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V i s u a l i z a t i o n  o f  Forced C o n v e c t i v e  B o i l i n g  o f  R e f r i g e r a n t  HCFC123  i n  a  M i n i ‑Tube 

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(1)

冷媒 HCFC123 の細管内強制対流沸騰の可視化 一核沸騰開始点近傍における二相流動様式の形成

村 田 圭 治 * 荒 賀 浩

一‑*

江 藤 剛 治 * ぺ 竹 原 幸 生 * *

V i s u a l i z a t i o n  o f  Forced C o n v e c t i v e  B o i l i n g  o f  R e f r i g e r a n t  HCFC123  i n  a  M i n i ‑Tube 

‑ Formation o f  Two‑phase Flow P a t t e r n  n e a r  t h e  Onset P o i n t  o f  b o i l i n g  ‑

K e i j i  MURATA ,  K o i c h i  ARAGA ,  T a k e h a r u  ETOH and K o h s e i  TAKEHARA 

百lIspaper presents visualization of boiling phenomena and fonnation of the two‑phase flow paemin a mini tube  which has a 0.30mm inner diameter. Test fluid is reigerantHCFC123. ITO film is  fonned by vapor deposition over the  outer surface of the glass tube. This film is仕 組sparentand electrically conductive. Re企igerantHCFC123 is  pumped  into the glassωbe in liquid phase; it  then is  boiled away by elecicalheating. Bubble fonnation and growth near the  onset point of nucleate boiling and the two‑phase flow paemin the low‑quality region is recorded via high‑speed video  camera (10,000 ‑50,000 fps). Appearance of bubble fonnation and growth in a mini‑tube depends on heat flux and  mass flux. For low heat flux, an isolated bubble grows to  occupy the whole tube cross section, and flows in  a fonn  resembling a bullet. Liquid film is not observed between this vapor bubble and the inner tube surface, and evaporation is  not so dominant. For high heat flux and low mass flux, bubbles grow to coalesce immediately into a long vapor plug;  and both nucleate boiling and evaporation omliquid film between the vapor plug and the inner tube surface remain  dominant. 

Keyword  Visualization, Forced convectiνe boiling, Nuc/eate boiling, Evaporation, Two‑phase jlow pattern, Mini‑tube, 

R ψ

igerant HCFC123, ITO film 

1 . 緒 言

近年,コンビュータチップの発熱密度の急激な上昇に伴 い、いわゆるミニチューブ、やマイクロチューブ内に冷媒を 流し、冷媒の蒸発潜熱で冷却するヒートシンクの研究開発 が進められている 1)2) 細管内の強制対流沸騰に関する基 礎実験は水や冷媒を中心に行われており、嶋田ら3)がFC72 を用いて熱伝達率の測定を行い、伝熱特性がマクロスケー

*近畿大学工業高等専門学校

総合システム工学科 機械システムコース

**近畿大学理工学部社会環境工学科

ルの場合と同様、核沸騰域、対流蒸発域、中間領域の3領 域に区別できることを示した。また、 Yen,T‑Hら4)は HCFC123とFC72の細管内強制対流沸騰における圧力損 失と熱伝達率を測定し、熱伝達は核沸騰が優勢で対流蒸発 の効果は小さいこと、圧力損失はマクロスケール管に対す る整理式と定性的には一致することなどを報告している。 一方、著者ら5)6)は、ステンレス製細管(管内径D=中O.51mm およびゆO.30mm)を流れる冷媒HCFC123を直接通電加熱 により沸騰蒸発させて熱伝達率を測定し、マクロスケーノレ 管やプール沸騰の熱伝達率と比較した。その結果、細管内 の熱伝達率はクオリティが小さい領域においてもプール 沸騰熱伝達率よりもかなり大きく、また全クオリティ領域

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1

(2)

で、質量流束の影響は明確で、はなかった。

ミニチューブやマイクロチューブ内の強制対流沸騰にお ける流動伝熱特性は、既存のマクロスケール管(内径6""'"' 20mm)における流動沸騰モテ、ルで、は予測で、きないことが 指摘されているが、熱伝達率が管径、質量流束、熱流束、

クオリティなどによってどのように変化するかといった 基本的特性についても未だ明らかではなく、統一された見 解は得られていない7)8)9)

本研究の目的は、細管内強制対流沸騰の伝熱特性を明らか にすることである。著者らは、環状流となる高クオリティ 領域を除き、核沸騰開始点近傍における蒸気生成がそれ以 降の流動様式や伝熱特性に影響する可能性があると考え、

まず細管内の沸騰開始点近傍における核沸騰現象および 低クオリティ領域において二相流動様式が形成されてい く様子を高速度カメラで記録したので、ここで紹介する。

2.

