75
浄
土
教
関
係
疑 経 典
の
研 究
(
二
)
柴
田
泰
目 問 題 の 所 在 〈資 料 篇 〉…・
・
……・
……・
・
・
・
・
・
…一一 ・
…………
前号 く研 究 篇 〉 第一
章 資 料の整理・
……・
……・
………・
・
…・
…
75 第一
節 資 料 〈.
一
一
覧 表〉………
75 第 二節 出典 別特 徴並 びに補 遺……・
…・
……・
…
80 第二 章 資料の取扱い (研究方 法)…・
…・
…・
……
84 第 三章 成 立・
写経年 代………・
…・
・
…
86 第一
節 疑経典の成立・
写 経年代概 観…・
・
……・86
第二節
浄土 教 関 係 疑 経 典の成 立
・
写 経 年 代… 90
要 系吉・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
96
次 第四 章 思 想 形 態………・
・
…・
・
…・
……・98
第’
節 浄土 教 関 係 経 論の思想 形 態 概 観……… 98
第二節 中 国浄十教の 思想膨態概観………・
一
・
一
・
・
102 第 三 節 疑経典の思想形 態概 観一………・
…・
…
106 第 四 節 浄上 教 関 係 疑 経 典の思想 形 態…………
108 第一
項 〈一
覧 表 〉よ りみた 全体的特 徴………
108 第二 項 各 疑経 典の浄土思 想…………・
・
……・
113 第三 項 疑 経 典 独 自の浄 土 思 想・
…・
・
…………
120 要 糸吉一…
一・
・
・
・
・
・
…
一卩
・
・
一一・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
…
一・
冖…・
126 系吉 論・
・
・
・
…
一・
・
一
・
−J・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
・
…
一
…・
127〈資
料篇〉
にお い て は、
今日予 想されう る浄ll
教に関 係 する広 義の疑 経 典につ い て、
大 正 蔵 経、
続 蔵 経、敦
煌 文献
な どの 中か ら検 索 し、
その一
々 につ い て 従来
の諸
研 究に導 びか れ なが ら可 能 なか ぎ り考 証し た。〈
研 究 篇〉
におい て は、
〈資料
篇 〉におい て取扱
っ た疑 経 典 を基 礎 資料
と して、
それ らの成 立、
思 想、
変 遷 などを考察
するこ とによ り、
浄 土 教 関係
疑 経 典に関 する諸 様 相、
ひい て は浄 土 教に関 する新
たな隠
さ れ た実態
を 明 らかに し考 究す ることを
意 図 し たい 。〈
研
究
篇
〉
第
一
章
資 料
の
整
理
第一
節資 料 〈
一
覧表
〉〈資 料篇 〉 に おい て取
扱
っ た浄i
:教 関 係 疑 経 典 を前 に して、
まず
わ れ われが最 初になさ ねばな ら ない 作 業 として は、後
の諸研 究の遂 行 を容 易にす る た めに、 〈
資 料 篇〉
におい て可能 なか ぎ り考 証 し た疑 経 典 を 逆に総合
し整 理 することで あり、
併せ て〈
資
料篇〉
におい ては紙 数の 制限に より論 及 で き な かっ た一 、
二 の 問 題 につ いて補足 する こ と で あ ろ う。本節におい て は
、
〈資 料篇
〉であ まりに も細かく なり す ぎ た浄
土教 関 係 疑 経 典の総合
的 全体的性 格 を 11月 らか にするた めに、
その 要点 を 〈一
覧
表〉
として 再構 成し よ うfi〈
資 料 篇 〉で 取扱っ た経 典、
仏 名・国
土 名・
関 係 用 語、
典 拠 を従来の形 式[11 に倣っ て挙 げる と 以下の通 りで ある。
浄
土教
関係
疑経
典 〈一
覧表
〉 経 典 名 仏名・
仏匡1
土名 など 出 典 個 所 浄土思想と見做さ れ た真 経 原 語の異な る経典 大乗無 量寿宗要経 大乗 無 量寿経 法 成 (?) 成就 妙 法蓮 華 経王愉伽観智儀 軌 唐不 空 大乗 聖 無鼠寿 決 定 光明 王 如来5
’
Eme
尼絳 宋 法天 無 量寿 大智陀羅 尼 宋法 賢原 語の疑 わ しい経典 菩薩道樹絳
(私 呵 昧 経 }
呉 芝謙 陀隣尼 鉢 経
東 晋 曇 無蘭 菩薩蔵経 梁 僧 伽 婆 羅 最勝仏頂 陀 羅尼 浄除業
F
章呪 経 唐 地 婆 訶 羅 無量 寿仏化 身大忿
迅 倶摩 羅金 剛 念誦 諭伽儀軌 法 唐 金 剛 智 観 臼在 如 意輪 菩 薩諭 伽 法要 唐 金 剛 智 百 千 頚大集 経 地蔵 菩 薩 請問 法身讃 唐 不 空 蓮 華部心念誦 儀 軌 浄土思想 と解 釈さ れ た経 典 木櫞子経失 訳 入 今 附東 晋 録 文殊師利所 説摩訶 般若 波羅蜜経
梁 曼陀羅 仙 大集経 凵蔵 分
隋 那 連 提 耶舎
中国撰述浄土 教関係 疑経典 現存 疑経典
1
.
浄 土 思 想 を 主 要 と した 経 典 山海 慧菩薩 経 (阿 弥 陀 仏 党 諸 大衆観 身 経 )1
・
彳主生 奉釜〔十 往生
F
可弓尓陀f
ム国糸釜} 阿弥陀 仏説呪 無 量寿イム訪訴主貿ぜ争ヒ1呪 念 仏 超 脱 輪 迥 捷 径 経 極楽願文達 喇 嚇咥ト楚薩木 丹 達 爾 吉 訳
2 ,一
部に浄土 思 想の認め られ る 疑 経典 潅r貞百結 神王護身 呪経確 頂 経 巻 四 )
東晋 無 景寿 無 量寿 無 量 寿 無量寿 阿波哩弥多喩 安 隠国 寿無極法 王 阿 弥陀法
縣
濫 西方跋 陀 羅 世 界劇
於 彼 有 仏 名 無辺光1「月P
可il蜜i嘱 多 西 方念誦法 帰 命 無 吊 寿 無量 光 無 景寿 無 量寿 称 仏 陀 達摩僧伽 名 繋’
巳・
一・
仏、
L
亨示尓名等: 、 至心 念 仏 阿 弥 陀 阿弥 陀、
極楽 阿弭多婆 弥陀 無量寿 匡可弓尓 多婆 阿 弥 陀 阿 弥陀 無 量寿、
B
尓陀、
阿 弥 陀.
