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札幌大谷短期大学紀要09号 柴田 泰「浄土教関係疑経典の研究(二)」

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(1)

75

疑 経 典

研 究

 

目  問 題 の 所 在 〈資 料 篇 〉

…・

……・

……・

…一一 ・

…………

前号 く研 究 篇 〉 第

章   資 料の整理

……・

……・

………・

…・

  75  第

節 資 料 〈

覧 表〉

………

75  第 二節 出典 別特 徴並 びに補 遺

……・

…・

……・

 80 第二 章   資料の取扱い (研究方 法)

…・

…・

…・

……

84 第 三章  成 立

写経年 代

………・

…・

 86  第

節 疑経典の成立

写 経年代概 観

…・

……・86

 

第二節

 

浄土 教 関 係 疑 経 典の成 立

写 経 年 代

… 90

    系吉

   

96

次 第四 章 思 想 形 態

………・

…・

…・

……・98

 第

節 浄土 教 関 係 経 論の思想 形 態 概 観

……… 98

 第二節 中 国浄十教の 思想膨態概観

………・

102  第 三 節 疑経典の思想形 態概 観

一………・

…・

106 第 四 節 浄上 教 関 係 疑 経 典の思想 形 態

…………

108   第

項  〈

覧 表 〉よ りみた 全体的特 徴

………

108   第二 項   各 疑経 典の浄土思 想

…………・

……・

113   第三 項 疑 経 典 独 自の浄 土 思 想

…・

…………

120 要    糸吉

一…

 

一・

 

一卩

一一・

 

一・

 

一・

冖…・

126 系吉   論

 

一・

−J・

 

 

…・

127

 

〈資

篇〉

にお い て は

今日予 想されう る浄

ll

教に関 係 する広 義の疑 経 典につ い て

大 正 蔵 経

続 蔵 経

、敦

煌 文

な どの 中か ら検 索 し

その

々 につ い て 従

研 究に導 びか れ なが ら可 能 なか ぎ り考 証し た。

 

研 究 篇

におい て は

〈資

篇 〉におい

っ た疑 経 典 を基 礎 資

と して

それ らの成 立

思 想

変 遷 などを

考察

するこ とによ り

浄 土 教 関

疑 経 典に関 する諸 様 相

ひい て は浄 土 教に関 する

たな

さ れ た実

を 明 らかに し考 究す ること

意 図 し たい

資 料

 

資 料 〈

 

〈資 料篇 〉 に おい

っ た浄

i

:教 関 係 疑 経 典 を前 に して

わ れ われが最 初になさ ねばな ら ない 作 業 して は

、後

の諸研 究の遂 行 を容 易にす る た めに

、 〈

資 料 篇

におい て可能 なか ぎ り考 証 し た疑 経 典 を 逆に総

し整 理 することで あり

併せ て

篇〉

におい ては紙 数の 制限に より論 及 で き な かっ た

一 、

二 の 問 題 につ いて補足 する こ と で あ ろ う

 

本節におい て は

〈資 料

あ ま も細く なり す ぎ た

教 関 係 疑 経 典

的 全体的性 格 を 11月 らか にするた めに

その 要点 を 〈

として 再構 成し よ うfi

資 料 篇 〉で 取扱っ た経 典

仏 名

・国

関 係 用 語

典 拠 を従形 式[11 に倣っ て挙 げる と 以下の通 りで ある

(2)

典 〈

〉 経 典      名 仏名

仏匡

1

土名 など 出 典 個 所   浄土思想と見做さ れ た真 経     原 語の異な る経典 大乗無 量寿宗要経 大乗 無 量寿経  法 成 (?) 成就 妙 法蓮 華 経王愉伽観智儀 軌  唐不 空 大乗 聖 無鼠寿 決 定 光明 王 如来

5

Eme

尼絳  宋 法天 無 量寿 大智陀羅 尼  宋法 賢

   

原 語の疑 わ しい経典 菩薩道樹絳

 

(私 呵 昧 経 }

 

呉 芝謙 陀隣尼 鉢 経

 

東 晋 曇 無蘭 菩薩蔵経 梁 僧 伽 婆 羅 最勝仏頂 陀 羅尼 浄除業

F

章呪 経  唐 地 婆 訶 羅 無量 寿仏化 身大

忿

迅 倶摩 羅金 剛 念誦 諭伽儀軌 法   唐 金 剛 智 観 臼在 如 意輪 菩 薩諭 伽 法要  唐 金 剛 智 百 千 頚大集 経 地蔵 菩 薩 請問 法身讃 唐 不 空 蓮 華部心念誦 儀 軌       浄土思想 と解 釈さ れ た経 典 木櫞子経

 

失 訳 入 今 附東 晋 録 文殊師利所 説摩訶 般若 波羅蜜経

 

梁 曼陀羅 仙 大集経 凵蔵 分

 

隋 那 連 提 耶舎

    

中国撰述浄土 教関係 疑経典       現存 疑経典    

1

浄 土 思 想 を 主 要 と した 経 典 山海 慧菩薩 経 (阿 弥 陀 仏 党 諸 大衆観 身 経 )

1

彳主生 奉釜

 

〔十 往生

F

可弓尓陀

f

ム国糸釜} 阿弥陀 仏説呪 無 量寿イム訪訴主貿ぜ争ヒ1呪 念 仏 超 脱 輪 迥 捷 径 経 極楽願文

 

達 喇 嚇咥ト楚薩木 丹 達 爾 吉 訳

  

2 ,一

部に浄土 思 想の認め られ る 疑 経典 潅r貞百結 神王護身 呪経

 

確 頂 経 巻 四 )

 

東晋 無 景寿 無 量寿 無 量 寿 無量寿 阿波哩弥多喩 安 隠国   寿無極法 王 阿 弥陀法

濫 西方跋 陀 羅 世 界

於 彼 有 仏 名 無辺光1「

P

可il蜜i嘱 多 西 方念誦法 帰 命 無 吊 寿 無量 光 無 景寿 無 量寿 称 仏 陀 達摩僧伽 名 繋

一・

 

L

亨示尓名等: 、 至心 念 仏 阿 弥 陀 阿弥 陀

極楽 阿弭多婆 弥陀 無量寿 匡可弓尓 多婆 阿 弥 陀 阿 弥陀 無 量寿

B

尓陀

阿 弥 陀

極楽 往 生西方

S .

2078etc.

230S・

IS

 

P.

