• 検索結果がありません。

工業高校の数学における診断型学習支援システムの開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "工業高校の数学における診断型学習支援システムの開発"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)工業高校の教学における診新型学習支援システムの開発 生活・健康・総合内容系コース 皿07240c 中崎一郎  (指導教員 森山潤,主任指導教員 松浦正史). キーワード:ICT活用,学習診断,学習支援システム,工業高校,.数学. 1.研究の目的と背景. ・ICT活用に対する二一ズを把握する項目.  本研究の目的は,工業高校の数学において生. (2)結果と考察. 徒の学習状況に即した学習指導を支援するため.  調査対象者の状況として,工業高校の学習に. の学習支援システムを構築することである。. 対する数学の重要性を84.7%が認めている反面,.  高校の数学は,小学校の算数や中学校の数学. 68.7%が数学に対して「難しい」と感じている実. の基礎の上に成り立つ科目である。そのため基. 態が把握された。一方,ICT活用への二一ズで. 礎となる思考や計算が苦手な生徒は,高校で学. は,「演習間題型コンテンツ」(平均290/4件法),. 習する新しい単元においてつまずきを呈するこ. 「シミュレーション型」(平均2.74)が高かった。. とが多い。r方,学校の情報インフラの整備が. 数学の学習方法とICT活用への二一ズとの関連. 進む中、各教科の授業で学習ツールとしてイン. を検討するために、学習方法を説明変数,各コ. ターネットやコンピュータを利用することが考. ンテンツヘの二一ズを基準変数とする重回帰分. えられる。. 析を行った。その結果,「復習」の習慣を持っ生.  工業高校の生徒の場合,工業の専門教科の学. 徒は,r説明型コンテンツ」やr動画型コンテン. 習においても基礎的な数学の知識は極めて重要. ツ」への二一ズを形成すると共に,「友達との学. である。また,情報系の科目も多いため,学習. びあい」の習慣を持つ生徒では,「演習問題型コ. 支援システムの使用に対する親和性は高いと思. ンテンツ」への二一ズを形成していることが示. われる。. 唆された。.  しかし,どのような高度な学習支援システム であっても,生徒の二一ズや学習上の課題に対. 2−2.開発のコンセプト. 応したものでなければ,その効果を十分に発揮.  そこで本研究では,中間・期末テスト等の総. させることはできない。そこで本研究では,学. 括的評価の直前に,生徒が効果的に復習できる. 習者の認知的実態を踏まえた診断型の学習支援. よう,前述した二一ズ調査の結果に基づいて,. システムを構築することにした。. 説明型コンテンツや動画型コンテンツ,演習間. 題型コンテンツ等を統合し,全体として診断型. 2研究の内容. の学習支援システム(以下,本システム)を構築. 2−1.高校生のlCT活刷こ対する二一ズの把握. することとした。. (1)方法.  本システムは,診断用演習機能,診断結果ガ. ①調査対象兵庫県内の公立工業高等学校1校. イダンス機能,学習コース生成機能で構成され. の生徒計324名。有効回答は320名(98.8%)。. る。システムの構成は,サーバ・クライアント. ②調査項目:(4件法で回答). 方式とし,学習者は通常のWebブラウザでアク. ・数学の学習に対する意識を把握する項目. セスできるものとした。本システムに掲載する. ・数学の学習方法の状況を把握する項目. コンテンツとして高校数学I,2次関数の単元 一480一.

