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新興市場参入問題の構図 : 中国におけるチャネル拡張と制約

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(1)弘 三ヰ. 説. 田. 新興市場参入問題の 構図 一中国におけるチャネル 拡張と制約一. 谷. Ⅰ. 序. 弘. 安. る.以下ではまず,新興海外市場が開発途上 国であ るという点から ,販売活動面での問題を あ. -" ム. 近年,市場機会の有望性を急速に. 拡大させて. いる国のことを 総括的に「新興海覚市場」と ぶことが多くなった・. 地. 明らかにする.ついで,そのような検討にもと. 呼. づき, さらに中国に 対象を限定して , 問題構図. 現在,中国は新興海外 面. を実証的に明らかにする. 中国市場での 販売を 目的として投資を 行った日本企業にたいする. 場の旗手として 位置づけられる ,. このような市. 場としては,ほかにインドや南米の南部諸国な. サーベイが実証のためのデータ・ソースとなる. どが挙げられる.. この分析により , 中国市場での 販売がきわめて. ここ数年の間, これら新興海外市場の 有望性 が強調され,実際に多くの日本企業が 投資を行 ってきた. とくに, 中国にたいしては 90 年代に 入ってから,過熱 りとも形容される 投資フロー. 深刻なものであ ることが例証されるであ ろう. それは,成長市場という新興海外市場の 一般特 徴に,現実との乖離があ ることを示すことにな. 白. が発生したのであ. る・. ところが,最近になって,. る.. ほかの新興海外市場は. ,現時点においては 中. 投資企業自身によるコメントやジャーナリズム. 国ほどの投資を 吸引するにはいたっていない.. の 見解に変化が. したがって,中国を対象とした分析が , 一つの. 見られるようになってきている. すなわち,中国事業をめぐる問題点がクローズ アップされる よう になってきたのであ る.問題 点は合弁投資における 契約面での対立や ,生産 活動面での問題,販売活動面での問題など, 多 販売活 岐 にわたっているが ,なかでも,昨今は 動をめぐる問題が 強調されるようになっている. しかも,販売活動の問題といっても ,その内容 はさらに多岐にわたっているのであ る・ただし. 進出対象市場として 有望視されている・そのと. こと販売活動面にかんしては. , 問題が断片的に. き, どのような形で 進出するかという 点に注目. 取り上げられているだけであ. って,全体像が今. すると,それは直接投資による. 実状であ る.. そうした実状から ,本稿の目的は新興海外市 場での販売をめぐる 諸問題を構図化することに. , ほかの市場を 対. 象とした参入を 企図するさいの 経験知識になる ことが期待される. 2. 一つはっきりしないというのが. 先行的バロメーターとなって. 新興海外市場投資. 新興海外市場は ,その市場の成長性, さらに 潜在的な規模の 大きさという. 2. つの側面から ,. 進出になる傾向 があ る・現に, 中国にたいしては 多くの投資が. なされた. この場合,直接投資では現地に生産 活動拠点が設立され ,生産機能をもつ現地法人.

(2) 新興市場参入問題の 構図. が 形成されることになる.. この点で,輸出と画. される.. (谷地. (227) 79. 弘安 ). 的な技術の導入・ 移転といった 目的達成とはむ すびつきにくく ,当該製品の生産に必要な 部品. なぜ,生産投資という形での進出となるのか. 産業の発達を 期待しにくい. しかも, そうした. いくつかの理由を 挙げることができるが ,重要. 外国製品が現地販売され ,高い成果をあ げてい. なのは新興海外市場に 該当する国が、 従来で ぃ. れば,現地部品産業にたいしての打撃にもなる. う. 開発途上国であ る点であ る.. かくして, 当該国では中間財にたいする. これら国々は 直接投資を奨励する 傾向があ. る. それは輸出との 相対において 説明される.投資 先 回 にとって外国投資が 雇用の創出.先進 りな 技術の移転・ 導入といった 短期的・長期日りな 経 白. 済効果をもたらすためであ ょ. うな経済効果が. ぅ. る.輸出では,. この. まれにくい.そこで,現地. の政府は関税をかけたり ,各種の投資優遇策を 講ずることで ,輸出にたいする直接投資の経済 的な有利性を 意識させる. また, もし外国からの 輸入が拡大し 輸入国 側の貿易収支が 悪化すると両国間での 経済摩擦 となる・ それは政治的対応の 対象となり,外国 産品にたいする 関税賦課といった 制度的な取り 決めにむすびつくことになる. これも輸出の 代 替 策 としての直接投資の 有利性をもたらす. くわえて,製品生産にかんしていえば,新興 海外市場諸国では 最終製品のみなら・ ず ,部品や 原材料といった 中間財にたいしても 規制をかけ ることが多い. 1 つは輸入中間財にたいする 関 税賦課であ り, もう 1 つの重要な施策は 現地調 達規制であ る.. 関税賦. 課,現地調達規制を実施することにより ,. より. 上方の工程にたいする 投資を誘引したり ,現地 供給業者からの 調達を促進しようとするのであ る.. 直接投資に. よ. る進出が活発となるも. う. 1 つめ. 理由は,市場要因とは 異なる別の特性にあ る. 生産費用の相対的な 低廉性であ る. 生産費用の相対的な 低廉性は,生産要素価格 の 低さを源泉とする.新興海外市場の 場合, そ. の典型は人件費であ. る・. この人件費の 低さは,. とくに労働集約的な 製品,換言すれば生産プロ. セスに労働集約的な 工程部分があ り,原価上, それが無視できない 割合を占めているような 製 品において重要となる.典型的には,組立工程 をもつ各種機械 や ,縫製工程をもっ繊維が挙げ られる.. かつては国内の 生産活動拠点で 生産しそれ を 海外市場に輸出するというのが 日本企業の姿 であ った. それが為替レートの 変動により,輸 出価格競争力ないし 輸出収益が悪化したことか ら,生産活動拠点を海外に設立するという 動き. 経験則によれば ,最終製品の輸出に関税が 賦 課されると,外国企業は 生産直接投資を 行うが, それは中間財を 輸出し現地で 最終製品への 組. 外市場が生産費用の 相対的低廉性からも 特徴づ. 立や加工を行うための 投資であ る. 「ノックダ. けられ, 日本企業の投資を 吸引しているのは ,. ウン. 資. (KD) 」, 「スクリュー・ドライバー」. と呼ばれる・. この ょう な方法では。 あ. 投 くまで. 最終製品が現地で 完成されることになるため. ,. が80 年代中頃 から活発になってきた. 90 年代に. は,その動きにさらに拍車がかかった・. 新興海. このような事情に 対応している ,新興海外市場 に 投資を行い,生産活動拠点を 設けるのは,国 内での生産で 低下することになった 国際価格競. が 行われることになり ,両国間の貿易収支を 劇. 争力を回復・ 維持することにあ る. したがって,新興海外市場と呼ばれる国が 市 場の成長性,生産費用の 相対的低廉性という 2. 的に変化させることはな. つの特徴をあ わせもっことは ,. 最終製品にたいする 関税を回避する 手段となる しかしながら ,. こうした投資では 中間財の貿易 い.. また,最終的な組. 立や加工といった 下方工程向けの 投資であ るこ とから,投資先国が期待するような 高度で先進. そこにたいする. 直接投資ドライブが 加算的に大きくなることを 意味するのであ る 1,..

