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論文 プレキャスト鉄筋コンクリート造骨組の最上階主筋の定着方法に

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Academic year: 2022

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(1)

HRPC -L01

HRPC -L02

HRPC -UT1

HRPC -UT2 B×D(mm)

σB(N/mm2) 32.9 34.1 32.8 33.6

主筋 8-D16 16-D16

主筋材種

pg(%) 0.99 1.98

せん断補強筋 3-D6@50 4-D6@50 せん断補強筋材種

pw(%) 0.64 0.59

B×D(mm)

σB(N/mm2) 33.6 34.4 29.8 32

主筋 4-D16 3-D13

主筋材種

pt(%) 0.85 0.41

せん断補強筋 4-D6

@75,100

3-D6

@75,100 せん断補強筋材種

pw(%) 0.87,0.65 0.65,0.49

σB(N/mm2) 32.9 34.1 28.1 29.8 せん断補強筋 4-4セット 4-6セット 3-4セット 4-4セット せん断補強筋材種

pw(%) 0.50 0.75 0.43 0.57

400×400

0.64 250×375

SD390

USD685 400×400

12-D16 SD390 1.49

250×375

SD390

USD685 0.87

4-D6

@75 USD685

0.68 4-D6@50 USD685

柱主筋定着プレート PL6(SS400) USD685

PL6(SS400)

接合

USD685 2-D13+ 2-D16

SD390

論文 プレキャスト鉄筋コンクリート造骨組の最上階主筋の定着方法に 関する実験的研究

石岡 拓*1・竹中 啓之*1・菊田 繁美*1・和泉 信之*2

要旨:プレキャスト部材を用いた高層鉄筋コンクリート造建築物の最上階における柱主筋の定着方法を考案 し,部分架構模型試験体による水平載荷実験を行い,骨組の復元力特性および主筋の定着性能を評価した。

柱主筋の定着は,柱主筋を梁上端筋の上部に設置した一体のロ形プレートにナットを用いて機械式定着する 新しい方法である。最上階を想定したL形およびT形部分架構実験では,高層鉄筋コンクリート造建築物の 大地震時における想定変形を大幅に上回る変形まで耐力低下を生じず,主筋の十分な定着性能が確認できた。

本研究により,考案した柱主筋の新しい定着方法の一般化に向けて,今後の可能性を示すことができた。

キーワード:RC造,プレキャスト,L形接合部,T形接合部,機械式定着,M-N曲線

1. はじめに

高層鉄筋コンクリート造(RC 造)建築物では,地震 時応力が厳しいため,柱や梁の主筋には,太径の鉄筋が 用いられる。柱と梁の主筋が交差する柱梁接合部では,

太径主筋の組み立てやあきの確保のため, 主筋の定着 には,プレートとナットを用いた定着金物などによる機 械式定着が採用されることが多い。特に,単材形式のプ レキャスト部材を用いる高層RC造建築物では,そのニ ーズが高い。しかし,最上階の柱梁接合部では,梁せい の関係から柱主筋の十分な直線定着長さが確保できな いため,屋上に柱主筋を突出させて定着長さを確保する ための柱型(定着スタブ)が必要となることがある1)。 この定着スタブは,屋上の利用や防水施工の面から建築 計画上の課題である。さらに,最上階の外柱への梁上端 筋の定着長さは,上部に柱がないため,通常は梁上端筋 の折り曲げ後の定着長さを一般階より大きくすること が求められ,最上階の柱にプレキャスト柱を採用する際 の制約となっている。

そこで,著者らは,最上階の柱や梁の主筋の定着方法 に機械式定着を採用した場合においても,定着スタブを 設けることなく,一般階と同様の主筋の納まりとなるこ とを目標として,柱主筋の新しい定着方法を考案した。

具体的には,柱主筋を梁上端筋の上部に設置した一体 のロ形プレートにナットを用いて機械式定着する方法 である(図-1)。さらに,最上階外柱では,梁主筋の折 り曲げ後の余長を一般階と同等の長さとしている。この 定着方法の採用により,上述した建築計画上の課題を解 決するとともに,プレキャスト部材の利用や主筋の納ま りなど施工面での合理化が期待できる。

