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世代間における軽減税率による厚生損失の評価

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Academic year: 2022

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(1)

世代間における軽減税率による厚生損失の評価

著者 田代 歩

雑誌名 関西学院経済学研究

号 52

ページ 1‑32

発行年 2022‑02‑18

URL http://hdl.handle.net/10236/00030019

(2)

世代間における軽減税率による厚生損失の評価 Evaluation of Welfare Loss by Reduced Tax Rate of

Consumption Tax Reforms between Generations.

田 代  歩

In this study, we analyze the impact of consumption tax reforms on consumers considering the “age effect” and discuss the influence of a reduced tax rate from the view point of efficiency.

First, we estimate parameters of an empirical model and evaluate the price elasticities of demand. Then, we construct the model introducing an age effect, and we simulate the effect of a reduced tax rate by evaluating equivalent variation and excess burden.

Our empirical results show that the case of “with age effect” is more sensitive than the case of “without age effect” when evaluating equivalent variation. The case of “without age effect” underestimates the excess burden compared with the case of “with age effect”.

The results reveal that we need to evaluate “with age effect” from the view point of efficiency when discussing the introduction of reduced tax rate.

Ayumi Tashiro

JEL:H21,H25

キーワード:消費税、軽減税率、年齢効果

Keywords : consumption tax, reduced tax rate, age effect

1. はじめに

政府は近年、社会保障制度の構築を目指して消費税の税制改革に焦点を当 て、2019年

10

月に消費税率を

8%から 10%に引き上げた。さらに、消費税

率の引き上げと同時に「酒類と外食を除く飲食料品」と「週二回以上発行さ れる新聞」の標準税率を

8%に設定する軽減税率を導入した。

しかし、効率性の観点から評価した場合、軽減税率の導入は望ましくない ことが指摘されている。市場経済において、軽減税率のような消費支出に対

(3)

経済学研究52

̶

2

̶

する差別的課税は相対価格の変化を引き起こし、非効率な資源配分を招くた め、効率性の観点において市場の相対価格を歪める税制改革は望ましくない とされている。したがって、軽減税率は効率的な資源配分を阻害するため、

効率性の観点からは望ましくない。

少子高齢化が進む日本においては、所得階級別の視点だけではなく、世代 間の視点から軽減税率が消費者に与える影響を議論する必要がある。年齢階 級別では、消費支出はライフステージに依存する。例えば、「教育」に関す る支出額は

40

代や

50

代で支出が大きく増加する一方で、高齢者世帯では支 出が減少する。本稿では、このように年齢階級によって支出が異なる特徴を

「年齢効果」と定義する。世代間の視点から軽減税率の効果を評価する場合、

「年齢効果」を考慮する必要がある。

以上を踏まえて、本稿では世代間の視点において、効率性の観点から軽減 税率のシミュレーション分析を行う。具体的には、「年齢効果」を考慮した 需要体系を用いてパラメータを推定し、さらに軽減税率による等価変分と超 過負担を計測する。

本稿の構成は次の通りである。2節では消費税改革のシミュレーション分 析に関する先行研究を概観し、3節では「年齢効果」を考慮した実証モデル を構築し、パラメータと価格弾力性の推定を行う。そして、4節で軽減税率 による等価変分と超過負担を計測する。最後に

5

節では、得られた結果と今 後の課題をまとめてむすびとする。

2.先行研究

消費税の増税による超過負担の計測や軽減税率のシミュレーション分析を 行っている研究は多く存在している。小塩(1990)は線形支出体系(Linear

Expenditure System:LES)を用いて、最適な間接税体系の試算を行ってい

る。分析の結果、消費者の効用最大化を目的とする所得階級によって最適な 間接税体系は異なることが検証されている。特に、低所得者世帯を重視する のであれば、分配特性が高い費目の消費税率を抑制し、奢侈品の消費税率を 引き上げることが望ましいと述べられている。

D12709-74001286_田代歩.indd 2 2022/02/03 14:45:19

(4)

田代歩:世代間における軽減税率による厚生損失の評価

上村(2001)は

LES

を用いて所得階級別に需要体系を推定し、間接税に よる超過負担を計測している。分析の結果、消費税の増税により超過負担は 増加し、特に中堅の所得階級の超過負担が最も増加することが明らかにされ ている。

朴(2010)は韓国のデータを用いて需要体系を推定し、効率性の観点から 付加価値税の増税や軽減税率が消費者に与える影響を分析している。等価変 分から考察した場合、軽減税率の導入は高所得者世帯ではなく、低所得者世 帯に適用することが望ましいことが述べられている。そして、超過負担から 考察した場合、軽減税率の導入は市場の相対価格を歪めるため、全ての所得 階級で一律増税が望ましいことが明らかにされている。

中対(2010)は時系列で得られた年齢階級別のデータを用いて「年齢効果」

を考慮した

LES

を構築し、軽減税率のシミュレーション分析を行っている。

分析の結果、標準税率が

10%の税収規模では、若年者世帯を除いた全ての

年齢階級において軽減税率よりも一律増税が望ましいことが検証されてい る。

上記のように、消費税の増税や軽減税率に関して多くの研究が行われてき たが、中対(2010)を除いて、所得階級別の視点から分析が行われている。

中対(2010)は年齢階級別のデータを用いて分析を行っているが、分析の課 題としてコーホートデータを使用して分析を行っていない点が挙げられる。

また、世帯単位で分析を行っているが、高齢者世帯は世帯人員が少ないため、

消費支出を過小に評価している可能性がある。「年齢効果」による消費行動 の変化を正確に把握するためには、世代ごとに区別されたコーホートデータ を使用し、さらに各年齢階級の世帯人員をコントロールする必要がある。

