下顎大臼歯の歯内―歯周病変Ⅰ型の根管治療
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(2) 日歯内療誌. 23(1):61∼68 2002. 症例. 図 図. 初診時:. 図. 年. 月. 根管長測定時:. 日. 年. 根管充 塡 時 遠 心 舌 側 根 よ り Obtura年 tion-Gutta の溢出を認める: 月 日. 歳 男性. 月. 日 図. 症. 例. 症例 患 者:23歳 男性 初 診:1996年 10月 9日 主 訴:左下顎第一大臼歯部の腫脹と疼痛 一般既往歴:特記事項なし 現病歴:1990年頃 某歯科医院にて 6 のう 治療 を受けたが詳細は不明である 6 の違和感を感じ動揺 があるとのことで当医院へ来院した 現 症:6 遠心頰側根周囲から 岐部かけて X 線 透過像を認め 歯髄反応(−) 咬合痛(++) 誘発 痛 (++) 歯肉の発赤 (++) 腫脹 (+) 動揺度 (M ) また 6 のプロービング時に出血と排膿を認めプロー ビングデプスは頰側 岐部の 1点のみ 8mm 他は 2 mm と 康な歯周組織を保っていた また 歯周ポ ケット部に歯石やセメント質の剥離は認められなかっ た 当医院における臨床診断名:歯周―歯内病変の 類. 年 月 日:予後約 カ月半. Ⅰ型 う 処置後数年経過し 2次う 発症から歯髄炎 に移行したもの もしくは 6 の 4根管のうち遠心頰側 根の潰瘍性歯髄炎を見落として修復処置を行い その 後歯髄壊疽を生じたと推測するが 詳細は不明である 骨格系 Class Ⅱ級 咀嚼時の咬頭干渉を生じていたた め 2次う による歯髄炎から歯髄壊疽 根尖部より瀰 漫性に歯周組織を破壊し 岐部を経て 瘻孔様の排 膿路が歯周ポケットに生じたものと診断する(図 1) 治療経過:1回目;1996年 10月 9日 6 の根管治 療 6 メタルインレーを除去後 天蓋除去 通法どお りに根管治療を行う 根管内を滅菌水で洗浄するが根 管内よりの排膿は認められなかった 抗生物質(サワ シリン 250mg×3/日 4日 )と消炎鎮痛剤(ボルタ レン 25mg・疼痛時服用)の投与 綿球にて FC 貼薬後 仮封 2回目;1996年 10月 15日 6 の根管治療 咬合痛 (−) 誘発痛(−) 歯肉の発赤(+) 腫脹(−) 動 揺度(M ) ラバーダム防湿 根管形成後 電気的根管 長測定 (図 2) 歯周ポケットを滅菌水で洗浄 3% H O.
(3) 下顎大臼歯の歯内―歯周病変Ⅰ型の根管治療. 症例. 図. 年 月 日:予後約 カ月 根尖 病変は ほ と ん ど 収 縮 し 多 少 Obturation-Gatta の溢出の吸収を認める. で洗浄後 綿球にて FC 貼薬 ZOE 仮封 3回目;1996年 10月 18日 6 の根管充塡 咬合痛 (−) 誘発痛(−) 歯肉の発赤(−) 腫脹(−) 動 揺度(M ) ラバーダム防湿 No.50まで手用ファイ ルで根管形成を行い 3% H O で洗浄後 滅菌水で洗 浄 根管内をエンドサクションで乾燥後 根尖部の最 終形成時に位相差顕微鏡にて象牙質削片に付着する細 菌の確認(+) ̈ Ostby処方の 