(3) 80 (228). 横浜経営研究. このように新興海外市場にたいしては. ,直接. 投資による進出が 主流となることが 予想される ここでいう直接投資とは. 第 3 号 (1997). 第皿巻. ,生産機能を有する現. よって現地の 流通機構や需要にかんする. 知識を. 蓄積しつつ, しばらくはそのもとでチャネルの. 拡張を行い,そのうえで 資源投入量の 大きな生. 地法人を設立すること ,あるいは生産向け 直接. 産 投資を行うようになる. 投資であ. 新興海外市場と 呼ばれる国が市場の成長性 と い う特徴をもち ,それが生産投資を 吸引すると いうことは,生産した 製品を現地市場で 販売す. 常道であ るという見解が 示されている 2). しか し ,新興市場を対象とする場合は ,その国が比 較的最近まで 閉鎖的な対外経済政策をとってき たことや, さきに説明したような 投資ドライブ をかけてきたことで , この 26 な 段階的な参入 行動の効果を 抑制している.つまり ,市場要因 をふくのたドライブは ,初期時点から 直接投資. ることでもあ る・ したがって, この場合の直接. に. 投資では,生産・ 販売機能をもった 現地法人が. ような非投資形態を 先行させても 現地流通や市 場 にかんする知識, チャネルの先行形成効果が. は,. る・. しかしながら ,このような捉え 方. しばしば一種の 偏向をもたらすことがあ. それは,生産にたいして注意が集中し たいする注目が 希薄になるということであ. る,. 販売に る.. 設立されることになる・ 現地法人は,新興海覚. 市場での販売という 重要な役割をあ たえられる のであ. る・. この点に注目しかつ 直接投資がな. された時点から 直後のことを 考えると,現地法 人の重要な課題は ,生産した製品を現地市場の 需要者に供給するためのルートを 形成すること であ. る・. さらにいえば ,進出直後であ ることか. ら, このようなルートを 広げていくことであ る. こうした製品の 供給ルートを 一般的に流通チャ ネルというが ,流通チャネルの拡張が,現地法 人の基本的な 課題となる・. しかし新興市場で. よ. , それがリスク 回避の. る進出をもたらす. しかも, たとえ輸出の. 抑制されているのであ れば,それは実際には初 期時点からの 投資による進出と 変わりがないと いうことになる. このことは生産能力の 形成と チャネルの形成が 同時点からはじまることを. 意. 抹 するものであ り,いかに両者を適合させてい くかが基本的な 課題となってくるのであ. る. そ. して,進出初期時点ではチャネルをいかに拡張 するかが焦点となってくる 3).. しかしたとえ 新興海外市場が 成長性や潜在 規模の点から 有望と見なされても ,最終需要者. のチャネル拡張については ,これまでほとんど 関心が寄せられてこなかった・ また,関連する 先行研究では 対 G できないという 実状があ る.. にまで製品を 到達させるためのチャネルを 拡張 形成することは 容易ではないと 思われる.新興. まず,中国をはじめとする新興市場国での 事 業活動にかんする 研究では, もっぱら歩留まり 改善とか不良率低減をふくのた 安定的な操業体 制への移行の 方法を工場労務管理にたいする 日 本白り 経営システムの 移転という視点から 検討す るのがほとんどで ,現地での販売体制の形成局. とを考慮しなければならない・ さらに,そのよ うな新たな特徴を 組み込むと,成長性の 高さや 潜在規模の大きさという 大枠的な特徴は ,個別. 海外市場には ,. も. う. 1. つめ 大きな特徴があ るこ. 企業にとって 違ったものに 映ることになる. こ. の点を以下で 説明しょう. 3. 面への関心は 希薄であ る.. チャネル拡張の 次元と行動範 型. また,海外市場参入をあっ かぅ 研究の多くは ,. 流通チャネル 拡張にはいくつかの 下位次元が. 輸出と技術供与,直接投資といった 形態選択 問 題を対象としているが ,そこではチャネルをは. あ る・そうした 次元での検討を 行うために, チ. じめとする現地でのマーケティンバ. は, チャネルにかんして 2 つの視点があ ること. がまったく考慮されていない. ,. 行動の次元. とくに,チャネ. ル拡張という 側面に注目すると ,企業は輸出に. ャ ネルにかんする 視点を示しておこう.. 図表 1. を示している. 1. つは特定の製造企業と 特定の流通業者あ る.

(4) 新興市場参入問題の 構図 (谷地 図表 1. (229) 81. 弘安 ). 流通チャネルの 基本的次元. 「 "一 " 一 "一 "一 "一 "一 "一 " 一 "一 "一 "一 "一 "一 " 一 "一 ュニソト ・チャネル. l. 流通業者. 製造企業. 流通業者. Ⅰ・一・一.一.一. チャネル,ネットワーク. 一・一・一,一・ 一,l. 米 " 一 " は 取引関係を示す. ぃは 販売拠点の二者を 単位とするものであ る. しよう. チャネル拡張は ,域内業者密度,販売対象地. この ょう な二者問の っ ながりとしてチャネルを. 見るとき,これをユニット ,チャネルと 呼ぶこ とにしよう. 2 つめは,特定の製造企業と複数 の流通業者,すなわち 1 対多 としてチャネルを とらえるものであ る. この 2 3 な 視点からとら え 8 丁る チャネルをチャネル・ネットワーク 呼ぼ 3% 才. と. ょ或 ぅ. いずれのレベルにおいても. ,. ともに増加とい. のが基本 範型 となる.そして,いずれについ. てもその論理は 共通であ る. すなわち, それに よって需要者にたいする 当該製造企業の 製品露 出機会,人手可能性を高めることであ. る. 5). 以上は,当該製造企業とは独立した流通業者 との間での議論であ. る. しかし. 自社販売組織. を設立し,それをつうじて流通業者や最終需要. 3.1 ネ、 ッ トワーク次元での 拡張 まず,チャネル・ネットワーク次元での拡張. 者に製品を販売する 場合も同様の 議論を行 うこ とができる. を 考える. この次元でのチャネル 拡張というのは ,取扱 流通業者を数的に 増大させることであ. この. る・. すなわち,支店や営業所といった 卸売・小売 業務を遂行する 内部販売組織についても ,チャ. ,そうした拠点数. とき,需要者の空間的な分布を 考慮しかっ そ. ネル拡張という 点からすれば. の 空間にかんして 階層,注がある点を考えれば ,. の 増大が志向される.一方, こうした自社販売. さらに 2 つの下位次元を 導き出すことができる・. 組織の場合に 特徴的なのは. 1. っは ,ある特定空間単位の 内部において 取扱. 流通業者を増加させることであ. る,. も. う. 1. っは ,. ,販売拠点の規模が. 選択対象変数になるということであ. る・その 親. 模 としては,たとえば拠点において 販売活動を. その空間単位の 集計レベルで 取扱流通業者を 増. 遂行する販売要員から 見ることができる・その. 加 させることであ る.前者のような,. ときのチャネル 拡張とは,販売要員を数的に増. な 空間単位で定義される. より 狭降. 業者数の多寡を「域内. 業者密度」と 呼び,後者のような ,. よ. り広範な. 単位でのそれを「販売対象地域」と. 呼ぶことに. 加 させることであ. る 6).

