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「行動療法研究」から「認知行動療法研究」へ:機関誌の来し方行く末

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Academic year: 2021

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 87

-「行動療法研究」から「認知行動療法研究」へ:機関誌の来し方行く末

○(司会者)佐藤 寛1)(話題提供者)熊野 宏昭2)(話題提供者)原井 宏明3)(話題提供者)佐藤 寛1) 1 )関西学院大学,編集委員長、 2 )早稲田大学,常任編集委員,元編集委員長、 3 )BCTセンター東京,常任編集委員,前 編集委員長 企画趣旨 本学会の機関誌は40年以上の歴史を持つ,わが国に おける認知行動療法の代表的な学術雑誌である。1976 年に本学会の前身である日本行動療法研究会によって 「行動療法研究」として創刊された後,本学会は日本 行動療法学会,一般社団法人日本認知・行動療法学会 と名称を変えて現在に至る。また機関誌も44巻 1 号 (2018年 1 月発刊号)より「認知行動療法研究」と名 称を改め,新たなスタートを切ることとなった。 機関誌に掲載される論文へのアクセスのしやすさ は,近年大きく向上しつつある。「認知行動療法研究」 は,現在 J -STAGEにおいてオンラインで閲覧すること が可能である。すべての論文にDOI(デジタルオブジェ クト識別子)が付与されるようになり,本学会の会員 であれば発刊後すぐに(非会員であれば発刊 1 年後 に)読むことができる。加えて,採択が確定した論文 は J -STAGE上で早期公開され,会員は掲載予定号の発 刊を待つことなく最新の論文を閲覧できるようになっ た。 本シンポジウムでは,このような機関誌の新しい展 開を紹介する一方で,本学会の機関誌がこれまでに積 み重ねてきた歴史にも思いを馳せてみたい。国内にお ける認知行動療法に関する研究と実践に関する知見の 多くが,本学会の機関誌に掲載されてきた。これまで に「行動療法研究」と「認知行動療法研究」に掲載さ れた論文等の記事件数を通算すると1,000件を超える。 創刊直後のごく短い期間を除き,本学会の機関誌は長 年にわたって年 2 号を発刊してきた。学会規模の拡大 とともに論文投稿数も増加したことを受けて,2008年 からは年 3 号の発刊となった。近年でも論文投稿数は 年 3 号の発刊が安定的に維持される水準で推移してい る。 米国の認知行動療法関連学会である,Association for Behavioral and Cognitive Therapies (ABCT) は,2016年に創設50周年記念として,機関誌上で学会 の歴史を振り返る特集号を掲載した。“Honoring the Past and Looking to the Future”と題されたこの特 集号では,ABCTの機関誌である“Behavior Therapy” に過去に掲載された錚々たる名著が改めて誌上に掲載 され,当代のエキスパートたちがそれぞれの論文にコ メントをつけるという形式がとられている。たとえ ば,Beck (1970) の“Cognitive Therapy: Nature

and Relation to Behavior Therapy”や,Watson & Marks (1971) の“Relevant and Irrelevant Fear in Flooding”,あるいはWells et al. (1995) の“Social P h o b i a : T h e R o l e o f I n - S i t u a t i o n S a f e t y Behaviors in Maintaining Anxiety and Negative Beliefs”といった往年の論文が2016年の機関誌に再 掲載され,気鋭の論者たちが現代的な視点からこれら の業績の再評価やアップデートを試みている。 ABCTの機関誌“Behavior Therapy”は1970年に創刊 された雑誌であり,1976年に創刊された本学会の機関 誌と創刊時期は 6 年しか変わらない。先にも述べた通 り,本学会の機関誌にはそれぞれの時代を代表する国 内の認知行動療法の論文が掲載され続けており,これ らの先人たちの業績を振り返ることは当代の認知行動 療法家にとっても新たな気づきを与えてくれるはずで ある。ABCTの特集タイトルであった“Honoring the Past and Looking to the Future”は「温故知新」と 翻訳できるかもしれない。これは日本の認知行動療法 家にとっても共感できるコンセプトであり,単なる懐 古主義にとどまらず,既存の知見に当時とは違った角 度から切り込むことで,新しい価値を創り出そうとす る試みである。 そこで本シンポジウムでは,「行動療法研究」から 「認知行動療法研究」への機関誌名称変更を記念し, 過去 3 代の編集委員長が話題提供者となり,それぞれ の「温故知新」を話題提供する。具体的には,2004年 度〜2009年度の編集委員長である熊野宏昭,2010年度 〜2015年度の編集委員長である原井宏明,2016年度〜 現在の編集委員長である佐藤寛が話題提供者として登 壇し,本学会の機関誌に掲載された過去の論文を紹介 しながら,より現代的な視点からそれぞれの論文の新 たな側面について論じることとする。 議論の焦点となる「より現代的な視点」とは,論文 の発刊時点では存在しなかったか,ほとんど注目され ていなかった視点を想定している。たとえば,DSM-5, 公認心理師制度,新世代の認知行動療法など,今の時 代であればなじみ深いが当時は十分に論じられていな かった視点で,機関誌に掲載された過去の名著を論じ てみたい。 当日はぜひ幅広い世代の方に会場にお越しいただい て,機関誌の「来し方行く末」の議論に花を咲かせて いただきたい。 編集委員会企画シンポジウム

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