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特殊線形リー環から現れる放物型概均質ベクトル空間の基本定理について (等質空間と非可換調和解析)

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(1)

特殊線形リー環から現れる放物型概均質ベクトル空間の基本定理について

(Fundamental

theorem

for

prehomogeneous

vector spaces

of

parabolic

type

arising from special

linear

Lie

algebras)

杉山 和成

(Kazunari Sugiyama)

千葉工業大学数学教室

(Chiba

Institute

of

Technology)

email:

[email protected]

1

概均質ベクトル空間の基本定理とは,相対不変式の複素べきのフーリエ変換が再び

(

双対概均質

ベクトル空間の

)

相対不変式の複素べきになる,という主張であり,この基本定理をもとに概均質

ベクトル空間のゼータ関数の関数等式が証明される.本稿では,特殊線形リー環から現れる放物型

概均質ベクトル空間に対する基本定理について考察する.基本定理は,関数等式が存在することは

示すが,その関数等式が具体的にどのような形をしているかは個々の例に応じて計算しなければな

らない.さて一方,放物型概均質ベクトル空間とは,次のようなものである

(Rubenthaler

[4]).

一般に,

$G$

を半単純代数群で,そのリー環

$g$

に次数

$g=\oplus_{k}g_{k}$

がついているとする.

Go

$\emptyset 0$

に対応する

G の連結な部分代数群とすると,

GO

は各翫に随伴表現により作用する.このと

き,

$\mathfrak{g}_{k}(k\neq 0)$

は有限個の

Go-

軌道に分かれ,特に概均質ベクトル空間である.

(Go,

$g_{k}$

)

は別

の群

$G’$

での

$((G’)_{0}, (g’)_{1})$

と同型になる.

(Go,

$\mathfrak{g}_{1}$

)

を放物型概均質ベクトル空間という.また,

$g=9-1\oplus$

go

$\oplus g_{1}$

となるとき,可換放物型概均質ベクトル空間という.可換放物型の正則概均質

ベクトル空間については,フーリエ変換の明示的な形が計算されており,表現論との関連も調べら

れている.本稿では,非可換な場合についての計算例を一つ与える.この計算方法は,特殊線形

リー環から現れる放物型正則概均質ベクトル空間のフーリエ変換についてはすべての場合について

適用できる.しかしながら,このクラスに含まれる空間の数は膨大であり,計算結果の統一的な記

述がのぞまれる.

2

可換な場合

はじめに,可換な場合の計算について復習する.

$G=SL_{2n}(\mathbb{C}),$ $g=\mathfrak{s}\mathfrak{l}_{2n}(\mathbb{C})$

として,

$g$

の次数

づけ

$g=g_{-1}\oplus g_{0}\oplus g_{1}$

$g=(\frac{g_{0}1g_{1}}{g_{-1}|g_{0}})$ $\}n\}n$

により与える.このとき,放物型概均質ベクトル空間

$(G_{0}, g_{1})$

は,次のように与えられる.

(2)

であり,作用は

$g=(g_{1}, g_{2})\in$

Go,

$x\in g_{1}$

に対して,

$g\cdot x=g_{1}xg_{2}^{-1}$

で与えられる.以後,通常の記号通り,

$G:=$

Go,

$V:=g_{1}$

とかく.

$P(x)=\det x$

,

$S=\{x\in$

$V$

;

$P(x)=0\}$

とおけば,

$V-S=G\cdot I_{n}$

であるから,

$(G, V)$

は正則概均質ベクトル空間である.

$\langle x,$$y\rangle=$

tr

$t_{Xy}$

により

$V$

$V^{*}$

を同一視すると,

$P^{*}=P$

となる.

数学の歩み

[5]

にしたがって,

$|P(x)|^{s}=|\det x|^{s}$

のフーリエ変換を計算してみる.

$G_{\mathbb{R}}^{+}$

$G_{\mathbb{R}}$

単位連結成分とし,

$V_{1}=\{x\in V_{\mathbb{R}};P(x)>0\}$

,

$V_{2}=\{x\in V_{\mathbb{R}};P(x)<0\}$

とおくと,

$V_{\mathbb{R}}-S_{\mathbb{R}}=V_{1}\cup$

巧が

$G_{\mathbb{R}}^{+}$

-軌道分解である.