本研究では,プレキャスト部材を用いた高層鉄筋コン クリート造建築物の最上階を対象として,新しい柱主筋

の定着方法を用いた骨組の復元力特性および主筋の定 着方法を評価するため,部分架構模型試験体による水平 載荷実験を行う。

図-1 柱主筋の定着方法 表-1 試験体一覧

*1 戸田建設(株) 技術研究所 修(工) (正会員)

*2 千葉大学 大学院工学研究科建築・都市科学専攻教授 博(工) (正会員)

柱主筋 ナット ロ形定着プレート コンクリート工学年次論文集,Vol.31,No.2,2009

(2)

割線剛性 (×105N/mm2)

圧縮強度 (N/mm2)

割裂強度 (N/mm2)

0.271 33.6 3.6

0.274 34.4 3.3

ヤング係数 (×105N/mm2)

降伏強度 (N/mm2)

引張強度 (N/mm2) 1.91 780 972

1.81 457 597

1.88 450 609

1.97 294 445

0.301 32.9 3.0

柱・

接合部 0.300 34.1 2.9

※0.2%オフセット PL6 (SS400)

L01

L02 柱・

接合部

D6 (USD685) D13 (SD390) D16 (SD390) コンクリート

鉄筋

割線剛性 (×105N/mm2)

圧縮強度 (N/mm2)

割裂強度 (N/mm2)

0.283 32.8 2.7

0.273 29.8 2.7

接合部 0.259 28.1 2.6

0.284 33.6 3.0

0.280 31.9 2.1

接合部 0.257 29.8 2.2

ヤング係数 (×105N/mm2)

降伏強度 (N/mm2)

引張強度 (N/mm2) 1.94 723 920

1.83 403 588

1.97 456 660

1.97 294 445

D16 (SD390) PL6 (SS400)

※0.2%オフセット コンクリート

UT1

UT2

鉄筋 D6 (USD685) D13 (SD390)

表-2 材料試験結果(L形試験体)

2. 実験概要

2.1 試験体および材料

試験体一覧および試験体配筋を表-1,図-2に示す。

試験体は最上階外柱架構を想定した L 形試験体 2 体

(HRPC-L01,L02)と最上階中柱架構を想定したT形試

験体2体(HRPC-UT1,UT2)の計4体である。柱断面

は400mm×400mm,梁断面は250mm×375mmで共通で

ある。全試験体とも片側に断面が 250mm×375mm の直 交梁を設置した。コンクリート強度は柱および梁とも 28.9~34.4N/mm2でほぼ同一とした。

L形試験体は両試験体とも梁曲げ降伏が先行するように 計画し,梁の曲げ耐力時計算値に対して柱の曲げ耐力時 計算値を3倍程度確保した。柱主筋には12-D16,梁主筋

には2-D16 +2-D13を用いた。柱主筋は梁上端筋直上に設

置した厚さ 6mm のロ形定着プレートにナットを用いて 定着した。梁上端筋は接合部内で 90 度折曲げ定着とし て上部にかんざし筋を配し,梁下端筋はナットと定着板 を一体製造した定着金物(以下,ナット定着金物)を用 いて定着した。梁下端筋の定着長は3/4Dc(Dc:柱せい), 梁上端筋の定着長は水平定着部が18d,鉛直定着部が8d

表-3 材料試験結果(T形試験体)

であり,定着の全長を30d(d:梁主筋直径)とした。両 試験体の相違は,接合部内の補強筋量が HRPC-L01 が pjw=0.50%で HRPC-L02 が pjw=0.75%で あ る こ と と ,

HRPC-L02 には梁上端筋の余長端部にナット定着金物を

追加していることである。

T形試験体のHRPC-UT1は柱曲げ降伏,HRPC-UT2は 梁曲げ降伏が先行するように計画した。HRPC-UT1では 柱の曲げ耐力時計算値に対して梁の曲げ耐力時計算値 を2.5倍程度確保し,HRPC-UT2では梁の曲げ耐力時計 算値に対して柱の曲げ耐力時計算値を2.5倍程度確保し た。HRPC-UT1では柱主筋が8-D16,梁主筋が上端下端 とも4-D16,HRPC-UT2では柱主筋が16-D16,梁主筋が 上端下端とも3-D13である。柱主筋は梁上端筋直上に設 置したロ形定着プレートにナットを用いて定着した。