極楽 往 生西方S .
2078etc.
230S・
IS
、
P.
29
音i
∫、
散 18 部 大1
臼9
・82
上 以 下 大 己a9
・
596
中 大 【E19
・85
ヒ以下 大IE21・907
中 大ill14
・813
ヒ 大 IE21’
865 中 大iE24
・
1087一
ヒ1
大正19 ・359
中 」 大百モ21
・
1301;L).
下 人こil120・214
ド ノくIR13・
792
.
ド 大汗118
・322
中 大[El7
・726E
大 ill8・731
上 中 大1E13・285
ド 大 正85 ・1405
上 凵「続1
・87 ・
4
大 正12 ・352
上中 大正12 ・348
中 $続1 ・87 ・4
大 正19・80
中以下 大 正21 ・
507下浄
i
:教 関 係 疑経 典の研 究 潅項 随 願 往生 卜方浄土 経 (潅頂経 巻 十.
・
、
普 広経)
潅 頂 抜 除 過 罪 生 死 得 度 経 (潅 頂 経 巻十.
.
二、
潅 頂章 句抜除 過 罪 得 度 経) 観世音三昧経 護身 命経 (救護 身命 経 済人疾病苦 厄 ) 救疾 経 観 経 普 賢 菩薩説 証 明 経 太.
.
r
讃 大通 方広 懺悔 滅罪荘厳 成仏 経 現 在 十 方 千五 百 仏 名並雑仏 同 号 仏名蒲〜 (三 卜巻 本 ) 究竟 大悲経 高王観 世音 経 続 命経 無量大慈 教 経 大仏頂如 来密因修 証 了 義 諸菩薩万 行 首樗厳経 唐般 刺 蜜帝 三 厨 経西 国 婆羅門達 多 羅及闇那 崛 多 等奉詔訳 勧善経 新菩薩 経 地 蔵 菩薩経 救 苦観 世 音 経 (二) 阿 弥 陀 無 量 寿 阿 弥 陀 無 量寿 無 量 寿 無量 寿 無 量寿 阿弥 陀 阿弥 陀 無量 寿 弥陀 阿弥 陀 無量寿 無
量
光 *「 無量寿経』 過去仏、
十二光 仏、
十三 仏 無吊寿 阿 弥陀 * 六 方 三 卜八 仏、
出阿 弥 陀 讃一
切諸仏所 持之 法経 *「 無量寿経』 尊 者、
過 去仏、
十二光仏、
{一
二 仏 安楽 (P
可)弥5
它 阿 弥 陀 極楽 陣∫弓尓陀 楽生西方国 無 量 光、
超冂月光 弥 陀 阿弥陀婆 無 量寿 阿 弥 陀 無 量寿 阿 弥 陀 阿 弥 陀 極楽 無量 寿 願 往生 大⊥E21
・
529
下 大[E21
・533
上、
中下 京都 博物 館蔵 守 屋本 大正85 ・
1326一
ヒ 大 正85
・
1362
下 大正85 ・1461
上〜
下 人正85 ・1363
下、
1365
上、
13681
:S .2204
大正85 ・1341
中、
下、
「
1342
上、
1343
上、
ド、1350
中、
1354
下 大rF85
・1447
中〜1448
中 大iEl4・239
中、
243下、244
中、
258
「1中、271
中 大正85 ・1372
上 大IE85・1425
中 大 正85 ・1405
上S .6961
大正19 ・128−
L4
コ、
133
中、
134
上、139
中 大rE85
・1413
下、1414L
大 正85 ・
1462上 大rE85・1462
上中 大∫E85
・1455
下S .4456
77
大 方広 仏華厳経 普 賢菩 薩行 願 王 品 普 賢菩 薩行願
’
岫
E
経 青頸観 臼在菩薩心陀羅尼 経唐 不空注 金剛 頂 経愉 伽 観目在王 如来
fl
參行 法唐 金 剛智 大 乗愉伽金 剛 性 海 曼殊室 利千 臂 千鉢 大 教 王 経 唐 不空 観
tLl
:音不 空 羂索王 心 神咒功徳 法 門 名不空 成就法 北 方大 聖眦 沙 門 天 王 経 大仏頂 如来頂 髻 臼 著 陀 羅 尼 神 咒 経 消 宍除 横 潅頂 延 命 真 言 経 相 好 経 古 佚 経 善 王皇帝尊 経 惟務 三昧経 目 連所 間経 善 信磨祝 経 須弥 四域経 須弥像 図山怒一
卜二遊経 空行 モ昧経f
憂上眞一
E
{乍f
ム形f
象絹… 弓尓筆力戸斤問辛条 阿弥 陀 弥陀 極楽 阿 弥陀 弥陀 極楽 無量 寿 観臼 在 王 阿密喋覩 無 量 光 観目在王 無量 寿 極楽 弥 陀 阿弥陀 極楽 陣∫弓尓1
〜它 阿 弥陀 阿 弥陀 婆 阿弥 陀 極楽 極 楽 阿 弥 陀 阿 弥 陀 念 仏 修戒 無 量寿 西 方 安隠清 浄 法国 阿 弥陀 阿 弥陀 阿 弥 陀 阿 弥陀 弥陀 無量寿 阿弥陀 安 楽 十 念 大 正85
・
1455
上 中 大1F.
85 ・1453
下一1454.
.
卜 大 正20
・
490
中 大.
【E19
・75
ヒ、
76
下、77
ヒ 大」.
E2
〔〕・
726上、735
中、741
下、
742
上中下S .
232S .5560
S
.
4637
S .2037、2095
S .22.4678
「安 楽 集 』巻 下 (大「E47
・
20
中 ) 『安楽集 』巻 下 (大 正47 ・
16
上)
「 安楽 集』巻上 (大正47・
14
上 ) 「 経 律異 相』巻 三十八(大正53 ・
205.
.
卜:〜.
.
ド) 「 安 楽集[巻 下(大正47 ・
18
中)
「 弁【E
論』ts
,
ti
(大 正52
・
521
中 ) 「 弁1巨論』巻 五 (大IE52・
521
中 ) 1 法苑 珠 林.
ilU#1十一
一
(大正53・
369
下) 駈 諸経 要集』巻 八(大 正54 ・76
中 ) 「法 苑 珠林 』巻 三十三(大iF
.