実験装置および実験方法

Fig.1に実験装置の概略フローを示す。詳細は前報 5)に も記述されているので、ここでは概要のみ述べる。実験装 置は無脈動ポンプl、フィルター2、継手3、前置蒸発用細 管4、試験用細管5、可視化用ガラス管6、凝縮器7、液溜 タンク8、過冷却器9、差圧伝送器10、圧力伝送器11、定 電圧電源12、冷媒供給タンク 13、高速度カメラ 14などか らなる。冷媒液 (HCFC123、沸点27.70C)は、無脈動ポン プ1によって液溜タンク 8から一定流量で供給され、圧 力・温度測定用継手3で温度と圧力を測定した後、前置蒸 発用細管4、試験用細管5に送られる。圧力損失や熱伝達 率の測定は、前置蒸発用細管4あるいは試験用細管5を直 接通電加熱して行うが、今回の可視化実験では、冷媒は前 置蒸発用細管4や試験用細管5で加熱されることなく、液 単 相 の ま ま ガ ラ ス 管 に 流 入 す る。ガ ラ ス 管 6は外径 中1.60mm、内径中0.30mm、長さ 80mmで、中央部50mmの 外表面にITO膜(indiumtin oxide film)が蒸着されている。 ITO膜は透明な導電性の膜で、これに直接通電して冷媒を 沸騰蒸発させ、沸騰開始点近傍における核沸騰現象、およ び低クオリティ領域において流動様式が形成されていく 様子を高速度カメラ 14で撮影した。撮影速度は、 10""'"' 50kfpsである。発生した冷媒蒸気は凝縮器7にて冷却され て全て凝縮し、液溜タンク 8に蓄えられる。前置蒸発用細 管4、試験用細管5、凝縮器7、液溜タンク 8、過冷却器9 は、それぞれセラミックファイパーで、断熱されている。実 験パラメータは、冷媒の質量流束Gと熱流束 qで、それ ぞれG=200,300kg/m2s、熱流束q=15,30kW/ m2である。ま た、冷媒液の流入温度はT=250C、圧力はP=125kPaであっ た。

1.  Liquid pump  3. P. T. measuring union  5. Test tube 

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7. Condenser  8.  Reservoir 

9. Subcooler  10. Pressure difIerence transmitter  11. Pressureansmitter 12. Constant voltage power supply  13. Liquid tank  14. High speed camera  15. Thermocouple  16. Pressure gauge 

Fig.1 Schematic diagram of experimental apparaS

3.

実験結果および考察

3.  1  沸腫開始点近傍における気泡の生成・成長 Fig.2は、沸騰開始点における単一の発泡点から気泡が 成長・離脱していく様子を撮影したもので、その静止画を 経過時間t(μs)とともに示しである。質量流東はG=300kg/ m2s、熱流束はq=15kW/m2である。冷媒は向かつて右から 左に流れている。画面右寄りに存在する一つの発泡点から 気泡が発生・成長し始め、約300μs後に発泡点から離脱、

約3,000μs後には流路断面全体を占めるようになる。気泡 離脱直径は、管内径やプール沸騰時の値(接触角を350と 仮定しFritzの式 10)で計算すると約0.7mmとなる。)に 比べかなり小さく、離脱後、一部伝熱面に接触して流れる が、主に界面からの蒸発でゆっくり成長している。気泡が 流路断面全体を占めるようになると、前面がやや尖り、後 面が扇平な弾丸のような形状の気泡となって流れ、蒸気プ ラグに成長していく。気泡の界面は非常に安定している。 気泡前面の前進速度は後面のそれよりもはるかに大きい。

