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解釈構築の論理に基づく文化研究学習 : 教科書『文化の創造(Create a culture)』を事例として

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(1)

社会系教科教育学会

『社会

系教科教育学研究』第18

号 2006

(pp.47-54)

解釈構築の論理に基づく文化研究学習

教科書

『文化の創造(Create

a Culture)

を事例

して−

Teaching and Learning Cultures as Social Studies Education Based on the logic of

Constructivist Interpretation : Analyzing the Textbook,

"Create

a Culture"

田 

中  伸

(広

I。は

じめに

アメリカ社会科教育では

,社会科を文化に焦点

して行う学習が展開され

ている1)

。本学習は

文化の分析または解釈を通

して社会を理解すると

いう文化研究と

しての構成をとる气本稿の

目的

,このような文化研究学習の論理をアメリカで

使用

され

ている具体的な教科書の

分析

を通

して明

らかにす

ことである。

多文化社会アメ

リカでは

,社会科において文化

の学習が

常に重視

され

てきた

。その主なものは

らと異なる文化を理解

・受容す

ることで社会での

多民族共生を目指す学習

,または全ての文化を説

明出来る

一般法則の獲得が期待された学習などで

あった

しか

し,これ

らの文化学習に

して,バ

ンクス

は文化にみ

られ

る客観的知識や普遍

的なル

ルの追求が間違っていること3)

,エ

リン

トンはさ

らにそのような学習は

,階級や

人種,ジ

ェンダー

等のイデオ

ロギ

ーにみ

ちたもの

であ

り,それ

らが

り出され

る状況を学習する必要があることを指

した4)

。この

ように

,文化学習の問題

点が数

く議論

される中

,アメ

リカ社会科で行われ

ている

文化の学習は

,文化

を客観的な知識と

して学習す

るものか

,文化とは

恣意的に作

り出

された意味

枠組み

であ

,その意味

を研究

してゆ

くものへ

移行

してきた几

しい文化研究学習では

,授

業で用いられ

る主

発問が異なって

くる

。文化を地域や領域に分けて

「 ̄

○○文化の特徴は何か」という集団の特徴を比

し理解することを目的とする発問ではなく

「 ̄

○○文化はどの

ように作

り出され

ているのか」

しくは

,匚

なぜその集団は○○文化と意味づけ

られるのか」という,解釈枠組み

しての文化を

批判的に検討する問いが形成され

。文化概念の

変容

,社会科学に

おける文化概念の捉え直

し6

受け

,解釈

しての文化枠組み

を研究す

る学習が

展開され

ているの

である

アメ

リカでは

文化研究学習の教科書がすでに数

多く出版され

ている

しか

し,本学習の理論と方

法を原理

的に説明

した研究は未だなされ

ていない

そこで本稿では文化研究学習の

論理の

一つがみ

れる社会科の教科書

『文化の創造(Create

Culture)

7)

』を取

り上げ

,その論理を解明する。

なお

,本教科書は1995

年に発行され

てお

り,対

象学年は第5

∼8

学年である。

本研究では教科書分析の

際に

以下2

つのア

プロ

をとる

。まず教科書全体

を概観

し,文化研究学

習の

内容構成の

特質を明らかにする

。次に実際に

行われる学習単元を分析

,単元構成にみ

られ

学習の特質を明らかにする

。文化研究学

習にみ

られ

る解釈構築の論理

1 

教科書

『文化の創造』の

内容構成とその特質

(1)内容構成

教科書執筆者であるノ

トガーデン

(N

or

gaaeden)

,目的を以下の

ように述べている8

「本教科書の

目的は

,文化間に存在

している

同質歐

や違

いの

価値

を認め

るとともに

。ニー

クな文化の作

られ方の理解を促進させること

である

。子

ども達は,架空の文化を創造

しそ

の過程

を考

えてゆ

くことによって

,どの

よう

に文化が作

り出され

,変化,成長

してゆ

くか

を学ぶ

ことが出来る。

この記述か

ら分かる通

,本教科書では,文化

を客観的な存在

とはみ

なさず

,他者との関係性の

47

(2)

