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~なぜ高速道路は
有料制を続けているのか~
2010年11月27日
分科会 A(公共)
中央学院大学 李ゼミ
中村 悠太
吉岡 浩司
岡部 翔太
目次
1、高速道路料金制
2、償還主義とプール制度
3、永久有料化
4、国際比較
5、無料化実験
6、無料化にするとどうなるか
7、無料化の実現
8、結論・提案
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■はじめに
最近テレビで“高速の無料化”や“ETC 割引”など高速道路関連のニュースがよく放送さ れている。 排気ガスや騒音などの環境問題が騒がれている中、高速道路を無料にしたら確実に交通量 が増え、悪循環に見舞われるのではないだろうか。 そこで高速道路の料金制度、各国の高速道路料金、過去に行われた無料化実験や無料化に するとどうなるかを調べ、なぜ高速道路有料制を続けているのかを考えることにした。1、高速道路料金制
有料道路制度とは、借入金で道路の建設を行い、完成後に道路の利用者から通行料金を一 定期間徴収し、その料金収入により道路を管理する費用、借入金の利息に要する費用を負 担しつつ、その道路の建設に要した費用を返済していく仕組みである。 有料にするに至った経緯 ・必要性の高い道路を、予算にとらわれず借入金などを活用して、短期間に完成すること ができる。 ・道路の建設、管理に必要な費用を、利用の程度に応じて利用者に公平に負担して貰うこ とができる。 ・交通渋滞などを避けるために、ロードプライシングの機能によって交通費のコントロー ルができる。2、償還主義とプール制度
★償還主義 道路の性格により料金を徴収できる 期間は異なっているが、現在、高速道 路自動車国道では40年間、一般有料 道路では30年~40年程度が普通 であり、料金徴収期間内の総収入で総 費用(建設費、管理費、利息)が賄え るように、料金額は決定されている。 ★プール制度(例:愛知県)2
3、永久有料化
もともと道路は排除適用せず、無料で使用できるべき価値財として、公共財の性格を制度 的に付与されてきた。有料制は、財源不足に対処する便宜的手段であった。アメリカ・ド イツ・イギリスなどの諸外国の有料道路制は、償還後の無料開放が規定されている ↓ ↓ ↓ これに対し ① 高い維持管理費 ② 施設の有料利用あるいはサービス水準の維持 ③ 他の交通手段、特に一般道路や鉄道との交通量配分 ④ 後代への贈与の不合理 このような償還終了後も料金を徴収すべきとの議論もある4、国際比較
・主要国
★高速道路料金について(1km あたりの料金) 日本 (2009) 米国 (2005) 英国 (2006) フランス (2005) ドイツ (2005) イタリア (2005) 料金体制 24.6 円 +150 円 4.18 円 12.9 円 10.80~ 13.45 円 12.76~ 19.85 円 7.01 円 ★仕組み、有料/無料について ・日本…財政投融資等借入金により建設し、共用後料金収入で償還する有料道路方式。 (2009) ・米国…燃料税等の税収によって整備。原則として無料。 (2005) ・英国…トンネル・橋梁を除き原則として無料であったが、近年、有料自動車専用道路が 建設されている。 (2006) ・フランス…都市内は一般財源で整備(無料)。都市間はコンセッション方式により有料道 路として整備する場合が多い。 (2005) ・ドイツ…アウトバーンは、鉱油税収の一部を特定財源として整備。1995 年 1 月から 12 ト ン以上の大型車は有料。 (2005) ・イタリア…原則として有料。開発が遅れた地域は、道路庁がガソリン税、自動車税を特 定財源として整備し、無料。 (2005)3
5、無料化実験
(1)高速道路無料区間の交通量 国土交通省ホームページ 11/12 ↓ ↓ ↓ ★ 無料化により平日・休日とともに交通量が約2倍増加 ★ 一般道の交通量 2割減尐 ★ 一般道の渋滞時間が6割減尐6、無料化にするとどうなるか?