(2) を選定した。本システムの構成を図1に示す。. を入力信号,教師の経験的な4パターンの学習 方略(A:基礎確認方略,B:ドリル方略、C:表現. 活用方略,D発展問題挑戦方略)を教師信号とし,. ユーザ豚証. ニューラルネットワークに学習させた。形成さ. 学習階層表示による先行オーガナイザ. れたネットワークモデルを用いて診断用演習問 診断用高習問塵. 題の結果から適切な学習方略を判定するパター 学習階層表示による診断結果フィードハック. ンデータを作成した。. 4)学習コースの生成. ご切な学習方略の判定と学習:1一スの生成 ・一・一一.一■  ・..…    一一・・■   ■…    一‘一・…      一・・.・一一・・一・  ・‘■・・●一・一. 黶@                                                一I                                                 I1                                                 一.  診断用演習問題の正答状況から復習の必要な. 再判定. 学習事項と前述した学習方略判定の結果を組み 合わせ,各生徒の実態に即した学習コースを自 動的に生成するようにした。そして,各学習コ. 図1.システムの構成. ース内の確認テストによって,学習階層上に達 成状況の変容の様子が表示されるようにした。. 2−3.システムの開発と機能.  これらの各機能によって生徒は,自己の学習. 1)学習階層の構成. 状況を振り返り,課題を把握すると共に,適切.  本システムの設計にあたり,工業高校1年生. な学習方略に沿って効果的に復習に取り組める. 78名を対象としたアチーブメントテストを実. ものと考えられる。. 施し,共分散構造分析を用いて2次関数の学習 事項間の因果関係(以下,学習階層)を把握し. 2−4.システムの評価. た(GFI=0,927,AGFI=0,864,RMSEA=0,054)。こ.  開発したシステムを評価するために,兵庫県. の学習階層を,診断用演習機能の問題配列,診. 内の公立工業高等学校1学年10名(電気系学科). 断結果ガイダンス機能のフィードバック情報,. を対象とした授業実践を行った。その結果,シ. 学習コース生成機能の学習方略判定のフレーム. ステムのユーザビリティか高く評価されると共. ワークとして使用した。. に、「理解度の確認」(100.0%),「自分に適した. 2)診断および結果のフィードバック. 学び方」(90.0%),「弱点の改善」(90.0%)等の項.  診断用演習問題では,プルダウンメニューに. 目において本システムの有効性が確認された。. 用意された回答を選択し,学習事項すべてに対. また,授業後には「自分のできていないところ. 応する演習問題を回答し,データベースに結果. がよくわかった」,rわすれていた内容を思い出. を保存する。その後,前述した学習階層を用い. すことができきた」など,本システムが生徒の. て各学習内容の達成度をグラフィカルに表示す. 自己学習を適切に方向付ける効果のあることが. るようにした。. 確認された。. 3)学習方略の判定.  通常、数学担当教員は,生徒のテスト結果を. 3.まとめと今後の課題. 評価し,その状況に応じた適切な学習方略を判.  以上,本研究では,工業高校の数学において. 定し,フィードバックしている。本システムに. 生徒の学習状況に即した学習指導を支援するた. おいては,このような担当教員の直観的な学習. めの学習支援システムを構築した。. の方向付けを実現するために,誤差逆伝播型ニ.  今後は,本システムの各機能をより高度化す. ュー 宴泣lットワークを用いることにした。具. ると共に,学習データを蓄積し,掲載できる教. 体的には,生徒のアチーブメントテストの結果. 材パッケージを充実させていく必要があろう。 一481一.

(3)

参照

関連したドキュメント

出版社 教科書名 該当ページ 備考(海洋に関連する用語の記載) 相当領域(学習課題) 学習項目 2-4 海・漁港・船舶・鮨屋のイラスト A 生活・健康・安全 教育. 学校のまわり

オーディエンスの生徒も勝敗を考えながらディベートを観戦し、ディベートが終わると 挙手で Government が勝ったか

また、学内の専門スタッフである SC や養護教諭が外部の専門機関に援助を求める際、依頼後もその支援にか かわる対象校が

法制執務支援システム(データベース)のコンテンツの充実 平成 13

支援級在籍、または学習への支援が必要な中学 1 年〜 3

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

  総合支援センター   スポーツ科学・健康科学教育プログラム室   ライティングセンター

  総合支援センター   スポーツ科学・健康科学教育プログラム室   ライティングセンター