15% EDTA を 2 間作 用 滅菌水で洗浄 エンドサクションで乾燥後 オブ チュレーョンガッタを軟化させ T.L.C.Brasseler (ヨ シダ)にて根管長まで根管充塡後 プラガーで垂直加 圧を行った(図 3) メタルコアー形成・印象採得後 仮封 予後:1996年 10月 25日 特記すべき臨床症状な し メタルコアー装着後 クラウン形成と印象採得後 テンポラリークラウン装着 1996年 11月 1日 特記すべき臨床症状なし メタル クラウン装着 1997年 2月 6日 6 根管充塡後約 3カ月半(図 4) 特記すべき臨床症状なし 遠心舌側根尖より溢出した オブチュレーションガッタの吸収はないが 根尖部お よび 岐部の X 線透過像はほぼ消失傾向にある 6 の頰側 岐部の歯周ポケットは 3mm と良好である 2001年 2月 1日 6 の根管充塡後約 52カ月 (図 5) 特記すべき臨床症状なし 遠心舌側根尖より溢出した オブチュレーションガッタは約 1/3程度に吸収し 根 尖部および 岐部の X 線透過像はほぼ消失 6 の頰 側 岐部の歯周ポケットは 3mm と良好である 症例 患 者:21歳 男性 初 診:1992年 2月 7日 主 訴:右下顎第一大臼歯部の腫脹と疼痛. 図. 初診: 年 月 日 歳 男性 右 下 の根尖部および右顎下リンパ節の腫 脹 動揺度 M EBE を説明し 残存の可 能性を説明する. 一般既往歴:特記事項なし 現病歴:1982年頃 某歯科医院にて 6 のう 治療 を受け 1991年頃 根管治療を行うも仕事の関係上 通院せずとのことであるが詳細は不明である 2日前 より 6 の疼痛と周囲組織と右下顎リンパ節の腫脹の ため当医院へ来院した 骨格系Ⅰ級 現 症:6 根尖部と頰側根周囲に X 線透過像を認 め 歯髄反応(−) 咬合痛(++) 誘発痛(++) 歯肉の発赤(++) 腫脹(++) また 6 のプロー ビング時に出血と排膿を認めプロービングデプスは頰 側 岐部 10mm 舌側 6mm であり 動揺度は M で あった また 歯周ポケット部に歯石やセメント質の 剥離は認められなかった 当医院における臨床診断名:歯周―歯内病変の 類 Ⅰ型の陳旧性 根管治療の既往はあるものの 近遠心 根の根吸収もしくは未完成歯の状態で膿瘍形成をした のかは不明であるが 遠心根管の成長狭窄は認められ ず 根尖孔の閉鎖はなかった(図 6) 治療経過:1回 目;1992年 2月 7日 6 の 根 管 治 療 6 周囲歯肉組織の腫脹により切開排膿させる 根 管内を滅菌水で洗浄するが根管内よりの排膿は認めら れなかった 歯周ポケットをアクリノールで洗浄 抗 生物質(サワシリン 250mg×3/日 4日 )と消炎鎮 痛剤(ボルタレン 25mg・疼痛時服用)の投与 EBD:Evidence based dentistryの説明には根管治 療を行うが根尖部膿胞が大きく しかも陳旧化してい るために予後不良となることが多く 抜歯となる可能 性が強い しかし 患者が 21歳と若く自己修復力に富 んでいることによるわずかな可能性を えて 根管治 療を行うことを説明し 了解を得る 2回目;1992年 2月 10日 6 の根管治療 咬合痛.