29

i

散 18 部 大

1

9

・82

上 以 下 大 己

a9

596

中 大 【

E19

・85

ヒ以下 大IE21

・907

ill14

・813

ヒ 大 IE21 

865 中 大

iE24

1087

1

大正

19 ・359

中 」 大百モ

21

 

1301;L)

下 人こil120

・214

ド ノくIR13

792

ド 大汗

118

・322

中 大[

El7

・726E

大 ill8

・731

上 中 大1E13

・285

大 正

85 ・1405

上 凵「続

1

 

・87 ・

 

4

大 正

12 ・352

上中 大正

12 ・348

中 $続

1 ・87 ・4

大 正19

・80

中以下 大 正

21 ・

507下

(3)

i

:教 関 係 疑経 典の研 究 潅項 随 願 往生 卜方浄土 経  (潅頂経 巻 十

普 広経

潅 頂 抜 除 過 罪 生 死 得 度 経  (潅 頂 経 巻十

潅 頂章 句抜除 過 罪 得 度 経) 観世音三昧経 護身 命経  (救護 身命 経 済人疾病苦 厄 ) 救疾 経 観  経 普 賢 菩薩説 証 明 経 太

r

讃 大通 方広 懺悔 滅罪荘厳 成仏 経 現 在 十 方 千五 百 仏 名並雑仏 同 号 仏名蒲〜 (三 卜巻 本 ) 究竟 大悲経 高王観 世音 経 続 命経 無量大慈 教 経 大仏頂如 来密因修 証 了 義 諸菩薩万 行 首樗厳経  唐般 刺 蜜帝 三 厨 経

 

西 国 婆羅門達 多 羅及闇那 崛 多 等奉詔訳 勧善経 新菩薩 経 地 蔵 菩薩経 救 苦観 世 音 経        (二) 阿 弥 陀 無 量 寿 阿 弥 陀 無 量寿 無 量 寿 無量 寿 無 量寿 阿弥 陀 阿弥 陀 無量 寿 弥陀 阿弥 陀 無量寿 無

光 *「 無量寿経』 過去仏

十二光 仏

十三 仏 無吊寿 阿 弥陀 * 六 方 三 卜八 仏

出阿 弥 陀 讃

切諸仏所 持之 法経 * 無量寿経』 尊 者

過 去仏

十二光仏

二 仏 安楽 (

P

可)弥

5

它 阿 弥 陀 極楽 陣∫弓尓陀 楽生西方国 無 量 光

超冂月光 弥 陀 阿弥陀婆 無 量寿 阿 弥 陀 無 量寿 阿 弥 陀 阿 弥 陀 極楽 無量 寿 願 往生 大⊥

E21

529

下 大[

E21

・533

中下 京都 博物 館蔵 守 屋本 大正

85 ・

1326

ヒ 大 正

85

1362

下 大正

85 ・1461

下 人正

85 ・1363

1365

13681

S .2204

大正

85 ・1341

1342

1343

、1350

1354

下 大

rF85

・1447

〜1448

中 大iEl4

・239

243

、244

258

「1

、271

大正

85 ・1372

上 大IE85

・1425

大 正

85 ・1405

S .6961

大正

19 ・128−

L4

 133

134

、139

中 大

rE85

・1413

、1414L

大 正

85 ・

1462上 大

rE85・1462

上中 大∫

E85

・1455

S .4456

77

(4)

大 方広 仏華厳経 普 賢菩 薩行 願 王 品 普 賢菩 薩行願

E

経 青頸観 臼在菩薩心陀羅尼 経

 

唐 不空注 金剛 頂 経愉 伽 観目在王 如来

fl

參行 法

 

唐 金 剛智 大 乗愉伽金 剛 性 海 曼殊室 利千 臂 千鉢 大 教 王 経 唐 不空 観

tLl

:音不 空 羂索王 心 神咒功徳 法 門 名不空 成就法 北 方大 聖眦 沙 門 天 王 経 大仏頂 如来頂 髻 臼 著 陀 羅 尼 神 咒 経 消 宍除 横 潅頂 延 命 真 言 経 相 好 経      古 佚 経 善 王皇帝尊 経 惟務 三昧経 目 連所 間経 善 信磨祝 経 須弥 四域経 須弥像 図山怒

卜二遊経 空行 モ昧経

f

憂上

E

f

ム形

f

絹… 弓尓筆力戸斤問辛条 阿弥 陀 弥陀 極楽 阿 弥陀 弥陀 極楽 無量 寿 観臼 在 王 阿密喋覩 無 量 光 観目在王 無量 寿 極楽 弥 陀 阿弥陀 極楽 陣∫弓尓

1

阿 弥陀 阿 弥陀 婆 阿弥 陀 極楽 極 楽 阿 弥 陀 阿 弥 陀 念 仏 修戒 無 量寿 西 方 安隠清 浄 法国 阿 弥陀 阿 弥陀 阿 弥 陀 阿 弥陀 弥陀 無量寿 阿弥陀 安 楽 十 念 大 正

85

1455

上 中 大1F

 

85 ・1453

一1454.

卜 大 正

20

490

中 大

E19

・75

76

、77

ヒ 大」

E2

〔〕

726上

、735

、741

742

上中下

S .

232

S .5560

S

4637

S .2037、2095

S .22.4678

安 楽 集 』巻 下 (大「

E47

20

中 ) 『 』巻 下 (大 正

47 ・

16

「 安楽 集』巻上 (大正

47・

14

上 ) 「 経 律異 相』巻 三十八(大正

53 ・

205

卜:

〜.

ド) 「 安 楽集[巻 下(大正

47 ・

18

「 弁【

E

論』

ts

 

ti

(大 正

52

521

中 ) 「 弁1巨論』巻 五 (大

IE52・

521

中 ) 1 法苑 珠 林

ilU#1

大正

53・

369

下) 駈 諸経 要集』巻 八(大 正

54 ・76

中 ) 「法 苑 珠 』巻 三十三(大

iF

 

53

540

「) 「 遊心安楽道』元暁 撰 (大 正47

114

ド〉

(5)

      浄十 教 開係疑 経典の研 究 (二 )       経 録に 依 る経典

轄鸞

方 経

     

l

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

I

     浄 土経典 と見做 され た疑経典 浄度 三 昧 経

      

* 受持斎 戒

善神 護 念 占察 善悪 業報 経

 

菩提 登 訳

         

仏之 名字

専 意誦念 預修 十王生七 経

 

閻羅王 授 記

四衆 遡r參生 七

 

* 念 阿弥陀 仏 斎 功徳 往 生 浄十経

十 王 生 七 経

守護国 界経

      

念 仏持戒        日本撰述浄土 教 関 係疑 経 典 観世 音菩薩 往生本縁経 土本 縁経

 

