九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 十分の一税 権者 吉田, 道也九州大学法学部教授 Yoshida, Michiya Professor, Faculty of Law, Kyushu University https:

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

「十分の一税」権者

吉田, 道也

九州大学法学部教授

Yoshida, Michiya

Professor, Faculty of Law, Kyushu University

https://doi.org/10.15017/14391

出版情報:法政研究. 20 (2/4), pp.217-238, 1953-09-30. 九州大学法政学会

バージョン:published

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十 分 の 一 税 権 者 と は 十 分 の 一 税 を う け る 権 利 を も つ 者 で あ る 。 十 分 の 一 税

(decimae, Zehut, tithe

) は 一 般 的 に は 土 地 の 生 産 物 又 は そ の 他 の経済 的 取 得 物 の 十 分 の 、一 を 納 付 す る 物 上負担(Reallasten) で あ る .・ し か し 納 付 の 割 合 は 必 す し も 十 分 の 一 に 限 ら す 、 世 俗 法 上 の も の あ り 教 會 法 上 の も の あ り 公 法 上 の も の あ り 又 私 法 上 の も の も あ る 。 私 は 先 に 十 分 の 一 税 の 成 立 に つ い て 甚 だ 不 完 全 な 素 描 を 試 み た 。 本 稿 は こ れ に 続 く 素 描 で あ つ て 本 稿 に 於 い て 取 扱 わ れ る 十 分 の 一 税 も 前 稿 と 同 じ く カ ト リ ツ ク 教 會 へ の 十 分 の 一 税 を 主 と し 、 他 面 、 十 分 の 一 以 外 の 割 合 の負担 を 含 み 、 公 法 上 の 負 擔 即 ち 税 に 限 ら す 私 法 上 の 負 擔 を も 含 む こ と は 前 に 同 じ で あ る 。 時 代 的 に は 十 .八 世 紀 のSakularisation 以 前 ま で 、 場 所 的 に はドイツ が 中 心 で あ る 。 本 稿 の 目 的 と す る と こ ろ は 、 何 人 が 十 分 の 一 .税 権 即 ち 十 分 の 一 税徴収 権 を 有 し て ゐ た か を 明 ら か に す る に あ る 。 十 分 の 一 税 を徴収 す る 権 利 を 十 分 の 一 税 権 (Zehnirecht ) と い う 。 十 分 の 一 税 権 は 教 會 法 そ の 他 の 制 定 法 の 規 定 に よ つ て発生 す る 法 定 の 十 分 の 一 税 権 と 傳 來 取 得 に よ つ て 既 存 の 十 分 の 一 税 權 を 取 得 す る 場 合 と 契 約 に よ り 設 定 さ れ る 場 合 と 更 に 取 得 時 敷 に よ り 取 得 さ れ る 場 合 と あ る 。 十 分 の 一 税 權 の所 有 者 を 十 分 の 一 税 権 者 (Zehntbereehtigten )

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と い い 、 十 分 の 一 税 納 付 義 務 を 負 う 者 を 十 分 の 一 税 義 務 者 (Zehnpflichtigten ) と い う 。 次 に 十 分 の 一 税 は そ の 起 原 か ら 分 つ て 、 世 俗 的 十 分 の 一 .税

(de irrzae seculares

) と 教 會 的 十 分 の 点 税 ( αdecimae   ) と に 分 た れ る 。 世 俗 的 法 律 関 係 に よ つ て 設 定 さ れ た も の が 世 俗 的 十 分 の 一 税 で あ つ て 、 私 法 上 の も の で あ る 。 教 會 的 十 分 の 一 .税 は 之 に 反 し て 教 會 の利益 の た め に 設 定 さ れ た 十 分 の 一 税 で あ る 。 叉 、 十 分 の 一 税 権 者 の 別 に よ つ て 、 世 俗 人 十 分 の 一 税 (decinule l ,icales ) と 聖 職 者 十 分 の 一 税 (decirnac clericales ) に 分 た れ る 。 こ れ は 十 分 の 一 税 権 者 が 世 俗 人 で あ る か 聖 職 者 で あ る か に よ る 區 別 で あ る 。 こ の 區 別 と 前 段 の 起 原 に よ る 區 別 と は 別 個 の区別 で あ つ て 、 世 俗 人 が 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 持 つ こ と も あ り 、 反 樹 に 聖 職 者 が 世 俗 的 十 分 の 一 税 権 を も つ 場 合 も あ る 。 本 來 、 世 俗 人 が 世 俗 的 十 分 の 一 税 権 を 有 し 、 聖 職 者 が 教 會 的 十 分 の 一 .税 権 を 有 す る の が 原 則 で あ つ た で あ ろ う が 、 十 分 の コ 視 権 の 譲 渡 そ の 他 の 理 由 で 十 分 の 一 税 樺 者 の 交 替変 更 が 生 じ た か ら で あ る 。 教 會 的 十 分 の 一 税 は 第 八 世 紀 以 來 世 俗 的権力 に よ つ て 教 會 に 保 障 さ れ た が 、 こ の 場 合 、 教 會 は こ の 種 の 十 分 の 一 税 ほ 教 會 法 の 適 用 を う く べ き こ と を 主 張 し た 。 世 俗 的 十 分 の 一 税 は か な り 永 い 間 、 右 の 教 會 的 十 分 の 一 税 か ら区別 さ れ て い た が 、 時 代 を 経 過 す る に 從 っ て 漸 次 そ の 起 原 は 忘 却 さ れ こ の 区 別 が 浩 失 し 、 教 會 は 一 切 の 十 分 の 二 祝 に つ い て 教 倉 法 の 適 用 を 主 張 す る に 至 つ た 。 そ れ で 世 俗 的 十 分 の 一 税 権 が 世 俗 人 の み な ら す 聖 職 者 の 手 中 に 蹄 す る こ と に対し て は 、 教 會 は 何 ら 異 議 を 有 し な か つ た が 、 教 會 的 十 分 の 一 税 権 が 世 俗 人 の 手 中 に 編 す る こ と に対し て は 教 會 は そ の 教 會 法 上 の 立 場 か ら 強 硬 に 反 樹 し た の で あ る 。 世 俗 人 が 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 得 る 場 合 の 主 な も の は 、 第 一 に 國 王 が 十 分 の 一 税 を徴収 し 得 べ き 土 地 を 教 會 に 購 與 し 更 に こ の 土 地 を 世 俗 人 に 封 (Lehr ) と し て 與 え た 場 合 で あ る 。 第 二 は 司 教 自 身 が 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 世 俗 人 に 與 え た 場 合 で あ つ て 、 こ の 例 は 多 く 伝 え ら れ て い る 。 司 教 か ら 教 會 的 十 分 の 一 税 権 附 の 土 地 を 受 け た 世 俗 人 の 主 な る も の は 代 理 人 (Schirmvogt ) 從 士 (Diensimapnen ) 及 び 私

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有 教 會 主 (Eigenkircbenherr ) 乃 至 教 命 保 護 者 (Patronu^ ) で あ つ た 。 こ の 際 教 會 は 教 會 財 産 譲 渡 禁 止 の 原 則 に 関 し て は 、 階 與 其 の 他 に よ つ て 勃 會 が 第 三 者 か ら 取 得 し た 十 分 の 一 税 模 又 は 教 會 の た め に 新 た に 設 定 さ れ た 十 分 の 一 税 権 、 即 ち 世 俗 的 十 分 の 一 税 た る と 教 曾 的 十 分 の 一 税 た る と を 問 わ ず 、 一 度 教 會 の 所 有 に 蹄 し た 十 分 の 一 税 権 は す ぺ て こ れ を 教 會 的 十 分 の 一 税 と み な し 教 會 財 産 と し て 、 譲 渡 禁 止 の 原 則 を 適 用 し て 世 俗 人 の 教 會 的 十 分 の 一 税 権 取 得 に 張 硬 に 反 樹 し た の で あ つ た 。この點 に つ い て は 後 に 述 べ る で あ ろ う 。 三 十 分 の 一 税 権 者 は 、 十 分 の 一 税 を徴収 し 得 る 権 利 を 有 す る 者 で あ る 。 十 分 の 一 税 権 者 を 分 つ て 世 俗 人 と 聖 職 者 と す る 。 そ こ で 先 す 世 俗 人 で あ つ て 十 分 の 一 税 権 者 た る も の の 主 な る も の を あ げ よ う 。 世 俗 人 は 世 俗 的 十 分 の 一 税 権 を 所 有 し 得 た こ と は 當 然 で あ る 。 し か し こ こ で は こ の 場 合 に つ い て 述 べ る こ と を 省 略 す る 。 そ の 他 に 上 述 の 如 く 世 俗 人 に し て 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を も 取 得 し た も の が あ つ た 。 こ こ で は こ の 後 の 場 合 を 對 象 と す る 。 O 國 王 の 家 士 (Vatissi ) 、 國 王 が 十 分 の 一 税 権 附 で 土 地 を 教 會 に 贈 與 し 、 更 に 後 に こ の 土 地 を 家 士 (Vassus ) に 封 と し て 與 え た と き は 世 俗 人 た る 受 封 者 が 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 所 有 す る こ と に な る 。 こ の こ と は 特 に 上 述 の フ ラ ン ク 王 國 に お け る 所 謂 、 教 會 領 の 還 俗 (Svekularication ) に そ の 例 を 見 る と こ ろ で あ る 。 そ れ 故 に 、 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 有 す る 世 俗 人 の 第 一 の 種 類 の 主 な の は 國 王 の 家 士 で あ つ た 。