材料試験結果を表-2,表-3にそれぞれ示す。

2.2 加力方法

L 形試験体の加力状況を図-3に示す。試験体の梁端部 と柱脚をピン支持としてL形の閉じる方向を正加力方向 とした。載荷制御は式(1)で定義される層間変形角Rで行 い,1/1000,1/400,1/300を各1回,1/200,1/150,1/100, 図-2 試験体配筋図

(3)

図-3 加力方法(L形試験体)

1/75,1/50を各3回,1/25,1/20,1/15を各1回ずつ,正 負繰返し載荷を行った。

R=-(2d・δd+δd 2)/(2H・L) (1)

d:柱端と梁端を結ぶ対角長さ δd:dの変形量

H:柱端から接合部芯までの長さ L:梁端から接合部芯までの長さ

T 形試験体の加力状況を図-4に示す。実架構の上下 を反転させ,梁両端部をピン支持し,柱に水平加力した。

載荷制御は柱水平変形角で行い,1/1000,1/400,1/300 を各1回,1/200,1/150,1/100,1/75,1/50を各3回,

1/25を各1回ずつ,正負繰返し載荷を行った。梁には柱 せん断力の反力が軸力として作用するが,梁には圧縮軸 力のみが作用するようにした。また,本実験ではL形試 験体,T形試験体とも柱軸力は導入していない。

図-4 加力方法(T形試験体)

3. 実験結果

L形およびT形試験体の変形角1/50rad.終了時におけ るひび割れ発生状況および荷重変形角関係を図-5,図

-6にそれぞれ示す。図-6中の一点鎖線は平面保持を 仮定した断面分割法により算出した終局曲げ耐力であ る。断面分割法では材料試験結果を用い,圧縮コンクリ ートの応力-歪関係はFafitis-Shahの式2)でモデル化し,

鉄筋はトリリニアでモデル化した。

HRPC-L01,L02のひび割れ状況は同じであり,正加力

方向では,1/1000rad.で梁に曲げひび割れ,1/400rad.で柱 梁接合部上面に梁主筋に沿ったひび割れが発生した。

1/100rad.で梁上端筋が降伏するとともに梁上端部と柱の

離間が大きく進行し,梁曲げひび割れが大きく拡幅して,

1/25rad.で最大耐力に達した。負加力方向では1/100rad.

図-5 ひび割れ発生状況(1/50rad.)

図-6 荷重変形関係

HRPC- L01 HRPC-UT1 HRPC-UT2

-100 -50 0 50 100 150

-0.08 -0.06 -0.04 -0.02 0.00 0.02 0.04 0.06 0.08

荷重(kN)

HRPC-L01

-100 -50 0 50 100 150

-0.08 -0.06 -0.04 -0.02 0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 層間変形角(rad.)

荷重(kN)

HRPC-L02

-180 -120 -60 0 60 120 180

-0.05 -0.03 -0.01 0.01 0.03 0.05 荷重(kN)

HRPC-UT1

-180 -120 -60 0 60 120 180

-0.05 -0.03 -0.01 0.01 0.03 0.05 層間変形角(rad.)

荷重(kN)

HRPC-UT2 ○ 梁曲げひび割れ

△ 接合部せん断ひび割れ □ 主筋降伏

◇ 梁端部圧壊 ● 最大耐力 × 定着板降伏 断面分割法計算値

(4)

-200 -150 -100 -50 0 50 100 150 200

0 50 100 150

曲げモーメント(kN・m)

軸力(kN)

負加力方向

(断面分割法)

正加力方向

(断面分割法)

(2)式

(+)最大耐力実験値113kN

(-)最大耐力実験値-78kN

正加力時 計算値111kN

負加力時 計算値-81kN HRPC-L01

-200 -150 -100 -50 0 50 100 150 200

0 50 100 150

曲げモーメント(kN・m)

