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(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

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● ● ● 経営情報あれこれ ● ● ●

≫≫≫≫≫≫≫≫ 平成28年11月号 ≪≪≪≪≪≪≪≪

★年末と改正税法★

今年も残すところ、1ヶ月余りとなりました。この1年間、会社や個人にとって、様々な 取引が発生し、その結果として利益又は損失が生じていると思います。この利益や損失に対 し、税法上、合理的な租税負担となるためには、各税法の規定を確認していただき、所得税、 法人税、相続税及び贈与税の確定申告等において、適切に申告することが望まれます。特に、 税制改正等がなされた場合、適用を失念する場合があります。 今月は年末に向けて、この1年間の取引から発生した損益、特に金融商品からの損益に関 し、所得税法上の規定や事例を設けて説明いたします。 1、所得税法の概要 租税負担を合理的に軽減するためには、基本的な税法の仕組みを理解し、自分の所得金 額、資産ごとの課税方式、適用される税率を確認することが必要となります。 (1)総合課税制度 総合課税制度とは、各種の所得金額を合計し、累進税率を適用して所得税額を計算す るものです。 ①対象となる所得 この対象となる所得は、利子所得(分離課税されるものを除く。以下同じ)、配当 所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得です。 ②総合課税所得に適用される税率 総合課税所得に適用される税率は、15%から 55%の累進課税が適用されます(住 民税の税率は一律10%です。所得税は 5%から 45%の累進税率です)。 なお、これに加え震災復興税が所得税額に対し 2.1%課税されます(分離課税につ いても同じです。ここでは復興税については記載を省略します。)。 【所得税及び住民税の税率表】 課税所得金額 所得税 住民税 負担税率 195 万円以下 5% 10% 15% 195 万円超え 330 万円以下 10% 10% 20% 330 万円超え 695 万円以下 20% 10% 30% 695 万円超え 900 万円以下 23% 10% 33% 900 万円超え 1,800 万円以下 33% 10% 43% 1,800 万円超え 4,000 万円以下 40% 10% 50% 4,000 万円超 45% 10% 55%

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2 (2)源泉分離課税制度 源泉分離課税制度とは、他の所得と全く分離して、所得を支払う者(銀行・証券会社 等)がその所得の支払の際に、一定の税率で所得税を源泉徴収し、それだけで所得税の 納税が完結するものです。 ①対象となる所得 代表的なものとして、預金等の利子所得、定期積金の給付補てん金等があります。 ②源泉分離課税に適用される税率 源泉分離課税に適用される税率は、割引債の償還差益(16%又は 18%)を除き、 一律20%(所得税率 15%、住民税率 5%)です。 (3)申告分離課税制度 申告分離課税制度は、対象となる所得に関し、他の所得とは分離して税額を計算し(こ の点で総合課税と異なります)、確定申告により税額を納める(この点で源泉分離課税 と異なります)制度です。 申告分離課税の対象となる所得については、次の税率が適用されます。 ①退職所得 退職所得に関しては、課税退職所得{(収入金額-基礎控除)×1/2}に対し総合 課税の累進税率が適用されます。 なお、特定役員退職所得の計算では1/2 を乗じる規定が適用されません。 ②山林所得 山林所得に関しては、山林所得に関する税率表が適用されます。 ③土地建物等の譲渡所得 所有期間が 5 年内の短期譲渡所得には、一律 39%(所得税 30%、住民税 9%)、5 年超の長期譲渡所得には、一律20%(所得税 15%、住民税 5%)の課税がされます。 (4)金融商品の譲渡等に関する課税制度 平成28 年 1 月 1 日から金融商品に関する譲渡所得、利子所得、配当所得、事業所得 及び雑所得に関し、大幅な税制改正が行われ、課税制度が次のようになりました。 ①金融商品のグループ化 金融商品は、次のグループに分類され、グループごとに課税方式が異なります。 イ、上場株式等 金融商品取引所に上場されている上場株式、上場投資信託、REIT、特定公 社債(国債、地方債、外国国債、公募公社債) ロ、一般株式等 非上場株式、私募債、私募投資信託等 ハ、先物取引等(デリバティブ取引) 商品先物、有価証券先物、株価指数先物、外国為替証拠金(FX)、オプショ ン取引 ニ、その他のもの

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3 同族会社が発行した社債(総合課税)、土地保有会社が発行した株式の短期売 買(分離の短期譲渡所得課税)、ゴルフ会員権の譲渡に類似する株式取引(総合 課税)、大口株主の保有する上場株式(総合課税)、適格ストックオプション取引 (申告分離のみなし譲渡所得) ②上場株式等 イ、利子及び配当 上場株式等の利子及び配当は、一律20%(所得税 15%。住民税 5%)が源泉 徴収されます。確定申告は不要ですが、確定申告により、譲渡損失との損益通算 (分離課税)、又は配当所得については総合課税により源泉徴収税額の還付を選 択することもできます。 ロ、譲渡損益 上場株式等の譲渡損益に関しては、一律20%(所得税 15%。住民税 5%)が 源泉徴収されます。申告分離課税を選択した場合には、上場株式等の損益通算、 利子及び配当所得との損益通算ができます。さらに控除しきれない譲渡損失に関 しては、3 年間の繰越控除ができます。 ②一般株式等 イ、配当等 一般株式等の配当等には、一律20%(所得税 15%。住民税 5%)が源泉徴収 され、総合課税の対象となります。 ロ、譲渡損益 一般株式等の譲渡損益は、一律20%(所得税 15%。住民税 5%)の申告分離 課税の対象となります。一般株式等の譲渡等において、損失が生じた場合には、 一般株式等のグループ資産間で損益通算ができます。損益通算後において、なお 損失がある場合には、その損失はなかったものとされます。 (注)平成28 年 1 月 1 日からの譲渡損益に関しては、上場株式等との損益通算が できず、また譲渡損失の繰越控除もできません(エンゼル税制適用株式を除く)。 ③先物取引等(デリバティブ取引) イ、譲渡損益 先物取引等の譲渡損益に関しては、先物取引等に係る雑所得等として一律 20%(所得税 15%。住民税 5%)の申告分離課税の対象となります。 ロ、損益通算と3 年間の繰越控除 先物取引等の譲渡損益は、先物取引等のグループ間での損益通算ができ、控除 しきれない損失に関しては3 年間の繰越控除が適用されます。 (5)損益通算 損益通算とは、他の所得で生じた損失を他の所得から控除する制度です。なお、金融 商品の譲渡損益、利子配当等の損益通算に関しては、上記(4)を参照して下さい。 ①不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得における損失