流路断面全体を占めるようになった蒸気泡の側面と管内 面との聞に液膜は見られないことから、蒸気泡と管内壁と の接触面はドライアウトし、離脱後は気泡前方の気液界面

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(3)

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t=3500μs 

Fig.2 Growth and departure of a single vapor bubble in a mini‑ e(G=300kg/m2s, q=15kW/m2, 20kfps) 

からの蒸発が優勢であると思われる。したがって、主たる 伝熱機構は核沸騰であり、沸騰開始点の直ぐ下流において 熱伝達は悪化すると考えられる。なお、気泡の射出周期は、

約 11,000μsで、あった。

Fig.3は、沸騰開始点における単一の発泡点から気泡が 成長・離脱していく様子を撮影したもので、質量流束 G=200kg/ m2s、熱流東q=15kW/m2である。画面右寄りに 存在する一つの発泡点から気泡が発生・成長し始め、約 300μs後に発泡点から離脱し、約 1,000μs後には流路断面 全体を占めるようになる。気泡が発生・成長していく様子 はFig.2 (G=300kg/ m2s、q=15kW/m2) と同様であり、気 泡が流路断面全体を占めるようになると、弾丸のような形 状の気泡となって流れ、蒸気プラグに成長していく。した がって、沸騰開始点の直ぐ下流では伝熱面がドライアウト

し、熱伝達は悪化するものと考えられる。一方、気泡の射 出周期は約7,600μsと、短くなった。これは液流速が小さ く壁面近傍の過熱層が厚いために気泡の成長速度は質量 流東G=300kg/m2s (Fig.2)に比べて大きくなるためと考え られる。また、気泡離脱直径はG=300kg/m2s (Fig.2)より も若干大きい。以上の結果を整理すると、熱流束q=15kW/

m2では、質量流束が大きくなると、気泡離脱直径が小さ く気泡の射出周期が長くなって、核沸騰熱伝達率は小さく なると思われる。

Fig.4は、沸騰開始点における単一の発泡点から気泡が 成長・離脱していく様子を撮影したもので、質量流束 G=300kg/ m2s、熱流束q=30kW/m2である。画面右寄りの上 面に存在する一つの発泡点(この発泡点はFig.2と同じも のと思われる)から気泡が発生・成長し始めるが、 Fig.2

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t=  0μs 

t=1500μs 

t=300μs 

額照賜額 欄 闘 機 雰 額 欄 鶏 懇 懇 顎顎

t=2000μs 

t=1000μs 

t=2500μs 

Fig.3 Growth and departure of a single vapor bubble in a mini‑tube (G=200kg/m2s, q=15kW/m2, 20kfps) 

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(4)

t=  0μs 

t=400μs 

t=60μs 

t= 580μs 

t=200μs 

t=620μs 

Fig.4 Growth, departure and coalescence ofvapor bubbles in a mini‑tube (G=300kg!m2s, q=30kW/m2, 50kfps) 

に比べて熱流束が高いので、気泡の成長速度が大きく短時 間で先を流れる蒸気泡と合体し蒸気プラグに成長してい く。蒸気プラグの側面と管内面との聞には液膜が存在し、

その気液界面は不安定で、大きな波と小さな波による変形 が見られる。結果として、高熱流束q=30kW/m2では、核 沸騰だけでなく液膜を通しての蒸発も優勢な伝熱機構で あり、沸騰開始点の直ぐ下流においても良好な伝熱性能が

t=  0μs 

維持されると思われる。なお、気泡の射出周期は約580μs で、熱流束q=15kW/m2よりも短くなった。

Fig.5は、沸騰開始点近傍における核沸騰の様子を観察 したもので、質量流束G=200kg!m2s、熱流束q=30kW/m である。 Fig.4(G=300kg! m2s、q=30kW/m2)に比べて質量 流束が小さいために壁面近傍の過熱層が厚くなり、複数の 発泡点から気泡が生成・成長し、先に発生した蒸気泡どう