軸力(kN)

軸力ゼロ側 (断面分割法)

軸力発生側 (断面分割法)

(3)式

最大耐力実験値137kN

M2=75kN・m M1=52kN・m 計算値123kN

HRPC-UT2

で梁下端筋が降伏するとともに梁下端部と柱の離間が 大きく進行し,1/75rad.で柱梁接合部にせん断ひび割れが 発生した。1/25rad.で梁上端筋に沿って柱梁接合部上面と 柱側面にひび割れが発生し,1/20rad.で柱梁接合部上面に 設置したロ形プレートが降伏した。梁の終局限界変形角

3)の目安である 1/50rad.までは柱梁接合部には顕著なひ び割れは発生せず,実験終了まで紡錘形の履歴性状を示 した。実験は計測装置の制限のため,1/15rad.で終了した。

HRPC-UT1,UT2は1/1000rad.で梁端部に曲げひび割れ,

1/400rad.で柱端部に曲げひび割れ,1/200 rad.で接合部に ひび割れが発生した。HRPC-UT1では,1/100rad.に柱主 筋が降伏するとともに,柱端部での離間が進行し,

1/50rad.には柱端部が圧壊し,柱梁接合部上面に設置した

ロ形定着プレートが降伏した。耐力は 1/25rad.でも上昇 傾向にあり,実験終了まで比較的良好な紡錘形の履歴性 状を示した。HRPC-UT2 では 1/75rad.で梁主筋が降伏す るとともに梁端部での離間が進行し,1/50rad.に梁端部が

圧壊し,1/25rad.に梁端部コンクリートが剥落した。耐力

は1/25rad.でも上昇傾向にあったが,1/50rad.以降に逆S

字の履歴性状を示した。HRPC-UT1とは異なり,接合部 上面に設置した定着プレートは降伏しなかった。実験は 計測装置の制限のため,1/25rad.で終了した。

4. 考察

4.1 終局曲げ耐力計算値の算出

L形試験体ではL形が開閉する際に梁と柱に付加軸力 が発生し,T形試験体では加力方向の梁に圧縮軸力が発 生するため,部材の曲げ耐力を計算する際に付加軸力を 考慮する必要がある。軸力Nと梁端部に発生する曲げモ ーメントMは次式の関係がある。

(L形試験体の場合)

N= M・L’/(H’・(L’-Dc / 2)) (2) (T形試験体の場合)

N=(M1 + M2)・L’/(H’・(L’-Dc / 2)) (3) ここでDc:柱せい,

H’:柱反曲点位置から接合部芯までの長さ,

L’:梁反曲点位置から接合部芯までの長さ,

M1:軸力ゼロ側,M2:圧縮軸力が生じる側

HRPC-L01とHRPC-UT2において,上式と断面分割法

によるM-N曲線を重ねたものを図-7に示す。交点から 梁端部での終局曲げ耐力が求まる。HRPC-L01の計算値 と実験値の比は正加力方向で0.99,負加力方向で1.04と なり,同様にHRPC-L02の正加力方向で0.98および負加 力方向で1.02となり,計算値は実験値を適切に評価して

いる。HRPC-UT2の計算値と実験値の比は0.89となり,

T形試験体ではL形試験体よりも計算値は実験値を若干 小さく評価する結果となった。

図-8 梁主筋歪 図-7 梁のM-N関係

-1000 0 1000 2000 3000 4000 5000

-400 -200 0 200 400

柱芯からの距離(mm)

歪度(μ)

1/400 1/200 1/150 1/100 1/50 1/25

接合部

接合部

0 1000 2000 3000 4000 5000

-600 -400 -200 0 200

歪度(μ)

HRPC-L02 接合部

HRPC-UT2 降伏歪

降伏歪

降伏歪 0 1000 2000 3000 4000 5000

-600 -400 -200 0 200

歪度(μ)

HRPC-L01

(5)