(5) 82 (230). 3.2. 横浜経営研究. 第㎜巻. ユニット次元での 拡張. 製品販売額が ,流通業者の所与の販売能力にの. ネットワーク 次元での拡張は ,ある空間単位 のもとでの取扱流通業者の 数的な増加であ る.. 一方, こうした量的な 局面ではなく ,特定の業 者を単位とした 拡張を考えることができる. 特定の流通業者を こには. 3. 1. 第 3 号 (1997). つの単位とするとき ,そ. つの次元からなる 能力があ. る・. 1 つは,. み依存するならば ,それはうえに述べたような 取扱業者の量目り 拡大の問題に 帰着することにな る・ しかしながら ,. 高める方法が ,. かりに製造企業の 販売額を. こうした業者の 量的拡大以覚に. も 存在する場合,あ るいは特定流通業者の. 能力 を拡大させる 方法があ る場合,製造企業は積極. もっとも基本的な 次元としての 製品販売能力で あ る・ ここには適切な 販売促進政策,強力な営. 的にそれらの 手段を行使しょうとするだろう. その方法は, いずれも特定の 流通業者と密接に. 業 部隊, さらに有望な 流通業者との 取引関係の 有無といった 複数の下位次元があ る. 2 つめは,. 関連している 一方,流通業者にたいする直接的 な働きかけであ るのか,そうした直接的な働き. 製品物流能力であ る・すなわち ,. かけをしないのかという 点で 2 つに分けられる. さらに川下の. 流通業者や最終需要者からの 注文に応じ,指定 された製品を 適時・適量で 配 荷 できる能力であ. ことになる. 第 1 は,製造企業による広吉,および販売促. る. 進 であ. ・. また,製造企業からすれば,地理的に広範. な地域に所在する 顧客と取引関係をもっている ことは望ましい. このような流通業者がゆうす る能力として 力 があ る 7).. 3. これらは総じて 当該製造企業の 製品. にたいする最終需要者を 対象に行われるものに 限定される・すなわち ,流通業者による 自社製. ,地理的に広範囲な製品の物流. 能. 品ロの 優先古りな取り. つのは,財務的能力であ る.. と. イー. 3. くに掛け売り 方式の場合は ,あらかじめ定めら れたサイトで 所定の債務を 履行してくれる 業者 が取引相手として 望ましい 8). これら. る・. つは相互に関連しているといえる.. 製品物流能力は ,当該業者の販売能力と重複す るだろう・一般的に ,. この能力は顧客満足度と. 扱いを目的とした 各種の デ. ラーヘルプスは ,. これにふくまない.. 最終需要者向けの 広告や販売促進が ,流通業. 者の販売能力を 媒介にして製造企業の 販売額を 高めるというのは ,最終需要者による忠誠の形 成・維持を基本的な 目的としていることに 由来 する・最終需要者が 忠誠を形成すると ,かれら は当該製品の 購買にさいして ,取扱流通業者に. 高く関連しており , その競争優位性を 規定する. 製品を指名することになる・すなわち. ものだからであ. 製造企業自身の 手で製品にたいする 最終需要者. る・. また,地理的に見て広範囲. に 顧客を有していることも う. ,製品物流能力をゆ. していることの 結果と考えることもできる.. このような関係を 踏まえれば,財務的能力にか んしても,それは製品販売能力, ひいては製品 物流能力の結果として 得られるものであ ると 考 えることができる・ 販売能力の結果として ,当. の 購買意欲を喚起し. ,. これは. 結果 りに流通業者の 販売 高を高め,製造企業の販売高を高めようとする 白. ものであ り,広告や販売促進はその媒介的な手 段として位置づけられる. ,. よ り直裁的にいえば ,. 製造企業の販売高は 流通業者の販売能力によっ て 規定されるが ,基本白りには ,最終需要者にと. 該流通業者の 販売収益が当該製造企業にたりす. って当該製品自体が 魅力あ ることが必要であ. る債務履行の 遵守に結びっくことは 容易に理解 できよう. 流通業者がめうするこうした 能力それぞれに ついて業者間でばらつきがあ る場合,さしあた. る 9).. り. ぅ. 製造企業としては 能力が高 い 業者と契約しょ. とすることになるだろう. もし製造企業の. つぎに,製造企業が流通業者に直接働きかけ ることで,その販売能力を高める 方法を考える. ことにしよう.それは各種のディーラーヘルプ スであ る.. まず,当該製造企業が自身で採用し 教育・.

(6) 新興市場参入問題の 構図 (谷地. 訓練してきた 販売要員を流通業者に 派遣しそ れを媒介にして 流通業者の販売能力を 高めよう. とすることが. 1. つめに考えられる・. (231 83 Ⅰ. 的に難しいと か わねばならない・ 1. 派遣店員 制. 弘安 ). つに, 数 的に見た相対的な 不足であ る・た. とえば,消費財をとりあげ,小売段階に注目し. 自社が. よう. もっとも単純な 枠組として,百貨店や. 流通業者の販売課業を 代行するという 形態では なく,流通業者の人材や設備を 所与として,販 売をふくめて 広く経営管理・ 業務にかんする 情. スーパⅠ量販店,専門店といった業態を考え ても,既存業者の立地密度は相対的に 低い・ よ り細分化された 空間単位で捉えれば ,特定の細 分空間単位での 密度は高くとも ,それ以外の地 域でみれば店舗密度が 低いという実態が 考え も. であ る.. 2. つのに,派遣店員のように,. 報の提供や指導を 行うという手段が 考えられる. これを取引先経営指導と 呼ぼ 6. 3 つめに, 消 費 財のように小売業者を 経由して販売する 場合 は, POP など,店頭販売促進のための 資材や ツールを提供するということが 考えられる・ 販. れる.そもそもそうした業態自体,存在しない かもしれない. たとえば, CVS といった,比 較的新しい業態は , こうした国では 見られない. 促資材提供であ る・ こうした方法は ,いずれも製造企業が流通業 者の販売能力水準の 現状に問題を 意識しかつ 自社がそれを 高める術を開発・ 認識している 場. つめに,たとえそうした業態の既存業者が 存在しているとしても ,かれらの能力に疑問が. 合に,流通業者の能力拡大を,かれらに直接働. 米国のような 先端白りな情報システムや 各種設備. きかけることで 達成しようとするものと 考える ことができよう. この ょう な方法は,独立した流通業者にたい. を装備し同等の 能力を形成していると 期待す. してだけではなく ,. 自社販売組織にかんしても. 考えることができる・たとえば. ,自社販売要員. ,当該企業がこれまで培ってきた. 販売ノウハウがかれらにたいして. 提供されるこ. とになるだろう. 4. あ る. これらの国の 流通業者について ,. つのに,こうした個々の流通業者の 能力を 超えて,その 国における全体的なインフラスト ラクチャーが 低水準にあ り,それが流通業者の 3. まず, チャネル拡張において 重要となるのは , 確保するこ. とができるかであ る. しかし新興市場という. のが,すでに指摘した. よ. うに開発途上国であ. る・. これは,. とくに物流能力にあ てはまることであ る・広範. 囲な 製品物流能力が 期待されており ,当該業者. ,高速道路. や鉄道といった 物流インフラの 整備が遅れてい. 4.1 新興市場特性による チ ヤネ、 ル 拡張制約 前節で見たようにチャネル 拡張にはいくつか の下位行動範 型 があ る・ しかし新興海外市場 ま では,流通チャネルの拡張は容易ではない・ た,新興市場にかかわりなく,チャネル拡張は 無制限にできるものでもない. 有望な製品取扱流通業者をどれだけ. 日本や. るのは難しい ,. もその形成を 意図していたとしても. 新興海外市場におけるチャネ 、 ル 拡張制約. 点を考慮すると ,. 2. 能力を規定しているということがあ. や 管理者にかんしても 教育・訓練は 行われる・. そのときには. かもしれない.. る. こうした能力を 兼ね備えた流. 通業者を発見し 取引関係をむすぶことは 相対. れば,その達成も個々の業者にとっては 困難に なる.それは特定企業レベルを 超えて,一国家 の経済政策と ,それにともな う 公共投資にかか わる問題であ る 10). このような要因はチャネル・ネットワーク 元 での拡張を制約することになると. 次. 考えられる. また,既存業者の能力に問題があ る場合,チャ ネル拡張を志向する 製造企業としては , これら 流通業者の能力を 向上させるための 投資を行わ. ねばならない.流通業者を説得し販売・ 物流 のためのシステム 設計や営業要員の 教育・訓練, 効果的販売促進プロバラムの 策定・実施にたい して支援を行うことで ,流通業者の能力を高め.