そこで、本稿では「年齢効果」による消費行動の変化をコントロールした 実証モデルを用いて軽減税率のシミュレーション分析を行う。実証モデルに おいて、世帯人員の影響をコントロールして世代ごとに区別されたコーホー トデータを使用し、軽減税率が消費者に与える影響を考察する。

(5)

経済学研究52

̶

4

̶

3.実証モデル

本節では、実証モデルを構築し、パラメータの推定を行う。そして、「ヒッ クス型の需要の自己価格弾力性」を計測する。なお、本節以降では、年齢効 果を考慮する「年齢効果あり」と年齢効果を考慮しない「年齢効果なし」に おいて分析を行い、2つの分析結果を比較することで、軽減税率が消費者に 与える影響を考察する。

まず、中対(

2010

)に従って同一的個人を想定し、消費者の生涯効用関数 を(1)式として設定する。

3

費行動の変化を正確に把握するためには、世代ごとに区別されたコーホートデータを使用 し、さらに各年齢階級の世帯人員をコントロールする必要がある。

そこで、本稿では「年齢効果」による消費行動の変化をコントロールした実証モデルを 用いて軽減税率のシミュレーション分析を行う。実証モデルにおいて、世帯人員の影響を コントロールして世代ごとに区別されたコーホートデータを使用し、軽減税率が消費者に 与える影響を考察する。

3. 実証モデル

本節では、実証モデルを構築し、パラメータの推定を行う。そして、 「ヒックス型の需要 の自己価格弾力性」を計測する。なお、本節以降では、年齢効果を考慮する「年齢効果あ り」と年齢効果を考慮しない「年齢効果なし」において分析を行い、2 つの分析結果を比較 することで、軽減税率が消費者に与える影響を考察する。

まず、中対(2010)に従って同一的個人を想定し、消費者の生涯効用関数を(1)式として設 定する。

��� � � � 1 1 � ��

� �

���

�(�) (1)

(1)式において第 1 段階で生涯所得(生涯総消費支出)を各期に配分し、第 2 段階では各期 に配分された総消費支出を用いて各費目の需要量を決定する。 � は個人の時間選好率、 �(�) は効用関数を表している。本稿では、第 1 段階はすでに最適に行われていると仮定し、第 2 段階での需要関数の推定から分析を行う

1

3.1 需要体系

本稿では、第 2 段階での需要体系として線形支出体系(LES)を使用して、分析を行う。LES において消費者の効用最大化問題は(2)のように設定される。

� �

� � max �(�) � �(�

� �

)

���

s. t. � �

���

� 1 � � �

���

� �

(2)

1 第 1 段階が最適に行われているという仮定から、本稿では消費者は最適な貯蓄を決定した後の消費行動 を想定している。

(1)

(1)式において第

1

段階で生涯所得(生涯総消費支出)を各期に配分し、

2

段階では各期に配分された総消費支出を用いて各費目の需要量を決定す る。θは個人の時間選好率、 は効用関数を表している。本稿では、第

1

段階はすでに最適に行われていると仮定し、第

2

段階での需要関数の推定 から分析を行う1

3.1 需要体系

本稿では、第

2

段階での需要体系として線形支出体系(LES)を使用して、

分析を行う。LESにおいて消費者の効用最大化問題は(2)のように設定さ れる。

1  1段階が最適に行われているという仮定から、本稿では消費者は最適な貯蓄を決定した 後の消費行動を想定している。

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(6)

田代歩:世代間における軽減税率による厚生損失の評価

̶

5

̶

3

費行動の変化を正確に把握するためには、世代ごとに区別されたコーホートデータを使用 し、さらに各年齢階級の世帯人員をコントロールする必要がある。

そこで、本稿では「年齢効果」による消費行動の変化をコントロールした実証モデルを 用いて軽減税率のシミュレーション分析を行う。実証モデルにおいて、世帯人員の影響を コントロールして世代ごとに区別されたコーホートデータを使用し、軽減税率が消費者に 与える影響を考察する。

3. 実証モデル

本節では、実証モデルを構築し、パラメータの推定を行う。そして、 「ヒックス型の需要 の自己価格弾力性」を計測する。なお、本節以降では、年齢効果を考慮する「年齢効果あ り」と年齢効果を考慮しない「年齢効果なし」において分析を行い、2 つの分析結果を比較 することで、軽減税率が消費者に与える影響を考察する。

まず、中対(2010)に従って同一的個人を想定し、消費者の生涯効用関数を(1)式として設 定する。

��� � � � 1 1 � ��

� �

���

�(�) (1)

(1)式において第 1 段階で生涯所得(生涯総消費支出)を各期に配分し、第 2 段階では各期 に配分された総消費支出を用いて各費目の需要量を決定する。 � は個人の時間選好率、 �(�) は効用関数を表している。本稿では、第 1 段階はすでに最適に行われていると仮定し、第 2 段階での需要関数の推定から分析を行う

1

3.1 需要体系

本稿では、第 2 段階での需要体系として線形支出体系(LES)を使用して、分析を行う。LES において消費者の効用最大化問題は(2)のように設定される。

� �

� � max �(�) � �(�

� �

)