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又 母 教 が 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 世 俗 人 に 與 え る 場 合 も お つ た ゆ 上 蓮 の 如 く 世 俗 人 で あ つ て 教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 司 教 か ら 與 え ら れ た 者 の 主 な も の は 教 會 代 理 人 從 士 、 私 有 教 會 主 乃 至 数 會 保 護 者 で あ つ た 。 ⇔ 教 會 代 理 人 も と 修 道 院 や そ の 他 の 聖 堂 に は 、 そ の 對 外 的 交 渉 に 當 り 世 俗 的 の 事 務 を處 理 す る た め に 世 俗 人 た る 教 會 代 理 人 が 置 か れ た こ と が あ つ た 。 そ の 趣 旨 は 世 俗 的関係 に 於 い て 修 道 院 聖 堂 を 代 表 し こ れ を 保 護 す る 目 的 の も の で あ つ た が 、 實 際 は 内 部関係 殊 に 教 會 の 役 員 の 任 命 に 干 渉 し て い た も と も と 古 く は 教 曾 に は 防 衛 者 と い う 職 が あ ろ て 教 會 、 寡 婦 、 孤 兇 、 貧 民 の利益 を 代 表 す る こ と を そ の 任 と し た の で あ つ た が 、 教 皇 グ レ ゴ リ ウ ス 九 世 の 時 に こ の 防 衛 者 は 教 會 財 産 の 管 理 と 教 會 の 裁 治 権 ( 行 政 権 ) に 關 與 す る も の と な つ た 。 そ し て 次 第 に 世 俗 人 を 防 衛 者 に 任 す る こ と も 認 め ら れ る よ う に な つ た 。 こ の 防 衛 者 の 制 度 は そ の 後 、 教 會 及 び 聖 職 者 は 後 見 に 服 す べ き で あ る と い う ゲ ル マ ン 的 見 と 結 付 い て 、 常 置 の 教 會 代 理 人 の 制 度 と な つ た 。 こ の 教 會 代 理 人 は そ れ 故 に 後 見 人 と 等 し く 、 保 護 に 委 ね ら れ た 聖 堂 そ の 他 の 螢 造 物 の 財 産 管 理 の 監 督 を そ の 當 初 の 任 務 と し た の で あ つ た 。 領 主 が そ の 所 有 地 内 に 禮 拝 堂 を 設 立 し そ れ に 相 當 の 財 産 を 贈 與 し て そ の 財 産 と 共 に 聖 堂 を 司 教 の 手 に 贈 盟 ハ し て 司 教 匿 の 聖 堂 た ら し め る こ と は 、 し ば し ば 行 わ れ て い た の で あ る が 、 そ の 領 主 が 右 の 贈 與 さ れ た 聖 堂 に つ い て 、 教 會 代 理 人 と な る の が 通 例 で あ つ た 。 と こ ろ が 教 會 や 修 道 院 が 免 除 地 特 権 を 附 與 さ れ る よ う に な つ て か ら 、 裁 判 権 の 行 使 の た め に 教 會 代 理 人 を 設 置 す る 必 要 が 生 じ 、 教 會 や 修 道 院 に は 世 俗 的 権 力 者 が 教 會 代 理 人 と な り 、 教 會 や 修 道 院 の 冤 除 地 領 主 と し て の裁判 権 を 行 使 し 裁 判 手 数 料 の 分 配 を う け る 代 り に 、 教 會 や 修 道 院 を 實 力 を 以 て 保 護 代 表 す る こ と を 要 す る こ と と な (Schirrnvogt) (Dienstrnann) (Schirmvogt, advocatus) (Kloster) (Vogt, advocatus) (defensir) (Gregorius IX) (Jurisdiction) (rnundium) (advocatus) (i nainunitas )

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つ た 。 例 え ば 七 九 〇 年 の ヵ ー ル 大 帝 と 其 の 子 ピ ピ ン ( イ タ リ ア 王 ) と が発し た 勅 令 第 三 條 は 次 の 如 く 定 め る 。 第 三 條 聖 職 者 の 代 理 人 に つ い て 。 ' ( = 一) 聖 職 者 が 教 會 の 名 響 と 自 ら ○ 威 信(reverenti.L) の た め に 代 理 人 を 持 つ べ き こ と を わ れ ら は 望 む 。 即 ち 敦 會 の 代 理 人 制 度 が フ ラ ン ク 國 王 に よ つ て 承 認 さ れ た の で あ る が 、 こ れ は す で に 昔 日 の 後 見 権 (mundium ) の 理 念 に も と す く も の で は な く 、 冤 除 地 特 権 の 結 果 で あ る と 思 わ れ る 。 戦 會 代 理 人 の 任 命 は 、 教 會 の 最 高 の 代 理 人 た る 國 王 が こ れ を 任 命 す る か 、 或 は そ の 特 権 を 與 え ら れ て い る 場 合 に は 聖 堂 、 修 道 院 等 の 螢 造 物 自 身 が こ れ を 任 命 す る 。 但 し 設 立 者 が 自 ら 教 會 代 理 人 と な る 権 を 留 保 し て い る 場 合 に は 設 立 者 が 藪 會 代 理 人 と な る 。 . ( 石 つ し か る に 教 會 を 財 産 視 す る ゲ ル マ ン 的 思 想 の た め に 間 も な く 、 教 會 代 理 人 は 自 己 の 保 護 下 に あ る 聖 堂 修 道 院 等 に 種 々 の負担 を 課 す る よ う に な つ た 。 そ の た め に 教 會 代 理 人 制 度 廃 止 の運動 が 起 り 、 教 會 代 理 人 制 度 は 消 滅 す る か 或 は 分 解 し て 側 々 の 残 澤 を 止 め る に す ぎ な い も の と な つ た 。 そ し て 教 會 代 理 人 制 度 に 代 っ て 教 會 保 護 権 が 生 じ た 。 教 會 代 理 人 制 度 は 上 述 の 如 く 聖 堂 、 修 這 院 等 の 營 造 物 内 で 行 わ れ る 世 俗 的 な 行 政 及 び 裁 判 権 を そ の 内 容 と す る が 、 教 會 保 謹権 は 聖 堂 區 聖 堂 (Pfarrkirche ) 及 び 下 級 聖 職 者 に つ い て 成 立 す る も の で あ つ て 、 聖 堂 の 保 護 権 と 教 會 財 産 に つ い て の 監 督 権 と 、 僧 隷bellef iellllml の 受 領 者 即 ち 任 命 さ る べ ぎ 聖 職 者 を 司 教 に 推 薦 す る 権 を そ の 内 客 と す る も の で あ つ て 、 こ の 最 後 の 黙 に お い て 異 る の で あ る け れ ど も 、 教 會 代 理 権 と 教 會 保 護 権 と は し ば し ば 同 一 硯 さ れ た 。 私 有 藪 會 主 は 司 教 の 同 意 を 得 て 自 ら 聖 職 者 を 任 命 し 、 教 倉 保 護 者 は 聖 職 者 を 司 教 に 推 薦 し 司 教 が 聖 職 者 を 任 命 補 職 す る 。 教 會 代 理 人 は 聖 ⋮職 者 の 任 命 に 關 與 し な い 。 ド イ ツ 皇 帝 は 全 教 會 及 びローマ 教 皇 座 の 代 理 人 で あ つ た が 、 教 皇 権 の 伸 長 に 俘 つ て そ の實 を 失 な い 、 そ の 後 宗 教 改

