第一原理計算による XANES 計算の基礎
東京大学・生産技術研究所・溝口照康 本発表では電子状態理論に基づく XANES の理論計算法を説明する.XANES のスペクトル形状 は伝導帯の電子構造を反映しており,伝導帯の電子構造を適切に計算することができれば XANES に対応するスペクトルも計算できるはずである.近年ではグラフィカルユーザーインターフェー スを備えた第一原理計算のプログラムコードも開発され,実験を主とする研究者でも比較的容易 に XANES スペクトルを計算することが可能になりつつある.一方で物質の電子状態を計算する 一般的な「第一原理計算」は多くの近似のもとで計算が行われている.我々はその近似の中身を 理解し,第一原理計算で得られる結果を適切に使用する必要がある.第一原理計算の詳細な原理 や数式は専門書[1]を参考にしていただくとして,本発表では理論の簡単な概略を述べ,電子状態 計算に基づく XANES 理論計算に関する説明を行う. 2.4.1 電子状態理論の概略 物質の電子状態を計算するためには考慮すべき 粒子(原子核や電子など)のハミルトニアン𝐻, 波動関数Φ,系の全エネルギー𝐸を用いて表される 以下の波動方程式 𝐻Φ = 𝐸Φ (2.4.1) を解く必要がある.物質が原子核と電子から構成 されていると考えるとハミルトニアン𝐻は次のよ うに書ける. 𝐻 = 𝑇𝑒+ 𝑇𝑛+ 𝑉𝑒𝑒+ 𝑉𝑛𝑛+ 𝑉𝑒𝑛 (2.4.2) ここで𝑇𝑒,𝑇𝑛は電子と原子核の運動エネルギー, 𝑉𝑒𝑒,𝑉𝑛𝑛,𝑉𝑒𝑛は電子-電子間,核-核間,電子-核間 のポテンシャルエネルギーである.このままでは 解くことが困難なため,原子核系に対する電子系 の 断 熱 的 な 寄 与 を 無 視 す る 断 熱 近 似 (Born-Oppenheimer 近似)が一般的に用いられる. この断熱近似はほぼすべての第一原理電子状態計 算で用いられている近似法である.次に波動方程 式の解法の概要を紹介する. (1)Hartree 近似と Hartree-Fock 近似 波動関数Φを規定することで上式(2.4.1)を解く ことができる.まず多粒子波動関数Φは上述の断 熱近似によって電子の波動関数Φ𝑒を考えれば良 いことになる.ここでΦ𝑒は系を構成するすべての 電子,つまり全電子の波動関数である.𝑛電子系 の波動関数Φ𝑒の表し方の一つが,波動関数Φ𝑒を電 子𝑖の 1 電子波動関数ϕ𝑖(𝑟𝑖)の積 Φ𝑒= ϕ1(𝑟1)ϕ2(𝑟2) ⋯ ϕ𝑖(𝑟𝑖) ⋯ ϕ𝑛(𝑟𝑛) (2.4.3) で表す Hartree 近似である.ここで電子𝑖の位置𝑟𝑖に はスピン変数も含まれるとする.しかしながらこ の Hartree 近似では単純な積を用いているため電 子の交換(つまり積内の項の交換)について符号 が反転しない.これでは波動関数が電子の交換に 対して反対称であるというパウリの原理を満たさ ない.また Hartree 近似では電子間の位置の相関関 係 が 全 く 無 視 さ れ て お り , 電 子 𝑖 の 電 子 密 度 |ϕ𝑖(𝑟𝑖)|2はその他の電子とは無関係に決まる.つ まり Hartree 近似では n 個の電子が同じ固有値を持 つことが可能となり,ボーズ粒子のように振る舞 ってしまう(実際の電子はフェルミ粒子). Hartree 近似を発展させたのが Hartree-Fock 近似 である.Hartree-Fock 近似では以下のような行列 式を波動関数Φ𝑒として用いる. Φ𝑒 = 1 √𝑛!| | ϕ1(𝑟1) ϕ2(𝑟1) ⋮ ⋮ ϕ𝑛(𝑟1) ϕ1(𝑟2) ϕ2(𝑟2) ⋮ ⋮ ϕ𝑛(𝑟2) … … ⋱ … ϕ1(𝑟𝑛) ϕ2(𝑟𝑛) ⋮ ⋮ ϕ𝑛(𝑟𝑛) | | (2.4.4) 行列式を用いることにより電子 i と j を交換(つ まり i 列目と j 列目を交換)で符号が変わり,波動関数が反対称の性質を持つことになる.