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6 N = 6件 8 尿沈渣検査法 分類基準 RBC 少数混在 中等度混在 大部分 88 4 Figure 尿沈渣鏡検法との比較 赤血球 段階分類基準 目視鏡検の赤血球形態の判定は 尿沈渣検査法 に則って標本を作成し 無染色と Sternheimer 染色の 両方をその基準に沿

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(1)

技術論文

UF-1000i による尿中赤血球形態情報の検証

―尿沈渣検査法・臨床診断との比較―

愛甲佐津紀

1)

西  律子

1)

川口 路実

1)

小橋眞規子

1)

山田 祐也

2) 1) 一般財団法人住友病院臨床検査技術科(〒 530-0005 大阪府大阪市北区中之島 5-3-20)  2) 一般財団法人住友病院内分泌代謝内科兼臨床検査部 要 旨 慢性腎臓病(CKD)や泌尿器系疾患の診療には,ファーストスクリーニングとして尿沈渣検査は不可欠であり,特に血 尿を伴う疾患では,その出血部位が糸球体由来かそれ以外かを推定するために,尿中赤血球形態を詳細に鑑別報告するこ とが求められるようになった。今回,フローサイトメトリー法を用いた全自動尿中有形成分分析装置 UF-1000i(シスメッ クス社)による赤血球形態情報 RBCinformation(以下,RBCinfo)のあった 631 件を対象に,RBCinfo の尿沈渣検査法(以 下,目視鏡検)との整合性と,出血部位推定の精度を確認することを目的に,臨床診断とその背景を調査した。RBCinfo と目視鏡検の糸球体型赤血球(G-RBC)との一致率は,Dysmorphic?(Dys)が 49.1%,Mixed?(Mix)39.3%,Isomorphic? (Iso)1.2%だった。また糸球体性疾患の臨床診断が付いた群は,Dys:29.3%,Mix:9.9%,Iso:3.9%に含まれ,Dys 判定 群で G-RBC の検出率および糸球体性疾患含有率はいずれも有意に高かった。RBCinfo は,目視鏡検にて赤血球を糸球体 由来と判定するには有力な付加情報として有用である。 キーワード 血尿,フローサイトメトリー,粒度分布,変形赤血球,糸球体出血 I はじめに 古くから腎炎に特徴的であると報告されてきた変 形赤血球について1),2),その判定基準や報告様式の標 準化が進められてきた3)。CKD 診療ガイドラインの 改訂に伴い4),日本臨床検査標準協議会(JCCLS)か らの尿沈渣検査法 2010 を基準とした血尿診断ガイ ドライン 2013 が提言され5),それにより腎泌尿器診 療における腎・尿路出血性疾患では,出血部位を推 定するために尿中赤血球形態の詳細な報告が求めら れるようになった6)~9) 今回,我々は半導体レーザーによるフローサイト メトリー法を測定原理とした全自動尿中有形成分分 析装置 UF-1000i(以下,自動分析)によって得られ た赤血球粒度分布からの情報である RBCinfo の血尿 診断ツールとしての有効性と問題点を検証した。 II 対 象 2014年 4 月 21 日から 5 月 31 日までの約 1 カ月間 に自動分析した検尿検体 4,980 件のうち RBCinfo の あった 631 件。 III 方 法 1.自動分析と目視鏡検との比較 自動分析の RBCinfo は,粒子の大きさと形状の多 彩性の二方面からスキャッタグラムで分布傾向を鑑 別し,Isomorphic?(Iso:非糸球体由来と推定), Dysmorphic?(Dys:糸球体由来と推定),Mixed? (Mix:どちらとも推定されないもの)に分類する。 (平成 27 年 7 月 15 日受付・平成 28 年 4 月 26 日受理)

(2)

目視鏡検の赤血球形態の判定は,尿沈渣検査法 2010 に則って標本を作成し,無染色と Sternheimer 染色の 両方をその基準に沿って鏡検した。また G-RBC は, 出現頻度によって「大部分」「中等度」「少数混在」 と,三段階分類基準表に準拠し分類した3) 2.臨床診断との整合性 腎生検による確定診断,もしくは臨床診断から治 療開始されたものを糸球体性疾患(WHO 分類 (2003))とし,この中で出血を伴わないとされてい る糖尿病腎症と肥満関連腎炎は暫定的に非糸球体性 疾患に分類して RBCinfo の判定傾向や分布の差を比 較した。 IV 結 1.目視鏡検との比較