下で作

り出

され

,変化

・成長す

るもの

とす

る。し

たが

って,学習

目標も一般的に共有

されている集

団の特徴

を理解するもの

ではな

,特定の価値が

生み

出す

文化の

同質性や違いを理解

,実際に文

化を作

り出す学習

を通

して

,文化が作

り出

される

過程や変化

,成

してゆ

く経過

を自らが体験する

ことが設定されて

いる9

教科書

『文化の創造』の

内容編成

を分析

したも

が表

1である

。表

1は本

教科書の内容

を章

と課

とにま

とめ

,内容の特

質と

して筆者が全体や章

立て

おけ

る各課の

位置

づけ

を分析

したもの

である

本教科書は匚

意思決定

」厂

文化の創造」匚

観念の

投影

」匚

終結活動]の4

つの章から成っている。

1章は

9個

,第

2章

・第3

章は19

個,第

4章

は7個の課がそれぞれ設定され

ている

1章

意思決定」は,人々の意思決

定が文化

に規定

されていることを理解する学習である

。本

章は5

つのパ

トに分かれ

ている。第

1のパー

は第

1課の

,文化が作られ

ていることに気づく学

習である

。ここでは,アパラチア

民族

を事例

に,

他の集団と区別する意味で使われ

「 ̄

アパラチア

民族

」という呼び名

(枠組み

)が,民族の生活場

,信念,儀

礼,食事,衣服

,住居

,言語等,全

てが合わ

さることで作

り出され

ていることを理解

する

。第

2は第2

課の個々人の意思決定は歴史的

な要素によって規定され

ている

ことを理解する学

習である

。歴史的要素とは,環境,気候の変化を

じめ

,氷河期

,産業革命,ルネ

ッサ

ンス等,歴

史的な流れ

を指す

。本パー

トでは

,歴史という時

間の流れが文化という枠組み

を作

り出す

ことに寄

していることを理解する

。第

3は文化を形成す

る地理的要素

を理解する第3課から第7課の

学習

である

。ここでは,ア

マゾンの

熱帯雨林に住む人

リネシア

人等を事例に

,集団独

自の習慣

,住居

を持つ場所の移動

,その際の手段

,環

境な

どといっ

た地理的要素が

,その

土地の特殊性

を作

り出

して

いる

ことを理解す

。第

4は

文化

を形成す

る社会

な要素

を理解す

る第

8課

ある

。ア

リカ

,カナ

ダ,

中国な

どのサ

ブカルチ

を調査す

こと

を通

して,

その集

団にみ

られ

る年齢

,地位

,収入

レベル

,ジ

ンダ

が集

といった

団の特徴

人々との

を作

り出す陸

関係

性,すなわ

を持つ

ことを理解す

ち社会

的要

。第

5は第

1章全体のま

とめで

ある。

1章の

内容構成にみ

られ

る特徴は

,歴史的要

・地理的要素

・社会的要素に規定された私たち

の意思決定によ

,文化という場が作

り出され

いる

ことを理解す

る学習にみ

られる

。文化に対す

る見方を

,存在領域か

ら構築

された枠組みへ

と変

えてゆ

く学習が示され

ていると言

えよう

2章匚

文化の創造

」は

,文化

を規

している

観念

を分析

,新たに作

り出す活動である。観念

とは

,家族構造,権

力構造,神話

,踊

り,通過儀

礼等

,課の題目に設定され

ているもの

を指す

。本

教科書では

これ

ら全てを観念

としている

。第

2章

,必ず

しも全ての課

を学習する必要は無いとさ

ている

‰そのため,本章で設定された各課に

は際

立った順序性はみ

られ

ないものの

,ここでは

社会

・政治

・経済

・宗教

・芸術

という5

つの社会

的な領域が設定され

,それ

ぞれが観念か

ら作

り出

されたものである

ことを分析的に理解

してゆ

く学

習が組まれ

ている

2章で設定され

ている課は

,それ

ぞれが

2つ

のパ

トに分かれ

ている

。第

1パー

トは現実文化

を事例に

,文化を規

している様

々な観念

を分析

る学習である

。第

2パー

トは第

1パー

トで学習

した文化を規定

している観念の領域

をもとに

,独

自のそれ

を作

り出す学習である

。例えば第8課

ロー

とヒロイン」では,まず

,どの文化に

も尊敬され

るヒ

ロー

ヒロインがいることを,

自分が属

している文化を分析することを通

して考

察する

。その際

,科学者,心理学者

,運動選

手,

教育者

,医者

,その他という6

つの

対象が示され

ている

。次に,自分が作

り出す文化における

ヒー

ヒロインを設定

し,その

人に関する物語

作ることで

,文化

を表現す

る象徴

的存在

を作

り出

。文化の象徴

という宗教

的な要素も,確固たる

根拠のもとに作

り出されたもの

ではなく

,その集

団が作

り出

した物語

りによ

り意図的に作

り出され

た観念の領域にすぎないことを知る

以上のように

,第2

章はまず現実文化において

文化

を規定す

る社会

・政治

・経済

・宗教

・芸術と

いう5

つの領域が

どの

ように作

り出され

ているか

を分析する

。その

上で,それ

らの領域

を新たに作

り出す

学習が示

され

ている。課の

目に設定

され

(3)

表1 『文化 の創造』 の内容構成

章 課 内    容 内 容 の 概 要 内 容 の 特質 第 1 章 意 思 決 定 1 踝 文化を 名づ ける 文化 は 場所や 信念 ,儀 礼,食 事,衣 服, 住居 ,言 語等. そ れら全 てが 合わ さる こと で作 り出さ れる 。こ こで は,工 芸や 音楽 の形か ら名 づけら れ たア パラ チ ア民 族 の事 例を 参考 に, 自分た ちの文化 に 5つの名 前を つけて みる。 文 化と は橡 々な要 素が 複合的 に絡 み合う 中で 構築さ れる ものであ る ことを 知る

窓 思 決 定 の 過 程 に 文 化 が あ る L_ と を 理 す る 2 課 歴史 的時間 新 たな知 識, 他文化 と の遭遇 ,戦 争等 の歴史 な事 柄は, 文化が 形 成さ れる 要 素の一 部である。ど のよう にして時 間の流 れが文 化へ影 響を与 えた のか。 氷 河期, 産業 革命 , ルネッ サン ス等、 歴史 的な 時間 の流れが 文化 に与え た 影 響を理 解する。 意思 決定 へ影響を 与える 時間 の側 面を理 解する 、

鸞│

文 化 を 研 究 す る 学 習 3踝 独自 の習慣 天 然資 源が描 か れている 4枚 の絵を 見 て, それらか 人 々の住 居,文 化 の形 へどの よう に影響 を与 えてい るかを 考え る。 そし て, 現在自 分た ちが 住ん で いる 住居か ど のよう に作り 出さ れた のかを 調べ, グ ループ ごと に文化 や 住 居の 概念を再 定義 するo 意思 決定 へ影響を 与え る地域 独自 の気 候, 天然資 源と いった自 然環 境を 理解 する 意 思 決 定 を 規 定 す る 地 理 的 要 素 の 理 解 4課 移 住の理由 自分たちの文化の起源,移住してきた時化なぜ自分たち の文化は当初の発祥地から移住してきたのかを説明する。最終的に住んでいる場所を記述し, 5課 移 住ルート 移 住 は人々か 住 むの に必要と した 様々 な要 素によ って 決定さ れる 。自 分達 が 移住 の途 中で出 会 った人々, 川, 山, 砂 漠をリ スト アップ し, 自分 達が 属する集 団か移 住し てきた ルートを 調べる 。 6課 輸 送形態 文 化 によ って輸 送に使 う手 段は違 う 。 グル ープ に分 かれて, 自分 達が 属す る 文化 が使う 輸送 形態を 徒歩 ,動 物, ボート ,車 、 その他か ら 選び, その 理 由を 明らか にする 。 7課 新 開拓の 地理 古代ロ ー マ, 1800 年 代にお ける アメリ カ人 のハワ イ移住 等を事 例に. 地理 的な要因 が文化 の開 拓・発 展へ影響 を与え るこ とを学習 する 。 8課 人 口統 計 今日,人 々はナ ショナル, リージョ ナル,ロ ーカル,カ ルチュラ ル等の様々 なグ ループ によ り形 成され ている 。 それら はグ ル ープ 内の サブ カル チャ ー ( ジ ェンダ ー,地 位, 教育 等)に より 構成さ れて いると 言える 。 アフリ カ, カナダ, 中国な ど のサブカ ル チャ ーを 調査 した うえ で,自 分た ちの文 化 の 人 口, 男女比 ,年 齢別人 口の割合 等を ワーク シート に記入 する。 崑巴決定 へ影響を与 えジェンダ ー, 地 位, サブ カ ルチ ャーとい った, 関 係性を 理解 する 理会規 意 解的定 思 要す 決 素る 定 の社を 9課 ワーク シート 第1課 ∼第 8課の 内容を ワーク シート にまと める。 第 1章 のま と め ま と め 第 2 章

1課 住む方角 と建 物 家 は文 化 に関 する 様 々な 特 徴を 示 すも のと な って い る 。 各 グル ープ が 作 り出 す 家 の「 大き さ, 形 , スタ イ ル, 部屋 の共 有 の 仕方 ,寝 床 の位 置」 等を 決 め, 家 の建築 に 使う 素材 や その 調達 の方 法等 を 議論 する 。 住居や家 族と いっ た,日常 生活を 規 定する 社 会的な 要素を分 析し , 作 り出 す