���

s. t. � �

���

� 1 � � �

���

� �

(2)

1 第 1 段階が最適に行われているという仮定から、本稿では消費者は最適な貯蓄を決定した後の消費行動 を想定している。

(2)

Stone=Geary

型の効用関数であり、xiは費目iの需要量、piは費 目iの価格、yは総消費支出(所得)、αiβiはパラメータを表している。(2)

を解くと、(3)式のように費目iの需要関数が得られる。

�(�) は Stone=Geary 型の効用関数であり、 �

は費目 � の需要量、 �

は費目 � の価格、 � は総 消費支出(所得)、 �

と �

はパラメータを表している。(2)を解くと、(3)式のように費目 � の 需要関数が得られる。

(�� �) = �

+ �

�� � � �

���

(3)

そして、(3)式の両辺に価格 �

を乗じて、右辺に誤差項 �

を加えると、(4)式を導出すること ができる。

(�� �) = �

+ �

�� � � �

���

� + �

(4)

(�� �) は費目 � の支出額であり、右辺の第 1 項目である �

は費目 � に対して必需的に必要で あると考えられている基礎的消費支出額であり、 �

は基礎的消費量を表す。そして、右辺の 第 2 項目である �

�� � ∑

���

� はそれぞれの費目における基礎的消費支出額の総和を総消 費支出から差し引き、残った金額のうち費目 � へ割り当てる選択的消費支出額である。した がって、 �

は基礎的消費支出後の予算配分に対するシェアを表す。理論上、 �

≥ 0 であり、

0 < �

< 1 となる

2

そして、若林(1998)の手法に従い、(5)式で示されるように、基礎的消費支出後の予算配 分に対するシェア (�

) を世帯主の年齢 (���) の 3 次式で定式化し、年齢効果による消費行動 の変化をコントロールする。

= �

��

��� + �

��

���

+ �

��

���

(5)

世帯主の年齢については、総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世帯主の年齢階 級別 1 世帯当たり 1 か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」の「世帯主の 年齢」を使用する。年齢階級の変化による各費目のシェアの変化は 3 次関数で最も上手く 近似できるため、 �

を世帯主の年齢 (���) の 3 次式で定式化する

3

そして、(4)式のパラメータである �

および �

と切片に世代ダミー (�

) を導入することで、

(6)式の推定式を構築し、 「世代効果」による消費行動の変化をコントロールする。 �

は後述 の表 1 の①から⑥において該当する世代で 1 をとり、その他の世代で 0 をとるダミー変数

2 ただし、�については0 < � < 1に加えて、(1)で設定される∑ � = 1の制約式を満たすことが求められ

(3)

そして、(3)式の両辺に価格piを乗じて、右辺に誤差項uiを加えると、(4)

式を導出することができる。

�(�) は Stone=Geary 型の効用関数であり、 �

は費目 � の需要量、 �

は費目 � の価格、 � は総 消費支出(所得)、 �

と �

はパラメータを表している。(2)を解くと、(3)式のように費目 � の 需要関数が得られる。

(�� �) = �

+ �

�� � � �

���

(3)

そして、(3)式の両辺に価格 �

を乗じて、右辺に誤差項 �

を加えると、(4)式を導出すること ができる。

(�� �) = �

+ �

�� � � �

���

� + �

(4)

(�� �) は費目 � の支出額であり、右辺の第 1 項目である �

は費目 � に対して必需的に必要で あると考えられている基礎的消費支出額であり、 �

は基礎的消費量を表す。そして、右辺の 第 2 項目である �

�� � ∑

���

� はそれぞれの費目における基礎的消費支出額の総和を総消 費支出から差し引き、残った金額のうち費目 � へ割り当てる選択的消費支出額である。した がって、 �

は基礎的消費支出後の予算配分に対するシェアを表す。理論上、 �

≥ 0 であり、

0 < �

< 1 となる

2

そして、若林(1998)の手法に従い、(5)式で示されるように、基礎的消費支出後の予算配 分に対するシェア (�

) を世帯主の年齢 (���) の 3 次式で定式化し、年齢効果による消費行動 の変化をコントロールする。

= �

��

��� + �

��

���

+ �

��

���

(5)

世帯主の年齢については、総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世帯主の年齢階 級別 1 世帯当たり 1 か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」の「世帯主の 年齢」を使用する。年齢階級の変化による各費目のシェアの変化は 3 次関数で最も上手く 近似できるため、 �

を世帯主の年齢 (���) の 3 次式で定式化する

3

そして、(4)式のパラメータである �

および �

と切片に世代ダミー (�

) を導入することで、

(6)式の推定式を構築し、 「世代効果」による消費行動の変化をコントロールする。 �

は後述 の表 1 の①から⑥において該当する世代で 1 をとり、その他の世代で 0 をとるダミー変数

2 ただし、�については0 < �< 1に加えて、(1)で設定される∑

��� = 1の制約式を満たすことが求められ

(4)

C(p, y)は費目i iの支出額であり、右辺の第

1

項目であるαipiは費目iに 対して必需的に必要であると考えられている基礎的消費支出額であり、αiは 基礎的消費量を表す。そして、右辺の第

2

項目であるβiy-∑j=1αjpj)は それぞれの費目における基礎的消費支出額の総和を総消費支出から差し引 き、残った金額のうち費目iへ割り当てる選択的消費支出額である。したがっ て、βiは基礎的消費支出後の予算配分に対するシェアを表す。理論上、αi