$b(s)$

$P(x)=\det x$

$b$

-関数,すなわち

$P( \frac{\partial}{\partial x})P(x)^{s+1}=b(s)P(x)^{\epsilon}$

をみたす

$s$

の多項式とする.このとき,

$b(s)= \prod_{i=1}^{n}(s+i)$

となることが知られている.そして,

$\gamma(s)=\prod_{i=1}^{n}\Gamma(s+i)$

とおく.また,

$S(V_{\mathbb{R}})$

を服上の急減少関数の作る空間として,

$f\in S(V_{\mathbb{R}})$

に対してフーリエ変換

$\hat{f}$

$\hat{f}(y)=\int_{V_{R}}f(x)\exp(2\pi\sqrt{-1}\langle x, y\rangle)dx$

により定める.このとき,概均質ベクトル空間の基本定理

(Sato-Shintani

[6], [7])

より

(2.1)

$\int_{V_{l}}|\det y|^{s-n}\cdot\hat{f}(y)dy=\gamma(s-n)\sum_{j=1}^{2}(2\pi)^{-ns.\frac{\pi--}{2}n\theta}e\cdot\epsilon_{ij}(s)t_{ij}(s)\int_{V}\dot,|\det x|^{-s}f(x)dx$

という等式が成立する.但し,

$\epsilon_{ij}(s)$

$(\epsilon_{ij}(s))=(_{e^{-\pi\sqrt{-1}s}}1$ $e^{-\pi_{1}\sqrt{-1}s})$

であり,

$t_{ij}(s)$

$e^{-2\pi}$

V ⊂丁

$s$

の多項式である.したがって,

$t_{ij}(s)$

の具体形を求めれば,フーリエ

変換の具体形がわかったということになる.

さて,

$\epsilon_{0}=$

diag

$(-1,1, \ldots, 1)$

とおけば,

(2.2)

$\epsilon_{0}V_{1}=V_{2}$

,

$\epsilon_{0}V_{2}=V_{1}$

で,

$f_{\mathcal{E}\text{。}}(x)=f(\epsilon_{0}x)$

とすると,

$\hat{f_{\epsilon_{0}}}(y)=\int_{V_{R}}f(\epsilon_{0}x)e^{2\pi\sqrt{-1}\langle x,y\rangle}dx=(\hat{f})_{\epsilon_{0}}(y)$

であり,さらに,

(3)

同様に,

$F_{2}(s, f_{\epsilon_{0}})=F_{1}(s, f)$

である.したがって,

$c_{ij}(s)=(2\pi)^{-ns}$

.

$e \frac{\pi--}{2}s$

.

$\epsilon_{ij}(s)t_{ij}(s)$

,

$C(s)=(c_{ij}(s))$

とおくと,

$C(s)(\begin{array}{ll}0 l1 0\end{array})=(\begin{array}{ll}0 11 0\end{array})C(s)$

となるので,

$c_{11}(s)=c_{22}(s)$

および

$c_{12}(s)=c_{21}(s)$

となることが分かる.これより,

$t_{11}(s)=$

$t_{22}(s)$

および

$t_{12}(s)=t_{21}(s)$

も分かる.

一方で,

$\det x$

について

(2.3)

$\int_{M_{n}(\mathbb{R})}|\det x|^{s}e^{-\pi tr{}^{t}xx}dx=\pi^{\frac{-ns}{2}}\prod_{j=1}^{n}\frac{\Gamma((s+j)/2)}{\Gamma(j/2)}$

が成り立つことは良く知られている.そうすると,

$s\mapsto s-n$

として

$\int_{V_{i}}|\det y|^{s-n}e^{-\pi tr^{t}yy}dy=\frac{1}{2}\cdot\pi^{\frac{n^{2}}{2}-\frac{\epsilon n}{2}}\cdot\prod_{j=0}^{n-1}\frac{\Gamma((s-j)/2)}{\Gamma((j+1)/2)}$

となる.

$\frac{1}{2}$

$\int_{M_{n}(\mathbb{R})}=\int_{V_{1}}+\int_{V_{2}}$

ということから来る.