失 訳 入今

F

付西 晋録 九品往生 阿弥陀三摩 地 集 陀羅尼 経

往生浄土 縁 経、 浄 無 量 寿 如来 至真等 正 覚 経

 

東 晋 法 力 唐 不空 無 量 寿 仏名 号利益 大 事因縁経

 

曹魏康僧鎧 阿 弥 陀仏根本 秘密 神呪経

 

曹魏 菩提 流支 阿弥 陀三昧海経

 

宋 元嘉中薑良耶舎 地蔵 菩 薩発 心 因 縁

i

王 経

発心因 縁十王 経

地 蔵十 王 経

妙 法蓮華三昧 秘 密三 摩耶経

 

不 空 訳 馬 鳴 菩薩成 就悉地 念 誦

 

不空訳

離 業

大梵天 王 問仏決 疑 経

 一一

巻 因 果 得 道 経 浄⊥阿 弥 陀 経 極 楽 阿弥陀 阿 弥陀 無 量 寿 九 品浄土 十二光 仏 無 量寿 阿弥 陀 安楽 極 楽 * 高 声念仏 無 量寿 不匚亅

r

思 議光 清浄安楽 *『

P

可弓尓β它糸釜』 *『

切業障 根 本往生  極 楽 浄 土神呪』 阿 弥 陀 弥陀 無 量寿 阿弥 陀 弥 陀 極 楽 阿 弓尓陀 本 願 力 無量 寿 極 楽 善導 弥 陀 出三蔵 記 集巻四       ク 卍続

1 ・87 ・4

S

4546

5960、2301

大 正

17 ・908

〜909

上 卍 続

2

23

・4

邦 文類』巻

(大正

47 ・161

上) 卍 続

1 ・87 ・4

竜谷大学 図 書館 蔵 竜谷 大 学 図 書館蔵 卍続

1 ・1 ・4

卍 続

1 ・3 ・5

竜谷大学 図 書館蔵 卍 続

2

・4

卍続

1 ・3 ・

5 卍続

1

・3 ・5

卍 続 ユ

・87 ・4

79

『 浄± 宗 要集』第

見 聞 第

一 

良 栄 述 (『 浄全』巻 十

一、

p

222

) 『 西鋤

(6)

四 十 八 願 阿弥 陀経

 

阿地 盟多

       

『長 西 録』 無 量 寿

又 経〕浄

i

二阿 弓尓陀 経

       

『長西録』

 

すでに しばしば 指摘 した よ うに

、今

日浄

ト:思想に言 及 する絳 論 を

羅 し たもの が藤田宏

1

一・

覧 表〉で あ る と した ら、 そこ に本 表

加 え ることによっ て

と くに中 国

十教 を研 究す る場 合 の

訳 浄

L

教 関 係 経 論がことご とく収め ら れ たことに なるであ ろ う。

 

問 題 の所 在に おいて述べ 最 初意 図

す なわち

土教に関 係する疑 経 典のすべ

上 げ る とう第

の 主 題はこ れ でなし終っ た といえ るで あ ろ う。 51  殺 口欠慶青IF圭

{: 

 

4T

言尺i: 争

ヒ糸義置侖夛芝…〔 『

li

口!lj尓障ピ

f

ム〔り掃「究

Fl 

I

ir

隶五

 pP

449

474 〕 てtt:よ

  

綿

・・

寿

 

・一

騰 戴

黜 脇

・≡ 類 と

 

1

i1宏 〕」

1

博 十

ヒ思想に言及す る経1}1倫丸

一・

覧表、

 

〔:『 暦1始 浄

1

:思想の 研究rpp

 136

64

} で は

  

経 名

1

う乏

緇 パ 仏名

i:

 の ll:式 でわ き

〈資料 篇>pp

110

111参 照

  

本表 が それ ら と異 なる

L

1

疑 経 典 とい う性格

E、

 

『 説 林』

 

異 本

サ ン ス ク リッ ト本

ベ ッ ト訳 との

1

f

系は 勲 齢 劾

轟峨 酬

1

{序が

応の 服 ・ ら 挙 げが 査 随 こ と: 

Ei

二trでは一 鮮   で取

 

た経典の索引の 意 昧 も含めて 記 述の順序に従

っ τ列挙 した

ま た従 来の形 式で は

仏 名

仏「

1

:名

関 係 用 語は

 

独 立の項 目で 表 わ さ れていた が

本 表では

項に含め て 〉 ドげた

その 理 ihにつ い て は第 四 章 第 四節 第二項lpp

116

  120)で;涼解される で あ ろ )

第二

 

出典 別

特徴

並 びに補 遺

 

節で は

資料

篇〉か 前 節

一一

表 〉 ま での 資 料の検

索 ・

分 類

考証

整理 の過 程で 見

ぐ資 料篇:〉 に おい て

指摘

で きなかっ た二

三の 問 題につ い て 考え て み る

 

その第

は、

 

ぐ資

料篇〉

の 最 初に取 上 げた関

資 料 の 中で も

に問題と し

そのすべ

負 うてい る大 正 蔵 経

、続

蔵 経

敦 膜 文 献 などの

典別整理 とその

特徴

で ある

そこでそれを容 易に知 る た めに

典別総 数 を図 式 化 する と次のよ うになる で あ ろう。

       

浄 土 教 関 係 疑

典 出 典 別

21 ※真 経    原 語の異 なる経 典    原 語の疑 わ しい経 典    浄十思想 と解 釈 された経 典 疑経 典   中国 撰 述     現 存 疑 経 典      浄上思 想を主 要 と した疑 経典

浄 ⊥ 思の認められる疑 経 興 古 佚 経 糸釜金隶に よ る経 典 浄 十経 典 と 見做さ れ た疑 経 典 日本撰 述  現存疑 経 典   古 佚 経  経 畫隶に よ る疑 経

典 rD83

632

由 1025m

1013

大 正蔵経 1続 蔵 経 1敦煌文献

1

そ の 他    

2

        2       

2

   

71

 

21

 221  

2

1  

2

ワ ‘ 1

1

3

(7)

浄上 教 関係疑 経 典の研究 (二 )

81

 

本 表の 大 まかな

特徴 を

内容 を勘案

して

摘 す る と

ず 、

大 止 蔵 経 に

め ら れ た疑 経 典にっ い では

に 日本撰述 に属 する経 典が 無い とい 点が挙 げ られ る

第二 に 「潅 頂 百 結 神王護

呪 経」

 