0

であり、0<βi

1

となる2

J

2  ただし、βiについては0<βi<1に加えて、(2)で設定されるi=1βi=1の制約式を満たす ことが求められる。

I

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(7)

経済学研究52

̶

6

̶

そして、若林(1998)の手法に従い、(5)式で示されるように、基礎的消 費支出後の予算配分に対するシェア(βi)を世帯主の年齢(age)の

3

次式 で定式化し、年齢効果による消費行動の変化をコントロールする。

4

�(�) は Stone=Geary 型の効用関数であり、 �

は費目 � の需要量、 �

は費目 � の価格、 � は総 消費支出(所得)、 �

と �

はパラメータを表している。(2)を解くと、(3)式のように費目 � の 需要関数が得られる。

(�� �) = �

+ �

�� � � �

���

(3)

そして、(3)式の両辺に価格 �

を乗じて、右辺に誤差項 �

を加えると、(4)式を導出すること ができる。

(�� �) = �

+ �

�� � � �

���

� + �

(4)

(�� �) は費目 � の支出額であり、右辺の第 1 項目である �

は費目 � に対して必需的に必要で あると考えられている基礎的消費支出額であり、 �

は基礎的消費量を表す。そして、右辺の 第 2 項目である �

�� � ∑

���

� はそれぞれの費目における基礎的消費支出額の総和を総消 費支出から差し引き、残った金額のうち費目 � へ割り当てる選択的消費支出額である。した がって、 �

は基礎的消費支出後の予算配分に対するシェアを表す。理論上、 �

≥ 0 であり、

0 < �

< 1 となる

2

そして、若林(1998)の手法に従い、(5)式で示されるように、基礎的消費支出後の予算配 分に対するシェア (�

) を世帯主の年齢 (���) の 3 次式で定式化し、年齢効果による消費行動 の変化をコントロールする。

= �

��

��� + �

��

���

+ �

��

���

(5)

世帯主の年齢については、総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世帯主の年齢階 級別 1 世帯当たり 1 か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」の「世帯主の 年齢」を使用する。年齢階級の変化による各費目のシェアの変化は 3 次関数で最も上手く 近似できるため、 �

を世帯主の年齢 (���) の 3 次式で定式化する

3

そして、(4)式のパラメータである �

および �

と切片に世代ダミー (�

) を導入することで、

(6)式の推定式を構築し、 「世代効果」による消費行動の変化をコントロールする。 �

は後述 の表 1 の①から⑥において該当する世代で 1 をとり、その他の世代で 0 をとるダミー変数

2 ただし、�については0 < �< 1に加えて、(1)で設定される∑���= 1の制約式を満たすことが求められ る。

3 年齢階級の変化による各費目のシェアを 2 次関数で最も上手く近似できる場合、(5)式の���をゼロとすれ ばよい。

(5)

世帯主の年齢については、総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世 帯主の年齢階級別

1

世帯当たり

1

か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち 勤労者世帯)」の「世帯主の年齢」を使用する。年齢階級の変化による各費 目のシェアの変化は

3

次関数で最も上手く近似できるため、βiを世帯主の年 齢(age)の

3

次式で定式化する3

そして、(4)式のパラメータであるαiおよびβiと切片に世代ダミー(Dl) を導入することで、(6)式の推定式を構築し、「世代効果」による消費行動 の変化をコントロールする。Dlは後述の表

1

の①から⑥において該当する 世代で

1

をとり、その他の世代で

0

をとるダミー変数である。(6)式によっ て、パラメータzlで表される「世代効果」の影響を取り除き、年齢効果の みを考慮したαiβiを推定することができる。

5

である。(6)式によって、パラメータで表される「世代効果」の影響を取り除き、年齢効 果のみを考慮したを推定することができる。

���(�� �) = ��� � �

���

� �� ��� � �

���

� �� � � ��� � �

���

���

� � � �

���

� � (6)

3.2 データと推定方法

本稿では、10 大費目別消費である「食料」「住居」「光熱水道」「家具家事用品」「被服及 び履物」「保健医療」「交通通信」「教育」「教養娯楽」「その他の消費支出」を対象として、

これらの費目に対応する価格データと消費データを使用して推定を行う。価格データは総 務省統計局『2015 年基準消費者物価指数』における長期時系列データ「全国(品目別価格指 数)」の月次データを使用する。

消費データは総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世帯主の年齢階級別 1 世帯 当たり 1 か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」の月次データを使用し、

総消費支出(�)については「消費支出」を使用する4『家計調査年報』は世帯単位の消費デ ータが掲載されているが、高齢者世帯は世帯人員が少ないため、世帯単位で分析を行うと 高齢者世帯の消費支出を過小に評価してしまう可能性がある。そこで、本稿では各年齢階 級の 10 大費目別消費と消費支出を等価消費(= 各費目の消費支出/世帯人員)で処理し、

世帯人員による影響をコントロールする。

『家計調査年報』の「住居」には帰属家賃が含まれていないため、「住居」を含めて推定 を行うとサンプルセレクションバイアスを引き起こす可能性がある。したがって、本稿で は「住居」を除いた 9 つの費目で分析を行う。なお、総消費支出(�)に関して、9 つの費目 で推定を行う際は、総消費支出(�)から「住居」の支出額を控除したデータを使用し、消費 データについては、季節調整を施す5