(4) 日歯内療誌. 図. 図. 23(1):61∼68 2002. 年 月 日 臨床症状の改善を認 めたが 滲出液が止まらず ObturationGutta で意図的に過根充を行い Obturation-Gatta の自然排出を伝える この 後 カ月で自然排出する. 年 月 日 予後約 カ月 根尖 孔付近の舌側骨の再生を認め 動揺 違 和感や臨床症状はすでに消失. (−) 誘発痛(+) 歯肉の発赤(+) 腫脹(+) 動 揺度 (M ) 根管形成後 電気的根管長測定 歯周ポケッ トを滅菌水で洗浄 3% H O で洗浄後 Ca(OH) の 貼薬 ZOE 仮封 3回目;1992年 2月 14日 6 の根管充塡(図 7) 咬合痛(−) 誘発痛 (−) 歯肉の発赤 (−) 腫脹(−) 動揺度(M ) ラバーダム防湿 No.50まで手用ファ イルで根管形成を行い 根尖部の最終形成時に位相差 顕微鏡にて象牙質削片に付着する細菌の確認(++) 3% H O で洗浄後 滅菌水で洗浄 根管内をエンドサ クションで乾燥後 オブチュレーションガッタを軟化 させ T.L.C.Brasseler にて根管充塡 再度 EBD を行 い 再び 6 の腫脹を惹起するようであれば外科処置を 行うことを確約する メタルコアー形成・印象採得後 仮封 予 後:1992年 2月 17日 特記すべき臨床症状な. 図. 年 月 日 予後約 カ月 年 当時と比べてさほど根尖周囲骨の改善は 認められないが 臨床症状とポケットは 舌側 mm 頰側 mm. 図. 年 月 日 予後約 カ月 舌 側骨は正常な骨再 を認めるが 頰側骨 の再生が十 ではなく ポケットは舌側 mm 頰側 mm 遠心根の内部吸収様 の像をわずかに認めるが 年と比較 して根尖周囲骨の再生が進んでいる 問 診では結婚して家 料理による食生活 の改善と嗜好品を減らしたとのこと. し メタルコアー装着後 クラウン形成と印象採得後 テンポラリークラウン装着 1992年 2月 27日 特記すべき臨床症状なし メタル クラウン装着 1994年 3月 21日 6 根管充塡後 24カ月(図 8) オーバーフィリングしたオブチュレーションガッタは 根充後約 1カ月でほとんど痛みを伴うことなく自然排 出したとのこと 根尖部 X 線透過像は消失傾向にある も 根 岐部の X 線透過像は残る 6 の近遠心歯周ポ ケットは 3mm と良好であるが頰舌的な歯周ポケッ トは頰側 岐部 6mm 舌側 岐部 5mm 付着歯肉の 再生を認めた.
(5) 下顎大臼歯の歯内―歯周病変Ⅰ型の根管治療. 症例. 図. 初診: 年 月 日 歳 男性 の根尖部および左顎下リンパ節の腫 脹 動揺度 M EBE を説明し 残存の 可能性を説明する. 1998年 9月 4日 6 根管充塡後 79カ月(図 9) 根尖部 X 線透過像は消失傾向にあるも 根 岐部の X 線透過像は残る 6 の近遠心歯周ポケットは 3mm と 良好であるが頰舌的な歯周ポケットは頰側 岐部 4 mm 舌側 岐部 3mm であり 付着歯肉の再生を認め た 2001年 6月 18日 6 根管充塡後 112カ月 (図 10) 根 岐部の X 線透過像は残るが 6 の近遠心歯周ポ ケットは 3mm と良好であり 頰舌的な歯周ポケット は頰側 岐部 3mm 舌側 岐部 2mm と改善し 付着 歯肉の再生は良好である 今後 さらに予後経過を重 ね 岐部の骨の改善がなければ 歯周外科再 手術 を施す予定である 症例 患 者:31歳 男性 初 診:1984年 4月 10日 主 訴:左下顎第二大臼歯部の腫脹と疼痛 一般既往歴:特記事項なし 現病歴:1978年頃 某歯科医院にて 7 の根管治療 を受けたが詳細は不明である 7 の急性転化により咬 合時疼痛と左下顎リンパ節の腫脹 6 の打診痛にて当 医院へ来院した 現 症:7 近遠心根尖周囲から 岐部と遠心根に かけて X 線透過像を認め 歯髄反応(−) 咬合痛 (++) 誘 発 痛(++) 歯 肉 の 発 赤(++) 腫 脹 (+++) 動揺度(M ) また 7 のプロービング時 に出血と排膿を認めプロービングデプスは遠心根 12 mm 頰側 岐部は 8mm 他は 3mm であり 歯周ポ ケット部に歯石やセメント質の剥離は認められなかっ た 6 の根尖周囲から 岐部にかけて X 線透過像を 認め 歯髄反応(−) 咬合痛(+) 誘発痛(+) 歯. 図. 