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漏生イネ・雑草イネ防除における石灰窒素の効果の変動要因と活用技術

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Academic year: 2021

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2020年 11 月 22 日受理.連絡責任者:大平陽一 〒 943-0193 新潟県上越市稲田 1-2-1

TEL 025-526-3218,FAX 025-524-8578,[email protected]

漏生イネ・雑草イネ防除における石灰窒素の効果の変動要因と活用技術

大平陽一 (農研機構中央農業研究センター) 要旨:漏生イネ・雑草イネ対策として,水稲収穫後の休閑期における石灰窒素の圃場散布が有効であることが近年明 らかになってきた.また,その効果は圃場管理条件,環境条件で大きく変動することも明確化されてきた.本報では, 石灰窒素の効果の変動要因として,水稲の品種間差,稲わら残渣の有無,温度・石灰窒素の散布時季,土壌水分・降雨, 耕起のタイミングを挙げた.石灰窒素の効果について,稲わらがあると半減する,適度な水分が必要,温度が高いほ ど効果が高まるなど,得られた知見を整理した.また,石灰窒素散布後に不耕起期間を設け,圃場表面で石灰窒素と 水稲種子が 2 週間以上存在する必要がある一方,散布直後の耕起は漏生イネの発生抑制の効果が得られないなど,石 灰窒素を活用する上での考え方と留意点を示した . 石灰窒素による漏生イネ・雑草イネ防除の効果の程度を,古くか ら知見のある水稲移植栽培条件での有効除草剤による防除効果と比較した.その結果,有効除草剤による漏生イネ・ 雑草イネの防除価は 90 以上,石灰窒素では総じて 80∼90 程度と推察された.石灰窒素は漏生イネ・雑草イネの防除 効果のみならず窒素の肥効も持つことから,散布後に水稲を栽培する場合には減肥する必要があり,その減肥程度を 整理した.これらの知見を踏まえて石灰窒素の活用における今後の課題についても論じた. キーワード:雑草イネ,水稲,石灰窒素,多収性水稲品種,漏生イネ. 近年の日本では,需要に応じた食用米の適正な作付け や水田の有効利用,食料自給率・飼料自給率向上等の観 点から,稲ホールクロップサイレージ用の水稲(以下,イ ネ WCS)や飼料用米の生産が政策として推奨されている. イネ WCS や飼料用米の栽培では単収を高めるために多収 性水稲品種(以下,多収品種)の利用が望ましい.しかし, 多収品種を栽培した翌年に一般食用水稲品種(以下,食 用品種)を作付けた場合,しばしば前年の多収品種のこ ぼれ籾に由来する漏生イネが多発する.漏生イネの籾が 収穫物に混入すると,異品種混入により玄米等級の低下 につながる.生産者が異品種混入を懸念して多収品種を 敬遠し,イネ WCS や飼料用米として食用品種を栽培する と,単収の向上が妨げられる.多収品種の普及や食用米 の玄米等級の維持においては漏生イネ対策が重要となる. 漏生イネに加えて,近年の日本では雑草イネの問題も 顕在化している.有色米の雑草イネが多発し,収穫物に 混入すると玄米等級の低下や色彩選別機による除去のコ スト増につながる.また,食用品種の玄米に外観が似た 雑草イネも確認されている(牛木ら 2005)が,雑草イネ は脱粒性を具備していることが多く,多発すると収量の 大きな低下要因となる(酒井ら 2014).さらに大量に脱落 した種子は翌年の発生源となり,その防除は容易でない. 雑草イネの拡大要因としては,水稲用除草剤の水稲に対 する安全性の向上(萩原ら 2016)と,直播栽培の普及(酒 井ら 2014,萩原ら 2016)が推察されている.水稲直播栽 培は省力化,大規模化への対応に有効な手段だが,雑草 イネが発生した圃場では直播栽培をあきらめざるを得な いことがある.大規模生産者への圃場集約に伴う水田作 の規模拡大にとって直播栽培の普及拡大は必須であり, 水稲の安定多収のためにも雑草イネ対策は極めて重要な 課題である. 漏生イネも雑草イネもイネであることから,防除対策 は類似したものとなる.これまでに,複数の対策技術が 開発され,マニュアルとして公表されている(長野県雑 草イネ対策チーム 2013,農研機構 2015,農研機構 2017, 農研機構 2019,日本草地畜産種子協会 2020).筆者は様々 な漏生イネ対策技術を検討する中で,石灰窒素の利用に も焦点を当てて研究を行ってきた.石灰窒素を対策技術 の一つとして検討した理由は,元々石灰窒素が「ノビエ の休眠覚醒」で農薬登録されていたことが挙げられる.収 穫後の水田に石灰窒素を散布してノビエ(Echnochloa spp.) 種子の休眠を覚醒させて秋季の発芽を促し,出芽した幼植 物を冬季の低温で死滅させることで翌年の密度を低減する 防除方法である.水稲でも類似した効果が得られるのでは ないかと考えられた.石灰窒素に焦点を当てたもう一つの 理由として,水稲の出芽抑制の報告があったからである. 暖地・温暖地ではスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata) による水稲の食害が問題になっており,その対策として 石灰窒素を散布してスクミリンゴガイを防除する.そう した中,スクミリンゴガイ対策として石灰窒素を散布し た後の水稲湛水直播栽培で出芽抑制が報告されていた(松 島ら 2002,松島ら 2003).これらのことから石灰窒素は 漏生イネ対策に活用できる可能性があると考えられた. 研究を進める中で石灰窒素は漏生イネ対策に実用性を 持つ結果が得られた(大平ら 2015,大平ら 2019).また,「水 稲直播栽培における雑草イネ・漏生イネの防除体系の確 日作紀(Jpn. J. Crop Sci.)90(2):117―124(2021)