(7) 84 (232). 横浜経営研究. る 必要があ. るが, それに時間と 費用がかかる・. 第㍼ 巻. また, このような問題が 認識されるとき ,製造. 企業としては 販売課業を自社で 行. う. ことが代替. 第 3 号 (1997). 第 1 に考慮すべきは ,取扱流通業者の量的拡 大と販売高との 関係であ る. かりに流通業者の 能力にばらつきが 見られるとすれば ,業者の量. 案 となるが, これはシステム 設計から構築と 運. 的拡大と販売高とは , ほかの条件を 一定として. 用,営業要員の採用・教育・ 訓練,課業の管理. も線形比例関係にはならない・. といった業務をすべて 自社の費用のもとに 行わ ねばならない.換言すれば,販売のための投資. 製造企業が流通業者の 能力にかんして 一定の基. 規模が肥大する. そうした投資規模は ,販売対 象地域を拡大するほど ,. またチャネル・フロー. において, より最終需要者に 近くなる川下を 対 象とするほど 増大すると考えられる 田 .. この. このとき,. もし. 準を設定して 能力の高 い 業者から取扱いを 要請. するという方針をもっとすると ,取扱業者の数 的規模と販売高規模との 間には逓減関係が 現れ ることになる. 第 2 に考慮すべきは ,特定流通業者の能力を. ように,新興海外市場でチャネルを拡張してい. 高めるために 必要な投資ないし 費用であ る.. くことには,困難や制約がつきまとうことが 予. れは製造企業が 流通業者に直接的に 働きかける. 想されるのであ る.. 方法で重要となる. ここで取扱業者の 数を考慮 にふくめれば ,それが増大するほど能力拡大の. 第. 2. に,域内業者密度の増大には限界があ. る. ことが知られている.ブランド内 競争であ る. これまでのチャネル 論が教える よう に,製品取. 扱業者をいたずらに 増加させることは 問題を引 き 起こす.取扱業者の拡大は当該製造企業の 製 の 顧客への露出機会を 高めるという 効果をも 品ロ. っ・ しかし取扱業者の 立地密度が拡大して い. くと,その業者間で自社製品をめぐる 価格競争, すなわちブランド 内 競争が発生することになる. こうした価格競争は ,取扱業者にとって当該製 品のり X 益率 低下をもたらす. それは流通業者に よ 自社製品取扱・ 販売促進インセンティヴの 低下をもたらす ( 田村 [1971 円高嶋 [1994]) このような事態を 回避すべく,製造企業は流通 業者の空間的な 競合を考慮して 取扱業者を確定 製 しようとするのであ る.つまり,理論的には 造企業のチャネル 拡張は無限定に 行われるので. る. こ. ための投資・ 費用の規模も 拡大することになる 一方,製造企業が負担しうる投資・ 費用規模に は一定の限度があ る, したがって,ばらつきの あ る流通業者すべてにたいして 一様に能力拡大 のための支援投資を 行うというようなことはな いだろう. 第 3. に,既存の能力水準が異なる流通業者と. 取扱契約をむすび ,. さらには能力拡張のための. 支援を行 う とすると, これらの流通業者を 統 制・管理したり ,支援を行う ときの業務の 複雑. 度が増大するだろう. これは異なる 規模や業 種・業態と広範に 取引する場合に 管理業務が複 難化し費用が 増大するという ,既存のチャネ ル研究の見解と 同じ考え方であ. る. (高嶋. [1994]).. えることができる 12). 新興市場では ,流通業者間の能力にばらつき があ り,相対的に能力が高く, しかも製造企業 から見て高い 販売能力をゆ う すると考えるよう. 4.2. な流通業者は 数的に多くはないと 予想される. 以上の事情からすれば ,新興海外市場では,た. はない. これもチャネル 拡張への制約要因と 捉. 新興市場におけるチ ャネ、ル 拡張行動間の 関係. んに取扱流通業者の 数を増大するということで はなく, むしろ相対的に 既存能力の高 い 流通業. さて,新興海外市場特性のチャネル拡張制約 をより詳しく 見ると,拡張行動の間には いくっ. 者を優先的に 取扱対象として 契約しそれら 業. かの関係があ ると思われる ,図表2 は,それを. 者にたいして 集中的にディーラーヘルプスのた. 示したものであ る. めの投資を行. うと. 予想されるのであ る.その意.

(8) 新興市場参入問題の 構図 (谷地. 図表 2 「. (233) 85. 弘安,. 新興海外市場特性とチャネル 拡張との関係. ユニット・チャネル次元 一. @. l. 対最終需要者向け 広告・販売促進行動. 「. 相対的低水準. 現地流通業者の能力. /. 販売能力. /. ディーラーヘルプス. 一 "l. /. l し . 一 - 一 . 一 . 一 . 一 . コJ. / / / /. 「. チャネル・ネットワーク 次元. 寸/. 域内業者密度増大. 物流能力. インフラとし の 相対的低水準. / /. 財務能力. |. 販売対象地域拡大 し .. ---. @一 - -一 -. -@. -一. 叉. 生産活動拠点 の分散配置. 対遠隔物流特性 小頻度・大口,. "一 ""一 " 一 ""一 " 一 " 一"" 一. 市場分散性. ト. 需要予測精度 向上の必要性 規模効率. 迷 " 一一一 ,は逆順関係を示す. 味で ,. ネットワーク 次元とユニット 次元での 拡. 脹 には代替的な 関係があ るものと推測される さて, ネットワーク 次元には, さらに 次元があ ることが示されたが ,. 2. つの. 地域集計レベル. での拡張,すなわち販売対象地域の 拡大にっ ぃ. 地域を拡大していく 場合,流通業者の製品物流 能力が脆弱であ ることは,その制約となる, そ して,製造企業はあらたな局面での 行動を百 ",] することがチ 恕 される. 販売対象地域の 拡大に注目すると , 製 砧物流. て 考えてみよう. 以上に説明した 製造企業の行. 能力は特定地域内部ではなく. 動範 型は,基本的には特定地城内部・すなわち. 品物流の能力. 域 @人Ⅰ業者名度に 関連するものであ ったといえる. ところが, この問題はたんに 現地の流通業 名. 確かに, こうした地域を 積み重ねることで 販売 対象地域の拡大が 現出するのであ るが,実はこ. 個々のミクロ・レベルでの. のような集計レベルでは 別の間 題 が出てくるこ. だ財貨の物流インフラという ,全体的な物流龍. とになるのであ る, それは, とくに流通業者の 製品物流能力を 要素としてかかえる ,工場から. -フ J の問題であ って,一企業の対応だけではなく ,. 当該地域にたいする 製品の供給体制に 関連する. るという性質を 有するものであ. 問題であ る. 題の性格を考えたとき ,現地での拡販を企図す る 製造企業は, いくつかの対応を 考えることに. 新興海外市場において ,. 製造企業が販売対象. ( 分散能力 ). ,地域横断的な製 ということになる 問題ではない・. それ. は ,陸路・空路といった多様なモードをふくん. 国家的な取り 組みが能力拡大のために 要請され る・. こうした 問.

(9) 86 (234). 横浜経営研究. 第㎜ 巻. なるだろう.. な 課題となってくるのであ. 第 1 に,域間物流の脆弱性を意識すると ,. 該製造企業としては. 第 3 号 (1997). 当. ,そうした制約条件のなか. る.. さて, こうした域間物流能力の 問題点ぽかん. しては,. もう 1. つの変数が考えられる・それは. で販売高を高めるために ,特定地域内部でのチ. 生産活動拠点の 配置であ る. これまでのチャネ. ャネル拡張をいっそう 志向することになる. 一. ル論が教えるように ,需要が空間的に分散して. 般 的に,域間物流の制約は,生産活動拠点から 当該地域までの 距離が大きくなるほど 増加する ことになるものと 思われる・それゆえ ,そのと きの特定地域とは 生産活動拠点が 立地する地域, あ るいは域間物流の 制約を相対的にうけない 周. いる場合,生産活動拠点を需要地点に近接立地 させることが ,. も. う. 1. つの対応、 となる. (高嶋. [1990] ;Baligh=Richartz [1967]). これを地域 集計レベルで 見たときに生産活動拠点の 配置 と いう次元が出てくることになる.そこでは拠点. 辺隣接地域群ということになるだろう ,これら の地域内部でどのように 販売高を高めていくの. の分散的な配置が 対 G 行動となる・. かについては ,すでに説明したとおりである・ 総括すれば,域間物流インフラの脆弱性という. 分散化は生産活動上の 問題を生み出すことにな. マクロ・レベルでの 問題が,製造企業や流通業. あ たりの生産ロットの. 者の製品物流能力を 規定し域内業者密度増大 と販売対象地域の 拡大との間に 代替関係をもた. 低下・喪失であ る.換言すれば, もし域間物流. ら,需要規模を所与とするとき ,. しかしなが こうした拠点. る. それは拠点を 分散化することによる 一 拠点. 減少であ り,規模効率の. 流がまったくもって 不可能でないかぎり ,製造. 能力が高ければ ,製造企業としてはぅえ のごと き 相反 関係から解放され ,生産活動拠点を集約 させたまま,販売対象地域を拡張することがで きる. この関係は,新興海外市場から導かれる. 企業は,. 特徴的な性格であ. らすと考えられるのであ る. 第. 2. に, そうした制約が 存在しても,製品物 より遠距離の 地域をも販売対象として. 設定するかもしれない.. しかしながら ,. その ょ. うな場合での 物流は,つぎのような特徴を有す る 形態となるだろう.. 1. つに ,そのような遠距. 離地域への出荷頻度は 相対的に少ない. 2 つめ に,需要規模を所与とすれば ,頻度が少ないか だけ 1 回の出荷における 製品のロットサイズは 大きくなる 13). 第 3 に,物流面での特徴というよりも ,そう した物流に要請される 条件があ る. それは当該. り,物流インフラの改善とい. う国家的な政策が 切に期待されることを 示すも. のであ る. 物流の問題は ,深刻な帰結をもたらすことに なる・それはまさに ,物流能力が- 企業の対応、 枠内を超えた 国家的な政策の 発動を期待される 性格をもっことに. 起因する.すなわち,その性. 格ゆえに物流問題は 参入を企図する 外国企業す べてにのしかかってくることになる ,そして, この問題への 対応、として,販売対象地域の限定. 販売対象地域における 需要予測精度を 高めるこ. 化,当該地域内部でのチャネル拡張が志向され. とが必須となることであ る. 生産立地から 販売. ることになると ,. 地域までの距離が 遠ければ,不測の過剰な実需. 売をめぐる同業企業間の 競争が激化することに. の発生にたいして 迅速に製品を 配布して応える. なるのであ る・そして, このときの競争が 現出. というような 調整措置は困難であ る. また,逆. する重要な局面が ,域内業者密度である・ 1 つに,それはまず高い能力をゆうした 少数 の流通業者をめぐる 帳 合の取り合い ,あるいは 各社製品の優先的な 取り扱い・販売促進をめぐ る争奪戦という 様相として現れることになる. 2 つのに, そうした特定業者の 争奪戦を回避す. に不測の過剰供給ということになれば. ,. ロット. サイズが大規模な 分だけ現地における 売れ残り 在庫ロットもまた 相対的に大きくなる 14).そ れゆえ, こうした遠距離地域においては ,. とく. に製品需要の 予測精度を向上させることが 重要. 当該地域内部における 製品販.

