衛星データを用いた
地震・地盤変動データ流通及び
解析ワーキンググループ
(地震 WG)
平成 23 年度~平成 25 年度
成果報告書
平成 26 年 3 月
地震 WG 事務局
国土地理院
地震WG 成果報告書 2
衛星データを用いた地震・地盤変動データ流通
及び解析ワーキンググループ(地震 WG)
平成 23 年度~平成 25 年度 成果報告書
目次
1. 地震 WG の概要 ... 3 1.1. 設置の目的と経緯 ... 3 1.2. 枠組み及び参加機関 ... 3 2. 活動報告 ... 5 2.1. 観測要求(一部平成 22 年度のものも含む) ... 5 2.2. データ取得実績 ... 6 2.3. 会合開催状況... 7 2.4. 外部公表実績... 8 3. 個別課題研究の成果報告 ... 13 01 国土地院... 14 02 防災科学技術研究所………... 26 03 京都大学………... 34 04 北海道大学………... 44 05 北海道大学………... 52 07 宇宙航空研究開発機構………...….. 58 08 気象庁………... 65 09 日本電気株式会社………... 76 10 東北大学………... 83 11 公益財団法人地震予知総合研究振興会………... 90地震WG 成果報告書 3
1. 地震 WG の概要
1.1. 設置の目的と経緯 国土交通省国土地理院は,「陸域観測技術衛星を用いた防災利用実証実験の協力に関する 取り決め」に基づき,独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下,「JAXA」という.)の協 力のもと,陸域観測技術衛星(以下,「ALOS」という.)データを用いた地震・地盤変動に 関する防災利用実証実験を推進するため,平成20 年 4 月に衛星データを用いた地震・地盤 変動データ流通及び解析ワーキンググループ(以下,「地震WG」という.)を設置した. 地震WG の活動内容は,次のとおりである. ① ALOS データ流通システムの構築及び試行運用 ② 発災時におけるALOS の緊急観測要求 ③ 地震・地盤変動のメカニズム解明のためのALOS データ解析・検討及び評価 平成23 年 4 月には,平成 23 年度~平成 25 年度(3 ヵ年)における防災利用実証実験の 実施計画書を策定し,活動を実施してきた.平成23 年 5 月の ALOS 運用終了後は,緊急観 測は実施できなくなったが,アーカイブデータを利用した課題研究を実施してきた. 本報告は,3 ヵ年の実施期間の満了を迎えるに当たり,取りまとめたものである. 1.2. 枠組み及び参加機関 地震WG 事務局(国土地理院測地部宇宙測地課)は,参加機関(表 1)の観測要求や成 果を取りまとめ,JAXA に報告する役割を担う(図 1). 地震発生時には,参加機関からの観測要求を取りまとめたうえで観測要求依頼書をJAXA へ提出する.要求が認められ,観測が実施されると,事務局は速やかにデータをダウンロ ードし,データサーバへ格納することで参加機関へ配信する.SAR 干渉解析に必要な地震 発生前のデータも合わせて配信する. 上記事務局から配信される緊急観測データ以外に,参加機関は課題研究実施のため,年 間最大50 シーンの ALOS データを無償で取得できる. 参加機関の成果は地震調査研究推進本部や地震予知連絡会,衛星データ解析小委員会等 へ提出され,利用される.衛星データ解析小委員会は,提出された解析結果の検討を行う とともに,SAR 解析手法及び表現の標準化を目的として,地震調査委員会の下に平成 19 年8 月に設置された.その後,平成 23 年 10 月に「合成開口レーダーによる地震活動に関 連する地殻変動観測手法について」の報告書を取りまとめて,解散となった.地震WG 成果報告書 4 表 1. 参加機関一覧 管理 番号 参加機関 代表研究者 研究課題名 01 国土地理院 小林 知勝 地殻活動に伴う地殻変動の詳細把握 02 防災科学 技術研究所 小澤 拓 地震に伴う地殻変動の検出を目的とした緊急観測データの解析 03 京都大学 橋本 学 沈み込み帯における応力蓄積・拡散過程と内陸地震の発生機構に 関する研究 04 北海道大学 村上 亮 海溝型地震の発生メカニズムの解明 05 北海道大学 古屋 正人 陸域プレート境界周辺の地殻変動様式の解明 06※1 産業技術 総合研究所 児玉 信介 衛星画像を用いた地殻変動情報抽出技術の開発 07 宇宙航空 研究開発機構 島田 正信 ALOS アーカイブデータを使った,過去の地震活動に伴う地殻変 動・地表変状検出 08 気象庁 青木 元 地殻変動の詳細把握 09 日本電気 株式会社 木村 恒一 スキャン SAR 干渉による広域地殻変動検出 10 東北大学 太田 雄策 ALOS PALSAR と GPS データに基づく東北地方歪み集中帯の変 動場に関する研究 11 公益財団法人 地震予知総合 研究振興会 松浦 律子 ALOS 立体視画像による活断層の詳細位置特定の精度と効率の 向上の可能性調査 12※2 京都大学 林 愛明 2008 年四川大地震の震源断層のセグメテーションと断層活動性 ※1. 平成 24 年度以降不参加 ※2. 研究対象地域の ALOS データが観測されなかったため、成果報告書は無し 図 1. 地震 WG の枠組み
国土地理院
JAXA
防災利用 システム室 事務局 測地部 宇宙測地課 要求・成果の取りまとめ データ管理 データサーバ 参加機関 解析実施 観測要求 データ提供 観測要求 成果報告 データ提供地震調査研究推進本部
衛星データ解析小委員会 成果の検討・評価 成果 成果報告地震 WG
地震WG 成果報告書 5
2. 活動報告
2.1. 観測要求(一部平成 22 年度のものも含む) 東北地方太平洋沖地震関連(表2),ミャンマー北東部の地震(表 3),ニュージーランド・ クライストチャーチ地震(表4)に対する観測要求を提出した. 表 2. 東北地方太平洋沖地震関連(平成 23 年 3 月 11 日,M9.0) パス フレーム モード オフナディア角 観測日 観測 55 2800~2900 FBS 34.3 2011/03/21 ○ 56 2780~2920 FBS 34.3 2011/04/07 ○ 57 2780~2920 FBS 34.3 2011/04/24 ×※2 58 2780~2920 FBS 34.3 2011/03/26 ×※1 59 2780~2920 FBS 34.3 2011/04/12 ○ 60 2800~2900 WB1 27.1 2011/03/14 ○ 61 2800~2900 WB1 27.1 2011/03/31 ○ 62 2800~2900 WB1 27.1 2011/04/17 ○ 63 2800~2900 WB1 27.1 2011/03/19 ×※1 64 2800~2900 WB1 27.1 2011/04/05 ○ 65 2800~2900 WB1 27.1 2011/04/22 ×※2 400 770~820 FBS 34.3 2011/04/13 ○ 401 750~820 FBS 34.3 2011/03/15 2011/04/30 ○ ×※2 402 730~810 FBS 34.3 2011/04/01 ○ 403 700~810 FBS 34.3 2011/04/18 ○ 404 690~800 FBD 34.3 2011/03/20 ○ 405 690~760 FBS 34.3 2011/04/06 ○ 406 690~760 FBS 34.3 2011/04/23 ×※2 407 680~740 FBS 34.3 2011/03/25 ×※1 408 680~740 FBS 34.3 2011/04/11 ○ ※1. 他機関との競合のため ※2. 4 月 22 日に電力異常が発生したため地震WG 成果報告書 6 表 3. ミャンマー北東部の地震(平成 23 年 3 月 24 日,M6.8) パス フレーム モード オフナディア角 観測日 観測 126 3200~3210 FBS 34.3 2011/04/01 ○ 486 390~400 FBS 34.3 2011/04/03 ○ 表 4. ニュージーランド・クライストチャーチ地震(平成 23 年 2 月 22 日,M6.3) パス フレーム モード オフナディア角 観測日 観測 335 6290~6310 FBS 34.3 2011/02/25 2011/04/12 ○ ○ 630 4500 WB1 27.1 2011/02/26 2011/04/13 ○ ○ 2.2. データ取得実績 平成23 年 5 月に ALOS の運用が終了し,新たなデータが観測されなかったため,データ 取得数は平成22 年度以前と比べて少なくなった(表 5). 表 5. AUIG からのデータ取得実績 管理 番号 機関
