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メチルエチルケトン/Methyl ethyl ketone (78-93-3)

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Academic year: 2021

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急性曝露ガイドライン濃度 (AEGL)

Methyl ethyl ketone (78-93-3) メチルエチルケトン Table AEGL 設定値

Methyl ethyl ketone 78-93-3 (Final) ppm

10 min 30 min 60 min 4 hr 8 hr

AEGL 1 200 200 200 200 200*

AEGL 2 4,900* 3,400* 2,700* 1,700 1,700

AEGL 3 ** ** 4,000* 2,500* 2,500*

爆発下限界濃度 (LEL) = 18,000 ppm * = ≥10% LEL; ** = ≥50% LEL

AEGL 3 – 10 min/30 min = ** 10,000 ppm

* を付した値については、爆発災害を考慮して安全性を検討する必要がある。 ** を付した値については、爆発災害を考慮して厳しく安全性を検討する必要がある。 設定根拠(要約): メチルエチルケトン(MEK)は、アセトンに似た甘い刺激臭のある揮発性溶媒である。溶媒と して、一般的な家庭用品(インク、塗料、洗浄液、ワニス、接着剤など)に、幅広く使用されて いる。工業用途では、混合有機溶剤の成分として使用される場合がほとんどである。MEK は、 多種多様な天然物からも検出されており、哺乳類の正常な代謝過程でも少量生成される可能 性がある。1999 年における米国の生産量は、6 億 7,500 万ポンドであった。 MEK の吸入毒性は低い。臨床試験によって、200 ppm での一定濃度曝露や 380 ppm での短期 曝露では、刺激性を示さないと判定されている。数千 ppm という高い濃度では、動物に、可 逆的な中枢神経系(CNS)抑制を引き起こし、神経行動学的影響が現れる。ヒトにおける曝露 について、臨床試験や職場モニタリングによるデータが得られている。また、様々な動物種(ヒ ヒ、ラット、マウス、モルモット)を用いた試験において、刺激作用、神経毒性、発生毒性、お よび致死性が検討されている。急性から慢性にわたる曝露期間について調べられている。MEK に催奇性はないが、高濃度では、ラットおよびマウスに対し軽度の胎仔毒性を示す。遺伝毒 性について調べたデータも得られている。濃度-曝露時間関係の情報は、AEGL の定義に見合 う評価項目に関しては、得られなかった。4 時間曝露を行った臨床試験において、200 ppm の 曝露濃度では、最初の 1 時間に急速な取り込みがみられ、血中濃度は、曝露終了時にはほぼ 定常状態に達していた(Liira et al. 1988a,b)。

適切に実施された 4 件の臨床試験によって、MEK は、感覚刺激物質ではないことが示されて いる。それらの試験はまた、神経行動学的変化について、200 ppm 以下の濃度での 2 時間ま

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たは 4 時間の曝露(Dick et al 1992; Muttray et al 2002; Shibata et al. 2002)や、10 ppm から 380 ppm までの変動濃度での 4 時間にわたる曝露(8 分間の 380 ppm ピークが 5 回)(Seeber et al. 2002) では、引き起こされないことも示している。Seeber et al.(2002)の試験は、健康な人と、多種 化学物質過敏症であると自己申告していた人(sMCS)を被験者として行われた。380 ppm で の 8 分間の曝露中、sMCS の被験者からは、有害徴候は報告されなかった。さらに、何件か の代謝試験が、25~400 ppm の濃度において 4 時間曝露で実施されているが、それらの試験 では、感覚刺激や神経毒性作用は調べられていない。24 名の男女を被験者として臨床試験が 行われているが、200 ppm の濃度では、8 時間曝露でも、不快感は生じないと判断された(Dick et al. 1992)。したがって、200 ppm を感覚刺激に関する閾値として選択し、この値を用いて AEGL-1 値を導出した。この値を選択したことの妥当性は、多数の臨床試験での、ボランテ ィアを日常的に 200~400 ppm の MEK に最長 4 時間曝露した際の結果や、sMCS の被験者を 380 ppm の MEK に短時間曝露した際の結果によって支持される。それより高い 380 ppm でも 感受性の高い人における影響の差が認められなかったことから、種内不確実係数には 1 を適 用した。MEK は、200 ppm の濃度では 4 時間以内に定常状態に近づき(Liira et al. 1988a, b)、 また、代謝が速いことから、AEGL-1 値は、すべての曝露時間について、200 ppm とした。 AEGL-2 値は、Cavendar et al.(1983)による亜慢性試験において、初日に神経行動学的影響が