(2.4.4) の行列式を Slater 行列式とよぶ.(2.4.1)の波動方程 式を解くためには,(2.4.4)の Slater 行列式を用いた 波動関数Φ𝑒に関するエネルギー汎関数の最小値 を求めればよい.その際に,一電子軌道に関する 極値(つまり一電子波動関数ϕ𝑖(𝑟𝑖)に関する偏微 分 ) を 規 格直 交 下 条件の も と で 解く こ と で , Hartree-Fock 近似における一電子方程式を得るこ とができる.ここで Hartree-Fock 近似におけるエ ネルギー汎関数には,電子の交換に対する反対称 性を考慮することに伴って,Hartree 近似では現れ なかったポテンシャル項が現れる.このポテンシ ャル項が交換ポテンシャル項である.Hartree-Fock 近似はこの電子の交換ポテンシャルを正確に計算 できる手法である. 一方で Hartree-Fock 近似では Slater 行列式一つ のみで波動関数を表現している.しかしながら, 電子はある確率で励起状態をとることができ,そ のような励起状態の自由度を考慮することで系の エネルギーは下がるはずである.Hartree-Fock 近 似ではそのような自由度を許してないため,系の 全エネルギーやバンドギャップを過大評価する傾 向がある.Hartree-Fock 近似で考慮されていない この効果のことを相関ポテンシャルという.交換 ポテンシャルと相関ポテンシャルの両方を正確に 計算するためには,励起状態も考慮した Slater 行 列式の線形結合によって波動関数を表現すればよ い.そのような Slater 行列式の線形結合を波動関 数 と し て 用 い る 手 法 を 配 置 間 相 互 作 用 (Configuration Interaction: CI)法という.CI 計算 は交換ポテンシャルも相関ポテンシャルも正確に 計算することのできる最も正確な計算法である. CI 法は計算コストのかかる大変な計算であるが, 後述のように遷移金属の L2,3端やランタノイドの M4,5 端といった通称ホワイトラインとよばれる XANES の理論計算には不可欠である[2]. (2)密度汎関数法 上記では厳密はハミルトニアンに対して,近似 した波動関数Φ𝑒を仮定して波動方程式の解法を 行った.一方で,固体の第一原理計算で広く用い られている密度汎関数(Density Functional Theory: DFT)法では,波動関数を直接的に扱うことなく 電子密度を基本変数として計算を行っている. DFT 法は Hohenberg と Kohn が証明した以下の二 つの定理が基礎となっている[3]. 定理①: 基底状態の波動関数と電子―原子核 間ポテンシャル(外場ポテンシャル) は電子密度で一意的に決まる. 定理②: 基底状態の電子密度の際にエネルギ ー汎関数が最小値をとる. この Hohenberg-Kohn の定理①は「全エネルギー が電子密度の汎関数として与えられる」というこ とを,定理②は「最小な全エネルギーを与える電 子密度が基底状態の電子密度と一致する」という ことを示している.つまり,DFT 法では波動関数 のことは直接的には考えず,全エネルギーを最小 にするような電子密度を求めればよいということ になる. しかしながら,Hohenberg-Kohn の定理に基づい て作成されるエネルギー汎関数は多体効果を含ん でいる.