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目次 はじめに 5 蛋白電気泳動はなぜ重要か? 5 単クローン性蛋白とは? 8 蛋白電気泳動とは? 11 単クローン性蛋白の検出法と測定法 14 電気泳動は治療決定にどのように役立つか? 16 SPEP と UPEP の効果的な使用 17 蛋白電気泳動の費用は保険の補償対象か? 19 その他の疑問点

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International Myeloma Foundation ( 国 際 骨 髄 腫 財 団 ) 12650 Riverside Drive, Suite 206 North Hollywood, CA 91607 USA

Telephone: 800-452-CURE (2873)

(USA & Canada)

818-487-7455 (worldwide) Fax: 818-487-7454 TheIMF@myeloma.org myeloma.org

蛋白電気泳動

の理解

Understanding

Protein

Electrophoresis

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目次

はじめに

5

蛋白電気泳動はなぜ重要か?

5

単クローン性蛋白とは?

8

蛋白電気泳動とは?

11

単クローン性蛋白の検出法と

測定法

14

電気泳動は治療決定にどのように

役立つか?

16

SPEPとUPEPの効果的な使用

17

蛋白電気泳動の費用は保険の

補償対象か?

19

その他の疑問点

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IMFについて

21

用語集

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はじめに

この冊子は、「蛋白電気泳動(PEP)」と呼ばれる 臨床検査方法について詳しくご理解ただくた めにお配りしています。お読みいただければ、 以下の疑問を解消していただけるでしょう。 n 蛋白電気泳動とは? n 多発性骨髄腫を患った人に、なぜこの検 査値が重要か? n 多発性骨髄腫の診断や治療効果モニタリ ングに対し、この検査はどのように役立つ のか? この冊子は、一般的な知識のみを提供する ことを目的としてたもので、医師や看護師に よる助言の代わりとなることを意図したもの ではありません。患者さん個々の治療計画に 関する質問は、ご自身の医師や看護師にご相 談ください。太字で書かれている語句の意味 は、すべて巻末の用語集で説明しています。

蛋白電気泳動はなぜ重要か?

なぜ蛋白電気泳動についての冊子が必要 なのでしょうか。主な理由は、単一、単ク ローン性蛋白(M蛋白)の産生が多発性骨 髄腫の特性だからです。血液あるいは尿中 の単クローン性蛋白の量を測定するための 検査が蛋白電気泳動です。 このM蛋白は、悪性のプラズマ細胞(あるい は骨髄腫細胞)によって作られ(合成され) ます。生産された蛋白は、血清(血液から血

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分画(SPEP)と呼ばれています。同様に、単ク ローン性蛋白が尿中で見つかった場合、その ための検査は尿蛋白分画(UPEP)と呼ばれて います。 単クローンあるいはM蛋白の量の測定のため に必要な2つの情報: n 血清あるいは尿中の総蛋白量はいくつで すか? n M蛋白は全体の何%ですか? SPEPまたはUPEP、あるいはその両方から重 要な情報が得られます。スパイクのサイズを 計算することにより、M蛋白を表す、総蛋白 内のパーセンテージを得ることができます。 スパイクのサイズは、単クローン性蛋白の量 (波形のスパイクのトップとベースラインの 間のエリアを測定することで分かります)を 示しています。例: n スパイクは総蛋白の60% n 総蛋白 = 12g/dL n スパイクレベル = 7.2 g/dL(12g/dLの60%) 総蛋白及び単クローン性蛋白のパーセンテ ージは両方時間と共に変化します。たとえ ば治療効果によりスパイクは40%(総蛋白 9g/dL)にまで下がる場合があります。これ は、3.6g/dL(M蛋白が51%減少)のスパイク レベル、あるいは部分寛解と思われます。 この種の連続的測定及び評価は、すべての 骨髄腫疾患のモニタリングのキーポイントで す。このためにSPEPとUPEPが非常に重要と なるのです。 球成分を除去した成分)の中へ、そして時々 尿(所定の時間の濃度)の中へ放出されま す。血清あるいは尿中に放出されたこの蛋白 は、血清あるいは尿の腫瘍マーカーと呼ばれ ています。 極わずかですが、この種のマーカーを持つ癌 があります。この場合、初期診断の時に骨髄 腫の量の評価と病気の経過を通じて骨髄腫 の量の追跡を可能にします。治療に対する反 応、寛解の深刻さ、そして必要であれば、的 確な数字を用いて患者の再発を知ることが できます。これは他にはない利点です。例え ば、M蛋白の部分的縮小(PR) = 50%、または M蛋白の部分的縮小がかなり良い(VGPR) = 90%、あるいは完全に蛋白は検出されなか った(CR)、という反応により判断することが できます。さらに、M蛋白のレベルで≥25%の 増加を識別することができ、それを再発と呼 んでいます。 電気泳動によるM蛋白の測定 骨髄腫の特性であるM蛋白が血清中にある 場合、そのための電気泳動検査は血清蛋白 図1.正常血清蛋白電気泳動結果