(10) 新興市場参入問題の 構図 (谷地. るべく,製造企業としては, よ り能力が低 い業. 5. 者にまで取扱範囲を 広げることを 志向するだ る ぅ. 弘安 ). (235). 中国市場における 問題構図 : データに. しかも,そうした低水準の能力を 拡大させ. ・. るため,製造企業は流通業者にたいしてディー. 5.1. ラ ー ヘルプスという 直接的な働きかけを 志向 す. 87. よ. る確認. 分析の方法. 以下では,サーベイ調査のデータを 用いて,. 中国市場における 販売問題の構図を. る. これらはすでに 述べたように ,新興海外市場. 確認する・. データは, 中国にたいして 直接投資を行い ,. における流通業者の 能力の低さへの 対応、として 展開されるものであ ったが,製品物流能力をめ. 生産・販売事業所として 法人子会社を 設立した,. { る 問題を起因として 特定地域で激化する 競争 への対応という 色彩をも帯びることになるので. でに中国にたいして 投資によって 進出した日本 企業の目から ,問題の構図を確認しょうという. ある. のが分析のスタンスであ る. 日本企業を対象としたものであ. 製造企業間の 競争は流通業者間の 競争を焦点. いわば, す. る・. 調査の基本プロフィールは 図表 3 に示したと. に 現れる・その 対応として製造企業は 域内業者. おりであ る・調査は質問票郵送方式であ. 密度を増大させ ,ディーラーヘルプスによって 取扱流通業者に 誘因をあ たえたり,かれらの販. 象 企業は中国進出企業にかんする 公刊ダイレク. 売能ソ J の増強をはかろうとする.販売対象地域. 単位にしてあ. の 拡大は, こうした特定空間内部での 競争圧力. 業を中国で展開していることを 考慮したもので. を 外に向けて回避するものであ. あ る, ただし各企業の 中国投資には , 中国市. トリーより確定した ,基本的な分析単位は事業. るというのが ,. これまでのチャネル 論の基本白りな 考え方であ. り,対. る・. これは多角化企業が 複数の事. 場 での販売を行わず ,. っ. 日本や第三国へ 全量輸出. た ・一方,新興市場では物流能力の問題が 販売. するというケースがあ るが, これを事前に 糊 g@. 対象地域拡大という 外向きの対応、 を制約する. することはできなかった.. これがそうした 制約を ぅけ な い 地域での取扱業. イは 中国で生産活動を 行っている日本企業を. 著増加を志向させることになるという. 家 になされた. 805 社 850 事業単位に調査 票を郵. る. ・. また,流通業者にたいするディ. 」. 構図があ. 送し. - ラーヘル. したがって ,. サ ーべ ょ. ;f. 期日までに 388 単位から返送があ った. フ スは相対的に 低いかれらの 能ブJ を増強させる. しかし. ための方法であ ったが,結局は販売対象地域 拡. 克復していたり ,いまだ操業開始にいたってい. 大への制約が 特定空間内部での 競争行動として. ないとする回答があ ったので, これらを除外し. の 性格をあ たえることになる.新興市場の基本. た.. 的な特性とは 裏 腹 に,進出覚国企業はより 狭降. あ り。 最終的には 338 単位が分析・ 11 台 ; データで. な 空間を土俵として. ある. なかには回答対象となった 事業単位が. この点を考慮した 修正母集団は 825 単位で Ⅰ. 販売競争を展開することに. (純 回収率 41 拷 ). われわれが対象としているのは ,中国市場で. なるのであ る.. 図表 3. サーベイ田 斉の プロフィール. サーベイ形式. 質問票郵送 / 返送方式. 郵送先データ・ソース. 東洋経済山中国・. 郵送対象 質問票郵送 / 回収期間 郵送 致. 日本側出資比率 10% 以上で、 中国に製造法人を 設立している 企業 1996 年 10 月下句∼ 11 月末日 805 社 850 事業単位 388 単位 ( う ち 338 単位が利用可能データ ). 回収 数. 香港・台湾進出企業総覧, 97. 』.

(11) 横浜経営研究 図表 4. (. "[email protected]@... 構成比-) 一. 第㎜ 巻. 米 MDT. (1997). サーベイ・データの 村中 投 黄血 型. -4 -7@._.. ●. 第3 号. ・ , @ ・, .・, ・ ,・ _・, ・ ・ ・. -・. ・・・・・・・・・. @. ,・ ・ ・ ,・. 88@ (236). 41.5. は市場志向直接投資, EDT は輸出志向直接投資を 示す・. 製品を販売している 企業であ る.そのような企. 2) によって測定されている.前者は流通業者. 菜をサンプルから 識別するにさかし. ここでは. の 能力を全体として 評価させたものであ るが,. その時間的な 推移とい. 能力があ って,製品取扱いを希望する流通業者. 中国投資の目的次元に , ぅ. 視点をくわえることにした.すなわち ,現地. 法人設立時点と 現時点の双方にかんして. , 中国. が すくないと考えている 標本が約 64% を占めて いる・ また,後者はとくに物流に注目した 能力. 国内市場での 販売を投資の 目的としているのか ,. を インフラという 全体的なレベルで 評価させた. あ るいは日本や 第三国への輸出を 目的としてい. ものであ るが, これについては 標本の約 72% が. るのか, この質問への 回答パターンから 投資 範. インフラ能力の 低さを指摘している.. 型を導くことにした 15). その 範型と ,データ. から, 日本企業から 見た中国市場は , われわれ. の プロフィールとを 示したのが図表 4 であ る. が 指摘した新興海覚市場の 特性を有していると. これを見ると ,設立日記点 , 現 毛 点とも一貫し Ⅱ. 考えることができょつ、. て 中国市場での 販売を目的とするケースが 162 単位. (47.9%). でもっとも多くなっており. ,. 一. このこと. もう 1. つの特性として ,市場の分散性があ る・. 販売対象として 有望な地域が 分散しているほど ,. 貫 して中国国外への 輸出を目的とするケースが 140 単位 (41.5%) と続く. われわれは,前者. 工場から当該地域までの. の 162 サンプルを以下の 分析でのインプット する 冊. 基本的な考えとして 示された.調査では (V 3) と (V4) の 2 つの指標から 測定されて ぃ. と. 中国が新興市場の 代表であ ることをふまえ ,. 製品物流が困難になり ,. 販売対象地域の 拡大が困難になるということが ,. る. ・. まず,有望な市場が空間的に 分散している. さきの図表 2 を分析の枠組みに 用いる. データ. とする標本が 全体の約 76% を占めている. また,. は ,その枠組みを構成する変数にかんして , 各 回答企業の考え 方との合致 度 として測定された. 生産活動拠点とそれら 地域との距離が遠いとす る標本が約 55% を占めている.市場の分散性と. すなわち,各項目はわれわれが 想定した特定の. い. ステートメントからなり. きよう.. ,. そのようなステート. メントにたいして 回答企業が賛同すると ,高い スコアがあ たえられるよ. 測定はすべて. 5. う. る.. 5.2 中国市場問題の 基本構図 まず, すでに中国進出を 行った日本企業の 目 から見た, 中国市場の実状を 確認することにし よう・図表. 5. てはまると考えることがで. さて,以上のような中国市場の特性をふまえ , 日本企業のチャネル 拡張の現状を 見てみよう.. に設計されている. 段階リカート・スケールであ. 3%き,性も中国にあ. は, さきに示した 新興海外市場の. 特性を投資企業の 目から評価した 結果であ る 現地の既存流通業者の 能力が (v l ) と (v. まず,チャネル・ネットワーク次元における 拡張は (V5) から (V8) で測定されている. そのうち, (V5) と (V6) は域内業者密度 の 増大と販売対象地域の 拡大それぞれについて ,. 現状ではなく ,各企業の意図ないし志向を測定 したものであ る・現状は (V7), (V8) によ って測定されている. ,域内業者密度の増大, 販. 売 対象地域の拡大を 志向している 標本は, それ.