§

文 化 を 規 定 す る 観 念 の 領 域 を 分 析 し 作 り 出 す 2 課 家族構 造 ①家 父 畏 制, ②家母 長 制 ,③平 等 主義 と い う 3つ の家 族 構造 を 取上 げ その 特性 を 学習 するo そ の上 で, 自 分自 身か 作 り出 す 文化 の家 族 構 造を 設 定 する 。 3課 権力構 造 全 て の文 化 はそ の中 に 権力 構 造か 存在 し てい る 。こ こ では 8個 の 権力 構 造( 貴 族 政治, 民 主政 治 , 君主 政 治, 寡 頭 政治 , 金 権 政治 , 神政 政 治, 独 裁政 治, 全 体主義) を 学 習し ,自 分運 の文 化 の権 力構 造を 決 める 。 権力 構 造を作 り出す

4課 経済 と通貨 私 たち の生活 は経 済を基 盤と してい る。 経済 に関 する 6つの 問い に答え ること で,文 化が重 視し ている モノ, 霎等を 設定する 。 経済的な 要素を 作り 出す

゛翳

5踝 教育 文化 は 技術 や伝 統年 齢を 5つ の段 階に 分け て, 各 段階 で 学ぶ べき事 柄を 書 き出 し てみる 。, 知 識を 伝える 方 法を 開発 して ゆか なけ れば なら な い。学習 すぺき事 柄を作 り出す

゛翳

6課 言語 人 々は 様々な 方 法で コミ ュニ ケ ーショ ンをと るo 同じ言 語で も住 んで いる 地 域によ って 使わ れ方が 違う。 人 々がコ ミ ュニケ ーショ ンする 方 法をい く つ か挙げ ,自 分達 が作 った文化 で 使用 する言 語を 考え, そ の中で 特に重 要 な 6つ の単語を 決め, 発音等 も決 める 。 コミ ュニケ ーショ ンの基 本とな る 言語を 作り出 す

フ課 宗教 と儀式 宗 教 儀式 は文 化 の アイ デ ンテ ィ ティ ーに と って とて も 璽要 な 位置を 占 めるo 仏教 , キ リ スト 教, ヒ ン ズ ー教な ど ,8個の 宗 教 の信 念, 特 徴を 調 べ,文 化 で信 仰する 神 やそ の信 仰理 由, 信仰 する 際 の義 務等を 設 定する 。 宗教と それ に伴う 俄式 を作 り出 す 宗 教 的 領 域 8課 ヒ ーロ ーと ヒロ イン ど の文化 にも 尊敬 される ヒーロ ーやヒ ロインが いる 。し ばし ば, これら は 文 化 に物語を 作り出す。 今日 の社 会で 尊敬 すべき 人・ モノを 考え, 自 分の 文 化に おける ヒ ーロ ー(ヒロ イン)を 考え 出 し, その人が ヒ ーロ ーとなる 根 拠 ,重要 視する 価値を 設定するo 文化 の象徴( シンボ ル)を作 り出 す 9課 神 話 ジョ ージワシントンが桜の木を切った神話を 思い出し ,神話は文化の信念,伝 統, ヒーロー, 価値等の表象であることを知るo その上 で,文化の神話を作り 出 す際 のアイデアと して文化 にお ける 代表的な行動,性質,特色を 考える。 10 課 祝日 と祝賀 祝 日 は文化 の習 慣【こよ って 特別な もの とし て規定 される 。世 界 にみら れる クワン ザ,フ ラ ンス革 命記念 日等 の 7つの 配念日 につい て調 べて, 自 分達 の文化 の祝日を その 呼び名と とも に設定 する。 文化独 自の祝 日を 設定する

11 課 踊り フラダンスを事例にんな種類の踊りを踊るか, 祝いの際のダンス等, 作り出した文化 の踊りを考える。,ダンスが示す文化の特長を理解する。次にダンスの名前,ど 踊りを 作り出 す

゛翳

12 踝 食 物と調 理 各文化は手に入る限りの材料を使いまた,作り出し た文化の食事を 股定するため,食事の回数, マナーを 設定する。,食事やその鯛理法を開発していることを知る。食 に関する 要素を 作り出 す

§

13 踝 衣 服 衣服 はその文 化 にとって 特殊な 意味を 持っ ている 。5つ の場面( 結婚式 ,葬 式 ,祝 日:2パ タ ーン考える ,仕事) におい てどのよ うな 衣服を 準備 するか を ,各文 化ごと に考え る。 衣服を デ ザイン する 14 踝 通 過儀礼 文 化 は, 同じ 築団内 にお いて 特別な 通過 儀 礼を持 つ。 結婚, 死 等,5個の 場面で どのよ うな通 過儀礼を 行う かを各文 化ご とに考え る。 文化 独自 の俊ネLを 作り出 す

゛翳

15 課 カ レンダ ー 全て の文化 はそ れぞれ 時間 の捉え方 が 異な ってい る 。気 候, 地理 ,人 々, 信念を 考察 し, 文化か 独自 の時 間感覚を 持 って いるこ とを理 解 し,自 分か 作り出 した文 化のカレ ンダ ーを作る 。 時間 の捉え 方を 設定する

16 課 お もち や,ゲ ーム,スポ ーツ 人々はゲームやスポーツに参加することで余暇を 楽しむ。世界で有名なおもち やゲーム,スポーツを調査し,作り出した文化に合うゲームを考え出す。 , 遊 びを 作り 出す

゛編

17 課 国 防と保 護 ほとんとの文化は自分達の文化を 守ろつとし,そのための対策を 作っているo 現在 考えら れる他の文化から自分達を守ろうとする方法を 3つ指摘し,記述してみる。 自文化 を 守る方 法,並 びに守 る意味を 考える

18 踝 文化に関するレポ ート 第2章で設定した17 個の文化 の要素を整理し,それぞれを一文に簡潔にまとめる。 第2 章の まとめ ま め 19 課 ワーク シート 考古学者になったつもりで,「新しい文化の発見」を他者へ手紙で伝える学習を するo 1課 地 図作り と旅 の記録 文化のレポ ーターとして,他から移住してくる人々に見せる地図を作成する。 文化 を地 図を 使って表現 する 観 念 の シ ン ボ ル 化 2課 衣 服のデ ザイ ン 洋服 のデザ イナ ーにな り, 移住 地の天 然資 源を 砲認し ,文化 独自 のお 祝い 用の 洋服を 7パタ ーン考える 。 衣 服や宝 石など ,文化 独自 の装飾 品を 表現 する 3課 宝石 の作 成 お 祝 いト を し,そ れぞれ の意味を 説明する カ ードをつ くる等 の活 動を 行う。用 と日 常生 活用を 含 め た3 ∼5 個 の宝石 の デザ インを す る。 イ ラ ス 4課 聖 歌の執 筆 作詞家 にな ったつも りで,25 小 節以上 の文化 の聖 歌を執筆 する。 文化 の象徴 を表 現する 5課 ト ーテ ムの作製 文 化 によっ ては信 念や物 語等を 表現 する象 徴があ る。3 ∼5 個 の文化 の歴史 を 示 すト ーテムを デザイ ンする。 6課 旗 やペ ナント の作製 文 化を表 現する旗 やペナ ントを 作成し, 旗やペ ナントに関 するプレ ゼンテ ー ショ ンを 行うo ― 49 ―

