いじめ被害体験と援助が自己認知・他者認知に与える影響
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(2) 目 次. 1章問題と目的 1,いじめ被害と心の傷の関連・・・・・・・・・・・… の… 1 1・1.いじめの現状 1・2.いじめの定義 1−3.いじめの種類. 1−4、現代のいじめの特徴 1−5.いじめと「心の傷」体験. 2.いじめ被害へのサポートとその後の適応・・・・・・・・・… 5 2−1.過去のいじめ被害体験と現在の適応 2・2。いじめ被害の時期とその後の適応 2−3.いじめ被害とケア・サポート. 3.いじめ被害と外傷後成長・・・・・・・・・・・・・・・・… 8 3−1.トラウマからの回復. 3・2.外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG). 3−3,いじめ被害とPTGの関連. 4.本研究の目的・・・・・・・・・・・・・… 6・・・… 10 11章研究1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 11 1.目的. 2.方法. ①調査協力者および調査方法. ②調査時期 ③調査内容 ④倫理的配慮・個人情報の保護 3.結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 13 1一①所属といじめ被害体験の頻度についての検討 1一②所属における信頼感の相関. 1・③いじめ被害体験の有無における信頼感の相関. 1一④所属・いじめ被害体験の有無による信頼感との関連の検討.
(3) II一①ネガティブな影響の持続度と信頼感との関連の検討. ■一②いじめ被害体験におけるネガティブな影響の持続度と当時の苦. 痛度との関連の検討① H一③いじめ被害体験によるネガティブな影響の持続度と当時の苦痛 度の関連の検討② ll一④いじめ被害体験者におけるいじめ被害体験の期間と信頼感との. 関連の検討 4.考察・・・・・・・・・・・・・・… 。・・・・・・… 24 4・1.所属やいじめ被害体験の有無と信頼感との関連 4・2.ネガティブな影響の持続の度合いと信頼感との関連. 4・3.いじめ被害体験中の苦痛度とその後のネガティブな影響の持続の. 度合いとの関連 4・4。いじめ被害体験の期間と信頼感との関連. 皿章研究H・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 29 1,目的. 2.方法. ①調査協力者および調査方法. ②調査時期 ③調査内容 ④倫理的配慮・個人情報の保護. 3.結果・・・・・・・・・・・・・・・・… 6・・・・… 31 ①インタビュー協力者の特性. ②インタビュー分析 4.考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 78 1V 総合考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 81. V 今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 84 VI 参考・引用文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 85. W 謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 89 i付録.
(4) 1章 問題と目的 1.いじめ被害と心の傷との関連 1−1.いじめの現状. いじめが深刻な社会問題になったのは、1970年代末であるが、現 在も被害者の子どもを死に追いやる残酷な事例は後を絶たない。文. 部科学省の平成23年度の調査結果(平成23年度児童生徒の問題行 動等生徒指導上の諸問題に関する調査,2012)によると、「いじめ」. の認知件数は70,231件に達し、その内訳は、小学校が33,124件、. 中学校が30,749件、高等学校が6,020件、特別支援学校が338件 である。「いじめ」の様態による分類について見ると、認知件数は減. 少しているものの、様態ごとの構成比はほとんど一定値を示してい ることから、「いじめ」の内容は表面的には変化していないと言える。. 1−2.いじめの定義. 文部科学省は、1994年度までは、いじめを「①自分より弱い者に 対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手 が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実(関 係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの。なお、起こっ た場所は学校の内外を問わない。」と定義していたが、2006年度間 の調査後、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面 的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って 行うものとし、 「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、. 心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的苦痛を感じてい るもの」と定義を改めている。. また、Olweus(1993)は、『「いじめ」という言葉を使用する際に は、その前提として「“力のアンバランス(非対称的な力関係)”が なければならない』と主張していることからも、「いじめ」は、一方. の者が持続的に被害を被るような非対称的で差別的な関係、すなわ ち歪んだ対人関係の一形態と見なすことができる(本間,2011)。 1.