FY23 FY24 FY25 期間 合計 PSM AV2 PSR 計 PSM AV2 PSR 計 PSM AV2 PSR 計
00 事務局 44 44 0 0 44 01 国土地理院 4 4 0 8 8 12 02 防災科研 0 0 0 0 03 京都大学 50 50 48 48 42 42 140 04 北海道大学 0 0 0 0 05 北海道大学 0 0 0 0 06 産総研 0 ― ― ― ― ― ― ― ― 0 07 JAXA 0 0 0 0 08 気象庁 0 0 3 3 3 09 日本電気 16 16 49 49 0 65 10 東北大学 2 2 0 0 2 11 振興会 4 2 6 0 0 6 12 京都大学 0 0 0 0 計 4 2 116 6 0 0 97 0 0 0 53 0 6
地震WG 成果報告書 7 2.3. 会合開催状況 第7 回 日時 平成23 年 5 月 24 日(火)13:00~14:00 場所 幕張メッセ国際会議場201A 議題 1. 最近の緊急観測概況・事務連絡(事務局) 2. 東北太平洋沖地震解析事例(01 国土地理院,03 京都大学,04・05 北海道大学) 3. 質疑応答 4. だいち観測停止への対応(JAXA) 第8 回(第 9 回火山 WG 会合と合同開催) 日時 平成24 年 5 月 23 日(水)12:30~13:30 場所 幕張メッセ国際会議場102A 議題 1. 地震 WG 活動紹介(事務局) 2. 平成 23 年度地震 WG 課題研究成果発表(01 国土地理院,04 北海 道大学) 3. 火山 WG 活動紹介(事務局:気象庁) 4. 平成 23 年度火山 WG 課題研究成果発表 5. ALOS-2 計画について(JAXA) 6. 今年度の活動計画について(各事務局) 7. その他 第9 回 日時 平成25 年 10 月 28 日(月)14:00~16:30 場所 地震予知連絡会小会議室(九段第2 合同庁舎 8 階) 議題 1. これまでの経過報告(事務局) 2. 研究課題成果発表(01 国土地理院,02 防災科研,03 京都大学, 07JAXA,08 気象庁,09 日本電気) 3. ALOS-2 について(JAXA) 4. 地震 WG の今後の予定について(事務局) 5. その他
地震WG 成果報告書 8 第10 回 日時 平成26 年 2 月 26 日(水)14:00~16:10 場所 地震予知連絡会小会議室(九段第2 合同庁舎 8 階) 議題 1. 研究課題成果発表(03 京都大学,04・05 北海道大学,11 振興会) 2. 成果報告書案について(事務局) 3. 地震 WG の今後の予定について(事務局) 4. ALOS-2(だいち 2 号)について(JAXA) 5. その他 2.4. 外部公表実績 01 国土地理院(表 6),02 防災科学技術研究所(表 7),03 京都大学(表 8),05 北海道 大学(表9),08 気象庁(表 10),09 日本電気株式会社(表 11),10 東北大学(表 12),11 公益財団法人地震予知総合研究振興会(表13)が成果の外部公表を行った. 表 6. 外部公表実績(01 国土地理院) 表題 発表先 発表日 平成 23 年(2011 年)3 月 19 日茨城県北部の地震(M6.1)に関する合 成開口レーダー解析結果 第 224 回地震調査委員会 2011/04/11 平成 23 年(2011 年)4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0)に伴う 地殻変動 国土地理院HP 2011/04/25 平成 23 年(2011 年)4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0)に関す る合成開口レーダー解析結果 第 190 回地震予知連絡会 2011/04/26 平成 23 年(2011 年)3 月 19 日茨城県北部の地震(M6.1)に関する 合成開口レーダー解析結果 第 190 回地震予知連絡会 2011/04/26 合成開口レーダー(SAR)と電子基準点(GPS 連続観測点)の融合 解析による地殻変動(暫定) 第 190 回地震予知連絡会 2011/04/26 東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動を面的に把握 国土地理院HP 2011/04/28 平成 23 年(2011 年)4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0)に関す る合成開口レーダー解析結果 第 226 回地震調査委員会 2011/05/11 平成 23 年(2011 年)3 月 12 日長野県・新潟県県境付近の地震 (M6.7) に関する合成開口レーダー解析結果 第 226 回地震調査委員会 2011/05/11 ALOS/PALSAR データにより検出された 2010 年イラン南東部の地 震に伴う地殻変動 日本地球惑星科学連合 2011 年大会 2011/05/24 「だいち」(ALOS)を利用した地殻・地盤変動監視 第 40 回国土地理院報告会 2011/06/03 -東北地方太平洋沖地震- 地震による地殻変動 第 40 回国土地理院報告会 2011/06/03 Estimation of coseismic deformation and a fault model of the 2010
Yushu earthquake using PALSAR interferometry data
Earth and Planetary
Science Letters, Vol. 307 2011/06/08 2011 年 2 月 22 日ニュージーランド南島の地震に関する合成開口 レーダー解析結果 第 191 回地震予知連絡会 2011/06/13 平成 23 年(2011 年) 3 月 19 日茨城県北部の地震 (M6.1)・3 月 23 日 福島県浜通りの地震(M6.0)に関する合成開口レーダー解析結果 第 191 回地震予知連絡会 2011/06/13 「だいち」(ALOS)を利用した地殻・地盤変動監視 国土地理院東日本大震災 調査報告会 2011/06/23 局所的大変位を伴う地殻変動計測のためのピクセルオフセット解析 測地学会誌 第 57 巻第 2 号 2011/06/25 平成 23 年 4 月 11 日福島県浜通りの地震による地盤変状と SAR 干渉画像との関連 日本第四紀学会 2011 年 大会 2011/08/26
地震WG 成果報告書 9 表題 発表先 発表日 4 月 11 日福島県浜通りの地震に係るいわき市内陸部における SAR 干渉画像(2011.3.3-2011.4.18)に見られる変位の不連続の分布 日本地質学会第 118 年学 術大会 プレス発表 2011/08/31 平成 23 年4月 11 日福島県浜通りの地震による被害状況と地形・地 質との関連 日本地質学会第 118 年学 術大会 2011/09/10 2011 年長野県北部地震における被害分布の特徴 日本地理学会 2011 年秋 季学術大会 2011/09/24 Crustal deformation map for the 2011 off the Pacific coast of Tohoku
Earthquake, detected by InSAR analysis combined with GEONET data
Earth, Planets and
Space, Vol. 63 (No. 7) 2011/09/27 SAR 干渉解析から得られた東北地方太平洋沖地震後に発生した内陸 地震の地殻変動と震源断層モデル 日本地震学会 2011 年度 秋季大会 2011/10/13 ALOS/PALSAR データで捉えた平成 23 年(2011 年)東北地方太平 洋沖地震に伴う地殻変動 第 116 回日本測地学会 2011/10/26 SAR 干渉解析から得られた東北地方太平洋沖地震後に発生した内陸 地震の地殻変動と震源断層モデル 第 116 回日本測地学会 2011/10/26 ALOS/PALSAR データで捉えた平成 23 年(2011 年)東北地方太平 洋沖地震に伴う地殻変動 第 55 回宇宙科学技術連合 講演会 2011/12/01 The Crustal Deformation and Fault Model of the 2011 off the Pacific
Coast of Tohoku Earthquake
Bulletin of the GSI (Vol.
