度間相関の大小をもって直ちに歪曲の程度の大小と直結して考えるのも誤判断に 導く。これらの問題の解明は,先の汎相面的因子分析とこの差得点の因子分析との比較検討によ って求められる。しかし,やはり,この方法は,明示的計量的に歪曲の程度を測定しうる方法と はならず,その全貌をある程度われわれに与えてくれるものにすぎない。この問題についての詳 細は次の結果の節で(偏グループ主軸法による
AG
因子の節で)再吟味しよう。(3)
偏グループ主軸法( P a r t i a lgroup p r i n c i p a l a x e s method)
この方法は,偏相関法とグループ主軸法とを結合しつつ,両者の特徴を巧みに利用した方法で グループ指定の仕方によっていくつかの変法が考えられる。
辻岡•藤村 (1975b) は,標準状況の YG 性格検査の 12尺度得点と,価値判断状況の同検査の
1 2
尺度得点との超相関行列(24X24)
を大学生3 0 0
名について求め,この超相関行列に対して偏 グループ主軸法を適用した。因子数は,先の汎相面的因子分析においては,スクリー基準から1 0
因子であることが妥当とされたため,主因子法による繰返し推定によって求められた共通性を用 いて,これを主対角要素とする縮減超相関行列のうち,価値判断状況の相関行列に属する部分から
,
3
次元の主因子を求め,この3
因子の影響をとり除いた残差相関を,価値判断状況に属する 部分のみならず,超相関行列の全要素についてこれを求めたのである。これを行列代数的にあら わすと( 2 )
式のようになる。R*
を,標準および価値判断両状況の縮減超相関行列とし,それぞれ の部分相関を(2)式右辺(2)
R*=[ R , . * R ••
R •• R •• ] *
のようにあらわす。ここで添字の
S
は標準状況,0
は価値判断状況の尺度群の意である。いま先の辻岡らの研究では
R ••
*すなわち,価値判断状況のみの部分を主因子分析した場合,3
次元の主因子分散によって,ほぼ,R ••
*の内容が説明される。そこで( 3 ) R,.*=A.A.'+E ••
と表わす。ここで
A.
は主因子負荷行列(構造行列)であり,E ••
は近似的に空行列である。ところで
R ••
*の主対角要素には,先の汎相面的因子分析によって求められた共通性が挿入され ている。ここでこの重み行列
w .
は,超行列R*
について考えると,R , , * R , . 0 A , ( 4 ) [ R . , R 0 0 * ] [ w.J=[ A.]
とあらわされ,重み行列の標準状況に属する部分はゼロ行列であるが, 対応する構造行列
A,
‑ 5 7 ‑
関西大学『社会学部紀要」第
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巻第1
号はゼロ行列とはならない。したがって,この価値判断状況から求められた因子の効果を除去した 超残差相関行列をさらに主因子分析して得られる構造行列
B , , B
。は,先に求められた価値判断 状況からの因子に対する構造行列A , ,A
。とは直交直和の関係になっている。ここでB , ,B.
は( 5 )
式によって求められたものである。R . ,
十等は残差相関行列を意味している。R , ,
十凡,+W, B ,
( 5 )
[ R . , + R , , + ] 。 [ ] = [ B . J
ところで,
A , , A,
およびB , ,B,
はそれぞれ主因子分析によって求められた直交の構造行列 であるから,そのまま解釈することは容易ではない。したがって,バリマックス回転やそれに続 くプロマックス回転によって解釈しやすいように変換される。しかしここで,A , ,A.
と且,B,
を一括して回転してはならない。標準状況の変量に,価値判断因子が再び混入しないように,A.
と
A.