53
・
540
「) 「 遊心安楽道』元暁 撰 (大 正47・
114
ド〉浄十 教 開係疑 経典の研 究 (二 ) 経 録に 依 る経典
轄鸞
方 経l
I
浄 土経典 と見做 され た疑経典 浄度 三 昧 経* 受持斎 戒
、
善神 護 念 占察 善悪 業報 経菩提 登 訳
仏之 名字
、
専 意誦念 預修 十王生七 経(
閻羅王 授 記合
四衆 遡r參生 七* 念 阿弥陀 仏 斎 功徳 往 生 浄十経
、
十 王 生 七 経)
守護国 界経念 仏持戒 日本撰述浄土 教 関 係疑 経 典 観世 音菩薩 往生本縁経 土本 縁経
)
失 訳 入今
F
付西 晋録 九品往生 阿弥陀三摩 地 集 陀羅尼 経(
往生浄土 本縁 経、 浄 無 量 寿 如来 至真等 正 覚 経東 晋 法 力 唐 不空 無 量 寿 仏名 号利益 大 事因縁経
曹魏康僧鎧 阿 弥 陀仏根本 秘密 神呪経
曹魏 菩提 流支 阿弥 陀三昧海経
宋 元嘉中薑良耶舎 地蔵 菩 薩発 心 因 縁
i
・
王 経(
発心因 縁十王 経、
地 蔵十 王 経)
妙 法蓮華三昧 秘 密三 摩耶経不 空 訳 馬 鳴 菩薩成 就悉地 念 誦
不空訳
離 業
大梵天 王 問仏決 疑 経一一
巻 因 果 得 道 経 浄⊥阿 弥 陀 経 極 楽 阿弥陀 阿 弥陀 無 量 寿 九 品浄土 十二光 仏 無 量寿 阿弥 陀 安楽 極 楽 * 高 声念仏 無 量寿 不匚亅r
思 議光 清浄安楽 *『P
可弓尓β它糸釜』 *『抜一
切業障 根 本往生 極 楽 浄 土神呪』 阿 弥 陀 弥陀 無 量寿 阿弥 陀 弥 陀 極 楽 阿 弓尓陀 本 願 力 無量 寿 極 楽 善導 弥 陀 出三蔵 記 集巻四 ク 卍続1 ・87 ・4
S
.
4546
、5960、2301
大 正17 ・908
下〜909
上 卍 続2
乙・
23
・4
『楽 邦 文類』巻一
(大正47 ・161
上) 卍 続1 ・87 ・4
竜谷大学 図 書館 蔵 竜谷 大 学 図 書館蔵 卍続1 ・1 ・4
卍 続1 ・3 ・5
竜谷大学 図 書館蔵 卍 続2
乙・
お・4
卍続1 ・3 ・
5 卍続1
・3 ・5
卍 続 ユ・87 ・4
79
『 浄± 宗 要集』第一
見 聞 第一
良 栄 述 (『 浄全』巻 十一、
p.
222
) 『長 西鋤四 十 八 願 阿弥 陀経
阿地 盟多
『長 西 録』 無 量 寿
〔
又 経〕浄一
i
二阿 弓尓陀 経『長西録』
すでに しばしば 指摘 した よ うに
、今
日浄一
ト:思想に言 及 する絳 論 を網
羅 し たもの が藤田宏1
封尊
士〈
一・
覧 表〉で あ る と した ら、 そこ に本 表を
加 え ることによっ て、
と くに中 国浄
十教 を研 究す る場 合 の一
明の漢
訳 浄.
L
教 関 係 経 論がことご とく収め ら れ たことに なるであ ろ う。問 題 の所 在に おいて述べ た最 初の意 図
、
す なわち浄
土教に関 係する疑 経 典のすべ てを
取 上 げ る と い う第・
の 主 題はこ れ でなし終っ た といえ るで あ ろ う。 51 イ殺 口欠慶青IF圭専一
{:一
4T
.
言尺i: 争.
ヒ糸義置侖夛芝…〔 『li
口!lj尓障ピf
ム〔り掃「究.
FlI
;「・
ir
垂隶五、
pP.
449−
474 〕 てtt:よ、
綿
・
麟
賑
賭噛
・
難
掛紺
.
・・噸
囓
驪
:
,課
寿・一
臨騰 戴
黜 脇
・≡ 類 と藤
1
.
i1宏 〕」}1
博 十 「涛卜.
ヒ思想に言及す る経1}1倫丸一・
覧表、〔:『 暦1:始 浄
.
1
:思想の 研究rpp.
136−
/64
} で は.
紅
経 名・
「瓣
巳飜
樗1
う乏・
藁
脇敷
緇 パ 仏名・
仏.
i:名・
[ギ
甑
の ll:彡式 で表わ きれてい る、
,
〈資料 篇>pp.
110−
111参 照、
、
本表 が それ ら と異 なる
,
L.
1、
〔は、
疑 経 典 とい う性格E、
『 説 林』
・
異 本・
サ ン ス ク リッ ト本・
ラ.
ベ ッ ト訳 との1
凋f
系は 勲 齢 劾、
轟峨 酬1
{序が一
応の 服 ・で 占い方か ら 挙 げたが 査騨 瞳 随 こ と:Ei
る・
二trでは一 鮮 で取扱
っ
た経典の索引の 意 昧 も含めて 記 述の順序に従.
っ τ列挙 した。
ま た従 来の形 式で は、
仏 名・
仏「1
:名・
関 係 用 語は独 立の項 目で 表 わ さ れていた が
、
本 表では一
項に含め て 〉 ドげた.
その 理 ihにつ い て は第 四 章 第 四節 第二項lpp.
116−
120)で;涼解される で あ ろ ).
.
.
第二 節出典 別
特徴
並 びに補 遺本
節で は、
::
資料
篇〉か ら前 節〈
一一
覧
表 〉 ま での 資 料の検索 ・
分 類・
考証・
整理 の過 程で 見出
し、
ぐ資 料篇:〉 に おい て指摘
で きなかっ た二、
三の 問 題につ い て 考え て み る。
その第
一
は、ぐ資
料篇〉
の 最 初に取 上 げた関係
資 料 の 中で も丁
第一
に問題と し、
そのすべ てを
負 うてい る大 正 蔵 経、続
蔵 経、
敦 膜 文 献 などの出
典別整理 とその特徴
で ある。
そこでそれを容 易に知 る た めに出
典別総 数 を図 式 化 する と次のよ うになる で あ ろう。浄 土 教 関 係 疑
経
典 出 典 別一
覧
21 ※真 経 原 語の異 なる経 典 原 語の疑 わ しい経 典 浄十思想 と解 釈 された経 典 疑経 典 中国 撰 述 現 存 疑 経 典 浄上思 想を主 要 と した疑 経典一
部に浄 ⊥ 思想の認められる疑 経 興 古 佚 経 糸釜金隶に よ る経 典 浄 十経 典 と 見做さ れ た疑 経 典 日本撰 述 現存疑 経 典 古 佚 経 経 畫隶に よ る疑 経.