59) 2011/12/01 東北地方太平洋沖地震により誘発された地震の被害の特徴 第 21 回環境地質学シンポ ジウム 2012/01/24 衛星合成開口レーダーを用いた平成 23 年(2011 年)東北地方太平 洋沖地震に伴う地殻変動の検出 国土地理院時報 第 122 集 2012/02/01 干渉 SAR のコヒーレンス変化から見る平成23年(2011年)東 北地方太平洋沖地震に伴う液状化地域 国土地理院時報 第 122 集 2012/02/01 Seismic gap and a series of large earthquakes along the Sunda
trench and the Sumatran fault
第1回アジア太平洋大規 模地震・火山噴火リスク 対策ワークショップ
2012/02/23 GPS- and InSAR-derived crustal deformation and estimated fault
models of the 2011 Tohoku earthquake and the induced inland earthquakes
第1回アジア太平洋大規 模地震・火山噴火リスク 対策ワークショップ
2012/02/23 InSAR-derived coseismic deformation of the 2010 southeastern Iran
earthquake (M6.5) and its relationship with the tectonic background in the south of Lut Block
Bulletin of the GSI (Vol.
60) 2012/05/01 2011 年3月 12 日長野県・新潟県県境付近の地震に伴う災害の特徴 国土地理院時報 第 123 集 2012/05/15 東北地方太平洋沖地震による地すべり性地表変動の SAR 干渉画像 による観測 日本地球惑星科学連合 2012 年大会 2012/05/20 2011 年3月 12 日長野・新潟県境付近の地震に伴う地盤災害の特徴 日本地球惑星科学連合 2012 年大会 2012/05/20 干渉 SAR のコヒーレンス変化から見る平成23年(2011年)東 北地方太平洋沖地震に伴う液状化地域 日本地球惑星科学連合 2012 年大会 2012/05/23 アジア太平洋地域における地殻変動監視 日本地球惑星科学連合 2012 年大会 2012/05/25 Rapid assessment of high seismic intensity areas of the 2008 Mw
7.9 Wenchuan earthquake using satellite SAR data
Seismological Research Letters, 83(4) 2012/07/26 次なる SAR 観測研究に向けて ~地殻変動観測ツールとしての有効 性と課題の再 確認 平成 24 年度京都大学防災 研究所一般研究集会 2012/09/12 2011 年(平成 23 年)東北地方太平洋沖地震に伴う地震時および地 震後の地殻変動と断層モデル 地震第 2 輯 第 65 巻第 1 号 2012/10/26 Crustal deformation map for the 2011 off the Pacific coast of Tohoku
Earthquake, detected by InSAR analysis combined with GEONET data
地震WG 成果報告書
10
表題 発表先 発表日 InSAR-derived crustal deformation and fault models of normal
faulting earthquake (Mj7.0) in Fukushima-Hamadori area
Earth, Planets and
Space, Vol. 64 (No. 12) 2013/01/28 2011 年長野県・新潟県県境付近の地震に伴う地盤災害の分布特性 日本地球惑星科学連合 2013 年大会 2013/05/20 2008 年岩手・宮城内陸地震による地すべり性地表変動の SAR 干渉 画像による観測 日本地球惑星科学連合 2013 年大会 2013/05/21 地殻変動観測における Along-track InSAR の有効性の検討 日本地球惑星科学連合 2013 年大会 2013/05/22 Characteristic of foundation disaster distribution caused by a strong
inland earthquake in fold region- Experience with the Nagano-Niigata border Earthquake in 2011
IGU 2013 2013/08/06 SAR 干渉画像で検出した 2011 年東北地方太平洋沖地震と 2008 年岩
手・宮城内陸地震における地すべり性地表変動
日本地形学連合 2013 年
秋季大会 2013/09/13 The 2011 Tohoku Earthquake and the Related Disasters Observed
by InSAR Using ALOS/PALSAR: Mainshock, Induced Inland Earthquakes, and Liquefaction
APSAR 2013 2013/09/26 表 7. 外部公表実績(02 防災科学技術研究所) 表題 発表先 発表日 SAR 干渉解析による東北地方太平洋沖地震に関する地殻変動 第 224 回地震調査委員会 2011/04/11 SAR 干渉解析による東北地方太平洋沖地震に関する地殻変動 第 190 回地震予知連絡会 2011/04/26 SAR 干渉解析による東北地方太平洋沖地震に関する地殻変動 日本地球惑星科学連合 2011 年大会 2011/05/26 SAR 干渉解析による東北地方太平洋沖地震に関する地殻変動 第 227 回地震調査委員会 2011/06/09 SAR 干渉解析による東北地方太平洋沖地震に関する地殻変動 第 191 回地震予知連絡会 2011/06/13 SAR 干渉解析による東北地方太平洋沖地震に関する地殻変動 第 10 回衛星データ解析検 討小委員会 2011/06/17 ALOS/PALSAR Images of the 2011 Tohoku Earthquake
(I):Coseismic deformations and Tsunami affected area
国際測地学・地球物理学 連合 2011 年大会 2011/07/02 表 8. 外部公表実績(03 京都大学) 表題 発表先 発表日 2011 年東日本大震災:本震・誘発地震・情報 自 然 災 害 科 学 Vol. 30 (No. 1) 2011/05/13 ALOS/PALSAR ScanSAR で捉えた 2010 年チリ・マウレ地震の地震 時・余効変動 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2011 年大会 2011/05/23 ALOS/PALSAR で捉えた 2010 年ニュージーランド南島の地震 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2011 年大会 2011/05/24 2008 年岩手宮城内陸地震に伴う余効変動:続報 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2011 年大会 2011/05/26 InSAR による誘発された内陸地殻変動の検出 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2011 年大会 2011/05/27 Evaluation of the capability of ALOS/PALSAR to detect secular
crustal deformations in subduction zones 28th ISTS 2011/06/07 Analysis of crustal deformation associated with the 2008 Wenchuan,
China earthquake using ALOS/PALSAR data 28th ISTS 2011/06/07 Imaging of Interseismic Deformation With ALOS/PALSAR And the
Effect of Traveling Ionospheric Disturbance IUGG 2011 2011/06/30 Co- and postseismic deformation associated with the 2010 Maule,
Chile earthquake detected by ALOS/PALSAR ScanSAR-ScanSAR interferometry
地震WG 成果報告書
11
表題 発表先 発表日 ALOS/PALSAR images of the 2011 Tohoku earthquake (II):
deformation associated with the induced activities IUGG 2011 2011/07/02 Coseismic deformations of the 2011 Tohoku, Japan, Earthquake and
triggered events derived from ALOS/PALSAR FRINGE 2011 Workshop 2011/09/21 ALOS/PALSAR has changed the earthquake science APSAR 2011 2011/09/27 2011 年東北地方太平洋沖地震に誘発された東北日本弧火山の地殻変 動 日本火山学会 2011 年度 秋季大会 2011/10/04 2011 年 4 月 11 日いわき地震(Mw=6.6)の地表地震断層と断層モデ ル 日本地震学会 2011 年度 秋季大会 2011/10/13 2011 年東北地方太平洋沖地震に誘発された火山性地殻変動 日本地震学会 2011 年度 秋季大会 2011/10/13 InSAR データを用いた 2010 年 El Mayor-Cucapah 地震のすべり分布 の推定と余効変動の解析 日本地震学会 2011 年度 秋季大会 2011/10/14 2011 年 4 月 11 日いわき地震(Mw=6.6)のすべり分布インバージョ ン 第 116 回日本測地学会 2011/10/27 InSAR データを用いた 2010 年 El Mayor-Cucapah 地震のすべり分布 の推定と余効変動の解析 第 116 回日本測地学会 2011/10/27 2011 年東北地方太平洋沖地震によって誘発された火山性地殻変動に 関する洞察 第 116 回日本測地学会 2011/10/28 Coseismic and Postseismic Deformation Due to the 2010 El
Mayor-Cucapah Earthquake Detected by ALOS/PALSAR Data 2011 AGU Fall Meeting 2011/12/06 Complex Ruptures of the 11 April 2011 Mw 6.6 Iwaki Earthquake
Triggered by the 11 March 2011 Mw 9.0 Tohoku Earthquake
Bulletin of the Seismological Society of America Vol. 13 (No. 2B)
2012/04/11 SAR データを用いた 2010 年メキシコ・バハカリフォルニア地震に
伴う地殻変動解析
日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合
2012 年大会 2012/05/23 Observations of the 2011 Tohoku-Oki earthquake with
ALOS/PALSAR IGARSS 2012 2012/07/27 PALSAR データを用いた微小地殻変動検出 平成 24 年度京都大学防災 研究所一般研究集会 2012/09/11 InSAR で見る内陸地震の複雑性:ハイチ・ニュージーランド地震を 例にして 平成 24 年度京都大学防災 研究所一般研究集会 2012/09/11 これまでの研究のレビューと今後への抱負 平成 24 年度京都大学防災 研究所一般研究集会 2012/09/12 Crustal Deformation Associated with the 2011 Tohoku-Oki
Earthquake: An Overview
Earthquake Spectra Vol.