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立と実用化(イノベーション創出強化研究事業 28020C, 2016∼2018 年度)」で実施された課題において長野県農業 試験場(以下,長野県農試),宮城県古川農業試験場(以下, 古川農試),茨城県農業総合センター農業研究所(以下, 茨城県農研)が漏生イネ・雑草イネ対策として石灰窒素 が活用できることを示し,防除技術マニュアルを公表し た(農研機構 2019).この試験結果を基に,2019 年 3 月 に石灰窒素の農薬登録が拡大されて漏生イネ・雑草イネ に対する農薬としての利用も可能になった.今後,石灰 窒素は漏生イネ・雑草イネ対策として一層の活用が見込 まれる.その一方で,石灰窒素の効果は圃場管理条件,環 境条件によって多々変動することから,知見の整理が必 要と考えた. そこで本稿では,石灰窒素の効果の変動要因を中心と して知見を述べるとともに,石灰窒素を活用する上で留 意すべき事項,今後の課題を整理する.なお,水稲に対 する石灰窒素の効果に関しては,引用した知見も含めて 粒状石灰窒素 55(CaCN2 55%,窒素 20%)を用いた結果 に基づく. 1.ノビエおよび水稲種子の休眠性と発芽能力に及ぼす 石灰窒素の影響 1960年代から,薬剤によるノビエ種子の休眠覚醒に関 する研究が多く行われた(荒井ら 1967,石原ら 1970,井 上ら 1970).その目的は,作物の生育期間中にノビエの出 芽を斉一にすることで除草剤による防除を容易にするこ と,水稲の休閑期である冬季に発芽させて死滅させるこ とである.尿素や NIP 乳剤等様々な薬剤の検討が行われ る中で,石灰窒素および石灰窒素に含まれるカルシウム シアナミドにノビエ種子の休眠覚醒効果および死滅効果 があることが明らかになり(石原ら 1970,井上ら 1970, 井上ら 1971),圃場試験においてもその有効性および効果 を高める条件が明らかになった(石原ら 1970,田村・斉 藤 1971).こうした知見を基に,水稲栽培におけるノビエ の防除として,石灰窒素は「ノビエの休眠覚醒,使用時 期は水稲刈取後 1 週間以内,40∼50 kg/10 a を全面散布」 の内容で 1972 年に農薬登録がなされている. ノビエに関する知見を基に水稲に対する石灰窒素由来 のシアナミド水溶液の影響を検討した結果,第 1 図のよ うにノビエと同様に休眠覚醒効果と発芽阻害(死滅)効 果の双方を持つことが明らかになった(大平ら 2014).ま た,シアナミドの濃度や処理期間に応じて休眠覚醒が先 んじて生じ,次いで発芽阻害効果が顕著になり,これら の応答には品種間差も認められている(大平ら 2014). 2.石灰窒素による圃場に残留した水稲種子の発生低減 雑草イネ・漏生イネ防除に石灰窒素を活用する上では, ノビエの防除のように休眠覚醒効果にとどまらず,死滅 まで効果を及ぼす重要性を示唆する結果が得られている. 温暖地西部地域の広島県における検討では,圃場表面の 種子越冬条件で秋季の石灰窒素散布量を 0,20,50,100 kg/10 aとすると,散布量に応じて春季の発芽率は無処理 の 20%から 4%にまで低下した(大平ら 2008).観察の結 果,100 kg/10 a のような散布量が多い場合には発芽痕の ある個体は少なく,多くの種子が発芽に至らず死滅した と推察される.東北日本海側地域の秋田県において,石 灰窒素由来のシアナミド水溶液に水稲種子を一定期間浸 漬して休眠覚醒処理を行った後,秋季に圃場表面あるい は土中に種子を設置した.翌年の発芽率および発芽痕の ある種子数を調査した結果,概して発芽痕のある種子の 割合は増加し,翌年の発芽率が低下した.しかしながら, 品種あるいは種子の設置位置によって効果に差異があり, 翌年の発芽率が低下しない場合も認められた(大平ら 2015).この他,青木(2019)は春季の石灰窒素 50 kg/10 a散布により雑草イネ種子の生存率が無処理区比で 4%に 低下したことを報告している.この場合,春季の散布で あることから,休眠覚醒後の冬季低温による死滅ではな い.これらの知見を総合すると,石灰窒素の効果を休眠 覚醒だけでとらえるのではなく,死滅効果が及ぶまで,も しくは発芽能力の低下により,低温や土壌還元状態など の不良環境条件下で死滅しやすい状態になるまで影響を 及ぼすことが重要と考えられる. 実験レベルでは石灰窒素散布量が多いほど種子の死滅 効果は高くなるが,実圃場での利用には農薬登録上の上 限がある.また,コストとの兼ね合いを考慮すると,必 要最低限の石灰窒素の散布量を把握する必要がある.青 木(2019)は,春季の石灰窒素 30 kg/10 a 散布により,雑 草イネ種子の生存率が無処理区比で 17%に低下し,その 後の手取り作業時間が半分以下に短縮されたことを報告 している.石灰窒素を有効に活用するためにはその効果 変動要因と,安定した効果を発揮させる条件を理解する ことが重要になる.各種の変動要因と変動程度について 次節で述べる. 第 1 図 石灰窒素由来のシアナミド処理が種子の生理状態に及ぼす 影響(大平ら 2014).    シアナミド総処理量=処理溶液中のシアナミド濃度 × 処理 日数.多収品種「タカナリ」の 2011 年産種子を供試.種子 の生理状態は,石灰窒素由来のシアナミド溶液に浸漬後の調 査による種子の発芽率に基づく.

