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Academic year: 2021

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(1)

化学系基礎薬学実習

II(天然物化学・機器分析学)

天然物化学(1~3日目)

1.茶葉からアルカロイドの抽出・単離

2.アンソッコウから芳香族酸性化合物の抽出・単離

機器分析学(4~6日目)

1.紫外可視吸収スペクトル

(アルカロイド、芳香族酸性化合物)

2.高速液体クロマトグラフィー

(アルカロイドの同定および純度検定)

3.赤外吸収スペクトル

天然物質の抽出、分離・精製、構造決定法を身につける

(2)

コース:化学系薬学を学ぶ ユニット:C7 自然が生み出す薬物 C4 化学物質の構造決定

SBOs:天然物質の代表的な抽出法、分離精製法を列挙し、

実施できる。(技能)

薄層クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー

などのクロマトグラフィーを用いて代表的な化学物質を

分離できる。(技能)

代表的な分光スペクトルを測定し、構造との関連を説明

できる。

IRスペクトル上の基本的な官能基の特性吸収帯を列挙し、

帰属することができる。

(3)

天然資源から新規な化合物あるいは有用物質を、とりだし、

その構造の解明、合成などによる有用物質への変換など

天然物化学とは

有用物質 医薬品、医薬品のもとになる化合物(seed compound) 生物の生命現象解明のための生理活性物質 そのほか香料、農薬、甘味料、香辛料など

天然資源が産生する有用な化合物を利用するためには

O O O O CH3 O CH3 H H H H3C クソニンジン(皮膚病,マラリア) (Artemisia annua L.キク科ヨモギ属)

artemisinin

(4)

天然物質の抽出、分離・精製

天然資源から有用物質を取り出し、分子構造を決定

有用物質の単離

構造決定

機器分析学

的および化学的手法)

薬効、生理活性、作用機序の解明

(5)

1.茶葉からアルカロイドの抽出・単離

チャ(Camellia sinensis L.) ヤブツバキ(Camellia japonica L.) 原産:中国雲南省 実習では宇治産の一番茶を使用 一番茶:その年の最初に生育した新芽を 摘み採って作ったお茶のこと

(6)

茶(葉)の成分

N N N N O CH3 H3C O CH3 N N N H N O H3C O CH3 HN N N N O O CH3 HN N N H N O H2N N N N H N NH2 CH3 キサンチン、アデニン類

caffeine theophylline theobromine guanine adenine

タンニン(ポリフェノール)類(茶の渋み) O OH OH HO OH OH O OH OH HO OH OH O OH OH HO OH OH OH O O OH HO OH OH OH O OH OH OH

(+)-catechin (-)-epicatechin (EC)

(-)-galloylepigallocatechin (EGCg) (-)-epigallocatechin (EGC)

(中枢興奮作用) (利尿作用)

茶のポリフェノール類は抗酸化作用、抗ウイルス作用、インフルエンザ感染予防効果、抗HIV、 抗変異原性、虫歯予防効果などで注目されている.

(7)

アミノ酸類 H3C HN COOH O H NH2 L-theanine (g-glutamylethylamide)

塩基性アミノ酸:lysine, histidine, arginine 酸性アミノ酸:aspartic acid, glutamic acid ヒドロキシアミノ酸:serine, threonine

中性アミノ酸:glycine, alanine, valine, isoleucine, leucine 芳香族アミノ酸:phenylalanine, tyrosine O O OH OH H OH CH2OH H N N N N O H3CO2C Mg C20H39O2CH2C ビタミンC、カロチノイド、クロロフィル L-ascorbic acid a-carotene b-carotene chlorophyll a 茶の旨味成分 抗ストレス作用,血圧降下作用 カフェインの中枢興奮作用に拮抗

(8)

2.アンソッコウ(安息香)から芳香族酸性化合物の抽出・単離

Styrax benzoin Dryander(エゴノキ科)