19 (No. S1) 2012/09/17 地震と火山の相互作用に関する考察 東京大学地震研究所地震
研究所金曜日セミナー 2012/09/28 Surface Movements During the 2011 Great Tohoku-Oki Earthquake
Detected by ALOS/PALSAR Technical Report of IEICE 2012/10/10 2011 年東北地方太平洋沖地震によって誘発された火山性地殻変動:
続報 第 118 回日本測地学会 2012/11/02 Megathrust earthquakes in Japan and Chile triggered multiple
volcanoes to subside 2012 AGU Fall Meeting 2012/12/03 PALSAR データを利用した西南日本変動マップの作成 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2013 年大会 2013/05/22 2011 年東北地方太平洋沖地震に伴う火山性地殻変動と地殻 内高温 物体 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2013 年大会 2013/05/24 2010 年ニュージーランド・ダーフィールド地震再訪 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2013 年大会 2013/05/24 Volcanic subsidence triggered by the 2011 Tohoku earthquake in
Japan
Nature Geoscience (Vol.
6) 2013/07/01 Volcanic subsidence triggered by the 2011 Mw 9.0 Tohoku
earthquake
IAVCEI 2013 Scientific
地震WG 成果報告書
12
表題 発表先 発表日 Chapter 2: "Coseismic deformations of the 2011 Tohoku, Japan,
earthquake and triggered events derived from ALOS/PALSAR" in "Studies on the 2011 Off the Pacific Coast of Tohoku Earthquake"
Natural Disaster Science
and Mitigation Engineering: DPRI reports 2013/10/11 InSAR 時系列解析と GPS データを用いた跡津川断 層周辺の地殻変 動の検出 第 120 回日本測地学会 2013/10/31 東北地方太平洋沖地震に伴う火山の沈降を検出-巨大地震が 火山活
動に与える影響の解明に向けて- DPRI Newsletter No.70 2013/11/00 巨大地震が火山に与える影響
COMSOL
CONFERENCE TOKYO 2013
2013/12/06 Application of InSAR to the Detection of Interseismic Deformation of
Subduction Zones:A Case Study of Southwest Japan 2013 AGU Fall Meeting 2013/12/11 巨大地震に伴う火山の沈降 ニュースレターJGL Vol.
10 (No. 1) 2014/02/00 表 9. 外部公表実績(05 北海道大学)
表題 発表先 発表日 Conjugate earthquake rupture associated with two recent intraplate
Earthquakes APSAR 2011 2011/09/28 表 10. 外部公表実績(08 気象庁) 表題 発表先 発表日 地震波による震源過程と SAR 干渉画像の比較 平成 24 年度京都大学防災 研究所一般研究集会 2012/09/12 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)PALSAR を用いた合成開口 レーダ(SAR)の干渉解析 気象庁技術報告 2012/12/28 気象庁における SAR データを活用した地震・火山活動の把握と大気 補正手法について 平成 25 年度京都大学防災 研究所特定研究集会 2013/08/22 表 11. 外部公表実績(09 日本電気株式会社) 表題 発表先 発表日 Extraction of Wide-Ranging Crustal Movement Using
ALOS/PALSAR ScanSAR Interferometry IGARSS 2011 2011/07/26 Improvement of ScanSAR Interferometric Processing IGARSS 2013 2013/07/22
表 12. 外部公表実績(10 東北大学) 表題 発表先 発表日 InSAR 時系列解析による 2008 年岩手・宮城内陸地震震源域におけ る地震後非地震性すべりの検出とその特徴 平成 24 年度京都大学防災 研究所一般研究集会 2012/09/12 PS-InSAR 時系列解析による 2008 年岩手・宮城内陸地震後の長期的 非定常地殻変動 日本地震学会 2012 年度 秋季大会 2012/10/18 PS-InSAR および GPS 時系列にもとづく 2008 年岩手・宮城内陸 地震後長期的非定常地殻変動 第 118 回日本測地学会 2012/11/02 PS-InSAR 時系列解析による 2008 年岩手・宮城内陸地震後の粘弾性 緩和と局所的余効変動の検出 日本地球惑星科学連合 2013 年大会 2013/05/21
地震WG 成果報告書 13 表 13. 外部公表実績(11 公益財団法人地震予知総合研究振興会) 表題 発表先 発表日 福島盆地中部,飯坂付近における福島盆地西縁断層帯の不連続部に ついて 活断層研究 38 号 2013/04/06
3. 個別課題研究の成果報告
次ページ以降参照.地殻活動に伴う地殻変動の詳細把握
PI:国土地理院 地理地殻活動研究センター 小林 知勝 CI:国土地理院 地理地殻活動研究センター 飛田 幹男 CI:国土地理院 測地部 山中 雅之・大坂 優子・森下 遊 CI:国土地理院 測地観測センター 矢来 博司1 1. はじめに 本実証実験では,地殻活動に伴う地殻変動や地表面変動の詳細な把握を通じて,地震発生メカニズ ムの解明,地殻活動の監視,地震・地盤被害の把握・軽減に資することを目指し,PALSAR データの SAR 干渉解析により,地殻変動等の分布図を作成することを目的としてきた.これら地殻変動分布図 や干渉解析データをもとに構築した震源断層モデルなどの成果は,国土地理院のホームページ,地震 学関連の専門委員会,学術論文等を通じて公開されてきた.本成果報告書では,2節で解析成果の概 要について,3節で成果の公表について報告する. 2. 解析成果 ■ H23 年度 1)2011 年 3 月 11 日 東北地方太平洋沖地震(Mw9.0) 2011/3/11 に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)に関して,SAR 干渉法を用い地震に伴 う地殻変動を検出した.予測軌道情報(RARR)による干渉結果には,地震性の地殻変動とは異 なる長空間波長の位相変化が重畳したが,GNSS データを利用した統合解析手法を適用すること により,長波長ノイズを低減し,地震のメカニズムと調和的な地殻変動を検出することができた. このことは,予測軌道情報しか使用できない観測直後においても,より正確な面的地殻変動分布 を迅速に獲得し,提供することができることを意味する. 2)東北地方太平洋沖地震後に発生した内陸誘発地震 ・3 月 12 日長野県・新潟県県境付近の地震(M6.7) 2011/3/12 に長野県栄村付近で発生した地震(M6.7)に関して,SAR 干渉解析を行い地震に伴 う地殻変動を検出した.現地調査によって得られた被害集中域を SAR 干渉画像上に重ねると, 被害がSAR 干渉縞の不連続部分や縁辺部に分布していることがわかった. ・3 月 19 日茨城県北部の地震(M6.1) 2011/3/19 に茨城県北部で発生した地震(M6.1)に関して,SAR 干渉解析を行い地震に伴う地 殻変動を検出した.干渉画像をもとに推定した震源断層モデル(2 枚のセグメントを仮定)から, ①南西傾斜の断層面(傾斜角60~70°),②北北西(北西)-南南東(南東)方向の走向,③正 断層型の断層運動,④最大変位域の直下のごく浅部に局所的な滑り,等の特徴が得られた. ・3 月 23 日福島県浜通りの地震(M6.0) 2011/3/23 に福島県浜通りで発生した地震(M6.0)に関して,SAR 干渉解析を行い地震に伴う 地殻変動を検出し,震源断層モデルを構築した.①西傾斜の断層面(傾斜角 70°),②南北方向 の走向,③正断層型の断層運動(滑り角250°)の特徴を持つ震源断層が推定された. ・4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0) 現所属:1文部科学省2011/4/11 に福島県浜通りで発生した地震(M7.0)に関して,SAR 干渉解析を行い地震に伴う 地殻変動を検出した.