$e^{\overline{-\pi tr^{t}y}y}=e^{-\pi}$

tr

${}^{t}yy$

に注意すると,

(2.1)

から

$\pi^{\frac{n^{2}}{2}-\frac{n\epsilon}{2}}\prod_{j=0}^{n-1}\Gamma(\frac{s-j}{2})=\pi^{\frac{n\epsilon}{2}}\prod_{j=0}^{n-1}\Gamma(\frac{-s+j+1}{2})\gamma(s-n)\cdot(c_{11}(s)+c_{12}(s))$

を得る.ここで,

$\prod_{j=0}^{n-1}\Gamma(\frac{s-j}{2})\cdot\gamma(s-n)^{-1}=2^{n(1-s)}\cdot 2^{\frac{n(n-1)}{2}}\cdot\pi^{\frac{n}{2}}\cdot\prod_{j=0}^{n-1}\Gamma(\frac{s-j+1}{2})^{-1}$

,

$\prod_{j=0}^{n-1}\Gamma(\frac{s-j+1}{2})^{-1}\cdot\Gamma(\frac{-s+j+1}{2})^{-1}=\prod_{j=0}^{n-1}\pi^{-1}\cdot s.n\pi(\frac{s-j+1}{2})$

に注意すると,

$c_{11}(s)+c_{12}(s)=(2 \pi)^{-ns}\cdot(2\pi)^{\frac{n(n-1)}{2}}\cdot 2^{n}\cdot\sin\frac{\pi(s+1)}{2}\cdots\sin\frac{\pi(s-n+2)}{2}$

.

これから

$\epsilon_{ij}(s)$

の結果を使って,

$t_{ij}(s)$

の関係にもどすと,

$e^{\frac{\pi--}{2}sn}(t_{11}(s)+e^{-\pi\sqrt{-1}s}t_{12}(s))=(2 \pi)^{\frac{n(n-1)}{2}}\cdot 2^{n}\cdot\sin\frac{\pi(s+1)}{2}\cdots\sin\frac{\pi(s-n+2)}{2}$

.

$t_{ij}(s)$

$e^{-2\pi\sqrt{-1}s}$

の多項式であることに注意すると,上の関係式で

$s\mapsto s-1$

とすることにより,

$e^{\frac{\pi\sqrt{}\urcorner_{-}}{2}sn}(t_{11}(s)-e^{-\pi\sqrt{-1}s}t_{12}(s))=(2\pi)^{\frac{n(n-1)}{2}}$

.

$2^{n} \cdot(\sqrt{-1})^{n}\sin\frac{\pi s}{2}\cdots\sin\frac{\pi(s-n+1)}{2}$

.

(4)

以上をまとめて,

$t_{11}(s)=e^{-\frac{\pi\int-\urcorner}{2}sn} \cdot(2\pi)^{\frac{n(n-1)}{2}}\cdot 2^{n-1}\{\cos\frac{\pi s}{2}\cdots\cos\frac{\pi(s-n+1)}{2}$

$+( \sqrt{-1})^{n}\sin\frac{\pi s}{2}$

. . .

$\sin\frac{\pi(s-n+1)}{2}\}$ $=t_{22}(s)$

,

$t_{12}(s)=e^{-\frac{\pi\sqrt{}-\urcorner}{2}s(n-2)} \cdot(2\pi)^{\frac{n(n-1)}{2}}\cdot 2^{n-1}\{\cos\frac{\pi s}{2}\cdots\cos\frac{\pi(s-n+1)}{2}$

$-( \sqrt{-1})^{n}\sin\frac{\pi s}{2}\cdots\sin\frac{\pi(s-n+1)}{2}\}$

$=t_{21}(s)$

が得られ,

(2.1) に現れる量がすべて計算できた.

3

以上の計算を要約.一般化する

以上の計算を一般化してみよう.三つ組

$(G, \rho, V)$

が次の条件を満たしているとする.

(Al)

$(c_{\rho)}V)$

は実数体

$\mathbb{R}$

上定義された簡約可能概均質ベクトル空間である.