(4)

第 3 章 観 念 の 投 影 7 課 神話の 伝承 文 化 の信念 や ヒー ロー, 歴史 に基 づき ,2つ以 上 の神 話を 描く。 そ れぞれ2∼3 ペ ージ以上 書く。 l 象 1 す 8課 お もち ゃとゲ ーム の作製 文 化 にあ った 2つ のゲ ームを 考え ,子 ども が遊 ぶお もち ゃを,1 つ以 上考慮する。 遊 びを使 って文化 を表 現する 9課 権 利章典 の執筆 権利章 典を読 み,そ こに はどのよ うな価 値が反映 され ているかを 議論 する。次に作 り出し た文化 の権利 章典を 作成し ,10 個 の権利や 薩務を 設定 する 。 規 範を 表現 する 10 踝 音楽と 楽器の作 成 文 化 の聖歌を 演 奏する た めにふさ わし い楽 器, また, セレ モニ ーの際 に演奏出来る 音楽を 考える 。 宗 教的要 素を表 現する 11課 踊り の振り付 け 文化 内で皆が 踊ることの出来る振り付 けを 考えるo また,それらのダ ンス・振 り付けに名 前を つける。 12 課 參翆 の設定 ヘアースタイ ルは宗教 的なパフ ォーマン スの代表であることから ,6つ以上 の ヘアースタイルを 考案する。同時にその際に使う アクセサリ ーも考える。

13 課 人のプ囗ファイリング 作り出 し た文化 にお いて 2人の重 要な 人物を 設定 し, そ れらの 絵や家 族構 成, スピー チを 作る など の活動を する。 人 間を使 って文 化を表 現する 14 蹂 詩の執 筆 3つの 詩を書 き, そ の中 に,自 文化 にと って重 要 な人 々, 場所, 出来 事を 含ま せる 。 15 課 道具 の創造 食事を 作る 道具 ,家 を建 てる道 具等 ,文化 特有 の 5つ以上 の道 具を デザ インする 。 物を 使っ て文化を 表現 する

ぺ祐

16 蹂 建S を デザイ ンする 家 族が 住 む家 のモデ ルを 設計する 。可 能 であ ればジ オラ マなどと い った形の模型 を作る 。 17 踝 輸送機 関の開 発 乗り 物, 道路, 楯, 船, その 他,文 化 にあ つたユニ ーク な輸送 機関を 考案 する。 18 課 コミ ュニケ ーシ ョンの促進 ①文化に特徴的な6つのキーワードを考え, ②2つの文化シンボルを作り出し, ③コミュニケーションの形のモデルを作る,という 3つ の活動を行う。 文化 を伝 える コミ ュニケ ーショ ン の方 法を 考える ョュ観 ンニ念 化ケ の lコ シミ 19 蹂 プ レ ゼンテ ーショ ンの叶 画 第 3章で 作り出 した ものを グ ループご と にプレ ゼン テー ションを し, 各々 の文化 を クラス全 体で共 有する 。 第 4 章

͡

1課 プ レ ゼン テーシ ョン の肝 価 全 ての グ ループ のプレ ゼ ン テ ーシ ョン が終 わ った 後, 一 番面 白 か った グ ル ープを 決 め, その グ ループ はど のよ うな プ レゼ ン テ ーシ ョンを 行 っ て い たか ,ま た, 他 のグ ル ープ の改 善す べき 点な どを 考え る 。 表 現の方 法を評 価する

文 化 を 共 有 す る 2踝 文化 博物館 の計画 自 分運 が 作り 出 した文 化 や 作成 し た考 古学 的 レポ ー トを 展 不す る博 物 館 を デ ザ イン する 。 作 り出 した文 化を博 物館 に展示 す る

il

3蹂 博物 館の展示 計画 文化 の遺 物を どこ に,ど のよう に配 置する か, グ ループ で考え たパ フ ォー マ ンスの方 法等を 議硫 する。 4 課 オープンハウ スの計画 文化 の遺 物を どこ に, どのよう に配 置する か ,グ ル ープ で考え た パフ ォーマ ンスの方 法等を 議論 する。 5課 オープンハウスの招待 文化 博 物館 へ の招 待状を 作 成 する。 6課 ペ ン図:比 較文化 ペ ン図に沿 って, 作り 出した文 化と現 実の文 化を 比較する 。 架 空 の文 化と 現実文 化を 比較し, 共 通点を 探る る鮫を 文 す 比化 フ課 文化を切り取った芸術 【 参考資料 】多 数の絵 。 【 貰科】 【 資料】

い る17 個 の 観 念 が , 人 に よ って 作 り 出 さ れ た も の

で あ り な が ら, 同 時 に人 を 規 定 す る枠 組 み ( 文化 )