の空間と,且とB,
の空間とは直交関係を保持するよう,それぞれの空間内でのみ回転 を行う必要がある。このように,価値判断空間における主因子軸あるいは主成分軸を定義する場合に,価値判断状 況におけるどの変量をグループ指定するかについて, 先の辻岡•藤村 (1975b) においては, 価 値判断状況のすべての変量
( 1 2
尺度)を3
因子について指定したものであるが,これを別個に3
種類にグループ指定し,しかも,これらの3
因子間においては,直交性を保つように,逐次残差 相関行列を求めて,グループ主軸法を適用したのが今回の変法である。このような変法を用いた理由は,標準状況において混入する価値判断にもとづく歪曲は,ほぼ
3
次元からなり,高次階層の人格因子に対応して歪曲される傾向が強いことが明らかにされたの で,関係のない人格因子領域における歪曲の影響までをも含めて,歪曲の除去を行うような過大 修正の影響を少なくしようと考えたからである。この点については,結果の節で再吟味する予定であるが,もしも,正準相関分析のように標準 状況と価値判断状況との両状況から求められる正準合成変量によって,その効果のすべてを除去 した場合は,とり除かれた分散の中に,真正の人格因子の分散をも含む可能性がさらに大きくな ると考えられる。これはガン細胞を殺すために,正常細胞をも傷つけるようなものである。それ 故,今回の変法では,関係のない人格領域に属する変量には
0
の重みを与えた合成変量を作り,逐次残差相関行列を求めて,直交の価値判断基準を求め,その影響から自由な真正の人格次元を 求めるという方法をとった。この方法によってどの程度除去される分散に影響が出るかは,双方 の抽出総分散を比較することによって得られる。
ところで,最後に最も重要な課題について論及しなければならない。それは歪曲の根本問題に ついてである。上述までの論題は,価値判断によって影響を受ける標準状況の尺度得点の分散の 検出の問題であった。ここで,「影響を受ける部分」のすべてが歪曲なのであろうか。実は, 影 響とは原因に対する結果の一部のことである。しかし,標準状況の得点が結果であるとは必らず しも限らない。原因の一部でもあり,両者は原因と結果との因果関係ではない部分を含んでい
‑ 5 8 ‑
質問紙法における反応歪曲の検出について
(I)
(辻岡•東)る。この所に,歪曲検出のきわめて困難な問題がひそんでいるのである。この問題は,一般的な 方法論の問題ではなく,個々の人格特性領域,たとえば,気質,態度などの個別領域において実 質科学的に解決しなければならない個別方法論の問題に属する問題なのである。さらにいえば,
当該性格検査,当該社会的態度尺度の因子尺度ごとに解明をせまられる問題なのである。されば こそ,逆に道を誤らない一般的方法論の確立が望まれるのである。
YG
性格検査については,次 の結果の節でこの点を詳述しよう。〔 結 果 〕
(1)
汎相面的確認的因子分析( C o n f i r m a t o r yp a n ‑ m o d a l f a c t o r a n a l y s i s )
①
方 法YG
性格検査1 2
尺度を標準状況と価値判断状況との二状況において施行した大学生の結果から 超相関行列を求める。価値判断状況は標準状況の後に施行する。価値判断状況では, 「あなたが 考えて,いずれが望ましい性格と考えますか」という問いに対して三件について回答を求めた。その際,世間の基準からではなく,あなたの考えとして,「はい」の側が望ましいか,「いいえ」
の方が望ましいかを答えさせた。いずれとも決められないときは「どちらでもない」の中間反応 を求めた。価値判断状況の尺度得点は,
YG
性格検査の採点Key
により算定された。③
被 験 者辻岡・藤村
( 1 9 7 5 a )
において用いられた資料:関西大学学生3 0 0
名(男2 0 0
名,女1 0 0
名)一1 9 7 3
年施行ーと,新しい資料:関西大学学生2 7 6
名(男1 5 8
名,女1 1 8
名)ー1 9 8 6
年1 0
月施行ーの2
群である。⑧
分析方法(i)
両資料から求めた相関行列(Table1
および2)
から, 因子数を1 0
個として,主因子法 による繰返し推定によって共通性を求め,主因子解を求めた。これは辻岡・藤村の先の分析によ って,スクリー基準により,1 0
因子目の所に明確な固有値(因子分散)のギャップが認められた からである。( i i )
旧資料の主因子解をバリマックス回転し,さらにプロマックス法とR o t o p l o t
法による 微調整による斜交解を求めた。( i i i )
新旧両資料別の主因子解について辻岡・柴田( 1 9 8 3 )
によるパタンマックス法を用い て,直交状態を保持しつつ,両解の最大近似解を求めた。この両者の凍結解を先の旧資料の最終 解の変換行列を用いて,両解を回転した。換言すれば,両解の最終解は,旧資料の最終単純構造 解を基準として,新資料を最大近似させたことを意味している。最大近似化の指標として,柴田( 1 9 8 2 )
に従い,R因子バターンの一致性係数,R共通因子空間内変量ベクトル頂点間距離,c‑ 5 9 ‑
