縄跳び、学習支援ソフトの開発と評価
教科・領域教育専攻
生活・健康系(保健体育)コース 伊 藤 恵 子
1 . 目 的
子どもの体力は,長年にわたって低下してき ている.また,学校現場での子どもたちの実態 を見ると,運動に興味を持ち活発に運動する者 とそうでない者に二極化し運動能力や運動意 欲にかなり差がある. このような実態から考え ると,基礎的な体力を高めるために体育科改訂 の要点の一つに掲げられている「個に応じた指 導を充実する」ことはかなり困難である.
そこで"
1
つの手だてとして考えられるのがr I T
の活用jである.現在教育現場にもコ ンピューターの導入が進み各教科でかなり活 用され効果も上がっている.体育科においても学習支援ソフトが開発され,
いくつかの授業実践が試みられている.賀)11ら (1
9 9 3 )
は,小学校体育授業におけるマット運 動を対象とした実践において次のようなことを 示している.r a
浮習者が自己の学習課題を具体 的かっ明確に把握することができるようになる.②練習方法において,学習者自らが調べ,捉え ることができるようになり,それによって主体 的学習態度が形成される③このような学習活動 を通じ,学習者間の『教え合い活動』が促進さ れ教材に対するイメージが好転する.
J
本研究では,
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縄跳び学習支援ソフトjを開発 し一人ひとりの力に応じた跳び方や練習方法 をいつでも知ることができる環境を教室に作り,子どもたちの技能の伸び対重動量運動意欲ヘ
指 導 教 員 賀 川 昌 明
の影響を分析することによって,学習支援ソフ トの可能性と限界を明らかにすることを目的と した
E 方 法
1 . r
縄跳び学習支援ソフトJ
の開発と縄跳 び検定の実施2 .
各調査方法(1)縄跳び学習に対するイメージ調査 (2)縄跳び、の練習状況についての調査
(3)縄跳び学習支援ソフト「なわとびランド
J
に対する評価
3 .
実践計画N
小学校を介入群(3
年生・4
年生4 0
名)T
小学校を対照群( 3
年生・4
年生4 2
名)として 表1
に示すような実践計画を作成した表
1
実践計画介 入 群 対 擦 欝
① 事前アンケート
② 縄跳び検定1
③ 縄跳びの練習と種目の説明 2 支援ソフトの説明
学 ④
期 パソコンの設置
⑤ 練習と記録の仕方についての説明 毎日の取り組み・チェック力一ドに記録
⑥ 縄跳び検定2 冬休みの間,チェックカードに記録
⑦ 縄跳び検定3
3 ⑧ 事後のア!ン長パケーコトンヲ①の下訓設置
手品拍一
期 ⑨ 縄跳び検定4
⑩
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事後のアンケート②│‑428‑
m . 結 果 と 考 察 縄跳び学習支援ソフトを導入した方が,縄跳
1 .
学習支援ソフトの概要 びの練習時間・日数が多くなる結果が得られた 今回開発した学習支援ソフトのコースレイア しかし友達との教え合い活動や冬休みの練 ウトを図1
に示した. 習量には,両群の違いは見られなかった.図
1 r
なわとびランドJ
コースレイアウト3 .
学習支援ソフトに対する評価 タイトJj..サイドフレーム1 技の名称 メニュー サイドフレーム2
『なわとびランドj
[基本の跳び方1 1前スピード跳び 2前交差跳び 3前あや跳ぴ
圃圃・など10謹目
【L、ろいろな跳び方
1
11前かけ足跳び 12前ふり跳び 13前三重跳び
・園圃Eなど10樟目
【連続技】
前跳ぴーあや跳び 21 ー交差跳び
・・など6種目
メインフレーム1 それぞれの技の数え方 カード記入例
2 .
学習支援ソフト使用の効果q
瀞皆兆び検定の得点の比較すべての跳び方において,回数の主効果が認 められ両群とも縄跳びの技能が有意に高まっ たことが分かつたまた 「基本の跳び方
J r連
続技
J r合計得点jにおいて 回数×群の有意
な交互作用が認められたことから,縄跳び学習 支援ソフトを導入した方が,縄跳びの技能がよ
り高く向上したことが明らかになった.
@輝銚び学習に対するイメージの比較
今回の実践では,これまでの実践で見られた 学習支援ソフトによって「イメージが好転する
J
という効果は認められなかった
@縄跳び、の練習状況についての調査
児童や教師の学習支援ソフトに対する評価が 高いことが分かつた しかし,ソフトの使い方 や設置する環境については,まだまだ工夫の余 地があることも分かつた
N . 結 論 と 今 後 の 課 題
今回の実践では,次の
3
点のことが明らかに なった.(1) 縄跳び学習支援ソフトの使用が,縄跳び の技能の向上に効果がある.
(2) 縄銚び学習支援ソフトの使用が,縄跳び、
学習への意欲を高め,運動量を増すことに 効果がある.
(3) 縄跳び学習支援ソフト「なわとびランド
J
で取り上げた技の種目や画面の種類は概 ね適当であり,ソフトを使った学習に対す る児童・教師の評価は高い.
学習支援ソフトは.
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私もお手本の人みたい に跳びたいjと思わせる①動機づけとしての役 割,②「跳び方」を分かり易く提示する役割,また③出来ないときにどうすれば出来るよう になるかヒントを与える役割,をもっていると 考える.今回の実践ではこのような役割をソフ トが果たしたことが,上記の結果につながった と考える. しかし活用の仕方を誤れば,教師 と児童,児童同士の共感の場を奪い
r
運動媛い」をつくってしまう危険性のあることも今回の実 践で分かつたこのような危険性を十分考慮し た上で,学習支援ソフトの有効な活用方法を考 えていかなければならない.
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