を 作 り 出 し て い る こ とを 理 解 し た上 で, そ れ ら 観念

を 作 り 出 す学 習 が展 開 さ れ てい る と言 え る。

第3 章 匚観 念 の投 影 」 は, 第 2 章 で 作 り 出 し た

観 念 領 域 の表 象 を 作 り 出 寸 学 習 で あ る。 こ こ で 言

う 表 象 と は, 観 念 と い う 第 2 章 で 分 析 し た本 来 目

に 見 え な い 領 域 を , 実 際 に 目 に 見 え る対 象 と し て

作 り 出 し た も の を 指 す 。 本 章 は4 つ の パ ート に 分

け ら れ る。 第1 は 第1 課 か ら 第10 課 の 観 念 を シ ン

ボ ル 化 す るパ ート で あ る。 こ こで は, 地 図 , 衣 服 ,

宝 石 , 聖 歌 , 象 徴 , 国 旗 , 神 話 , お も ち ゃ, 権 利

章 典 , 音 楽 な ど , 観 念 領 域 が 生 み 出 す 実 際 の 具 体

的 な文 化 現 象 を 作 り 出 す。 例 え ば 第3 課 厂

宝 石 の

作 成 」 で は , お 祝 い 用 と 日 常 生 活 用 を 含 め た3 ∼

5個 の宝 石 を デ ザ イ ン す る 。 宝 石 の デ ザ イ ンと は,

文 化 が 持 つ 特 定 の 観 念 が 表 出 さ れ る も ので あ る。

本 課 で は観 念 の シ ン ボ ル と し て宝 石 を デ ザ イ ン す

る 学 習 が 組 ま れ る。

第2 の パ ー ト は 第11 課 か ら 第14 課 の 観 念 を 身

体 化 す る パ ート で あ る。 踊 り , 髪 型 , 詩 な ど を 取

上 げ,文 化 はそ の特 徴を身 体 に表 現す る ことを理

解 す る。 そ の上 で, 実際 に踊り や髪型を デ ザイ ン

す ることで, 自分達 の作り 出し た文化 を身 体的特

徴 として表 現 する。 例え ば第12 課「 髪型 の設 定」

で は, まず多数 の文 化にお いて髪 型 は宗教的 なパ

フ ォーマ ンスの代表 であ る ことを 理解 す る。 次 に

ヘ アス タイ リスト にな っ たつ もりで6 つ以 上 の髪

型 を考 案す る ことで, 観念 を身 体化さ せて表 現す

る学習 が示さ れ る。

第 3のパ ート は第15 課 か ら第17 課 の観 念 を モ

ノ化 するパ ートで あ る。生 活 に使う道 具や建 築,

輸 送機 関 の開発等 を行 うこ とで, 集団 の特 徴を表

現 す る具 体的 な モノを 作 り 出 して ゆ く。 第16 課

建 築を デ ザ イ ンす る」 で は, 家 族 が住 む家 のモ

デ ルを設計 し,可 能で あ ればデ ィスプ レ ー出来 る

形 の ジオラマを作 成 する。 家 の建築 は文化 に よっ

て 様々で あり, そこ には文化 が もつ 特性 が表現 さ

れる。 本課 で は, 各 グル ープ が作り 出し た文化 に

適 した家を 実 際に設計 させ るこ とで, 文化 独 自の

観 念を モノ化さ せ る活 動 が組ま れてい る。

第4 の パ ート は第18 課 か ら第19 課 の観念 を コ

(5)