(5) 同様に、村尾(2011)は、「いじめる側は安全な場所に身を置い. ており、自分たちは絶対に負けないという状況で一方的に攻撃を仕 掛け、相手が苦しむ様子を見て喜ぶという残忍なところがある」と しており、いじめは、優勢な者が劣勢な者に加える心理的・物理的 圧迫・暴力で、社会的に大きな広がりを持つものとも理解できる。 1−3.いじめの種類. いじめに関する国際比較研究の結果を見ると、どの国にも共通し てみられるいじめの方法・手口は、「悪口・からかい」で、他の国に. 比べて格段に多かったものは、「無視」や「仲間外し」である(小 林,2011)。今日までのいじめの内容の変化は、区分が調査開始時期. と現在では異なっており、対応させて比較はできないが、調査開始 以来、「言葉による嫌がらせ」と「身体的いじめ」が上位を占めてい. る。しかし、伊藤(2011)は、殴る・蹴るなどの身体的いじめは、 年齢が上がるとともに減少し、それに替わって深刻化するのが、誹 諺中傷や仲間外しに代表される心理的いじめであると報告している。. また、奥村ら(1987)のいじめ被害体験のある大学生を対象とし た調査では、具体的ないじめ行為の内容としては、「言葉による暴力」 「暴力」「無視」「嫌がらせ」「いたずら」「仲間はずれ」「従わせる」. 「恐喝」などが挙げられており、高塚(2011)も、最近のいじめは、. 以前のように暴力的に行われるというよりは、言葉で相手を傷つけ たり、言うとおりにしないと仲間はずれにするようないじめが多い ことを主張している。. 加えて、近年では、機能の充実した携帯電話や各種の電子媒体が 普及し、インターネットを利用したいじめや暴力が深刻化している。. 「ネットいじめ」は、即時性、広範性、匿名性、映像性、等の特徴. を持ち、従来とは質的に大きく異なり、影響力も大きい。また、い ったん流れた情報の拡散には限度がなく、情報の偽造・加工、発信 者の偽造も可能で、被害者への驚異は大きい。「学校裏サイト」や「ネ ットいじめ」等、いじめの変容が被害の質を変えている(坂西,2011)。. 2.
(6) このように、いじめは「直接的ないじめ」(相手に対する比較的 あからさまな攻撃)と「間接的ないじめ」(相手を社会的に孤立させ たり、集団から意図的に仲間はずれにしたりするなど遠回しの攻撃). に大別することができ、後者のように比較的見えにくい「いじめ」 にも注意を払うことが重要であると考えられる(Olweus,1993)。. 1−4.現代のいじめの特徴. 小林(1985)は、現代のいじめの特徴として、陰湿、長期化、正. 当化、偽装、巧妙化の5つの点を挙げた。この観点から現代のいじ めの特徴を整理すると、第一に「陰湿さ(村尾,2011):“無視”“仲. の良い二人を闘わせて見物する”“性器を攻める”などの手口が認め られる」、第二に「長期化(村尾,2011):高学年になるほど期間が長. くなり、短くても2週間、なかには2年3年と続くものもある」、 第三に「いじめを正当化しようとする加害者側の姿勢:多くの子ど もたちが自分のいじめ行為を正当化しようとする」、第四に「隠蔽村 尾,2011):現代のいじめは隠蔽され、周囲から見えにくい。いじめ. っ子だけでなく、いじめられつ子までもが、いじめを隠し、教師に 対して偽装することが頻繁に認められる」、第五に「巧妙化(村 尾,2011):人の分からない部分などを集中的に襲うなど悪質で巧妙. な手口が認められる」と整理した。そして、第四の特徴に挙げられ た“被害者がいじめを隠そうとする理由”を村尾(2011)は、第一 に「報復を恐れるため」、第二に「親や教師への不信」、第三に「被 害者にも自尊心があるため」としている。. この他、Olweus(1993)の先行研究では、“男子の方が女子より. も「いじめ」にさらされることが多く、特に「直接的ないじめ」の 犠牲になることが多い。女子の場合は、友情にひびを入れたり、社 会的孤立化や集団からの意図的な締め出しといった「間接的ないじ め」が多く、「直接的ないじめ」よりも巧妙な「いじめ」にさらされ. ることが多い”という「性差」による違いもいじめの特徴として示 されている。. 3.
(7) また、我が国のいじめが長期化しやすい理由として、小林(2011). は、中学生以降は仲裁者が減少し、傍観者が上昇し続けているため と主張している。つまり、加齢に伴って、いじめに干渉しない傍観 者が増え、仲裁者が減少し続けるために、中学生以降でいじめ問題 が生じると、長期化と深刻化が増しやすいと考えられる。 1−5.いじめと「心の傷」体験. これまで述べてきたように、いじめは、表面化しにくく、潜伏し た状態で事態が進行し、被害児童・生徒は窮地に追い込まれ、何ら かの特別な努力がなされない限り、「いじめ」を受ける側は、長期に わたって被害を受け続ける。換言すれば、「いじめ」は、抑止する何. らかの強力な手だてが講じられなければ、解決することが難しい。. また、こうした経験は、いじめられる者にとって、始まりも終わ りも予測不可能で、親しい友人から裏切られるような経験をする場. 合もあり、それまでの信頼、安全、仲間といったものに対して築い てきた概念を大きく揺さぶられる(市井,1999)。いじめを受けたこ とを原因に傷害事件を起こした生徒の理由を見ると、「死にたい」「学. 校や職場を変わりたい」「悪事をしてでも気持ちをはらす」「ひどい 目に遭わせたい」「学校や職場を休みたい」など、加害者に対する怒. りと憎悪が極限に達し、いじめの影響がいかに心身の奥深くまで及 ぶかを示している。. また、亀田・相良(2007)の研究でも、様々ないじめは、外傷体 験となり心に傷を残し、“心のしこり”となりやすく、これは、外見 上、軽微に見える「いじめられ体験」でさえも、子どもに対してPTSD. 級の深い心の傷を与える可能性が示唆されており、金(2006)は、 いじめなどは、「誰にも言えない」という孤独感が強くなり、対人関. 係における傷つきを繰り返し、再演としての再被害を招きがちであ ると述べている。. このように、いじめは、被害者の心身に深い傷を残すとともに 日々の生活・社会活動に大きな影響を及ぼし、被害者が受けた心の. 4.