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す。異常なプラズマ細胞(骨髄腫細胞)は、 感染に反応して抗体を産生しません。代わり に、それらは抗体として機能することができ ない単クローン性免疫グロブリン分子を産生 します。この免疫グロブリンは、2つの重鎖及 び2つの軽鎖(図2.参照)、軽鎖のみ、ある いは個々の骨髄腫患者によって特有のこの 免疫グロブリン分子のフラグメント/組み合 わせで構成されます。 免 疫 グ ロ ブ リ ン は 、5 タ イ プ の 重 鎖 (IgG、IgA、IgM、IgD及びIgE)と2タイプの 軽鎖(Kappa、κ及びLambda、λ)から組み 合わさって形成されます。したがって、重鎖 及び軽鎖の10個の組み合わせがあります: IgG Kappa、IgG Lambda、IgA Kappa、IgA Lambda、IgM Kappa等。蛋白電気泳動は、 それらすべてを検出することができます。 プラズマ細胞は、重鎖と軽鎖を別々に産生 し、これらは後に完全な免疫グロブリンを形 成するために組み合わさります。なんらかの 免疫固定法と呼ばれる追加検査がM蛋白のタ イプを決定するために使用されます。これは、 基本診断の時、及び治療における最大寛解の 時に重要となります。完全寛解(CR)である場 合、免疫固定法検査は完全な陰性*、すなわち 単クローン性蛋白は全く確認できません。

単クローン性蛋白とは?

単クローン性蛋白は、免疫グロブリン(Ig)分 子あるいは免疫グロブリン分子の一部です。 正常なプラズマ細胞は、感染と戦うために必 要な抗体である免疫グロブリンを産生しま * 寛解がどのように定義されるかは、IMFの国際骨髄腫ワーキンググ

ループ(IMWG)および同グループの”Uniform Response Criteria (治 療効果判定国際統一基準)”によって述べられています。更に詳しい 情報に関しては、IMFの出版「Concise Review of the Disease and

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リーライトチェーンは腎臓でろ過されずに通 り抜け、再吸収されないものが尿中で検出さ れます。;これはベンスジョーンズ蛋白と呼 ばれています(最初にこの蛋白について述べ た医師の名前から来ています)。

蛋白電気泳動とは?

血清蛋白電気泳動 血清は、様々な異なる蛋白を含んでいて、これ らは電気泳動によって5つあるいは6つ(検査 室で使用される方法により異なります)に分 画されます。それぞれの分画(ゾーンあるいは 領域とも呼ばれる)を、アルブミン、α1、α2、 β(β1とβ2に分離することができる)、及び γと呼んでいます。多クローン性(正常)免疫 グロブリンは、主にγゾーンに見られます。し たがって、それらはγグロブリンとして知られ ています。 血清中に存在する種々の正常な免疫グロブ リンは、構造と電荷がそれぞれわずかに異な ります。そのため、電気泳動を行うことによっ て、展開されて対照的である大きなゾーンを 形成し、目に見える変形は起こしません。 単クローン性蛋白は、プラズマ細胞の1つの クローンによって作られます。したがって、分 子は全て同一で、同じ電荷をもっています。 そのため、電気泳動において単クローン性 蛋白は、鋭いスパイクとして泳動されます (このスパイクはγゾーンに最もよく現れま すが、時々β2あるいはβ1、また非常に稀で すが、α2ゾーンに現れることもあります)。 理由でプラズマ細胞は、通常重鎖よりも軽 鎖を多く産生するため、完全型免疫グロブリ ンが形成された後もいくつかの軽鎖が残り ます。これらの軽鎖は、「フリーライトチェー ン」と呼ばれています(完全型免疫グロブリ ンを構成した軽鎖は、重鎖に結合し得るため 「結合軽鎖」と呼ばれます)。 余分なフリーライトチェーンは、血液中に入 り、腎臓でろ過されます。腎臓は、これらのフ リーライトチェーンを再吸収し、アミノ酸(体 内の全ての蛋白を作る構成単位)を再利用 します。しかし、単クローン性蛋白が血清中 に存在する場合、単クローン性フリーライト チェーンの量が再吸収するにはあまりにも多 いことがあります。この場合、単クローン性フ