塩ノ平断層の西側に最大約2.2 m の衛星-地表間距離の伸長が観測された. 干渉画像には地表地震断層と対応する数条の変位の不連続が認められた.すべり分布モデルのイ ンヴァージョン解析結果は,塩ノ平・井戸沢・湯ノ岳断層とも西傾斜で正断層型の断層運動を示 した. 3)コヒーレンス値低下を利用した液状化発生域の判読の試み 干渉解析におけるコヒーレンス値の低下域と,東北地方太平洋沖地震に伴う液状化の発生域と の空間的な対応を調べた.利根川下流域および東京湾岸を調査領域としたところ,液状化発生が 確認されている場所では,対応する領域でコヒーレンス値が有意に低下しており,その空間分布 も現地調査による液状化範囲と概ね調和的であった. ■ H24 年度 1)MAI 法の試行 2008 年岩手・宮城内陸地震や 2010 年イラン南東部の地震等の PALSAR データを用いて, Multiple Aperture Interferometry (MAI)解析を試験的に実施した.MAI はピクセルオフセット より高い空間解像度と高い計測精度をもって地殻変動を抽出可能であることが確認された.南 行・北行両軌道の衛星視線方向および衛星進行方向の地殻変動成分を抽出し,InSAR データによ る3 次元変位場の作成を行った. ■ H25 年度 1)干渉SAR 時系列解析による微小規模の地盤変動抽出 ①越後平野及びその周辺 PSI 法を PALSAR データに適用し,新潟-神戸ひずみ集中帯(越後平野およびその周辺)に おいて経年的に進行する地盤変動の抽出を試みた.その結果,地盤沈下が進行していることで知 られる阿賀野川河口周辺に,最大約1 cm/年の速度で衛星から遠ざかる変化が南行・北行両軌道 から確認できた.また,衛星から遠ざかる変動は燕市・三条市付近にも見られた.一方,長岡平 野の一部(長岡市)には,顕著な衛星視線方向距離の短縮が見られた.なお,同地域を撮像した 1992-1998 年の ERS 衛星データによる解析結果からも,上記の特徴が同様に見られた. ②フィリピン・ミンダナオ島
PSI および SBAS 法を PALSAR データに適用して,フィリピン・ミンダナオ島北東部のフィ リピン断層帯の地震間地殻変動の検出を試みた.両手法(解析ソフトウェアはそれぞれ,StaMPS およびGIAnT を使用)の結果とも明瞭な地殻変動は現在のところ捉えられていないが,Butuan (ブトゥアン)周辺の平野部では,地盤沈下と推測される顕著な沈降性の変動が捉えられた. 3. 成果の公表 ○ウェブ上での公開 東北地方太平洋沖地震(M9.0) http://www.gsi.go.jp/uchusokuchi/uchuusokuchi40010.html http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/sar/result/sar_data/urgent/20110311_tohoku_taiheiyo.html 4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0) http://www.gsi.go.jp/cais/topic110425-index.html
○地震予知連絡会・地震調査委員会への報告 国土地理院,平成23 年(2011 年)3 月 19 日茨城県北部の地震(M6.1)・3 月 23 日福島県浜通りの 地震(M6.0)に関する合成開口レーダー解析結果.(第 191 回地震予知連絡会,2011/6/13). 国土地理院,平成23 年 2011 年 4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0)に関する合成開口レーダー解 析結果.(第226 回地震調査委員会,2011/5/11). 国土地理院,平成23 年(2011 年)3 月 12 日長野県・新潟県県境付近の地震 (M6.7)に関する合成開口 レーダー解析結果.(第226 回地震調査委員会,2011/5/11). 国土地理院,合成開口レーダー(SAR)と電子基準点(GPS 連続観測点)の融合解析による地殻変動 (暫定).(第190 回地震予知連絡会,2011/4/26). 国土地理院,平成23 年(2011 年)3 月 19 日茨城県北部の地震(M6.1)に関する合成開口レーダー 解析結果.(第190 回地震予知連絡会,2011/4/26). 国土地理院,平成23 年 2011 年 4 月 11 日福島県浜通りの地震(M7.0)に関する合成開口レーダー解 析結果.(第190 回地震予知連絡会,2011/4/26). 国土地理院,平成23 年(2011 年)3 月 19 日茨城県北部の地震(M6.1)に関する合成開口レーダー 解析結果.(第224 回地震調査委員会,2011/4/11). ○論文への発表 「査読付論文」
T. Kobayashi, The 2011 Tohoku earthquake and the related disasters observed by InSAR using ALOS/PALSAR: Mainshock, induced inland earthquakes, and Liquefaction, APSAR proceedings, TH3.R1.1, 2013.
T. Kobayashi, M. Tobita, M. Koarai, T. Okatani, A. Suzuki, Y. Noguchi, M. Yamanaka, and B. Miyahara, InSAR-derived crustal deformation and fault models of normal faulting earthquake (Mj7.0) in Fukushima-Hamadori area, Earth Planets Space, 64, 1209-1221, 2012.
水藤 尚,西村 卓也,小林 知勝,小沢 慎三郎,飛田 幹男,今給黎 哲郎,2011 年(平成 23 年)東北地方太平洋沖地震に伴う地震時および地震後の地殻変動と断層モデル,地震,65,95- 121,2012.
T. Kobayashi, M. Tobita, T. Nishimura, A. Suzuki, Y. Noguchi, and M. Yamanaka, Crustal deformation map for the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake, detected by InSAR analysis combined with GEONET data, Earth Planets Space, 63(No. 7), 621-625, doi:10.5047/eps.2011.06.043, 2011.
小林 知勝,飛田 幹男,村上 亮,局所的大変位を伴う地殻変動計測のためのピクセルオフセット 解析,測地学会誌,57,71-81,2011.
M. Tobita, T. Nishimura, T. Kobayashi, K. X. Hao, and Y. Shindo, Estimation of coseismic deformation and a fault model of the 2010 Yushu earthquake using PALSAR interferometry data, Earth Planet. Sci. Lett., 307, 430-438, doi:10.1016/j.epsl.2011.05.017, 2011.
「査読無し論文」
T. Kobayashi, M. Tobita, A. Suzuki, and Y. Noguchi, InSAR-derived coseismic deformation of the 2010 southeastern Iran earthquake (M6.5) and its relationship with the tectonic background in
the south of Lut Block, Bulletin of the GSI (国土地理院報告),60,7-17, 2012. 中埜 貴元,小荒井 衛,乙井 康成,小林 知勝,2011 年 3 月 12 日長野県・新潟県県境付近の地 震に伴う災害の特徴,国土地理院時報,123,35-48, 2012. 小林 知勝,飛田 幹男,小荒井衛,乙井康成,中埜貴元,干渉 SAR のコヒーレンス変化から見る 平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴う液状化地域,国土地理院時報,122,143-151, 2011.
T. Imakiire and T. Kobayashi, The Crustal Deformation and Fault Model of the 2011 off the Pacific Coast of Tohoku Earthquake(平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震による地殻変動 と断層モデル), Bulletin of the GSI (国土地理院報告),59,21-30, 2011.
山中 雅之,野口 優子,鈴木 啓,宮原 伐折羅,石原 操,小林 知勝,飛田 幹男,衛星合成 開口レーダーを用いた平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動の検出,国土地 理院時報,122,47-54, 2011(平成 23 年).