(8) 傷は、生涯残ることをしっかりと理解することが必要である(坂 西,2011)。. 2.いじめ被害へのサポートとその後の適応 2−1.過去のいじめ被害体験と現在の適応 いじめ被害体験者は、対人恐怖、不安、抑うつ、不適応行動(坂 西1995;Smith 1993;立花1990)、自尊心の低下、心身症、対人不 安などの不適応症状(Hawker&Boulton,2000;岡安・高山,2000). などが現れると報告されており、いじめ被害者の自尊感情に関する 研究においても、子供時代にいじめを受けていた成人は、自尊心の 低下が見られる(Dietz,1994)。また、“激しいいじめを体験した大. 学生ほど、体調の不良やうつ気分を強く経験し、対人関係に消極的 になる(坂西,1995;岡安・高山,2000;三島,2008)”という結果な. どから、過去のいじめ被害体験の影響は、一過的なものではなく、. 成人し、かなりの時間を経過してからも持続的な影響を及ぼす(坂 西1995;Smith 1993;立花1990)。. また、いじめ行為の種類や内容によって、“仲間外しを含めた対 人関係のトラブルが必然的に発生してしまう”という悪循環の形成 に違いが出てくることを予想し、この悪循環が、より早期に始まっ ていた場合の方が、年齢相応の社:会的スキルの学習に支障をきたす。. また、被害直後に呈していた反応(不適応症状など)が深刻なもの であるほど、この悪循環の形成は早まり、結果として数年後の適応 状態を損なわせる方向に働く(保坂,2000)。. このように、いじめ被害体験者は、自分の対処能力を低く評価し、. 自尊心を低め、信頼できる関係など誰とも築けないといった歪んだ 認知をもってしまうことがありうる(市井,1999)。. その他、Rothetal(2002)は、いじめを受けることで、被害者 は社会的状況を常に警戒が必要な危険な場であると知覚するように なり、次第に社会的状況を回避するようになり、その結果、年齢相 応の社会的スキルを学習し実践する機会が減少し、不適応状態が持. 5.
(9) 続するとした。同様に、坂西(1995)や香取(1999)も、いじめ被 害体験者は、他者からの評価に過敏になる傾向にあり、対人場面に おいて、努めて他者からネガティブな反応を引き出さないように振 る舞うことが適応状態を悪化させてしまうのではないかと指摘して いる。このように、いじめ被害体験者は、「友人など信頼してはいけ ない」「本当の自分を出すとばかをみる」といった歪んだ認知を持つ. ようになり、この認知が対人関係を阻害し、孤立感を高めることが 予測できる(奥村ら,1987)。. 2−2.いじめ被害の時期とその後の適応 前思春期におけるいじめられ体験は、親友を見出すという重要な 発達上の目標を阻害する可能性があり、荒木(2005)の研究でも、 いじめ被害体験者は、青年期後期において、特に対人的ストレスイ. ベントを多く体験しているわけではないにもかかわらず、非被害体 験者と比べて適応状態が悪いことが示されている。. このことから、子供の発達過程の上で、集団との関係が挫折した 場合、のちのちの対人関係・集団関係に重大な影響が及ぶことが考 えられる。. 2・一3.いじめ被害とケア・サポート. いじめを解決した人の多くは、自尊心が高く、大人への信頼も高 いことが示されていることから(石田・中村,2002)、同じいじめ被. 害体験者であっても、他者からのサポートなどによって解決した場 合とそうでない場合とで、その後の影響も大きく異なってくると考 えられる。. しかし、いじめに関する国際比較研究の結果から、我が国は、い じめ問題に何らかの対応がなされれば、問題の解決に向かう場合が 多いにもかかわらず、いじめられても、その被害を誰にも言わない 割合が多い。それゆえ、教師や保護者などの関係者が、いじめの実 態を知らないがために、より問題が長期化しやすく、いじめ・いじ 6.