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血清電気泳動は、単クローン性蛋白の量をモ ニターすると同時に、単クローン性蛋白の有 無を調べることができます。 尿蛋白電気泳動 腎臓はフィルターとして働き、少数の分子の みを除去し、ほとんどの蛋白は血流に戻しま す。小さな蛋白が腎臓のフィルターを通過す ることもありますが、それらは後に再吸収さ れ、アミノ酸に再利用されます。したがって、 正常な尿はほんの微量の蛋白のみを含んで います。 単クローン性蛋白が血清中に存在する場合、 余分なフリーライトチェーンがベンスジョーン ズ蛋白として尿中に検出されます(それは、 通常γあるいはβゾーンに鋭いスパイクのよ うに現れます)。 尿電気泳動は、ベンスジョーンズ蛋白の有無 を調べ、かつその濃度をモニターするために 使用されます。またさらに、多発性骨髄腫で よくみられる合併症の腎障害の評価にも役 立ちます。 血清と尿の免疫固定法 蛋白電気泳動によって蛋白の鋭いスパイクが 検出されると、単クローン性蛋白の存在が疑 われます。そこで、その存在を確認し、どのタ イプの重鎖及び軽鎖がその構造に含まれて いるかを調べ、そのタイプを決定することが 必要となります。M蛋白のタイプを知ること は、診断を確定し、患者のモニタリングする ことにおいて重要になります。 タイプを決定するために、免疫固定法(IFE)と 呼ばれる別の電気泳動法が使われます。免 疫固定法は、かすかな単クローン性蛋白の存 在にもより敏感で、電気泳動では何も可視の 異常を示していなくても、免疫固定法では検 図3.β2ゾーンでMスパイクを形成する M蛋白を産生する骨髄腫細胞の 異常血清蛋白電気泳動の結果

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この値は、確定診断するために他のデータと 共に医師によって使用されます。国際骨髄腫 ワーキンググループガイドラインによって推 奨されているように、この値は病気の進行及 び治療に対する反応をモニターするために、 その後検査された電気泳動結果の値と比較 されます。 このガイドラインによれば、電気泳動によっ て単クローン性蛋白が検出および測定され た場合、血清電気泳動または尿電気泳動、 あるいはその両方でモニタリングするべきだ としています。単クローン性蛋白が電気泳動 によって検出されない、あるいは小さすぎて 測定できない場合は、医師は患者の状態を 出するかもしれません。しかし、免疫固定法 はどれだけの量のM蛋白が存在するかを測 定することはできません。したがって、2つの 方法は一緒に使用されます。:電気泳動は単 クローン性蛋白を検出し、その量を測定する ため、そして免疫固定法はそのタイプを識別 するためです。

単クローン性蛋白の検出法と 

測定法

他の検査のように、電気泳動によって計算さ れた値は、検査室の基準値(健常者の検体を 分析した値から検査室が決定した値)と比較 されます。電気泳動分画も視覚的に分析され ます。電気泳動パターンに余剰スパイクがあ る場合、あるいは正常な分画に異常な形が 存在するか異常に増加している場合、単クロ ーン性蛋白が疑われます。これらの異常は、 通常γあるいはβゾーンで検出されます。 単クローン性蛋白の存在を確認し、その重鎖 及び軽鎖を識別するために、血清は免疫固 定法によってさらに分析されます。単クロー ン性蛋白の存在が確認されたら、その量は 電気泳動波形を利用して定量化されます。 このために、検査室は波形の単クローン性 ピークの始まりと終わりに印をつけ、ピークが 波形の総面積の何パーセントを占めるか計 算します。この値と別の生化学の検査(総蛋 白濃度)の結果を使用してg/dLで単クローン 性蛋白の量を計算することができます(p.7 参照)。