(=100μs 

願 期 欄 問 機 織 線 機 察 機 擦 問 欄 鵬 欄 懇 願 関 欄 爾 欄 賜 欄

(=700μs 

t =1100μs 

(=800μs 

t=600μs 

t=900μs 

開 開 黙 想 燃 機 燃 線 機 欄 開 想 頬 類 販 槻 療 問 機 駿 繋 燃 懇 機 験 棟 額 欄

( =1400μs  ( =1750μs 

Fig.5 Grow也,departure and coalescence ofvapor bubbles in a mini‑tube (G=200kg!m2s, q=30kW/m2, 20kfps) 

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200  300  400 

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2]  Fig.6 Time period ofbubble departure 

しが合体してできた蒸気プラグに次々と取り込まれてい く。これによって、蒸気プラグが変形するとともに、蒸気 プラグと管内面との聞に液が供給され、液膜が維持される。 結果として、高熱流東条件下 (q=30kWIm2)では、沸騰開 始点の直ぐ下流においても核沸騰と液膜蒸発の両方が主 たる伝熱機構になると思われる。これは、マクロスケール 管の特性(マクロスケール管の場合、高熱流束・低クオリ ティ領域の主たる伝熱機構は核沸騰である。)とは明らか に異なっている。なお、一つの発泡点に着目して気泡の射 出周期を調べてみると、約 760μsであった。Fig.4との比 較から、熱流東q=30kWIm2では、質量流束が小さくなる

と気泡の射出周期が長くなることがわかる。

Fig.6に、各条件における気泡の射出周期九をまとめて

示す。熱流束が大きいほど離脱周期は短く、核沸騰が優勢 になることがわかる。熱流東が小さい場合には (q=15kWI m2の場合)、質量流東が大きいほど離脱周期は大きくなる。

これは、質量流束が大きいほど壁面近傍の過熱層が薄くな る た め と 恩 わ れ る 。 一 方 、 熱 流 束 が 大 き い 場 合 に は (q=30kW/m2の場合)、質量流束が大きいほど離脱周期は 小さくなる。これは、壁面過熱度が充分大きく気泡成長が 速いので、気泡径が管内径に近づき流体の流れによって伝 熱面から剥ぎ取られる形で気泡が離脱するからであると 考えられる。一般に、気泡の離脱直径は、熱的な釣合いで はなく力学的な条件で決まるので、細管内核沸騰では管径 と質量流束によって変化するであろう。気泡の離脱周期や 離脱直径は核沸騰熱伝達と深い関係にあることから、細管 内の核沸騰熱伝達は熱流東qだけでなく質量流東 Gにも 依存すると推察できる。

3.  2 低クオリティ領場における流動様式の形成 Fig.7は、加熱開始位置からz=12mm下流において流動 様式を観察したもので、質量流束および熱流束は、 Fig.5

と同様、 G=200kglm2s、q=30kW/m2である。クオリテイx は約 0.09である。蒸発が進み、蒸気泡は前面が尖り後面 が扇平な細長い蒸気プラグに成長している。この領域では、

核沸騰は抑制され、観察できない。1つの蒸気プラグが通 過するのに要する時間は約 5200μs、蒸気プラグの長さは 7mm程度である。蒸気プラグの側面と管内面との間に入 り込んだ液相は短時間(約 1000μs)で消滅し、液相は主 に2つの蒸気フ。ラグの間にのみ存在するようになるので、

伝熱面の大部分はドライアウトしていると思われる。結果 として、熱伝達率が大きく低下する領域となっている。な

t=  0μs  t= 300μs  t=600μs 

t=900μs  t= 1700μs  t=5500μs 

Fig.7 Two‑phase f10w pamin a mini‑tube (G=200kg/m2s, q=30kW/m2, z=12mm, x=0.09, 10kfps) 

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t= 2800μS  t= 3600μs  t=4600μs 

Fig.8 Two‑phase flow pa m in a mini‑tube (G=200kg/m2s, q=30kW/m2, z=24mm, x=0.23, 20kfps) 