○学会等への発表
T. Kobayashi,The 2011 Tohoku earthquake and the related disasters observed by InSAR using ALOS/PALSAR: Mainshock, induced inland earthquakes, and Liquefaction.(APSAR(第4回ア ジア太平洋合成開口レーダー学会),つくば,2013/9/23-27)
T. Nakano, M. Koarai, Kosei Otoi, and Tomokazu Kobayashi,Characteristic of foundation disaster distribution caused by a strong inland earthquake in fold region- Experience with the
Nagano-Niigata border earthquake(IGU(国際地理学会),京都,2013/08/02-04)
小林 知勝,地殻変動観測におけるAlong-track InSAR の有効性の検討.(STT57-11,地球惑星科学 関連学会合同大会,東京,2013/5/19-25)
中埜 貴元,小荒井 衛,乙井 康成,小林 知勝,2011 年長野県・新潟県県境付近の地震に伴う地 盤災害の分布特性.(HSC25-07,地球惑星科学関連学会合同大会,東京,2013/5/20)
T. Kobayashi,Crustal deformation map for the 2011 off the Pacific coast of Tohoku
Earthquake,detected by InSAR analysis combined with GEONET data,(日仏セミナー地震・ 津波,東京(仏大使館,2012/11/13) 小林 知勝,次なるSAR 観測研究に向けて ~地殻変動観測ツールとしての有効性と課題の再確認~, (京都大学防災研究所一般研究集会「SAR 研究の新時代に向けて」,宇治(京大防災研), 2012/09/12) 小林 知勝,飛田 幹男,小荒井衛,乙井康成,中埜貴元,干渉SAR のコヒーレンス変化から見る 平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴う液状化地域,(HSC24-P02,地球惑星科学関連 学会合同大会,東京,2012/5/23) 中埜 貴元,小荒井 衛,乙井 康成,小林 知勝,2011 年3月 12 日長野・新潟県境付近の地震に 伴う地盤災害の特徴,(HDS25-P14,地球惑星科学関連学会合同大会,東京,2012/5/20) T. Kobayashi, M. Tobita, T. Nishimura, S. Ozawa, H. Suito, and T. Imakiire, GPS- and
InSAR-derived crustal deformation and fault models of the 2011 Tohoku earthquake and the induced inland earthquakes,(First Workshop of Asia-Pacific Region Global Earthquake and Volcanic Eruption Risk Management (G-EVER 1) 第 1 回アジア太平洋大規模地震・火山噴火リ スク対策ワークショップ,つくば(産総研),P7, 2012/2/22-24(CoreTime: 2/23))
T. Kobayashi, and M. Tobita, Seismic gap and a series of large earthquakes alogn the Sunda trench and the Sumatran fault,(First Workshop of Asia-Pacific Region Global Earthquake and Volcanic Eruption Risk Management (G-EVER 1) 第 1 回アジア太平洋大規模地震・火山噴火リ スク対策ワークショップ,つくば(産総研),P8, 2012/2/22-24(CoreTime: 2/23))
小荒井 衛,中埜 貴基,岡谷 隆基,小林 知勝,乙井 康成,東北地方太平洋沖地震により誘発 された地震の被害の特徴,(第21 回環境地質学シンポジウム,東京(早稲田大学),2012/1/24) (Proceedings of the 21st Symposium on Geo-Environments and Geo-Technics. 2012, 105-110) 山中 雅之,野口 優子,鈴木 啓,宮原 伐折羅,小林 知勝,飛田 幹男,石原 操,ALOS/PALSAR
データで捉えた平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動(Crustal deformation of the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake detected by ALOS/PALSAR),セッショ ン:B-05 東日本大震災における人工衛星の貢献,(第 55 回宇宙科学技術連合講演会,松山, 2011/11/30-12/2) 小林 知勝,飛田 幹男,SAR 干渉解析から得られた東北地方太平洋沖地震後に発生した内陸地震の 地殻変動と震源断層モデル,(日本測地学会,高山,2011/10/26-27) 山中 雅之,野口 優子,鈴木 啓,宮原 伐折羅,小林 知勝,飛田 幹男,ALOS/PALSAR で捉 えた平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動,(日本測地学会,高山,2011/10/27) 小林 知勝,飛田 幹男,SAR 干渉解析から得られた東北地方太平洋沖地震後に発生した内陸地震の 地殻変動と震源断層モデル,(日本地震学会,静岡,2011/10/12-15) 中埜 貴元,小荒井 衛,乙井 康成,小林 知勝,2011 年長野県北部地震における被害分布の特徴, (日本地理学会,大分,2011/9/23-25) 小荒井 衛,岡谷 隆基,小林 知勝,飛田 幹男,脇坂 安彦,佐々木 靖人,阿南 修司,平成 23 年4月 11 日福島県浜通りの地震による被害状況と地形・地質との関連,(地質学会,水戸, 2011/9/9-11) 小荒井 衛,岡谷 隆基,小林 知勝,飛田 幹男,脇坂 安彦,佐々木 靖人,阿南 修司,平成 23 年4月 11 日福島県浜通りの地震による地盤変状と SAR 干渉画像との関連,(第四期学会,徳島, 2011/8/26) 小林 知勝,飛田 幹男,鈴木 啓,野口 優子,ALOS/PALSAR データにより検出された 2010 年 イラン南東部の地震に伴う地殻変動,(STT057-04,地球惑星科学関連学会合同大会,東京, 2011/5/24)
図 1. ALOS/PALSAR の北行軌道データの干渉処理により得られた 2011 年(平成 23 年)東北地方太平洋沖地震に伴う 地殻変動.拡大図は,内陸地震に伴う地殻変動を示す.
図 2. ALOS/PALSAR の南行軌道データの干渉処理により得られた 2011 年(平成 23 年)東北地方太平洋沖地震に伴う 地殻変動.拡大図は,内陸地震に伴う地殻変動を示す.
図 3. 2011 年 4 月 11 日福島県浜通りの地震(Mj7.0)に伴う地殻変動と InSAR データから推定された断層面上の滑り 分布の 3 次元鳥瞰図.写真は,干渉画像中の A,B 点で撮影されたもの.図下は,測線 X-X’に沿った変位プロファイル. 変位の不連続が幾つか確認される(一部,地表地震断層).
図4. (a)現地調査による利根川下流域の液状化発生領域.赤色及び青色のマスク領域はそれぞれ液状化範囲,非液状化範 囲を示す.(b)2010/12/18-2011/2/2のコヒーレンス画像と2011/2/2-2011/3/20のコヒーレンス画像によるコヒーレンス差 画像.コヒーレンスが低下したことを示す紫~黄色が部分的に見られる.(c)および(d) (a)の点線枠内における液状化の現 地調査結果とコヒーレンス差画像の拡大図.
図5. MAIにより抽出された2008年岩手・宮城内陸地震に伴う地殻変動.南行・北行両軌道データを利用することにより, 干渉解析による3次元地殻変動図が獲得できる.ピクセルオフセットの3次元変動データと組み合わせることにより,低 干渉領域も含めた高S/N比の3次元変動データが獲得できる.
図7. フィリピン・ミンダナオ島北東部のPALSARデータにSBAS法を適用した解析結果.ブトゥアンの付近に沈降性の地 表変位が見られる.