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革 に よ つ て 皇 帝 の こ の 教 會 代 理 権 は 無 意 味 に な つ て し ま 。 こ れ に 反 し て 分 國 、王 は 第 一 五 糎 紀 以 來 、 ロ ー .マ 教 皇 の 特 許 に よ り 、 叉 第 一 六 世 紀 以 .來 は 特 許 を 要 せ す し て 分 國 主 権 に も と す き 分 國 内 の 一 定 の 聖 職 者 を 任 命 す る こ と ,と な つ ゲ ル マ ン 民 族 の 有 す る 私 有 教 會 制 は 領 主 に 自 己 の 所 有 地 内 に 設 立 し た 聖 堂 の 所 有 権 を 認 め 、 そ の 聖 堂 を 物 と し て 財 産 取 引 の 目 的 と な し 、 そ の 聖 堂 の 聖 職 者 の 任 冤 権 を み と め た 。 之 に 野 し て 教 會 側 で は 領 主 の こ の 権 に 反 對 し た が 成 功 せ す 、 教 皇 ア レ キ サ ン デ ル 三 世 の 時 に 漸 く イ ギ リ ス の 領 主 に つ い て こ の 権 を と 從 つ て 教 會 裁 判 権 に 服 す る も の で あ る と 定 め た 。 か く て 教 會 裁 判 所 は 領 主 は 保 護 者 と し て 聖 職 者 の 任 命 権 で は な く 推 薦 権 の み を 有 す る と す る 見 解 を 強 行 し 得 る に 至 つ た フ ラ ン ス で は 領 主 の 代 理 権 は 第 = 二 世 紀 に フ ラ ン ス の 王 権 の 發 展 に 件 い フ ラ ン ス 國 王 の 國 内 の 全 教 會 の 一 般 的 代 理 権 に よ つ て 、 領 主 の 代 理 椹 は 制 限 を う け 保 護 権 に 等 し い も の に な つ た 。ドイツ で は 第 一 二 世 紀 に 教 會 は 私 有 教 會 権 を 教 會 保 護 権 に変 え る に 成 功 し た が 、 私 有 教 會 制 の 残 澤 は 爾 残 り 、 聖 堂 乃 至 教 會 保 護 権 を 封 と し て 與 え る こ と が あ り 、 こ れ ら の 権 も ま た 教 會 保 護 権 と よ ば れ た 。 こ の よ う に し て 教 會 代 理 権 も 私 有 教 會 椹 も 教 會 保 護 権 に変 つ て し ま つ た 。 第 二 二 世 紀 以 來 、 教 會 保 護 権 を 権 利 者 の 教 俗 に よ つ て 分 ち 、 教 會 保 護 權 者 が 修 道 院 等 の 教 會 の 螢 造 物 で あ る か 叉 は 職 務 上 聖 職 者 が こ れ を 有 す る 場 合 、 こ れ を 教 會 的 保 護 権 と 構 し 、 教 會 保 護 権 者 が 世 俗 人 で あ る か 又 は 聖 職 者 で は あ る が 世 俗 法 上 の 法 律関係 で こ れ を 有 す る 場 台 を 世 俗 的 保 護 権 と 構 し 、 教 會 保 護 権 者 が 教 俗 交 替 す る 場 曾 を 混 ハロ 保 護 權 と 構 し 、 教 會 は 教 會 保 護 権 が 世 俗 人 の 手 中 に あ る 場 合 に は こ れ に 反 對 た 以 上 は 代 理 人 制 度 私 有 教 会 制 及 び 教 會 保 護 者 制 度 の 関 係 で あ る 。 こ の よ う な 教 會 代 理 人 に 對 し て 教 會 財 産 か ら 十 分 (Reformation) (Landesherr) (Landeshoheit) rituali annPXum (Alexander il1 ) (advocatus) ins spi (patronus) (Präsentationsrecht) (le garde de eglise) (le garde des eglises) (ius patronatus) (Jus patruna ec u m) (Jus patronatus ) (Jus patronatus mixtuzn)

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の 一 税 を徴収 す る 権 を 司 教 自 穿 が 杜 與 し た の で み つ た 。 そ れ 故 に 教 會 的 十 分 の 一 粉 権 を 有 し た 世 俗 人 の 第 二 種 は 靴 會 代 理 人 で あ る 。 ㊨ 從 士 國 家 は そ の 保 護 下 に あ る 國 内 の 教 會 に対し て 公 共 の福祉 の た め に 負 憺 を 課 す る こ と を 得 る の は 自 明 で あ る 。 そ れ 故 に ・ i マ 時 代 か ら す で に 教 會 は 國 家 に対し て 納 税 の 義 務 を 負 つ た 。 フ ラ ン ク 王 國 で は フ ラ ン ク 國 王 か ら 藪 會 領 に 樹 し て 冤 除 地 特 権 が 與 え ら れ 、 カ ロ リ ン ガ 時 代 に は 制 定 法 に よ つ て 少 く と も 一 マ ン ズ ス の 土 地 は 全 く負担 な し で 聖 堂 が こ れ を 所 有 す べ き も の と な つ た が 、 そ の 他 の 教 會 所有 の 土 地 に は 免 除 地 特 権 が 與 え ら れ な い 限 り 、負担 を 課 せ ら れ 得 る も の と さ れ た 。 か う い う 納 税 の 義 務 の 他 に 多 く の 教 會 や 修 道 院 に 國 王 に 對 す る 軍 役 が 課 せ ら れ 、 司 教 に は 宮 廷 勤 務 の負担 は 非 常 に 重 い負担 で あ つ た .、 國 王 叉 は 王 國 に 對 す る 奉 仕 は 狭 義 で は 各 の 聖 堂 に 課 せ ら れ た 定 期 的 叉 は 不 定 期 の 金 銭 叉 は 現 物 の 給 付 で あ つ た が 、 廣 、義 で は 兵 役 及 び 宮 廷 勤 務 を 含 ん だ 。 教 會 、 修 道 院 は 兵 役 の 負 措 を 果 す た あ に 、 兵 を 養 い 司 教 は こ れ に 封 と し て 教 會 所 有 地 を 分 給 し た の で 、 こ れ と 共 に 教 會 的 十 分 の 一 税 禮 も 世 俗 人 た る 從 士 の 手 に 移 つ た .、 か く て 從 士 は 教 會 的 十 分 の 一 .税 権 を 有 し 得 る 世 俗 人 の 第 三 種 と な つ 四 教 會 保 護 者 教 會 の 代 理 人 、 私 有 教 会 主 の 代 り に 保 護 權 者 が 生 じ た こ と は 前 述 の 通 り で あ る 。ドイツ に 於 い て " 教 會 又 ば 教 會 保 護権 を 封 と し て 與 え ら れ た 世 俗 人 は 教 會 財 産 に つ い て 十 分 の 一 税 権 を も 有 す る こ と が 出 來 た 。 前 述 の 如 く 聖 職 者 が 教 會 保 護 權 を 取 得 し 所 有 す る こ と に は 教 會 は 反 對 し な か つ た が 、 世 俗 人 が こ れ を 取 得 保 有 す る こ と に は 反対し た 。 五 私 有 教 會 主 (I)ienstnumn) (iinmunita s) (mansus) (mili tia) (Ilufdienst) (servituni regis, serviturn regni) (Heer "ahrt) (Dienstmann) (l'a i r>nus) (Eigenki rchenherr )

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自 己 の 所 右 、地 内 に 禮 拝 堂 乃 至 授 洗 聖

堂 (Tauf kiv he)

を 設 立 し 、 そ れ に 關 し て 依 然 と し て 自 己 の 所 有 権 ウ 失 わ な 、( 私 有 敷會主 も又 窮 極 に 於 、 い て 十 分 の 一 税 の 受 領 鉱倉 で あ る 。 私 有 教 會 の た め に 十 分 の 二 祝 が 設 定 さ れ 、 又 は 十 分 の 一税 が 微 牧 さ れ る べ き 土 地 を私有教 會 日 に 聡 窺 、し た と き は 、 私 有 鍛 倉 は 物 で あ つ て 樽 利 能 力 は 右 し な い か ら 、 そ れ ら の 十 ム の 一 .税 は 結 局 私 有 教 含 主 の 所 有 權 に 歸 屬 す る 。 そ れ 故 に 私 有 藪 會 主 も 又 十 分 の 一 税 権 者 た り 得 る 。 ' 私 有 ⋮教 愈 主 に は 冊 俗 人 の ほ か 、 聖 職 者 も 見 ら れ た が 、 聖 職 者 で あ る 場 合 も 私 法 上 ( 世 俗 法 上 ) の 法 律関係 で あ る こ と は 世 俗 人 の 場 合 ン 同 様 で あ つ た .. 教 禽 は 後 に は 私 有 教 魯 制 そ の も の に 反対し て 、 私 有 教 會 権 を 教 會 保 講 権 に変 化 せ し め た こ と は 前 述 の 通 り で あ る .. さ て以上 の 如 ぐ教 會 的 十 分 の 一 税 権 を 世 俗 人 が 有 す る 場 合 が あ つ た が 、 ロ ー マ 教 會 は こ れ に 反対し た 。 元 來 、 漱 會 財 産 を 譲 渡 す る こ と は 原 期 と し て 許 さ れ な い 。 こ こ に 譲 渡 と い う の は 贈 與 、 交 換 、売却 の み な ら す 封 建 法 上 の 封 與 ( ・ Verleihung ) 、 永 代 借 地 權 (Emphyteusis ) の 設 定 、 永 代 小 作 権 の 設 定 、 役 権 の 設 定 そ の 他 教 會 財 産 に負担 を 生 じ 叉 は こ れ を 減 少 せ し め る 一 切 の 行 爲 を い う の で あ る 。 例 外 と し て 許 さ れ る の は 、 僅 少 な る価額 の 動 産 の 譲 渡 、 未 開 墾 地 に 永 代 小 作 権 の 設 定 、 返 還 さ れ た 封 を 再 び 封 與 す る 場 合 、 そ の 他 教 會 の利益 と な る こ と 明 白 な る 譲 渡 を 目 的 と す る 場 合 、 債 務 の 履 行 の 場 合 、 キ リ ス ト 教 的 慈 善 行 爲 、 例 え ば 貧 民 救 助 、 捕 虜 身 受 等 の 場 合 、 こ れ ら の 場 合 を 除 き 教 會 財 産 の 譲 渡 は 許 さ れ な い 。 聖 堂 そ の 他 教 會 に よ つ て 取 得 さ れ 叉 は 教 會 に 新 た に 設 定 さ れ た 十 分 の 一 税 に つ い て も 教 會 財 産 の 一 部 と し て 右 の 原 則 が 適 用 さ れ た 。 そ れ に も か か わ ら す 教 會 的 十 分 の 一 税 が 世 俗 人 の 手 中 に 歸 す る こ と が 多 か つ た (り で 第 一 一 世 紀 以 來 、 幾 多 ○ 宗 教 會 議 、 教 皇 達 は 十 分 の 一 .税 及 び 教 會 財 産 の 護 渡 を 禁 止 し 、 且 つ 違 法 に 譲 渡 さ れ た も

