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ACサーボモータ制御システム用角度センサの製作(PDF)

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Academic year: 2021

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AC サーボモータ制御システム用角度センサの製作

Production of Angle sensor for AC Servo Motor Control System

菊池 清明、三浦 雅嗣 KIKUCHI Kiyoaki, MIURA Masatugu 1.はじめに 近年 NC 装置やロボット等による生産ラインの自 動化技術の高速動作に AC サーボモータが多く用い られるようになってきた。AC サーボモータはコント ローラが複雑となる欠点はあるが、制御が容易なパ ルスモータに比較して高速動作が可能で、同じく高 速動作は可能であるがブラシがある直流サーボモ ータに比べメンテナンスが容易であるという利点 を有するためと考えられる。市販の AC サーボモー タのコントローラは、PWM を用いて必要なパルス数 を出すことで速度制御やトルク制御を行っている が、汎用性を考慮して、数多くの機能をもっている ため、非常に高価であるためコストパフォーマンス に問題がある。 一般的に複雑な制御動作をするためには多数の ボールネジやカムなどの組み合わせによる機構と 多数の制御モータとが必要となるため、制御ライン への導入にあったってはコストの問題は避けて通 ることのできない課題の一つとなっている。 筆者らは 2007 年に日本包装機械工業会から、リ ンク等の機構と2個の AC サーボモータを同期運転 させ、複雑な動作が可能でコストパフォーマンスの 優れた AC サーボ制御システムの開発についての依 頼があった。2008 年に 2 軸サーボモータ同期制御シ ステムとして既に報告1)したが、使用したルネサス 製 SH シリーズマイコンの同期運転時における割り 込み処理時間の関係で、AC サーボモータ用制御パル スの漏れが発生し、システムに累積誤差が生じてし まいその結果、長時間使用すると制御システムとし て機能不能となることが確認された。この誤差を除 去するためには初期の設定した原点位置への復帰 を定期的に行えば良いことになる。原点復帰を行う ためには絶対位置検出用の角度センサが必要とな ってくる。 角度センサとしては、電磁的な方法と光学的な方 法とに大別されるが、今回は既に製作を終えていた リンク機構のスペースとコストパフォーマンスの 問題から、電磁的な方法におけるインピーダンス変 化法の中の一つである容量変化形センサを採用し た。試作した容量センサは2つの固定電極板の間を 接地した可動電極を配置した角度センサであり、そ の設計・製作について報告する。 2.容量センサ 容量センサは構造が簡単で比較的高感度が得られ、 消費電力が少ないという利点を有している。容量セ ンサでは浮遊容量が誤差の原因となるためセンサ自 体を3端子コンデンサ構造と考えることが必要で、 対地間および周囲導体の影響を取り除くために静電 シールドを施す必要がある。容量変化を利用した角 度センサとしては、図 1 に示した「Hardway」形が良 く知られている。このセンサは励振側の固定した円 形電極と受信側の半円扇形の固定電極により平行平 板コンデンサを形成し、その間を半円形の接地した 金属電極が可動する方式である。容量変化は容量- 電圧変換回路(C-V 変換器)により検出し、その出 力は可動電極が受信側電極を覆い隠す位置にきたと き最小となる。この方式は簡単な構造と簡単な電子 回路で構成できる利点を有するが、センサが差動構 造となっていないので機械的な取り付けや周囲の環 固定電極 固定電極 Cf ガード電極 可動電極 Hardway 1971 Electronics 44 86-8 受信側 励振側 -+ o x i f C v v C = − vi 図1 容量変化法による角度センサ(Hardway)

(2)

境変化の影響を受け易いという欠点を有している。 この点を改良して差動構造としたのが図2に示す 「R.D.Peters」形で、可動電極は「Hardway」形と同様 である。このセンサは励振側の電極と受信側電極と の電極面積の形状が異なる(白の箇所と編目の箇所) ように2分割し、励振側電極には振幅が等しく位相 の異なる信号が加えられている。白の箇所と編目の 箇所との励振側と受信側におけるそれぞれの容量変 化を求めて、その差を検出する方法である。しかし、 2箇所の容量変化を検出してその差を求める方法で あるため、電子回路が複雑となる欠点を有している。