中対(2010)は(4)式に(5)式を代入した推定式において、時系列で得られた年齢階級別の データを用いてパラメータを推定しており、コーホートデータを用いた推定が行われてい ない。そこで、本稿では表 1 のようにコーホートデータを作成して、消費行動の変化の要

4 中対(2010)や若林(1998)も「二人以上世帯のうち勤労者世帯」のデータを使用して、推定を行っている。

特に、高齢者世帯に関して勤労者世帯を使用することは特殊なサンプルの抽出であることに注意が必要で ある。なお、「二人以上世帯」のデータを使用して推定を行ったが、複数の年齢階級においてが負値とな り、符号条件を満たさない結果となった。本稿で使用しているモデルは制約条件が強いため、より一般性 のあるモデルを再検討し、推定を行うことは今後の課題である。

5 季節調整については、統計ソフト R の stl 関数を使用し、データの原数値を季節成分、トレンド成分、

残差成分に分解し、季節成分を除去することで季節調整値を求めた。

(6)

3.2 データと推定方法

本稿では、10大費目別消費である「食料」「住居」「光熱水道」「家具家事 用品」「被服及び履物」「保健医療」「交通通信」「教育」「教養娯楽」「その他 の消費支出」を対象として、これらの費目に対応する価格データと消費デー タを使用して推定を行う。価格データは総務省統計局『2015年基準消費者

3 年齢階級の変化による各費目のシェアを2次関数で最も上手く近似できる場合、(5)式の

β3iをゼロとすればよい。

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(8)

田代歩:世代間における軽減税率による厚生損失の評価

5

である。(6)式によって、パラメータで表される「世代効果」の影響を取り除き、年齢効 果のみを考慮したを推定することができる。

���(�� �) = ��� � �

���

� �� ��� � �

���

� �� � � ��� � �

���

���

� � � �

���

� � (6)

3.2 データと推定方法

本稿では、10 大費目別消費である「食料」「住居」「光熱水道」「家具家事用品」「被服及 び履物」「保健医療」「交通通信」「教育」「教養娯楽」「その他の消費支出」を対象として、

これらの費目に対応する価格データと消費データを使用して推定を行う。価格データは総 務省統計局『2015 年基準消費者物価指数』における長期時系列データ「全国(品目別価格指 数)」の月次データを使用する。

消費データは総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世帯主の年齢階級別 1 世帯 当たり 1 か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」の月次データを使用し、

総消費支出(�)については「消費支出」を使用する4『家計調査年報』は世帯単位の消費デ ータが掲載されているが、高齢者世帯は世帯人員が少ないため、世帯単位で分析を行うと 高齢者世帯の消費支出を過小に評価してしまう可能性がある。そこで、本稿では各年齢階

級の 10 大費目別消費と消費支出を等価消費(= 各費目の消費支出/�世帯人員)で処理し、

世帯人員による影響をコントロールする。

『家計調査年報』の「住居」には帰属家賃が含まれていないため、「住居」を含めて推定 を行うとサンプルセレクションバイアスを引き起こす可能性がある。したがって、本稿で は「住居」を除いた 9 つの費目で分析を行う。なお、総消費支出(�)に関して、9 つの費目 で推定を行う際は、総消費支出(�)から「住居」の支出額を控除したデータを使用し、消費 データについては、季節調整を施す5

中対(2010)は(4)式に(5)式を代入した推定式において、時系列で得られた年齢階級別の データを用いてパラメータを推定しており、コーホートデータを用いた推定が行われてい ない。そこで、本稿では表 1 のようにコーホートデータを作成して、消費行動の変化の要

4 中対(2010)や若林(1998)も「二人以上世帯のうち勤労者世帯」のデータを使用して、推定を行っている。

特に、高齢者世帯に関して勤労者世帯を使用することは特殊なサンプルの抽出であることに注意が必要で ある。なお、「二人以上世帯」のデータを使用して推定を行ったが、複数の年齢階級においてが負値とな り、符号条件を満たさない結果となった。本稿で使用しているモデルは制約条件が強いため、より一般性 のあるモデルを再検討し、推定を行うことは今後の課題である。

5 季節調整については、統計ソフト R の stl 関数を使用し、データの原数値を季節成分、トレンド成分、

残差成分に分解し、季節成分を除去することで季節調整値を求めた。

物価指数』における長期時系列データ「全国(品目別価格指数)」の月次デー タを使用する。

消費データは総務省統計局『家計調査年報』の家計収支編「世帯主の年齢 階級別1世帯当たり

1

か月間の収入と支出(二人以上世帯のうち勤労者世帯)」

の月次データを使用し、総消費支出(y)については「消費支出」を使用する4

『家計調査年報』は世帯単位の消費データが掲載されているが、高齢者世帯 は世帯人員が少ないため、世帯単位で分析を行うと高齢者世帯の消費支出を 過小に評価してしまう可能性がある。そこで、本稿では各年齢階級の

10

大 費目別消費と消費支出を等価消費(=各費目の消費支出/ 世帯人員)で処 理し、世帯人員による影響をコントロールする。

『家計調査年報』の「住居」には帰属家賃が含まれていないため、「住居」

を含めて推定を行うとサンプルセレクションバイアスを引き起こす可能性が ある。したがって、本稿では「住居」を除いた

9

つの費目で分析を行う。な お、総消費支出(y)に関して、

9

つの費目で推定を行う際は、総消費支出(y)