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119 大平――漏生イネ・雑草イネ防除の石灰窒素の効果の変動要因と活用技術 3.石灰窒素の効果が変動する条件 石灰窒素の効果変動要因は遺伝的要因と環境要因とに 分けられる.後者については,水稲収穫後,石灰窒素の 散布時,散布後の管理や環境条件について時系列順に変 動要因と変動幅について概説する. (1)石灰窒素の影響に対する水稲の品種間差 水稲種子に及ぼす石灰窒素の影響には品種間差が認め られている(大平ら 2012,大平ら 2014,大平ら 2015). 総じて,休眠の深い品種の方が影響を受けにくく死滅に 至りにくい.例えば,発芽率 93∼98%の種子に対し,室 内 15℃条件での石灰窒素処理を行うと,相対的に休眠の 浅い品種「ふくひびき」,「ホシアオバ」の発芽率は 3∼ 10%に低下したのに対し,休眠の深い品種「ひとめぼれ」, 「萌えみのり」の発芽率は 52∼57%に留まった(大平ら 2012).上述した例は栽培品種についてであるが,雑草イ ネと栽培品種との石灰窒素の感受性の差異については報 告がない.長野県で発生した雑草イネの多くは種子休眠 性が栽培品種と同等とされている(細井ら 2010).雑草イ ネと栽培品種との石灰窒素に対する感受性の差異,種子 休眠性と石灰窒素の影響の受けやすさとの因果関係につ いては今後の解析が待たれる. 圃場条件での翌年の発生低減効果には,種子越冬能力 の品種間差も含まれるため,石灰窒素の影響のみを評価 することは困難であるが,低温条件で出芽しにくいイン ド型品種を除くと,栽培品種では石灰窒素による出芽率 あるいは苗立率の低減程度が休眠の深い品種で小さかっ た(大平ら 2015).水稲種子の越冬能力は休眠が深い品種 で高い傾向にあり(大平・佐々木 2011),漏生対策は休眠 の深い品種の方が困難かつ重要である.休眠の深い品種 の漏生対策として石灰窒素を用いる場合には,次節以降 に述べる環境条件等による効果の変動を理解し,石灰窒 素の効果を十分に発揮させる必要がある. (2)稲わら残渣 近年の水稲作では,機械収穫後に裁断された稲わらが 地表面を覆っていることが多く,稲わらの有無が石灰窒 素の効果に影響する.石灰窒素による漏生イネの発生抑 制効果は稲わらの存在下でも認められているが,稲わら のない条件と比較して効果は半減する(大平ら 2019,大 川 2019).類似した現象はノビエ防除の検討でも確認され ており,田村・斉藤(1971)は生わらがあっても石灰窒 素の一応の効果は期待できるが,効果は劣るとともに防 除率のムラが生じることを報告している.石灰窒素によっ て水稲種子の発芽,出芽能力を低減させるためには土壌 表面で種子と石灰窒素とが一定期間接触または近接し,水 分を介して石灰窒素中のシアナミドが種子に移行する必 要があると考えられる.稲わらが存在すると散布した石 灰窒素が稲わらに付着して,種子と接触または近接しに くくなり,シアナミドの種子への移行が減少することが 考えられる.この他に,一旦シアナミドを吸収した種子 が乾燥すると発芽能力の低下を引き起こしやすくなる(大 平・白土 2017)が,稲わらが存在することで種子の乾燥 が生じにくくなることも石灰窒素の効果を低減させる要 因の可能性がある. 石灰窒素の効果を十分に発揮させるためには稲わらを圃 場から持ち出すことが望ましい.イネ WCS の収穫後であ れば稲わらがないため,石灰窒素の効果を発揮させやすい. (3)温度,散布時季 石灰窒素による死滅効果は温度に応じて高まる.漏生 イネ防除を目的に多収品種を対象とした研究では,3∼ 15℃の範囲において温度が高いほど発芽率が低下した(大 平ら 2012).品種「ふくひびき」を例にとると,95%の発 芽率であったものが,石灰窒素処理時の温度を 3,7,11, 15℃とすると,それぞれ 81,57,27,10%に低下した. また,茨城県農研は雑草イネを対象として 5∼25℃の範囲 で検討し,年次によって効果の程度は異なるものの,温 度が高いほど石灰窒素の効果は高い結果を得ている(農 研機構 2019).これらの知見はいずれも恒温器を用いた室 内試験に基づくが,圃場条件においても石灰窒素の効果 を高める上では,気温を考慮することの重要性を示して いる.なお,温度が 10℃程度でも室内試験および圃場試 験の結果,発芽率や種子生存率,苗立率が 1/4 以下になっ た(大平ら 2012,農研機構 2019,大平ら 2019)ことから, 10℃程度でも一定の効果を得ることは可能と推察される. 漏生イネ防除を目的として多収品種を対象とした筆者 の研究では,秋田県において秋季,冬季,春季に石灰窒 素を散布する試験を 3 ヵ年行ったところ,秋季>冬季> 春季の順に効果が高かった(大平ら 2015).なお,石灰窒 素散布後 2 週間の平均気温は,秋季が 12 . 0∼15 . 0℃,冬 季が 2 . 6∼5 . 4℃,春季が 8 . 6∼11 . 5℃であった.一方, 雑草イネを対象として長野県において行われた試験では, 秋季∼冬季の散布と比較して春季の散布で同等もしくは それ以上の効果が得られている(青木 2019).石灰窒素散 布は,気温の高い時季を選ぶことが重要と考えられるが, 後述するように土壌水分・降水の影響もあり,地域によ る最適な石灰窒素散布時季についてはさらなる知見の蓄 積・解析が必要である. (4)土壌水分,降雨,水管理 石灰窒素の効果を発揮させるためには水分が必要であ り,散布時および散布後の水分条件が効果に影響する.第 2図は,水稲系統「中国飼 189 号」(大平ら 2014)の種子 をシャーレ内で石灰窒素と一定期間反応させた後に洗浄 し,別のシャーレ内で発芽試験に供した結果である.湿 潤条件の石灰窒素処理では,100 g 処理でほとんどの種子