30 40 30 40

20 0.1 0.1 8 8

o

(mm) 図 4 センサ用電極の形状と寸法 図2 差動構造の容量角度センサ(R.D. Peters) Cf vo -+ 可動電極

-

vi vi B Cx vs ≒

-

vo CCx f A 励振側 固定電極 受信側 固定電極 図 3 新容量角度センサの概要 0 v0 +90 -90 -45 +45 そこで、筆者らは2つの容量センサの特徴を生か して構造および電子回路が簡単で差動構造となる、 図3に示すような容量センサを開発した。このセン サは「Hrdway」形の励振側電極と受信側電極とを入れ 替え、2つの励振電極 A・B にそれぞれ逆位相の信号 を加え、受信側電極と励振側電極間の容量変化を、 C-V 変換器の出力電圧 voを測定する差動構造の容量 変化形の角度センサである。可動電極が励振電極A・B の面積を等しく覆い隠したときにvoは最小となり、その ときの角度を0°とすると-90°および+90°で voは最大となるが、voの位相は異なる。そこで、voを位 相検波回路に加えると-90°~+90°迄の角度検 出が可能となる。 図4は試作した容量センサ用電極の写真(1 部)と形 状および寸法を示したもので、10cm×10cm の両面 ガラスエポキシ基板に、外形 80φで内径 60φの 2分割した半円形の励振側固定電極 A・B と、外形お よび内径とも励振側固定電極と同形の同心円からな る受信側固定電極とを片面のみホトエッチングによ り作成した。センサは製作した2つの固定電極との 間を接地された外形・内径共に励振側電極と同型で 半円形の金属製可動電極が移動するサンドイッチ構 造となっている。可動電極には厚さ 1[mm]のアルミ ニウム板を用いており、励振側固定電極と受信側固 定電極間の距離はスペーサを用いて 3[mm]一定とし た。励信側固定電極および受信側固定電極の一部に 切り欠きがあるが、これは可動電極位置検出用のフ ォト・インタラプタ設置用に設けたものである。A・B には振幅が等しく逆位相の電圧が印加される構造で、 駆動電極と固定電極との間の容量変化を容量-電圧 変換回路(C-V 変換器)で求める方式とした。可動電 極が移動して、丁度 A・B の電極面積が等しくなる ように覆い隠す位置に来たときにC-V 変換器の出力 電圧voは最小となる。可動電極の移動によってvoは 受信側 励振側 可動電極 固定電極 R.andall D.Peters 1993 Rev.Sci.Instrum. 64(3) R 固定電極 R 差動増幅器へ R/ 2 R R/ 2

-

v

i

v

i

(3)

増加するが、移動方向によってvoの位相が異なるこ とになる。 3.回路および特性 図5は容量変化法による角度センサの回路を示し たものであり、点線内は3端子構造として考えた容 量センサで、Ci,Riは増幅器の入力容量および入力抵 抗で、Cf,Rfはそれぞれ帰還容量と帰還抵抗である。 この回路の伝達関数は、入力電圧の角周波数をω、 演算増幅器の増幅度をA、Ci, Cfの並列容量をCgとし Ri,Rfの並列抵抗をRgとすると、

(

)

{

1

}

(

1

)

o x f g i f x g f g g f v j ACRR v j A C C C RR A R R

ω

ω

− = + + + + + + …(1) で与えられる。ここで、A≫1,Cf≫(Cx+Cg)/A , Rg≫R f /A が成立すると仮定すると(1)式は、

(

)