お、マクロスケール管で、は、低クオリティ領域でこうした 流動様式は見られない。

Fig.8は、加熱開始位置からz=24mm下流において流動 様式を観察したもので、 Fig.5や Fig.7と同様、質量流束 G=200kg/ m2s、熱流束q=30kW/m2である。クオリティ x は約 0.23である。さらに蒸発が進み、細長い蒸気プラグ の先端が先方を流れる蒸気プラグに追いついて繋がるo

t=4600μsの静止画は、ちょうどその瞬間を示していると思 われる。細長く伸びた蒸気プラグの気液界面は表面張力の 効果で比較的滑らかであるが、蒸気プラグどうしの合体に よる衝撃が不安定な波となって気液界面を伝わる様子が 観察できる。液相は、蒸気プラグの側面と管内面との聞を 液膜となって流れる。このため、伝熱面のドライアウトは 解消され、液膜蒸発によって伝熱性能は再び回復すると思

われる。

Fig.9は、質量流束G=200kg/m2s、熱流束q=15kW/m で、加熱開始位置から z=24mm下流において流動様式を観 察したもので、クオリティ xは約0.09である。 Fig.7と同 じ質量流束でほぼ同じクオリティであるが、蒸気プラグど うしが既に繋がっているため蒸気プラグ側面と管内面と の聞に薄い液膜が存在している。したがって、熱伝達率は Fig.7の状態よりも高いものと思われる。蒸気プラグどう

しの結合部分では界面が乱れているものの、その他の部分 では比較的安定している。

Fig.10は、質量流束G=300kg/m2s、熱流束q=15kW/m2、 加熱開始位置から z=24mm下流における流動様式で、クオ リティ xは約 0.04である。やはり核沸騰は抑制され、観 察できない。蒸気プラグの先端が先方を流れる蒸気プラグ

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t= 3500μs  t= 4250μs 

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t=4800μs 

Fig.9 Two‑phase flow pa min a mini‑tube (G=200kg/m2s, q=15kW/m2, z=24mm, x=0.09, 20kfps) 

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(7)

に追いつき合体する様子が捉えられている (1=0および t=150μs)。長く伸びた蒸気プラグに成長することで、蒸気 プラグ側面と管内面との問に薄い液膜が存在し、伝熱面は

ドライアウトしていなし、。

Fig.11は、質量流束G=300kg!m2s、熱流束q=30kW/m2、 加熱開始位置からz=24mm下流における流動様式で、クオ リテイ xは約 0.14である。流動様式は、蒸気プラグある いは蒸気気泡どうしが繋がったばかりの様子も一部に見 られるが、殆どの部分でいわゆる環状流となっている。ま た、管内面に沿って流れる液膜の界面には、蒸気せん弾力 によると思われる細かな波が多数見られ、主たる伝熱機構 は強制対流蒸発熱伝達であると推測される。

以上、 Fig.7'""'‑'Fig.11からわかるように、細長い蒸気プラ グが成長して互いに結合すると、伝熱機構は高熱流束条件 においても液膜蒸発が主となり、核沸騰は見られなかった。

このことから、細管内の強制対流沸騰では、核沸騰が優勢 な領域はマクロスケール管に比べて小さくなると思われ る。

3.結 言

内径中0.3mmの加熱細管内における沸騰開始点近傍および 低クオリティ領域における強制対流沸騰の様子を可視化

し、以下の知見を得た。

沸騰開始点近傍における気泡の生成・成長について (1)細管内核沸騰における気泡離脱直径は、浮力と表面張 力との釣り合いによって決まるとした Fritzの式や管内径 に比べ充分に小さい。また、細管内核沸騰における気泡離 脱直径は、質量流束が大きいほど小さくなる。

(2)熱流束が小さい場合(例えばq=15kW/m2の場合)、

単一気泡が発泡点から離脱すると、前面がやや尖り、後面 が扇平な弾丸のような形状の気泡となって流れ、蒸気プラ グに成長していく。流路断面全体を占めるようになった蒸 気泡と管内壁との接触面はドライアウトするので、沸騰開 始点の直ぐ下流において伝熱性能は悪化すると思われる。 (3)熱流束が大きくなると(例えばq=30kW/m2、G=200kg! m2sの場合)、複数の発泡点から気泡が生成・成長し、先 に発生した蒸気泡どうしが合体してできた蒸気プラグに 次々と取り込まれてし、く。これによって、蒸気プラグが変 形するとともに、蒸気プラグと管内面との間に液が供給さ れ、液膜が維持される。結果として、沸騰開始点の直ぐ下 流においても、核沸騰と液膜蒸発が混在する伝熱機構とな る。