(A2)

$(G, \rho, V)$

の既約相対不変式

$P(x)$

は定数倍を除いてただ一つにきまり,

$S=\{x\in$

$V;P(x)=0\}$

とおくと服一

$S_{\mathbb{R}}$

は単一の

$G_{\mathbb{R}}$

-

軌道である.

(A3)

$P(x)$

multiplicity

free, すなわち

$P(x)= \sum_{1\leq j_{1}<\cdots<j_{d}\leq n}a_{j_{1},\ldots,j_{d}}x_{j_{1}}\cdots x_{j_{d}}$

という形をしている

$($

ここで,

$n=\dim V,$ $d=\deg P)$

.

仮定

(A2)

から

$(G, \rho, V)$

は正則概均質ベクトル空間になる.

$P(x)$

$b$

-

関数

$b(s)= \prod_{i}(s+\alpha_{i})$

対して,

$\gamma(s)=\prod_{i}\Gamma(s+\alpha_{i})$

とおく.

$V_{1}=\{x\in V_{\mathbb{R};}P(x)>0\},$ $V_{2}=\{x\in V_{\mathbb{R};}P(x)<0\}$

すると,

$V_{\mathbb{R}}-S_{R}=V_{1}\cup V_{2}$

$G_{R}^{+}$

-

軌道分解になる.アスタリスク

$*$

をつけて双対概均質ベクトル

空間に対応するものを表わす.

このとき,概均質ベクトル空間の基本定理より,

$\int_{V_{\mathfrak{i}}}$

.

$|P^{*}(y)|^{s^{n}}- \partial\hat{f}(y)dy=\gamma(s-\frac{n}{d})\sum_{j=1}^{2}c_{ij}(s)\cdot\int_{V_{j}}|P(v)|^{-s}f(v)dv$

という形の等式が存在する.ただし,

$c_{ij}(s)=(2\pi)e\cdot\epsilon_{ij}(s)t_{ij}(s)$

,

$\epsilon_{ij}(s)$

は先程と全く同じで,

$t_{tj}(s)$

$e^{-2\pi\sqrt{-1}s}$

の多項式である.仮定

(A2)

より,

$c_{11}(s)=$

(5)

に,

(23)

を一般化した積分公式

$\int_{V_{R}}|P(x)|^{s}e^{-\pi tr{}^{t}xx}dx=\pi^{-\frac{d\epsilon}{2}}\prod_{i=1}^{d}\frac{\Gamma(\frac{s+\alpha}{2})}{\Gamma(\frac{\alpha}{2}i)}$

が成り立つ

(

ここで,仮定 (A3)

が必要になる.詳細は

Igusa[2]

を参照

).

以上により,前節と同

じ計算方法が適用できて,

$t_{11}(s)=e^{-\frac{\pi--}{2}ds} \cdot(2\pi)^{\frac{n-d}{2}}\cdot 2^{d-1}\{\prod_{i=1}^{d}\cos\pi(\frac{s+1-\alpha_{i}}{2})+(\sqrt{-1})^{n}\prod_{i=1}^{d}\sin\pi(\frac{s+1-\alpha_{i}}{2})\}$

$=t_{22}(s)$

,

$t_{12}(s)=e^{-\frac{\pi--}{2}s(d-2)}\cdot(2\pi)^{\frac{n-d}{2}}$

.

$2^{d-1} \{\prod_{i=1}^{d}\cos\pi(\frac{s+1-\alpha_{i}}{2})-(\sqrt{-1})^{n}\prod_{i=1}^{d}\sin\pi(\frac{s+1-\alpha_{i}}{2})\}$ $=t_{21}(s)$

が得られる.なお,既約概均質ベクトル空間のうち,仮定

(Al)

から

(A3)

までをみたすものにつ

いては,[2]

において分類されている.

4

非可換な場合の計算例

$n_{2}>n_{1}\geq 1$

として,

$N=2n_{1}+2n_{2}$

とする.