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120 日 本 作 物 学 会 紀 事 第 90 巻(2021) が死滅し,発芽率は低いままであった.また,10 g 処理 も死滅効果が優先することで,0 g 処理よりも発芽率は低 く推移した.一方,乾燥条件の石灰窒素処理では,処理 量に関わらず発芽率の推移は無処理と同じであった.こ のことから石灰窒素の効果を得るためには水分が必要で あることが明白である.同様の結果は漏生イネを対象に 行ったポット試験(大平ら 2019)と雑草イネを対象に茨 城県農研が行った室内試験(農研機構 2019)でも確認さ れている.茨城県農研は土壌水分が 8∼42%の条件を作出 し,この範囲で土壌水分が高いほど種子の生存率が低く なることを示した.ノビエについては,石原ら(1970)が 圃場試験において石灰窒素の休眠覚醒効果に土壌水分が 影響することを報告している.水分を介して石灰窒素中 のシアナミドが種子に移行し,休眠覚醒や死滅効果が発 第 3 図 石灰窒素散布後の混和および湛水条件が水稲種子の出芽率に及ぼす影響.    2016 年に秋田県大仙市において水稲品種「ふくひびき」を栽培・収穫し,乾燥・脱穀して調製した 種籾を供試した.2016 年 10 月 19 日に大平ら(2019)と同様に準備した 1/5000 a ポットの土壌表面 に種籾 100 粒を播種し,直ちに石灰窒素を 40 g m–2散布する区と散布しない区を設けた.ポットは 屋根のある屋外の網室に置いた.図の「加湿」は播種当日および播種 4 日後にポット当り 40 ml 散水, 「表面入水」は土壌表面まで,「1 cm 湛水」と「5 cm 湛水」は水深 1 cm,5 cm になるように播種当 日に入水した処理を示す.「混和後表面入水」は,土壌と種子とを混和し,その後に土壌表面まで入 水した処理を示す.「表面入水」,「1 cm 湛水」,「5 cm 湛水」はいずれも処理 1 日後に落水した.10 月 26 日にいずれも土壌と種子とを混和し,大平ら(2019)と同様にコンテナに移して室内(22∼ 24℃)で出芽させた.図は出芽試験開始後 19 日目の出芽率を示す.縦線は標準偏差(n=3)を示す. 第 2 図 石灰窒素処理時の水分の有無が種子の発芽率に及ぼす影響.    2008 年に広島県福山市において水稲系統「中国飼 189 号」を栽培・収穫し,乾燥・脱穀後に冷蔵保存し た種籾 100 粒を 2009 年 2 月 4 日に濾紙を敷いた直径 90 mm 高さ 10 mm のシャーレに置床して,粒状石 灰窒素をシャーレの面積から 0,10,100 g m–2混入する処理を設けた.また,濾紙に蒸留水をしみ込ま せた湿潤処理と蒸留水をしみ込ませない乾燥処理を設け,シャーレを密封して 6℃の条件で静置した. 全ての処理を 3 反復で行った.5 日後にシャーレから種籾を取り出して洗浄し,濾紙を敷いて蒸留水を 加えた新たなシャーレに置床し,30℃の条件で発芽率を調査した.縦線は標準偏差(n=3)を示す.