(4)細管内における気泡の射出周期は、熱流束が大きいほ ど短くなり、核沸騰が優勢になる。熱流束が小さい場合(例 えばq=15kW/m2の場合)、質量流束が大きいほど離脱周期 は大きくなる。これは、質量流束が大きいほど壁面近傍の 過熱層が薄くなるためと思われる。一方、熱流束が大きい 場合には(例えばq=30kW/m2の場合)、質量流束が大きい ほど離脱周期は小さくなる。これは、壁面過熱度が充分大 きく気泡成長が速いので、気泡径が管内径に近づき流れに よって伝熱面から剥ぎ取られる形で気泡が離脱するから であると考えられる。

低クオリティ領域における流動様式の形成について (5)蒸気泡が流路断面全体を占め、細長い蒸気プラグに成 長すると、液相は主に2つの蒸気プラグの聞にのみ存在し、

伝熱面の大部分はドライアウトする。結果として、熱伝達 率が大きく低下する領域ができる。

(6)さらに蒸発が進み、長く伸びた蒸気プラグの先端が先

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t=5000μs  Fig.10 Two‑phase flow pam in a mini‑tube (G=300kg!m2s, q=15kW/m2, z=24mm, x=0.04, 20kfps) 

1

(8)

方を流れる蒸気プラグに追いついて繋がると、液相は蒸気 プラグの側面と管内面との間を液膜となって流れる。この ため、伝熱面のドライアウトは解消され、液膜蒸発によっ て熱伝達率は再び回復すると思われる。

(7)さらに蒸発が進むと、蒸気せん弾力によると思われる 細かな波を有する液膜が多数見られる環状流に移行し、主 たる伝熱機構は強制対流蒸発になると推測される。

(8)以上の結果から、細管内の強制対流沸騰では、核沸騰 が優勢な領域はマクロスケール管に比べて小さくなると 思われる。

参考文献

1)  Chen, P., Wu, H. Y.:  Phase‑change  Heat  Transfer  in  Microsystems, Proc.  13th  Intemational  Heat  Transfer  Conference (2006), KN‑02. 

2)  Ohtake, H.: Micro  and Nano Neturyutai  Handbook (in  Japanese), NTS (2006), 122‑138. 

3) Shimada, Y. et al:  Experimental Study on Flow Boiling Heat  Transfer in  Extremely Small Tubes (in  Japanese), Proc.  43th  National Heat Transfer Symposium of Japan (2006),1211.  4) Yen, T‑H., Kasagi, N., Suzuki, Y.: Forced Convective Boiling  Heat Transfer in Micro‑tubes at Low Mass and Heat Fluxes, Int.  J.  Multiphase F10w 29 (2003), 1771口1792.

5) Araga,K., Okamoto,K. and Murata,K.:  Forced Convective  Boiling of Refrigerant HCFC123 in a Mini‑Tube, Proc.  14th  Intemational Heat Transfer Conference (2010), IHTCI4‑22060.  6) Murata, K.,  and Hashizume, K.: Forced Convective Boiling  of  Nonazeotropic  Refrigerant  Mixtures  Inside  Tubes,  Transactions ofthe ASME, 115 (1993),.680‑687 

7) Thome, J.R.: Fundamentals of Boiling and Two‑phase Flows  in Microchannels, Proc. 13th  Intemational  Heat  Transfer  Conference (2006), KN‑14. 

8)  Hetsroni, G.,  Boiling  in  Micro‑channels, Proc.7th  Intemational Conference on Experimental Heat Transfer, Fluid  Mechanics and Thennodynamics (2009), KL‑3, 45‑60.  9) Shah, R.K. and Celata, G.P.: Microchannel Heat Transfer and  Pressure  Drop  Performance: Single‑phase, Boiling  and  Condensation, Proc.  7th  Intemational  Conference  on  Experimental  Heat  Transfer, Fluid  Mechanics  and  Thermodynamics (2009), 1MS‑l,1723‑1740. 

10)  The Japan Society  of Mechanical Engineers ed., JSME  Textbook Series: Heat Transfer (in Japanese), (2001), 133. 

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参照

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