1 2 1 o x f o x f i f f i f f v j C R v C R v j C R v C R

ω

ω

ω

ω

− + + ≒ ,  ≒   … ( )2 と簡単に表すことができる。さらに、(ωCfR f)2≫1 を満足するようにωを設定すると、(2)式は o x v C S C =ε ≒  ,平行平板コンデンサ:  … ( )3 して表 される。ここで、Cxとして平行平板コンデンサと考 えると、電極間距離d を一定とし、電極面積を S と はウィーンブリッジ形を用い、振幅安定化 の x i f v C d となり、帰還容量とCfとセンサ容量Cxの比と すると、出力電圧voは、入力電圧viとS に比例する ことになる。図6は演算増幅器に TL-072 を用い、Cf を 10[pF]、Rfを 10[MΩ]としたときのC-V 変換器に おける周波数特性を示したもので、4[kHz]~20[k Hz]まで平坦な特性を有している。したがって、この 範囲内に入力電圧の周波数を設定すると良いことに なる。 図7は容量変化法による角度センサの回路図を示 したもので、演算増幅器には TL-074 を用いた。発振 器として -A + vo vi Ci Cf Rf C1 R1C2 Ri Cx 三端子コンデンサ R2 図5 容量-電圧(C-V)変換回路 ために FET のチャネル抵抗を利用した。 1k 10k 100k 0 -2 2 [ d B] -4 -6 -8 -10 周波数 f [Hz] Cf =10pF Rf =10MΩ 伝 送 量 図6 C-V変換器の周波数特性 Sensor 22n 100k 10M 15p 3/4 TL074 TL074 100k 4/4 C-V Converter Phase shifter Inverter v -+A 100k 100k -+A -+A -+ A + -+ -A B Ref -AD-630 Sig. +A Oscillator Wein bridge Amplifier Voltage TL0741/4 TL074 2/4 1/4 2/4 TL074 TL074 -+ A +15V Output Vo VR1 Cx 0.1μ 100k 1n 1n 33k 33k 5.6k 10k 100k 10k 10k 30k 10k 10k 15k 100k 50k 10k 0.1μ Amplifier ×2 ×4 Phase Sensitive Detector -15V +15V 50k Integrator with level shifter 0 ~ (-90 ~+90 ) 100k 0.1μ -v -+ A 3/4 TL074 TL074 4/4 100k 0.1 1M

Low pass filter Voltage 図 7 容量変化法による角度センサの回路 -+

-+ A A

(4)

発振周波数としては約 4.8[kHz]とし、4 倍に増幅 した後 8[V]の電圧振幅としてセンサ励信用電極に印 加した。また、逆位相の信号は利得 1 の反転増幅器 を用いた。 C-V 変換器の帰還容量 Cfとしては感度との関係で 15[pF]とし、帰還抵抗Rfは 10[MΩ]とした。C-V 変換 器の出力は2倍に増幅された後、平衡変調器用 IC の AD630 に入力されて位相検波され、角度-90゜~90゜ に比例した直流信号として出力される。位相検波後 の ラー積分器の出力は、更に低域通過フィ ル を示したもので、IC 駆動用の正負電源には小型トラ ンスと 3 端子レギュレータを組み合わせ、10cm×1 0cm の基板内に納めるように配置した。センサへは 配線はシールドケーブルを用いて接続コネクタを介 し、直接センサに取り付けた。図 9 は試作した角度セ ンサの特性試験をしている状況を示したものである。 写真奥に AC サーボモーが取り付けられており、手前 にはリンク機構が取り付けられている。 4.まとめ 2 軸 AC サーボモータ制御システム用の角度センサ について述べた。絶対位置検出用角度センサとし、 容量変化法を利用することで、限られたスペース内 で設置することができ、仕様も十分満足できる装置 とすることができた。AC サーボモータからの雑音(ス イッチングによる)は思いのほか多く、バイパスコン デンサや AC ラインフィルタを外付けで挿入するこ とで電源から回り込む雑音を押さえることができた。 【参考文献】 1)三浦正嗣 2008 実践教育研究発表会予稿集 C-1 図 0 は角度-90゜~90゜まで変化したときのセンサ における出力電圧を測定した結果である。AC[V]は位 検波前の出力で、DC[V]は位相検波後、低域通過フ ルタを経た後の出力である。±90゜が近づくにつ 直線性が失われるが、±80゜の範囲内では直線性 優れており、仕様目的には十分な性能となってい 。 センサ取り付け状況を示したもので、 1 相 ィ れ に る 図 11 は 角度変化に対する出力電圧の関係 出力はミラー積分器回路で平滑すると同時に、振 幅を 0~5[V](-90゜~90゜)とするため、オフセッ ト電圧を印加してレベルシフトを行った後、感度調節 を行った。ミ タに加えて高域の雑音を取り除いてから出力した。 図8は試作した容量変化形角度センサの駆動回路 図 9 角度センサの特性試験の状況 励振側電極 受信側電極 可動電極 GAP:3mm 0.0 5.0 6.0 -90 -65 -40 -15 10 35 60 85 110 135 160 185 210 235 260 角  度 [deg] ] 1.0 2.0 3.0 4.0 出 力 電 圧  [ V AC[V] DC[V] TL074 AD63 図 10 角度変化に対する出力電圧の関係 AD630 図 8 容量変化形角度センサの回路基板 図 11 センサ取り付け状況

参照

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