1.総論
【総括判断】
「都内経済は、回復している」
項
目
前回(29年10月判断)
今回(30年1月判断)
前回
比較
総括判断
回復している
回復している
(注)30年1月判断は、前回29年10月判断以降、1月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
(判断の要点)
個人消費は、回復しつつある。生産活動は、緩やかに持ち直しつつある。雇用情勢は、改善している。
【各項目の判断】
項
目
前回(29年10月判断)
今回(30年1月判断)
前回
比較
個人消費
回復しつつある
回復しつつある
生産活動
緩やかに持ち直しつつある
緩やかに持ち直しつつある
雇用情勢
改善している
改善している
設備投資
29年度は増加見通しとなっている
29年度は増加見込みとなっている
企業収益 29年度は減益見通しとなっている
29年度は増益見込みとなっている
企業の
景況感
現状判断は、
「上昇」超に転じる
現状判断は、2期連続の「上昇」超
住宅建設 前年を下回っている
前年を下回っている
公共事業 前年を上回っている
前年を上回っている
【先行き】
先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果により、着実に景気が回復
していくことが期待される。ただし、海外経済の動向などを注視する必要がある。
2.各論
個人消費 「回復しつつある」
百貨店・スーパー販売額は、天候不順の影響を受けたものの、足下では前年を上回っている。コンビ
ニエンスストア販売額及びショッピングセンター販売額は、引き続き前年を上回っている。乗用車の新
車登録届出台数は、前年を下回っているものの、個人消費は全体としては回復しつつある。
(主なヒアリング結果)
化粧品や高額品の売上が好調であることに加え、11月以降、気温の低下によりコート等の重衣料の売上が伸びている。
(百貨店・大企業)
福袋の販売数量は前年を下回ったものの、高額なものや体験型など特徴のある福袋の売れ行きが好調であったことか
ら、売上高では前年を上回った。(百貨店・大企業)
惣菜や半調理品など調理の手間を省けて時短に繋がる食品が売れている。(スーパー・大企業)
スーパーの代わりにコンビニエンスストアを利用する客が増えてきており、日配食品や冷凍食品の販売が好調。(コン
ビニエンスストア・大企業)
健康志向の高まりや働き方改革により余暇の時間が増加していることから、会員数が増加している。(フィットネスク
ラブ・大企業)
生産活動 「緩やかに持ち直しつつある」
情報通信機械は低下しているものの、化学や電気機械が持ち直しているなど、全体では緩やかに持ち
直しつつある。
(主なヒアリング結果)
市況の好調を受け、半導体向け樹脂の生産が堅調。また、新興国向け自動車の安全装備市場の拡大を背景に同分野向け
製品の生産が伸びている。(化学・大企業)
雇用情勢 「改善している」
有効求人倍率が高水準で推移しているほか、完全失業率は低水準であるなど、改善している。
(主なヒアリング結果)
ショッピングセンター内の各テナントでは、求人募集を行っても人が集まらないため、トップシーズンに人手不足で売
り逃しをするケースも多々あると聞く。(小売・中堅企業)
人手不足感は強まっている。インストラクターが確保できないことにより生徒の募集に支障を来すなどの機会損失が発
生することもある。(フィットネスクラブ・大企業)
人手不足に対応するため、社員のスケジュール調整をシステムにより自動化することで次の訪問先までの待ち時間のロ
スを減らし、短時間勤務社員でも密度濃く働くことができるようにした。(医療・福祉・中小企業)
設備投資 「29年度は増加見込みとなっている」
(全規模・全産業)「法人企業景気予測調査」29年10-12月期
○ 29年度の設備投資計画額は、製造業では前年比6.6%の増加見込み、非製造業は同8.0%の増加見込みとなっ
ており、全産業では同7.6%の増加見込みとなっている。
企業収益 「29年度は増益見込みとなっている」
(全規模・全産業)「法人企業景気予測調査」29年10-12月期
○ 29年度の経常損益(除く「電気・ガス・水道業」
、
「金融業、保険業」
)は、製造業では前年比5.9%の増益
見込み、非製造業では同4.5%の増益見込みとなっており、全産業では同4.9%の増益見込みとなっている。
○ これを規模別にみると、大企業、中小企業は増益見込み、中堅企業は減益見込みとなっている。
企業の景況感 「現状判断は、2期連続の『上昇』超」
(全規模・全産業)「法人企業景気予測調査」29年10-12月期
○ 企業の景況判断BSIは、2期連続の「上昇」超となっている。先行きについては、
「上昇」超で推移する
見通しとなっている。
住宅建設 「前年を下回っている」