RBCinfoの内訳は Iso 163/631 件(25.8%),Mix 295 件(46.8%),Dys 173 件(27.4%)で,G-RBC の三 段階分類による分布は Figure 1 に,糸球体型か非糸 球体型かの二群に分けて比較したものを Figure 2 に 示した。RBCinfo 別の G-RBC 判定率は Dys:49.1%, Mix:39.3%,Iso:1.2%で,G-RBC は Iso より Mix, Mixより Dys に判定される検体が有意に多かった(χ2 検定 p < 0.01)。 2.臨床診断との比較 糸球体性疾患群は Dys:29.3%,Mix:9.9%,Iso: 3.9%に含まれ,RBCinfo 別では Dys 判定群で有意に 多かった(Figure 3)(χ2:p < 0.01)。また,糸球体 性疾患群における目視鏡検での G-RBC 判定率は, Dys:79.5%,Mix:55.6%,Iso:16.7%に含まれ,こ れについても同様に有意差が認められた(Figure 4) (χ2:p < 0.01)。 3.乖離例 RBCinfo が Iso で 糸 球 体 性 疾 患 だ っ た 6 件 を Table 1に示した。検体はいずれも低比重尿で,CKD 分類の G4 や G5 といった腎尿細管の濃縮能低下が みられる腎不全症例などが半数を占めていた。これ は G-RBC の変形発現には必須の浸透圧変化が加わ らなかったことに起因し,目視鏡検でも 1 例を除い て非糸球体型赤血球と判定していた。 4.一致例 RBCinfoが Dys で糸球体性疾患と判定が一致した 44件を Table 2 に示した。IgA 腎症が 25 件(56.8%) と最も多く,いずれも出現赤血球数は多かった。 0 20 40 60 80 100

Iso Mix Dys

非糸球体型RBC 糸球体型RBC(+) (%) 88 179 116 85 161 2 N = 631件 糸球体型 RBC率 (1.2%) (39.3%) (49.1%) (件) 尿沈渣鏡検法との比較 Figure 2  0 20 40 60 80 100

Iso Mix Dys

非糸球体型RBC 糸球体型RBC・少数混在 中等度混在 大部分 (%) 161 88 90 179 24 32 52 2 2 1 N = 631件 尿沈渣検査法2010 分類基準 (件) 尿沈渣鏡検法との比較 糸球体型赤血球 3 段階分類基準 Figure 1 

(3)

V 考 血尿の診断において,どこから出血しているのか, 部位を鑑別することは病因診断,治療,予後などに 大きくかかわる検査上の重要な問題である。腎臓か らの出血であれば確定診断のためには腎生検が必要 になり,下部尿路からの出血であれば泌尿器科的な 画像診断が中心となる。この鑑別の最初の手がかり として目視鏡検が大きな意義を持つが,すべての例 について目視鏡検を行うことは実地臨床上困難であ り,何らかの方法でスクリーニングする必要がある。 本研究ではその方法の一つとして自動分析による RBCinfoを利用することが可能かどうかを検討した 結果,いくつかの点に注意すれば十分に活用できる 0 20 40 60 80 100

Iso Mix Dys 非糸球体型RBC 糸球体型RBC (%) 5 9 15 12 35 1 N = 77件 (件) 糸球体型 RBC率 (16.7%) (55.6%) (79.5%) 糸球体疾患群の尿沈渣鏡検結果 Figure 4  ことがわかった。 目視鏡検の場合,尿中赤血球形態の判別は尿沈渣 検査法 2010 を用いて実施されることが多いが,遠心 操作による細胞成分の破壊・上清への赤血球の残存・ 低比重尿での見かけ上の低値・検者の個人差など誤 差要因を多くはらんでいる10),11)。それに対し,無遠 心尿の自動分析は定量性に優れ,熟練度による個人 差に左右されない客観的情報であると言える12)。 赤血球形態の判定には客観的評価法としてフロー サイトメトリー法が推奨されている。しかし,目視 赤血球形態情報が Iso だった糸球体性疾患(判定不 一致例) 臨床診断 件数 目視結果 尿比重 eGFRcrea ANCA関連腎炎 1 糸球体型 少数混在 1.012 11.0 菲薄基底膜病 1 1.009 88.2 巣状糸球体硬化症 1 1.012 38.5 腎移植後ループス腎炎 1 非糸球体型 1.006 35.0 IgM腎症 1 1.010 9.9 腎硬化症 1 1.012 2.2 Table 1  赤血球形態情報が Dys だった糸球 体性疾患(判定一致例) 臨床診断 件数 IgA腎症 25 菲薄基底膜病 5 紫斑病性腎症 4 ループス腎炎 3 ANCA関連腎炎 3 膜性腎症 3 膜性増殖性糸球体腎炎 1 Table 2  7 3 0 20 40 60 80 100

Iso Mix Dys

非糸球体性疾患 +糖尿病性腎症 糸球体性疾患 糸球体性疾患疑い (%) 149 6 246 27 106 44 (件) N = 588件 (健診検体を除く) 糸球体性 疾患率 (3.9%) (9.9%) (29.3%) 臨床診断との比較 Figure 3 

(4)