典 rD83632
由 1025m1013
大 正蔵経 1続 蔵 経 1敦煌文献1
そ の 他2
22
71
21
2212
12
ワ ‘ 11
3
浄上 教 関係疑 経 典の研究 (二 )
81
本 表の 大 まかな
特徴 を
各疑
経典
の 具体
的内容 を勘案
して指
摘 す る と、
まず 、
大 止 蔵 経 に収
め ら れ た疑 経 典にっ い では、
第一
に 日本撰述 に属 する経 典が 無い とい う点が挙 げ られ る曹
第二 に 「潅 頂 百 結 神王護身
呪 経」『仏
名
経』 三十 巻 などの よ うに浄 ヒ思 想に関しては附 加・
改変 的 な 傾 向が認め ら れ る。 第三 に、
その中
の密
教 経 典 をみ る と、
浄 ヒ思 想と !L[做さ れ た経 典の性 格が強 く、 こ の こ と は浄一
Ll
思想と見做 された真
経の中
で は比 較 的 多い密 教 経 典 と共 通の性格 を
有 することが 知られる。
こ れ らの特徴か ら帰 着 すること は、 全くの偽
経、 或い は疑 経 的 要素
が少 ない とい う点で あ り、
今日 わ れ わ れ が用い る 最 も 権 威 ある大 正蔵
経で あっ て みれ ば 当 然の こ と とい え よ う。
続 蔵 経 所 収の疑 経 典につ いて は
、
まず 筑一
に日本
撰 述の もの が非 常に 多い こ と が注 意 き れ る。
大
Il藏
経 所 収の 日木
撰 述 疑経典
が皆 無であ るこ とか らの当 然の特徴
で あ る が、
こ の こ と は 図 表 を縦に比較し た続 蔵 経 所 収の割 り合
い で そ うで ある と 同時
に、横
に比 較 し た 日本 撰 述 現 存 疑 経典
の場 合
では、
当然の こと ながらその 他に含
め た竜 谷 人 学 図 書 館 蔵の 三経剛 を除 い て、
すべ て続
蔵 経 に依 存 し て い る。 し かも それ ら 日 本 撰 述 浄 土 教 関係
疑 経典
の特徴
と し て は、浄
土 思 想を
i
腰
と し て構
成 された 疑 経 典が 多い こ と で あ り、
他の疑 経 典 も含め て思 想 的には一
読 し て〈
浄一
LFI
部 経〉
の影 響 が 顕 著で あ る。 これ らの思 想的特徴
にっ い て は 別 に指 摘されるであろ う曹
第二 に数 少ない 巾 国 撰 述 と思われ る疑 経典につ いて は、『 念 仏 超 脱 輪 迥捷 径 経』 を 「
竜
舒 浄土 文』 の讃
文・
念 誦 法の別 行 経 と し て除
外す れば、 他はいず
れも敦 煌 写 経と密 接な係わ りを 有 してい る。 そ の中
の 『卜
往 生経』『
浄
度 三 昧 経』 な どにっ い て はすで に 研空 がな さ れ てい るが
1
ト
それ らは敦 煌文献
との 比較
研 究に より、
疑 経 典 の流布
・
変 遷 を考
え る上で 重要 な 資 料 となる で あ ろう。敦
煌 文献 にっ い て言
えば、
現 存 疑 経 典 の うちで その 部 に浄 +思 想の 認め ら れる経 典が圧倒
的 に 多い 。 更に続 蔵 経 所 収 の関係写 経 を
含め る と、
浄L
教 関 係 疑 経 典の資 料 と して は不 可欠
の存 在
で ある こ と が知 ら れ る。 とくに そ れ らの 多く は従 来の中
国浄
土教の 研究に おい て は それ程 論及さ れてい なか っ たのであ り、
これ らの鰥 明は 中国浄
」.
二教につ い て新た な諸 様 相 を提 示 し て くれ るで あろ う 。 敦 煌 文 献に は未 だ 多 くの査 定 出 来 ない 不 明断 片が あ り、
本稿
でも浄 十思 想に言 及 す る大 疋蔵 未収
経 の数 点 を 指 摘 し た が、
浄 土 教に 関係 する讃
文・
祈 禧 文の研究
:7〕を
含め て なお残 され た課 題は多い。以
一
ヒが資料
の出
典 別 整 理 とそ の大 まか な特徴で あ る 。第二 に指
摘
す る問題は、
〈
資料篇
〉で取 ヒげた以 外の、本稿
で は意 図 的に削除
した経
典 につ い て で ある。 そ れ らは浄 ヒ思 想 と ま ぎらわ しい 訳語、
浄土教 徒 に依)H
され た が 明確 な出
典 個 所が示さ れ ない 経典 な ど、 すでに註 な どで指 摘 し た経 典 も含 まれる。 もと よりこ う した経 典 をわ ざわ ざ取 上 げ る 必要も ないであ ろう が、本稿
で取上 げた経 典の中
に も訂正、補
訂 を要す る経典が あると した ら、 同 様に なお新た に加え るべ き経 典 もr
・
想される わ け であ り、
そのため に も今後
の 参考
と して記し て おこ う。『仏 性
海
蔵智
慧 解 脱破心相経』「 安 楽 国1
(
大IE85・1400
[1.