○ 新設住宅着工戸数の足下の動きを均してみると、分譲住宅は前年を上回っているものの、貸家は前年並み
となっており、持家は前年を下回っている。
(主なヒアリング結果)
従来は城西地域の需要が高かったが、土地価格が高いことから最近では城東地区も人気エリアとなっており、同地区の
分譲マンション契約率も上昇している。(不動産・大企業)
低金利が続いているが、景気の先行き不透明感と給与所得が増えない状況から、戸建の受注は低調。(建設・大企業)
公共事業 「前年を上回っている」
○ 前払金保証請負金額は、都道府県、独立行政法人、市区町村などで前年を上回っている。
1.個人消費
※Pは、速報値
【グラフ1】 【グラフ2】
【経済産業省】 【日本ショッピングセンター協会】
【グラフ3】 【グラフ4】
【経済産業省】 【日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会】
【グラフ5】 【グラフ6】
※農林漁家世帯を含む。 【総務省】 ※生鮮食品を除く総合 【総務省】
1
▲ 8.2
▲ 2.4
0
10
20
30
40
50
▲ 20.0
▲ 10.0
0.0
10.0
20.0
29年6月 7月 8月 9月 10月 11月
(万円)
家計消費支出(東京都区部・二人以上の世帯)
消費支出額【右軸】
前年比【左軸】
(%)
▲ 4.4
▲ 5.5
2.0
0
10
20
30
40
▲ 15.0
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
15.0
29年7月 8月 9月 10月 11月 12月
(千台)
乗用車新車登録届出台数(東京)
普通車【右軸】 小型車【右軸】
軽自動車【右軸】 前年比【左軸】
(%)
1.0
2.7
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
29年6月 7月 8月 9月 10月 11月
(%) ショッピングセンター販売額(東京区部)
前年比(既存店)
▲ 0.1 2.8
▲ 2.1
2.0
2.9 4.1
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
▲ 15.0
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
15.0
29年6月 7月 8月 9月 10月 11月
(億円)
百貨店・スーパー販売額(東京)
百貨店・スーパー販売額(全店)【右軸】
百貨店・スーパー 前年比(全店)【左軸】
百貨店 前年比(全店)【左軸】
スーパー 前年比(全店)【左軸】
(%)
.
0.8
0.9
0.6
0.6
0.8
▲ 1.0
▲ 0.5
0.0
0.5
1.0
29年7月 8月 9月 10月 11月 12月
消費者物価指数(前年同月比増減率)
消費者物価指数(全国)
消費者物価指数(東京都区部)
(平成27年=100)
(%)
(P)
1.4 2.1
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
29年6月 7月 8月 9月 10月 11月
(億円)
(%) コンビニエンスストア販売額(関東)
コンビニエンスストア販売額(全店)【右軸】
前年比(全店)【左軸】
2.生産活動
※Pは速報値
【グラフ7】
【東京都】
【グラフ8】
【東京都】
2
(生産)96.7
(在庫)108.8
(出荷)92.9
80.0
90.0
100.0
110.0
120.0
130.0
140.0
28年11月 12月 29年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
東京都工業指数(季節調整値)
生産指数 在庫指数 出荷指数
(P)
総合 96.7
輸送 145.6
はん用 89.1
電気 107.3
化学 119.4
印刷 78.5
情報 72.9
食料品 97.1
70
80
90
100
110
120
130
140
150
160
170
180
28年11月 12月 29年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
(指数)平成22年=100
工業生産指数(業種別・季節調整値)
総合 輸送機械 はん用・生産用・業務用機械
電気機械 化学 印刷
情報通信機械 食料品
(P)
(指数)平成22年=100
3.雇用情勢
【グラフ9】
※季節調整値、パートを含む 【厚生労働省】
【グラフ10】
※原数値 【総務省】
4.設備投資
【グラフ11】
※除く土地購入額、含むソフトウェア投資額 【法人企業景気予測調査 29年10~12月期】
3
3.2
3.1
2.9
2.9
3.0
2.8
3.5
2.7
3.3
3.0
2.9
2.7
2.5
3.0
3.5
4.0