生じなかった曝露濃度に基づいた。この試験では、ラットを 5,000 ppm の MEK に 1 日 6 時間、 週 5 日、90 日間にわたって曝露したが、病変は認められず(有髄神経や末梢神経について、神 経病理学的検討が詳細に行われている)、神経機能欠損も認められなかった。ナルコーシスは、 曝露の初日にも 2 日目以降にも認められていない。5,000 ppm は、ナルコーシスに関する閾値 に近い濃度である可能性があり、このことは、Altenkirch et al.(1978)の反復曝露試験において、 6,000 ppm で数週間曝露されたラットに軽度の傾眠が認められていることから裏付けられる。 取り込み量が換気率と心拍出量に依存し、換気率と心拍出量は、げっ歯類の方がヒトよりも 高いため、種間不確実係数には 1 を適用した〔曝露濃度が同等の場合、MEK の血中濃度は、ラ ットの方がヒトより高い(Liira et al. 1990a)〕。ナルコーシスに関する閾値は、一般集団では 2 倍から 3 倍の差しかない(セクション 4.4.2 を参照)ことから、種内不確実係数には 3 を適用し て感受性の高い人を保護することとした。5,000 ppm の曝露濃度では、血中濃度は 4 時間以降 に定常状態に達することが予想される。したがって、AEGL-2 の 4 時間値と 8 時間値は、ど ちらも 1,700 ppm とした。一般的な評価項目については、濃度が高いほど、耐容曝露時間は 短くなることが、データによって示されている。したがって、より短い曝露時間の値につい ては、4 時間値から、指数 n の値をデフォルト値の 3 とした時間スケーリングを行って求め た。 AEGL-3 値は、時間に応じて別々の試験のデータに基づいて導出した。10 および 30 分間の値 は、Klimisch(1988)と Zakhari et al.(1977)の試験データから導出し、Hansen et al.(1992)の試験 データを裏付けとした。1、4、8 時間の値は、La Belle and Brieger(1955)の試験データを用い て Fowles et al.(1999)の検討結果から導出した。MEK に 92,239 ppm の濃度で 30 分間曝露され たラットに死亡は認められず(Klimisch 1988)、50,000 ppm で 45 分間曝露されたマウスにも死

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亡は認められていない(Zakhari et al. 1977)。見込み濃度 32 ppm または 145 ppm での 30 分間曝 露により、マウスの呼吸数は 50%減少すると考えられた(Hansen et al. 1992)。Hansen et al. (1992)の試験における最も高い曝露濃度は、26,000 ppm である。これらのデータに基づくと、 10,000 ppm で 30 分間までの曝露では、生命を脅かす影響は、ほぼすべての人に生じないと考 えられる。種間不確実係数として 1、種内不確実係数として 3 を適用した。この 10,000 ppm という値が非致死濃度であることは、別の試験によって支持される。具体的には、10,000 ppm の濃度では、10 分間または 30 分間曝露されたマウスについて、昏睡症状が認められた試験 例(Glowa and Dews 1987)と、認められなかった試験例(Hansen et al. 1992)が報告されており、 1 日 8 時間、数日間の曝露されたラットでは耐容性が示されており(Altenkirch et al. 1978)、ま た、13.5 時間吸入曝露されたモルモットでは死亡は認められていない(Patty et al. 1935)。

長い曝露時間の AEGL-3 値は、1%反応が得られる濃度についての最尤推定値(MLE01)である、

7,500 ppm(Fowles et al. 1999)に基づいた。Fowles et al.は、この値を、ラットを数通りの濃度 で 4 時間曝露した試験(La Belle and Brieger 1955)のデータから算出した。この試験では、4 時

間の半数致死濃度(LC50)が 11,700 ppm、4 時間の曝露で死亡が認められなかった最高濃度が 7,850 ppm であった。AEGL-2(訳注:原文 AEGL-1)の場合と同じ理由により、種間不確実係 数 1 と種内不確実係数 3 で、MLE01値の 7,500 ppm を割った。得られた値の 2,500 ppm を、 AEGL-3 の 4 時間値と 8 時間値に採用した。MEK の血中濃度は、8 時間が経過するまでに定 常状態にほぼ達すると思われる。4 時間値とした 2,500 ppm を、時間スケーリングして、1 時 間値を求めた。この際、指数 n の値は、短い時間にスケーリングする場合のデフォルト値の 3 とした。8 時間 AEGL-3 値とした 2,500 ppm は、上述の動物試験において、8 時間曝露して 死亡しなかった濃度よりも低い。 導出した AEGL 値を、Table にまとめて示す。 --- 注:本物質の特性理解のため、本文書の最後に、参考として国際化学物質安全性カード(ICSC)を 添付する。