『仏

経』 三十 巻 などの よ うに浄 ヒ思 想に関しては附 加

改変 的 な 傾 向が認め ら れ る。 第三 に

その

教 経 典 をみ る と

浄 ヒ思 想と !L[做さ れ た経 典の性 格が強 く こ の こ と は

浄一

Ll

思想と見做 された

で は比 較 的 多い密 教 経 典 共 通

格 を

有 すが 知られ

こ れ らの特徴か ら帰 着 すること は、 全くの

経、 或い は疑 経 的 要

が少 ない とい う点で あ り

今日 わ れ わ れ が用い る 最 も 権 威 ある大 正

経で あっ て みれ ば 当 然の こ と とい え よ う

 

続 蔵 経 所 収の疑 経 典につ いて は

まず 筑

に日

撰 述の もの が非 常に 多い こ と が注 意 き れ る

 

Il

経 所 収の 日

撰 述 疑経

が皆 無であ るこ とか らの当 然の特

で あ る が

こ の こ と は 図 表 を縦に比較し た続 蔵 経 所 収の割 り

い で そ うで ある と 同

、横

に比 較 し た 日本 撰 述 現 存 疑 経

場 合

では

当然の こと ながらその 他に

め た竜 谷 人 学 図 書 館 蔵の 三経を除 い て

すべ

蔵 経 依 存 し て い る。 し かも それ ら 日 本 撰 述 浄 土 教 関

疑 経

特徴

と し て は

土 思 想

i

と し て

成 された 疑 経 典が 多い こ と で あ り

他の疑 経 典 も含め て思 想 的には

読 し て

浄一

LFI

部 経

の影 響 が 顕 著で あ る。 これ らの思 想的特

にっ い て は 別 に指 摘されるであろ う

第二 に数 少ない 巾 国 撰 述 と思われ る疑 経典につ いて は、

 

『 念 仏 超 脱 輪 迥捷 径 経』 を 「

舒 浄土 文』 の

念 誦 法の別 行 経 と し て

外す れば、 他はい

れも敦 煌 写 経と密 接な係わ りを 有 してい る。 そ の

の 『

往 生経』

 

度 三 昧 経』 な どにっ い て はすで に 研空 がな さ れ てい る

1

それ らは敦 煌文

との

研 究に より

疑 経 典 の流

変 遷 を

え る上で 重要 な 資 料 となる で あ ろう。

 

煌 文献 にっ い て

えば

現 存 疑 経 典 の うちで その 部 に浄 +思 想の 認め ら れる経 典が圧

的 に に続 蔵 経 所 収 の

関係写 経 を

含め る と

L

教 関 係 疑 経 典の資 料 と して は不 可

存 在

で ある こ と が知 ら れ る。 とくに そ れ らの 多く は従 来の

土教の 研究に おい て は それ程 論及さ れてい なか っ たのであ り

これ らの鰥 明は 中国

二教につ い て新た な諸 様 相 を提 示 し て れ る ろ う 。 敦 煌 文 献に は未 だ 多 くの査 定 出 来 ない 不 明断 片が あ り

稿

でも浄 十思 想に言 及 す る大 疋蔵 未

経 の数 点 を 指 摘 し た が

浄 土 教に 関係 する

祈 禧 文の研

:7〕

含め て なお残 され た課 題は多い。

 

ヒが資

典 別 整 理 とそ の大 ま な特徴で あ る

 

第二 に指

す る問題は

 

料篇

〉で取 ヒげた以 外の

、本稿

で は意 図 的に削

した

典 につ い て で ある。 そ れ らは浄 ヒ思 想 と ま ぎらわ しい 訳語

浄土教 徒 に依)

H

され た が 明確 な

典 個 所がさ れ ない 典 な ど、 すでに註 な どで指 摘 し た経 典 も含 まれる もと よりこ う した経 典 をわ ざわ ざ取 上 げ る 必要も ないであ ろう が

、本稿

で取上 げた経 典の

に も訂正

、補

訂 を要す る経典が あると した ら、 同 様に なお新た に加え るべ 経 典 も

r

る わ け であ り

も今

と してし て おこ う。

 

仏 性

慧 解 脱破心相経』

  

「 安 楽 国1

大IE85

・1400

1

 

匠 仏 為心」三

菩薩

説 投 陀 経』

  

「 世有 極 楽 1

 

〔大[

E85

403 中)

 

喩 経」

  

「 専 意 念 仏 持 戒 焼

 

『安楽 集』 巻

rE47

16

 

h

 

菴 羅 経』

 

『弘 猛 海

経』

 

『地 蔵 十 輪経』

 

『華 手経』

(8)

な どがえられ よ う’

1

, また

木 稿におい て は

浄土教に関

する所 依の 経 典と い こと

自明の前 提 と して考え て き た が

逆に浄 土 教 を破 するため に経 典が

さ れ た

例も

意すべ き で あ る

竜雄氏の論 考 を通 して知 られる 「

リ オ

三 八 号残 缺 経 典 目録

llgF

に は

 

仏 蔵 経四巻

 

明破 西 方

Jlf

大 願処の絳 目

総 義が

解 題」 を 附して認め ら れ る とい う。 『 蔵 経』 三 巻 (羅 什 訳 )に は

fil

∫らの 問 題 も 無く

ヒ思 想に言及 されて い ない

し か し

こ うし た経 典が浄 土教批 判の依 り どころと して

わ れ てい る とい う事 例は

、浄

t

教の側に立っ て肯 定的資

の みを扱い

ま た

その よ うに解

し が ちなわ れ われに対 し て

中 国 仏 教全体 とい う大 局的視野 で

上教 関

経 典 をとらえてい かねば な ら ない ことを警 告 して い る

 

第 三は

、敦

煤文

検 索に おい て 見出 した何 点かの写 本の 問題が あ る。 その

浄 土 教 関 係 経 典

摘 出

の手がか り と し て

ス タイン に限 り

L

 

Giles

Descriptive

 

Cata

工ogue   of  the 

Chinese

Manuscripts

 

from

 

Tl

huang

 

in

 the 

British

 

Museum

 

London

 

1957

王 重民 『敦 煌 遺 書 総 日

引』 の題

不明の経 典につ いてすべ て に当っ たのである が

その際 浄 ヒ思 想 に

及 する題

不 明の

写 本 を逆に

〈 ・

i

と照合す るこ とに っ て何 点かの経 典が査定 で き るn こ1:

1

に本稿で も取

っ た疑 経 典 を

めて判日

H

し た敦 煌 写 経

土思 想に言及 す る出 典個 所 を 挙げ て おこ う。

 

SIO18

、4308、4559

無量

慈 教糸

 

  

Giles

 

N

(,

5479

5482

、5484、

 

Unidentified

 apc )crypha ] satras

   

「 敦 煤

害 総

R

引』

 

仏 経

、 :11:

 

S1

i87

普 賢 菩 薩 行 願 土 経l

  

Giles

 

No

4382 、

 

Unidentified

 

W

て}【

ks

 

Sfitras

 

S

 

1726

 

量 大 慈 孝震

   Giies.No .