28年4-6月 28年7-9月 28年10-12月 29年1-3月 29年4-6月 29年7-9月
(%)
完全失業率の推移
全国 東京
2.4
11.5
7.6
▲ 0.5
12.4
6.6
3.8
11.1
8.0
▲ 10.0
0.0
10.0
20.0
30.0
29年度上期 29年度下期 29年度通期
前年比増減率(%)
東京都内所在企業の設備投資計画額
全産業 製造業 非製造業
1.43 1.43 1.43 1.45 1.48 1.49 1.51 1.52 1.52
1.52 1.55 1.56
2.06
2.05
2.04 2.06 2.07 2.05 2.08 2.10 2.10 2.07 2.10 2.12
1.00
1.50
2.00
2.50
28年12月 29年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
(倍)
有効求人倍率の推移
全国 東京
5.企業収益
【グラフ12】
※除く「電気・ガス・水道業」、「金融業、保険業」 【法人企業景気予測調査 平成29年10~12月期】
6.景況感
【グラフ13】
【法人企業景気予測調査 平成29年10~12月期】
4
28年7-9月 28年10-12月 29年1-3月 29年4-6月 29年7-9月 29年10-12月
(現状判断)
30年1-3月
(見通し)
30年4-6月
(見通し)
全規模 1.5 2.5 1.9 ▲ 2.3 4.5 7.0 6.5 1.9
大企業 2.5 4.4 3.0 ▲ 1.0 5.3 7.7 6.6 2.2
中堅企業 4.4 0.2 3.1 ▲ 2.2 7.0 7.3 9.6 1.7
中小企業 ▲ 7.1 ▲ 0.2 ▲ 4.6 ▲ 6.6 ▲ 2.0 3.8 0.7 1.2
▲ 15.0
▲ 10.0
▲ 5.0
0.0
5.0
10.0
15.0
(%ポイント)
東京都内所在企業の景況判断BSI
全規模
大企業
中堅企業
中小企業
上
昇
超
下
降
超
【前期比「上昇」-「下降」社数構成比】
4.9 5.5
▲ 7.6
0.4
5.9 7.4
▲ 20.2
3.8
4.5 4.7
0.1
▲ 0.5
▲ 30.0
▲ 20.0
▲ 10.0
0.0
10.0
20.0
29年度通期
(全規模)
29年度通期
(大企業)
29年度通期
(中堅企業)
29年度通期
(中小企業)
前年比増減率(%)
東京都内所在企業の経常損益
全産業 製造業 非製造業
7.住宅建設
【グラフ14】
【国土交通省】
8.公共事業
【グラフ15】
【北海道建設業信用保証株式会社、東日本建設業保証株式会社、西日本建設業保証株式会社】
5
4.4
0.4 5.8 8.2
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
▲ 100.0
▲ 50.0
0.0
50.0
100.0
150.0
29年
1-3月
29年
4-6月
29年
7-9月
29年
10-12月
29年
1月
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
(億円)
公共工事前払金保証請負金額(東京)
地方の機関【右軸】 国の機関【右軸】
前年比【左軸】
(%)
▲ 1.2
▲ 1.0
▲ 1.5
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
▲ 100.0
▲ 50.0
0.0
50.0
100.0
29年
1-3月
29年
4-6月
29年
7-9月
29年
10-11月
28年
12月
29年
1月
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
新設住宅着工戸数(東京)
持家【右軸】 貸家・給与【右軸】
分譲住宅【右軸】 前年比【左軸】
(%) (戸)
9.企業倒産
【グラフ16】
【東京商工リサーチ】
【グラフ17】
【東京商工リサーチ】
6
3.8
▲ 13.7 ▲ 10.3
0
50
100
150
200
▲ 100.0
▲ 50.0
0.0
50.0
100.0
29年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
(件)
東京都内における倒産件数の推移
件数【右軸】 前年比【左軸】
(%)
▲ 42.7
238.0
1,402.3
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
▲ 100
1,000
2,100
29年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
百
(億円)
東京都内における負債総額の推移
負債総額【右軸】 前年比【左軸】
(%)
15,000
8,000
16,000