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の の 返 還 を 規 定 し た 。 然 る に こ れ は 世 俗 人 の 容 る る と こ ろ と な ら な か っ た の で教會 は 更 に 一 歩 を 進 め て 、 世 俗 人 の 手 中 に 十 分 の 一 税 が あ る こ と だ け で す で に 罪 (Siinde ) で あ り 神 法 に 反 す る 乏 い う 原 則 を 樹 立 す る に 至 つ た 。 こ の 原 則 は 第 一 二 世 紀 の 諸 教 皇 の 教 書 に 示 さ れ 、 叉 第 三 ラ テ ラ ン 宗 教 會 議 も 又 定 め る と こ ろ が あ つ た 。 例 え ば 教 皇 グ レ ゴ リ ウ ス 七 世 (Gregorius V11 ) は ロ ー マ 宗 教 會 議 決 第 七 條 を と つ て 、 教 會 法 に よ つ て (can(,nica tmetoritr s ) 敬 塵 な る 用 に 投 ぜ ら れ た る 之 と 明 ら か な る 十 分 の 一 税 が 世 俗 人 に よ つ て 所 有 さ れ る こ と を 使 徒 の権威 に よ つ て 吾 人 は 禁 止 ず る 。 叉 若 し そ れ 故 に 或 は 司 教 か ら 或 は 國 王 か ら 或 は 誰 か あ る 人 か ら そ れ ( 十 分 の 一 税 ) を 受 け た な ら ば 、 藪 會 に 返 還 し な い 限 り 、 そ の 者 は 聖 な る 法 の 罪 を 犯 す も の で あ り 且 つ 判 決 に よ つ て 永 遠 の 試 練 に 陥 る こ と を 知 る べ き で あ る 。 云 々 と 規 定 し て い 'る 。 一 一 七 九 年 の 第 三 ラ テ ラ ン 倉 議 は 決 議 第 一 四 條 に 於 い て 世 俗 人 が 十 分 の 一 税 を 持 つ こ と は 自 分 の 靈 魂 に 害 を 及 ぼ す も の で あ る が 、 そ れ を 叉 世 俗 人 に 譲 渡 す る こ と 力 禁 止 す る 旨 の 決 定 を し た 。 こ れ は グ レ ゴ リ ウ ス 九 世 教 令 集 に 牧 録 さ れ た 。 即 ち 、 ラ テ ラ ン {示 藪 命 口 議 よ り 之 に 加 う る に 、 十 分 の 一 税 を 自 己 の 藁 魂 の 舟 .瞼 か 俘 い つ つ 保 有 し て い る 世 俗 人 が 、 ( 十 分 の 一 税 を ) 他 の 世 俗 人 に 如 何 な る 方 法 に よ つ て も移転 し 得 ざ る べ く ( こ れ を ) 禁 止 す 。 し か し も し も 誰 か が ( 十 分 の 一 税 を ) 受 領 し て 、 か つ ( こ れ を ∀ 教 會 へ 返 還 し な か つ た な ら ば 、 ( そ の 者 は ) キ リ ス ト 教 の 埋 葬 を 剥 奪 さ る べ し 。 こ れ ら の 諸 教 皇 の 禁 止 、・ ラ テ ラ シ宗教會議 の 禁 止 も 實 效 を 收 め 得 な か つ た 。 第 三 ラ テ ラ ン 會 講 の 決 定 に 薪 な解釈 が

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施 さ れ 、 こ の 決 定 は 、 ラ テ ラ ン 會 議 以 前 か ら 世 俗 入 の 手 中 に あ つ た 教 會 的 十 分 の 一 税 は 引 績 き 現 在 の 所 膏 者 の 手 中 に C ニ ハ ) 止 ま る が 、 以 後 の 譲 渡 は こ れ を 認 め な い こ と を 定 め る も の で あ る と な さ れ た 。 し か し ご の よ う に 非 常 に ゆ る や か な 解 釋 が 施 さ れ て も 樹 、 こ れ ら の 禁 止 規 定 は 實 效 を 牧 め る こ と は 田 來 な か つ た 。 二 一 入 六 年 の ゲ ル ン ハ ウ ゼ ン (Gelnhausen ) の 國 會 (Reichs'ag ) に 於 い て 、 ド イ ツ 皇 帝 は 諸 侯 を ﹁ 保 護 を 要 す る ﹂ 教 會 の 防 衛 者 (defensor ) と す る こ と を 定 め 、 こ れ に よ っ て 十 分 の 一 税 を 封 と し て 與 え 得 る 途 を 得 て 、 教 皇 ウ ル パ ン 三 世 (Urban / ) の 十 分 の 一 税 返 還 の 要 求 を 骨 抜 き に し て し ま つ た 。 か く て 多 く の 世 俗 人 が 宗 教 心 か ら 無 償 で 十 分 の 一 税 権 を 放 棄 し た り 、 或 は 教 會 か ら 補 償 を 得 て 放 棄 し た け れ ど も 、 更 に 多 く の 世 俗 人 が 十 分 の 一 税 權 を 所 有 し て い た 。 そ し て し ば し ば 十 分 の 一 税 の 所 有 者 が 教 會 の 封 主 権 (Lehnsherr lichkeit ) を 承 認 す る 鮎 に お い て の み 教 會 と の関係 を 示 す に 止 ま り 、 教 會 的 十 分 の 一 税 と 世 俗 的 十 分 の 一 税 と の 区 別 .` 、 ( 二 八 ︾ は 殆 ど 自 畳 さ れ な い よ う に な つ た 。 世 俗 人 の 手 中 に あ る 十 分 の 一 税 、 所 謂 世 俗 人 十 分 の 一 税 の 解 消 を 目 的 と す る 教 會 の 努 力 は 成 功 を 牧 め 得 な か つ た の で あ る 。 五 世 俗 人 と 同 様 に 聖 職 者 も ま た 十 分 の 一 税 権 者 で あ り 得 た 。 十 分 の 一 税 権 を 聖 職 者 が 有 す る と き は 聖 職 者 十 分 の 一 税 ( 二 九 ) (decimae clericales ) で あ る 。 こ の 場 合 、 世 俗 的 十 分 の 一 税 で あ る 場 合 と 教 會 的 十 分 の 一 税 で あ る 場 合 と が あ る 。 聖 職 者 が 世 俗 的 十 分 の 一 税 を う け る 場 合 、 教 會 は 何 ら 異 議 を 有 し な か つ た こ と は 前 返 の 通 9 で あ る 。 教 會 的 十 分 の 一 税 は 教 會 の利益 の た め に 設 定 さ れ る も の で あ つ て 、 本 來 、 教 會 へ 納 め ら る べ く 、 從 つ て 現 實 に徴収 す る の は 聖 職 者 で あ つ た 。 そ れ 故 に 聖 職 者 が 教 會 的 十 分 の 一 税 催 を 有 す る こ と に 教 會 は 勿 論 異 議 は な か つ た 、 世 俗 的 十 分 の 一 税 権 は

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世 俗 法 上 の 法 律関係 で あ つ た が 既 述 の 如 く 時 と 共 に独立 の 存 在 を 失 い 、 十 分 の 一 税 は す べ て 教 會 法 の 適用 を う け る も の と な つ た 。 十 分 の 一 税 は 一 般 に 殺 會 に 納 付 さ れ る べ き も の で あ つ た 。 そ れ 故 に 十 分 の 一 税 の徴収 、 支 出 に つ い て は 當 初 は 教 會 の 牧 入 に 關 す る 教 會 法 の 原 則 が こ れ を 支 配 し た の で あ つ た 。 そ こ で 、 先 す 教 會 財 産 法 の 原 則 上 教 会 と は 何 を 指 す か を 明 ら か に し な け れ ば な ら な い 。 コ ン ス タ ン テ ィ ヌ ス 帝 に よ つ て キ リ ス ト 教 が 公 認 さ れ て 、 キ リ ス ト 教 會 が 法 人 格 を 認 め ら れ る ま で 、 法 的 に は 教 會 財 産 は 特 定 の 個 人 の 財 産 の 形 式 を と ら ざ る を 得 な か つ た 。 し か し コ ン スタ ン テ ィ ヌ ス 以 後 は 法 的 に も 教 會 財 産 が 成 立 し た 。 教 會 財 産 の 主 体 は 私 法 的 ( 世 俗 法 的 ) に も 教 會 法 的 に も 法 人 格 を 認 め ら れ る も の で な け れ ば な ら な い 。 初 め は キ リ ス ト 教 従 の 團 体 即 ち 社 團 に 法 人 格 を 附 與 し た の で 、 社 團 が 教 會 財 産 所 有 権 の 主 体 で あ つ た 。 然 る に 教 會 法 は 次 第 に 平 信 者 個 人 及 び そ の 結 合 体 で あ る 教 團 の 権 利 能 力 を 次 第 に 縮 少 せ し め る 方 向 を と つ た 。 そ こ で 營 造 物 と し て の 教 會 が 教 會 財 産 の 所 有 者 と み な さ れ る よ う に な つ た 。 そ の 場 合 、 所 有 権 の 美 体 で あ る 營 造 物 と し て の 教 會 と は 、 全 教 會 を 指 す か 叉 は 教 會 の 個 々 の 菅 造 物 を 指 す か に つ い て 、 説 が 分 れ て い る が 教 會 法 で は 司 教 區 、 司 教 座 参 事 會 修 道 會 等 に つ い て 定 め ら れ 、 慣 習 的 に も 法 的 に も こ れ ら 個 々 の 營 造 物 を 指 す も の と 考 え ら る 。 そ れ 故 に 聖 職 者 で あ つ て 十 分 の 一 税 權 者 で あ り 得 る も の の 主 な る も の は 司 教 主 任 司 祭 そ の 他 の 聖 職 者 殊 に 曾 禄 受 領 者 司 教 座 、参 事 會 員 補 任 司 祭 等 で あ つ た 。 叉 、 修 道 院 に こ の 権 が 認 め ら れ た 例 も 多 い 。 0 司 教 (Gemeinde) (Gesammtkirche) (Diozuse) (Kapitel) (Orden) (Benefiziaten) (canonicatus) (Bischof) (Pfarrer) (vicarius, Vikar) (Kloster) (Bischof)

