伊 監 第 3 2 5 号 平 成 2 8 年 2 月 1 2 日 様 伊丹市監査委員 中 井 公 明 伊丹市監査委員 山 本 恭 子 随 時 監 査 結 果 報 告 (工事監査) ○都市交通部 武庫川新橋外橋梁補修工事 ○都市活力部 (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(建築工事) (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(電気設備工事) (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(機械設備工事) (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(太陽光発電設備工事) 地方自治法第199条第1項及び第5項の規定により、平成27年度に実施した随時監査 (工事監査)の結果は次のとおりでした。 同条第9項の規定に基づき提出します。
監
査
結
果
報
告
(工 事 監 査)
第1 監査の種別 随時監査(地方自治法第199条第1項及び第5項による監査・工事監査) 第2 監査の対象 1 都市交通部 武庫川新橋外橋梁補修工事 2 都市活力部 (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(建築工事) (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(電気設備工事) (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(機械設備工事) (仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事(太陽光発電設備工事) 第3 監査の期間 平成27年10月14日(水)∼平成28年2月12日(金) 第4 監査の実施要領 今回は、監査対象として上記工事を抽出して監査を実施しました。本監査は、対象 工事の担当部局から設計図書、工事関係書類の提出を求め、工事担当責任者立会いの もと下記の日程により書類審査及び現場調査を行い、その施工状況の実態を把握しな がら実施したものです。 <武庫川新橋外橋梁補修工事> 平成27年12月7日(月) 書類審査、現場調査 <(仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事> 平成27年11月30日(月) 書類審査 平成27年12月1日(火) 現場調査 なお、本監査の実施に当たっては、公益社団法人大阪技術振興協会へ技術士の派遣 を依頼し、技術上の意見を参考として取り入れました。第5 監査の結果 監査の結果、工事関係書類の整備及び現場の施工状況については、ほぼ適正でした が、一部において留意、改善すべき点が見受けられました。その都度、関係者より事 情聴取を行い、修正すべきものは直ちに修正し、今後改善を要するものについては十 分検討し、適切な措置をとるよう指示しました。 以下、今後改善を要する事項を指摘事項として、今後留意し改善を望む事項を留意 事項として示します。指摘する以外のものについての事務処理は、おおむね良好と認 めました。 なお、指摘事項及び留意事項は監査時のものであり、現行と相違する場合もありま すので、念のため申し添えます。
武庫川新橋外橋梁補修工事
Ⅰ 工事概要 工事場所 伊丹市西野5丁目外 地内 工事内容 施工箇所 補修 n = 2橋 撤去 n = 1箇所(2橋) 橋梁補修工 ひび割れ補修 (充填工法) n = 1橋 ひび割れ補修 (低圧注入工法) n = 2橋 断面修復 (左官工法) n = 1橋 表面被覆工 表面含浸工 A = 1559 ㎡ PC突出防止工 1式 舗装工 路面切削 A = 986 ㎡ 橋面防水 塗膜防水 A = 892 ㎡ 橋面防水 複合防水 A = 166 ㎡ 表層 A = 986 ㎡ 工 期 平成 27 年 10 月7日 ∼ 平成 28 年3月 15 日 Ⅱ 契 約 請負金額(消費税及び地方消費税を含む) 44,787,600 円 請負業者 株式会社 金山組 契約方法 制限付一般競争入札 入札参加業者数 12 者応募 9者応札 契約年月日 平成 27 年 10 月 7 日 Ⅲ 調査日 平成 27 年 12 月 7 日(月) Ⅳ 進捗率 0%(平成 27 年 11 月 30 日現在) Ⅴ 指摘事項 工事関係書類の整理及び現場の施工状況については、当該工事全般に関して特に問題 となる点は見当たらず、指摘事項はありません。Ⅵ 留意事項 1 施工計画書について 共通仕様書においては、要領をまとめ非常に分かり易い内容となっており、特記仕 様書においても、工事の一般事項以外にも、当該工事特有の技術的注意事項が記述さ れる等、有益なものとなっていました。また、工事管理においては、独自にチェック リストを作成し業務実施の確認等が適切に実行できるよう積極的な取組みが見受けら れました。施工計画書においては、内容を精査し、請負業者への精緻な指導が行われ ていました。これらの取組みは一定評価できるものです。 しかし、施工計画書において断面修復工事等の出来形基準、品質管理基準が記述さ れていませんでした。 伊丹市土木工事共通仕様書(平成 26 年 10 月)に基づくと、受注者は、出来形管理、 品質管理、写真管理、工程管理について「土木工事施工管理基準 平成 26 年 10 月版(兵 庫県県土整備部監修)」(以下「県施工管理基準」という。)