から「住居」の支出額を控除したデータを使用し、消費データについては、

季節調整を施す5

中対(2010)は(4)式に(5)式を代入した推定式において、時系列で得 られた年齢階級別のデータを用いてパラメータを推定しており、コーホート データを用いた推定が行われていない。そこで、本稿では表

1

のようにコー ホートデータを作成して、消費行動の変化の要因を年齢の変化によって消費 行動が変化する「年齢効果」と世代の変化によって消費行動が変化する「世

4 中対(2010)や若林(1998)も「二人以上世帯のうち勤労者世帯」のデータを使用して、

推定を行っている。特に、高齢者世帯に関して勤労者世帯を使用することは特殊なサンプ ルの抽出であることに注意が必要である。なお、「二人以上世帯」のデータを使用して推定 を行ったが、複数の年齢階級においてβiが負値となり、符号条件を満たさない結果となっ た。本稿で使用しているモデルは制約条件が強いため、より一般性のあるモデルを再検討 し、推定を行うことは今後の課題である。

5 季節調整については、統計ソフトRstl関数を使用し、データの原数値を季節成分、トレ

ンド成分、残差成分に分解し、季節成分を除去することで季節調整値を求めた。

(9)

経済学研究52

̶

8

̶ 代(コーホート)効果」に分解する6

1

で示されるように、世帯主の年齢階級を

24

歳以下、25-29歳、30-34 歳、35-39歳、40-44歳、45-49歳、50-54歳、55-59歳、60-64歳、65歳以上 の

10

階級に分類する。そして、2000年から

2020

年までにおいて、5年ごと を対象として①から⑥までのコーホートを作成する。(6)式の世代ダミー(Dl) については、1951-55年ダミーから

1976-80

年ダミーまで、6つのダミー変 数を導入する。価格データについては、コーホートに対応する月次データを 使用する。なお、月次データで

5

年ごとに

6

つのコーホートを作成するので、

サンプル数は

12

×

5

×

6=360

となる。

表1 コーホートデータの作成

6

因を年齢の変化によって消費行動が変化する「年齢効果」と世代の変化によって消費行動 が変化する「世代(コーホート)効果」に分解する6

表 1 で示されるように、世帯主の年齢階級を 24 歳以下、25-29 歳、30-34 歳、35-39 歳、

40-44 歳、45-49 歳、50-54 歳、55-59 歳、60-64 歳、65 歳以上の 10 階級に分類する。そし て、2000 年から 2020 年までにおいて、5 年ごとを対象として①から⑥までのコーホートを 作成する。(6)式の世代ダミー(�)については、1951-55 年ダミーから 1976-80 年ダミーま で、6 つのダミー変数を導入する。価格データについては、コーホートに対応する月次デー タを使用する。なお、月次データで 5 年ごとに 6 つのコーホートを作成するので、サンプ ル数は12 × 5 × 6 = 360となる。

表 1 コーホートデータの作成 年齢効果 2000 2005 2010 2015 2020 24 歳以下

25-29 歳 30-34 歳

35-39 歳 世代(コーホート)効果 40-44 歳 ①:1976-80 年生まれ 45-49 歳 ②:1971-75 年生まれ 50-54 歳 ③:1966-70 年生まれ 55-59 歳 ④:1961-65 年生まれ 60-64 歳 ⑤:1956-60 年生まれ

65 歳以上 ⑥:1951-55 年生まれ

出典)筆者作成。

「年齢効果あり」では、(6)式に(5)式を代入した推定式において、誤差項間の相関を考 慮し、非線形 SUR(Seemingly Unrelated Regression)でを同時推定する。ここで、 関しては、(7)式のように指数変換し、を推定することで、非負条件を課す7

= exp(�) (7)

6 本来であれば、「年齢効果」と「世代効果」に加えて、年代の変化によって消費行動が変化する「時代効 果」が存在する。しかし、「年齢効果」「世代効果」「時代効果」を同時に推定式で考慮した場合、3 つの効 果を識別することが困難になり、3 つの効果が相互に作用する可能性がある。したがって、本稿では若林 (1998)に倣い、「年齢効果」と「時代効果」による消費行動の変化を考慮する。

7 ただし、> 0であれば、< 0でも問題はなく、上村(2001)や鈴木・若松(2016)はに非負条件を課さ ずに推定を行っている。

「年齢効果あり」では、(6)式に(5)式を代入した推定式において、誤差 項間の相関を考慮し、非線形

SUR(Seemingly Unrelated Regression)で

αi

6 本来であれば、「年齢効果」と「世代効果」に加えて、年代の変化によって消費行動が変化 する「時代効果」が存在する。しかし、「年齢効果」「世代効果」「時代効果」を同時に推定 式で考慮した場合、3つの効果を識別することが困難になり、3つの効果が相互に作用する 可能性がある。したがって、本稿では若林(1998)に倣い、「年齢効果」と「時代効果」に よる消費行動の変化を考慮する。

D12709-74001286_田代歩.indd 8 2022/02/03 14:45:21

(10)

田代歩:世代間における軽減税率による厚生損失の評価

βiを同時推定する。ここで、αiに関しては、(7)式のように指数変換し、

πiを推定することで、非負条件を課す7

6

因を年齢の変化によって消費行動が変化する「年齢効果」と世代の変化によって消費行動 が変化する「世代(コーホート)効果」に分解する

6

表 1 で示されるように、世帯主の年齢階級を 24 歳以下、25-29 歳、30-34 歳、35-39 歳、

40-44 歳、45-49 歳、50-54 歳、55-59 歳、60-64 歳、65 歳以上の 10 階級に分類する。そし て、2000 年から 2020 年までにおいて、5 年ごとを対象として①から⑥までのコーホートを 作成する。(6)式の世代ダミー (�

) については、1951-55 年ダミーから 1976-80 年ダミーま で、6 つのダミー変数を導入する。価格データについては、コーホートに対応する月次デー タを使用する。なお、月次データで 5 年ごとに 6 つのコーホートを作成するので、サンプ ル数は 12 × 5 × 6 = 360 となる。

表 1 コーホートデータの作成 年齢効果 2000 2005 2010 2015 2020 24 歳以下 ①

25-29 歳 ② ①

30-34 歳 ③ ② ①

35-39 歳 ④ ③ ② ① 世代(コーホート)効果 40-44 歳 ⑤ ④ ③ ② ① ①:1976-80 年生まれ 45-49 歳 ⑥ ⑤ ④ ③ ② ②:1971-75 年生まれ 50-54 歳 ⑥ ⑤ ④ ③ ③:1966-70 年生まれ 55-59 歳 ⑥ ⑤ ④ ④:1961-65 年生まれ 60-64 歳 ⑥ ⑤ ⑤:1956-60 年生まれ

65 歳以上 ⑥ ⑥:1951-55 年生まれ

出典)筆者作成。

「年齢効果あり」では、(6)式に(5)式を代入した推定式において、誤差項間の相関を考 慮し、非線形 SUR(Seemingly Unrelated Regression)で �

と �

を同時推定する。ここで、 �

に 関しては、(7)式のように指数変換し、 �

を推定することで、非負条件を課す

7

= exp(�

) (7)

6 本来であれば、「年齢効果」と「世代効果」に加えて、年代の変化によって消費行動が変化する「時代効 果」が存在する。しかし、「年齢効果」「世代効果」「時代効果」を同時に推定式で考慮した場合、3 つの効 果を識別することが困難になり、3 つの効果が相互に作用する可能性がある。したがって、本稿では若林 (1998)に倣い、「年齢効果」と「時代効果」による消費行動の変化を考慮する。

7 ただし、�> 0であれば、�< 0でも問題はなく、上村(2001)や鈴木・若松(2016)は�に非負条件を課さ ずに推定を行っている。

(7)

また、βiに関しては、∑i=1βi

=1

の制約式があり、

1

つは独立ではないので、

「その他の消費支出」を除いた

8

個の推定式を同時推定する。なお、「年齢 効果なし」については、(5)式や世代ダミー(Dl)を導入しない通常の(4)

式において、(7)式を課した上で表

1

のコーホートデータを用いて非線形

SUR(Seemingly Unrelated Regression)で

αiβiを同時推定する。

3.3 パラメータの推定結果

パラメータの推定結果を表

2

に示している。3.2節で示した手法で推定を 行ったところ、複数の費目で基礎的消費量(αi)が限りなく小さい値で推定 された。そこで、これらの費目については、基礎的消費量をゼロとして再推 定を行った8。αiがゼロの費目は奢侈品の性質が強いと考えることができ、

αiをゼロとしても大きな問題はないと判断できる。

「年齢効果あり」では、「食料」のα1が最も高く推定されていることから、

必需品の性質が強いことが推測できる。また、「食料」のβ21β31が有意に 推定されていないが、「食料」のα1が高いことから、β21β31が小さくなる 結果、「食料」の選択的消費支出が低くなると解釈できる。「年齢効果なし」

においても、「食料」のα1が最も高く推定されており、βiは全ての費目で有 意に推定されている。なお、「年齢効果なし」のβ9については、1−∑i=1βi

から計算している。

I

8

7  ただし、xi0であれば、αi0でも問題はなく、上村(2001)や鈴木・若松(2016)は αiに非負条件を課さずに推定を行っている。

8 基礎的消費量をゼロとして再推定を行った結果、赤池情報量基準(AIC)とベイズ情報量基 準(BIC)が小さくなり、モデルの妥当性が改善された。

(11)

経済学研究52

̶

10

̶

表2 パラメータの推定結果(n=360)

8

表 2 パラメータの推定結果�� � ����

年齢効果あり �� �� �� 食料

(� � 1)

257.2*** 0.00250* 0.000001 1.630E-08 0.995 (11.8) (0.00140) (0.000047) (4.335E-07)

光熱水道 (� � �)

77.8*** 0.00170*** -0.000033** 3.265E-07** 0.991 (4.1) (0.00046) (0.000016) (1.459E-07)

家具家事用品 (� � �)

25.2*** 0.00154* -0.000044 5.105E-07** 0.946 (5.9) (0.00089) (0.000029) (2.496E-07)

被服及び履物 (�� �)

0.0 0.00601*** -0.000149*** 1.063E-06*** 0.972

― (0.00028) (0.000011) (1.010E-07) 保健医療

(� � 5)

31.6*** 0.00344*** -0.000123*** 1.292E-06*** 0.976 (5.3) (0.00072) (0.000023) (2.072E-07)

交通通信 (� � �)

0.0 0.02790*** -0.000835*** 7.118E-06*** 0.954

― (0.00236) (0.000091) (8.675E-07) 教育

(� � �)