アンソッコウ エゴノキ科の樹木に傷をつけてそこから にじみ出て固化した樹脂. 日本薬局方に収載されている生薬 防腐剤として使用 実習では市販のアンソッコウを使用 スマトラ安息香(スマトラ産) シャム安息香(タイ、ラオス、 カンボジア産)

(9)

アンソッコウ(安息香)の成分

COOH

COOH H3CO CHO

HO

芳香族化合物(フェニルプロパノイド、C6-C3)

benzoic acid trans cinnamic acid vanillin

O O O O O O O O OCH3 OH OCH3 OH トリテルペノイド H COOH OH HO sumaresinolic acid H COOH HO HO siaresinolic acid

(10)

高純度のアルカロイドと芳香族酸性化合物の結晶を

できるだけ沢山とること

1.自分で服用できるほど純度の高いもの

外観(結晶形,着色の有無)、融点、

HPLC

2.化合物の性質を考慮して,抽出・分離のための最善の

方法を考えながら実験を行う.

3.尐量の化合物の取り扱いの腕を磨く

単離量はアルカロイド

20 – 30 mg

芳香族酸性化合物

40 – 100 mg

操作をきれいに、量に対する器具の選択、洗いこみの徹底

収率向上を心がける。

天然物質の抽出、分離・精製、構造決定法を身につける

(11)

材料(対象となる天然資源)

1.研究材料の基原

生物種の学名、採取場所・時期、使用した部位(花、果実、葉、根など)

2.採集から抽出に至るまでの処理

生のままなのか、乾燥などの加工をしてあるのか?

3.市販品の場合は購入先・年月日、ロット番号

本実習では お茶は宇治産のものを播磨園製茶から購入 安息香はスマトラ産のものを山田松香木店から購入

4.どういう使われ方をしているのか?

お茶は飲用、安息香は医薬品防腐剤・香料として使用.

5.含有成分について

(12)

抽出

材料中の特定成分を溶媒に転溶すること. 抽出効率向上のため、材料は細粉にする 抽出溶媒 目的物質を良く溶かす溶媒を選択 目的物質が 低極性物質の場合 ヘキサン、エーテル、酢酸エチル等 高極性物質の場合 水、アルコール(MeOH, EtOH等) 一般的な化学成分研究、構造丌明生理活性物質の抽出には、低極性化合物 から高極性化合物まで広い範囲の化合物を溶解するアルコールを用いる. 抽出方法 加熱抽出、室温で長時間溶媒に浸す冷浸、振とう、超音波、 ソックスレーの抽出器での連続抽出

抽出溶媒種、溶媒量、抽出温度、抽出時間

(13)

分離・精製

抽出液およびエキスは多成分の複雑な混合物 目的物を単離するには分離・精製の操作が丌可欠 分配 互いに混和しない溶媒間で分離すること 水-エーテル、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサン―含水メタノール 沈殿・再結晶 再結晶:目的物と丌純物との間の、溶解度や結晶速度の差を利用 して結晶性物質を精製する簡便確実な方法. ・溶解度の温度変化を利用する方法 ・濃縮による方法 溶媒の選択 ・目的物の溶解度が熱時に大きく、冷時に小さい ・丌純物をよく溶かすかまたは熱時において溶けない ・溶質と反応しない ・沸点が低すぎたり、引火性が強すぎない ・形がよく大きすぎない結晶が得られる 蒸留・昇華 蒸留:目的物を混合物から留出物として分離する方法

(14)

クロマトグラフィー

ガスクロマトグラフィー(移動相:ガス、固定相:固体または液体) 液体クロマトグラフィー(移動相:液体、固定相:固体(液層)) 充填剤を均一につめたカラムに尐量の溶媒に溶解した試料を入れ、 溶離液を流すと、移動相および固定相の試料成分に対する保持力の差 のためにカラム内でそれぞれの物質成分に分離した層ができる.さらに 展開を続け、各層ごとに溶出させて物質を単離する. 吸着・分配 イオン交換 ゲルろ過 アフィニティー 茶葉CHCl3抽出エキスの分離