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国際化学物質安全性カード

メチルエチルケトン

ICSC番号:0179

メチルエチルケトン

METHYL ETHYL KETONE

Ethyl methyl ketone

2-Butanone

MEK

Methyl acetone

C

4

H

8

O / CH

3

COCH

2

CH

3

分子量:72.1

CAS登録番号:78-93-3

RTECS番号:EL6475000

ICSC番号:0179

国連番号:1193

EC番号:606-002-00-3

災害/

暴露のタイプ

一次災害/

急性症状

予防

応急処置/

消火薬剤

火災

引火性が高い。 裸火禁止、火花禁止、禁煙。 粉末消火薬剤、AFFF(水性膜 泡消火薬剤)、泡消火薬剤、二 酸化炭素。

爆発

蒸気/空気の混合気体は爆発 性である。 密閉系、換気、防爆型電気およ び照明設備。充填、取り出し、 取扱い時に圧縮空気を使用して はならない。防爆用工具を使用 する。 火災時:水を噴霧して容器類を 冷却する。

身体への暴露

吸入 咳、めまい、し眠、頭痛、吐き 気、嘔吐。 換気、局所排気、または呼吸用 保護具。 新鮮な空気、安静。医療機関に 連絡する。 皮膚 保護手袋。 汚染された衣服を脱がせる。多 量の水かシャワーで皮膚を洗い流 す。 眼 発赤、痛み。 安全ゴーグル。 数分間多量の水で洗い流し(でき ればコンタクトレンズをはずして)、 医師に連れて行く。 経口摂取 意識喪失。 他の症状については「吸入」参 照。 作業中は飲食、喫煙をしない。 口をすすぐ。多量の水を飲ませ る。医療機関に連絡する。

漏洩物処理

貯蔵

包装・表示

・漏れた液やこぼれた液を密閉式の容 器に出来る限り集める。 ・残留液を砂または不活性吸収物質に 吸収させて安全な場所に移す。 ・下水に流してはならない。 ・(個人用保護具:自給式呼吸器)。 ・耐火設備(条件)。 ・強酸化剤、強酸から離しておく。 ・涼しい場所。 ・密封。 ・EU分類 記号 : F, Xi R : 11-36-66-67 S : 2-9-16 Note : 6

・国連危険物分類(UN Haz Class):3 ・国連包装等級(UN Pack Group):II

重要データは次ページ参照

ICSC番号:0179

Prepared in the context of cooperation between the International Programme on Chemical Safety & the Commission of the European Communities © IPCS CEC 1993

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国立医薬品食品衛生研究所

国際化学物質安全性カード

メチルエチルケトン

ICSC番号:0179

重 要 デ | タ 物理的状態; 外観: 特徴的な臭気のある、無色の液体 物理的危険性: この物質の蒸気は空気より重く、地面あるいは床 に沿って移動することがある;遠距離引火の可能 性がある。 化学的危険性: 強酸化剤や無機酸と激しく反応し、火災や爆発 の危険をもたらす。ある種のプラスチックを侵す。 許容濃度:

TLV:200 ppm(TWA);300 ppm(STEL) BEI (ACGIH 2004)(訳注:詳細は ACGHI の TLVs and BEIs を参照)

MAK:200 ppm, 600 mg/m3; H; Peak limitation category:I(1); Pregnancy risk group:C (DFG 2004) (訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照) 暴露の経路: 体内への吸収経路:吸入、経口摂取 吸入の危険性: 20℃で気化すると、空気が汚染されてやや急速に 有害濃度に達することがある。 短期暴露の影響: 眼、皮膚、気道を刺激する。中枢神経系に影響 を与えることがある。許容濃度をはるかに超える と、意識を喪失することがある。 長期または反復暴露の影響: この液体は皮膚の脱脂を起こす。動物試験では 人の生殖に毒性影響を及ぼす可能性があること が示されている。 物理的性質 ・沸点:80℃ ・融点:-86℃ ・比重(水=1):0.8 ・水への溶解度:29 g/100ml(20℃) ・蒸気圧:10.5 kPa(20℃) ・相対蒸気密度(空気=1):2.41 ・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空 気=1):1.1 ・引火点:-9℃(C.C.) ・発火温度:505℃ ・爆発限界:1.8~11.5 vol%(空気中) ・log Pow (オクタノール/水分配係数):0.29 環境に関する データ 注 ・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。

Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-30S1193 NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)1;F(燃焼危険性)3;R(反応危険性)0; 付加情報

ICSC番号:0179

最終更新日:1998.03

メチルエチルケトン

© IPCS, CEC, 1993

Table  AEGL 設定値

参照

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