4385 、

 

Unidentified

 

Works

 

S

[i tras

 

S226

〔〕「大 †賢斐言侖」 巻…

羅罫十詫艮 (ノ〈

d25

・134

中)

  

Giles

 

No

4395 、

 

Unidentified

 

W

()rks  

SOtras

 

S2758

 f

最 勝 王 糾 義 浄 訳 (大「

E16

・416

上)

  

Giles.

 

No

5229 、

 

Apocryphal

 

Sntl・

as

※ 「写 経 名

 

光明微妙経」

  S3432

1

−一一

面 神 咒

li 玄 奘 訳 (大 ll20

・152

中 〕

  

G

1es

 

No

4504

 

Uniderltified

 

Works

 

Dharal

τ

SUtras

 

S4156

無 垢 浄 光大 陀 羅尼 糾

』 弥 陀[」情111(大正

19 ・718

下〕

  

Giles

 

No

4508

 

Uniderltified

 

Works

 

Dh5ranr

 

Stittras

 

S4278

無 量 寿 経

』 1

’“/

F

.耶 舎 訳 〔大IEI2

345

中 以

首欠

ヒ生 者以降

 

尾ク

G

  

Giles.

 

No .

5159

 

Other

 

Uncanonical

 

Sittras.

※「写経 名観極

国」

二無 量 寿仏観

 

S4519

維 摩 詰 所 説 経

」 羅

f

卜訳 (大rE14

548

   

Giles

 

No .4452 、

 

Unidentified

 

Works

 

SOtras .

 

S4539

明 最

』 義

1

争訳

1

16 ・

416

   

Giles.

 

No .4454 、

 

Unidentified

 

WW,

orl 《s

 

SQtras .

 

S5768

r

千 眼 観

1

日:音 菩 薩 広 大 円 満 無礙大

心陀 羅尼 経』 伽 梵 達 摩 訳 〔大正

20 ・

107

(9)

浄十:教 関 係 疑経 典の研究 (二〕

83

   

敦煌遺

書 総 目

引』

 

「大 悲 神 咒」

 

など が そ う で あ る。 これ ら はその令体か らみ れ ば極めて数が少 ない が

その

に は

葉 数 行の 断 片 (た と え ば 『

普賢

行 願 王 経 s

)、

大部 な経 典 (た とえば 『 大

度 論』 など)の たっ た

個所

fl

を 手が かり と して その

本 が判明 す るの で あ り

余 程

著 名

な経 論

を除

て 査 き ない 不明断 片に対 して確 実な手が かり

を与

えて く れ る。 浄土思 想に言 及 す る 関 係 経 論の 多い こ と は

そ れだけ に その

全 な

覧 表

成 がこ うし た点でも

助の 役

割 を

有し てい る とい え よう。

 

次 に

王 重 民 『敦 煤 遺 書総 目 索

s で は経 題の 欠け て い る写 本には 「仏 経」

経題 が記さ れ てい る場

には その「

E

にか か わ らず その ま ま挙げ られてい る。 従っ て わ れ わ れ はその

々 を確 認 して 用い け れ ば非 常 な誤 り を 犯 すこと になる が

とくに

「三 部 経

に関して

づ い た何 点か

を指

して おこ う1

  

『 仏 説無量

寿

経』

S290

、324 、1660

2372

、3913、4937

⇒ 『 大 乗無 量

寿宗

要経』

  

『 仏 経』

S927

4518

⇒ 「無 量

寿

  

『 仏 経』

S3478

⇒ 『無 量

寿

来会

 

願 文」

  

『 阿 弥 陀 経」 巻 ド

 

S5

〔〕

58

⇒ 「大 阿 弥 陀 経』

  

『 仏 経』

S1703 、1783、1950、

1956

2971

4193

、4404 匚

〉 『観 無 量

寿

経』

  

師 雑 抄』

S2544

Giles.

 

No

2421

 

Verso

1

) Amitayus

 

dhyEna

 sat

ra

 

L

西

⇒ 『

 

無 量 寿 経』

  

大 無

寿

経』

S3695

 

〉 『観無量

寿

経』

  

『 仏 経』

S4278

前出

  

『 イム糸築』

 S2171

 3027

 5337

) 『

P

可弓尓

K

EIIIf

 

※ 『金 光明経』

S2164

⇒ 「仏 名 経』

 

以上 が

煤ス タイン 本に お け る内 容の

明 した

写本、

訂 正

要 す目録

。 そ して こ の こと は

未 整理 の 部 分

多く 有 する厖 大な

煉 文献に関 して、 なお査 定 叮能 な 多 くの

写 本

在 を予

させる し

ま た凵録によっ て査 定された写

にも 多 く訂 正 を必 要と す る部 分

てい るこ とを

語っ てい る。

敦煌

文 献に関 しては

その歴 史 も浅 く

、未

だ 基 礎 的 資料研 究

地が 残 さ れ て お り、 かつ ての諸 先覚が そ う で あっ たよ うにその

つ に

気 よ く忍耐強 く当っ て

考証

し てい

に方 法がない の で あろ う。

 

以 上が ヒ教 関

疑経典の検

索、

分 類

証、

そし て整理 の過 程に おい て認め た

土思 想に関

する諸 点で あ る。 CI〕  ぐ資粒卜篇 > pp

/00

− 102.

12

〕 本 表で の 〔

 

)内の数字は

 

大 通 方広 』 巻 上 敢 煌 本

巻 下

 

知 恩 院 蔵写 本

 

『浄 度

r

昧 経』 巻 第

続蔵経

 巻中

巻 ド敦焼 本によるc

  

ま た

前 出 〈

覧表 〉の出 典 個 所で大 正 蔵 経

続 蔵 経 と挙げ て もその原 本が敦蝗 文 献

1

と くに大正蔵経 第八 卜五

 

巻 所 収の敦 煌本)

その他の場合に は原 本に従っ たe 〔3巨 大臓 経〉 擲 ま でに珂帳 れ た糸椣 で 冂本 鮒 驪 典と し て取 上lt

t:もの に ・酬 1彳主妊 聯 集陀 羅麗 』

 

不 空 訳 (大正19

・79

一80

〈資 料篇>pp

 141

142 )があ る

しか しその 原イL長 谷 寺 蔵

あ り

本稿 で は 竜 谷 大学図書館 蔵本・ と したの で羈 侖は ない 筋 ろ う

な お当言躰 につ ・、 (鮮 L啼 亮 博 の 論 稿 (「 ・ 「轍

撤 の思想と)

tf

D

 1・依

た が

そ の後当 該 本 庵 谷 大学 図 誰 、。

241.