4.2 梁主筋歪および付着・定着性状

梁が曲げ降伏したL形試験体およびT形試験体の正加 力時の梁上端筋の歪度分布を図-8に示す。

HRPC-L01,L02では1/150~1/100radに梁端部で降伏 歪に達し,1/25rad.に接合部内に定着された梁上端筋の折 曲げ起点で降伏歪に達した。折曲げ終点では実験終了時 まで降伏歪に達せず,上端筋余長端部のナット定着金物 の有無に関わらない良好な定着性状を示した。

HRPC-UT2では1/100rad.以降に引張側主筋が降伏歪に

達し,1/50rad.で圧縮側主筋の歪が圧縮から引張に転じた。

HRPC-L01およびHRPC-UT1,UT2の柱梁接合部内梁 主筋の平均付着応力度と層間変形角との関係を図-9に 示す。HRPC-L01 では水平定着区間を対象とした。平均 付着応力度の算出には鉄筋歪の実験値を基に Ramberg

Osgoodの履歴則により求めた軸応力を用いた。

HRPC-L01 では上端・下端筋とも平均付着応力度の最

大値は約4N/mm2であった。上端筋は1/100rad.,下端筋

は 1/50rad.以降に急激に低下している。これは梁主筋の

引張力の抵抗機構が,鉄筋の付着力からナット定着金物 や折り曲げ定着の支圧力に移行したためと考えられる。

HRPC-L02においてもHRPC-L01と同様の性状であった。

HRPC-UT2の平均付着応力度の最大値は,上端筋が約

3N/mm2,下端筋が約4N/mm2であった。上端・下端筋と

も 1/50rad.以降に急激に低下しており,荷重-変形関係

が逆 S字履歴形状となった変形角に一致することから,

1/50rad.で付着劣化したものと考えられる。

HRPC-UT1では梁主筋への入力が小さいため,梁が曲

げ降伏したHRPC-L01,UT2と比べて大きな付着応力度 の低下はなく,付着劣化も生じなかった。

4.3 柱主筋歪およびロ形定着プレートの効果

T形試験体の引張側柱主筋の歪度分布を図-10に示す。

HRPC-UT1 では,1/100rad.に柱端部で降伏歪に達し,

1/50rad.に梁芯位置,1/25rad.にロ形定着プレート位置で ほぼ降伏歪に達して,徐々に接合部内に柱主筋の付着劣 化が進行した。ロ形定着プレート位置では実験終了時ま で引張降伏しなかったが,最大引張歪度は約2100μで降 伏 歪(2300μ)に 近 い 値 で あ っ た 。 梁 曲 げ 降 伏 し た

HRPC-UT2では,柱主筋の歪度は最大耐力時の柱端部で

約940μであり,降伏歪に達しなかった。

HRPC-L01およびHRPC-UT1,UT2について,変形角

-1/25rad.におけるロ形定着プレート位置での柱主筋の

引張応力度分布およびロ形定着プレートの隅部上下面 の歪度を図-11,図-12に示す。HRPC-L02に関しては

HRPC-L01と同様の性状であったため図を省略する。

HRPC-L01 では負加力(L 形の開く方向)時にロ形定

着プレートの歪は引張歪となっており,-1/75rad.以降で はNo.2の方が大きくなる。これは梁上端筋が柱梁接合部

図-9 接合部内梁主筋の平均付着応力度

図-10 柱主筋歪(T形試験体)

上面を押し上げる力に対して,ロ形定着プレートが抵抗 しているためと考えられる。また,同じ梁曲げ降伏した

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5

-0.04 -0.02 0 0.02 0.04

層間変形角(rad)

接合部平均付着応力(N/mm2) 上端筋

HRPC-L01 下端筋

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5

-0.04 -0.02 0 0.02 0.04

層間変形角(rad)

合部平均付着応(N/mm2) 上端筋

HRPC-UT2 下端筋 -5

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5

-0.04 -0.02 0 0.02 0.04

層間変形角(rad)

合部平均付着応(N/mm2) 上端筋

HRPC-UT1 下端筋

-400 -300 -200 -100 0 100 200

-1000 1000 3000 5000 歪(μ)

梁芯からの距離(mm)

HRPC-UT1 降伏歪

-400 -300 -200 -100 0 100 200

-1000 1000 3000 5000 歪(μ)