(15)

構造決定・同定

物理恒数(融点、沸点、旋光度など) 化学的性質 機器分析(UV、IRスペクトル、NMR、MSスペクトル) 誘導体に変換,分解反応 キラリティーをもつ化合物に関しては絶対配置まで完全に決定する. ( R )体 オレンジの風味 ( S )体 レモンの風味 limonene HO HO NHCH3 OH S HO HO NHCH3 OH R 副腎皮質ホルモン 交感神経興奮作用 ( S )体が ( S )体より 15倍活性大 adrenaline N O O NH O O N O O NH O O ( R )体 ( S )体 thalidomide ( S )体が 強い 催奇性

(16)

化学系基礎薬学実習(

天然物化学

機器分析学

天然物化学(1~3日目)

1.茶葉からアルカロイドの抽出・単離

2.アンソッコウから芳香族酸性化合物の抽出・単離

機器分析学(4~6日目)

1.紫外可視吸収スペクトル

(アルカロイド,芳香族酸性化合物)

2.高速液体クロマトグラフィー

(アルカロイドの同定および純度検定)

3.赤外吸収スペクトル

天然物質の抽出,分離・精製

構造決定法を身につける

(17)

紫外可視吸収スペクトル

物質による紫外、可視線の吸収は、その分子の基底状態にある電子が 光エネルギーを吸収して励起状態に遷移することによって起こる. その吸収の強さは波長によって異なり、得られる吸収スペクトルは物質に 特有のものである.これによって物質の定性、定量分析が行われる. カフェイン,テオフィリン およびテオブロミンのUVスペクトル

I

0

I

kcl

I

I

A

log

0

0

I

I

t

k : 吸光係数, c : 濃度,l : 層長 ブーゲ・ベールの法則

100

0

I

I

T

(18)

高速液体クロマトグラフィー

High performance Liquid Chromatography (HPLC)

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、適当な固定相を用 いて均一に充填したカラムに試料混合物を注入し、移動相として 液体を用い、試料中の各成分の固定相に対する保持力の差を利用 して分離・分析する方法である。 日本薬局方では、「液体クロマトグラフ法」として、確認試験、 純度試験および定量法が収載されている。 固定相 A B C 移動相 カフェイン、テオフィリン、テオブ ロミンの混合試料のクロマトグラム A B C Inject

(19)

分子振動

⇨ 官能基の同定,純度の検定

-C=O結合

赤外吸収スペクトル

波数(cm-1) 透 過 率 (%) KBr 錠剤法

(20)

1.各分析機器の原理

2.その機器で何がわかるか?

3.測定試料の調製法,前処理

4.各機器の基本的な操作法

(21)

実習上の諸注意

1.実習内容と各操作の意味をあらかじめ把握しておくこと 2.前日のうちに実験の手順をイメージしておく 3.必要な器具,試薬類は前日のうちに準備しておくこと 4.実験を中断するときは、キリのよい段階を選ぶ 5.実験操作・結果を整理し、考察等もその日のうちにノートに記入する 6.抽出カス、廃液等は教員の指示に従い確実に処置すること 7.実験室では白衣、名札、活動しやすい履き物を着用 マニキュア,携帯電話の使用、飲食は厳禁 8.実習で使用する装置は、教員の説明をよく聞き乱暴に扱うことは絶対 にしない(装置の予備はない) 9.実験中他人の邪魔になるようなことは一切してはならない 時間を守らない者、教員の指示に従わない者は、欠席扱いにすること がある 10.[実習書]、[続 実験を安全に行うために]、[薬学領域の機器分析学]を持 参すること 11.分からないことは班で話し合い、どうしても分からない場合は近くの 教員に聞くこと

参照

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