5

248

1

 N・

21

5

 

1 ・

37

1) を披見 した

高醗 た だ 嘗鋤 搬 岡 亮 「先 生に謝 意 鹸 す る

〔4!就 中

 

『 九品往生陀 羅 尼 経』 は 卍続 ユ

3

・3

に≠

収め られ てい る 前 註 〔3)参 照n

(10)

〔5}  第[と

q

≒彳

lfl

行艶丿

一・

∫虹参

ilC

〔6」 と えば

ll

嬲 

十往牛 経の 研 究」(1三 康 艾化 研 究 所年 報』 第

こ号 )

牧田諦亮 「

浄度 三昧 経 と その燉 煙木」  〔ロ仏 教 大 学研 究紀 要」 第37

S

) など

ll7]/ <資 料 篇 >pp

1

〔}

1.

102

イ<y第 四F;

1

節 第 pp

123

124

126

IKI

 

181 就 中

古 佚経

浄 ヒ思想と解釈さ れ た 経 典の削 除の理1‡1にっ いて :よ (資 料篇 >pp

102

104参照

(9〕 内 藤瓰姙 「 敦:L

Z/!ベ リ オ 本 三

1

i

八号残缺 粁 典目録につ いて

北 宋における浄

L、

禅 批 判 を含む

必献

1 〔『印

f

ム  研1 第17巻第1珪』)c た だ し

当該写本に つ い て は確 認 していない

    [

皐遺1穿享惹目索 り

1

堕 1:P

296

:: 

S 、

      3848 此,1是 劉 宋 時 衆経 別 録

    

毎経

U

F、

有 総 義

一・

謂明某 某

次 解題

較詳 盡

        帛急義 厂冂朱筆

 角輩題 用畏 筆

 唐

写:

 忘去

 

f

t   と角峯1説ゴ

1

窃 

M

ii  2

5 、

歴匿

8 、

1星浄

1 、

3 、

 6

 9

正辷

6 、13、

1

洞4

12

/9

 

以降の敦煌写経に対して 「敦煌 遣書総目索 引』 ではい ず れ も 「仏 経」 と して あるの で

一・

記 さ c と くに別 な  記述に限

って は 挙 げる こ と1:

する、t 働

 

ジャ イル ズの 目 録 ではお お む ね1下 しい 沓 定をし ており

こ こでは挙げない.

 

資料

研 究 方

 

におい て

、浄

L

教 関 係 疑 経 典の資 料に関 する

補 足すべ 諸 事 項 は な しおえた と思わ れ る

そこ で わ れ われは以 降に続 く第

二の課 題と して

とくに中 国

土教の分野 で は おそ ら く

つ の 特異 な様 相 をホ す で あ ろう思想 研 究に 立 ち入 らねば な ら ない

 

そこで本 章で は

ほぼ予

されう る

切の資

を 前

して

そこ に認め ら れ る思 想

態 な ど を 問 題 と す る場 合

どの資 料に

一番

の ウエ イ トを 置き

その

で も どの疑 経 典 を 主 要と す る か とい う諸 資 料の取 扱い

法の規 走につ い え て お こう。

 

本稿

におい て取

っ た諸 経 典は、 前 号

資 料 篇

「 第二章

 

L

教 関 係疑経 典の分 類

〔P におい て 大 別 したよ うに

 

 

浄 土 思 想と見做 さ れ た真経

 

第 :

中国撰

述 浄

1

::

関 係 疑 経 典

 

第 三

 

冂本 撰 述

土教 関 係 疑 経 典 に分け られ る。

 

就 中

、 第

「二思 想と 見做された経 典の 要 点と して は

従 来

訳 浄 土 経 論

或し 斗

思 想に言 及す る 関係 経 論〉 の概 念が

阿 弥 陀 仏

極 楽 など の用 語に言 及 する 経論

と考え ら れてい る ことに な お配 慮 しなけれ ば な ら ない余 地 を有 す る 点 で ある

その 第

1

は 訳 語の 問 題が あ る。 わ れ わ れ は 阿弥 陀、 極 楽の 原語 として

AmitEyus ,

 

AmitEbha

 

Sukh

訌vatr を 考 え ればよい が

12i

し か し その 訳 語がすべ

IE

しくなされ た と は限 らず

とくに仏 名 に関して は 「甘露」 と訳 され る

例 も あ る と い う点で あ る

ll

こ の こ と はイン ド浄 土 教の 関 係資料と して原 木の無い

訳経 典 を 取 扱 う場 合に も

厳 密に は考 慮 し なけ れ ば な ら ない こ とを 意昧 してい る

更に中 国以降に限っ てい えば、 逆に無 量 寿

無量 光 などの 訳 語はその 原語 が何で あれ

阿 弥 陀 仏と解 され る 可 能性の 強い こ と も前 岩 で具 体 的に 取 り上げた とお り で あ る。 第

2

た だ単 に阿弥 陀 仏

極楽の語 が認 め ら れ るだけ で浄ニヒ思 想と 見 做 すこ との 問 題で ある

とくに中 国 浄土教

に重 く用 い ら れた経 典と して は

浄十 教の主 要な要 因

(11)

Fl

教 関係 疑 経 典の研 究 (二〉

85

たる

往 生

念 仏

と関

する他 仏 浄 土へ の往 生

他の諸 仏に対 す る念 仏の思

t

,非 常に重 要 な 依り どころ と して係わっ て い る。 浄

1

:教 関 係経 典には

往牛 思想

念 仏 思想に 言及 す る 経典も 必要 となる で あろ う。 第

[/思 想と 見做さ れ た 経

典は

れ も そ うし た意 昧で は (止 しくは浄土 思 想の疑わ しい経 典 とい う意 味で

L

教に関 係 する経 典であ り

資 料 とし て はそ れ な りの摘 出 理

が 認め ら れ よ う。 し か し ながら

それ で はこ うし た経 典が思 想 研 究に おい て ff (くこ との で きない 資 料である か とい え ば

必 ず し ≠、その要はない 。

irll

故 な らこ れ らはすで に藤出宏 達 博士 によっ て

され た

土思 想に 言及 する経 論

の分 野に

まる性

の もので あ り

、真

経 に認め ら れる思 想研 究と して 別に考

せ ね ばな ら ない もの で あ ろ う

 