(12) 新興市場参入問露の 構図 (谷地. 図表 5. (237) 89. 弘安 ). 新興海外 市牡 特性と行劫にかんする 評価 非該当. Ⅰ. 生産拠点・地域市場間距離の 大きさ. 7 Ⅰ. Ⅰ. 笏. 56. 2%2. 販売対象地域の 広さ Ⅰ. 販売対象地域拡大の 困難性. ㎎. 2151. ㏄ⅡははⅡ. 域内業者密度増大の 困難性. 8644. 5970. 7716. 四仏 はコ. 競争の激しさ. 現地調達 枠 拡大の困難性 Ⅰ 4. 巧. 債権 回収の困難性 生産拠点の分散化志向. 米データは「全くそう 思わない」を 1, 「全くその通り」を ケール・ これを 3 段階に直して 集計. 米 数値は構成上 ヒ (%). 米 N 二 162. 約 83% となっている・. しかし. 評価する標本構成上 ヒは. それぞれ約 15%,. と , ずっと低い値にな. 約 16%. 5 とするリカート・ ス. さきに /J,した見解によれば ,製造企業のチャ. そ. の 意図を達成していると. 該当. よ. へへ. 大大 増拡 度域 密地. 対. 内売 威服. 域内業者密度の 大きさ. 需要規模の大きさ. ぞれ約 67%,. i. 83644994630. v4. 工. 市場の空間的分散性. 一一一. 30926850023. V3. 69975782209. 1l 人. 製品物流インフラ 能力の低さ. 性性 荷向 の志の志. V 2. 業音義. 現地流通業者の 能力の低さ. 5yU 789 VV VVVVVVVVV. v l. i. ナⅠナ1屯 12. 変数. ・. ネル拡張が遅滞する 理由をもっとも 大きな括り 方でいえば, 現地の既存流通業者の 能力が低 い. っている. また, それぞれについて 意図と実Ⅱ -);. 水準にあ ることによる. また, よりマクロ的に. との乖離をスコアの 平均値で比較すると ,域内. 表現すれば, 製品流通のインフラストラクチ. 業者密度の増大 家地域の拡大. (t=13.0g;p. (t二 l9.26;p. く. ・. 0. Ⅰ. ), 販売 対. く 01) いずれに っ ・. いても高度な 統計的有意差が現れる。 かれらの評価にしたがえば る. ,. これは実物製品. の 移動,すなわち物流に作用してくることにな. る. 中国市場におけ. チャネル拡張は 全体的に進んでおらず ,. ャ 一の能力が低いことによる.. とく. まず, (V1. ). と. (V9),. (V10) の相関係数. に注.目しょう.有能な現地販売業者が 欠 吹 [@して. に 販売対象地域の 拡張が進んでいないというの. い ることが強力に 意識されるほど ,域内業-者 密. が現 ;吠 とかえる. 度の拡大,販売対象地域の拡大が ,. 以上は, 新興海外市場の 特性と, 進出企業の. 見られていることを 示しており・. よ. り困難と. 統計的有意性 -. チャネル拡張の 実態を個別に 見たものであ る. もきわめで高い. これは,現地の既存流通業者. そこで, この両者の関係, そして各チャネル 拡. の 能力が低 い ことにょり,特定地域内部でのチ. 脹 次元間の相互関係を 検討することにしょう. ャ ネル拡張や販売対象地域の 拡張が阻害される. 図表 6 は項目間の相関を 図示したものであ る. この凶は,新興海外市場において想定された 関 係 が中国でも見られることを. 示しでいる. ことを >K;唆するものであ る も う. 1 つめ 要因としで挙げられたのは. 流通業者個々の 能力ではなく ,. ,現地. よりマクロ的な.

(13) 90 (238) 図表 6. 新興海外 市螺 特性 と チャネル拡張の 相関図. 需要規模. 現地流通業者 の 能力の低さ. の 大きさ. (V12). (v11). ・. 2635. 債権 回収 の 困難性. (VI) ¥-.3524 ¥. 競争の激しさ. 第 3 号 (199%. 第℡ 巻. 横浜経営研究. 、. (V づ Ⅰ. /. , 4266. .4558. (V10). .3187. .3136. 物流インフラ 能力の低さ. 現地調達 枠 拡大の困難性. (V2). . 3102. % 数値は相関係数 米 N 二 162. 能力の低さは 販売対象地域の 拡大にたいする 制 的 として作用すると 考えられた. (V 2) と. (Vl0) の相関係数は 物流インフラの 能力の低 さを意識する 企業ほど,販売対象地域拡大の困. , 4285. (V9). .2728. 物流インフラ 能力の低さであ る.物流インフラ. 万. 域内業者密度 増大の困難性. 販売対象地域. 拡大の困難性 , 4801. . 52. 01). (V13) すべて. 1 %. 水準で有意. であ り,予想,とおりとなっている. さて, この物流インフラの 問題による 帝 lJ 約は , 当該企業の販売対象地域,. それにそこにおける. チャネル拡張の 手段に影響することになると 予 恕 される・ (Vl0) と (Vll), (Vl2) の相関係. 雑件そより強く 意識していることを. 示しており,. 数を見ると,販売対象地域の拡大困難性と. この関係も統計的に 高度に有意であ. る. の 激しさには統計的に 有意な正の相関関係が 認. また,製造企業にとって,有望と思しき地域 市場が空間的に 分散しており ,工場とそれら地. 競争. められ, また中国の需要の 大規模性との 間には 統計的に有意な 負の相関関係が 認められる・. こ. 域 との間の距離が 大きくなるほど ,制約もまた 大きなものとなると 考えられた. この ょう な 関. れは,物流インフラ能力の低さにともなうチャ. 係は ,企業の知覚において,販売対象地域拡大. 推測される.すなわち,販売対象地域の拡大が. の 困難性が,物流インフラの能力の低さに 起因. 困難であ ることから,投資企業は特定地域に販. する一方,とくに有望な販売対象地域の. 売 対象を限定しそこで 業者密度を高めようと. 分散度. ネ、 ル 拡張次元間の 代替関係の帰結ではないかと. 御 変数とした,販売対象地域拡大の困難性と物. する. しかし ここにも制約があ る,既存流通 業者の能力が 低いという問題であ る.そして, こうした関係が 投資企業にたいして 総じてあ て はまることになるとすれば ,結局は限定された 地域市場内部での 競争が激化するということで. 流 インフラの能力水準の 偏相関係数を 算出した・. あ. もし. さ によって特徴づけられるが ,. が 高く,生産活動拠点との距離が大きいときに おいて, より強力に意識されるものとして 示さ れる. この点を明らかにするため ,有望な販売. 対象地域の分散度,生産活動拠点との距離を制. 2. つの制御変数が モ デレーターとなって. いるならば,通常の 相関係数の値よりも 小さ { なるはずであ る・ 偏 相関係数の値は・ 189 (pく. る・つまり,新興海外市場は市場機会の大き こうした問題に. り,投資企業がこの方法で捕捉 しぅる 最大霜 要 規模は倭 小 化されることになる・ たとえ参入 よ.