ミュ ニ ケ ー ショ ン化 す るパ ート で あ る。 こ こで は,

自 分 達 の文 化 を , 文 化 の 枠 組 み が 異 な る 他 者 へ 伝

え る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの 方 法 を 考 え る学 習 が準

備 さ れ て い る 。 第19 課 匚プ レ ゼ ン テ ー ショ ン の

準 備 」 で は, 第3 章 で 作 り 出 し た 文 化 の 表 象 を グ

ル ー プ ご と に 教 室 内 で プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ンし , 各

文 化 を ク ラ ス 全 体 で 共 有 す る こ と を 試 み る 学 習 が

組 織 さ れて い る。 自 分 達 が 作 り 出 し た 文 化 を , 自

分 と は異 な る 生 活 習 慣 や シ ン ボ ルを も つ 文 化 の枠

組 み を 持 つ 集 団 に認 めて も ら う に は ど う し た ら よ

い か を 考 え る と同 時 に, 自 ら も他 の 枠 組 み を も認

め る こ と が 出 来 る 資 質 を 育 成 す る。 本 パ ー ト で は

他 の枠 組 み を 持 つ 他 者 と の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の

方 法 を 考 え る 学 習 が 示 さ れ る。

以 上 , 第3 章 は, 第2 章 で 扱 っ た目 に見 え な い 観

念 が 投 影 さ れ た 具 体 的 な モ ノ , つ ま り 観 念 の 表 象

を 作 り 出 し て ゆ く 学 習 が 展 開 さ れ て い た と言 え る。

第4 章 匚終 結 活 動 」 は 第3 章 で 作 り 出 し た 観 念

の 表 象( 実 際 み られ る文 化 現 象 ) を学 校 内外 の人 々

と 共 有 し て ゆ く 学 習 で あ る 。 本 章 は3 つ の パ ート

に 分 か れ る 。 第 1は第 1 課 の 匚評 価 方 法 の 吟 味 」

の パ ート で あ る。 こ こ で は, 第3 章 の 最 後 で 行 っ

た プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ンを 分 析 し て ゆ く。 自 ら が 作

り 出 し た架 空 文 化 を よ り 多 く の人 々 に共 有 し て も

ら う た め に は, より 分 かり や す い プ レ ゼ ン テ ー ショ

ンを 行 う 必 要 か お る。 こ こ で は, 教 室 内 で 最 も 面

白 か っ た グ ル ープ を 決 め, そ の グ ル ープ が 行 っ た

プ レ ゼ ンテ ー ショ ン の 方 法 や 内 容 の 分 析 を 行 い,

文 化 の共 有 を 促 す 最 適 な プ レ ゼ ン テ ー ショ ン の 内

容 ・ 方 法 を 考 え て ゆ く。

第 2は作 り 出 し た 文 化 を 博 物 館 に 展 示 す る , 第

2 課 か ら第 5課 の パ ート で あ る 。 文 化 博 物 館 を 作

る こ と を 計 画 し, 博 物 館 の展 示 計 画 , 展 示 会 の配

置 , 展 示 会 へ 呼 ぶ 人 へ の 招 待 状 の作 成 等 を 行 う。

第2 課 匚文 化 博 物 館 の 計 画 」 で は, 自 分 達 が 作 り

出 し た 文 化 や 作 成 し た考 古 学 的 レ ポ ート を 展 示 す

る博 物 館 を デ ザ イ ンす る。 そ の 際 , 学 校 内 で 文 化

の 展 示 を 行 う こ と が 可 能 な 空 間 を 選 び, そ の 空 間

の 使 い方 を 議論 す る。 第3 課 厂

博 物 館 の 展示 計 画」

で は, 作 り 出 し た文 化 を ど こ に, ま たど のよ う に 配

置 す る かを 考 え る。 同 時 に, 文 化 の表 象 と し て 考え

出 し た独 自 の踊 り ・ 音楽 等 のパ フ ォ ーマ ンス の表 現

方 法 を考 え る。 こ のよ う に, 作 り 出 し た文 化 を ど の

よ う に展 示 し て ゆ く かを 考 え るパ ート で あ る。

第 3は 第6 課 の 文 化 を 比 較 す るパ ー ト で あ る。2

つ の 重 な り 合 う 円 か ら 作 ら れ た ベ ン 図(Venn

Diagram) を 使 い , 現 実 の 文 化 と架 空 の 文 化 を 比

較 し, 異 な る 現 象 , 同 じ 現 象 を 探 っ て ゆ く 学 習 が

示 さ れ る。 現 実 文 化 に し か み ら れ な い 現 象 , 架 空

の 文 化 に し か み ら れ な い 現 象 , 両 方 に み ら れ る共

通 の 現 象 を 比 較 す る 方 法 を 獲 得 す る。

以 上 , 第4 章 は 第3 章 で 作 り 出 し た 文 化 を 実 際

に教 室 内 , 家 族 , 地 域 の人 々 へ 見 せ て 共 有 し て ゆ

く 学 習 が 示 さ れて い る。

(2 ) 内 容 構 成 の 特 質

教 科 書 『文 化 の 創 造 』 の 内 容 構 成 を 分 析 す る と,

以 下 の よ う に な る。 第1 章 で は 歴 史 ・ 地 理 ・ 公 民

的 要 素 か ら作 り 出 さ れ る枠 組 み ( 解 釈 ) と し て 文

化 を 理 解 す る学 習 が 示 さ れて い た。 次 の 第2 章 で

は 文 化 を 規 定 す る17 個 の 観 念 を 分 析 し , 作 り 出

す と い う 文 化 の 分 析 ・ 構 築 を 行 う 学 習 が 展 開 さ れ

て い た。 第3 章 で は 観 念 が 基 盤 と な っ て 作 り 出 さ

れ る 具 体 的 な 文 化 表 象 を 作 り 出 寸 学 習 , す な わ ち

文 化 を 構 築 す る 学 習 が 組 織 さ れ て い る。 第4 章 で

は 実 際 に ク ラ ス 内 で 文 化 博 物 館 を 作 り , 作 り 出 し

た 文 化 を 学 内 外 の人 と 共 有 す る, 文 化 の 共 有 化 を

図 っ て ゆ く 学 習 が 示 さ れて い た。 こ の こ と を 端 的

に示 し た も の が以 下 表2 で あ る。

表 2 内 容 構 成 の 特 質

章 内 容 構 成 の特 質 第1 章 意 思 決 定 意 思 決 定 に彫 響 を 与 え て い る 文 化 の 働 きを 分 析 す る 文 化 の 理 解 文 化 の 研 究 第2 章 文 化 の構 造 文 化 を 規 定 す る 観 念 の 領域( 社 会, 経 済, 政 治 , 宗 教 , 芸 術) を 分 析 す る 文 化 の 分析 文 化 の 基 底 と な る観 念 の 領 域 を 作 り 出 す 文化 の 構築 第3 章 観 念 の投 影 観念 が 生 み出 す 文化 表象 を 作 り 出 す 第4 章 終 結 活 動 作 り 出 し た 文 化 を 学 校 内 外 の 人 々 と 共 有 す る 文 化 の共 有 Carol Nordgaarden, Greate a Gultare, The Learning Works, 1995 よ こarol Nordgaarden, Greate a Gulture, The

り ,筆 者 綱 応

ここか ら, 本教科 書 に は文 化研究 を行 う学 習 の

手順 が示 さ れてい る ことが分 か る。 まず, 表1 で

指摘 した通 り, 本 教科書 で は政 治・ 経済等 の領域

を特定 の解 釈か ら作 り 出さ れる観念 の領域で あ る

として い る。 文化 と はそ の観念 か ら作 り出さ れた

解 釈で あ るとさ れる。 教科 書 の構成で は, そ の解

釈 として の文化 枠組 みを第 1章で理 解 した上 で,

― 51 ―

(6)

2章では文化を分析

,第

3章では文化を新た

に作

り出

,第

4章ではそれ

を共有する。文化と

いう枠組み

,理解→分析→構築→共有

してゆ

といった

,文化研究学習の

プロセスが示され

てい

ると言

えよう。

以上か

,本教科書が持つ内容構成の特徴とは

以下2

点にまとめられ

る。

①文化

を観念

ら構築

され

た解釈で

あると考

える

②文化を理解→分析→構築→共有

してゆ

く構成

をとる

ギアツは

文化

「 ̄

念か

ら成る意味のネ

トワ

(解釈

」とみ

したlO

。本教科書で取

り扱わ

れている文化も

,多様な観念から形成され

る解釈

であると考

,その解釈

を子

ども達が作

り出

して

く展開が示され

ている

。その際

,本教科書で扱

われ

ている文化

とは

,経済

・社会な

どと同列に並

られる領域を示

した狭

義の概念ではな

。様々

な社会事象全体

を包摂出来る枠組み

といった広義

の概念を示

している

。文化が歴史

・地理

・社会等

の関係性が規定す

る人々の観念に

よって作

り出さ

る解釈枠組み

であることを理解

,その解釈を

分析

,生徒

自身に構築

させ

てゆ

くという解釈構

築の過程が教科書

『文化の創造』では示され

てい

ると言えよう。

2『文化の創造』の単元構成とその特質

(1)単元構成

では,実際の学習は

どのように進むのであろう

Oすでに指摘

した通

,第2

章で示

され

いる17

個の要素は全

て文化

を規定

して

いる観念

して扱わ

いる

。第3

章で

示され

ている17

個の現

象は

,観

が投影

された

文化表象

して扱わ

ている

ここ

では

,第2

章の単元

を分析する

ことで

,文化研

究学

習にみ

られ

る学習の

過程

を明

らかに

してゆ

第2章の第3

課匚

力構造

」を分析

したものが

表3

である

。表

3は教科書の記述内容と活動

を中

心に筆者が分析

し,単元構成の形で提示

したもの

である。

3課全体

としては

,第

2章にみ

られる文化を

り出

している17

個の観念の

,権力を学習対

象と

して取上げる

。本単元は2

つのパー

トに分か

ている

。第

1は導入か

ら展開2の権

力という観

念を分析するパー

トである。ここでは

以下の展

を取る

。まず,家族にみ

られる支配の関係

という

力を取

り扱い

,社会にあるどの集

団にも権

力関

係が形成

されていることを知る

。次に現存する

個の支配の形

(貴族政治

,民主政治

,君主政治,

寡頭政治

,金権政治

,神聖政治

,独裁政治

,全体

主義)を分析

,支配といった権

力はそれ

ぞれが

自の価値基準に基づき成立

していることを理解

る学習が示

され

,そ

して,イラン,ベネズエ

,ギ

リシャ

,日本等8

個の国を取上げ,各国が

持つ支配の形を考

える

。本パー

トでは,ある支配

関係の下で重視

され

る価値観が他の支配関係の下

では軽視

され

,つま

り,集

団が

重視する価値観

よって支配という権

力は様々に

変化する

ことを

分析す

る学習が展開され

2は展開3

から終結の

,文化独

自の支配関係

(権

力)

を作

り出すパ

トである。ここでは

,第

で各グル

プが作

り出

した仮想文化に

,独

自の

支配関係

を付加

してゆ

く学習が示され

。具体的

には

,指導者の選

ばれ

方,法律の作

られ方,文化

おける義務と責任等を考

えること

を通

して仮想

文化の権

力を実際に作

り出す学習が示され

。こ

の際

,展開1

・2で学習した支配の形は考慮

しつ

つも

,全

く異なる支配関係

を作

り出す

ことが

望ま

しいとされ

る。

以上のように

,第

3課匚

力構造」では

,貴族

政治

,民主政治等,

8個の権力を取上げ,支配と

しての権

力は各々異なった価値観に基

づいて成立

していることを把握

し分析す

。その上で,自分

達が作

り出

した文化に適

した権

力の形

を作

り出す

支配にみ

られ

る権

力という政治的領域が様々な価

値観に基づいて作

り出された観念の領域であるこ

とを研究する学習が展開佶れる

(2)単元構成の特質

以上か

,本単元にみ

られ

る特質として以下

点をあげる

ことが出来る

① 

々な価値観

を基盤と

した観念によ

り文化

が規定

されていることを知る

② 

観念

を分析する

③ 

自分達独

自の観念を作

り出す

第2

章第3

課厂

権力構造

」では,現実社会を規

している支配という権

力に気づき

,その権

力が

人々が作

り出

した観念であることを分析する学習

(7)