鏡検との比較では,Iso 判定は目視とほぼ一致したも のの,Dys 判定や Mix 判定では出血性糸球体性疾患 と必ず一致するものばかりではなく,本研究におい ては目視鏡検で非糸球体型と判定されるものが半数 以上あった。これらを総合的に考察を加えると,赤 血球が糸球体型か否かの鑑別には,技師による鏡検 判定が最終的に必要と思われた。臨床診断との一致 率から見ると糸球体性疾患で Dys 判定が有意に多 かったことから,目視鏡検の対象を絞り込むことに 関しては合理的かつ省力化の情報ツールとして有用 と考えられた。 VI 結 UF-1000iによる赤血球形態情報は尿沈渣検査法に て G-RBC を鑑別する際の有力な情報となった。ま た,臨床診断からみた赤血球形態情報にも有意差が あり,糸球体性疾患は Iso より Mix,Mix より Dys に多く含まれるが,低比重尿や eGFR の低下した腎 不全症例では注意を要する。   本論文の要旨は,平成 26 年度(第 54 回)日臨技 近畿支部医学検査学会にて発表した。 ■文献

 1) Birch DF, Fairley KF: “ Heamaturia: Glomeruler or non-glomeruler?” Lancet, 1979; 2: 845–846.

 2) Fassett RG et al.: “Detection of glomeruler bleeding by phase-contrast microscopy,” Lancet, 1982; 1: 1432–1434.

 3) 社団法人日本臨床検査技師会:「尿沈渣検査法 GP1-P4.尿沈 渣検査法 2010」,7–10,日本臨床検査標準協議会尿沈渣法編 集委員会,東広社,東京,2011.  4) 日本腎臓学会:「エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン 2013」,8–11,作成委員会,東京医学社,東京,2013.  5) 日本腎臓学会:「血尿診断ガイドライン 2013」,7–12,血尿診 断ガイドライン編集委員会,ライフサイエンス社,東京, 2013.  6) 谷亀 光則,他:「各種腎疾患における尿沈渣中赤血球形態の 観察(第 2 報)―赤血球形態と腎組織障害度の一致率につい て―」,腎と透析,1985; 19: 473–476.  7) 藤永 周一郎,他:「尿沈渣鏡検法による血尿評価の問題点  全自動尿中有形成分分析器・UF100 との比較を加えて」,日 本小児腎臓病誌,2000; 13: 39–42.  8) 西村 一男,他:「泌尿器科外来診療における光学顕微鏡下尿 中赤血球形態観察の有用性」,泌尿紀要,1995; 41: 9–13.  9) 北本 康則:「注目される新しい検査 2.糸球体障害マー カー 1)尿中変形赤血球(G1)」,Medical Technology, 2009; 37: 559–563. 10) 中野 幸弘:「尿沈渣上清に残存する赤血球成分」,生物試料分 析,2010; 33: 255–259. 11) 三浦 秀人:「尿中赤血球形態とその出現機序」,医学検査, 1998; 47: 188–192. 12) 小林 秀行,他:「全自動尿中有形成分分析装置 UF1000i の概 要」,生物試料分析,2007; 30: 297–303. 本論文に関連し,開示すべき COI 状態にある企業等はありません。

(5)

Technical Article

Validation of accuracy of red blood cell information from UF-1000i, an

automated urine testing instrument: Usefulness of such information in

microscopy examination and clinical diagnosis

Satsuki AIKOU1) Ritsuko NISHI1) Romi KAWAGUCHI1) Makiko KOHASHI1)

Yuya YAMADA2)

1)Department of Cilinical Laboratory, Sumitomo Hospital(5-3-20, Nakanoshima, Kika-ku, Osaka-shi, Osaka 530-0005, Japan)

2)Department of Endocrinology and Metabolism and Department of Clinical Laboratory, Sumitomo Hospital

Summary

It is very important for the screening for urinary tract diseases to examine urine samples microscopically. Particularly in patients with hematuria, close observation of the size and shape of erythrocytes is important in distinguishing the glomerular origin from other origins, such as those of the lower urinary tract. In this study, we investigated the accuracy of information on RBCs, including those of the “dysmorphic type”, “isomorphic type”, and “mixed type”, from the UF-1000i (Sysmex), which is an automated apparatus for the testing of urine, and the usefulness of RBC information in the final clinical diagnosis in 631 urine samples. Glomerular-type RBCs examined by clinical laboratory technologists by microscopy examination were found in 49.1% of the dysmorphic type, 39.3% of the mixed type, and 1.2% of the isomorphic type. Clinically diagnosed glomerular diseases were found in 30.7% of the dysmorphic type, 12.1% of the mixed type, and 3.9% of the isomorphic type. Dysmorphic-type RBC is a good supportive marker for distinguishing glomerular disease from other lower urinary tract diseases.

Key words: hematuria, flow cytometry, particle size distribution, dysmorphic erythrocyte, hemorrhagic glomerulonephritis

参照

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