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121 大平――漏生イネ・雑草イネ防除の石灰窒素の効果の変動要因と活用技術 水稲種子に対して石灰窒素処理をした後に乾燥と湿潤 を繰り返すと死滅効果が高まる結果が得られている(大 平・白土 2017).このことは,石灰窒素散布後に不耕起期 間を長くすることでその効果が高まることと関係してい る可能性がある.水分とともに一度種子に吸収されたシ アナミドが種子の乾燥に伴って局在する,あるいは濃度 が高まることで死滅効果が高まっている可能性があるが, その詳細についてはさらなる検討が必要である. (6)効果の変動要因のまとめ 前述した石灰窒素の効果が変動する主要な栽培環境条 件とその効果を第 1 表にまとめた.石灰窒素の効果が皆 無となる条件を確実に避け,各々の要因において効果が できるだけ高くなるよう留意する必要がある. 4.石灰窒素の効果の程度 前節まで論じた適切な条件での石灰窒素散布による漏 生イネ,雑草イネの防除効果はどの程度か.石灰窒素の 効果を論じたこれまでの報告では,効果程度の表現が不 統一であった.本報では,出芽率,苗立率,越冬後の種 子生存率などを対象として防除価[100–(石灰窒素区の値 /無処理区の値)× 100]を算出し,比較検討する. 稲わらを除去した圃場試験の結果,石灰窒素を秋季に 50 kg/10 a散布して不耕起期間を 2∼3 週間程度あるいは 春まで不耕起とした場合,漏生イネに対する防除価は総 じて 83 以上(大平ら 2015),80 以上(大平ら 2019),87 ∼91(大川 2019),雑草イネに対する防除価は 90∼93(青 木 2019)などと報告されている.なお大平ら(2015, 2019)の報告は複数品種を供試して得られた結果であり, 品種や年次によって効果が変動し,石灰窒素の散布によっ て漏生イネの発生が皆無あるいは防除価が 97 と高い効果 が認められる場合があれば,防除価が 61 と効果の低い場 合もあった. 漏生イネ・雑草イネの防除では,移植栽培において有 効な成分を含む除草剤の利用が効果的であることが知ら れていることから,その防除価を検討する.古くは採種 揮されると考えられる.これらのことから,石灰窒素散 布前後に晴天・乾燥が続くことは望ましくない. 石灰窒素散布後の水分条件も影響を及ぼす.第 3 図は, ポットに種子を播種して石灰窒素を散布した後,土壌表 面まで入水,1 cm 湛水,5 cm 湛水し,その 1 日後にポッ トの栓を抜いて自然落水・乾燥させた試験結果である.播 種後 7 日目に種子と土壌とを混和してその後の出芽を調 査したところ,土壌表面まで入水した条件の出芽率は 1% と石灰窒素無処理の 1/90 となり高い効果が得られた.一 方,5 cm 湛水条件の出芽率は 83%であり,石灰窒素の効 果はわずかであった.この要因として,5 cm 湛水条件では, 水中のシアナミド濃度が極端に薄くなるとともに,シア ナミドが種子に移行する前に系外に流亡したことが推察 される. この試験では湛水状態を維持した条件での石灰窒素の 効果は検討していない.したがって,豪雨時に湛水状態 を保った場合の効果については不明だが,少なくとも石 灰窒素散布直後に湛水状態になった後,すぐに水が引く 状況は避けるべきと考えられる. (5)耕起のタイミング 石灰窒素散布後に一定期間,不耕起とすることが効果 の発現には重要である.圃場表面で水稲種子と石灰窒素 とが少なくとも 2∼3 週間共存する条件を保つことで石灰 窒素による水稲種子の発生抑制効果が得られる(大平ら 2019).寒冷地では秋季に石灰窒素を散布し,春まで不耕 起とすることで翌年の漏生イネの発生抑制効果が大きい ことが報告されている(大平ら 2019,大川 2019).一方, 石灰窒素散布直後に耕起した場合,圃場に残留した水稲 種子の出芽や苗立ちは無処理と変わらない(大平ら 2019).また,石灰窒素散布前に耕起して圃場表面に残留 した水稲種子を土中に埋没させた場合も同様である(大 平ら 2015).従来,石灰窒素散布後の耕起により土中でシ アナミドが拡散して水稲種子に作用し,休眠覚醒を生じ て防除できるというイメージが持たれているが,上記の 結果はこれを否定するものである. 第 1 表 石灰窒素の効果が変動する要因とその効果の程度. 圃場管理条件 環境条件 石灰窒素の効果 引用文献 無 低 高 稲わら 有り 無し 大川 2019,大平ら 2019 温度 3℃ 15℃ 20∼25℃ 大平ら 2012,農研機構 2019 土壌水分 乾燥 (8% (w/w)) 高水分 (42% (w/w)) 農研機構 2019 降雨等 散布後 5 cm 程度の湛水→落水 ひたひた 大平私信 散布後不耕起期間 0日 1∼5 日程度 2∼3 週間 秋季∼春季 大平ら 2019 (↑耕起後の散布も含む) 石灰窒素の効果は,石灰窒素無処理と比較して発芽率,出芽率または苗立率が,無:同等,低:1/2 以上の弱い抑制,高:1/5 以下になるこ とが期待される強い抑制を示す.