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當 初 教 魯 の 財 産 及 び 牧 入 は 司 教 区 毎 に 一 括 さ れ て 司 教 が 管 理 し た 。 後 に 司 教 を 補 助 す る た め に 聖 職 者 の 中 か ら 選 ば れ 、た 教 區 管 理 者 (oeconomus ) の 制 度 も 生 じ た 。 営 初 は 司 敏 も 聖 職 者 も 適 當 な 方 法 で 自 活 す る か 叉 は 自 己 の 財 産 を 以 て 生 計 を 螢 ん だ の で 、 司 教 区 の 牧 入 は 全 部 貧 民 の 救 助 に 用 い ら れ た 。 た だ 自 活 し 得 な い 聖 職 者 は 布 施 の 額 に應じ て 毎 月 給 與 を う け た 。 し か し コ ン ス タ ン テ ィ ヌ ス 帝 の キ リ ス ト 教 公 認 " 來 、 教 會 牧 入 も 増 し 、 聖 職 者 の 激 も 増 加 し 教 勢 が 盛 に な つ て く る と 、 司 教 や 聖 職 者 の 中 に 教 會 の 牧 入 を 教 會 の た め よ り は 自 己 の利益 の た め に 溝 費 す る 弊 を 生 じ た 。 そ の 弊 を 防 止 す る た め ロ ! マ 教 會 内 に 先 す 教 會 牧 入 囚 分 法 の 原 則 が 生 じ た ・.、 こ れ は 教 會 牧 入 を 四 分 し て 、 司 教 、 聖 職 者 、 貧 民 及 び 教 會 堂 維 持 費 に 分 配 す る も の で あ る 。 尚 ス ペ イ ン で は 三 分 法 が 行 わ れ た 。 フ ラ ン ク 王 國 で は カ ロ リ ン ガ 朝 時 代 ま で 司 巌 の単 獨 管 理 が 續 き 三 分 法 四 分 法 は な か つ た が し か し 司 教 は 任 意 の 割 合 で 分 配 し て い た 。 第 六 世 紀 に な る と 聖 堂 恒 聖 堂 (Pfarrkirche ) の 獨立 的 地 位 が 承 認 さ れ る に 至 り 、 聖 堂 區 の 財 産 は 司 教 か ら独立 し て 聖 堂 區 の 主 任 司 祭 (Pfarrer ) の 管 理 に 移 さ れ 主 任 司 祭 か ら 司 教 叉 は 司 教 座 助 祭(Archidiaconus) に 報 告 書 を 提 出 す る こ と と な つ た 。 前 述 の 如 く 司 教 区 の 牧 入 は 原 則 と し て 司 教 が 受 領 し て 各 聖 堂 に 分 配 し 、 叉 、 聖 堂 區 の 牧 入 を 主 任 司 祭 が 受 領 す る と き は 主 任 司 祭 は證人 立 會 の 下 に 分 配 を な さ ね ば な ら な い 。 そ の 分 配 法 と し て は フ ラ ン グ 王 國 で は 先 づ 三 分 法 が 入 り 後 に ロ ー マ か ら 四 分 法 が 入 つ て 、 司 教 は 聖 堂 区 牧 入 の 四 分 の 一 を う け る 権 利 を 得 た 。 其 の 後 司 教 の と の 権 利 は 消 滅 し た が そ の 代 り に 聖 堂 区 聖 堂 に 特 定 さ れ て い な い 限 り 司 教 が 司 ⋮教 匿 内 の 十 分 の 一 税 を徴収 し 得 る こ と と な つ た 。 右 の 如 く 、 十 分 の 一 視 に つ い て も 先 す '司 教 が こ れ を徴収 し 各 聖 堂 に 分 配 し た の で あ つ た 。 其 の 後 司 ⋮教 は 聖 堂 區 の 十 分 の 一 税 の 分 配 を う け る こ と と な り 、 更 に 聖 堂 區 聖 堂 か ら 分 配 さ れ な い 代 り に 聖 堂 區 聖 堂 へ 納 付 を 特 定 さ れ た も の を 除 き そ ・の 他 の 十 分 の 一 税 を 自 ら 徴 収 す る こ と と な つ た 。 そ れ 故 に 十 分 の 一 税 権 者 た り 得 た 聖 職 者 .の 第 げ は 司 教 で あ ・

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る G 主 任 司 祭 洗 禮 は 重 要 な 秘 蹟 で あ る が 、 洗 禮 を 授 け る の は 訂 教 、 及 び 司 教 よ り 授 権 さ れ た 司 祭 と 助 祭 と で あ つ た 。 其 の 後 、 キ リ ス ト 教 が ひ ろ ま る に つ れ て 、 す べ て の 洗 禮 を 司 教 座 聖 堂 で 授 け る 當 初 の 原 則 を 改 め て 、 地 方 に 洗 禮 を 授 け 得 る 聖 堂 即 ち 授 洗 聖 堂 が 設 立 さ れ 、 特 別 に そ の 授 洗 聖 堂 へ 補 職 さ れ た 司 祭 に よ つ て 洗 禮 が 授 け ら れ た 。 と れ ら の 聖 堂 は 次 第 に 周 團 の住民 の 宗 教 生 活 の中心 と な つ た 。 こ れ ら の 授 洗 聖 堂 を 中 心 職 と す る住民 の 居 佳 區 域 が 聖 堂 と な り 、 圏 も な く 聖 堂 歴 の 首 席 の 聖 職 者 即 ち 主 任 司 祭 が 授 洗 權 を 持 つ と い う 原 則 が 成 立 し た 。 助 祭 は 司 教 叉 は 主 任 司 .祭 の 許 可 の 下 に 洗 禮 を 授 け た こ と は 前 の 通 り で あ つ た 。 こ の よ う に し て 授 洗 聖 堂 即 ち 聖 堂 区 聖 堂 を 中 心 と す る 聖 堂 區 制 が 成 立 し 、 、 主 任 司 祭 が そ の 中 心 と な つ 第 六 世 記 に な る と 聖 堂 区 聖 堂 の独立 的 地 位 が 承 認 さ れ る に 至 り 、 聖 堂 區 の 財 産 の 管 理 は 司 教 か ら 獨 立 し て 聖 堂 区 の 主 任 司 祭 の 管 理 に 移 さ れ 、 主 任 司 祭 か ら 司 教 叉 は 司 教 座 助 祭 に 報 告 を 提 出 す る こ と と な つ た 。 聖 堂 区 の 牧 入 を 受 領 し た と き は 主 任 司 祭 は證人 立 會 の 上 で こ れ を 分 配 し な け れ ば な ら な い 。 主 任 司 祭 に は 一 般 に 聖 堂 区 の 十 分 の 一 税 を徴収 し 支 出 す る 権 限 が あ つ た フ ラ ン ク 王 國 で は 、 分 配 に あ た つ て の 原 則 と し て 、 先 す 三 分 法 が 入 つ た 。 尚 、 聖 堂 匿 聖 堂 、 授 洗 聖 堂 に 納 め ら れ た 十 分 の 一 税 は 全 額 そ の 聖 堂 の 用 に 充 て ら る べ く 、 司 教 座 聖 堂 叉 は 司 教 目 身 に さ え 、 一 部 を も 途 付 し て は な ら な い も の と 定 め ら れ た し か し 後 に は ・ 1 マ か ら 四 分 法 の 原 則 が 入 つ て 、 司 教 へ 四 分 の 一 を 送 付 す る と と と な つ た の で と の 十 分 の 一 税 の 四 分 の 一 は 司 教 の 権 利 と な つ た 。 後 に こ の 司 教 の 四 分 の 一 の 権 利 も 、 貧 民 救 助 の た め の 四 分 の 一 も 又 聖 堂 の 用 に 充 つ べ き 四 分 の 一 も 分 配 さ れ な く な つ て し ま つ て 四 分 法 は 行 わ れ な く な つ た こ と は 前 述 の 通 り で あ