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4 不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得において損失が生じた場合には、その 損失を他の所得(利子所得、配当所得、不動産所得、給与所得、譲渡所得、退職所得、 山林所得、一時所得、雑所得)から控除することができます。 この場合、生活に通常必要でない資産の譲渡損失、土地取得にかかる負債利子から 生じた不動産所得の損失は損益通算の対象となりません。 ②居住用土地及び家屋の譲渡損失 居住の用に供していた一定の土地及び建物の譲渡により生じた損失は、他の所得と の損益通算ができ、また損益通算により控除できない損失には繰越控除ができます。 2、事例による対処方法 (1)上場株式の譲渡損失がある場合 (事例1)Aさんは、28 年中において、保有上場株式 1 万株を売却し譲渡損失として 200 万円が発生しました。また、Aさんは 28 年中において、上場投資信託の収益の 分配として80 万円(収入 100 万円から 20%の所得税・住民税控除後の金額)、 並びに譲渡した株式からの配当8 万円(収入 10 万円から 20%の所得税等控除後 の金額)の収入がありました。その他、給与収入500 万円があります。 ①ポイントと適用法令 イ、ポイント Aさんにとって、上場株式の譲渡により、失った200 万円をいかに回収するか がポイントとなります。また、上場株式等の配当に関しては、申告不要、分離課 税、総合課税を選択適用できます。 ロ、適用する法令 上場株式等のグループに属する金融商品に関しては、損益通算と3 年間の繰越 控除ができます。損益通算に関しては、利子及び配当も対象となります。 ②対応 イ、損益通算 譲渡損失200 万円-(投資信託の収益分配金 100 万円+上場株式配当 10 万円) =90 万円の損失 ロ、税金の還付 確定申告において、申告分離課税を選択し、申告することで源泉徴収された22 万円(収益分配金の源泉徴収税額20 万円+配当に係る源泉徴収税額 2 万円)が 還付されます。 ハ、3 年間の繰越控除 譲渡損失の内、損益通算で控除しきれない90 万円については、確定申告によ り3 年間の繰越控除額として申告し、翌年度以降 3 年間の上場株式等の譲渡益や 利子・配当所得から控除することができます。 (2)不動産所得の損失がある場合 (事例2)サラリーマンであるBさんは、会社勤めをしながら、不動産賃貸業(アパート)

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5 を兼業しています。給与所得は400 万円(源泉徴収額 40 万円)でしたが、近くに 新しいアパートができたことから、不動産所得において100 万円の損失がでました (借入金の利子はありません)。また、その他、上場の特定株式投資信託を保有し、 28 年中に分配金 48 万円(分配金 60 万円から源泉所得税 20%を控除した金額)を 受けとっています。所得控除の金額は100 万円です。 ①ポイント 不動産所得の損失に対し損益通算を適用します。また、特定株式投資信託の分配金 に関し、申告不要、分離課税、総合課税の選択ができますが、どれがBさんにとり望 ましいかを検討します。この場合、Bさんに適用される税率がポイントとなります。 ②適用する法令 イ、不動産所得にかかる損失は総合課税となる他の所得との損益通算ができます。 ロ、上場株式等の収入である特定株式投資信託の収益分配金は、上場株式等に係る配 当所得であり、申告不要、分離課税、総合課税の選択ができ、さらに総合所得課税 を選択した場合、配当控除の対象となるものです。 ③対応 イ、損益通算 給与所得400 万円-不動産所得の損失 100 万円=300 万円 ロ、収益分配金の課税方法の選択 申告不要、申告分離課税、総合所得課税のうちどれを選択するかについては、 Bさんに適用される税率(総合課税の税率と分離課税の税率 20%並びに配当控 除の税率 10%又は 5%)との関係から、課税方法を選択します。この事例では、 総合課税の税率が 30%未満となることから、総合課税を選択すると租税負担が 減少します。 ハ、還付される所得税 総合課税所得金額=損益通算後の所得300 万円+分配金 60 万円=360 万円 課税所得金額=360 万円-所得控除額 100 万円=260 万円 所得税の金額=260 万円×10%-97,500 円=162,500 円 配当控除金額=60 万円×10%=6 万円 納付すべき所得税=162,500 円-60,000 円=102,500 円(復興税を除く) 還付される所得税=源泉税額(400,000 円+120,000 円)-102,500 円 =417,500 円

★事務所から★

世界全体にナショナリズムが広がり、グローバル化への修正がかかりつつあります。英国 のEU離脱、米国大統領選でのトランプ氏の勝利もその一環といえます。この流れは、日本 経済ばかりでなく、世界経済にも影響を与えます。環境変化に適切に対応して下さい。 (公認会計士辻中事務所、税理士法人みらい)

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