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圃場の漏生防止として,初期剤にブタクロールの活用が 有効であることが茨城県で示された(根本ら 1982).さらに, 九州(矢野・尾形 1991),東北(山内・服部 1994,佐藤ら 2006)でもブタクロールもしくはプレチラクロールが初期 剤として漏生防止効果を持つ.圃場の水稲移植栽培条件で 漏生イネ防除を目的に有効除草剤を初期剤として散布した 場合の防除価(対照は効果のない除草剤散布もしくは無処 理)は,80∼86(根本ら 1982),91∼97(矢野・尾形 1991), 47∼89(佐藤ら 2006),82∼86(大平ら 2013),88(日本 草地畜産種子協会 2020)であった. 雑草イネの出芽は不斉一で長期にわたるため,初期剤 または初中期剤のみでは防除は困難であり(斎藤ら 2002),長野県農試が除草剤による体系防除を示している (斎藤ら 2002,酒井ら 2011).圃場の水稲移植栽培条件で 有効な初期剤+初中期剤,初期剤+中期剤あるいは初期 剤+初中期剤+中期剤の体系処理をすると,雑草イネの 防除価(対照は効果のない除草剤散布もしくは無処理)は 100(斎藤ら 2002),83∼100(酒井ら 2011),96∼100(細 井ら 2008)であった. 除草剤の活用では,漏生イネ・雑草イネの生育ステー ジが重要な留意点である.1 葉期(不完全葉をカウントし ない)以降の散布では効果が激減することが明らかにな り(山内・服部 1994,酒井ら 2011),雑草イネを対象とし た多くの除草剤試験から,雑草イネに有効な散布時期は 「発生前」や「発生前∼発生始(鞘葉抽出期)」とされて いる(農研機構 2019).この他,除草剤の効果は,有効除 草剤の種類(矢野・尾形 1991),代かき回数(佐藤ら 2006),移植時期(細井ら 2008)で変動する.石灰窒素の 効果は主に水稲収穫後から移植までの環境条件による変 動が大きいのに対し,除草剤では栽培様式など人為的な 影響による変動が大きい. 有効除草剤を適期に散布した場合,総じて防除価は 90 以上,雑草イネに対しても体系防除であればほぼ 100 が 期待される.一方,稲わら除去など,有効な条件で石灰 窒素を用いた場合の防除価は総じて 80∼90 程度と推察さ れ,無処理と比較して少なくとも 1/5∼1/10 には漏生イネ・ 雑草イネの発生を抑制できると考えられる. 5.石灰窒素散布後の直播栽培について 直播栽培での石灰窒素散布では,特に春季の場合,水 稲の初期生育に対する悪影響を回避する必要がある.松 島ら(2002,2003)は,稲麦二毛作が行われている北部 九州において石灰窒素によるスクミリンゴガイ対策と水 稲湛水直播栽培を両立することを目的とした研究を行っ た.対象地域は麦収穫から水稲の直播までの期間が短い こと,石灰窒素散布後 48 時間以内にスクミリンゴガイが 死滅することの 2 点を考慮し,入水した土壌条件で石灰 窒素を散布して 48 時間後に代かきして湛水直播を行った. その結果,酸素発生剤被覆種子は石灰窒素無散布と同程 度の出芽率を示したが,無被覆種子は出芽率が低下した ことを報告している.そこで,石灰窒素散布後どの程度 の期間を空ければ湛水直播における出芽阻害を生じない か検討した.筆者は秋田県大仙市において 4 月 23 日に粒 状石灰窒素 50 kg/10 a を散布し,5 月 7 日に入水,5 月 11 日に代かき,5 月 15 日に無被覆種子を表面播種した結果, 苗立ちには何ら影響のないことを確認した(注:大平私 信).このことから,春季の石灰窒素散布であっても,本 報 3(5)で述べたように石灰窒素散布後 2∼3 週間は不耕 起とした後に湛水直播を行えば,種子被覆の有無に関わ らず石灰窒素の影響はないと考えられた. 6.石灰窒素の利用に伴う窒素成分の残効と減肥について 漏生イネ・雑草イネ対策として秋季∼春季に石灰窒素 を散布すると,窒素成分が残存して後作のイネの生育に 影響するため,肥培管理を検討する必要がある.粒状石 灰窒素 55(窒素 20%)を 50 kg/10 a 散布すると,窒素成 分で 10 kg/10 a が圃場に投入される.寒冷地太平洋側にお いて越冬前に圃場に石灰窒素を 50 kg/10 a 散布すると,翌 春の土壌アンモニア態窒素は 4 kg/10 a ほど増加したこと が報告されている(大川 2019).また,寒冷地日本海側に おいて筆者が検討したところ,秋季に石灰窒素を散布す ると,翌年に作付けた水稲の窒素吸収量から算出した肥 効率は 14∼18%であった(注:大平私信).このことから, 石灰窒素を秋季に 50 kg/10 a 散布すると翌年の水稲作では 約 1 . 5 kg/10 a の基肥窒素を省略できると考えられた.こ れらを総合すると,秋∼冬に石灰窒素を 50 kg/10 a 散布し た翌年の水稲作では 1 . 5∼4 kg/10 a の基肥窒素を省略で きると考えられる. 石灰窒素の肥料効果は土壌の種類や圃場の透水性・排 水性,気象条件で異なることが推察され,石灰窒素を散 布した圃場で耐倒伏性の劣る品種を作付ける場合には十 分な減肥をして生育診断により追肥で対応することが望 ましい. 一方,春季に石灰窒素を 50 kg/10 a 散布した場合には肥 効率は 45%を超えた(注:大平私信).したがって,春季 散布の場合には,さらなる減肥が必要であり,今後の検 討が必要である. 7.今後の課題 石灰窒素の効果の変動要因については,石灰窒素散布 後の降雨・湛水の影響について知見が乏しい.また,温 暖地西部では水稲収穫後のまだ気温が高い秋季に耕起す ることにより圃場に残留した水稲種子の土中発芽を促し て防除する方法が報告されている(大平・佐々木 2015). しかし,同様の気象条件と想定される暖地・温暖地にお いては,石灰窒素の効果,石灰窒素と耕起の併用の効果 に つ い て 知 見 が 少 な い( 大 平 ら 2008, 大 平・ 佐 々 木 2008).