Tablel Correlation Matrix, Means and SD of YG Scales in Standard and Valuation Administration in 1973 (old data)
ー60
1
標準
状況s I D*
価値判断状況D C I N ゜ Co
Ag G R T A C* I* N* O* Co* Ag* G* R* T* A* S* D 598 579 625 678 537 107 ‑422 ‑003 ‑484 ‑333 ‑353 294 113 079 110 268 245 145 ‑025 075 ‑195 ‑080 ‑068 C 598 566 646 601 530 337 ‑339 278 ‑214 ‑261 ‑215 125 226 083 101 217 232 198 043 158 ‑040 ‑026 026
標I 579 566 637 491 493 ‑071 ‑476 010 ‑253 ‑508 ‑471 131 090 154 116 218 182 049 ‑010 049 ‑043 ‑135 ‑059 N 625 646 637 588 544 137 ‑396 ‑027 ‑484 ‑342 ‑366 145 130 108 131 201 219 119 ‑021 045 ‑151 ‑081 ‑073 準° 678 601 491 588 547 256 ‑240 191 ‑365 ‑190 ‑207 234 190 106 112 333 237 180 ‑032 134 ‑089 ‑123 ‑089 Co 537 530 493 544 547 210 ‑317 138 ‑258 ‑275 ‑304 122 089 059 089 219 408 253 ‑139 070 ‑078 ‑073 ‑039
状Ag 107 337 ‑071 137 256 210 190 511 ‑025 275 228 018 137 ‑063 033 094 154 464 ‑008 243 026 042 142 G ‑422 ‑339 ‑476 ‑396 ‑240 ‑317 190 306 145 500 544 ‑054 006 ‑010 ‑026 ‑053 ‑083 051 160 082 ‑063 054 008
況R ‑003 278 010 ‑027 191 138 511 306 265 330 430 012 159 060 043 162 128 254 034 298 152 041 093 T ‑484 ‑214 ‑253 ‑484 ‑365 ‑258 ‑025 145 265 122 212 ‑206 ‑086 ‑081 ‑136 ‑103 ‑121 ‑054 029 ‑028 438 056 087 A ‑333 ‑261 ‑508 ‑342 ‑190 ‑275 275 500 330 122 773 ‑076 ‑061 ‑044 ‑005 ‑088 ‑102 051 099 078 012 185 143 s ‑353 ‑215 ‑471 ‑366 ‑207 ‑304 228 544 430 212 773 ‑099 ‑025 ‑053 ‑037 ‑056 ‑113 097 125 179 038 169 197 D* 294 125 131 145 234 122 018 ‑054 012 ‑206 ‑076 099 643 539 601 641 470 181 ‑446 150 ‑440 ‑436 ‑444 C* 113 226 090 130 190 089 137 006 159 ‑086 ‑061 ‑025 643 584 654 620 434 247 ‑400 258 ‑281 ‑428 ‑431
価I* 079 083 154 108 106 059 ‑063 ‑010 060 ‑081 ‑044 ‑053 539 584 782 473 335 ‑079 ‑534 035 ‑290 ‑577 ‑580
値N* 110 101 116 131 112 089 033 ‑026 043 ‑136 ‑005 ‑037 601 654 782 547 470 107 ‑522 079 ‑347 ‑506 ‑518
〇*268 217 218 201 333 219 094 ‑053 162 ‑103 ‑088 ‑056 641 620 473 547 539 294 ‑253 183 ‑420 ‑347 ‑362
判Co* 245 232 182 219 237 408 154 ‑083 128 ‑121 ‑102 ‑113 470 434 335 470 539 307 ‑302 107 ‑356 ‑312 ‑261
断Ag* 145 198 049 119 180 253 464 051 254 ‑054 051 097 181 247 ‑079 107 294 307 119 516 ‑121 107 139
