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地震時損傷管路網の給水性能評価

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Academic year: 2022

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(1)

地震時損傷管路網の給水性能評価

武蔵工業大学  学生員 ○孫 正涛 武蔵工業大学  正会員  小池 武

1. はじめに  解析データとして,配水本管に実際な値を与え,GIS

マップ上にモデルを作り,詳細な配管データ(延長管 路,管径)を取り扱った2).ただし,漏水係数c=0.0005,

流速 1 ㎥/sec と節点条件(地盤高,管中心高,需要水 量,許容取出水量,エネルギー位)は仮定の値 3) であ る.

 大規模な地震時,上水道システムの配水本管は,断 水状態に陥る恐れがある.それは水圧・水量の低下や 管路漏水などにより,水源からの送水が不可能となる ためである.その状態になったとき,水道管理者は水 を供給することがどの程度できるかを把握し,耐震対 策や震災後応急対策などをしなければならない.

3. 解析方法  そこで本研究の目的は地震後,配水本管の給水ノー

ドに対する給水性能(水圧・取出水量)がどの程度低 下するか評価する.

 

漏水モデル 損傷管路 正常管路

 

地震後

2. 対象上水道配水本管のモデル化

 解析対象地区モデルとして,図1のように,川崎市 の上水道配水本管1) 2)を採用した.

リンク番号とノード番号を付け,図 2 のように配水 本管をモデル化した.

      図1 対象地区モデル化

図2. 上水道配水本管図

キーワード 給水性能 上水道システム 損傷評価

モデル化

      図3漏水モデル化示図

本研究は漏水を考慮した管網解析法3)を採用した.管 路破断の代わりに,管路両端のノードの漏水係数cを 正常時の1000倍にし,得られた漏水量は破断した管路 の漏水量と同等であるとした.

そのため,本研究で扱われた配水本管における各リ ンクを図3のように漏水モデル化した.

1

2

3

10 7 8

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12 5 6

4 16

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12 1 4 3   5

8 6

9 10

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34 35

36 37 39

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43 48

51

53 52

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32 24

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20 19 18

38 25

31

33 40

45 46

54 50 49

29 30

28

27 26

41 44 2

47 21

浄 水 場

配 水 施 設

11

破壊確率major

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52

link number

%

図4.地震時管路破壊確率

Ⅶ-033 第35回土木学会関東支部技術研究発表会

(2)

漏水モデル化を用いて,各管路に図 4 のようの地震 時破壊確率を与え,モンテカルロ・シミュレーション

3)を行った,地震時,各ノードのエネルギー位と取出水 量を通常時の値と比較し,その平均値と標準偏差を計 算2)結果として評価した.

4, 数値検討結果 (1) 評価基準

      図5 給水性能評価基準

図5のように,水量水圧共に80%を超えている場合 を小損傷,60%未満を大損傷,そのどちらでもないと きを中損傷と定義する.

(2) 解析結果

図6で表されたのは川崎市配水本管の水理管網解析 結果分布である.

      図6  解析結果分布

ここで,通常時における給水ノードへの水量,水圧を

, とし,地震時を , をとすると,

Qn En Qe Ee 地震時における水量の割合=Qe/Qn

地震時における水圧の割合=Ee/Enとなる.

楕円が各ノード取出水量比とエネルギー比の標準偏差 を表している.

(3)評価

 解析結果により,大,中,小損傷の割合を表 1 で表 した.

表1  損傷評価

総ノード数 大損傷数 中損傷数 小損傷数

35     5     3 27

割合 14%   9% 77%

図 6における3つの損傷モードは以下のように評価 小 損 傷 した.

小損傷ノードは取出し水量比がほぼ 100%であるが,

エネルギー比が 85%に低下した.すなわち,完全に水 が出せるが,水圧低下のため,流速が遅くなる.

取出水量比

%  

80%

大損傷ノード Bの楕円範囲では,エネルギー比と取 出水量比のバラつき範囲が非常に広いので,ノード B が地震時どのような損傷が起こるかを判断するのが難 しい.

60%

損 傷

ノードAの位置が中損傷であるが,取出水量比のバ ラつき範囲が大損傷にも至るため,地震時大損傷とな る可能性もある.

60% 80%

エネルギー比 %

大中損傷地区

図7 川崎市大中損傷発生地区

地震時における給水性能評価は,川崎市東部のノー ド施設に大中損傷が集中しているので,配水本管の耐 震対策を行う必要があると判断した

本 線 管 網 地 震 時 破 壊 結 果

80%

100%

(%) ノード

5. 結論

本研究では地震時の川崎市配水本管の給水機能を評 価した.地震発生前後おける水圧,取出水量を比較す ることで,各ノード施設の被害を推定することができ た.図5,6は,地震後にどの給水拠点から応急対策を 行うことが最も効果的であるか判断できる評価基準で ある.

  参考文献

1)川崎市水道局:水道管網図―平成十四年版 2)大場 亨:ArcGIS8で地域分析入門,成文堂,2004

3)高桑哲男:配水管網の解析と設計,森北出版,1978 年

4)浦 昭二:FORTRAN77入門,培風舘,昭和61年

0%

20%

40%

60%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

エ ネ ル ギ ー 比 Ee/En  (%)

 出 水 量 比Qe/Q

標準偏差による バラつき

B A

Ⅶ-033 第35回土木学会関東支部技術研究発表会

参照

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