そこで Kohn と Sham は相互作用のない参 照系の運動エネルギー汎関数を用いることにより, 複雑な多体効果を「交換相関ポテンシャル」と称 される項に押し込み,さらにその交換相関ポテン シャルを局所的な電子密度で近似することにより 一電子方程式を導いた[4].この一電子方程式が Kohn-Sham 方程式である.ここでいう交換相関ポ テンシャルというのは,上述の Hartree-Fock 近似 で 正 確 に 計 算 で き る 交 換 ポ テ ン シ ャ ル と , Hartree-Fock 近似で無視されている相関ポテンシ ャルをひとまとめにした項である. この交換相関ポテンシャルを局所的な電子密度 で表す近似のことを局所密度近似(Local Density Approximation: LDA),さらに電子密度の勾配も含 めて近似することを一般化勾配法(Generalized
Gradient Approximation: GGA ) とい う . こ れら LDA/GGA を導く際にも大胆な近似が行われてい る.上述のように交換相関ポテンシャルは多体効 果を含んでおり正確に計算するのは困難である. そのため LDA/GGA では相互作用の無い一様電子 モデルを仮定して交換相関ポテンシャルを計算し ている.つまり,DFT における LDA/GGA では複 雑な多体効果を交換相関ポテンシャルに押し込ん だのち,一様電子モデルを仮定して交換相関ポテ ンシャルを近似的に計算している.LDA/GGA 計 算が物質のバンドギャップを過小評価するのはこ の一様電子モデルを仮定していることが主な原因 である. Kohn-Sham 方程式を解くためには基本変数とな る電子密度を求める必要があるが,電子密度を決 めるポテンシャル(Kohn-Sham ポテンシャルとい う)自身も電子密度の汎関数で与えられる.その ため自己無撞着(Self Consistent Field:SCF)計算を 行う.具体的には, ①電子密度(i)を与える ②Kohn-Sham ポテンシャルを求める ③Kohn-Sham 方程式から一電子波動関数ϕ𝑖を求 める ④ ϕ𝑖の二乗から電子密度(i+1)を求める ⑤電子密度(i)と電子密度(i+1)との一致具合を判断. 一致なら終了で不一致なら改良した電子密度 を用いて①からやり直す. というような反復計算を行っている.また,電子 密度から原子に働く力(Hellmann-Feynman 力と Pulay 力)を計算することも可能であり,構造緩 和や動力学計算にも用いられている. 2.4.2 XANES の理論計算 以上の章では波動方程式の解法について説明し てきた.Hartree-Fock 近似と DFT 法は異なる原理 で波動方程式を解いているが,共に波動関数やエ ネルギーを計算することができる.XANES は内 殻軌道から伝導帯への電子遷移を反映しており, 電子遷移の確率(I)はフェルミの黄金律により以 下で与えられる[5].
)
(
)
exp(
f i fE
E
i
I
fkr
e
P
i 2
(2.4.5) f
,
iはそれぞれ終状態と基底状態の全電子 波動関数.E
fおよびE
iは各状態における系の全 エネルギー.
,k ,e
は遷移エネルギー,入射 波の波数ベクトル及び透過波の電場ベクトルの単 位ベクトル,P
は電子の運動エネルギー,r
は電 子の位置ベクトルである. (2.4.5)式は各状態の 1 電子波動関数i,fを用い, exp 項を展開すると以下のように近似することが 出来る.
( f i) f i f i f E E I
2 2 4 1 r k r e r e (2.4.6) (2.4.6)式の丸括弧内の第二項目は磁気四重極子 遷移項であり,その効果が限定的である場合には 電気双極子遷移のみを考えて以下のように表すこ とが出来る.)