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1)メリット・デメリット 無料のメリット 無料のデメリット 1. 生活コスト・企業活動コストの引き下げ 1高速道路の維持費の問題 2. 地域活性化 2公共交通機関への影響 3. 温暖化対策 3一般道の飲食店等の衰退 4. ムダづかいの根絶 (2)無料化による公共交通機関への影響 平成22年 3 月24日に三重県の伊勢湾フェリーが9月での廃業を発表し、三重県鳥羽市 と愛知県田原氏の伊良湖岬を結ぶ伊勢湾を横断する唯一の航路が消えることになり、湾を 横断する航路は、鳩山政権のCO2 排出削減という環境重視の観点からも、災害時に複数ア クセスルートを確保するというリダンダンシーの観点からも、存続する価値がある。 会社が清算されてしまえば、高速道路優遇政策をやめたとしても、元に戻すことは困難。 高速道路優遇政策は、フェリーのみならず、鉄道、バスなど公共交通機関への悪影響を拡 大。負の側面が現実のものとなる前に高速道路優遇政策を止める方が、政権への支持をつ なぎとめるうえでも賢明であると考える。 毎日新聞2010/03/24 0 5000 10000 15000 20000 実験 前 7月 8月 9月 平日 0 5000 10000 15000 20000 25000 実験 前 7月 8月 9月 休日4 (3)無料化による一般道の飲食店への影響 県内の高速道路の9割が無料化された山形県。 県を横断する山形自動車道は通行量が2~4倍に増えた。日本海側の庄内地方には観光客 が押し寄せ、山形道の寒河江サービスエリアの売店も「来客数は1~2割増」。しかし、山 形道と並行する国道112号(西川~月山)の休日の通行量は全国最大の53%も落ち込 んだ。山形道は未開通区間もあるため、高速を敬遠して国道を走る車も多かったが、無料 化で一気に高速に流れ、売り上げが10分の1に減った飲食店もあるという。 町が素通りされていることに危機感を強めた西川町商工会などは緊急対策会議を設置した。 山形道のサービスエリアにも乗り込み、特産の山菜そばの割引券付きパンフレットを配布。 商工会の木村寿和さん(58)は「お盆は帰省客で尐し回復したが、今後がまた心配」と、 追加対策を検討する予定だ。 全線が無料化された北海道の道東自動車道。 追分町~夕張間で休日の通行量が7割増え、道東道出入り口に近い道の駅は7月の利用者 が約3・4倍に激増したが、並行する国道274号の通行量は3割減。沿線にある日高町 の道の駅では利用者が55%も減った。 国道を使うトラックの9割が高速に転じたといい、ドライブイン「日高ウエスタンファー ム」も売り上げが半減。和田永雄社長(54)は「もはや企業努力ではどうにもならない」 と嘆く。 町議会も5日の臨時会で、実験の即時中止を求める異例の意見書を全会一致で採択。首相 や国交相あてに送った。 読売新聞2010/8/28
7、無料化の実現
無料化の実現 ★アメリカ・ドイツ・イギリスでは、高速道路の通行料は原則無料である ⇒道路財源の範囲内で高速道路も一般道路も建設 ・日本での高速道路の利用者は、年間約4兆5000億円も支出。 ⇒ガソリン税などの税金約2兆円、通行料金で2兆5000億円 ★国土交通省道路局の『道路の中期計画』 ⇒一般道路は混雑しているが、高速道路は通行料金が高いため利用されない ↓ ↓ ↓ もし、高速道路が無料になれば通行料金が高くて利用されていない高速道路の利用が 増える。具体例
秋田県では、有料区間の利用者は3千台なのに対し、無料区間の利用者は1万台であっ たという結果がでた。5
8、結論