HRPC-UT2 降伏歪

接合部

柱部 1/400 1/200 1/150 1/100 1/50 1/25

(6)

-2000 -1500 -1000 -500 0 500 1000 1500 2000

-0.06 -0.03 0 0.03 0.06 層間変形角(rad) 歪度(μ)

HRPC-L01

-2000 -1500 -1000 -500 0 500 1000 1500 2000

-0.06 -0.03 0 0.03 0.06 層間変形角(rad)

歪度(μ)

HRPC-UT1

-2000 -1500 -1000 -500 0 500 1000 1500 2000

-0.06 -0.03 0 0.03 0.06 層間変形角(rad)

歪度(μ)

HRPC-UT2 降伏歪

降伏歪 0

100 200 300 400 500

柱主筋応力度 (N/mm2)

HRPC-L01 加力方向

0 100 200 300 400 500

柱主筋応力度 (N/mm2)

HRPC-UT1 加力方向

0 100 200 300 400 500

柱主筋応力度 (N/mm2)

HRPC-UT2 加力方向

未計測箇所

HRPC-UT2と比べてロ形定着プレートに大きい引張力が

生じている。これはL形架構の接合部では梁主筋が接合 部内に折曲げ定着されていることから,大変形時まで主 筋の引張力が接合部内の付着定着力で接合部内せん断 補強筋やロ形定着プレートに伝達されているためと考 えられる。一方,T形架構の接合部では梁主筋が通し配 筋されるため,接合部内でロ形定着プレートには引張力 を負担させず,生じる歪も小さいと考えられる。

柱曲げ降伏した HRPC-UT1 は-1/25rad.には柱主筋の 付着劣化が進行しているため,ロ形定着プレート位置で の引張側柱主筋は降伏強度の88%に達している。また,

ロ形定着プレートは-1/50rad.で降伏し,そのNo.1,2は それぞれ引張と圧縮となってプレートに曲げモーメン トが作用している。これは柱曲げ降伏した試験体では柱 主筋の付着劣化が生じており,柱主筋の引張力をロ形定 着プレートの定着力で保持しているためと考えられる。

5. まとめ

本論文で提案したロ形定着プレートを用いた柱主筋 の定着方法を用いたL形およびT形の柱梁部分架構実験 により,以下の結論を得た。

1) 提案した柱主筋の定着方法を用いてL 形,T形架構

とも1/50rad.まで安定した履歴性状が得られた。

2) L 形,T形試験体において,梁に生じる付加軸力と 梁端部に生じる曲げモーメントの関係と断面分割 法により算出したM-N曲線から,曲げ耐力を適切に 評価できた。

3) 梁曲げ降伏を計画したT形試験体では1/50rad.以降 に逆S字の履歴性状が見られ,梁主筋の付着劣化に よる影響と推測された。

4) 柱主筋の定着に用いたロ形定着プレートは,同じ梁 曲げ降伏をした試験体でもL形架構とT形架構では 異なる応力状態となり,これは梁主筋の定着方法の 違いのためであると推測される。

考案した柱主筋の新しい定着方法は,本実験の範囲内 では必要な定着性能を確認できたので、今後は一般化へ 向けて適用範囲や定着条件などを検討していきたい。

参考文献

1) 日本建築学会:鉄筋コンクリート造配筋指針・同解 説,pp.192-193,2003

2) Fafitis,A. and Shah,S. P.:Lateral Reinforcement for High Strength Concrete Columns,ACI SP-87,pp.213-232, 1985

3) 日本建築学会:鉄筋コンクリート造建物の靭性保証 型耐震設計指針・同解説,p.80-84,1999

No.1

図-12 ロ型定着プレート歪

ロ形定着プレート

No.1

No.2 歪ゲージ

No.1, No.2

ロ形定着プレート No.1

No.2 歪ゲージ

No.1, No.2

ロ形定着プレート No.1

No.2 歪ゲージ

No.1, No.2

No.2 No.1

No.2

No.1 No.2

図-11 ロ形定着プレート位置の柱主筋応力度分布(-1/25rad.)

参照

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