年 月 日 動揺度 M EBD を説明し 残存の可能性を説明する. 肉の発赤(−) 腫脹(−) 動揺度(M ) プロービン グデプスは頰側 岐部 4mm 他は 3mm であった 当医院における臨床診断名:7 歯周―歯内病変の 類Ⅰ型 6 急性根尖性歯周膿瘍 根管治療後数年経 過し 咬合性外傷から移行したものか 歯周―歯内病 変の 類Ⅰ型からⅢ型の合併症であるかは不明であ る 骨格系Ⅰ級 側方運動時の 7 への咬頭干渉が認め られた(図 11) 治療経過:1回目;1984年 4月 10日 67 の根管 治療 6 メタルクラウンを除去後 ポストコアー除去 近心舌側の根管開口部 岐部寄りに No.30程度の穿 孔部を確認 ポリープの形成を認め 触診で微出血を 認めたため 麻酔後電気メスでポリープの除去 止血 後 Ca(OH) 貼薬 仮封 7 メタルクラウンを除去 後 根管充塡物の除去 通法どおりに根管治療を行う 7 は根管内を滅菌水で洗浄するが根管内と遠心ポ ケットより排膿を認めたので開放にした 抗生物質(ケ フレックス 250mg×6/日 4日 )と消炎鎮痛剤(ボ ルタレン 25mg・疼痛時服用)の投与 2回目;1984年 4月 13日 67 の根管治療 7 は 咬合痛(−) 誘発痛(++) 歯肉の発赤(+) 腫脹 (++) 動揺度 (M ) 根管形成後 根管長測定 (図 12) 歯周ポケットを滅菌水で洗浄 仮封 7 の遠心歯周ポ ケットから滲出液を採取し 九州微生物研究所へ同定 依頼を行う 6 は滅菌水で洗浄後 Ca(OH) 貼薬 仮 封 3回目;1984年 4月 19日 7 根管充塡 6 の根管 治療 7 は咬合痛 (−) 誘発痛(+) 歯肉の発赤 (+) 腫脹(−) 動揺度(M ) 細菌の同定結果は Bacteroides を抽出 No.70まで手用ファイルで根管形成を 行い 滅菌水で洗浄 根管充塡 (図 13) スクリューポ スト装着後 咬頭干渉をしない状態で放置 6 は滅菌 水で洗浄後 Ca(OH) 貼薬 仮封.
(6) 日歯内療誌. 図. 図. 23(1):61∼68 2002. 年. 月. 日. 図. 年 月 日 善をみる. 歯周ポケットの改. 図. 年 月 日 の根管充塡後 カ月 遠心歯周ポケットは mm 左下 の 遠 心 根 尖 よ り 溢 出 し た Obturation-Gatta は吸収し 頰舌側 岐部の 歯周ポケットは mm と良好である. 根管充塡. 年 月 日 の遠心歯周ポ ケットと根尖病変の縮小を認める. 4回目;1984年 10月 19日 7 予後 6カ月 6 の根 管充塡 咬合痛(−) 誘発痛(−) 歯肉の発赤(−) 腫脹(−) 動揺度(M ) ラバーダム防湿 近心舌側 根管開口部 岐部寄りの穿孔部の石灰化様を確認し 近心根は根尖部の閉鎖を確認 遠心根を No.50まで手 用ファイルで根管形成を行い H O で洗浄し滅菌水で 洗浄 根管内をエンドサクションで乾燥後 根尖部の 最終形成時に位相差顕微鏡にて象牙質削片に付着する 球菌類の確認(+) 根尖側のみ ̈ Ostby処方の 15% EDTA を 2 間作用 滅菌水で洗浄 根管内アスピ レーターで乾燥後 オブチュレーションガッタを軟化 させ T.L.C. Brasseler にて根管長まで根管充塡後 プラガーで垂直加圧を行った スクリューポスト装着・印象採得後 67 テンポラ リークラウン仮着 予 後:1984年 12月 20日 特記すべき臨床症状な し クラウン形成と印象採得後 テンポラリークラウ ン装着(図 14). 1984年 12月 29日 特記すべき臨床症状なし メタ ルクラウン装着 1985年 6月 7日 7 根管充塡後約 14カ月 6 の根 管充塡後約 8カ月 特記すべき臨床症状なし 根尖部 および 岐部の X 根線透過像は縮小傾向にあり 7 の遠心歯周ポケットは 3mm と良好である(図 15) 1993年 2月 5日 7 の根管充塡後 106カ月 遠心歯 周ポケットは 3mm 特記すべき臨床症状なし 6 の 遠心根尖より溢出したオブチュレーションガッタは吸 収し 頰舌側 岐部の歯周ポケットは 3mm と良好で ある(図 16). 察 歯周―歯内疾患の原因には咬頭嵌合位と中心咬合位 の不一致や咀嚼運動 嚥下時による咬頭干渉と歯周ポ ケットと根管に 通した側枝に存在する細菌叢 に起 因することが多く 大臼歯 岐部の 27.4%に副根管が.