(
2 i f f i fE
E
I
e
r
(2.4.7) 電気双極子遷移における遷移の選択則は内殻軌 道と遷移励起先の軌道の方位量子数の違いがl= ±1 である.上式の中で基底状態における内殻軌 道の一電子波動関数iは空間的,エネルギー的に 局在している.そのために XANES の形状は主に 終状態における伝導帯の一電子波動関数fに依存 する.XANES が伝導帯の部分状態密度(PDOS) を 反 映 す ると い わ れるの は こ の ため で あ る . Hartree-Fock 計算や DFT 計算で一電子波動関数i, fを求め,上述のように遷移確率を計算すれば計 算スペクトルを得ることができる.(1)FEFF による XANES の理論計算 XANES の理論計算にはこれまで,広域 XAFS (EXAFS)で使う散乱計算の類推から多重散乱法 が広く用いられてきた.多重散乱法の中でも広く 普及している FEFF コードを用いた計算結果を図 1 に示す. FEFF では多重散乱を考慮する領域の半径(rMS) とセルフコンシステント計算を行う半径(rSCF) とが主たる入力変数となっている[6].図 1(a)には FEFF コードを用いて計算した酸化マグネシウム (MgO)の Mg-K 励起端についての結果を示す. MgO の Mg-K 励起端の場合は多重散乱を考慮する 領域を 57 原子程度にすれば実験のスペクトルを 比較的良く再現していることがわかる.しかしな がら図 1(b)のようにクオーツ(SiO2)の L2,3端の 場合は 103 原子まで考慮してセルフコンシステン ト計算を行っても実験との対応はあまり良くない. 一方で,第一原理バンド計算を用いることにより それらのスペクトルを再現することができる. FEFF コードは第一原理計算法であるがポテンシ ャルを球対称近似しており,そのような球対称近 似が最密充填構造を有する MgO には適切だが, SiO2のような複雑な構造を有する物質には問題が あることを示している.球対称近似を用いないフ ルポテンシャルの多重散乱計算も近年行われてお り,フルポテンシャル多重散乱理論であれば SiO2 のスペクトルも再現できることが分かっている. [7]. (2) 第一原理バンド計算を用いた XANES の理 論計算:内殻空孔効果 第一原理バンド計算により XANES 計算するこ とでスペクトルの有する電子状態の情報を直接的 に抽出することが出来る.第一原理バンド計算に よって一電子波動関数i,fを求め,遷移確率を計 算すればよい.第一原理バンド計算では構造単位 (スーパーセル)を無限に広げて結晶の電子状態 を再現している(周期的境界条件).基底状態の電 子状態計算であれば,数原子程度の結晶基本格子 (unit cell や primitive cell)を用いることが可能で あるが,後述のように XANES 計算では内殻空孔 を導入する必要がある.内殻空孔とは内殻電子が 伝導帯に遷移した際に内殻に生じるホールのこと である.unit cell や primitive cell のような小さなス ーパーセルに内殻空孔を導入して計算した場合, 内殻空孔を導入した原子間の相互作用が大きくな る.XANES の理論計算を行うためにその相互作 用が小さくなるような,大きなスーパーセルを用 いる必要がある[8]. 内殻空孔の影響を具体的に示す.図 2 には各状 態における MgO の伝導帯下端の波動関数の 2 乗 を示している.内殻軌道の電子を 1 個抜いて価電 子帯下端に入れた状態で SCF 計算することによ り内殻空孔効果を考慮した.基底状態では波動関 数はブロッホ的に広がっている(図 2(a)).一方で Mg に内殻空孔を導入することで波動関数が励起 原子近傍に局在する(図 2(b),(c)).Mg-1s 軌道に内 殻空孔を導入した場合のほうが,Mg-2p 軌道に内 殻空孔を導入した場合よりもより強く波動関数が 局在していることが分かる(図 2(b),(c)).小さい
スーパーセルを用いた場合ではそのような波動関 数の局在をうまく表現できない(図 2(d)).このよ うな内殻空孔の効果を簡便に記述する方法として 等価内殻近似(Z+1 近似)が知られている.これ は原子番号 Z を一つ繰り上げた原子に置き換えて 内殻空孔効果を近似する手法で,たとえば Mg の 吸収端を計算したい場合は MgAl に変えて計算 する.Z+1 状態における波動関数を図 2(e)に示し ている.Z+1 状態にすることで波動関数を局在さ せることはできるが,その局在の程度は正確な終 状態(内殻空孔状態)とは異なっていることが分 かる[8]. (3) 第一原理バンド計算を用いた XANES の理 論計算:応用例 実際の計算スペクトルを図 3 に示す.同図には MgO からの Mg-K 端 XANES の実験スペクトルと 計算スペクトルのスーパーセルサイズ依存性を示 した.