表 3「 権 力 構 造(Power Structure)の 単 元 構 成

単 元構成 教師 の指示・ 発問 教授 活動 引 き出し たい知 識 内容組 織化 の視点 導入 ほと んど 全 て の文化 に は権力 構 造が みら れま すo 家 族と い う小 さい 築団 で さえも , 権力 構造 は 存在 して いま す。 では, 権力 と はど のよ う なも のな の でし ょう か。 こ こ で は, まず 権力 が 何か を 学習 し, そ の上 で各 文化 に合 う 権力 を 作 って もら いま す。 T: 説明 ど の集団 にも支配 という 権力が 存在 している ことを 知る。 集団 を 規 定 し て い る 支 配 と い う 権 力 に気付 く 現 実 社 会 に み ら れ る 権 力 八 支 配 関 係 丶/ を 分 析 す る 学 習

展開1 以下 , 8個の 支配関 係につ いて調 べて みよ う。 ・ 貴族 政治 ・民 主政 治 ・ 君主政 治 ・ 寡頭政 治 ・ 金権政 治 ・ 神政政 治 ・ 独裁政 治 ・ 全体主 義 T:発 問 S: 調べる・ 貴族 政 治 :通 常, 財 産を 持 ってい て 教育を 受 けた一 部 の特 権的な 階級 によっ て支配さ れている 政治 。 ・民 主 政 治:市 民が 指 尋者を 投 票で 選び 、指 導 者は 法律を 通 過する ことで 政策を 決定する 。 ・ 君主 政 治:王 族 の家 族も しく は王 族と 結婚 し たも のが 権力 を 持ち, 君主 こそが ルール であるO ・ 寡頭 政 治:指 導者 と して 選ば れ たご く少数 の人 々 によ って 支配さ れる政 治O ・ 金権政 治:富を 持つ人 々によ って 支配さ れる政 治。 ・神 政政 治:文 化 の宗教 的指 導 者 によ って 支配さ れ る政 治O ・ 独 裁 政治 : 一 人 の 指 導 者 が 力 を 持 ち , 政 策 や 軍 事 的 決 定 を 行 う形 。 ・ 全 体 主 義体 の 権 力 と一 致 する べき て あ る と さ れる 信 念 。: 政 治 , 労 働 , 教 育 , 芸 術 等 全 て の 側 面 が 全 ※ そ の 集団 か 重 視 す る 価 値 観 や 信 念 によ っ て 何を 権 力 と す る か か 異 な っ て いる , す な わ ち , 支 配 と い う 権 力 は 観 念 で ある こと を 把 握 す る 。 権 力 を 分 析 する 展開 2 ある 権力 構造 の下で重 視さ れる価 値観が、 他 の権力構 造の下 で は軽視 される 。集団 が重 視する 価値観 によ って権力 は 様々 に変 化 する ことを 知り まし たo そ れで は, 以下 8つ の国 の権力 構 造を 調 べて みま し よう。 ・ イ ラ ン(1900年 以 前 )・ ベ ネ ズ エ ラ ・ イ ラ ン(1979年 以 後 )・ ギ リ シ ヤ( 紀 元 前 8世 紀 ) ・ 日 本 ・ ネパ ー ル・ バ チ カ ン 王 国 ・ ロ シ ア( ス タ ー リ ン の 政 権 下 )・ イ ン グ ラ ン ド( チ ュ ーダ ー朝 )・ アメ リ カ 合 衆 国 T:発 問 S: 調べる 6つ の国 にみら れる権力を 分析 する。 例: イラ ン(1900年 以前):全 体主義 、ネ パー ル:君 主政 治等o 展 開 3 次 に, グ ル ープ で話 し合 い ,仮 想文 化 にお ける 支 配 関係 を 設 定し ま す。 そ れぞ れ の文化 が ど のよ うな 価 値観 を持 つ 集 団な の かを 考え, 独自 の権 力を 作り 出し て下 さいo そ の際 , 以下 9個 の質 問に 沿っ て考 え てい きま し よう。 ・ 作 り 出 し た文 化 はど のよ う な 政 府を 持 つか 。 ・ ど の よ う に 指 導者 は 選ば れ る か 。 ・ 権 力 の 名 前 は 何 に する かO ・ 新 し い 指 導 者 が 選【j れ た と き の セ レ モ ニ ー は ど の よ う に 行 う かO ・ 文 化 に お い て 法律 はど の よ う に 作 り 出 さ れる か 。 ・ ど の よ う に し て議 諭 や 法 律 上 の 論 争を 治 める か 。 ・ 主 な 法 律 は何 であ り , ま た な ぜ そ れか 作ら れ る か 。 T:発 問 S 二考え る 全て の 問い に対 し, 各グ ル ープ( 各文化) ごと に答 えを 設定 す る。一 各文化 独自 の権力を 作り出 す。 新 た な 権 力 を 作 り 出 す 文 鑑 § 努 /゛丶 姦 傑 W 茖 筮 ぷ 習 終 結 集団 には その集 まりを 成立さ せる ための 特定の 支配関 係が必 ず形 成さ れます。 そ の支配関 係が権力 で す。権力 とは, 各文 化が 重視 する価 値観 によっ て異なり ます。 したが って, 権力 とは客観 的な存在物で はな く,観念の領域である ことが分か っ たと 思いま す。 T: 説明 集団 の中 に は支 配関 係があ るo 同 時 にそ れは 築団が 重 視 する 特定 の政 治手 法( 統治 手 法)と 結び つい て いる。 支 配と いう 形 で表 出 する 観念 の領 域であ る 権力を 自 ら 作り出 す こと によ っ て, 集団を 規定 して いる政 治領 域の作 ら れ方に ついて 考えるo まと め

