1占0 香川大学農学部学術報告
アカマツ外皮リグニンスルホン酸の分子量測定
十 河 村 男,幡
克 美
Ⅰ緒 ロ
アカマツ外皮を亜硫酸蒸煮し,そのリグニンをスルホン化して溶出したリグニンスルホン酸の諸性状をしらべるこ
とによって,外皮プロトリグニニ:/の性状の概要を把握できることほ,木崩リグニン∵ヌルホン駿に関する既往の諸家の
研究に照して明らかである“このような観点より筆者ら(1)は,先づ外皮を種々のpHで亜硫酸蒸煮して外皮リグニン
のスルホン化による溶解性を木材リグニンの場合と比映し,溶出したリグこここ/スルホン酸の諸性状をしらべることに.
よって,外皮リグニンの類型別溶解性について検討したその社風 アかマツ外皮リグニンほ,(1)中性でスルホン化
すると容易に溶出するもの,(2)その残外皮を酸性亜硫酸兼煮してはじめて溶出するもの,(3)酸性亜硫酸蒸煮してもな
お溶出しないものの5区分に分類できた(1聴とくにメトオキンル基が少く,フェノール性水酸基,カルポキンル基
に富み,5,4−dihydroxyphenyl核ををもつ点で(2)とほ著しく相違し,(2)ほむしろ木材リグエンスルホン酸によく似
た性質をもち,(3)ほリグニンとして−の性状を召するが樹皮の基質として知られているヌベリンをかなり含んでいる.
これら分別外皮リグニンスルホン酸の諸性質を・あわせ考えると,従来発表してきた分別法(2)にもとづく樹皮フ.ェノ
−ル酸,樹皮汐オキサンリグニンおよび残留蟻酸リグニンがそれぞれスルホン化されて(1),(2)およぴ(3)として分別さ
れたものであることを明らかに.した.
リグニン∵ヌルホン酸を用いてプロトリグニンの構造について考察しようとする場合,できるだけ涼和な条件でスル
ホン化し,単離の際の二次的変化をさけることが必要であり,そのためには,中性でスルホン化を行ってその後おだ
やかな条件で分離したリグニンスルホン酸を用いて研究する必要がある.この点,(1)は樹皮フェノール酸についての
研究試料として好適であり,(2)についても木材リグニンについて認められている如くpHl.5以上でほ過氷解に.ならな
い範囲紅おいて蒸解過程での二次的変化ほ少く(3),また同様な兼煮条件で分離した木材リグエンスルホン酸と比較
考察することによって,樹皮ジオキサソリグエソの性質を木材リグニンと比較対照して検討できると思うたゞ(3粧
ついてほスペリンが混入しているのでそのままリグニン研究用試料として用いることば/できない
本報では,前報の実験で調製した外皮リグニニこ/スルホン酸ソ−ダ(以下NaLSと略記)分別試料について,先づ
分子盟の測定方法について検討し,樹皮フーエノール酸および樹皮汐オキサソリグニンの分子愚の推定を試みた実験結
果の大要を報告するり
Ⅱ 試料の調製および性状
本実験に用いたアカマツ外皮NaLS分別試料は前報(1)で調製したものである.すなわら,KLa,KLb,KLl−4は
アカマツ外皮をpH6.7の亜硫酸ソー・ダ液で1.550C,1時間未煮して溶出したNaLSをジンクロへヰレルアミン法〈4)K
よって分離精製し,∴エタノ−ル添加による分別沈澱法で分別した試料である小 ALト4ほ上記蒸煮残外皮をpHl巾7の
酸性亜硫酸液で1・550C,5時間蒸煮して溶出したNaLSを精製分別した試料である.これら二段の亜硫酸蒸煮でも溶
出しない粗塩酸リグニンについてほ,スベリンが混入しており,変質も著しくこの部分については,今回ほ研究しなか
った.なお,比較のためアカワッ辺胡粉末を外皮の場合と同じ条件で二段の亜硫酸来煮を行った結果,木材リグニン
の97%以上が二段目のpHl.7の亜硫酸蒸煮によって溶出したので,木材NaLS試料としてほこの部分,すなわらW−
ALl−4を試料として用いたい
それら分別試料の−・般的性状は第1表に示す通りである.
Ⅱ 分子量測定法の検言寸
NaLSは分子中にスルホン基をもつため−・種の高分子電解質であって,氷点降下法や融点降下法をそのまま適用す
ることはできないまた分子盈が数百から十数万の広い分子盈分布を有するため,全分子昆領域にわたる分別NaLS
を同一方法で,分子盈を測定する方法は求め難い,
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