計算には第一原理 OLCAO(Orthogonalized Linear Combination of Atomic Orbital)法を用いた [9].OLCAO 法は DFT にもとづく第一原理バンド 法の一種で LDA を用いている.まず基底状態の 計算スペクトルでは実験スペクトルを全く再現で きてないことが分かる(図 3(a)).内殻空孔の効果 を加味した場合においても,Primitive cell を 1×1 ×1 倍した 2 原子及び 2×2×2 倍した 16 原子のス ーパーセルでは実験スペクトルの形状及び遷移エ ネルギーを再現できてない(図 3(b)).この系の場 合少なくとも 54 原子,よりよく再現するためには 128 原子のスーパーセルが必要であることがわか る(図 3(b)(d)).また 432 原子までスーパーセル を拡張してもあまり改善されないこともわかる. 内殻空孔を導入した原子を 10Å 程度離せばよいこ とがこれまでに分かっている.また,Z+1 近似の 計算も比較的良く実験スペクトルを再現している ことが分かる.しかしながら Z+1 状態は正確な内 殻空孔状態とは異なった電子構造を反映している ことに注意すべきである[8]. 図 3(d)には異なる DFT 計算コードを用いて計算 した MgO の Mg-K 端の計算結果も示している. 前述の OLCAO と FEFF コードに加え,補強平面 波 + 局 所 軌 道 ( Augmented Plane Wave + Local Orbital: APW+lo)法と平面波基底擬ポテンシャル
(Plane Wave Pseudo-Potential: PWPP)法による計 算結果を示した.APW+lo 法には WIEN2k コード を用いた[10].APW+lo 法は原子核近傍の原子軌道 関数と外の平面波基底関数をうまく接続させた第 一原理計算手法である.WIEN2k コードは内殻軌 道を取り入れた高精度な全電子計算手法であるた めに XANES 解析や電子状態解析に広く用いられ ている.PWPP 法の計算には CASTEP コードを用 いた[11].PWPP 法では内殻軌道をあらわに計算す る必要がないように改良したポテンシャル(擬ポ テンシャル)を用いた計算法であり,全電子計算 と比べて高速である.また平面波を用いることで 力の計算において(Pulay 力の項が無視でき) Hellmann-Feynman 力の項のみを計算すればよく なる.よって PWPP 法は構造緩和計算や動力学計 算などに広く用いられている.PWPP 法では内殻 軌道をあらわには計算していないが,内殻空孔を 含む終状態の擬ポテンシャルを別途作成し,スペ クトルを計算したい原子にその励起擬ポテンシャ ルを用いることで内殻空孔効果を考慮できる[12]. また,孤立単原子で計算される内殻軌道のエネル ギーを用いることで,遷移エネルギーや化学シフ トの計算もできる[13].WIEN2k および CASTEP の計算では交換相関ポテンシャルは GGA を用い た.図 3(d)からそれぞれ手法の原理や近似は異な っているものの,すべての計算コードで実験スペ クトルを良く再現できることが分かる. 他の物質の XANES スペクトルを図 4 と 5 に示 す.図 4(a)には Al 化合物からの Al-K 端の実験と 計算結果を示している.計算には第一原理 PWPP 法(CASTEP コード)を用いた.Al 金属Al 窒化 物Al 酸化物の順でスペクトルが高エネルギー 側にシフトしている.理論計算においても基底状 態と終状態の全エネルギー差を計算して遷移エネ ルギーを算出している.実験の絶対値の再現性は あまりよくないが,物質間の化学シフトは定量的 に再現できている[14].同様な計算は全電子計算 法の WIEN2k コードでも行われ,スペクトル形状 と化学シフトの両方をよく再現できることが分か っている[15]. このような化学シフトの定量的な計算が必要に なるのが,同種類の元素が複数のサイトに存在し ている物質から XANES を計算する場合である. 図 4(b)には有機分子の Coronene の C-K 端の実験 [16]と計算の比較を示している.計算には第一原 理 PWPP 法(CASTEP コード)を用い,Coronene 分子一個を大きなスーパーセルに入れて計算を行 った.Coronene には 3 つの炭素サイト C1~C3 が 存在しており,すべてのサイトからスペクトルを 別々に計算し,サイトの数を加味して足し合わせ る必要がある.Coronene の場合,C1 と C2 サイト からのスペクトルがほぼ同じ位置に現れるのに対 し,C3 サイトのスペクトルは低エネルギーにシフ トしていることが分かる.これは Coronene の C3 サイトの Net Charge(イオン性の指標)が C1 や C2 サイトと比較して小さいため起こる化学シフ トである.前述の Z+1 近似では化学シフトを計算 することができないためこのような複数のサイト を含む物質からの XANES には適用できない.