そこで 必然 的に わ れ わ れ が思

研 究 を

行 する場

礎 的 資 料 と なるσ)は

第二 の中 国 撰 述

ヒ教 関 係 疑 経 典

第 三の 冂本 撰 述 浄 土教 関 係 疑 経 典で あるこ と に帰 着す る。 し か しなが ら、 こ の場

t

巾国

撰 述 と 凵

本撰

述と で はその性

が著しく異 な り

同 等に

えない こ とに

易に気づ くで あ ろ う。 思 想研究とい う課 題 を前に して

わ れ わ れが常 識的 に

r

想す る内 容と して は

夫々 の疑 経 典が

頃 成立 し

どの ような 思想

説き

それ ら が どう伝え ら れ た か

とい 成立 年 代

態、流

布 変遷の 開 題である が

そ れ を 中

撰 述

日本撰 述に適 応 さ せて考えてみて も

明 ら かに

者は異 質の要 素 を 有 してい るこ とを 認め ぎる

得ない 。 まず 最 も重

な 思 想

形態

は、

経 典

有の 社

景 を考慮

しない で

そ れぞれの 諸 相 を

指摘

す る こ とに よ り譲

で きて も、 その成立、 変 遷に 少 な くとも目本撰 述 疑 経 典は大き な難 点

有してい る。 それ

考え る場

の決 め 手 とし て

わ れ わ れ は経

の 引 用宍苧によ ら ねばな ら ない が

それに は あ まりにも資

の乏しい こ とに

づ く であ ろ う。 加 之

最 も決 定 的 な違い は

浄 ヒ教史 上での疑経典が

め る比 重の問 題で あ る。 日本

土 教 を考え る場

、 上 代の

土教 を

く として (,

、鎌

倉 以 降の浄 土 教は浄

r

二宗

ヒ真 宗が圧

的 比 重

占め て今ロに至っ てい る

そうした中で創 作され

日 に残さ れ た

経 典の価 値は

そ れ な り に注 口に

す る に しで も

、社会

全体の

での 占 め る位

i

とし て は それ程 大 き く認め る こ と はで きな い で あ ろ う。 思 想 形

にっ い てい えば

その内 容に して も

託 さ れ た訳 者 をみ て も

、〈

L

三 部 経

の影 響 を受 けてい ることが

目瞭 然で あ る が

宗、浄

真宗

の 大きな流 れの

で は や は り 正

と な り 難い 点 で は 副 次的 資 料と見做さね ば ならない

 

そこで最

さ れ た中 国 撰 述 浄

ヒ教 関

疑 経 典 が

本稿

におけ る主 要 な 第

と して

び ヒっ て くる

これらの 思 想 研 究は少なくとも囗本 撰 述の有 した難 点

を認

め さ せ ない 。 第

1

の経 録

籍 を通 して 知

[ら れ る成立

変 遷につ い てで あ るが、 そのすべ てに信 を 置き難い に し て も

日本

十 教に比 して豊 富で ある こ とを

、 〈

「 第二章

 

関 係 資 料 と 諸研 究」 で

め た で あろ う。

に加 えて

煤 文

写 経

はそσ)数が 少ない に し て も わ れ わ れ な 手が か りを 与え て く れ る し、 日

浄土教 典

の 引 文 も必要に応 じて

参考

になる。 第

2

そ し て最 も 重

中国浄

ヒ教 史 上の位置づ け に関 して も、

に知 ら れ る よ うにぐ 5[

FI

本 浄 上教 に継 承 さ れ た

称 名念 仏

以外の 様々 な行 業がな さ れ たの で あ り

そ う した

国 浄十教の 多様 性 とい う特 徴の流れの中での

しか も数 多 く創

された疑経 典の中でも大 き な比 重 を 占め る浄土教 関

疑経典こそ

ま さし く研 究

する資 料と思われ るり

 

以下の 究 に おい

従 来の諸研 究を背 景 と しなが ら

と く に

国 撰 述

土教 関 係 疑 経典 に資

を限 定 して 考究 して い ことに し

その他の資 料につ い

紙数の許 す 限 り

関説す るこ とに したい        

(12)

(1) (資 場E斗篇 > PP

114−

1

{6

1

21b

宏 達

1研 究 』 pp

287以下

、432

∫:)

ド。 〔3− ::

PP

116

117)〉で は

 「 陀隣 尼鉢 経』 東 晋 曇無蘭 「阿 弥 陀

(大 [

E21 ・

865r卜)

 

『 東方 最勝 燈王如 来絳』 隋 闇君

1

;崛多等

 

II

露光」(大iR21

868中 ) 『

Hphags

pa rig

sfi・9・

kyi ・gy・1

me ・g・・ n

m ・ m ・h・9

gi 9・・

hs

』 「

d−dpag−

m・

d

The

 Tib・ … T・i

 pitaka

 Peking  Ed

 Vo1

7

 p

162

2

5)   を指 摘した

   その他の事例 と し(

 

AmitEyus (

Sadd

}1armapundarika  ed

 H

Kern and  B

Nan亅io

 p

1&1 e

13)の 訳例 厂法華糸恥 姚秦 鳴摩羅

1

 

「 β可弓尓阡三3 〔:大11:9

25ド) と 「 仏 名

S.

f.

』 ラ亡委鬼菩 手是

1

充 芝 「甘 露

fl (大

il

14 ・179

ド)

 

『 称揚 諸 仏 功徳経」 元 魏 吉 迦 夜〔?〕

 

「 無 量 光

(大正14

95下〕 と 「 仏名絳』

 

「甘 露 光。 (

大「

E14

141中 )

 

な ど を 最 近 (「 菩 提 流 支訳 「 仏 名経Ja )成にっ いて / 「

1

印仏 研』第24巻 第1号)発 表 し た

  

藤田宏 違博

1

二は

阿 弓尓陀仏 を 「甘 露 大 明 王1 とか 「金 剛

1

[髴 身」 とか名づ け る 例 も認 め ら れ る が

、 ……。

後 世

 

の陀羅 尼 経 典 特 有の解釈 〔藤田博十

前掲 淋 p

301)

と さ れ るが

上 述の事例は そ の傾向の年代を

6

世 紀 まで遡る   こ とを示 してい る

 

しか しなが ら

こ れ ら の難 点 を 有 す る と して も

こう した 疑経典 が存在 したことは興 味あ る問題であ る, 中国撰

 

述 疑 経 典 と は ま た趣 を異に し たこれらの資 櫓にっ い ては 別に考察し た

「日本撰述 浄 土 教 関 係 疑 絳 典の諸思想」〔宵

 

門紹 欽編 「日本仏教の社 会 的機 能に関す る基 礎的 研 究』所 収 )

〔5:1 第 四二節参照。

 

成 立

写経

第一節

 