等に基づき、適切な施工管 理を行わなければならない旨が規定されています。よって、受注者は施工計画書及び 施工管理業務について、県施工管理基準に基づき作成・実施する必要があります。 そして、この県施工管理基準は、土木工事共通仕様書第1編1-1-23「施工管理」 に規定する土木工事の施工管理及び規格値の基準を定めたもので、その『2適用』で は、「基準、規格値が定められていない工種については、監督員と協議の上、施工管理 を行うものとする。」とされています。断面修復工事等の補修工事は、県施工管理基準 に記述されていない工種であるため、各種の基準、規格値については監督員と協議の 上、施工管理を行う必要があります。 断面修復工事等の出来形基準、品質管理基準については、既に監督員である伊丹市 と請負業者で協議し設定しているとのことでしたので、監督員は、施工計画書記載の 出来形管理基準、品質管理基準、写真管理基準を確認の上、適切な指導を行うことを 望みます。
(仮称)伊丹市立児童発達支援センター整備工事
Ⅰ 工事概要 工事場所 伊丹市千僧1丁目 47 番2号 工事内容 <建築工事> (本体工事) 建築本体工事 外構植栽工事 昇降機工事 厨房機器工事 (解体・撤去工事) 建築工事 電気設備工事 機械設備工事 <電気設備工事> 電灯設備工事 拡声設備工事 動力設備工事 誘導支援設備工事 受変電設備工事 テレビ共同受信設備工事 発電設備工事 監視カメラ設備工事 構内情報通信網設備工事 防犯・入退室管理設備工事 構内交換設備工事 火災報知設備工事 映像・音響設備工事 <機械設備工事> 空気調和設備工事 排水設備工事 換気設備工事 給湯設備工事 衛生器具設備工事 消火設備工事 給水設備工事 ガス設備工事 <太陽光発電設備工事> 太陽光発電設備工事 電力貯蔵設備工事 情報表示工事 工 期 <建築工事、機械設備工事> 平成 26 年 12 月 11 日 ∼ 平成 28 年2月 29 日 <電気設備工事> 平成 26 年 10 月 29 日 ∼ 平成 28 年2月 29 日 <太陽光発電設備工事> 平成 27 年5月 27 日 ∼ 平成 28 年2月 29 日Ⅱ 契 約 <建築工事> 請負金額(消費税及び地方消費税を含む) 699,624,000 円 請負業者 株式会社 林建設 契約方法 制限付一般競争入札 入札参加業者数 14 者応募 8者応札 契約年月日 平成 26 年 12 月 11 日 <電気設備工事> 請負金額(消費税及び地方消費税を含む) 117,612,000 円 請負業者 株式会社 ハンデン 契約方法 制限付一般競争入札 入札参加業者数 9者応募 9者応札 契約年月日 平成 26 年 10 月 29 日 <機械設備工事> 請負金額(消費税及び地方消費税を含む) 144,190,800 円 請負業者 五建工業株式会社 契約方法 制限付一般競争入札 入札参加業者数 9者応募 8者応札 契約年月日 平成 26 年 12 月 11 日 <太陽光発電設備工事> 請負金額(消費税及び地方消費税を含む) 17,127,000 円 請負業者 株式会社 ハンデン 契約方法 制限付一般競争入札 入札参加業者数 7者応募 7者応札 契約年月日 平成 27 年5月 27 日 Ⅲ 調査日 平成 27 年 11 月 30 日(月)、12 月1日(火) Ⅳ 進捗率 <建築工事> 73.9%(平成 27 年 11 月 30 日現在) <電気設備工事> 50.0%(平成 27 年 11 月 30 日現在) <機械設備工事> 65.0%(平成 27 年 11 月 30 日現在) <太陽光発電設備工事> 10.0%(平成 27 年 11 月 30 日現在)
Ⅴ 指摘事項 1 主任技術者について <建築工事> 建設業法第 26 条により、建設業者が請け負った建設工事を施工するときは、所定の 資格(指定学科を修めた高卒5年以上の実務経験又は大卒3年以上の実務経験、10 年 以上の実務経験、国交大臣が上記と同等以上と認定した者等)を有する者を主任技術 者として配置しなければなりません。 下請業者において主任技術者は適切に配置されていますが、当該主任技術者が適切 な資格を有しているかどうかについて、工事請負者による確認が一部において不十分 でした。 工事請負者及び工事監理業務受託者に対し、下請業者が配置する主任技術者につい て所定の資格を有しているかどうかの確認を十分に行うよう指導してください。 2 下請負契約における法定福利費の計上について <建築工事> 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下、「入札適正化法」とい う。)第 17 条に基づく「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する 指針」(平成 13 年3月9日閣議決定、平成 26 年9月 30 日最終変更)においては、「公 平で健全な競争環境を構築する観点からは、社会保険等に加入し、法定福利費を適切 に負担する建設業者を確実に契約の相手方とすることが重要である」と定められてい ます。これを受けて、国土交通省が制定した「社会保険の加入に関する下請指導ガイ ドライン」(平成 24 年7月4日制定、平成 27 年3月 25 日改訂)においては、「元請負 人は、標準見積書の活用等による法定福利費相当額を内訳明示した見積書を提出する よう下請負人に働きかけるとともに、提出された見積書を尊重して下請負契約を締結 しなければならない」と定められています。 しかし、工事請負者と下請業者との契約において、法定福利費が適切に計上されて いることが確認できる見積書等が使用されていませんでした。 工事請負者及び工事監理業務受託者に対し、下請負契約において法定福利費が適切 に計上されていることの確認を確実に行うよう指導してください。 3 石綿取扱作業者に対する特別教育について <建築工事> 石綿が使用されている建築物の解体工事における石綿取扱作業者には、労働安全衛 生法第 59 条により、労働安全衛生規則第 36 条及び石綿障害予防規則第 27 条に基づく 特別教育を実施することが義務づけられています。 この点については、新規入場者教育の際に実施した旨の説明がありましたが、その 内容が十分であるとはいえません。 工事請負者及び工事監理業務受託者に対し、石綿取扱作業者に対する特別教育が十 分に実施されるよう指導してください。