(14) 新興市場参入問題の 構図 (谷地. 企業の数が多くても ,市場全体が成長していれ ば, それが参入企業数の 増大による競争圧力の 増加を吸 X してくれる・ しかしながら ,物流イ ンフラ能力の 低さといった 要因は,空間単位と. 海外市場という ,. よ. り大きな 範 濤を対象に提示. されたものであ る. そこで, 中国に対象を 限定. しそこで考えられるほか ,. その縮小された 空間単位内部での 競争は職 別 化 することになってしまうのであ. (239) 91. われの見解は ,特定回 に対象を限定せず ,新興. り. してとらえた 市場を縮小させることになるため. 弘安 ). る,. わ 要因を考慮してみ. ることにする. それによって 中国市場における 問題の構図が 詳細なものとなる. そこで, 中国投資にかんして ,. 最後に,新興海外市場の特性によるチャネル 拡張制約へのもう 1 つの対応であ る生産活動 拠 点の配置について 見ておこう.物流インフラ能 力が低い水準であ るとき,製造企業には生産活 動拠点を複数分散展開させて 障害を克服すると いう方法があ ると考えられた. まず, 日本企業 の考えを (V15) の集計結果に 見ると,生産活 動 拠点の分散展開を 志向しているものは. 2. 割に. これまでにさ. まざまなメディアをつうじて 取り沙汰されてき た問題点を見ることにする.入手しうるメディ ア 情報をデータ・べース 化し問題点として 指. 摘されているものから 頻度が高いものをひろい あ げ, さらに中国市場での 製品販売にかかわる ものを集約すれば ,. 2 つの問題が浮き 上がって. くる. まず, 「現地調達問題」であ る, 企業が直接. も達していない. 46% はその ょう な村応を志向. 投資によって 生産活動拠点を 設立するとして ,. していない. また, この (Vl5). 重要な意思決定領域として 部品や原材料の 調達. と. (Vl0). と. の相関係数を 算出すると・ 119 であ り, 有意 水. 局面があ. 準は 10% 程度で, ほかの変数の 相関関係にくら. 調達するか,. べれば弱いものとなる.. ら調達するかを 代替内容とするものであ. チャネル拡張を 志向しつつも ,制約に直面し ているかれらでも ,. このような対応については. 相対的に消極的であ. る・. 1 つには, さきに予想、. この決定は, これらを投資先 国で. る・. あ. るいは投資元の 本国や第三国か. 現地調達問題は ,. る.. なにも中国だけにあ るもの. ではない. 欧米でも現地調達率にかんする. 規制. があ り, どれだけ調達率を 高めるかが重要な 課. したよう に,分散展開に よ る規模効率の 低下が. 題 となっている. このような規制で 定められた. 理由に挙げられるだろう.. 基準をクリアーしなければ 不利な税率の 関税を 適用されるためであ る・中国でも ,外貨の流人 を促進し流出を 抑制するという 外貨獲得政策. さらに・. も. う. 1 つめ. 理由としては ,分散展開に要する費用,すなわ ち生産投資規模の 肥大化があ ると思われる. ほ かの結果とあ わせれば,現時点ではこうした 生 産投資や費用の 問題も販売対象地域拡大への 制. て政府当局が 現地調達率向上を 奨励している.. 約として作用する 要因であ ると考えられるので あ る.. くわえて,生産費用を削減するには 人件費だけ ではなく,いかに低 費用で原材料や 部品] を調達. の 一環として, また国内企業の 育成を目的とし. するかが 鍵 となる. たしかに新興市場は 生産費. 5.3 中国におけるチャネル 拡張制約要因 さて以上は,. これまでにわれわれが 示してき. 用の低廉性からも 特徴づけられているが , その 場合には, よ り高 い 品質の原材料や 部品を安定. た新興海外市場における 問題を中国に 進出した 日本企業の見解をもとに 確認、したものであ る. われわれが想定した 関係は中国市場で 概ね確認、. 的に現地調達できるかどうかも. されたといえる.. への対応だけではなく ,部材調達の決済通貨を. ここで, 「中国」という 投資先 回 に焦点をあ. わせて検討を 続けることにしょう.当初のわれ. 屯要 な課題とな. る. しかし. 中国で現地調達が 重要なのは,規制. 根 因 としてチャネル 拡張に決定的な 影響をお. ょ. ぼすところにあ る.すなわち,現地法人の財務.

(15) 92@ (240). 横浜経営研究. 的な収支面での 均衡を確保するために 現地調達 率の向上が問題となる.. 第㎜ 巻. 第 3 号 (1997). の 経過を経て決済が 行われる. このような決済 条件は,契約時点で 取り決められることになり. 中国の通貨「 元 」は政府に よ り国外持ち出し が禁じられているという 意味で国際為替相場を. 手形を用いる 場合には,その 条件での約束履行. もたない通貨であ る.そこで,かりに 原材料や 部品を現地以覚から 輸入調達するというのであ れば,仕入資金として外貨が必要となる・ しか し,外貨は自然に湧いてくるものではない・ 基 本的には,販売によって外貨を獲得しそれを 仕入にまわすという 方法を考えねばならない. ところが,元が国際為替相場をもたない 通貨で あ るとすると,国外への販売,すなわち輸出に より外貨を得なければならず ,現地市場で 製品 を販売するという 目的と背反することになって. ことになる・. を明言する手形が 買手から売手に 振り出される ,. この. 手形を提示することで 買手にたりして 決済履行 を 要請することができる. 実際には契約金額の. うち,特定部分を現金決済,残りの 部分を掛け 売りとする場合もあ る. 債権 回収問題とは ,サイトが比較的長期であ る掛け売りにおいて ,買手が契約で定められた とおりの約束 (支払 ) を履行しないという 事態 が 発生することであ る.製品をその投資先市場 に 販売することは. しまう.現地市場での販売では決済通貨も 元と. 品 販売に. なる場合が多いからであ る・そこで,中国では 現地調達の拡大が ,チャネルを拡張し製品を 販売していくうえでの 大きな条件となるのであ. あ. . 調達・販売面での 取引における 通貨を現地. 売手は支払期日にいたると. る・. よ. ,収益の源泉が,現地での製. る売上収入にあ ることを示すもので. この問題は, まさにその現地での 売上収. 入が予定通りに 手元に入ってこないことを. 意味. する.. 通貨の元に統一し qx 文面での外貨依存度を 低. 進出した日本企業の 多くが債権 回収の難しさ を指摘している・それは 消費財,産業財を 問わ. 下させることが必要となってくる.. ずに生じている・. る. しかし, これまでの各種の 報告は,現地調達. 指摘によれば ,. 回収の困難性はいくつかの. 中国での債権. 固有事情に由来して. が困難であ ることを伝えている. 当該企業の品. いる・. 質 水準をクリアーする 部材を安定的に 供給して. な 情報を人手することが 困難なことであ る. と. くれる業者を 現地に見いだすことが 困難であ る. くに,国有企業では内部情報の公開が 当局によ. という意見や , そもそも製品の 生産に要する 部. る通達で制限されているという. 材を生産できる 供給業者が見つからないといっ. つめに,相手が規定とおりに 債務を履行できな. た 意見が進出企業の 口から伝えられてくるので. い 理由が, その財務状態の 悪化以外にあ ること. あ. であ る・ 日本とは異なり ,手形制度も確立され たばかりで,企業の経営情報が人手しにくいと いう状況は,当該企業をして取扱業者の拡大を 跨 賭 させることになると 考えられる.債権 回収. る・. このような現地調達面での 問題がチャネ. ル拡張への制約になっていることが 予想、され る・. つぎに,「債権回収問題」があ げられる. 債 権 は取引の決済にかかわるものであ る.製造企 業が流通業者や 最終需要者との 間で製品取引を 行うとき,買手が 製品と引き換えに 代金を支払 う方法は,契約締結からの時間の経過によって. 1. つは,相手の財務状態にかんする 詳細. 事情があ る. 2. 問題もチャネル 拡張にたいする 強 -カ な制約要因. となると考えられるのであ. る. 1,).. このように, 中国での製品生産・ 販売を考え れば, われわれがとりあ げてきた以外にも 影響. これは契約締結の 直後,たとえば 製品引渡し時. 要因があ ることがわかる ,そこで,以下では 取 り上げた 2 つの要因を考慮して 構図を再検証し. 点で決済を行. てみることにしょう ,. 2 通りにわけられる・. う. 1 っは ,現金決済であ る. ものであ る.. 売りであ る・現金決済よりも. も う 1. っは, 掛け. ,より多くの時間. われわれが実施した 調査には,すでにこれら.