(Pfarrer,

parochus)

(Sacramenturn)

(Yriester)

(I) ipxon) (. aufkirche) (Parochia) (Pfarrer) (Pf aarrk irche) (Pfarrer) (Archidi€aconus) ( riufkirch-) ' ,Ott he 1ra.l) (Qur,rtaa decirnarurn)

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る . こ ○ よ う に し て 主 任 司 祭 は 、 聖 堂 亙 牧 入 の 一 部 叉 は 秦 部 を 曾 禄 (heneficium ) と し て 受 け た の で あ つ た 。 し た が つ て こ の 場 合 聖 堂 厩 聖 堂 へ 納 付 さ る べ き 聖 堂 匿 内 の 十 分 の 一 税 を徴収 し た 。 聖 堂 設 立 に 當 り 、 叉 は 設 立 後 に 聖 堂 區 聖 堂 へ 十 分 の 一 税 権 を 設 立 者 や 第 三 者 が 階 與 す る 例 は 多 か つ た 。 国 聖 職 者 (clericuc, Kleriker ) 殊 に 櫓 禄 受 領 者 (Benefiziaten ) 聖 職 者 は 教 會 牧 入 の 一 部 の 分 配 を う け る が 、 そ の関係 は 非 常 に 区 々 で あ つ た が 、 三 分 法 乃 至 四 分 法 が 出 來 て 教 會 牧 入 の 一 定 割 合 の 分 配 が 確 保 さ れ た 。 四 分 法 制 に よ れ ば 、 聖 職 者 の 分 と な る 四 分 の 一 は 更 に 各 聖 職 者 の 功 績 と 身 分 と に 從 つ て 各 聖 職 者 に 分 配 な れ た 。 そ れ で 司 教 が 受 け る 十 分 の 一 税 に つ い て も 四 分 法 が 適 用 さ れ そ の 結 果 、 司 教 の 荘 園 に あ る 聖 職 者 は こ れ に つ い て 持 分 を 有 し 、 各 自 の 配 分 額 に 相 當 す る 十 分 の 二 祝 を う け る と と と な つ た 。 第 五 世 妃 以 來 、 司 教 が 各 聖 職 者 に対し て 生 活 費 、 祭 事 勤 行 費 、 貧 民 救 助 費 を 分 配 す る 代 り に 、 こ れ ら の 費 用 に 充 て る た め 管 理 牧 釜 す べ き 土 地 を 貸 與 す る こ と が 通 常 と な つ た 。 こ れ は 本 來 、 司 教 が 任 意 に 設 定 す る関係 で あ つ た が 、 第 六 世 紀 に は宗教 會 議 に 於 い て 一 度 な さ れ た ご の よ う な 土 地 の 貸 與 を 理 由 な く 取 消 す ご と を 禁 止 し た の で 、 と の関係 は 安 定 し た 叉 非 常 に 頻 繁 に な さ れ る も の と 唾な つ た 。 と の 土 地 貸 與 の 形 式 は プ レ ヵ リ ア(Precaria) で あ つ て 、 教 會 が 世 俗 人 に 所 .有 地 を 貸 與 す る 形 式 と 同 じ で あ つ た 。 即 ち 、 借 受 人 の 懇 願 に應じ て 教 會 が 、 無 償 又 は 輕 少 な 地 代 を 以 て 恩 恵 的 に 土 地 を 貸 與 え る 代 り に 貸 借 期 間 の 定 め な く 何 時 で も 解 浩 し て 教 會 は 土 地 を 取 戻 し 得 る関係 で あ つ た が 、 聖 職 者 に 對 す る プ レ カ リ ア は 農 民 の プ レ カ リ ア と 異 な り 教 會 の 取 戻 権 の 制 限 が あ つ た こ と は 前 述 の 通 り で あ る が 、 尚 内 容 的 に 見 て 、 聖 職 者 の 場 合 は 、 漠 然 と で は あ る が 本 來 あ る 程 度 の 請 求 權 を 有 す る 教 會 財 産 の 持 分 を 受 け る も の で あ る 點 に お い て 農 民 の プ レ カ リ ア と 異 な る 。 右 に の べ た よ う に 教 會 財 産 の 管 理 共 同 制 が 破 れ る に つ れ て 、 こ れ ら の 土 地 は 貸 与 さ れ て 、単独 管 理 権 を 有 し て い た 聖 職 者 の 聖 堂 と 特 別 の 法 的 關 係 に 立 ち 、 そ `の 聖 堂 の 所 有 財 産 と な つ た ℃ フ ラ ン ク 王 國

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で 本 來 は 恩 恵 的 な 貸 與 を 指 し た ベ ネ フ ィ キ ウ ム (1:ereficium ) と い う 語 が 後 に は 教 区 と 聖 職 者 の 職 務 上 の 牧 入 全 部 を 總 構 す る も の と な り 、 更 に そ の 後 に は 職 そ の も の を 指 す に 至 つ た こ と は 、 か う い う 牧 入 源 の 主 な も の が 先 に 與 え ら れ た 土 地 で あ つ た か ら で あ る 。 か く し て べ ネ フ ィ キ ウ ム 即 ち 曾 禄 を う け た 聖 職 者 は 一 般 に 教 区 の 十 分 の 一 税 を も う け ( 三 六 ) た 。 五 司 教 座 参 事 會 員 (Kanoniker, canonieus ) 第 四 世 紀 に 司 教 に 助 言 を 與 え る た め 司 祭 よ り 成 る 司 殺 座 参 事 會 (Kspitel ) が 成 立 し た が 始 め は 當 時 の 時 代 思 潮 に 影 響 さ れ て 修 道 院 風 の 隔 離 さ れ た 共 同 生 活 を 營 ん だ 。 戦 會 の 富 が 増 大 す る に つ れ て 、 司 戦 座 参 事 會 員 (canonicatuEs ) が 特 有 財 産 を 要 求 す る よ う に な つ た の で 、 や が て 第 一 一 世 溜 以 來 、 司 藪 座 参 事 會 の 共 同 幾 活 は 原 則 と し て 終 を つ げ た 。 司 教 座 参 事 會 の 権 限 は 、 世 俗 人 が 教 會 行 政 か ら排 除 さ れ る に つ れ 、 叉 司 教 都 市 内 の 諸 聖 堂 が 司 教 座 聖 堂 か ら独立 し て 行 く に つ れ 、 重 要 性 を 増 し た 。 殊 に 司 教選挙 権 ウ独占 し 、 司 戦 畷 行 政 に 参 盟 ハし 、 其 の 上 概 ね 貴 族 出 身 で あ つ た の で 司 教 区 内 で の 宗 教 的 貴 旗 階 級 を 形 成 し た 。 司 教 座 参 事 會 員 と 司 教 と の関係 に は 主 任 司 祭 と 司 教 と の関係 と 同 様 の 事 情 が 発生 し た 。 始 め 司 教 は 自 己 の 権 限 内 に あ る 司 敦 財 産 か ら 、 司 藪 座 参 事 會 員 の 生 活 費 を 給 與 し た 。 然 る に 第 九 世 紀 に は 司 教 は 司 教 座 参 事 會 員 に 財 産 叉 は 十 分 の 一 税 附 の 教 區 を 與 え る よ う に な つ た 。 こ の 頃 か ら 司 教 座 参 事 會 の 共 同 生 活 は 分 解 を 始 め 、 共 同 生 活 再 建 運 動 が 失 敗 に 終 る と 共 に 解 休 は 決 定 的 と な つ た 。 そ と で 第 一 〇 世 紀 か ら 司 教 の 牧 入 を 司 教 と 司 教 座 参 事 會 と で 分 割 し 一 定 割 合 を 司 戦 座 参 事 會 へ 分 配 し 、 こ れ は 更 に 司 藪 座 参 事 會 員 の 生 活 費 、 司 教 座 聖 堂 の 維 持 費 、 附 屬 慈 善 施 設 運 營 費 、 及 び 分 配 の た め の 一 部 分 に 分 た わ た 。 司 教 座 参 事 會 員 一 人 に 蹄 す べ き 牧 入 の 総 和 を 寺 禄 (pr<;.ehend: ) と い う 。 そ の 一 部 は 住 居 (curia ) 、 一 部 は 金 銭 及 び 食 糧 の 給 與 か ら 成 つ た 。 即 ち 右 の 如 く 司 教 座 参 事 會 員 に は 主 任 司 祭 と 同 じ く 僧 禄 が 與 兇 ら れ た が 、 も し そ う で な い と き は 十 分 の 一 税 附 の 教 區 が 與 え ら れ た の が 常 で あ