状G* 025 043 ‑010 ‑021 ‑032 ‑139 ‑008 160 034 029 099 125 ‑446 ‑400 ‑534 ‑522 ‑253 ‑302 119 095 092 563 562 R* 075 158 049 045 134 070 243 082 298 ‑028 078 179 150 258 035 079 183 107 516 095 007 122 158
況T* ‑195 ‑040 ‑043 ‑151 ‑089 ‑078 026 ‑063 152 438 012 038 ‑440 ‑281 ‑290 ‑347 ‑420 ‑356 ‑121 092 007 187 255 A* ‑080 ‑026 ‑135 ‑081 ‑123 ‑073 042 054 041 056 185 169
―・436 ‑428 ‑577 ‑506 ‑347 ‑312 107 563 122 187 670 S* ‑068 026 ‑059 ‑073 ‑089 ‑039 142 008 093 087 143 197 ‑444 ‑431 ‑580 ‑518 ‑362 ‑261 139 562 158 255 670 M 111.4110.00 9.04 10.53 9.03 8.32 11.30 11.09 11.50 8.63 9.20 12.42, 4.00 3.78 2.25 3.19 6.00 4.3111.50 18.14 10.23 8.77 16.48 17.46 a 5.71 4.93 5.26 5.27 4.57 4.38 4.26 4.77 4.73 4.49 5.57 5.15 3.39 3.14 2.60 3.18 3.28 2.78 2.84 2.82 3.01 3.24 2.87 2.50
涯固汁柿『芹柿鼎器裕涸』濾19~ffi1%
Table2 Correlation Matrix, Means and SD of YG Scales in Standard and Valuation Administration in 1986 (new data)
ー61ー
I
標
準
状況:, D*
価値判
断状況D C I N ゜ Co
Ag G R T A C* I* N*
〇*Co* Ag* G* R* T* A* S* D 489 550 557 643 318 023 ‑333 ‑055 ‑471 ‑310 ‑290 380 288 114 224 378 245 063 022 030 ‑281 ‑152 ‑062 C 489 460 478 558 287 280 ‑260 307 ‑170 ‑170 ‑129 186 284 044 204 339 151 150 056 110 ‑175 ‑094 ‑070
標I 550 460 690 409 334 ‑259 ‑429 ‑165 ‑313 ‑491 ‑485 152 170 169 191 220 175 ‑027 031 ‑070 ‑170 ‑153 ‑022 N 577 478 690 498 417 ‑052 ‑310 ‑181 ‑456 ‑312 ‑361 204 149 169 264 287 259 067 037 ‑057 ‑285 ‑142 ‑099 準° 643 558 409 498 313 133 ‑195 136 ‑349 ‑135 ‑108 287 280 086 217 513 201 148 093 100 ‑280 ‑123 ‑044 Co 318 287 334 417 313 089 ‑250 ‑004 ‑218 ‑330 ‑297 101 100 106 179 172 398 065 ‑059 ‑044 ‑218 ‑104 ‑116
状Ag ‑023 280 ‑259 ‑052 133 089 245 493 ‑006 358 371 100 116 ‑032 067 131 039 387 056 288 ‑087 060 018 G ‑333 ‑260 ‑429 ‑310 ‑195 ‑250 245 306 087 542 563 ‑061 ‑025 ‑131 ‑083 ‑087 ‑133 073 193 117 036 154 089
況R ‑055 307 ‑165 ‑181 136 004 493 306 331 388 497 ‑036 057 ‑112 ‑031 ‑017 ‑031 190 075 296 122 094 115 T ‑471 ‑170 ‑313 ‑456 ‑349 ‑218 ‑006 087 331 136 126 ‑168 ‑039 ‑011 ‑124 ‑179 ‑124 ‑082 ‑087 041 371 030 027 A ‑310 ‑170 ‑491 ‑312 ‑135 ‑330 358 542 388 136 715 ‑054 ‑119 ‑155 ‑086 ‑133 ‑168 058 112 054 ‑004 243 165 s ‑290 ‑129 ‑485 ‑361 ‑108 ‑297 371 563 497 126 715 ‑108 ‑135 ‑178 ‑155 ‑150 ‑179 105 180 193 082 266 270 D* 380 186 152 204 287 101 100 ‑061 ‑036 ‑168 ‑054 ‑108 573 524 659 558 447 019 ‑395 ‑012 ‑274 ‑493 ‑384 C* 288 284 170 149 280 100 116 ‑025 057 ‑039 ‑119 ‑135 573 523 557 532 339 095 ‑299 131 ‑038 ‑378 ‑301
