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イソシアン酸メチル/Methyl isocyanate(624-83-9)

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Academic year: 2021

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急性曝露ガイドライン濃度 (AEGL)

Methyl isocyanate (624-83-9) イソシアン酸メチル

Table AEGL 設定値

Methyl isocyanate 624-83-9 (Final) ppm

10 min 30 min 60 min 4 hr 8 hr

AEGL 1 NR NR NR NR NR AEGL 2 0.4 0.13 0.067 0.017 0.008 AEGL 3 1.2 0.4 0.2 0.05 0.025 NR: データ不十分により推奨濃度設定不可 設定根拠(要約): イソシアン酸メチル(MIC)は、最も反応性の高いイソシアン酸塩の一つであり、水性媒体 中で急速に分解される(Varma and Guest 1993)。MICは、その反応性の高さから、N-メチ ルカルバミン酸系とN-メチル尿素系の殺虫剤や除草剤の合成で、中間体として使用される (Hartung 1994)。1984年の12月2日から3日の夜間に、インドのボパールで化学工場から推 定30トンのMICが流出し、史上最悪の産業災害の一つとなった(Karlsson et al. 1985)。 このボパールの大惨事では、犠牲者の気道に重度の刺激症状が認められ、剖検の結果、死 因は急性肺水腫であったことが明らかになった(Weill 1988)。生存者では、長期にわたる 肺と眼の後遺症が報告されている。また、ガス流出時に妊娠していた女性では、被災から 数ヵ月間にわたって自然流産率(Arbuckle and Sever 1998)と乳児死亡率(Varma 1987)の 有意な上昇が報告されている。動物における多くの試験により、ヒトにおける疫学的知見 が裏付けられている。産業労働者の症例報告の集計によると、MICに曝露された労働者に共 通して皮膚と呼吸器の刺激症状が認められるが、感作が確認された確実な症例はない (Ketcham 1973)。肺、皮膚、および眼に対する毒性作用は刺激によるものであるが、全身 への影響の作用メカニズムは不明である。 AEGL-1の導出は行わなかった。ヒトと動物への刺激のレベルに関するデータが得られてい るが、MICの刺激の閾値は、全身への影響が懸念されるレベルより高い可能性がある。ヒト における実験的研討によって、刺激の重症度には、MICへの曝露期間と濃度の両方が関係す

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2 ることが示されている。ただし、試験における短い曝露時間から、これより長いAEGLの曝 露時間に外挿しても、健康への有害な影響は予測できない可能性がある。肺水腫を除き、 全身への影響のリスクが問題となる濃度は不明である。曝露から数分後にヒトに刺激を引 き起こす濃度(1~4 ppm)は、適切に実施された動物試験で胚や胎仔への致死作用が認め られた濃度に近いか、これより高い。したがって、ヒトにおける実験的曝露データは、 AEGL-1値の導出に使用しなかった。ただし、AEGL-1値の導出に使用した濃度より低い濃 度のMICへの曝露により、全身毒性が引き起こされる可能性があることに注意すべきである。 AEGL-2値の導出には、ラットとマウスの全身毒性のデータを使用した。Tepperら(1987) の試験では、ラットを3 ppmの濃度で2時間曝露したところ、曝露から4ヵ月後に不整脈の増 加が認められた。また、Varma(1987)の試験では、妊娠8日目のSwiss-Websterマウスを、0、 2、6、9、15 ppmのMICに、濃度を分析的にモニタリングしながら3時間曝露し、すべての曝 露群で、胎盤の重量と胎仔体重の有意な減少が認められた。また、9 ppm曝露群と15 ppm曝 露群では、雌親がそれぞれ2匹死亡し、生存している雌親では一腹全部の胚吸収が生じた例 が有意に増加し、そして胎仔では下顎骨と長骨の長さが有意に短縮した。2 ppmで3時間と いう単回曝露量を、母体毒性が認められない胎仔体重減少に関しての試験的に得られた最 小毒性量(LOAEL)とした。式Cn × t = kを使用し、ここではn = 1として時間スケーリング を行い、10分間、30分間、1時間、4時間、8時間のAEGL-2値を導出した。指数nの値は、ラ ットの致死データを回帰分析して経験的に導出した。同一のAEGL-2値が、3 ppmで2時間と、 2 ppmで3時間の曝露量に基づいて導出された。試験で得られた濃度を3で割り、不整脈また は胎仔体重への影響に関する閾値の推定値とした。ラットとマウスで同様の発生毒性が認 められているため、種間変動に不確実係数3を適用し、発生毒性の作用メカニズムが不明で あるため、種内変動に10を適用した。したがって、総不確実係数としては、30を使用した。 AEGL-3値の導出には、Schwetzら(1987)がマウスを用いて行った、新生仔の生存率試験の データを使用した。この試験では、妊娠マウスを、MICに0、1、3 ppmの濃度で1日6時間、 妊娠14~17日目の期間曝露し、仔を産ませて新生仔の生存率を評価した。両曝露群におい て、母体毒性は認められなかった。死産仔数の濃度依存的な増加が両曝露群で認められ、 授乳中の新生仔死亡率の増加が3 ppm曝露群で認められた。曝露群と対照群で、授乳中の新 生仔の体重増加に差はみられなかった。AEGL-3値の導出には、1 ppmで6時間という曝露量 を使用した。この曝露量は、授乳中の新生仔生存における無影響量(NOEL)と考えられる。 式Cn × t = kを使用し、ここではn = 1として時間スケーリングを行い、10分間、30分間、1時 間、4時間、8時間のAEGL-3値を導出した。指数nの値は、ラットの致死データを回帰分析 して経験的に導出した。ラットとマウスで同様の発生毒性が認められているため、種間変 動に不確実係数3を適用し、発生毒性の作用メカニズムが不明であるため、種内変動に10を 適用した。したがって、総不確実係数としては30を使用した。標準作業手順書(NRC 2001)