験スペクトルと計算スペクトルを示している.計 算には全電子計算法の WIEN2k コードを用いた. 計算結果は実験結果を良く再現できていることが 分かる.ここで注目すべきはスペクトルへの双極 子遷移と四重極子遷移の寄与の違いである.O-K 端の場合は四重極子遷移がほぼ無視できるぐらい に小さいことが分かる[8].一方で Ti-K 端のピー ク A1~A2 については四重極子遷移の寄与が大き い.これは同領域が Ti-1s 軌道から Ti-3d 軌道への 遷移に対応しており,両軌道が空間的に局在して いるため(2.4.6)式の第二項目の影響が無視できな いためである.同様な四重極子遷移は遷移金属の K 端に比較的よくみられる[17].四重極子遷移に 起因したピーク解析することにより,K 端であり ながら遷移金属 3d 軌道の情報を直接得ることが 可能になる. 2.6 DFT-LDA,GGA の限界 以上述べてきた計算では,一様電子ガスモデル をもとにした DFT-LDA や DFT-GGA 法による XANES 計 算 に つ い て 述 べ て き た . こ の DFT-LDA/GGA は固体物理の分野で用いられてい る計算コード(WIEN2k,VASP,CASTEP など) で用いられている近似法である.DFT-LDA/GGA の範囲においても電子相関を考慮するためにオン サ イ ト の ク ー ロ ン ポ テ ン シ ャ ル ( LDA+U や GGA+U など)を追加することができるが,この ような近似では原理的に計算が不可能な吸収端が 存在する.それが軽元素の K 端と軽金属元素の L2,3端,ホワイトライン(遷移金属の L2,3端,ラン タノイドの M4,5端等)である. まず,軽元素の K 端では内殻空孔と遷移した電 子とエネルギー差が小さく電子と内殻空孔(ホー ル)との間の相互作用が無視できない.この電子 ―ホールペアのことをエキシトンといい,軽元素 の XANES を計算するためにはこのエキシトンの 効果を正確に取り入れる必要がある.そのために は 二 粒 子 ハ ミ ル ト ニ ア ン で 構 成 さ れ る Bethe-Salpeter 方程式(BSE)を解く必要がある[18].