地震に伴う地殻変動の検出を目的とした緊急観測データの解析
PI:防災科学技術研究所・地震・火山防災研究ユニット 小澤 拓 1. はじめに 本課題の目的は,本地震WG を通じて実施される合成開口レーダー(SAR)による緊急観測のデー タを解析し,地震に伴う地殻変動を検出することである.また,地殻変動が検出された場合には,そ の断層モデルの推定を試みることも目的の一つである.本研究期間においては,2011 年 3 月 11 日に 東北地方の太平洋沖で発生した東北地方太平洋沖地震(MW9.0)に関して,陸域観測技術衛星「だい ち」のPALSAR による緊急観測が実施された.本報告においては,その解析結果について述べる. 東北地方太平洋沖地震は太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む領域(気象庁一元化震源: 北緯38 度 6 分 12 秒,東経 142 度 51 分 36 秒,深さ 24km)で発生したプレート境界型の地震であ り,防災科研のF-net によれば,東南東-西北西方向に圧縮軸を持つ逆断層型のメカニズムをもつ. 国土地理院の日本全国GPS 観測網(GEONET)によっては,北緯 36 度から 40 度の広範囲において, 1m を超える地殻変動が観測された.また,東北地方の GPS 観測点は地震時におおよそ東に変位し, 太平洋の海岸に近付くほど沈降量が増加する傾向が見られた.最大変位は牡鹿半島で観測され,その 水平変位は約5m,上下変位は約-1m であった(3 月 18 日までの余効変動を含む).また,日本海の 海岸付近でも1m を超える変位が検出された. 地震に伴う大きな地殻変動や地震動は,本震の断層面から離れた場所での地震や火山活動の変化, 地盤沈下等を誘発する場合がある.一般的に,海溝沿いの断層すべりに起因する地殻変動は,陸域で は 100km オーダーの空間波長を持つが,地震に誘発された現象に起因するより空間波長の短い地殻 変動が重畳していると考えられる.前述したように,地震に伴う地殻変動は,GEONET によって詳 細に捉えられているが,GEONET の観測点設置間隔はおおよそ 20km であり,そのような短波長の 地殻変動を検出する目的においては,必ずしも十分な空間分解能を有しているとは言えない. 一方,合成開口レーダー(SAR)は,数 10m の空間分解能で地殻変動情報を求めることが可能で あり,そのような空間波長の短い地殻変動の検出に威力を発揮する.そこで,本研究では,PALSAR データを用いたSAR 干渉解析を実施し,火山周辺でどのような地殻変動が生じているかを調査した.なお,この結果についてはOzawa and Fujita (2013)に述べており,本報告はその要約である. 2. InSAR 解析 本地震発生直後に,地殻変動調査を目的としたPALSAR による緊急観測要求が本地震 WG から 提出され,7 つの北行軌道および 3 つの南行軌道からのストリップマップモードによる観測が実施さ れた.このうち,本研究では,7 つの北行軌道および 2 つの南行軌道から観測された PALSAR データ について SAR 干渉解析を行った.他の軌道についても観測要求を行ったが,4 月 22 日に発生した ALOS の異常によって運用が停止されたため,残念ながら,それ以降の観測は実施されなかった.ま た,ディセンディングの4 軌道における ScanSAR 観測も実施されたが,ScanSAR-ScanSAR の干渉 ペアについては,軌道間距離やバースト同期の問題により十分な干渉性は得られなかった.
SAR 処理および SAR 干渉処理には GAMMA SAR Processor を用いた.地殻変動成分の抽出にお いては2 パス差分 SAR 干渉法を用い,地形成分の計算には,国土地理院が公開している 10m メッシ ュの地形標高モデル(DEM)と EGM96 から作成した 50m 格子の数値楕円体高データを用いた.軌
図 1. PALSAR データを用いた SAR 干渉解析結果.(a)北行軌道データの解析結果.(b)南行軌道データの解析結果. 道成分および地形成分の計算においては,level1.0 データに格納されている高精度軌道情報を用い, SAR 干渉解析においては軌道間距離の補正量は推定していない.また,小澤・清水(2010)の方法 を用いて,気象庁メソスケール気象モデルの解析値(10km メッシュ)から大気遅延量をシミュレー トし,大気遅延誤差を軽減した. 図1 は,SAR 干渉解析によって得られた地殻変動を示す.SAR 干渉解析によっては,解析に用い た2 枚の画像の観測間に生じた地殻変動による衛星-地表間距離(スラントレンジ)の変化が得られ る.これは地表変位ベクトルとレーダー波の入射方向(LOS: Line-of-sight)の単位ベクトルとの内 積値に等しく,北行軌道と南行軌道のシーン中央部におけるLOS ベクトルはそれぞれ(東西,北南, 上下)成分で(0.62, 0.11, -0.78)と(-0.62, 0.11, -0.78)である.これは画素の位置によって若干異 なるが,その差異は5 度程度である.スラントレンジ変化は牡鹿半島沖付近を中心とするように分布 しており,北行軌道の干渉画像においては牡鹿半島に近づくにつれてスラントレンジ伸長が大きくな り,南行軌道においては短縮が大きくなる変化が見られる.例として,三沢市付近に対する牡鹿半島 付近のスラントレンジ変化量を見ると,北行軌道では 4m のスラントレンジ伸長,南行軌道では 3m の短縮が得られた.これは牡鹿半島が三沢市付近に対して,東進かつ沈降する成分を持つことを示し ている.また, GEONET による地殻変動から計算される三沢観測点に対する女川観測点のスラント レンジ変化は,北行軌道に関しては 3.3m の伸長,南行軌道に関しては 2.2m の短縮であった.軌道
誤差に起因する長波長の非地殻変動成分が含 まれることを考慮すれば,これらはおおよそ 一致していると言える.得られた地殻変動に は,広域的に長波長成分が卓越しているが, そのような長波長成分の大部分は,海溝に沿 う断層のずれと若干の軌道誤差に起因する成 分によって説明できると考えられる.この地 殻変動結果から,本研究が目的とする局所的 な地殻変動の調査は困難であるが,本研究が 検出対象とする地殻変動の波長は長くても数 10km 程度であり,陸域における海溝沿いの 断層すべりに起因する地殻変動の空間波長と は大きく異なるため,比較的容易に分離でき ると考えられる.本研究においては,得られ た地殻変動を良く説明する本震に関する断層 モデルを求め,その残差から火山周辺におけ る局所的な地殻変動の調査を試みる. 3. 断層すべり分布の推定
断層モデルの推定においては,まず,太平洋プレートの沈み込みの形状(downloaded from MRI Hirose’s homepage (http://www.mri-jma.go.jp/Dep/sv/2ken/fhirose/index.html) after Kita et al. 2010, Nakajima and Hasegawa, 2006, Nakajima et al., 2009)に沿って,30km×30km の大きさの 断層セグメントを配列した.そして,干渉画像を良く説明する各セグメントのすべりベクトルを, Okada (1985)の逆解析により推定した.この時,断層面上でのすべり分布は滑らかであるという拘束 条件を付与した.その強さは,Jónsson et al. (2002)の方法を用いて決定した.得られた地殻変動には, 衛星軌道情報に起因する誤差が重畳していると考えられるため,その成分∆ρnon-defを ∆ρnon-def = a0 + a1x + a2y + a3xy + a4x2 + a5y2 として,未知数a0~a5も推定パラメータに加えた.ここで,x,yはそれぞれ東西,南北方向のピクセル 位置である.解析に使用した地震後のSAR データは,3/15 から 4/18 の間に観測されており,1 ヵ月 以上の差がある.GEONET によっては,大きな余効変動が観測されているので,観測パスごとに含 まれる余効変動の大きさが異なると推測される.しかし,本論文の目的は断層モデルの推定ではなく, 本震断層や余効すべりによる空間波長が長い地殻変動を除去することが目的であり,そのような観測 日の違いによる影響は短波長の地殻変動には寄与しないと仮定して,その影響を無視した. 図2 は SAR 干渉解析結果から推定された断層すべり分布を示す.震央付近を中心とする海溝に近 い浅部に顕著な断層すべりが求まり,そのすべり方向はおおよそ 90 度である.モーメントマグニチ ュードは9.0 と求まった.10m を超すすべりは,海溝に沿っては,おおよそ 36 度から 40 度の間に求 まった. 最大すべり量は震央付近に求まり,その大きさは 29m であった.この断層すべりモデルに ついては,必ずしも最適とは言えないかもしれないが,図3 および図 4 に示すように,海溝沿いの断 図 2. 断層すべり分布推定結果
層すべりで説明されるような長波長の成分は9 割以上除去できており,さらに,モデリング誤差は短 波長の地殻変動にはほとんど影響しない.よって,地殻変動の長波長成分を除去する目的には十分に 用いることができるモデルと考えられる.SAR 干渉画像に関する残差をみると,各所に 100km 程度 の空間波長を持つ数cm 程度の残差が見られるが,それらのほとんどは海溝に沿う断層のずれによっ ては説明不可能であり,ほとんどは大気や積雪等に起因する見かけのスラントレンジ変化と推測され る. 4. 地殻変動の有意性 断層モデルによるスラントレンジ変化量を観測されたスラントレンジ変化量から減算した残差画像 (図 3)において,内陸で発生した誘発地震の震央付近に注目すると,地震に伴う顕著な地殻変動シ グナルが見られる.例えば,3 月 12 日に発生した長野県北部の M6.7 の地震,3 月 19 日に発生した 茨城県北西部のM6.1 の地震,4 月 11 日に発生した福島県東部の M7.0 の地震である.茨城県北部の 地震についてのSAR 干渉解析結果は Kobayashi et al. (2011)で取り扱われているし,他の地震につい ても複数の研究機関によって調査を進められているところである.これらの地殻変動については本論 文のトピックとは外れるので,上記のような簡単な記述に留め,本論文では火山周辺の地殻変動に注 目する. SAR 干渉画像解析結果の残差画像において秋田駒ケ岳,栗駒山,蔵王山,吾妻山,那須岳周辺に注 目すると,5~12cm 程度のスラントレンジ伸長を示す残差が見られる(図 3 および図 5).その幅はお およそ10~30km である.このようなスラントレンジ変化は大気電波伝搬遅延による擾乱に起因する 場合が多く,火山以外の領域においても同程度のスラントレンジ変化が見られるので,それが実際の 地殻変動を示すシグナルであるかどうかを注意深く考察する必要がある.前述したように,本解析に おいては気象庁メソ客観解析の結果から大気遅延量を計算する手法(小澤・清水,2010)を適用し, 大気遅延誤差を軽減している.この手法によっては,1σでおおよそ1cm の地殻変動検出精度が得ら れることが確かめられており,得られた残差はそれよりも有意に大きい.しかし,山岳域においては, 地形に起因する局所的な気象状態が生じる場合があり,それがこのような振幅の大きい局所的な残差 図 3. SAR 干渉解析から求まった地殻変動と推定された 断層モデルからの計算した地殻変動との差 図 4. GEONET によって観測された地殻変動 と推定された断層モデルからの計算した地殻 変動との差
図 5. SAR 干渉解析から求まった地殻変動と推定された断層モデルからの計算した地殻変動との差. 画像範囲は,図 3 の図中に示す.(a)秋田駒ヶ岳周辺の拡大図.(b)栗駒山周辺の拡大図.(c)蔵王山周 辺の拡大図.(d)吾妻山周辺の拡大図.(e)那須岳周辺の拡大図.