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療に対する反応の点で、小さな変化がより重 要となるからです。 SPEPとUPEPが有益な理由は次の通り です: 1.骨髄腫の量とタイプの基本評価。 2. 反応のスピードとレベルを文書化するため の連続的なモニタリング。 3. 病気の進行あるいは再発の可能な評価。 注意:進行形疾患(PD) = ≥25%増加**(最低 の状態から)。PDはまた、「CRAB」の特徴の うちいずれか1つの発生によって確認するこ とができます***

SPEPとUPEPの効果的な使用

新しい骨髄腫治療が始められた場合、SPEP あるいはUPEPあるいはその両方を使用し て、血液(血清)または尿中、あるいはその 両方のM蛋白レベルを毎月(あるいは、通 常3~6週間の各治療間隔ごと)測定するべ きです。定期検査は、治療の効果を評価す るため必要とされます。治療がうまくいって いない場合2~3ヶ月以内に判明するでしょ う。SPEP/UPEPのM蛋白レベルは、<25%に 減少、≥ 25%に増加(進行性疾患「PD」)とな ります。この時点で治療の変更が必要かもし モニターするために別の検査(遊離軽鎖分 析)を使用することになります。*

電気泳動は治療決定にどの 

ように役立つか?

先に述べたように、正確にSPEPまたはUPEP あるいはその両方によって単クローン性蛋白 の量を測定し、骨髄腫腫瘍組織量の正確な レベルを知ることは大きな利点です。SPEPあ るいはUPEPにおいてスパイクがない状態で の病気のモニタリングは非常に困難です。 SPEPとUPEPによるM成分の度合いは、骨髄 腫存在の量を反映します。しかしながら、個 々の患者ごとに異なるということを認識する ことが非常に重要です。例えば、診断の際、 血清ではとても高いスパイクがあるのに、骨 髄あるいは骨組織の骨髄腫のレベルはそれ ほど高くないという人もいます。そして、その 反対の例もあります。:低いスパイクなのに、 骨髄腫細胞が多く存在する患者さんもいる のです。それゆえ、診断においてスパイクレ ベルを個々の患者における骨髄腫の量と関 連させることは非常に重要です。スパイクが 低い場合、この事が特に重要になります。病 気の進行の可能性あるいは再発と同様に治 * より詳しい病気のモニタリングに関しては、次のIMWG出版物を参 考にしてください。全てmyleloma.orgにて入手することができま す。「IMWGの統一効果判定基準」、「血清遊離軽鎖分析のための IMWGガイドライン」(更新中)、「骨髄腫の診断の精密検査のため のIMWGガイドライン」。さらに、2011/2012版の「多発性骨髄腫病 態と治療選択肢のあらまし」を参照してください。 ** 進行や再発を確認するためには、連続して2回測定することが要求 されます。 *** 「CRAB」の特徴及びその他の詳細な説明については、その他の IMF出版物やIMFのWebサイト@myeloma.orgを参照いただく か、IMFのホットライン800-452-2874(U.S.及びカナダ内)へお電 話ください。

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れません。これは検査結果と治療選択肢を 医師と話し合う重要な時期です。 治療がうまくいっている場合、最初の2~3 ヶ月以内にSPEP/UPEPのM蛋白レベルの実 質的改善(減少)がよく起こります。上記で 述べたように、反応のレベルは、≥50%(部 分反応「PR」)、≥90%(非常に良い部分反応 「VGPR」)、100%(完全寛解「CR」)として 定量化することができます。 CRの分類は、さらにM蛋白が免疫固定法 (IFE)で検出されず、骨髄試験において骨髄 腫の兆候を何も示さないことが要求されま す。VGPRとCRのような反応のより高いレベ ルの達成は、通常さらに少なくとも2~3ヶ月 の治療が必要となります(この時点で4~7ヶ 月を要します)。最大反応に達成するまでに は、さらに追加の治療に数ヶ月を要するかも しれません。 自己幹細胞移植(ASCT)あるいは反応を最大 限に向上させるための強化療法治療のよう な、追加治療選択にはさらなる判断要求さ れます。その後、維持療法を始めるための決 定をする場合があります。そしてこれは、あな たの主治医とよく話し合って決定されます。 反応が安定段階に到達したならば、モニタリ ングの頻度を2~3ヶ月ごとまでに減らすこ とができ、新たな問題が発生しなければ、 このままの頻度を継続することができま す。SPEP/UPEPの結果が入手できるように なり、あなたの主治医とこの結果について 直接話し合うことができればとても有益で す。IMFは、フリーのコンピュータプログラム 「Myeloma Manager」を提供しており、それ によって検査結果の表、グラフそしてフロー チャートをひとりでゆっくりと時間をかけて作 成することができます。これは患者と医師の 話し合いや今後の計画の手助けとなります。

蛋白電気泳動の費用は保険の補

償対象か?