疑経典

の成 立

写 経

代 概 観

 

ま でにおい て

資 料の整理 とその性

が明 らかに さ れた と思わ れ るが

そ れで はこ う した浄 土 教 関 係 疑 経 典 は 何

時頃

成 立 し

信 仰の

対象

と なっ たので あ ろ うか。 わ れわれ はこれらの成 立

行の

代 を 探 る前に

ず疑

経 典 全 体につ い て概

知 っ てお かね ば な ら ない

a

 

そこ で第

の 資

と し て挙 げ られ るのは

諸 経 録の疑 経 典に関す る 記載で あ る。 従 来の経 録 研 究 に倣っ て

諸 経 録にお け る疑 経 典の部数 を調べ ると以 下の通 りで あ る [

ζ

 

新 集 安 全丶疑 糸垂衾乗」(

F

, L

26

音匹

30

 

出 三 蔵 記 集

』巻

新 集 疑 経

雑録」20

26

 

『法 経録

巻二

大剰 彦 多羅 蔵 録 :衆経 疑惑

 

21

30

衆 経 偽 妄

 

80

217

」 「

小乗 !l參多 羅 蔵 録 :

経 疑 惑

 

2

賠 [;

31

巻、

経偽 妄

 

53

93

」「

大 乗

尼蔵 録 :衆 律 疑 惑

1

2

衆 律 偽 妄

2

11

巻 」レ」

乗 毘 尼 蔵 録 :衆

疑 惑

 

2

3

、衆

律 偽 妄

 

3

3

「大 乗 阿 毘 曇 蔵 録 :衆 論 疑 惑

1

1

衆論偽 妄

 

1

1

巻 」

F

阿 毘 曇 蔵 録 :

論 疑惑

 

1

1

衆論偽 妄

 

2

10

巻 」

1

’196

霞「

S383

 

仁 寿 録 』巻四

疑 偽 」

209

491

 

r

静 泰 鋪 巻四

経 疑 惑 」

29

31

「衆経疑 妄

」53

93

1

82

124

 

μヨ典録 』

 

巻…

 

 

f

li

斤呂

jl

f

為経 言侖釜景

 

183

音凶334巻

 

『武 周 録

 

 

@

「偽糸呈巨ヨ衾求

 

228

i

1419

 

1

開 元 録

ll

録 中 疑 惑 再

録」

14

19

、「男

II

録 中 偽 妄 乱 真録」

392ttB

 

1055

# .

k

合計

40

(13)

浄土教 関 係 疑 経 典の研究 (二)

87

1074

 

貞 元 録

巻二八 「別 録 中 疑 惑 再 詳 録 」

14

19

巻、

 

別録 中

偽妄

乱真 録

393

1491

 

407

1491

 

こ れによ る と

最初 期の

安 公

録」

から

 『

開 元

録』 『

貞 元 録

までの

300

有 余 年の 間に

400

部 に近い疑 経 典が 成立し たこ とになる。

に 経名の知 られない

、或

い は

れ た

経 典 を予 想 す れ ば膨 大 な数 量で あろ う。 しか し

当 然の こ と なが ら

わ れ わ れ は経 録に

さ れ た部 数

を鵜呑

み には で きない

に よっ て はそ れ 以 前の記

を その ま ま踏 襲 し た場 合があるし

失 訳 経

抄 経

経 或い は真 経との変

増 部 を 考

しなけ れ ばな らない ので あ り

3)こ れ らはあ くま でも

応の

安と して考えね ば な ら ない 。 そこ で こ う した難 点 を認めっ っ も更に

経 録における

初 出

の疑 経 典の部 数

を調

み よ 。 そ れによっ て わ れ われは

が 何

頃 盛 んに創

され たかを或 る

度 知るこ と が で きよ う。

道 安 録

『出 三 蔵 記 集 』

法 経

録 』

寿

静 泰 録

録 』

『武 周 録 』

開 元

録 』

26

20

144

27

部  

046

107

91

 3部

 

こ の

推移

をみ る と、 先の表がほぼ

次に増 大して い る

向に

し て

ま た異 なっ た

向に

づ く。 ま

疑経典の部 数が最 も 多 く記 録 さ れ た時 期 と して は

法 経 録

 

武 周 録

を頂 点とする

2

っ の 時 期

す な わ ち

594

年 と

695

年の

IOO

を 隔てた

2

つ の

期 が 判明する{

〕 そこに は

撰集 者

の査

の 精

粗、

数 部の

錯誤

が あっ た と して も、

600

ま でに成立 し た疑 経 典の グル

プと

700

年 を

心 と した グル

プの二っ を 考え ることが で き る で あろ う。

 

疑 経 典の成 立

代にっ いて

、諸

経 録か らの

向 を

っ た わ れ われ は

第二 に

佚 経

か らの成 立の上限並 びに

布 定

の状 況 を 考え て おこ う

これら の諸 経は

厳密

に は疑 経 典と言えない に して も

現 存 経 典 と はい じ る しく異 なっ た

訳経

さ れ

取意略

出の経 典

諸 経 録 未 載の経 典 が 多 い け で あり

更にそ う し た

に浄土 教 関 係 古 佚 経の

fl

」∫点かが認 めら れ る以 上

要 を

お かねばな らない で あろ う、

 

古 佚 経

に関 する総

的 成 果は

、昭和

十二

十三

とほぼ

期 を同 じくして

信 亨 ・常

盤 大 定 博 士によっ て発 表 され た(

9

) 望月 信

博士 は

とくに

古佚

経の 遺文 その もの に重 点 をお か れ

経 名

典 拠

摘 要

・『

出 三蔵 記 集

』・「

法 経録 』

開 元 録

次 第

238

異 経 及 疑 偽 経 表

と して

経 名

『出 三 蔵 記 集

』・『

法 経 録

』・『

開 元録

』・『

』・

(現存 典 拠

引 文

 

引 文の典 拠

の次第で敦 煌 本 を 含めて

385

経 を表 示 し総 説され てい る。 就

中、

引 証 する諸 典 籍 をみ る と

経 律 異相 』 『弘 明 集 」 「出 三 蔵 記 集

』『

安楽 集

」『

法苑 珠

林 』『

諸経 要 集 』 『梵 網 菩薩 戒 本 疏

』(

法蔵

な ど で あ り

ほぼ 初 唐まで の ものが 圧

的に多い 。 また、 大正蔵 経 第八

卜五 巻 所 収 を主 要 と す る

煌 本 につ いては

経 録 記 載

34

・未載20

部と経 録に記

さ れ た経 典が約

7

4

の比 率で多く、 経 録別 で

参照

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