図 6. SAR 干渉解析から求めたスラントレンジ変化の残差と GEONET の地 殻変動に関する残差ベクトルから計算したスラントレンジ変化量との比較.
を生じさせる可能性がある.よって,このような経験的な精度のみによって,この残差が局所的な地 殻変動を示すものかを結論付けるべきではない.その有意性を示すためには,異なる観測から同様の 地殻変動が見られるかを調べることが重要である. 本解析で用いたPALSAR データの観測幅は,隣の軌道の観測幅と 10~20km 程度重なっており,局 所的なスラントレンジ変化が見られた領域は隣り合う2 軌道の観測画像に含まれている.そこで,そ れらの異なる観測日に得られた独立な干渉ペアから得られた地殻変動を比較する.図5 は,それぞれ の火山周辺の残差画像拡大図であり,どの火山においても,同様のスラントレンジ変化分布が見られ た.偶然にも,前述した地形等の要因による局所的な気象状態が異なる観測日に同様に分布する可能 性は完全には否定できないが,そのような偶然が異なる5 か所で現れる可能性は極めて低い.さらに, より堅固にこの有意性を検証するために,GEONET による地殻変動についても調査した.栗駒山, 蔵王山,吾妻山においてスラントレンジ変化が求まった領域に注目すると,その領域には 1~2 点の GEONET 観測点が設置されているので,これらの観測点においては,周りの観測点と異なる地殻変 動が検出されるはずである.そこで,GEONET による地殻変動に関する残差に注目すると,局所的 な沈降を示す残差が求まった.さらに,GEONET から求まった残差ベクトルをスラントレンジ変化 量に変換すると,その量はSAR 干渉解析結果に見られる残差と良く一致する(図 6). 以上のように,独立の干渉ペアから同様の局所変化が見られることや,その地殻変動域に設置され ている GPS から,調和的な局所変動が求まったことから,得られた地殻変動はノイズではなく,実 際の地殻変動を示すシグナルであると考えられる. 5. 推定された局所変動の発生メカニズム 局所地殻変動は地震に関連して生じたと考えられることから,この地殻変動は地震に伴う伸長変動 に関係すると推測される.また,一般に,火山下にはマグマに関連した高温の媒質が存在すると考え られる.そのような媒質は,周辺の媒質よりも変形しやすく,より大きく伸長すると考えると,その 直上付近で局所的な地殻変動が生じるという可能性が考えられる.この仮説の検証のため,有限要素 法を用いた数値実験を試みた.本数値実験においてはアドバンスソフトウェア社の有限要素法ソフト ウェアFrontSTR を使用した.計算領域は 100km×100km×30km とし,1km 間隔の格子を設定し, 各側面と下面の境界の要素に,推定した断層モデルからOkada (1992)によって計算される変位を与え た.その媒質のポアソン比は0.25,ヤング率は 72GPa とした.さらに,その中心の直下 10km に半 径5km,ヤング率 1GPa の媒質が含まれる場合についても計算し,一様媒質で計算した場合との差か ら,局所的な地殻変動を計算した.つまり,長波長の地殻変動を除去した図3 および図 4 に相当する 地殻変動分布である.図7 は,各火山について計算したものであり,火山周辺に局所的な沈降が生じ ることが確かめられた.また,その沈降域は,主ひずみの短縮軸方向に延びるような分布をしており, これは SAR 干渉解析から得られた地殻変動分布と調和的である.一方,数値実験から求まった沈降 量が数cm であるのに対して,観測されたスラントレンジ変化量は 5~12cm 程度である.数値実験に よって,観測された地殻変動を再現するためには,巨大なやわらかい媒質を,極めて浅い領域に設定 する必要があり,現実的ではないように思われる.この地殻変動を説明するためには,複数のマグマ だまりの存在や,減圧に伴うマグマの流下による収縮変動の可能性も考えられる.このような成分は, 力源の収縮によって説明することができるので,数値実験により求まった断層走向方向には収縮,直 交方向には膨張の成分を持つという特徴と異なる.よって,より密な 3 次元地殻変動情報があれば, これらを分離することができるかもしれない.
図 7. 有限要素法による数値実験結果.挿入図は水平主ひずみを示し,赤は伸長,青は短縮を示 す.(a)秋田駒ヶ岳周辺.(b)栗駒山周辺.(c)蔵王山周辺.(d)吾妻山周辺.(e)那須岳周辺.(f)数値 実験において設定した媒質の概略図. 6. まとめ 本研究においては,SAR 干渉解析および GEONET による地殻変動データを用いて,2011 年東北 地方太平洋沖地震に伴う火山周辺での局所地殻変動の調査を行った.その結果,秋田駒ケ岳,栗駒山, 蔵王山,吾妻山,那須岳周辺において,沈降傾向の局所地殻変動が検出された.異なるデータから同 様の地殻変動が検出されたことから,ノイズではなく,実際の地殻変動シグナルを示すものと考えら れる.そのような地殻変動が生じる要因の一つとして,火山下に存在するマグマなどの変形しやすい 媒質が,地震に伴う伸長に対して周りの媒質とは異なる変形をすることに起因すると推測される.た だし,すべての地殻変動を説明するためには,マグマ移動等も含めた,複合的な地殻変動メカニズム を考慮する必要があるかもしれない. 謝辞.本研究で用いたPALSAR データは,防災利用実証実験地震 WG から提出された観測要求に基 づ い て 観 測 さ れ た も の で あ る . ま た , 使 用 し た デ ー タ は ,PIXEL (PALSAR Interferometry Consortium to Study our Evolving Land surface)において共有しているものであり,宇宙航空研究
開発機構(JAXA)と東京大学地震研究所との共同研究契約により JAXA から提供されたものである. 本研究の一部は,東京大学地震研究所共同研究(B)「SAR を用いた地震火山活動に伴う地殻変動の 検出」で行われた.PALSAR データの所有権は経済産業省および JAXA にある.また,本研究にお いてはGEONET データ(F3 解)および気象庁一元化震源データを使用した.
参考文献
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