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( 三 八 ) つ た 。 こ の こ と は 修 道 院 に つ い て も 同 様 で あ つ た 。 五 修 道 院 と 補 任 司 祭 (Vicarius, Vikar ) 聖 堂 或 は 聖 職 (Amt ) を 營 造 物 や 修 道 院 に 合 併 す る こ と は 、 し ば し ば 行 は れ て い た が 、 第 一 三 世 紀 以 來 、 附 合 ( 剛じ ・.垂 )。 冨 鉱 ・ ) と 呼 ば れ た 。 ・ 古 く か ら 私 有教會 主 が 自 己 の 所 有 す る 私 有 教 會 を 一 定 の 財 産 や 牧 入 を 附 加 し て 司 教 区 の 聖 堂 や 修 遣 院 へ 贈 與 す る こ と は し ば し ぼ 行 わ れ て い た 。 そ し て こ の こ と は 教 医 制 が 嚢 達 す る と 聖 堂 區 聖 堂 の 贈 與 に よ つ て 、 十 分 の 一 税 そ の 他 も 營 造 物 や 修 道 院 に 附 合 さ れ て 、 そ の 結 果 、 こ う い う 營 造 物 や 修 道 院 が 牧 入 を 受 領 し 、 他 方 聖 堂 匿 の 籔 匠 活 動 は 、 當 該 の 螢 造 物 又 は 修 道 院 の 推 薦 に も 之 す き 司 教 に よ つ て 任 命 さ れ 司 教 に対し て 責 に 任 す る 補 任 司 祭 (vicarius, Vikar ) に よ つ て独立 に 執 行 さ れ た 。 又 、 聖 職 (Amt ) 自 体 が 附 合 さ れ た 場 合 も 少 く な い 。 こ の 場 合 に は 補 任 司 祭 は 司 教 の 認 可 を 得 て 、 營 造 物 叉 は 修 道 院 に よ つ て 任 命 さ れ 監 沓 さ れ る 。 か 芝 る 場 合 に は 修 道 院 等 が 十 分 の 一 .税 を徴収 す る 権 を 得 る 。 そ の 管 理 塵 分 は 修 道 院 長 (Abte ) が 司 る 。 か く の 如 く 附 合 に ょ つ て 多 く の 聖 堂 區 が 聖 堂 區 の 十 分 の 一 税 と 共 に 營 造 物 や 修 道 院 の 所 有 に 歸 し た 。 そ し て 十 分 の 一 .税 〇 一 定 割 合 を 補 任 司 祭 が う く べ き こ と が 定 め ら れ た が 、 間 も な く 十 分 の 一 税 は 全 額 修 道 院 又 は 營 造 物 に 歸 屬 し ふ 補 任 司 祭 は 適 富 な 割 合 (p )rtio congrua ) を 受 く る ζ と と な つ た 。 司 教 が 受 け る 四 分 の 一 (Ouart ) の 権 は 放 棄 に よ り 叉 は 偵 習 に よ り す で に 早 く か ら 浩 滅 し て い た 。 賃 民 に 興 う べ き 四 分 り 一 も 時 に 消 滅 し て い た 。 十 分 の 一 税 を 得 た 修 道 院 は 慈 善 活 動 に つ い て の 規 定 を 持 た な か つ た の で そ の 方 面 の 活 動 の 見 る べ き も の は な か つ た し 、 十 分 の 一 税 が そ の 聖 堂 區 内 で徴収 支 出 さ る べ き 場 曾 で も 、 僧 禄 受 領 者 の 慈 吾 心 に 訴 え る だ け で 足 り る と 考 え ら れ 、 さ も な け れ ば 慈 善 施 設 に 十 分 の 一 税 の 中 か ら 貧 民 へ の 部 分 に 當 る も の が 贈 與 さ れ た か ら で あ る 。 教 會 堂 縦 持 費 に あ て る ﹁ 四 分 の 一 ﹂ も 同 様 の 經 過 で 消 滅 し . 多 く の 聖 堂 區 に 於 い て 維 ⋮持 費 に 充 て る 財 .産 は な く . 僅 か に 残 る 寄 進 (Oblati ouen ) そ の 他 の 不 安

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定 な 收 入 を ま っ 外 な か つ た 。 そ こ で 僧 禄 受 領 者 に 教 會 堂 維 持 の負担 を 課 レ だ ひ 補 任 司 祭 の 任 命 に つ い て の 司 教 の 権 限 は 必 す し も尊重 さ れ す 、 教 皇 か ら 與 え ら れ た 特 権 に よ つ て 聖 堂 修 道 院 等 の 營 造 物 自 体 が 任 命 し た り 、 或 は 主 任 司 祭 に よ つ て 任 命 さ れ た り し た 。 ト リ エ ン ト 宗 教 會 議 はこの點 を 改 め て 、 補 任 司 祭 の 任 命 は 司 教 の 裁 量 に よ る こ と と し た 。 そ こ で 漸 次 、 補 任 司 祭 は 主 任 切 祭 と 等 し き も の と な り 、 軍 に 名 稻 と 牧 入 の 差 に す ぎ な く な つ た 。 叉 、 主 任 司 祭 が 心 神 喪 失 そ の 他 の 事 由 に よ つ て 職 務 を 執 行 す る こ と が 出 來 な い 場 合 に は 司 教 に よ つ て 補 任 司 祭 が 任 命 さ れ て 、 主 任 司 祭 の 職 務 を 代 行 す る 。 補 任 司 祭 は 司 教 に 樹 し て 責 を 負 う 。 叉 主 任 司 祭 を 欠 く 教 區 に 補 任 司 祭 が 司 教 に よ つ て 任 命 さ れ る こ と も あ つ た 。 何 れ の 場 合 も 補 任 司 祭 は そ の 教 區 の 牧 入 か ら 給 與 を う け る 。 そ こ で 漸 次 、 補 任 司 祭 と 主 任 司 祭 と は 實 質 的 に 等 し い も の 乏 な り . た だ 名 構 と 牧 入 の 點 、 即 ち 補 任 司 祭 は 常 に そ の 教 匠 の 十 分 の 一 税 を う け る と い う 點 で 異 る の み と な つ た .、 以 上 十 分 の 一 税 権 者 た る べ き も の に つ い て 極 め て 貧 し い 考 察 を 試 み た の で あ る が 、 筆 者 の 能 力 の 不 足 と 時 間 史 料 文 献 の 制 約 の た め に 甚 だ 粗 雑 な る も の と な っ て し ま つ た 。 他 日 改 め る こ と を 期 し つ 、 , 大 方 の 御 教 示 を 仰 ぎ た 、い 。 ( 一 ) 拙 稿 ﹁ 十 分 の 一 粉 ﹂ の 成 立 、 法 政 研 究 ( 九 州 大 學 ) 第 一 九 巷 第 四 號 ( 二

)Rea'encyklopiidie fiir proteatantiscbe Theologie and Kirche, heraucgegeben von Hau.'k, 3. Aufl. Bd. 21, S. 635.

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上 掲 拙 稿 参 照 (七 ) フ ラ ン ク 國 王 が 教 會 領 を 浸 収 し て 國 王 の 家 士 に 分 給 し 、 後 に 恩 給 と し て 家 士 に 分 給 す る 橿 利 を 國 王 が 留 保 し て 右 の 教 會 領 を 教 會 に 返 還 し た 、 い わ ゆ る 激 會 領 の 還 俗 に 於 い て 顯 著 で あ る 。 か か る 土 地 を と い う 。 上 掲 拙 稿 、 註 ( 四 三 ) 参 照 ( 八 ) ゲ ル マ ン 人 が 自 己 の 所 有 地 内 に 禮 拝 堂 乃 至 聖 堂 を 設 立 し 、 そ れ を 司 教 区 へ 贈 輿 じ て 司 教 区 の 聖 堂 と す る こ と な く 、 依 然 と し て 自 己 の 所 有 權 を 失 う こ と な く 、 物 と し て 取 扱 う こ と が 多 か つ た 。 こ れ な は 私 有 教 會 と 名 付 け 、 私 有 教 會 の 所 有 者 を 私 有 教 會 主 と 孤稿 し た 。 尚 私 有教會 に つ い て ・ は 、 拙 稿 、 私 有 教 會 制 、 平 凡 社 世 界 歴 史 事 典 第 九 巻 一 四 圃 頁参照 。 ( 九 ) 靈 的 な 意 味 に お け る 教 會 や 、 全 カ トリ ツ ク 教 會 全 体 を 指 す 意 味 で の教會 と 區 別 す る 意 味 で 、 個 々 の 營 造 物 、 施 設 と し て の 個 々 の 教 會 を 假 に 聖 堂 と 稔 す る こ と に す る Q 二 〇 ) ゲ ル マ ン 人 に よ れ ば 武 装 能 力 が な い 婦 女 子 等 は 、 常 置 の 後 見 即 ち 婦 女 子 後 見 等 に 服 す る 。 こ れ と 同 様 に 、 武 装 能 力 の な い 教 會 或 は 聖 職 者 も 後 見 に 服 す べ き も の と 考 え ら れ た 。 ( 一 一 ) 免 除 地 特 樺 は 國 家権力 か ら の 解 放 の 面 と 國 家 権 力 の 移 譲 の 面 と が あ る ρ .免 除 地 内 で の 國 家 の 官 吏 の 職 務 執 行 や 負 擔 賦 課 に つ い て の 制 限 が 前 者 で あ る 。 こ の 點 に つ い て は 免 除 地 特 権 を 興 え ら れ た 教 會 は 、 國 王 の 個 人 的 保 護 に 依 存 し な い独立 の 高 度 の 財 政 的 安 全 が あ つ た 。 國 家権力 の 移 譲 の 面 は裁判 権 に 現 わ れ る 。 冤 除 地 の 領 主 は '免 除 地 内 の住民 に対し て 、 輕 微 な る 事 件 に つ い て の 民 事裁判 権 を 有 し 、裁判 手 数 料 を徴収 し 完 。 免 除 地 の 領 主 は 通 常 代 理 人 ( 代 官 ) Friedberg, L.ehrbuch des katholischen and evangeliscl:en Kifchenrechts , 4. Aufl. S. 486. Richter, a. a. 0. Richter, a. a. 0. (vassi) (benef iciurL) (Saekularisation) precaria verbo regis Richter, a. a. 0. S. 1316f. (Kapelle) U. Stutz (Eigenkirche) (Eigenkirchenherr) Richter, a. a. 0. S. 125. (Mundium) Vgl. Friedberg, a. a. O. S. 323 Anm. 8. (causae minores) (advgcatus,