蛋白電気泳動は、通常メディケア(米国の高 齢者医療保険制度)及びほとんどの保険プロ グラムの適用を受けた標準的な検査です。

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しかしながら、その他の検査と同様に、保険 では検査費用の一部(たとえば80%)のみカ バーされるかと思います。個々のテストで、患 者にどの費用が必要になるか気づいておくこ とが重要です。 費用が問題となる場合は、主治医(臨床医) と検査の緊急性および必要な頻度について よく話し合ってください。骨髄腫が安定して いるようなら、それほど頻繁に検査を受ける 必要はないかもしれません。

その他の疑問点

電気泳動の結果についてさらに理解を深め るため、以下の疑問についてご自身の主治医 と話し合うことをお勧めします: n この検査室のSPEPの免疫グロブリン値の 基準範囲はいくつですか。また、私の値は 比較するとどうなのでしょうか。 n 毎月のSPEP及びUPEPの結果では、どの程 度の変化を正常の範囲内と考えますか。 重要であると思われる増加や減少は、ど のポイントですか? n 電気泳動で単クローン性蛋白が全く検出 されないならば、常に私が完全寛解であ ることを意味していますか。 n 血清及び尿の両方の電気泳動を行うこと が必要ですか? n MGUS患者は、血清及び尿の電気泳動で モニターするべきですか?だとすれば、ど の程度の頻度で調べるべきですか?

IMFについて

国 際 骨 髄 腫 財 団 (International Myeloma Foundation、以下IMF)は、1990年に設立 され、世界で最も古くかつ最大の骨髄腫に 関する慈善団体です。120ヶ国20万人以上 の会員を有し、骨髄腫の患者と家族及び医 療の向上に貢献しています。IMFは研究、教 育、支援及び知識の普及に関する広範な情 報プログラムを提供します。

研究  

IMFは骨髄腫に関する先進性のある 世界的な共同研究を行う団体です。IMFは世 界的に著名な専門家集団から成る国際骨髄 腫ワーキンググループ(IMWG)と共同で最も 効果的でユニークな方法で、治癒の可能性を 探り、次代の骨髄腫の独創的な研究者の育 成と治療法の改良により患者の日々の生活 を改善します。

教育  

IMFは骨髄腫研究のリーダーや臨床 の専門医によるセミナーや研究会を開催し、 骨髄腫の患者と家族に、直接、最新の情報を 提供します。IMFは、毎年、100を超える資料 を改定して刊行し、必要とする人すべてに無 料で提供しています。

支援  

IMFは150以上の患者支援団体とネ ットワークを保ち、それぞれの地域で活動し ている数百人の男女のボランティアに支援を しています。無料電話番号は800-452-CURE (2873)で、毎年、何千もの家族からの質問に お答えし、情報の提供と支援をしています。

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知識の普及  

IMFが主導するプログラム は、個々の骨髄腫の患者に生命に関わる問 題の改善に役立ちます。IMFは患者の情報 アクセス(the Patient Equal Access Coalition: PEAC)をがんの精神的療法への保険適応と 同等になるよう指導します。 骨髄腫の予防と治癒に向けた活動を通 じ、IMFが行っている骨髄腫の患者の生活 の質(QOL)を向上するための事業について もっと知っていただきたいと思います。関心 のある方は電話番号800-452-CURE(2873) か、myeloma.orgへアクセスしてください。

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用語集

抗体:バクテリア、ウィルス、毒あるいは腫瘍 のような抗原の形をした感染及び病気と戦う ために白血球(プラズマ細胞)によって産生 された蛋白質。抗体はそれぞれ特定の抗原に のみ結合することができます。この結合の目 的は抗原の破壊を助けるためです。抗体は、 抗原の性質によっていくつかの方法で働きま す。いくつかの抗体は抗原を直接機能不能に します。他のものは、抗原が他の白血球の攻 撃によって簡単に破壊されるようにします。 ベンスジョーンズ蛋白:尿中に存在する骨髄 腫単クローン性蛋白。ベンスジョーンズ蛋白 の量は、24時間あたりのグラム数で表現され ます。通常は、ごく少量の蛋白が尿中に存在 することがあります(0.1g未満/24時間)が、 これはベンスジョーンズ蛋白というよりむし ろアルブミンです。 ベンスジョーンズ蛋白の存在は異常です。 CRAB: C = カルシウムの増加、R = 腎障害、 A = 貧血、B = 骨疾患 電気泳動:患者の血清(血液)あるいは尿 分子がそれらのサイズと電荷によって分離さ れる検体検査。骨髄腫患者は、血液あるい は尿の電気泳動によって、各患者の特定のM スパイク特性の識別、そしてまた骨髄腫蛋白 (M蛋白)の量の計算の両方が可能になりま す。電気泳動は、診断及びモニタリングのた めのツールとして使用されます。