$G=SL_{N}(\mathbb{C}),$ $g=\epsilon 1_{N}(\mathbb{C})$

とおき,次数づけを

$g=(\begin{array}{llll}9o g_{1} g_{2} \mathfrak{g}_{3}\emptyset-1 g_{0} g_{1} \mathfrak{g}_{2}g_{-2} g_{-1} 9o \mathfrak{g}_{1}9-3 9-2 9-1 g_{0}\end{array})$ $\}n_{1}\}n_{2}\}n_{2}\}n1$

により与える.このとき,

(Go,

$g_{1}$

)

$\cong(GL(n_{1})\cross GL(n_{2})\cross GL(n_{2})\cross. SL(n_{1}), M(n_{2}, n_{1})\oplus M(n_{2}, n_{2})\oplus M(n_{1}, n_{2}))$

であり,作用は次のように与えられる.

$g=(g_{1}, g_{2}, g_{3}, g_{4})\in G_{0},$$v=(X_{1}, X_{2}, X_{3})\in g_{1}$

のとき,

$g\cdot v=(g_{2}X_{1}g_{1}^{-1}, g_{3}X_{2}g_{2}^{-1}, g_{4}X_{3}g_{3}^{-1})$

.

以後,

$G:=$

Go,

$V:=g_{1}$

とあらわす.

基本相対不変式は 2 つあり,

$P_{1}(v)=\det(X_{3}X_{2}X_{1})$

,

$P_{2}(v)=\det X_{2}$

.

次数はそれぞれ

$d_{1}=3n_{1},$ $d_{2}=n_{2}$

である.

$\underline{d}=(d_{1}, d_{2})=(3n_{1}, n_{2})$

とおく.

(

このようにして,

(6)

以後はアンダーラインをつけることにより多重変数などをあらわす.

) 賑の

$G_{\mathbb{R}}^{+}$

-軌道分解は,

$V_{\mathbb{R}}-S_{\mathbb{R}}$ $=$

Vl

$\cup$

V ろ

$\cup V_{3}\cup V_{4}$

,

$V_{1}=\{v\in V_{\mathbb{R}}$

;

sgn

$P_{1}(v)=+$

,

sgn

$P_{2}(v)=+\}$

,

$V_{2}=\{v\in V_{\mathbb{R}}$

;

sgn

$P_{1}(v)=+$

,

sgn

$P_{2}(v)=-\}$

,

$V_{3}=\{v\in V_{\mathbb{R}}$

;

sgn

$P_{1}(v)=-$

,

sgn

$P_{2}(v)=+\}$

,

$V_{4}=\{v\in V_{\mathbb{R}}$

;

sgn

$P_{1}(v)=-$

,

sgn

$P_{2}(v)=-\}$

,

により与えられる.特に,

$(G, V)$

は正則概均質ベクトル空間になる.なお,どのような分割

(今の

場合でいえば,

$N=n_{1}+n_{2}+n_{2}+n_{1}$

)

に対応する概均質ベクトル空間が正則になるかというの

は簡単には記述できない

(Mortajine

[3]

を参照

).

さて一般に,多変数の場合の基本定理は次のようになる.

$\int_{V_{:}}$

.

$|P^{*}(v^{*})|^{\underline{\epsilon}-\underline{\kappa}} \cdot\hat{f}(v^{*})dv^{*}=\gamma(\underline{s}-\underline{\kappa})\sum_{j=1}^{l}q_{j}(\underline{s})\cdot\int_{V_{j}}|P(v)|^{-\underline{s}}f(v)dv$ $(f\in S(V_{\mathbb{R}}))$

.

但し,

$c_{ij}( \underline{s})=(2\pi)^{-\underline{d}\cdot\underline{s}}\cdot\exp(\frac{\pi\sqrt{-1}}{2}\underline{d}\cdot\underline{s}$

$\epsilon_{ij}(\underline{s})t_{ij}(\underline{s})$

,

$\epsilon_{ij}(\underline{s})=\exp[-\frac{\pi\sqrt{-1}}{2}\sum_{\nu=1}^{r}s_{\nu}\cdot(1-\epsilon_{i}^{*}(P_{\nu}^{*})\epsilon_{j}(P_{\nu}))]$

である.ここで,

$\gamma(\underline{s})$

はひ関数から決まる量,

$r$

は基本相対不変式の個数,

$\epsilon_{i},$$\epsilon_{j}^{*}$

は符号により

$\pm 1$

をとる指標,

$t_{ij}(\underline{s})$

$\exp(-2\pi\sqrt{-1}s_{1}),$ $\ldots,$$\exp(-2\pi\sqrt{-1}s_{r})$

の多項式である.