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3 のセクション2.7によれば、10分間値は、4時間の試験的曝露データからスケーリングして求 めるべきではない。ただし、7分半~4時間の曝露量から指数nの値を導出しているため、6 時間のAEGL-3値から10分間のAEGL-3値を外挿することは、この場合には妥当である。 3つのAEGLレベルに関して導出したそれぞれ5つの曝露時間についてのAEGL値を、Tableに 一覧にして示す。 --- 注:本物質の特性理解のため、参考として国際化学物質安全性カード(ICSC)を添付する。

(4)

国際化学物質安全性カード

イソシアン酸メチル

ICSC番号:0004

イソシアン酸メチル

METHYL ISOCYANATE

Isocyanatomethane

Isocyanic acid, methyl ester

CH

3

NCO

分子量:57.1

CAS登録番号:624-83-9

RTECS番号:NQ9450000

ICSC番号:0004

国連番号:2480

EC番号:615-001-00-7

災害/

暴露のタイプ

一次災害/

急性症状

予防

応急処置/

消火薬剤

火災

引火性がきわめて高い。多くの反 応により、火災や爆発を生じること がある。火災時に刺激性もしくは有 毒なフュームやガスを放出する。 裸火禁止、火花禁止、禁煙。水、 酸、塩基、酸化剤との接触禁止。 水溶性液体用泡消火薬剤、乾燥 砂、粉末消火薬剤、二酸化炭 素。水系消火薬剤は不可。

爆発

蒸気/空気の混合気体は爆発性 である。 密閉系、換気、防爆型電気および 照明設備。充填、取り出し、取扱 い時に圧縮空気を使用してはなら ない。 火災時:水を噴霧して容器類を冷 却するが、物質に水が直接かから ないようにする。安全な場所から消 火作業を行う。

身体への暴露

あらゆる接触を避ける! (妊娠中の)女性への暴露を避け る! いずれの場合も医師に相談! 吸入 咳、息苦しさ、息切れ、咽頭痛、 嘔吐。 換気、局所排気、または呼吸用保 護具。 新鮮な空気、安静。半座位。 人工呼吸が必要になることがある。 医療機関に連絡する。 皮膚 吸収される可能性あり! 発 赤、痛み、灼熱感。 保護手袋、保護衣。 汚染された衣服を脱がせる。多量 の水かシャワーで皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 眼 痛み、発赤、視力喪失。 顔面シールド、または呼吸用保護 具と眼用保護具の併用。 数分間多量の水で洗い流し(でき ればコンタクトレンズをはずして)、医 師に連れて行く。 経口摂取 腹痛、灼熱感、ショックまたは虚 脱。 作業中は飲食、喫煙をしない。食 事前に手を洗う。 口をすすぐ。吐かせない。 多量の 水を飲ませる。医療機関に連絡す る。