Ⅵ 留意事項 1 工種別施工計画書における品質計画について <建築工事> 工種別施工計画書に記載する品質計画は、施工の目標とする品質、品質管理の体制 等が具体的に記載され、受注者による品質管理活動の規範となるもので、施工の品質 を確保する上できわめて重要な記載事項です。 そして、建築物の品質・性能等の確保、設計図書作成の省力化及び施工の合理化を 目的として制定され、各省庁の統一基準として決定されている「公共建築工事標準仕 様書(建築工事編)平成 25 年版」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)(以下「標準 仕様書」という。)において、品質計画は監督職員の承諾事項とされています。 このような役割を有する品質計画には、具体的な管理項目、管理値、測定方法、測 定頻度、管理値を外れた場合の措置等が記載された施工品質管理表と品質記録の書式、 一工程の施工の完了のタイミングの設定を含む運用方法、品質管理体制等を記載し、 標準仕様書の考え方に準拠した品質管理活動を展開することができるようにすること が重要です。 工事請負者及び工事監理業務受託者に対し、品質計画の記載がより適切な内容とな るよう指導することを望みます。 2 一工程の施工の完了ごとに行う自主検査について <建築工事> 施工の管理は、一工程の施工の確認の積み重ねであり、この確認及び報告をスムー ズに行うことが品質管理の最大のポイントです。 標準仕様書においては、一工程の施工を完了したときは、その施工が設計図書に適 合することを確認し、適時、監督職員に報告するものとされています。この点につい ては、標準仕様書の技術的参考書である「建築工事監理指針 平成 25 年版」(国土交 通省大臣官房官庁営繕部監修)(以下「監理指針」という。)において、「一工程が完了 した場合は、速やかに、受注者等の自主検査として設計図書に指定されたとおりであ ることを計測等により確認させ、監督職員に文書により報告させる」とされています。 この報告をスムーズに行えるようにするためには、前述のとおり、施工計画書にお ける品質計画を充実させることが有効ですが、あわせて、自主検査結果の確認を適切 に実施するよう、工事請負者及び工事監理業務受託者に対して指導することを望みま す。なお、その際には、品質計画において適切な管理値を設定したうえで、重要な項 目についてはヒストグラムを活用することが有用と考えます。 3 産業廃棄物の処理について <建築工事> 建設副産物である産業廃棄物の収集運搬・処理(中間処理、最終処分)については、 標準仕様書及び監理指針において、受注者が廃棄物の処理及び清掃に関する法律その
他関係法令等に従い適切に処理するよう定められ、収集運搬業者、中間処理業者、処 分業者に委託する場合には、書面により処理委託契約を締結し、処理業者等の許可証 等の添付や中間処理後の最終処分の場所等の記載が求められています。 これらの処理委託契約は工事請負者においてもれなく行われ、契約書や処分業許可 証の写し等を適切に整理保管していることが認められましたが、一部の中間処理の委 託契約書において、再生処理委託工場や最終処分場を特定して記載していないもの、 又はこれらの記載がないものが見受けられました。 工事請負者及び工事監理業務受託者に対し、これらの委託契約書を適切に整備する よう指導することを望みます。 4 使用材料の品質確認について <建築工事> 本件のような小規模な鉄骨工事では、規格品証明書(ミルシート)の原本ではなく、 流通商社がその原本のコピーを利用して発行する原品証明書が使用されるのが一般的 です。 監理指針によれば、規格品証明書(ミルシート)は原本とするとしたうえで、「使用 量が少ないなどやむを得ない場合は、その写しでもよいが、写しが当該鋼材と整合し ていることを保証した会社の社名・社印、保証責任者の氏名・押印及び日付の明示さ れているもの」でなければならず、流通が多岐にわたる場合には「写しの都度これが 必要とされる」としています。 鉄骨工事における使用材料の品質確認は、JIS規格品証明書の写しを使用した原 品証明書をもって行われていましたが、その原品証明書の一部に、納入先の記載がな いものや流通商社の社印が押印されていないものがありました。 工事請負者及び工事監理業務受託者に対し、適切な書類によって使用材料の品質確 認が行われるよう指導することを望みます。なお、その際には、標準仕様書が推奨す る一般社団法人日本鋼構造協会が制定した「建築構造用鋼材の品質証明ガイドライン」 に準拠したシステム(規格品証明書の原本をもとに作成した原品証明書及び鉄骨製作 業者が発行する鉄骨工事使用鋼材等証明書により確認すること)を採用することが有 用と考えます。