我々の例の場合は,

$\underline{\kappa}=(n_{2}, n_{2}-n_{1})$

であり,卜関数を

$P^{\underline{m}}(\partial_{v})P^{\underline{s}+\underline{m}}(v)=b_{\underline{m}}(\underline{s})P^{\underline{s}}(v)$

により

定義すると,

$b_{\underline{m}}( \underline{s})=\{\prod_{k=1}^{n_{1}}[s_{1}+k]_{m_{1}}\cross[s_{1}+n_{2}-n_{1}+k]_{m_{1}}\}$ $\cross\{\prod_{k=1}^{n_{2}-n_{1}}[s_{2}+k]_{m_{2}}\}\cross\{\prod_{k=1}^{n_{1}}[s_{1}+s_{2}+n_{2}-n_{1}+k]_{m_{1}+m_{2}}\}$

となる

(Sugiyama

[8]

の結果を用いる

).

$[*]_{m}$

という記号は,

$[A]_{m}=A(A+1)\cdots(A+m-1)$

という意味である.すると

$\gamma(\underline{s})$

$\gamma(\underline{s})=\{\prod_{k=1}^{n_{1}}\Gamma(s_{1}+k)\Gamma(s_{1}+n_{2}-n_{1}+k)\}$ $\cross\{\prod_{k=1}^{n_{2}-n_{1}}\Gamma(s_{2}+k)\}\cross\{\prod_{k=1}^{n_{1}}\Gamma(s_{1}+s_{2}+n_{2}-n_{1}+k)\}$

(7)

と決まる.

$\epsilon_{ij}(\underline{s})$

$(\epsilon_{ij}(\underline{s}))=(_{e^{-}}e_{\pi\sqrt{1}(s_{1}+s_{2})}^{-\pi\sqrt{-1}s_{1}}e^{-\pi\sqrt{1}s_{2}}1$ $e_{e^{-\pi\sqrt{-1}s_{1}}}^{-\pi\sqrt{1}(s_{1}+s_{2})}e^{-\pi_{1}\sqrt{1}s_{2}}$ $e_{e^{-\pi\sqrt{-1}s_{2}}}^{-\pi\sqrt{1}(s_{1}+s_{2})}e^{-\pi_{1}\sqrt{1}s_{1}}$

$e_{e^{-\pi\sqrt{-1}s_{1}}}^{-\pi\sqrt{1}(s_{1}+s_{2})}e^{-\pi_{1}\sqrt{-1}s_{2)}}$

となる.あとは先程と同様に

$t_{ij}(\underline{s})$

を計算すればよい.

$(C(\underline{s}))=(c_{ij}(\underline{s}))$

とおくと,

$V_{\mathbb{R}}-S_{\mathbb{R}}$

が単

一の

$G_{\mathbb{R}}$

-

軌道であることより,第

2

節と同様の方法で

$C(\underline{s})(\begin{array}{llll}0 1 0 01 0 0 00 0 0 10 0 1 0\end{array})=(\begin{array}{llll}0 1 0 01 0 0 00 0 0 10 0 1 0\end{array})C(\underline{s})$

,

$C(\underline{s})(\begin{array}{llll}0 0 1 00 0 0 1l 0 0 00 1 0 0\end{array})=(\begin{array}{llll}0 0 1 00 0 0 11 0 0 00 1 0 0\end{array})C(\underline{s})$

であることが証明できる.したがって,

$t_{11}(\underline{s})=t_{22}(\underline{s})=t_{33}(\underline{s})=t_{44}(\underline{s})$

,

$t_{13}(\underline{s})=t_{24}(\underline{s})=t_{31}(\underline{s})=t_{42}(\underline{s})$

,

$t_{12}(\underline{s})=t_{21}(\underline{s})=t_{34}(\underline{s})=t_{43}(\underline{s})$

,

$t_{14}(\underline{s})=t_{23}(\underline{s})=t_{32}(\underline{s})=t_{41}(\underline{s})$

がわかり,結局,

$t_{11}$$(\underline{s})$

,

$t_{12}(\underline{s}),$$t_{13}(\underline{s}),$ $t_{14}(\underline{s})$

を計算すればよい.さて,

Igusa

[2]

の結果は天野

[1]

により一般化されており,それを用いると

$\int_{V_{R}}|P(v)|^{\underline{S}}$

.