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123 大平――漏生イネ・雑草イネ防除の石灰窒素の効果の変動要因と活用技術 この他に,石灰窒素の散布によって種子が全て死滅に 至らなくても,発芽能力を低下させた後に有効除草剤を 散布するなど,他の防除方法との組み合わせによる相乗 効果の検討が今後の課題である. 石灰窒素の肥効について,後作の減肥程度については 一定の知見が得られつつある.しかし,稲わら残渣の影 響や石灰窒素散布後の不耕起期間と石灰窒素の肥効との 関係については知見が不足している.また,石灰窒素の 肥効には地域間差も見受けられることから,さらなる検 討が必要である. 石灰窒素には雑草防除効果,肥料効果に加えて,稲わ ら腐熟促進効果(千葉ら 1980,久保田 1992)など,多面 的効果が期待できる.石灰窒素散布と稲わらすき込みに よる収量向上効果(上野ら 1978,斎藤・塩島 1982,久保 田 1992)も報告されている.経済性を考慮すると,1 回 の散布で多面的効果が得られることが望ましい.石灰窒 素の利用において,稲わらの腐熟促進,水稲の収量向上, 漏生イネ・雑草イネ・ノビエ防除のいずれも高い効果が 得られる条件・方法を見出すことは難題ではあるが重要 な課題である. 謝辞:本論文の取りまとめに当たり,ノビエおよび雑 草イネに関する知見を森田弘彦博士に紹介頂きました.本 論文の推敲に当たり,農研機構中央農業研究センターの 内野彰氏,長野県農業試験場(現長野県農政部農業技術課) の青木政晴氏,宮城県古川農業試験場の大川茂範氏,茨 城県農業総合センター農業研究所の大橋俊子氏に貴重な ご助言を賜りました.記して感謝の意を表します. 引 用 文 献 青木政晴 2019. 長野県における雑草イネの発生実態と防除対策,石 灰窒素を組み合わせた新たな防除体系. 石灰窒素だより 154: 1-3. 荒井正雄・千坂英雄・片岡孝義 1967. タイヌビエ休眠種子の薬剤に よる休眠覚醒および殺種子に関する研究 第1報 有効薬剤の検索. 日 作紀 36: 321-325. 千葉満男・島津了司・武藤和夫・内田修吉 1980. 水田における稲わ ら施用と稲作の安定化. 岩手農試研報 22: 81-117. 萩原素之・渡邊寛明・赤坂舞子・吉永悟志・渡邉修・細井淳・酒井 長雄・寺島一男 2016. 日本作物学会 第 240 回講演会シンポジウム 「米」になるイネ,ならないイネ−雑草イネの来た道と今後,研究 先進地長野県からの最新情報−. 日作紀 85: 89-94. 細井淳・青木政晴・酒井長雄・牛木純 2008. 水稲極早生品種の早期 移植栽培による雑草イネ(トウコン)の出芽抑制効果. 日作紀 77(別 1): 54-55. 細井淳・牛木純・酒井長雄・青木政晴・斉藤康一 2010. 長野県で発 生した雑草イネ(トウコン)における地表面種子の越冬生存性と 埋土種子の寿命. 日作紀 79: 322-326. 井上克弘・東俊雄・山崎欣多 1970. 休眠覚醒利用によるノビエ防除 に関する研究(第 1 報)呼吸阻害剤および呼吸阻害性ガスの休眠 覚醒作用. 土肥誌 41: 377-382. 井上克弘・東俊雄・山崎欣多 1971. 休眠覚醒利用によるノビエ防除 に関する研究(第 2 報)呼吸阻害による休眠覚醒現象の誘発につ いて. 土肥誌 42: 157-162. 石原信一郎・竹島修二・滝川圭吾 1970. 水稲休閑期におけるノビエ 防除に関する研究(第 2 報)石灰窒素の休眠覚醒効果について. 富 山農試研報 4: 57-63. 久保田勝 1992. 新潟県における湿田・半湿田に対する稲わらの施用 法に関する研究. 新潟農試研報 39: 1-90. 松島憲一・脇本賢三・吉永悟志・田坂幸平・大森博昭 2002. 石灰窒 素の散布が湛水土中直播水稲の出芽に及ぼす影響. 日作紀 71: 11-16. 松島憲一・脇本賢三・吉永悟志・田坂幸平・大森博昭 2003. 水稲湛 水直播栽培における酸素発生剤種子被覆および播種前の代かきに よる石灰窒素の出芽障害緩和. 日作紀 72: 282-289. 長野県雑草イネ対策チーム 2013. 雑草イネ総合防除対策マニュアル. https://www.agries-nagano.jp/wp/wp-content/uploads/2016/10/2012-2-h02.pdf(2020 年 11 月 8 日閲覧). 根本博雄・中川悦男・塙治雄 1982. 稲の採種栽培における漏生防止. 農及園 57: 465-466. 日本草地畜産種子協会 2020. 漏生イネ対策. 稲発酵粗飼料生産・給与 技術マニュアル第 7 版. 53-59. 農研機構 2015. 雑草イネまん延防止マニュアル Ver.2. https://www.naro. affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/028068. html(2020 年 11 月 8 日閲覧). 農研機構 2017. 落下種子対策. 飼料用米の生産・給与技術マニュアル <2016 年度版>. 60-65. http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/ publication/pamphlet/tech-pamph/074988.html(2020 年 11 月 8 日閲覧). 農研機構 2019. 雑草イネ・漏生イネ防除技術マニュアル. https://www. naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/129066.html(2020 年 11 月 8 日閲覧). 大平陽一・竹田博之・佐々木良治 2008. 飼料イネ種籾の越冬後の発 芽能力に及ぼす土壌埋設時期の影響. 日作紀 77(別 1): 138-139. 大平陽一・佐々木良治 2008. 脱落した飼料イネ種籾の越冬後の出芽 率に及ぼす耕起時期と薬剤処理の影響. 日作中支集録 49: 16-17. 大平陽一・佐々木良治 2011. 飼料イネ種子の休眠程度が越冬後の発 芽力に及ぼす影響とその品種間差異. 日作紀 80: 174-182. 大平陽一・白土宏之・山口弘道 2012. 異なる温度条件における石灰 窒素処理が水稲種子の発芽率に及ぼす影響. 日作紀 81(別1): 246-247. 大平陽一・白土宏之・山口弘道 2013. 漏生イネ防除を目的とした除 草剤処理が多収性水稲品種の苗立ちに及ぼす影響. 日作紀 82(別 1): 56-57. 大平陽一・白土宏之・山口弘道・福田あかり 2014. 水稲種子の休眠 性と発芽能力に及ぼす石灰窒素に含まれるシアナミドの影響. 日作 紀 83: 223-231. 大平陽一・白土宏之・山口弘道・福田あかり 2015. 東北日本海側地 域における水稲収穫後の圃場への石灰窒素散布が漏生イネの出芽・ 苗立ちに及ぼす影響. 日作紀 84: 22-33. 大平陽一・佐々木良治 2015. 温暖地西部における飼料イネ種子の土 中埋設時期が越冬後の発芽力に及ぼす影響. 日作紀 84: 345-350. 大平陽一・白土宏之 2017. 水稲種子の発芽能力に及ぼす石灰窒素処 理時の湿潤・乾燥の影響. 日本作物学会第 243 回講演会要旨: 162. 大平陽一・白土宏之・川名義明・伊藤景子・今須宏美・佐々木良治 2019. 石灰窒素散布後の耕起時期が漏生イネの出芽・苗立ちに及ぼ す影響. 日作紀 88: 168-175. 大川茂範 2019. 水稲湛水直播栽培における石灰窒素の秋施用と不耕