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︿ 0 3監 仲 ) を お い て裁判 權 を 行 使 ぜ し め た 。 代 理 人 は 裁 判 手 數 料 の 三 分 の 圃 を 與 え ら れ た o こ の 代 理 人 は 地 方 行 政 を 監 察 す る フ ラ ン ク 國 王 の 巡 察 使 の 監 督 を う け る 點 で 、 半 ば 公 務 員 の 性 格 を 帯 び て い た ∪ 教 會 も 免 除 地特権 を 得 て か ら は 、 裁 判 樵 行 使 の た め の 代 理 人 を 必 要 と す る に 至 つ た の で あ る 。 二 四 ) 上 揚 註 ( 八 ) 参 照 ( 一 七 の 二 ) イ ギ リ ス に お い て は 領 主 の 私 有 教 會 權 を 保 護 櫨 と よ ん だ 。この點 で はドイツ の 教 會 保 護 權 と 用 語 法 が 異 な る 。 ( 一 八 ) 靈 的 性 格 を 併 有 す る 權 で 、 こ れ に 關 す る 訴 訟 は 教 會 事 項 と し て 教 會裁判 所 の 管 幣 と な る 。 但 し 、 教 會 保 護 權 は 教 會 事 項 と 認 め ら れ る場合 (ドイツ ) と 認 め ら れ ぬ 場 合 ( イ ギ リ ス ) と あ つ た 。 拙 稿 中 世 教 會裁判 所 め 民 事裁判 権 に つ い て 、 法 政 研 究 一 七 巻 合 併 號 一 九 三 、 一 九 五 頁 参 照 二 九 ) ア レ キ サ ン デ ル 三 世 よ り 英 國 壬 へ ( 前 略 ) し か し 教 會 保 護 権 の 事 件 は 靈 的 事 件 と 結 合 し て い る か ら 、 教 會 裁 判 に よ る に あ ら ざ れ ば 決 定 さ れ る こ と 能 わ す 、 而 し て 教 會裁判 官 に よ つ て の み 終 結 さ れ 得 る 。 グ レ ゴ リ ウ ス 九 世 教 令 集 二 巻 一 章 ミ 條 Vogt) (missi dominici) Vgl. BrunnerHeymann, Grundziige der deutschen Rechtsgeschichte, 7. Aufl. S. 74ff. Pippini Capitulare c. 7P0 c. 3. De advocatis sacen3otum volumus ut pro ecclesiastico honore et pro illorum reverentia advocatos habeant. (Monumenta Germaniae historica, Capp. I. S. 201) Vql. Friedberg, a. a. 0. S. 323, Amm. 8 Richter, a. a. 0. S. 673. Richter, a. a. 0. S. 665ff. Friedberg, a. a. 0. S. 324f. Causa vero iuris patronatus ita eoniuncta est et connexa spiritualibus cauMMs, quod non nisi ecclesiastic()

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又 、 同 人 (皿 ア レ キ サ ン デ ル 三 世 ) よ リ エ ボ ラ ク ム 現 在 .英 國 ヨ ー ク の 大 司 教 へ 世 俗 人 が 司 教 に 知 ら せ す 又 は そ の 同 意 を 得 な い で 、 教 會 保 護 權 を 有 す る 聖 堂 を 聖 職 者 に 引 渡 し ・ 然 る 後 、 悔 恨 に 導 か れ ア そ の 聖 堂 の た め に 他 .の 者 .を 司 教 に 推 薦 し 、 そ の 者 が 彼 ら の 推 薦 に よ り 、 そ の 聖 堂 に お い て 司 教 に よ つ て 任 職 (敍 品 ) さ れ た場合 に は 、 司 教 の 権 威 に よ つ て 任 職 さ れ た も の の 任 職 が 強 く 且 確 固 た る .も の と 見 な さ る べ し 、 前 の 任 命 は 無 效 で あ る か ら 前 者 は す べ て の も の を 明 け 渡 す べ し 、 そ れ 故 に 世 俗 人 は 何 人 も 自 己 の 聖 堂 に 、 恣 意 に 聖 職 者 を 敍 任 す べ か ら す 。 . 同 上 三 巻 三 八 章 一 〇 條 私 有 教 会 主 乃 至 保 護 者 が 聖 職 者 に 与 え ら れ た 十 分 の 一 税 を と り も ど し た 例 多 し に 多 く の 規 定 が あ る 。 古 く は 司 教 が 教 .曾 財 産 を 譲 渡 す る の を み と め ら わ た だ 聖 職 者 の 同 意 を 要 す る も の と さ わ た 。 聖 職 者 の 黙 認 及 び 裏書 欠 く 司 教 の 教 會 財 産 の 増 畏 は売り賣買 又 は 交 換 は無効 た る べ し iudicio valeat Clef iniri, et apud ecclesiasticum indicem solummodo terminari. c. 3 X. (g . 1) (Eboracum York) Idem Eboracensi Archiepiscopo. Quum laici episcopis nescentibus et non consentientibns ecclesias clericis con cedu nt, in quibus habent ius patronatus, et postea poenitentia ducti alios ad easdem ecclesias episcopis repraesentant , et illi ad eorum praesentationem in eisdem ecclesiis ab episcopis instituuntur , eorum debet institutio Stare et firmiter observari, qui auctoritate sunt episcopi instituti , coucessione priori, quae nulla est, omnino evacuata. Non enirn licet laicis clericos in ecclesiis praesumptione propria ordinare . c. 10 X. (I. 38) Richter, a. a. 0. S. 668ff. u. S. 668 Anm. 4. Friedberg , a. a. 0. S. 324f. Richter, a. a. 0. S. 1293ff., 1316. > Richter, a. a . 0. S. 1317. Richter, a. a. 0. S. 1371f. Gratianus Decretum Secunda pars, Questio )C Stat. eccl. antiq. c. 32 (Bruns 1. 145 bei Friedberg, a. a. 0. S. 522 Anm. 6) Irritaerit donatin episcoporum vel venditio vel commutatio rei ecclesiasticae absque conniventia et

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教 會 財 産 の 譲 渡 を 禁 止 七 た の は ロ ー マ 法 で あ つ た Q 例 え ば ロー マ 宗 教 會 日議 決 議 第 七 條 ( 一 〇 七 八 年 ) は ラ ン宗教會 議決議 第 一 四 條 は 同 じ く に 、 一 一 二 三 年 の 第 一 ラ テ に 見 え る 。 第 三 ラ テ ラ ン 宗 教 會 議 の 議 決 第 一 四 條 は 同 じ く に み え る 。 上 述 、 註 ( 六 ) 参 照 subscriptione clericorum. 1. 14 pr. Cod. (1, 2) Vgl. Friedberg. a. a. 0. S. 523 u. Anm. 7. Gratiani Decret u m c. 1. C. X VI. qu • 7 (11 30) c. 14 C. X. qu. 1 c. 19 X c. 1 C. X 14. qu. 7 : Decimas, quas in usum pietatis concessas esse canonica auctoritas demonstrat, possideri a laicis apostolica auctoritate prohibemus. Sive enim ab episcopis, vel regibus, vel quibuslibet personis eas acceperint, nisi ecclesiae reddiderint, sciant, se sacrilegii crimen conmittere, et eternae damnationis periculum incurrere ... c. 19 X. (i. 30) : Ex concilio Lateranensi. Prohibemus .insuper, ne laid, decimas cum animarum suarum periculo detinentes, in alios laicos possint aliquo modo transferre. Si quis vero receperit, et ecclesiae non reddiderit, Christiana sepultura privetnr. Richter, a. a. 0. S. 1317 Anm. 7. R:chter, a.. a. 0.. S. 1317f. Realencyci. a. a. 0. S. 635. Friedberg, a. a. 0. S. 488ff. Richter, a . a. 0. S. 1264ff. Friedberg,.. a. a. 0. S. 500f f. . Richter, a. a. 0. S. 1310f f. Richter, a.• a: 0. S. 963. Richter, a, a. 0 S. 13 7f,

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況 論 Richter, a. a O. S. 1318.u. Amu. 11. Richter, a. a, 0. S. 1315. Richter, a. a. 0. S. 1310ff. Richter, a. a. 0. S. 440ff. Friedberg, a. a. 0. S. 165, Richter. a. a, 0. S. 126. 1319. Richter, a. a• 0. S. 464. Richter, a. a. 0. S. 1318f. Richter, a. a. 0, S. 464f. Richter, a a. 0. 468f.

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