漏洩物処理

貯蔵

包装・表示

・危険区域から立ち退く! ・専門家に相談する! ・換気。 ・すべての発火源を取り除く。 ・漏れた液を密閉式の容器に集める。 ・こぼれた液を水酸化ナトリウムで注意深 く中和する。 ・残留液を乾燥砂または不活性吸収剤 に吸収させて安全な場所に移す。 ・自給式呼吸器付化学保護衣。 ・この物質を環境中に放出してはならな い。 ・耐火設備(条件)。 ・「化学的危険性」参照。 ・涼しい場所。 ・乾燥。 ・安定化した状態でのみ貯蔵。 ・特殊材料。 ・EU分類 記号 : F+, T+ R : 12-24/25-26-37/38-41-42/43-63 S : 1/2-26-27/28-36/37/39-45-63 ・国連危険物分類(UN Hazard Class): 6.1

・国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):3

・国連包装等級(UN Packing Group):I

重要データは次ページ参照

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国立医薬品食品衛生研究所

国際化学物質安全性カード

イソシアン酸メチル

ICSC番号:0004

重 要 デ | タ 物理的状態; 外観: 刺激臭のある、揮発性、無色の液体 物理的危険性: この物質の蒸気は空気より重く、地面あるいは床に 沿って移動することがある。遠距離引火の可能性が ある。この物質の蒸気は空気とよく混合し、爆発性 混合物を生成しやすい。 化学的危険性: 純物質は重合する。加熱、金属の影響下、触媒作 用により分解する。水と接触すると分解する。酸、塩 基に接触すると有毒な気体(シアン化水素、窒素酸 化物、一酸化炭素)を生じる。ある種のプラスチック、 ゴム、被膜剤を侵す。 許容濃度: TLV:0.02 ppm (TWA);(皮膚) (ACGIH 2004) MAK:0.01 ppm, 0.024 mg/m3;皮膚感作(Sh);ピー ク暴露限度カテゴリー:I(1); 妊娠中のリスクグルー プ:D (DFG 2004)

(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照) 暴露の経路: 体内への吸収経路:吸入、経皮、経口摂取。 吸入の危険性: 20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて急速 に有害濃度に達することがある。 短期暴露の影響: 眼、皮膚、気道を重度に刺激する。経口摂取する と、腐食性を示す。蒸気を吸入すると、肺水腫を起 こすことがある(「注」参照)。吸入すると、喘息様反応 を起こすことがある(「注」参照)。死に至ることがある。 これらの影響は遅れて現われることがある。医学的な 経過観察が必要である。 長期または反復暴露の影響: 反復または長期の接触により、皮膚が感作されるこ とがある。気道に影響を与えることがある。人で生殖・ 発生毒性を引き起こす。 物理的性質 ・沸点:39℃ ・融点:-80℃ ・比重(水=1):0.96 ・水への溶解度:反応する ・蒸気圧:54 kPa(20℃) ・相対蒸気密度(空気=1):2 ・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気 =1):1.44 ・引火点:-7℃(C.C.) ・発火温度:535℃ ・爆発限界:5.3~26 vol%(空気中) 環境に関する データ ・環境に有害な場合がある。水生生物への影響にとくに注意すること。 注 ・水や水系消火薬剤と激しく反応する。 ・暴露の程度によっては、定期検診が必要である。 ・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が 不可欠である。 ・この物質により喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと。 ・喘息の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不 可欠である。 ・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。 ・作業衣を家に持ち帰ってはならない。

Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-61S2480 NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)4;F(燃焼危険性)3;R(反応危険性)2;W 付加情報

ICSC番号:0004

更新日:2003.11

イソシアン酸メチル

© IPCS, CEC, 1993

Table  AEGL 設定値

参照

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