)
匠 仏 為心」三
菩薩
説 投 陀 経』「 世有 極 楽 1
〔大[
E85
・
ユ403 中)
畦
喩 経」「 専 意 念 仏 持 戒 焼
香
」(
『安楽 集』 巻一
ド、
大rE47
・
16
h
)『菴 羅女 経』
『弘 猛 海
慧
経』『地 蔵 十 輪経』
『華 手経』
な どが考えられ よ う’
・
1
, また、
木 稿におい て は、
浄土教に関係
する所 依の 経 典と い うことを
自明の前 提 と して考え て き た が、
逆に浄 土 教 を破 するため に経 典が依
用さ れ た事
例も留
意すべ き で あ る。
内藤
竜雄氏の論 考 を通 して知 られる 「敦
煌ペ リ オ本
三 八四八 号残 缺 経 典 目録 」llgF
に は、
仏 蔵 経四巻
明破 西 方
浄
土Jlf
六本
大 願処の絳 目・
総 義が一
解 題」 を 附して認め ら れ る とい う。 『仏 蔵 経』 三 巻 (羅 什 訳 )に はfil
∫らの 問 題 も 無く蝉
浄
ヒ思 想に言及 されて い ない。
し か し、
こ うし た経 典が浄 土教批 判の依 り どころと して扱
わ れ てい る とい う事 例は、浄
t
’
教の側に立っ て肯 定的資料
の みを扱い、
ま た、
その よ うに解釈
し が ちなわ れ われに対 し て、
中 国 仏 教全体 とい う大 局的視野 で浄
上教 関係
経 典 をとらえてい かねば な ら ない ことを警 告 して い る。
第 三は
、敦
煤文献
検 索に おい て 見出 した何 点かの写 本の 問題が あ る。 その第
一
は浄 土 教 関 係 経 典摘 出
の手がか り と し て、
ス タイン 本に限 り、
L
.
Giles
:Descriptive
Cata
工ogue of theChinese
Manuscripts
from
Tl
川huang
in
theBritish
Museum
,
London
1957
、
王 重民 『敦 煌 遺 書 総 日索
引』 の題
名
不明の経 典につ いてすべ て に当っ たのである が、
その際 浄 ヒ思 想 に言
及 する題名
不 明の写 本 を逆に
〈 ・
覧
表i
’
と照合す るこ とに よっ て何 点かの経 典が査定 で き るn こ1:1
に本稿で も取扱
っ た疑 経 典 を含
めて判日H
し た敦 煌 写 経と浄
土思 想に言及 す る出 典個 所 を 挙げ て おこ う。SIO18
、4308、4559
亅無量
大
慈 教糸Giles
.
N
(,.
5479
、5482
、5484、
Unidentified
apc )crypha ] satras.
「 敦 煤
遺
害 総R
索
引』一
仏 経.
、 :11:S1
・
i87
『普 賢 菩 薩 行 願 土 経lGiles
.
No
.
4382 、
Unidentified
W
て}【・
ks
,
Sfitras
。
S
1726
『季丑曝量 大 慈 孝震単霊 』
Giies.No .
4385 、
Unidentified
Works
.
S
[i tras.
S226
〔〕「大 †賢斐言侖」 巻…一
〇、
羅罫十詫艮 (ノ〈d25
・134
中)Giles
.
No
.
4395 、
Unidentified
W
()rks ,SOtras
.
S2758
f金
光明最 勝 王 糾」 義 浄 訳 (大「E16
・416
上)Giles.
No
.
5229 、
Apocryphal
Sntl・
as.
※ 「写 経 名金
光明微妙経」S3432
『−
1
−一一
面 神 咒・
巳
・
経.
li 玄 奘 訳 (大 ll20・152
中 〕G
{1es
.
No
.
4504
、
Uniderltified
Works
,
Dharal
,τSUtras
.
S4156
「無 垢 浄 光大 陀 羅尼 糾』 弥 陀[」情111(大正
19 ・718
下〕Giles
.
No
.
4508
、
Uniderltified
Works
,
Dh5ranr
Stittras
.
S4278
「観
無 量 寿 経』 1
−
’“/F
.耶 舎 訳 〔大IEI2・
345
中 以.
下
、
首欠中
品.
ヒ生 者以降尾ク
G
Giles.
No .
5159
、
Other
Uncanonical
Sittras.
※「写経 名観極楽
国」.
二無 量 寿仏観」S4519
『維 摩 詰 所 説 経」 羅
f
一
卜訳 (大rE14・
548
中
)
Giles
.
No .4452 、
Unidentified
Works
,
SOtras .
S4539
ピ金
光明 最勝王経』 義
1
争訳(
大1
.
「
16 ・
416
上)
Giles.
No .4454 、
Unidentified
WW,
「
orl 《s,
SQtras .
S5768
『干
r
千 眼 観1
日:音 菩 薩 広 大 円 満 無礙大悲
心陀 羅尼 経』 伽 梵 達 摩 訳 〔大正20 ・
107
.
.
ヒ>
浄十:教 関 係 疑経 典の研究 (二〕
83
『
敦煌遺
書 総 目索
引』「大 悲 神 咒」
など が そ う で あ る。 これ ら はその令体か らみ れ ば極めて数が少 ない が
、
その中
に は僅
か一
葉 数 行の 断 片 (た と え ば 『普賢
菩薩
行 願 王 経 s)、
大部 な経 典 (た とえば 『 大智
度 論』 など)の たっ た一
個所
の浄
一
fl
思想
を 手が かり と して その写
本 が判明 す るの で あ り、
余 程著 名
な経 論を除
い て 査定で き ない 不明断 片に対 して確 実な手が かりを与
えて く れ る。 浄土思 想に言 及 す る 関 係 経 論の 多い こ と は、
そ れだけ に その完
全 な〈
一
覧 表〉
の作
成 がこ うし た点でも一
助の 役割 を
有し てい る とい え よう。次 に
、
王 重 民 『敦 煤 遺 書総 目 索引
s で は経 題の 欠け て い る写 本には 「仏 経」、
経題 が記さ れ てい る場合
には その「E
否
にか か わ らず その ま ま挙げ られてい る。 従っ て わ れ わ れ はその一
々 を確 認 して 用い なけ れ ば非 常 な誤 り を 犯 すこと になる が、
とくに〈
浄
「三 部 経〉
に関して気
づ い た何 点かを指
摘
して おこ う1響
『 仏 説無量
寿
経』S290
、324 、1660
、2372
、3913、4937
⇒ 『 大 乗無 量寿宗
要経』『 仏 経』
S927
、
4518
⇒ 「無 量寿
経』『 仏 経』
S3478
⇒ 『無 量寿
如来会
本
願 文」『 阿 弥 陀 経」 巻 ド
S5
〔〕58
⇒ 「大 阿 弥 陀 経』『 仏 経』
S1703 、1783、1950、
1956
、2971
、
4193
、4404 匚
〉 『観 無 量寿
経』『
薬
師 雑 抄』S2544
〔Giles.
No
.