$e^{-\pi}$

tr

$(^{t}vv)dv= \pi^{-\frac{3}{2}n_{1}s_{1}-\frac{1}{2}n_{2}s_{2}}\cross\prod^{n_{1}}\frac{\Gamma(\frac{s+k}{2})}{\Gamma(\frac{k}{2})}\cross\prod^{n_{1}}\frac{\Gamma(\frac{s+n-n+k}{2})}{\Gamma(^{n-}rightarrow^{n+k}2)}$ $k=1$ $k=1$

$\cross-n_{1}\prod^{n_{2}}\frac{\Gamma(R^{s\underline{+k}}2)}{\Gamma(\frac{k}{2})}\cross\prod^{n_{1}}\frac{\Gamma(\frac{s+s+n-n+k}{2})}{\Gamma(^{\infty^{n-n+k}}2)}$

$k=1$ $k=1$

と計算できる.そうすると,

$t_{11}(\underline{s})+e^{-\pi\sqrt{-1}s_{2}}t_{12}(\underline{s})+e^{-\pi\sqrt{-1}s_{1}}t_{21}(\underline{s})+e^{-\pi\sqrt{-1}(s_{1}+s_{2})}t_{22}(\underline{s})$

$=e^{-\frac{\pi--}{2}(3n_{1}s_{1}+n_{2}s_{2})} \cdot 2^{2n_{1}+n_{2}}\cdot(2\pi)^{\frac{1}{2}(2n_{1}+n_{2})(n_{2}-1)}\cross\prod_{k=0}^{n_{1}-1}\sin\pi(\frac{s_{1}-k+1}{2})\sin\pi(\frac{s-n+n-k+1}{2})$

$\cross\prod_{k=0}^{n_{2}-n_{1}-1}\sin\pi(\frac{s_{2}-k+1}{2})\cross\prod_{k=0}^{n_{1}-1}\sin\pi(\frac{s+s-n+n-k+1}{2})$

となる.この式を ,箸靴董

,砲

いて,

$s_{1}\mapsto s_{1}-1$

,

$s_{2}\mapsto s_{2}$

と変形して得られる式を ◆

,砲

いて,

$s_{1}\mapsto s_{1}$

,

$s_{2}\mapsto s_{2}-1$

と変形して得られる式を\copyright ,

(8)

とすると,

4

つの未知の量

$t_{11}(\underline{s}),$$t_{12}(\underline{s})$

,

$t_{13}(\underline{s})$

,

$t_{14}(\underline{s})$

に対して

4

つの

(独立な)

方程式

  ,

があるので

$t_{11}(\underline{s}),$$t_{12}(\underline{s}),$$t_{13}(\underline{s}),$ $t_{14}(\underline{s})$

が明示的に求まる.

以上の計算方法は,

(Al)’

$(G, \rho, V)$

は実数体

$\mathbb{R}$

上定義された簡約可能概均質ベクトル空間である.

(A2)’

$(G, \rho, V)$

の基本相対不変式を

$P_{1}(x),$$\ldots,$$P_{r}(x)$

とし,

$Si=\{x\in V;P_{i}(x)=0\},$

$S=$

$S_{1}\cup\cdots\cup S_{r}$

とすると,

$V_{\mathbb{R}}-S_{\mathbb{R}}$

は単一の

$G_{\mathbb{R}}$

-

軌道である.

(A3)’

$P_{i}(x)$

multiplicity

free

である.

という条件をみたす

$(G, \rho, V)$

に対して適用できる.特殊線形リー環から現れる放物型正則概均質

ベクトル空間はすべてこの三つの条件をみたすので,空間が具体的に与えられれば,原理的には計

算できる.

参考文献

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-

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