図 6(a)には LiCl からの LiK 端スペクトルの実験 と計算を示す.実験スペクトルでは大きなピーク A に続いてピーク B,C,D が続いている.DFT-GGA 計算(WIEN2K コード)による同スペクトルの計 算では全体的なスペクトル形状はおおむね再現で きているものの,ピーク A が高エネルギー側に現
れ,ピーク B との間隔が小さくなっている.BSE 計算によって得られたスペクトルではピーク形状 がより良く再現できていることが分かる[19].同 様なことは Be-K 端や B-K 端でも過去に報告され てきた.また近年では Mg-L2,3や Al-L2,3端でもエ キシトン効果が顕著であることが明らかになって きた.図 6(b)には w-AlN から得られた Al-L2,3端ス ペクトルの実験と計算を示している.DFT-LDA 計 算(OLCAO コード)ではピークの本数や相対位 置をよく再現できているが,低エネルギー側のピ ーク強度が高エネルギー側のピークに比べて低い. 一方で実験では低エネルギー側と高エネルギー側 のピーク強度がほぼ同等である.エキシトン効果 を取り入れることにより,ピークの本数や位置だ けではなく,ピークの相対強度も再現できている ことが分かる.同様なことは Mg-L2,3 端でも報告 されている.つまり軽元素(H~B ぐらいまで) の K 端と,原子番号の比較的小さな軽金属元素 (Na~Al ぐらいまで)の L2,3端にはこのエキシト ン効果を加味した BSE 計算が重要になる[8,20]. さらに,ホワイトラインと称される遷移金属の L2,3端やランタノイドの M4,5端,アクチノイドの N4,t端の計算においては,終状態の波動関数が空 間的に局在している 3d 軌道や 4f 軌道であるため, 電子-ホール相互作用に加えて部分的に占有され た 3d 軌道や 4f 軌道に存在する電子との相互作用 も正確に考える必要がある.また,L2端と L3端の 分裂はスピン軌道相互作用によって生じている. よって,ホワイトラインを計算するためには,ス ピン軌道相互作用を考慮した一電子方程式をもと にスレーター行列式の線形結合を作成し,上述の CI 計算を行う必要がある.
図 7(a)には SrTiO3から得られた Ti-L2,3端の実験
スペクトルと各種条件での計算結果を示す.実験 では計 4 本のピークがあらわれ低エネルギー側の 二本(A, B)が L3端,高エネルギー側の二本(C, D)が L2端に対応している.ピーク強度はピーク B, D の強度がピーク A, C よりも大きい.そのよ うな実験スペクトルを再現するためには,スピン-軌道相互作用を加味するだけではなく CI 計算す る必要があることが分かる[2, 21].同様なことが ランタノイドの M4,5端にもいえる.図 7(b)には Pr2O3の Pr-M4,5端を示している.CI 計算を行うこ とによりランタノイドの M4,5端も再現できている ことが分かる[8]. 参考文献 [1] 例えば小口多美夫著:“バンド理論”,内田老 鶴圃,東京 1999.R.M.Martin:“物質の電子状態 上,下”寺倉清之ほか訳,シュプリンガージャパ ン,東京 2012.足立裕彦:“量子材料化学入門”, 三共出版,東京 1993,小無 健司、湊 和生 編:“ア クチノイド物性研究のための計算科学入門”,日本 原子力学会,東京 2013.
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Introduction: XANES
⌫㠃ᕪ䠇 4-fold㠀Ⅼ䝗䜲䝒䠖䝎䝹䝮䝅䝳䝍䝑䝖ᕤ⛉Ꮫ Rose, Haider䜙
㜿㒊ⱥྖ䠈⛉Ꮫᢏ⾡ືྥ11᭶ྕ(2010) 䠄http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt116j/report1.pdf䠅R. Erni “Aberration Corrected TEM”, ICP
⁁ཱྀ↷ᗣ䞉䝉䝷䝭䝑䜽䝇Ꮫ2015 ㈨ᩱ
Cs⿵ṇ⨨ 䝥䝻䞊䝤ഃ
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Introduction: ⌫㠃ᕪ⿵ṇ
Masai et al., Sci. Rep. 2015
Euudoped CaFF2
Specimen Specimen
Annular Dark Field (ADF) detector
Scanning TEM(STEM) Transmission Electron Microscopy (TEM)
Interference image by many wave Incoherent imaging with Z sensitive contrast
Z-contrast image Bright spot = Heavy elements
Introduction: ⌫㠃ᕪ⿵ṇ
ELNES⌮ㄽィ⟬䛾㔜せᛶ
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6㓄 4㓄Si-L2,3edge (D. Li et al. Solid. St. Comm 1993)
Zb-SiC(K. Kaneko Act. Mater)