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起越冬による漏生イネ防除対策. 石灰窒素だより 154: 4-7. 斎藤稔・酒井長雄・土屋学 2002. 雑草イネである脱粒性の赤米・ト ウコンの防除法. 関東東海北陸農業研究成果情報 平成 14 年度. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007269 (2020 年 11 月 8 日閲 覧). 斎藤満保・塩島光洲 1982. 稲わらの連用,連用焼却が水稲の収量に 及ぼす影響. 東北農業研究 31: 39-40. 酒井長雄・青木政晴・細井淳・谷口岳志・岡部知恭 2011. 長野県に 発生した雑草イネとその防除対策(第 2 報). 北陸作報 46: 42-44. 酒井長雄・青木政晴・細井淳 2014. 長野県における雑草イネの総合 的防除対策:その展望と課題. 雑草研究 59: 74-80. 佐藤馨・加藤和直・京谷薫・眞崎聡・鎌田易尾 2006. こぼれ籾から 発生する稲の防除法. 東北農業研究 59: 11-12. 田村茂広・斉藤昭四郎 1971. 石灰窒素の秋期処理によるノビエ種子 の休眠覚醒防除について. 東北農業研究 12: 61-64. 上野正夫・斉藤昭四郎・小南力・斉藤正志・渡辺和夫・鈴木正 1978. 水稲に対する有機物および土壌改良資材の施用効果. 山形農試研 報. 12: 57-86. 牛木純・石井俊雄・石川隆二 2005. 岡山県に発生した日本型および インド型雑草イネの生理・形態的形質と分布の特徴. 育種学研究 7: 179-187. 山内敏美・服部勲 1994. 採種圃場におけるこぼれ籾発芽の品種間差 異とこぼれ籾発生苗の防除法. 東北農業研究 47: 11-12. 矢野雅彦・尾形武文 1991. 水稲採種圃における前年落下籾の除草剤 による漏生防止. 日作九支報 58: 40-42.

Effects and Utilization Techniques of Lime Nitrogen on Control of Volunteer Rice and Weedy Rice (Oryza sativa L.) : Youichi Ohdaira (Central Region Agricultural Research Center, NARO, 1-2-1 Inada, Jo-etsu, Niigata 943-0193, Japan)

Abstract : The application of lime nitrogen (LN) after harvesting rice effectively controls volunteer- and weedy-rice growth, but the effects of LN vary greatly depending on field management conditions and environmental conditions. Varietal differences, the presence or absence of rice straw residue, the temperature and season of LN application, and soil moisture, and rainfall, as well as the tilling time, are factors that influence the effects of LN. For example, rice straw halves the LN effect, moderate water is required, and the LN effect increases along with temperature. A no-tillage period of 2 weeks or more after LN application is required, and immediate tilling after LN application does not suppress volunteer-rice growth. Based on these findings, the concepts and points to consider when using LN are summarized here. The effects of LN application are evaluated in comparison with those of effective herbicides, which have been used as control measures for volunteer- and weedy-rice growth during transplant-based rice cultivation. The control values of herbicides against volunteer and weedy rice were estimated to be 90 or greater, while the values of LN application were estimated to be 80–90 in general. Because LN acts as a beneficial nitrogen fertilizer, application of other fertilizers may be reduced during rice cultivation. On the basis of our current knowledge, future issues are discussed.

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