0.0 -0.00503*** 0.000358*** -4.216E-06*** 0.892

― (0.00099) (0.000041) (4.229E-07) 教養娯楽

(� � �)

0.0 0.01478*** -0.000387*** 2.910E-06*** 0.981

― (0.00057) (0.000021) (1.989E-07) その他の消費支出

(� � �)

0.0 ― ― ― ―

― ― ― ― ― 年齢効果なし �� ���� �������� 食料

(� � 1)

227.6*** 0.189*** 0.991 (9.1) (0.007)

交通通信 (� � �)

168.4*** 0.110*** 0.948 (11.5) (0.012) 光熱水道

(� � �)

79.3*** 0.050*** 0.990 (2.3) (0.002)

教育 (� � �)

0.0 0.118*** 0.794

― (0.004) 家具家事用品

(� � �)

24.4*** 0.035*** 0.921 (2.5) (0.003)

教養娯楽 (� � �)

107.0*** 0.061*** 0.976 (4.9) (0.005) 被服及び履物

(�� �)

51.2*** 0.024*** 0.960 (2.3) (0.003)

その他の 消費支出 (� � �)

0.0 0.389 ―

― ― ― 保健医療

(� � 5)

41.5*** 0.023*** 0.954 (2.4) (0.002)

注 1)括弧内は誤差項の不均一分散に頑健な標準誤差を表す。

注 2)世代ダミーの推定結果は省略。

注 3)***:p 値< 0.01、**:p 値< 0.05、*:p 値< 0.1 出典)推定結果より筆者作成。

8

表 2 パラメータの推定結果�� � ����

年齢効果あり �� �� �� 食料

(� � 1)

257.2*** 0.00250* 0.000001 1.630E-08 0.995 (11.8) (0.00140) (0.000047) (4.335E-07)

光熱水道 (� � �)

77.8*** 0.00170*** -0.000033** 3.265E-07** 0.991 (4.1) (0.00046) (0.000016) (1.459E-07)

家具家事用品 (� � �)

25.2*** 0.00154* -0.000044 5.105E-07** 0.946 (5.9) (0.00089) (0.000029) (2.496E-07)

被服及び履物 (�� �)

0.0 0.00601*** -0.000149*** 1.063E-06*** 0.972

― (0.00028) (0.000011) (1.010E-07) 保健医療

(� � 5)

31.6*** 0.00344*** -0.000123*** 1.292E-06*** 0.976 (5.3) (0.00072) (0.000023) (2.072E-07)

交通通信 (� � �)

0.0 0.02790*** -0.000835*** 7.118E-06*** 0.954

― (0.00236) (0.000091) (8.675E-07) 教育

(� � �)

0.0 -0.00503*** 0.000358*** -4.216E-06*** 0.892

― (0.00099) (0.000041) (4.229E-07) 教養娯楽

(� � �)

0.0 0.01478*** -0.000387*** 2.910E-06*** 0.981

― (0.00057) (0.000021) (1.989E-07) その他の消費支出

(� � �)

0.0 ― ― ― ―

― ― ― ― ― 年齢効果なし �� ���� �������� 食料

(� � 1)

227.6*** 0.189*** 0.991 (9.1) (0.007)

交通通信 (� � �)

168.4*** 0.110*** 0.948 (11.5) (0.012) 光熱水道

(� � �)

79.3*** 0.050*** 0.990 (2.3) (0.002)

教育 (� � �)

0.0 0.118*** 0.794

― (0.004) 家具家事用品

(� � �)

24.4*** 0.035*** 0.921 (2.5) (0.003)

教養娯楽 (� � �)

107.0*** 0.061*** 0.976 (4.9) (0.005) 被服及び履物

(�� �)

51.2*** 0.024*** 0.960 (2.3) (0.003)

その他の 消費支出 (� � �)

0.0 0.389 ―

― ― ― 保健医療

(� � 5)

41.5*** 0.023*** 0.954 (2.4) (0.002)

注 1)括弧内は誤差項の不均一分散に頑健な標準誤差を表す。

注 2)世代ダミーの推定結果は省略。

注 3)***:p 値< 0.01、**:p 値< 0.05、*:p 値< 0.1 出典)推定結果より筆者作成。

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(12)

田代歩:世代間における軽減税率による厚生損失の評価

2

β1iβ2iβ3iおよび世帯主の年齢のデータを(5)式に代入し、「年 齢効果あり」の基礎的消費支出後の予算配分に対するシェア(βi)を計測し、

まとめたものを表

3

に示している。β9については

1−∑

i=1βiから計算してい る。年齢階級ごとにβiが異なることから、ライフステージによって消費者 の消費行動が変化することが分かる。特に「保健医療」のβ5については、

20

代では高いが、年齢階級が上がるごとに緩やかに低下していき、50代か ら再び上昇し、

60

代でさらに大きく上昇している。

2

と表

3

を踏まえて、「年齢効果あり」と「年齢効果なし」の重要な相 違点として以下の

2

点を指摘できる。

1

点目は、「年齢効果なし」では「食料」

β1が「年齢効果あり」よりも高く計測されることである。そして、

2点目は、

「年齢効果なし」では「被服及び履物」や「交通通信」や「教養娯楽」など の奢侈品と考えられる費目のαiが「年齢効果あり」よりも高く計測される ことである。これらより、「年齢効果なし」は「年齢効果あり」よりも「食料」

β1や奢侈品と考えられる費目のαiを過大に評価する特徴がある。

8

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