価I* 114 044 169 169 086 106 ‑032 ‑131 ‑112 ‑011 ‑155 ‑178 524 523 712 313 464 ‑146 ‑579 ‑115 ‑059 ‑649 ‑623
値N* 244 204 191 264 217 179 067 ‑083 ‑031 ‑124 ‑086 ‑155 659 557 712 440 576 ‑012 ‑440 ‑082 ‑269 ‑560 ‑499 O* 378 339 220 287 513 172 131 ‑087 ‑017 ‑179 ‑133 ‑150 558 532 313 440 344 103 ‑150 113 ‑297 ‑336 ‑205 判 Co* 245 151 175 259 201 398 039 ‑133 ‑031 ‑124 ‑168 ‑179 447 339 464 576 344 ‑002 ‑433 ‑094 ‑224 ‑476 ‑453
断Ag* 063 150 ‑027 067 148 065 387 073 190 ‑082 058 105 019 095 ‑146 ‑012 103 ‑002 180 483 030 178 215
状G* 022 056 031 037 093 ‑059 056 193 075 ‑087 112 180 ‑395 ‑299 ‑579 ‑440 ‑150 ‑433 180 129 ‑137 566 626 R* 030 110 ‑070 ‑057 100 ‑044 288 117 296 041 054 193 ‑012 131 ‑115 ‑082 113 ‑094 483 129 261 174 290
況T* ‑281 ‑175 ‑170 ‑285 ‑280 ‑218 ‑087 036 122 371 ‑004 082 ‑274 ‑038 ‑059 ‑269 ‑297 ‑224 030 ‑137 261 043 053 A* ‑152 ‑094 ‑153 ‑142 ‑123 ‑104 060 154 094 030 243 266 ‑493 ‑378 ‑649 ‑560 ‑336 ‑476 178 566 174 043 715 S* ‑062 ‑070 ‑022 099 ‑044 ‑116 018 089 115 027 165 270 ‑384 ‑301 ‑623 ‑499 ‑205 ‑453 215 626 290 053 715 M 110. 75 10.16 9.18 10. 04 9. 07 7. 84 11. 60 10. 59 12. 22 9.14 9. 67 13. 34 2. 88 3. 42 1. 50 2. 59 5. 04 3. 07 12.1118. 67 10. 32 8. 79 16. 84 18. 32 a 5.47 4.47 5.12 4.96 4.01 3.93 4.06 4.31 4.26 4.56 4.92 4.79 3.45 3.18 2.46 3.08 3.15 2.87 2.86 2.62 3.063.49 3.08 2.46
漁湮蛍滸‑n サーfが河決嵌臣0
鶯EE‑ǹUく︑A(I) ︵汗耳・湊︶関西大学「社会学部紀要」第
1 9
巻第1
号ベクトル間央角度が次頁の
Table3
に示されている。一致性係数( c o n g r u e n c ec o e f f i c i e n t )
は,0 . 8300. 9 6 1 ,
平均0 . 9 1 4 ,
頂点間距離は0.1240.4 6 9 ,
平均0 .2 3 0 ,
央角度は8 .0035. 8 0 ,
平均1 5 . 4 0
であった。この新旧資料のパタンマックスによる比較は,
1 9 7 0
年代と1 9 8 0
年代後半における所謂 新人類 との価値観の相異をわれわれに示すものである。もっともこれは望ましい性格像についての価値 観についてであって,すべての価値に対する価値観ではないことはいうまでもない。Table3
は,両資料についての10因子についての準拠構造行列( r e f e r e n c es t r u c t u r e m a t r i x )
である。また
F i g u r e1 5
は,そのプロットである。またTable4
は因子間相関である。④
見出される主たる知見まず,両資料の因子構造の一致性または類似性という点では,両者の近似度はきわめて高く,
新人類の結果も10数年前の結果とほとんど変らないといえる。しいていえば,新人類における望 ましい性格像という点では,
T
尺度(思考的外向)についての望ましさの点でかなりの差異が認 められた。(ベクトル央角が3 5 .8 ° ,
頂点間距離0 . 4 6 9 )