2421
、
Verso
(
1
) Amitayus
dhyEna
sat.
ra浄
L
西
辺)
⇒ 『観無 量 寿 経』
断
片『大 無量
寿
経』S3695
[
〉 『観無量寿
経』『 仏 経』
S4278
(
前出
)『 イム糸築』
S2171
、
3027
、
5337
[
) 『P
可弓尓K
’
EIIIf
,
』※ 『金 光明経』
S2164
⇒ 「仏 名 経』以上 が
敦
煤ス タイン 本に お け る内 容の判
明 した写本、
訂 正を
要 する目録の経名
である 。 そ して こ の こと は、
未 整理 の 部 分を
多く 有 する厖 大な敦
煉 文献に関 して、 なお査 定 叮能 な 多 くの写 本
の存
在 を予想
させる し、
ま た凵録によっ て査 定された写本
の中
にも 多 くの訂 正 を必 要と す る部 分が残
きれ てい るこ とを物
語っ てい る。敦煌
文 献に関 しては、
その歴 史 も浅 く、未
だ 基 礎 的 資料研 究の余
地が 残 さ れ て お り、 かつ ての諸 先覚が そ う で あっ たよ うにその一
つ一
つ に根
気 よ く忍耐強 く当っ て考証
し てい く以外
に方 法がない の で あろ う。以 上が浄 ヒ教 関
係
疑経典の検索、
分 類、
考証、
そし て整理 の過 程に おい て認め た浄
土思 想に関係
する諸 点で あ る。 CI〕 ぐ資粒卜篇 > pp.
/00− 102.
12
〕 本 表で の 〔)内の数字は
、
『大 通 方広経 』 巻 上 敢 煌 本
、
巻 下知 恩 院 蔵写 本
、
『浄 度
r
昧 経』 巻 第一
続蔵経、
巻中・
巻 ド敦焼 本によるcま た
、
前 出 〈一
覧表 〉の出 典 個 所で大 正 蔵 経、
続 蔵 経 と挙げ て もその原 本が敦蝗 文 献1
と くに大正蔵経 第八 卜五巻 所 収の敦 煌本)
、
その他の場合に は原 本に従っ たe 〔3巨 大臓 経〉 擲 ま でに珂帳 れ た糸椣 で 冂本 鮒 驪 典と し て取 上lt’
t:もの に ・酬 1彳主妊 聯 集陀 羅麗 』不 空 訳 (大正19
・79
中一80
上、
〈資 料篇>pp.
141−
142 )があ る/
、
しか しその 原イLは 「長 谷 寺 蔵本、
であ り、
本稿 で は 竜 谷 大学図書館 蔵本・ と したの で羈 侖は ない 筋 ろ う.
な お当言躰 につ ・、て (鮮 瞞 では牧L啼 亮 博士 の 論 稿 (「謄 薊 勺の鰡 観 ・ 「轍・
『簾
避
撤 の思想と)tf
ヒD
1・依。
た が.
そ の後当 該 本 庵 谷 大学 図 誰 、。.
241.
5・
248・
1・
N・・
21・
5・
1 ・
37・
1) を披見 した・
高醗 いた だ い樋 欲 嘗鋤 搬 岡 亮 「先 生に謝 意 鹸 す る。
〔4!就 中、
『 九品往生陀 羅 尼 経』 は 卍続 ユ
・
3・3
に≠,
収め られ てい る。 前 註 〔3)参 照n〔5} 第[と
q
≒彳第匹lfl
行艶丿一・
∫虹参ilC
{う
〔6」 たと えば、
難
ll嬲
十往牛 経の 研 究」(1三 康 艾化 研 究 所年 報』 第.
.
こ号 )、
牧田諦亮 「.
浄度 三昧 経 と その燉 煙木」 〔ロ仏 教 大 学研 究紀 要」 第37−
S’
;一
) など。
ll7]/ <資 料 篇 >pp,
1
〔}1.
−
102.
イ<y}第 四F;’
1』
第四節 第三項 pp.
123−
124、
126参IKI
.
.
181 就 中、
古 佚経、
浄 ヒ思想と解釈さ れ た 経 典の削 除の理1‡1にっ いて :よ (資 料篇 >pp.
102、
104参照,
(9〕 内 藤瓰姙 「 敦:L’
,
Z/!ベ リ オ 本 三八1
兀i
八号残缺 粁 典目録につ いて.
一
一
北 宋における浄.
L、
禅 批 判 を含む一
必献一
一
1 〔『印f
ム 研1 第17巻第1珪』)c た だ し、
当該写本に つ い て は確 認 していない。
[凵
享攵実皐遺1穿享惹目索 り1
堕 1:P.
296
:: て;’
!・
S 、
3848 此,1螽是 劉 宋 時 衆経 別 録毎経
U
−
F、
有 総 義一・
句、
謂明某 某、
次 解題、
較詳 盡.
帛急義 厂冂朱筆、
角輩題 用畏 筆。
唐.
写:本、
「ヨ忘去イ圭,
存一
〇ノしf
厂,
t と角峯1説ゴー
るり
〔1
窃M
−
ii 2、
濯ミ5 、
歴匿8 、
1星浄1 、
内3 、
6、
9、
正辷6 、13、
1
洞4、
12、
/9.
仙以降の敦煌写経に対して 「敦煌 遣書総目索 引』 ではい ず れ も 「仏 経」 と して あるの で
一・
々記 さない c と くに別 な 記述に限・
って は 挙 げる こ と1:.
する、t 働ジャ イル ズの 目 録 ではお お む ね1下 しい 沓 定をし ており
、
こ こでは挙げない.第
二章
資料
の取
扱
い(
研 究 方
法
)
前
章
におい て、浄
L
教 関 係 疑 経 典の資 料に関 する整
理、
補 足すべ き諸 事 項 は な しおえた と思わ れ る。
そこ で わ れ われは以 降に続 く第.