(16) 新興市場参入問題の 構図 (谷地. 弘安 ). (241)@93. 0 間 題が 項目にふくまれており ,データを構成. とも強力な正相関を 見せている. また,図表 7. している. には示していないが ,債権回収の困難性が ,生. まず,図表 5 を再見すると ,現地調達枠 の 拡 大に困難を感じている 企業が全体の 約 67% を占 めており,債権回収に困難を 感じている企業で は 約 75% にまで達している. これら 2 つは中国. 産 活動拠点と販売市場との 間の距離と正に 相関. 括 / 実施拠点が生産活動拠点に 併設されている. における大きな 要因といえそうであ る.. 現実を考慮することで 説明できると 思われる.. そこで,図表6 に (V13). と. (V9),. (V10). している. (r二 272;p く 01). ・. ・. これは販売対象. 地域の拡大を 念頭に置きっ っ , 販売活動の統. すなわち,債権 回収を確実のものとするために. の相関関係を 見よう, 現地調達枠を 拡大するこ. は,取引相手の販売動向をモニターしたり. とが困難であ ると強く考えているほど , 中国で. るいは債務の 履行を促進するための 働きかけを. のチャネル拡張にかんしても. 行う必要があ る. そのためには 取引相手に近接. ,. より強く困難,性. を認識しているという 関係が出ている・. これは,. , あ. して拠点を設けておくことが 必要であ る. しか. さきに示した 関係を傍証するものであ. るといえ. し. る.すなわち,. 中国では. 手 との間の距離が 問題となる.距離が遠ければ, 集金のための 費用のみならず ,振込方式のもと で相手が期日に 履行しなかったら 催促をしなけ ればならず, いずれにしても 多額の足代がかか. より承ぼォき的にいえば,. 調達というインプットのあ. り方が,販売という. アウトプットのあ り方と密接にリンクしている のであ る. また, ここでは物流インフラの 能力水準. (V. それができなければ ,. まさに拠点と 取引相. ることになり , その費用は距離に 応、じて大きく. 2) と現地調達問題との 間に有意な相関が 出て. なる, また,すでに指摘したように ,当該企業. いる点に注目したい. これについては ,つぎの. の生産・販売拠点と 流通業者との 距離が遠けれ. ような考えが 示唆される. すなわち・現地調達. ば,. を拡大するために 供給業者を探索し , かりにそ. が想定される. このような状況で 債務不履行が. うした業者を 発見することができたとしても. 発生,し 回収不能という 最悪の状況を 迎えた場. ,. 1. 回あ たりの取引ロットが 大きくなる傾向. かれらが生産活動拠点から 遠距離に立地してい. 合の損失額はロットの 大きさに. るとすれば,部材の遅配が発生して 生産計画の. なる.. 実施が阻害されたり ,そもそも調達自体が実質 不可能となる よう に, 製品販売における 物流 と. 問題を組み込めば ,. まったく同様の 問題に直面することになるとい. 上ヒ倒 して大きく. これまでに示してきた 見解のなかに 債権 回収 この問題が販売対象地域の. うことであ る. 品質や技術的な 生産可能性だけ でなく,物流インフラ 能力の低さも ,現地調達 枠の拡大を妨げることになると 考えられるので. 拡大や域内業者密度の 増大を制約しそれが 特 定地域における 一層の競争激化をまねくことに なる・債権 回収問題もまた ,表層的には市場機 会の大きさから 形容される市場規模を 倭 小 化さ. あ る. これは実証作業からの 発見物であ る.. せる要因であ ると考えられるのであ る. 債権 回. つぎに,「債権回収の困難性」として 測定さ. 収問題も,中国におけるチャネル拡張を阻害す. れた債権 回収問題が, 多様な要因と 相関関係を 形成していることがわかる. まず, (V l) と (V14) との間に統計的に. る, 重要要因であ ると見ることができる.. 有意な正相関があ る. 債務履行の遵守という 項. 本稿では,新興海タ・ 市場の特性を 想定し そ れが外国企業のチャネル 拡張にたいして ,いか. 目が流通業者の 能力と密接に 関連している. つぎに,債権 回収の困難性が 域内業者密度増 大の困難性,販売対象地域拡大の 困難性いずれ. 6. 結. 語. ト. なる影響をお. よ. ぼすことになるのかを 考えた.. そのうえで,新興海外市場の先 兵 として中国を.

(17) 94 (242). 横浜経営研究. 第㎜ 巻. とりあ げ, 日系進出企業を 対象としたサーベ イ・データから 基本構図を検証した.. 第 3号. (1997). 低下,それによる規模効率の低下をもたらすこ とになる.. さて,このような分析の結果は ,重大なふく. われわれが想定した 特性は , 総じて外国企業. が確認された.進出した 日本企業は,中国にか. みをわれわれにあ たえている. 第 1 に,新興海外市場を特徴づけてきたその. んしてそうした 特性があ ることを認識している. 性質について ,認識の修正を行. また,かれらの知覚データは ,そうした特性が. いうことであ る. これは実務的に 大きな意味を. チャネル拡張に 制約をもたらしていることを 教. もっ・すなわち ,. えている.. 売対象地域の 拡大が制約され. に よ るチャネル拡張を 制約するものであ ること. 現地流通業者の 販売能力が相対的に 低く,. ま. ぅ. う. 必要があ ると. えの関係から 投資企業の販. ,生産活動拠点が. 立地する周辺地域に 限定される. そのなかで企. ,そこにも制. たマクロ的に 見た物流インフラの 能力も相対的. 業は取扱業者の 増加を志向するが. に低 い .. 約があ る.企業は比較的高い能力をもつ業者の 帳 合獲得,優先的取扱,販売促進にしのぎを削. また,為替をめぐる特性から引き 起こ. される現地調達問題や 現地流通業者や 顧客から の債権 回収問題が中国にあ る・ これらは,単独 あ るいは複合的に 特定地域の内部で 販路の密度 を高めて い くことや,中国の2 0 広範な地域を 対象に製品を 販売していくことを 阻害すること がデータから 確認された.. また,今回のデ一 タ分析で対象としなかった ものをふくめて ,いくつかの関係を示すとつぎ のようになる. 取扱流通業者の 数的な拡大は 抑制され,その 代替としてディーラーヘルプスという 直接的な. ,かれらの能力を高めようと する,物流インフラの低 水準性は販売対象地域. 働きかけを行って. の拡大を制約し 生産活動拠点が 立地する地域 および周辺部という ,インフラ能力の制約がよ 少ない地域での 販売を志向する. そして,そ の分だけこれら 地域での流通業者の 密度を高め り. ようとすることになる. たとえ物流インフラが 低い能力でも 生産活動拠点から 離れた地域での 販売を志向する 場合,その物流は低出荷頻度・ 大 ロットという 特徴をもつ.そして,. こうした. ることになる. これは当該地域における 競争の. 激化を意味する.新興海外市場は総じて市場機 会の大きさから 特徴づけられてきた. 中国にあ っては「 20 世紀最後の巨大 12億人市場」なる 名 辞があ たえられてきた. しかし それは表面 的 コ. ・. 紋 切り型の世評であ り,企業のオペレー、 ン. ンを考慮に入れたものではない.. 実際には,. こうした要因によって 企業が捕捉しうる 市場の 規模は, より 倭か なものとなっている・ これま でのジャーナリズムの 見解にあ ったごときタ 小国 企業の「パラダイス」ではなく ,職別な競争が 展開される市場であ る. したがって,第 2 に,われわれの探求の方向 性は, より深遠なものとなる・われわれは. ,. タヤ. 国 企業の基本的な 行動がチャネル 拡張にあ り,. そこにはさらに 域内業者密度の 増大,販売対象 地域の拡大,最終需要者向け販売促進,ディー ラーヘルプスがあ ることを指摘した. しかし, いまや中国ではこれを 指摘しただけでは い かな る 処方も提示することはできないということで. 特徴をもつゆえに ,遠距離地域での需要予測に は高い精度が 要求される.最後に,物流インフ. 型を ,. ラが低い能力であ ることによる 遠距離地域の 販. 容にまで踏み 込む必要があ る.最終需要者を吸. 方法に,生産活動拠点の複数. 近接立地が考えられた・ 地域横断レベルでは ,. しうるような 製品の計画や ,それと連動した 広吉・販売促進の 進め方,高い能力をゆうする. これは分散配置であ. 希少な流通業者と 取扱契約をむすび. 売制約を克服する. 集約された状態と. 上. る・. しかしこれは 一方で. ヒ駁 したときの生産ロットの. あ る.われわれは, こうしたレベルでの 行動範 さらにいかにして 進めていくか ,その内. 刊. ,店頭での. フェイスアップを 促進し販売促進努力を 引き.

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