すなわち,新人類による思考的外向性は 衝動性のイメージに近く,その反面,社会的外向性や支配的であることをそれほど望ましくはな いという,非社会性と衝動性の結合した一人っ子的な性格を望ましいとするような価値観を新人 類はいだいているようである。1 0
因子からなる準拠構造行列は大きく二大別され,内容的には3
種類の因子に分類される。そ の第1
類は,価値判断状況の尺度にのみ負荷する因子で,3
個ある。第2
類に属する因子には,ほぽ標準状況の尺度にのみ負荷する因子が
3
個と,標準状況,価値判断の両状況に,ほぽ同程度 の負荷を持つ因子4
個とがある。もっとも,因子負荷の程度を些細に見ると,多少のバライアテ ィが認められるが,大別して上のような様相が認められる。またこれらの10因子は,高次の人格 領域別に,Table3
において配列したように,R二次の情緒安定性領域,R二次の外向性領域,c二次の内省性領域の三領域に分類される。そして,それぞれの高次の人格特性領域別に,一個 の価値判断基準因子が存在し,その高次領域に属する一次因子尺度に負荷する真正の人格因子が 一次独立的に存在する様相が認められる。具体的には次のような分析結果が示された。
R 情緒安定性領域
•SD-E 因子 (Social
D e s i r a b i l i t y F a c t o r f o r E m o t i o n a l i t y )
この因子は,新旧両データ共に,価値判断状況の
N
(神経質),I
(劣等感)に0.40.3
程度の 負荷をもち, 自己領域内の標準状況における尺度群( D ,C , I , N , 0 , C o )
から抽出される人格 因子,またはその因子に属する尺度とも中程度の相関を持つ因子である。換言すれば,この価値 判断基準因子は,高次の情緒性一般における価値判断因子で,所謂,Edwards
のSD
因子に近 いものであり,情緒安定側を良しとし,その反対側を悪しとする判断基準があることを示してい る。またこの因子は,次の外向性因子における価値判断基準因子( S D ‑ I )
とも一0 .7 1 3
の高い逆 相関を示す。すなわち,Edwards
のSD
因子は, この両者を含めた一般因子と考えられる。こ‑ 6 2 ‑
Table 3 Reference Structure of 1973 (left) and 1986 (right) in standard (upper) and valuation (lower) and Congruence Indexes.
ー631
尺度
因子II SD‑E I 安情緒定不 性 空想性 不満性 I SD‑I 活動性 主導性 I PD‑R 非内省性 進取性 I ユ距ークリ離ッド対応灰角変度 量間 D 抑うつ性大 ‑184‑138 532 516 302 314 ‑045‑069 ‑072‑061 ‑062‑042 039 056 ‑042 011 ‑187‑192 ‑048‑087 155 10.3 ‑040 087 044 072 466 381 ‑080‑050 ‑117‑038 ‑022‑048 050 096 ‑020‑040 ‑090‑079 004‑002 159 10.8
c回帰性大 103 048 426 423 123 191 013‑080 158 106 ‑094‑022 ‑012‑045 000‑058 130 180 199 305 214 14.6 191 121 ‑032 046 268 295 ‑068‑063 002 011 091 050 ‑056‑064 111 171 082 159 156 020 212 14.8 I 劣等感の強 122 265 m 422 016‑079 077 047 126 212 ‑019‑048 ‑174‑161 049 033 086‑019 ‑104‑170 227 14.5 いこと 425 337 087‑004 ‑061‑047 ‑055 026 ‑035‑125 091 057 ‑025‑074 014 030 044 036 ‑015‑008 202 13.1 N 神経質 111 184 455 433 002‑073 064 123 090 126 ‑045 012 ‑084‑117 ‑036‑010 ‑195‑269 054‑047 188 12.9 429 392 ‑067‑046 055 104 070 139 059 100 ‑074‑067 037 023 ‑022‑083 ‑037‑048 088 069 148 9.5
〇客観的でな ‑205‑232 586 528 251 413 ‑013‑055 ‑125‑046 102 049 037 091 024‑012 ‑034‑051 008‑015 221 15.4 いこと 007‑115 005 142 490 526 096‑061 108 025 013 045 018‑030 ‑054‑014 094 008 ‑007 011 261 17.9 Co 協調的でな ‑112‑075 225 023 028‑021 463 553 ‑049 017 ‑012 034 002‑104 034‑053 ‑009‑040 ‑034‑037 279 19.2 いこと 031 066 ‑160‑040 239 060 443 397 084‑112 ‑042 038 016 015 ‑071‑051 006‑048 023‑062 339 25.4 Ag 愛想の悪い ‑011‑018 002‑052 019 072 008 064 ‑011 011 ‑003 006 ‑018 088 008 059 014‑001 769 532 311 16.7 こと ‑068 015