(7) 下顎大臼歯の歯内―歯周病変Ⅰ型の根管治療. 認められる との報告もある Lewis や Bergenholtz らは急性の歯周―歯内腫瘍 形成部には歯周炎の細菌叢に類似した多種の細菌が存 在し Bacteroides Peptococcus Eubacterium Peptostreptococcus は根管充塡歯の根尖部透過像所見例で 50%以上みられたと報告され 島内ら は一度急性膿 瘍を生じた根管からは Bacteroides 属の偏性嫌気性菌 が検出されるとしている また 本 も臨床症状と根 管内細菌を嫌気グローブボックス内で嫌気培養を行っ た結 果 Bacteroides 属 が 急 性 症 状 を 伴 う 症 例 か ら 100%検 出 さ れ 化 膿 性 滲 出 液 を 有 す る 症 例 で は Bacteroides 属の検出率は 100%であり 根尖病変が 5 mm 以上であれば 81%から検出されたと述べている とおりに 症例 3においては九州微生物研究所で細菌 検査した結果 Bacteroides を検出したが 検査以降急 性転化は起こらなかった 慢性炎症の急性転化に際しては IgE と肥満細胞が 主体となるⅠ型アレルギー反応と抗原抗体結合物と多 形核白血球によるⅢ型アレルギー反応の関与 が示唆 される また 興地ら は根尖性歯周炎において NO 産生系が根尖病変部のサイトカイン・ネットワークが 作動し 免疫応答の調節や歯槽骨吸収機構に関与する マクロファージ 好中球などの炎症性細胞が iNOS 誘 導を介して 過剰な NO を産生する可能性があると えている また NO は低濃度で IL-1による骨吸収を 促進し 高濃度では骨吸収を抑制する と 察してい る 安孫子 らは各年代のヒトから採取して継代培養 した細胞を用いて老化に伴って起こる歯周組織の病態 変化を観察した 10代の歯列矯正要抜歯者の歯肉と歯 根膜を採取し 継代培養をつづけ in vitro 老化細胞を 作成し 歯肉細胞には歯周病原菌の内毒素であるリポ 多糖を作用させ 歯根膜細胞に Flexer-Strain Unit で 周期的伸展力を加えた結果 若い細胞より老化細胞が PGE や IL-1βを著明に多く産生し 同時に老化細胞 は IL-6やプラスミノーゲンも多く産生していると報 告した さらに ラットによる in vivo の老化細胞実験 でも若い細胞に比べて著明に多くの炎症メディエー ターや骨吸収促進因子を産生したと報告しているよう に歯内―歯周病変にはインターロイキンやプロスタグ ランディンの関与が大きいと える 本症例はいずれも歯周―歯内治療のⅠ型に属し 20∼30代の比較的若い 3年から 10年の予後を追った 症例である 歯周組織病変は歯内由来の合併症 歯周由来の疑似 合併症 合併症か迷った場合は歯髄失活があれば歯内 療法を行い経過観察をみることも必要である 島内 は根管治療に際してⅠ型における歯周ポケットは排膿 路であり 根充後 歯周治療後の付着歯肉形成に要す. る時間は約 1カ月を要するので 経過観察を行うとし ている 小林 は歯外療法の対象となる根尖周囲組織 の診断を根尖病巣をもつ再治療歯 X 線透過像が大き く陳旧性の症例 根尖孔が大きな歯の根尖病巣 排膿 が止まらない症例 打診痛を長期に持続する症例とし ている 症例 2のように 根尖部や頰側骨の骨壁がなく肉芽 組織に被われて瘻孔が存在する場合で 根管充塡の時 期は滲出液が多少あっても咬合痛 誘発痛等の疼痛が なければ根管充塡は可能である 根管充塡後 1∼2カ月 内に極度の疼痛や腫脹等の急性炎症症状が出ず 違和 感程度の症状であれば 歯外療法を施すことなく溢出 したガッタパーチャは瘻孔を通じて排出するので 患 者にそのことを伝えてテンポラリークラウンまで治療 を進めておく 診断がつきにくい歯周―歯内治療において予後を左 右する因子の歯根の亀裂 歯内歯の治療 全身疾患に 関連した病巣内滲出液や肉牙組織中の Ca 濃度の上昇 に伴う根尖部の石灰沈着 や咬合性外傷に起因するセ メント質剥離 の治療においては第一に保存的治療を 選択し 予後不良の場合のみに歯根端切除や逆根充な どの外科的処置ならびに歯周組織再生療法の併用を 慮する必要があることも 付け加えておきたい 文. 