二の課 題と して、
とくに中 国浄
土教の分野 で は おそ ら く一
つ の 特異 な様 相 をホ す で あ ろう思想 研 究に 立 ち入 らねば な ら ない 。そこで本 章で は
、
ほぼ予想
されう る一
切の資料
を 前に
して、
そこ に認め ら れ る思 想形
態 な ど を 問 題 と す る場 合、
どの資 料に一番
の ウエ イ トを 置き、
その中
で も どの疑 経 典 を 主 要と す る か とい う諸 資 料の取 扱い、
方法の規 走につ い て考え て お こう。本稿
におい て取扱
っ た諸 経 典は、 前 号〈
資 料 篇〉
「 第二章浄
L
教 関 係疑経 典の分 類一
〔P におい て 大 別 したよ うに、
第
一
浄 土 思 想と見做 さ れ た真経
第 :
中国撰
述 浄1
::教
関 係 疑 経 典第 三
冂本 撰 述
浄
土教 関 係 疑 経 典 に分け られ る。就 中
、 第
一
の浄
「二思 想と 見做された経 典の 要 点と して は、
従 来く
漢
訳 浄 土 経 論〉
或し 斗は〈
浄土思 想に言 及す る 関係 経 論〉 の概 念が“
阿 弥 陀 仏、
極 楽 など の用 語に言 及 する 経論”
と考え ら れてい る ことに な お配 慮 しなけれ ば な ら ない余 地 を有 す る 点 で ある。
その 第1
は 訳 語の 問 題が あ る。 わ れ わ れ は 阿弥 陀、 極 楽の 原語 としてAmitEyus ,
AmitEbha
,
Sukh
訌vatr を 考 え ればよい が12i
,
し か し その 訳 語がすべ てIE
しくなされ た と は限 らず、
とくに仏 名 に関して は 「甘露」 と訳 され る事
例 も あ る と い う点で あ るll
こ の こ と はイン ド浄 土 教の 関 係資料と して原 木の無い漢
訳経 典 を 取 扱 う場 合に も、
厳 密に は考 慮 し なけ れ ば な ら ない こ とを 意昧 してい る。
更に中 国以降に限っ てい えば、 逆に無 量 寿、
無量 光 などの 訳 語はその 原語 が何で あれ、
阿 弥 陀 仏と解 され る 可 能性の 強い こ と も前 岩 で具 体 的に 取 り上げた とお り で あ る。 第2
は、
た だ単 に阿弥 陀 仏.
極楽の語 が認 め ら れ るだけ で浄ニヒ思 想と 見 做 すこ との 問 題で ある.
とくに中 国 浄土教徒
に重 く用 い ら れた経 典と して は、
浄十 教の主 要な要 因浄
.
Fl
教 関係 疑 経 典の研 究 (二〉85
たる〈
往 生〉
、〈
念 仏〉
と関係
する他 仏 浄 土へ の往 生、
他の諸 仏に対 す る念 仏の思想
t
,非 常に重 要 な 依り どころ と して係わっ て い る。 浄1
:教 関 係経 典には、
往牛 思想、
念 仏 思想に 言及 す る 経典も 必要 となる で あろ う。 第一
の浄
一
[/思 想と 見做さ れ た 経.
典は、
いず
れ も そ うし た意 昧で は (止 しくは浄土 思 想の疑わ しい経 典 とい う意 味で)
、
浄L
教に関 係 する経 典であ り、
資 料 とし て はそ れ な りの摘 出 理由
が 認め ら れ よ う。 し か し ながら、
それ で はこ うし た経 典が思 想 研 究に おい て ff (くこ との で きない 資 料である か とい え ば、
必 ず し ≠、その要はない 。irll
故 な らこ れ らはすで に藤出宏 達 博士 によっ て指
摘
され た〈
浄
土思 想に 言及 する経 論〉
の分 野に収
まる性格
の もので あ り、真
経 に認め ら れる思 想研 究と して 別に考究
せ ね ばな ら ない もの で あ ろ う。
そこで 必然 的に わ れ わ れ が思
想
研 究 を遂
行 する場合
の基
礎 的 資 料 と なるσ)は、
第二 の中 国 撰 述浄
ヒ教 関 係 疑 経 典、
第 三の 冂本 撰 述 浄 土教 関 係 疑 経 典で あるこ と に帰 着す る。 し か しなが ら、 こ の場合
にt
,巾国
撰 述 と 凵本撰
述と で はその性格
が著しく異 な り、
同 等に扱
えない こ とに容
易に気づ くで あ ろ う。 思 想研究とい う課 題 を前に して、
わ れ わ れが常 識的 にr
・
想す る内 容と して は、
夫々 の疑 経 典が何時
頃 成立 し、
どの ような 思想を
説き、
それ ら が どう伝え ら れ た か、
とい う成立 年 代、
思想
形態、流
布 変遷の 開 題である が、
そ れ を 中国
撰 述、
日本撰 述に適 応 さ せて考えてみて も、
明 ら かに両
者は異 質の要 素 を 有 してい るこ とを 認め ぎるを
得ない 。 まず 最 も重要
な 思 想形態
は、疑
経 典特
有の 社会
背景 を考慮
しない で、
そ れぞれの 諸 相 を指摘
す る こ とに よ り譲歩
で きて も、 その成立、 変 遷に 少 な くとも目本撰 述 疑 経 典は大き な難 点を
有してい る。 それを
考え る場合
の決 め 手 とし て、
わ れ わ れ は経録
、諸
典籍
の 引 用宍苧によ ら ねばな ら ない が、
それに は あ まりにも資料
の乏しい こ とに気
づ く であ ろ う。 加 之、
最 も決 定 的 な違い は、
浄 ヒ教史 上での疑経典が占
め る比 重の問 題で あ る。 日本浄
土 教 を考え る場合
、 上 代の浄
土教 を措
く として (,、鎌
倉 以 降の浄 土 教は浄r
二宗、
浄.
ヒ真 宗が圧倒
的 比 重を
占め て今ロに至っ てい る、
、
そうした中で創 作され今
日 に残さ れ た疑
経 典の価 値は、
そ れ な り に注 口に値
す る に しで も、社会
全体の中
での 占 め る位i
とし て は それ程 大 き く認め る こ と はで きな い で あ ろ う。 思 想 形態
にっ い てい えば、
その内 容に して も仮
託 さ れ た訳 者 をみ て も、〈
浄L
三 部 経〉
の影 響 を受 けてい ることが一
目瞭 然で あ る が、
浄.
ヒ宗、浄
土真宗
の 大きな流 れの中
で は や は り 正依
と な り 難い 点 で は 副 次的 資 料と見做さね ば ならない響
そこで最
後
に残
さ れ た中 国 撰 述 浄一
ヒ教 関係
疑 経 典 が本稿
におけ る主 要 な 第一
資料
と して浮
び ヒっ て くる。
これらの 思 想 研 究は少なくとも囗本 撰 述の有 した難 点を認
め さ せ ない 。 第1
の経 録、
諸典
籍 を通 して 知.
