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紋谷暢男先生の御退職に寄せて

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Academic year: 2021

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紋谷暢男先生の御退職に寄せて

法務研究科長

渡邉知行

紋谷暢男先生は、東京大学大学院法学政治学研究科で法学博士を取得された後、一九六七年四月に成蹊大学政治経 済学部助教授として赴任され、翌年四月に政治経済学部が法学部と経済学部に改組されると法学部助教授として、一 九七五年四月より法学部教授として、その後、二〇〇四年四月に法科大学院が創設されると法科大学院教授として、 本年三月に退職されるまで半世紀近くにわたって、本学で教鞭をとられ、数多くの研究業績を残されてきました。 先生が研究されてきたのは「知的財産権法」ですが、研究を志された一九六〇年代の日本には、このような講座は 法学部に皆無であるどころか、定評ある研究書も存在していなかったので、先生は、ドイツ法を中心に研究を積み重 ねられて、石井照久教授のご尽力によって法学部として日本で初めて工業所有権の講座が設けられた本学に赴任され ました。 先生は、ドイツのほか、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアなど広く海外の文献を渉猟されて、工業所有権や 著作権に関して広く様々な論文を公表され、国内外の学会で積極的に発言されて、昨年末には『知的財産権法・競業 紋谷暢男先生の御退職に寄せて 1

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78 法論集』 (商事法務)を刊行されました。体系書として『知的財産権法概論』 (有斐閣)も版を重ねられています。こ のような学界でのご活躍にとどまらず、特許法、著作権法、種苗法などの立法や改正に貢献され、日本特許協会、日 本商標協会、音楽著作権協会などでも重責を担われてきました。 先生のゼミでは、夏休みの終わりころの数日間、山間のロッジ等で合宿を行ってきました。弁理士試験を志す三年 生と四年生による合同ゼミで、他大学から参加した学生らも交えて、夏休み前から十分に準備をしたうえで、早朝か ら深夜・翌朝まで集中的に討論をして、学習の成果を上げてきました。そのために、先生のゼミ生を中心とする本学 の卒業生から多くの弁理士を輩出し、 今日に至るまで、 ゼミ年会誌 「蹊紋」 が発行され、 「蹊紋会」 と称されるOB・ OG会の集いが毎年開催されてきました。先生のゼミ出身者のなかには、弁理士会や企業法務の中枢を担う者が少な からず現れています。 先生は、法科大学院の専任教員に着任された後も、法学部のゼミを継続されて、法科大学院から先生のゼミ合宿に 参加して司法試験に合格した修了生が、弁護士として活躍しつつあります。ゼミ合宿で啓蒙された修了生が、司法試 験を突破して、知的財産権法分野を中心に法曹として社会に貢献することが期待されています。 先生は、ご定年で退職されますが、今年度も引き続いて非常勤講師として成蹊大学法学部・法科大学院で授業を担 当していただきます。法学部の紋谷ゼミ・合宿も継続されます。先生のご健康と今後の益々のご活躍をお祈り申し上 げます。 成蹊法学78号 2

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