ニー215‑168 202 009 226 073 138 092 ‑076‑070 ‑040‑107 312 396 ‑025‑097 250 322 312 24.2
G一般的活動 ‑008 021 ‑081‑018 ‑127‑194 080 169 029 093 376 490 060 057 036 140 ‑012‑051 027‑124 253 14.6 性 ‑006‑047 013 057 020 047 ‑008 000 494 428 ‑016‑054 ‑011 029 ‑023‑059 ‑007‑098 ‑060 006 180 11. 7 R のんきさ ‑002 013 161 124 051 058 130 106 042 051 139 045 206 295 176 089 ‑439 512 173 247 210 13.5 ‑008‑084 ‑032‑086 053 061 016‑017 ‑013‑032 012‑030 001‑009 man 024 124 ‑004 115 287 18.0 T 思考的外向 ‑005 080 ‑372‑350 ‑028‑022 028 001 054 078 ‑043‑052 028 014 058 011 m 665 027 072 152 8.0 ‑080‑078 021‑042 ‑205‑259 ‑137‑147 ‑166‑322 ‑048‑121 014‑078 220 53? 443 387 045‑120 469 35.9 A 支配性大 ‑002 042 011 010 023 002 023‑052 004 057 ‑063‑030 588 479 ‑049‑089 ‑057‑060 020 111 158 10.3 ‑043‑079 -122-'-111~038-009 024 040 346 323 -335-23~ 249 199 029 029 ‑044‑058 ‑015‑008 124 8.8
s社会的外向 002‑036 022 063 029 007 036 003 039 04 02 ‑002‑019 564 558 070 065 079 014 ‑052 020 150 9.7 ‑022‑034 ‑138‑131 026 158 043 058 358 n ‑376‑423 m 350 059 134 028 029 052‑165 319 19.2 一致性集団間 900 960 914 913 906 909 953 897 961 830 I 平 230 15.4 係数状況間 535 663 ‑098 315 838 818 779 861 051 079 102‑071 919 778 771 358 868 881 843 658
均一_ー 癖蚕蛍滸︱ rs 芍‑}が河汗献号0
滞圧︳rsA二`; A︵I) ︵汗耳・満︶(対応変量間灰角度以外は小数点省略)
Table4 Factor Correlations of Pan‑Modal Factor Analysis
因
子
名
1. SD‑E 2. 情緒不安定性 3. 空想性 4. 不満性 5. SD‑I 6. 活動性 7.
主導性8. PD‑R 9. 非内省性 10. 進取性 1. SD‑E 2. 情緒不安定性 3.
空4.
不│ 64
1
想満5. SD‑I 6.
活7. 主 動導
性性 性性
8. PD‑R 9. 非内省性 10. 進取性
‑033 ‑033 739 276 ‑713 228 ‑066 ‑037 ‑095 ‑119 739 040 040 470 032 ‑501 ‑450 085 107 156 276 470 402 402 ‑479 237 ‑158 156 ‑204 021
‑713 032 ‑479 ‑353 ‑353 ‑241 ‑314 060 ‑007 245 228 ‑501 237 ‑241 106 106 213 250 ‑041 129
‑066 ‑450 ‑158 ‑314 213 671 671 057 ‑155 207
‑037 085 156 060 250 057 122 122 ‑068 331
‑095 107 ‑204 ‑007 ‑041 ‑155 ‑068 ‑149 ‑149 278
‑119 156 021 245 129 207 331 278 ‑021 ‑021
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質問紙法における反応歪曲の検出について
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