[ら れ る成立、
変 遷につ い てで あ るが、 そのすべ てに信 を 置き難い に し て も、
日本浄
十 教に比 して豊 富で ある こ とを、 〈
資料
篇〉
「 第二章関 係 資 料 と 諸研 究」 で
認
め た で あろ う。更
に加 えて敦
煤 文献
の 写 経年
代の 記録
はそσ)数が 少ない に し て も わ れ わ れに確か な 手が か りを 与え て く れ る し、 日本
浄土教 典籍
の 引 文 も必要に応 じて参考
になる。 第2
の、
そ し て最 も 重要
な中国浄
ヒ教 史 上の位置づ け に関 して も、後
に知 ら れ る よ うにぐ 5[FI
本 浄 上教 に継 承 さ れ た〈
称 名念 仏〉
以外の 様々 な行 業がな さ れ たの で あ り、
そ う した中
国 浄十教の 多様 性 とい う特 徴の流れの中での、
しか も数 多 く創作
された疑経 典の中でも大 き な比 重 を 占め る浄土教 関係
疑経典こそ、
ま さし く研 究に値
する資 料と思われ るり以下の 研究 に おい ては
、
従 来の諸研 究を背 景 と しなが ら、
と く に中
国 撰 述浄
土教 関 係 疑 経典 に資料
を限 定 して 考究 して い くことに し、
その他の資 料につ い てぱ、
紙数の許 す 限 り、
関説す るこ とに したい 。 ト(1) (資 場E斗篇 > PP
.
114−
1・
{6.
1:21b
藤田宏 達 『原始浄土,
1昌想の研 究 』 pp.
287以下、432
∫:).
ド。 〔3− ::鮮.
備 (PP.
116−
117)〉で は、
「 陀隣 尼鉢 経』 東 晋 曇無蘭 「阿 弥 陀、
(大 [E21 ・
865r卜)『 東方 最勝 燈王如 来絳』 隋 闇君
1
;崛多等「
II
』
露光」(大iR21・
868中 ) 『Hphags
−
pa rig−
sfi・9・−
kyi ・gy・1−
me ・g・・ n−
m ・ m ・h・9−
gi 9・・hs
』 「り
・d−dpag−
m・d
〆The
Tib・ … T・i−
pitaka
,
Peking Ed.
Vo1.
7,
p.
162−
2−
5) を指 摘した、
、
その他の事例 と し(
、
AmitEyus (
Sadd
}1armapundarika , ed.
H.
Kern and B.
Nan亅io,
p.
1&1 e.
13)の 訳例 厂法華糸恥 姚秦 鳴摩羅1
十「 β可弓尓阡三3 〔:大11:9
・
25ド) と 「 仏 名S.
f.
』 ラ亡委鬼菩 手是1
充 芝 「甘 露儲
ズ
fl (大il
:14 ・179
ド)『 称揚 諸 仏 功徳経」 元 魏 吉 迦 夜〔?〕
「 無 量 光
一
(大正14・
95下〕 と 「 仏名絳』「甘 露 光。 (
.
大「E14
・
141中 )な ど を 最 近 (「 菩 提 流 支訳 「 仏 名経Ja )構成にっ いて / 「
1
印仏 研』第24巻 第1号)発 表 し た。
藤田宏 違博
1
二は、
“
阿 弓尓陀仏 を 「甘 露 大 明 王1 とか 「金 剛1
[髴 身」 とか名づ け る 例 も認 め ら れ る が、 ……。
後 世の陀羅 尼 経 典 特 有の解釈 〔藤田博十
、
前掲 淋 p.
301)”
と さ れ るが、
上 述の事例は そ の傾向の年代を6
世 紀 まで遡る こ とを示 してい る、
、
ゆしか しなが ら
、
こ れ ら の難 点 を 有 す る と して も、
こう した 疑経典 が存在 したことは興 味あ る問題であ る, 中国撰述 疑 経 典 と は ま た趣 を異に し たこれらの資 櫓にっ い ては 別に考察し た
、
、
「日本撰述 浄 土 教 関 係 疑 絳 典の諸思想」〔宵門紹 欽編 「日本仏教の社 会 的機 能に関す る基 礎的 研 究』所 収 )
。
〔5:1 第 四章第二節参照。第
三章
成 立
・
写経
年
代
第一節
疑経典
の成 立・
写 経年
代 概 観前
章
ま でにおい て、
資 料の整理 とその性格
が明 らかに さ れた と思わ れ るが、
そ れで はこ う した浄 土 教 関 係 疑 経 典 は 何時頃
成 立 し、
信 仰の対象
と なっ たので あ ろ うか。 わ れわれ はこれらの成 立・
流 行の時
代 を 探 る前に、
まず疑
経 典 全 体につ い て概略
知 っ てお かね ば な ら ない.
a
]そこ で第
一
の 資料
と し て挙 げ られ るのは、
諸 経 録の疑 経 典に関す る 記載で あ る。 従 来の経 録 研 究 に倣っ て、
まず
諸 経 録にお け る疑 経 典の部数 を調べ ると以 下の通 りで あ る [ζ
「
新 集 安 全丶疑 糸垂衾乗」(F
, L呂
三』
巻∫亡)26
音匹30
巻『
出 三 蔵 記 集』巻
五「
新 集 疑 経偽
撰雑録」20
部26
巻『法 経録
』
巻二、
四、
五「
大剰 彦 多羅 蔵 録 :衆経 疑惑21
部30
巻、
衆 経 偽 妄80
部217
巻」 「
小乗 !l參多 羅 蔵 録 :衆
経 疑 惑2
賠 [;31
巻、衆
経偽 妄53
部93
巻」「
大 乗毘
尼蔵 録 :衆 律 疑 惑1
部2
巻、
衆 律 偽 妄2
部11
巻 」レ」・
乗 毘 尼 蔵 録 :衆律
疑 惑2
部3
巻、衆
律 偽 妄3
部3
巻」
「大 乗 阿 毘 曇 蔵 録 :衆 論 疑 惑1
部1
巻、
衆論偽 妄1
部1
巻 」F
・亅・乗阿 毘 曇 蔵 録 :衆
論 疑惑1
部1
巻、
衆論偽 妄2
部10
巻 」合
言1
’196
霞「S383
巻『
仁 寿 録 』巻四「
疑 偽 」209
部491
巻r
静 泰 鋪 巻四「
衆
経 疑 惑 」29
部31
巻、
「衆経疑 妄」53
部93
巻舗
1
.
82
部124
巻『
μヨ典録 』巻…
一
〇「
歴f
℃li
斤呂jl
疑f
為経 言侖釜景」
183
音凶334巻『武 周 録
』
巻
一
五@
「偽糸呈巨ヨ衾求」
228
“i
[1419
1
開 元 録』
巻一
八閏ll
録 中 疑 惑 再詳
録」14
部19
巻
、「男II
録 中 偽 妄 乱 真録」392ttB
1055
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合計40
浄土教 関 係 疑 経 典の研究 (二)