高速道路を無料化にすることによって、国民の受ける負担は以前より増えることは間違い ない。 アメリカのように出入り口を増やせば渋滞が緩和され、一般道の店などの売り上げにつな がるかも知れないが、その出入り口を作るお金は誰が負担するのか? もちろん国民の税金である。 環境問題や維持費、渋滞、事故などから考えると無料にする必要性はないが、通行料が世 界と比べて日本はかなり高いので、世界基準に近い金額に設定できれば尐しは金額上の問 題も解決すると考える。 高速道路料金については、現在でも時間帯によってかなりの割引がある。 渋滞箇所は交通量を抑える為に多尐の料金をかけることは必要である。 一律半額ではなく、時間帯割引を車種別に使い分ける方が良いのではないかと考える。 例えば、運送業者は夕方6時から早朝6時まで半額にして深夜に走ってもらい、営業で使 われる小型貨物や普通車は午前10時から午後5時まで割引にし、早く目的地に行きたい 人は割引のない午前6時から午後10時の時間帯に走ってもらうなどこのような感じで使 い分ければ渋滞の緩和にもなると考える。 渋滞箇所は交通量を抑える為に多尐の料金をかけることは必要である。 また電気自動車や水素燃料電池車やハイブリッドカーなどの次世代エコカーを購入した人 に限って高速道路料金を無料にすれば良いと考える。 これにより次世代車への買い替え需要も増え、環境・経済にもいい結果をもたらし、また 化石燃料への依存を減らす事によって日本の経済的政治的な立場も有利になるであろう。 ★主な利用目的 注:業務A は物の運搬を伴わない業務、業務 B は物の運搬を伴う業務 0 5 10 15 20 25 30 出勤 登校 業務A 業務B 帰社 買物 娯楽 観光 送迎 不明 営業用車 帰宅 休日(上) 平日(下)6 ★高速道路の歴史 ・1929年 菅原通済が民間で運営する構想を持ち出した。 …東京~大阪間に約 493kmの自動車専用舗装道路で事業費 8000 万円で建設。これが最初 である ・1938年 高速道路である自動車専用国道の議論が始まった。 …鉄道輸送が主だった第二次世界大戦前、東京都内高速道路計画案が作成された。 ・1940年 内務省が全国自動車国道計画を策定した。 …北海道から九州まで日本を横断する道路網が描かれた。 ・1943年 東京~神戸間の建設調査を実施。 …戦争の最中であるためか、政府部内からは批判され当然ながら建設は差し止められた。 ・1962年 首都高速1号線の京橋~芝浦間の4.5キロが開通。 ・1963年 日本初の高速道路、名神高速道路一部開通。 …栗東 IC~尼崎 IC が開通。 ・1964年 名神高速の栗東 IC~関ヶ原 IC が開通。 阪神高速道路1号線の土佐堀~湊町間が開通。大阪初の都市高速道路。 名神高速の関ヶ原 IC~一宮 IC が開通 尼崎 IC~西官 IC が開通。 ・1965年 名神高速道路が全線開通。 …紀伊半島の双方の付け根が琵琶湖ルートで結ばれた。 ・1968年 東名高速道路が一部開通。 ・1969年 東名高速道路が全線開通。 ・1971年 北海道に初の高速道路。 …翌年に札幌オリンピックがあり、比較的早い時期に高速道路が作られた。 ・1979年 名古屋高速道路の高辻出入口~大高出入口の開通。 …名古屋初の都市高速道路。 ・1982年 中央自動車道が全線開通。 …山梨県甲府南 IC~山梨県勝沼 IC が開通した。 ・1985年 関越自動車道が全線開通。 ・1987年 東北自動車道が全線開通。 埼玉県浦和 IC~埼玉県川口 JCT 間が開通。 ・1988年 北陸自動車道が全線開通。 ・1994年 首都高速湾岸線が開通。 全都道府県に高速自動車国道ができる ・1995年 九州自動車道が全線開通。 ・1996年 大分自動車道が全線開通。 ・1999年 上信越自動車道が全線開通。 ・2001年 日本道路公団が ETC 導入。 ・2005年 道路関係四公団民営化
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