献. 1) Rateitschak,K.H.,Rateischak,E.M.,Wolf,H. F. and Hassell, T.M.:Color Atlas of Dental Medicine 1, Periodontology. 311∼313, Thieme Medical Publishers Inc., New York, 1989. 2) 加藤 :最新歯周病学 医歯薬出版 東京 1994 3) Cohen, S. and Burns, R.C.:Periodontal-endodontic treatment, 3rd ed. Pathways of the pulp, Mosbby:597∼599, 1984. 4) 小 林 千 尋:歯 外 療 法 の す す め 日 歯 内 療 誌 18(1):6∼11 1997 5) Camps, J., Lambruschini, G.M .:Obturation of lateral canals: necessary therapy or radiological satisfaction, Rev Fr Endod J, 10(2):19∼26, 1991. 6) Gutmann, J.L.:Prevalence, location and patency of accessory canals in the furcationn region of permanent molars., J. Periodontol., 49:21∼26, 1978. 7) Lewis, M .A.O., M acFarlane, T.W. and McGowan, D.A.:A microbiological and clinical review of the acute dentoalveolar abscess. Br. J. Oral Maxillofac. Surg., 28:359∼366, 1990..
(8) 日歯内療誌. 23(1):61∼68 2002. 8) Bergenholtz, G. and hasselgren, G: Endodontics and periodontics. In:Lindhe J, Karring T, Lang NP, eds. Clinical Periodontology and Implant Dentistry, 3rd ed.296∼331,Copenhagen, munksgaard., 1997. 9) 島内英俊 岡田 宏:根管治療の術後成績を左右 する因子―根尖性歯周炎の病態をどうとらえる か 日歯内療誌 16(2):159∼167 1995 10) 本 享:根尖性周囲組織炎の臨床経過と根管内 嫌気性菌の動態 愛院大歯誌 26:7∼31 1988 11) 庄司 茂:歯周疾患 外傷性咬合はどのように関 与するのか? 日歯内療誌 16(1):131∼134 1995 12) 興地隆 川島伸之 鈴木則元 須田英明:歯髄 一酸化窒素の役割 現代歯内療法の診断科学 40∼47 クインテッセンス 1999 13) Ralston,S.H.,Ho,L.P.,Helfrich,M.H.,Grabowski, P.S., Johnston, P.W. and Benjamin, N.:Nitric oxide:a cytokine-induced regula-. tor of bone resporption. J. Bone Mineral Res., 10:1040∼1049, 1995. 14) 安孫子宜光:歯科医学とバイオテクノロジー PFA 誌 No(3):47∼58 1998 15) 島内英俊:歯内―歯周疾患の診断と治療の え 方 日歯内療誌 21(2):187∼190 2000 16) 宮 豊 岡田良平 庄司 茂:歯内歯における 保存的歯内療法 日歯内療誌 16(1):74∼78 1995 17) 戸村二郎 小林千尋 須田英明:根尖歯石の話 日歯内療誌 18(1):52∼56 1997 18) 丸森英 他:セメント質剥離の臨床像と 察 ―歯 周 病 の 一 因 と し て 歯 界 展 望 97(6): 1173∼1198 2001 著者連絡先:大久保厚司 日宇歯科・矯正歯科 〒 857-1151 佐世保市日宇町 695-6 大久保第 2ビル 2F.
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