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遊離軽鎖:高感度測定法「Freelite®」によっ て測定できる低分子量の単クローン性蛋白 の一部。 IgG、IgA:骨髄腫の最も一般的なタイプの 2つ。GとAは、骨髄腫細胞によって産生され た蛋白のタイプを示します。免疫グロブリン である骨髄腫蛋白は、2つの重鎖(たとえば Gタイプ)とκ及びλのいずれかの軽鎖から 成ります。したがって、骨髄腫の2つの最も一 般的なサブタイプには、同一の重鎖がありま す(つまりIgG-κとIgG-λ)。重と軽の用語 は、蛋白の分子の大きさ、または重さを表し ており、重鎖は軽鎖より大きくなります。 軽鎖はより小さいため、尿ベンスジョーン ズ蛋白として尿中に漏れでることがよくあ ります。 IgD、IgE:それほど頻繁にはない2つのタイ プの骨髄腫。 IgM:通常、Waldenstromマクログロブリン 血症に関連付けられます。稀に骨髄腫のタイ プになることがあります。 免疫固定法:血清あるいは尿の免疫学的検 査は、かつては血液中の蛋白を識別するた めに使用されていました。骨髄腫患者のため に、医師はM蛋白のタイプを識別することが できます(通常IgG、IgA、κあるいはλ)。最 も高感度なルーチン免疫染色法として、M蛋 白の正確な重鎖及び軽鎖のタイプを識別し ます。 免疫グロブリン(Ig):プラズマ細胞によって 産生された蛋白質;身体の免疫システムの 主要部分。免疫グロブリンは、体内に侵入し た夾雑物(バクテリア、ウィルス、菌のような 抗原)を付着し、その破壊を助けます。免疫 グロブリンのタイプは、IgA、IgG、IgM、IgD 及びIgEです。 単クローン:単一細胞のクローンあるいは複 製。骨髄腫は、単一の有害なプラズマ細胞 (単クローン)から発展します。さらに、産生 された骨髄腫蛋白のタイプは、単クローンで す(さまざまな種類ではなく1つの種類)。単 クローン性蛋白の重要な実用面は、血清電 気泳動検査でシャープなスパイク(Mスパイ ク)としてそれが現れるということです。 M蛋白(Mスパイク):抗体あるいは抗体の 一部が、多発性骨髄腫患者の血液あるい は尿中に大量に検出されます。Mスパイク は、M蛋白が存在する場合、蛋白電気泳動に おいてシャープなパターンを指します。単ク ローン性蛋白及び骨髄腫蛋白は同義語です (上記、単クローン参照)。 プラズマ細胞:抗体を産生する特別な白血 球。プラズマ細胞は、骨髄腫の悪性細胞で す。正常なプラズマ細胞は、感染と闘うため に抗体を産生します。骨髄腫において、有害 なプラズマ細胞は、感染と闘う能力のない 大量の異常な抗体を産生します。 異常な抗体は、単クローン性蛋白あるいはM 蛋白です。さらに、プラズマ細胞は、臓器及

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び組織障害(つまり、貧血、腎障害及び神経 障害)を引き起こす他の化学物質を産生し ます。 試薬:特定の方法で反応すると知られる化 学物質。試薬は、化学反応において別の物 質を検出あるいは合成するために使用され ます。 再発:改善の期間後の病気のサイン及び徴 候の再現。 寛解と反応:癌のサイン及び徴候の完全あ るいは部分消失。寛解と反応は区別しない で使用されます。 腫瘍マーカー:ヒトが癌であることを示唆 する血液あるいは体液中の物質。骨髄腫の 場合、M蛋白は腫瘍マーカーです;骨髄腫細 胞の数及び活動を測定するための間接的 な方法。

参照

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