Si-L2,3edge 㓄ᩘ䛾㐪䛔䠛 Æ ㉳※䛿䠛 O, N, C䛾㐪䛔䠛Æ ㉳※䛿䠛 4㓄 4㓄 (M. yoshiya ) 4㓄
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ELNES/XANES⌮ㄽィ⟬䛾ᛂ⏝䠖᭷ᶵศᏊ
Y. Matsui et al. Sci. Rep. 3 (2013) 3503-1-7.
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(d5)
Kurata and Colliex PRB 1993
Mn2.67+ (d4.33) Mn3+ (d4) Mn4+ (d3) Mn6+ (d1) L3 L2 Mn2+ (d5) Mn2.67+ (d4.33) Mn3+ (d4) Mn4+ (d3) Mn6+ (d1) energy In te nsity L3or M5 L2or M4 ( ) ) ( (dddddd3333)))))))) energy In te nsity L3or M5 L2or M4 Mn-L2,3➃ (Mn2pÆ3d)
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M
4,5edge of Lanthanides (3dÆ 4f)
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S. Nishida et al., JAP (2013)
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༢⣧䛷䛺䛔Æ ィ⟬䛜ᚲせ
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Theoretical Calculation of XMCD/EMCD
B : magnetic flux density
ȝB : Bohr magneton
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si : spin momentum
Include Zeeman term into
the Hamiltonian
By ụ㔝୍䠄㜰ᗓ䠅
XMCD/EMCDィ⟬
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If (䛚㔠䛜䛺䛔䠃➨୍ཎ⌮ィ⟬䛷Ⰽ䚻䜔䜚䛯䛔䠃Linux䛻䛴䜘䛔) :Æ 䝣䝸䞊䝁䞊䝗䠊Abinit, Quantum-Espresso, Exciting, Elk➼
Æ WIEN2k (䜰䜹䝕䝭䝑䜽4䠈ᴗ40䛠䜙䛔䠅
Æ FEFF (䜰䜹䝕䝭䝑䜽4䠈ᴗ40䛠䜙䛔䠅
If (䛚㔠䛜䛒䜎䜚䛺䛔䠛䠃➨୍ཎ⌮ィ⟬䛷Ⰽ䚻䜔䜚䛯䛔䠃ELNES䛔䜙䛺䛔) :Æ VASP (䜰䜹䝕䝭䝑䜽50䠈ᴗ???䠅
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(Wien2k, CASTEP, VASP, etc)
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OUTLINE
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Code:
CASTEP 䠄Materials Studio䠖䡭䡴䡺䢕䢔䡹䠅
Collaboration with Chris Pikcard & Shanpeng Gao
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Results
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F. Mauri et al., PRL 1995*㑄⛣䜶䝛䝹䜼䞊䠖 䜶䝛䝹䜼䞊ᕪ
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(Ꮩ❧ཎᏊ㏆ఝ) D.R. Hamann et al., PRL 2002 ᨃ䝫䝔䞁䝅䝱䝹 NuclearෆẆ✵Ꮝ䜢ྵ䜣䛰
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Nuclear ᨃ䝫䝔䞁䝅䝱䝹㏻ᖖ䠖 ෆẆ✵Ꮝ䛾↓䛔䠈ᇶᗏ≧ែ
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Nuclear ບ㉳ᨃ䝫䝔䞁䝅䝱䝹CASTEP-ELNES䠖 ෆẆ✵Ꮝ䜢ᑟධ䛧䛯
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Schattschneider Nature 2010
Vibrational
information: Molecular vibration and Phonon
by EELS
Chemical Bonding Magnetic
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T. Miyata, et al., Microscopy (2014) JEOL monochromator Now: 14meV M. Mukai 7)6, &PLP + & 1 2 ) 6 Ionic liquid C2mim-TFSI IR spectrum using TEM-EELS
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T. Miyata, M. Mukai et al., Microscopy 2014
Submitted June/2014Æ Online Sep./2014 Submitted May/2014Æ Online July/2014
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OL Krivanek et al., Nature 2014
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