Carol Nordgaarden,

Create a Cult

『 らThe Learning Works, 1995, p.28より, 筆者作成。 なお,網掛け部分 は筆 者の分析示す。

を 行 う 。 そ の 上 で 仮 想 文 化 に お け る 独 自 の 権 力 関   

念 が 作 り 出 さ れ る 過 程 を 分 析 し , 実 際 に 生 徒 自 ら

係 を 作 り 出 し て ゆ く 。 観 念 と し て の 権 力 を , 分 析   

が そ の 観 念 を 作 り 出 し て ゆ く 学 習 が 展 開 さ れ る 。

と 構 築 と い う 手 順 で 連 続 的 に 学 習 し て ゆ く 構 成 と   

支 配 関 係 を 作 り 出 す 権 力 と い う 観 念 を 分 析 し , 構

な っ て い る こ と が 分 か る 。      

築 し て ゆ く と い う , 文 化 研 究 学 習 に み ら れ る 解 釈

こ の よ う な , 領 域 的 に 文 化 を 比 較 ・ 受 容 す る 学 習   

構 築 の 論 理 が 示 さ れ て い る と 言 え よ う 。

で は な く , 構 築 物 と し て の 文 化 を 分 析 ・ 研 究 し て   

3  文 化 研 究 学 習 に み ら れ る 解 釈 構 築 の 論 理

ゆ く 学 習 の 必 要 性 は , 北 コ ロ ラ ド 大 学 の 助 教 授 で    

本 教 科 晝 『 文 化 の 創 造 』 で み ら れ る 学 習 は, 文 化

あ る フ ェ ル テ ィ グ も 指 摘 し て い る 。 彼 は ア メ リ カ   

の 概 念 を , 社 会 を 規 定 し て い る 解 釈 枠 組 み と い う 広

合 衆 匡 に お け る 文 化 学 習 が 人 類 学 的 視 点,を 重 視 す   

義 の 意 味 で 捉 え 直 し , そ の 枠 組 み 自 体 が 観 念 の 領 域

る 立 場 か ら , 文 化 変 容 の 過 程 を 分 析 す る 学 習 へ と   

か ら 作 り 出 さ れ た も の だ と す る 。 学 習 で は, 生 徒 自

転 換 し つ つ あ る こ と を 指 摘 し , 文 化 は 言 語 や 科 学 ,  

身 が 文 化 の枠 組 み を 分 析 し , 作 り 出 し て ゆ く 展 開 を

宗 教 等 か ら 作 り 出 さ れ る シ ン ボ ル で あ り , こ の シ   

と る。 解 釈 枠 組 み と し て の 文 化 を , 理 解 , 分 析 , 構

ン ボ ル の 体 系 が , 体 験 や 意 味 の 観 点 を 作 り 出 し て   

築 , 共 有 と い う 過 程 を 通 し て 研 究 し て ゆ く 学 習 が 示

い る と 指 摘 し たII )

。       

さ れ て い る と 言 え る 。 そ の 中 で も, 本 教 科 書 に み ら

本 教 科 書 で は , 文 化 と い う 枠 組 み が そ こ で 生 き   

れ る主 軸 は 分 析 → 構 築 と い う 研 究 過 程 で あ っ た 。

る 個 々 人 の 関 係 を 規 定 す る 観 念 か ら 作 り 出 さ れ た    

以 上 か ら , 本 教 科 書 に み ら れ る 文 化 研 究 学 習 の

も の で あ る と す る 。 単 元 「 権 力 構 造 」 の 分 析 か ら   

特 質 は 以 下 2 点 て あ る こ と が 分 か る 。

も 分 か る よ う に , 支 配 に 表 出 さ れ る 権 力 と い う 観    

①  学 習 内 容 と し て , 解 釈 枠 組 み と し て の 文 化

- 53 −

(8)

を置く

(広義の意味での文化概念)

② 

学習方法

して分析

→構築

とい

う過程

を経

本教科書では文化を直接の学習内容とする

Oた

,ここで言う文化とは,政治

・経済

・文化と

いう狭義の領域を指すのではな

,社会を作

り出

す媒体と

しての解釈枠組み

して捉えている

O学

習方法と

しては

,多数の文化的特徴

を比較理解す

るの

ではなく

,文化という解釈枠組み

をまず分析

,その

上で生徒

自らが解釈

を作

り出

してゆ

く,

解釈構築の論理に基づく研究学習が展開され

社会

とは様

々な人々の集合体である

。ここでは

人々がそれぞれ独

自の価値基準に基づいて様々な

行動を取る

Oしか

しなが

,それ

らの行動は,そ

こで生きる人々全てが無条件に

受け入れ

られ

る行

動であるとは限らない

。挨拶や食事の仕方,もの

の考え方などは

,各個人が持

つ価値基準によって,

異なっているの

である

しか

し,異なる解釈枠組

を持つ他者か

ら見ると

,価値基準が異なる行動

は厂

異質なもの

」と判断される

。一つの事象も,

異なる枠組みか

ら見ることで様々な見え方をす

のである

。社会で生きる人々はその生きてゆ

く過

程に

おいて

,それぞれが異なる枠組み

を獲得

し,

その枠組みに従

って行動する

。本稿で分析

した学

習では

,自分達が持

つ判断枠組み

を解釈

とみな

し,

その解釈が作

り出される過程

を分析

,新たに解

釈を作

り出す学習が展開

される

。この

ような,解

釈構築の

論理に基

づく文化研究学習は

,現実に対

する多様

なものの見方を保障

してゆ

く学習と

して

展開され

ていると言えるであろう。

Ⅲ。結語

本稿の

目的は

,アメリカで展開され

ている文化

研究学習とはどのようなものであるかを明らかに

ることであった

。分析の結果

,本教科書

『文化

の創造』にみ

られ

る文化研究学習は

,解釈構築の

論理に基づいていることが分かった

。解釈構築の

論理

とは

,①

内容面に

おいて,文化を社会

を基底

する枠組み

(解釈)とみ

なす

こと

,②

方法面に

いて

,分析→構築という学習が展開され

ているこ

とであった

。文化

を領域

的に把握す

るの

ではな

く,

社会

を読み

一つの解釈と

して分析

し;その上

で生徒自らその解釈を構築

してゆ

く学習が展開

いるの

文化

究学

習は

,近

年ア

リカ社

会科

て数

く展

され

うにな

いる

。では

,なぜ

うな

学習

がみ

られ

るの

うか

。その

主な

して

,文

化に

関わ

問が1990

以降

く変化

した

こと

,文

化の

変容

した

こと

して

,ア

リカ社会

内に

いて

多楡肬

容認

と国

民の

2つの

論理

が再

びせ

を見せ

,文

化の

学習

大き

く変革

しつ

ある12)

を挙

られ

多文

化の

う問題は

リカのみ

らず

国で

も提起

され

いる

文化

とは私

ちが

つ価

等が

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う。

【註】

l) Evans,

R.W.,

The

Social

Studies

Wars。

汗fyat

should we

teach

the

chilc

かen,

Teachers college Press, 2004,

pp.

175-176.

2)拙稿「文化

習原理」

『教育学研究紀要』第50

研究学習(Cultural Studies)

巻,

2004,

としての社会学

pp.392

3970

3) Banks,

J.A.,

Citizenship education for a pluralistic

democratic society. The

&c心底idles,

81

(5),

1990,

pp・

210-214.

4) Ellington,

L・3

Multicutural Theorists and the Social

Studies,

The

Social

Studies,

89(2),

1998,

pp.57-60.

5)

詳細は拙稿「現代アメリカ社会科にみられる文化学

習論の転換 教科晝

『比較文化(Comparing Cultures)

を事例としてー」

『広島大学大学院教育学研究科紀要

第二部』第54

号,

2005

年,

pp.77-86

をご参照頂きたい

6)その背景としてカルチュラル

・スタディーズの台頭

が挙げられる。

7) Carol Nordgaarden

。 (:

α

弛αCultu,?re,

The Learning

Works,

1995.

8) Ibid,

p.5.

9)

乃id,

pp

.5-6.

10)クリフォ

I』岩波現代選書,

ド・ギアツ著,柳川啓一訳

1973

年,

pp.6-170

『文化の解釈

11)

Gray Fertig, Investigating the Process of Cul-ture Change

丘om an Anthropological Perspective.

刀he

Social

Studies,

87(4),

1996,

pp.165- 166

参照

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