(10) められ関係が固定化し、結果としていじめ問題が陰湿化しやすくな っていると考えられる(小林,2011)。. また、高野(2007)は、標的化や孤立無援といったいじめの第一 段階である「孤立化」に対抗するものとして、“いじめを受けた子ど もにとって、自分の辛さを理解してくれる人や友人が出来ること”、. 過剰暴力や反撃は無駄といったいじめの第二段階である「無力化」 に対抗するものとして、“心に傷を受けた人のケアの大原則をエンパ. ワメント(empowerment l有力化)とすること”、選択的非注意や 周囲に見えにくいといったいじめの第三段階である「非透明化」に 対抗するものとして、“少なくともカウンセラーに話せる、あるいは. 恐れずに担任や親に話せるようになること”を挙げている。. このように、いじめとは、重大な人権侵害であり、被害を受けた 人の心に深い傷を負わせる行為であること、学校はいじめを絶対に 許さず、我々が生活する市民社会ではこのような行為は許容されな いことを伝えていくべきであり、被害者の苦悩や痛みに無条件で耳 を傾けるような心理的ケアも必要である。そして、心のケアに関し ては、子供の評価とは離れた立ち位置にいる養護教諭やスクールカ ウンセラーの活用が望ましい(本間,2011)。. 加えて、いじめ問題は、特定の子の特殊な問題ではなく、誰もが 加害者になり、被害者になる危険性があるため、子供が発信するサ インを敏感にとらえ、必ず正面から速やかに対処するが必要がある。. このように、いじめられた子どもの声に耳を傾け、その苦しみを 理解し、支えていく大人がそばにいるということは、自殺の危機を 防止するためにも肝要なことであり、最終的には、いじめを受けた 子どもが、“同じ年齢の子供の集団に恐れずに入っていき、いじめら れることなく友人とともに過ごせるようになる”“安心して再びクラ. スでの生活を営むことが出来るようになる”ことができれば、いじ め問題はひとまず解決したと考えられる。. 7.
(11) 3.いじめ被害と外傷後成長 3−1. トラウマからの回復. トラウマからの回復プロセスとして、Herman(1999)の「トラ ウマからの回復の三段階モデル」やHarvey(1999)の「回復・レ ジリエンスの多次元モデル」が挙げられる。 Herman(1999)は、トラウマからの回復には三つの段階がある とした。第一段階は「安全の確立」であり、トラウマによって奪わ れたセルフコントロール感を取り戻すために安全の確立が最初の課 題であるとした。第二段階は「想起と服喪追悼」であり、トラウマ のストーリーを語ることでトラウマの記憶が形を変え、生活史全体 の中に統合されるようになるため、自分の歴史を取り戻し、人生に 関わる希望とエネルギーを新しく得られたと感じることを第二の課 題とした。第三段階は「再統合」であり、新しい自己を成長させ、. 自分を支える信念を改めて発見し、新しい関係を育み、未来を創造 していく段階とされており、この段階まで達成できているならば、 すでに適切な信頼感を取り戻しているとしている。. 同様に、Harvey(1999)も、トラウマからの回復・レジリエンス として、①記憶の再生への権限、②記憶と感情の統合、③感情への 耐性、④症状管理、⑤自己評価、⑥自己の凝集性、⑦安全な愛着関 係、⑧意味づけの8次元の基準を示している。 3−2.外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG). 外傷後成長(以下PTG)とは、トラウマから苦悩を通してプラス. に変容するということであり、1996年にTedeschi&Calhounが PTGの概念を提唱してから、様々なイベントにおけるサバイバーの PTGが報告されてきている。PTGで取り扱うトラウマの出来事は、 ストレス度の高い出来事とされており(Te desc hi&Calhoun,2004)、. 災害や虐待などのPTSDを発症する可能性のあるイベントだけでな く、苦難な出来事ではあるが、PTSDとは限定しがたいイベントも 含まれる(開,2006)。. 8.
(12) 開(2006)は、イベント発生からPTGまでのプロセスとして、 対象者全員が、イベントから何らかの苦悩を体験したが、誰かのサ. ポートを受けていたことを明らかにしており、PTGに影響を与えた と思われる要因として、①安全な環境に移る、②苦悩の中で出来事 の意味をじっくり考えてみる、③人の助けに感謝する、④何か行動 に移してみる、⑤焦らず時の流れに身を委ねてみる、⑥出来事をプ ラスの視点で考えてみる、の6っの要因を挙げている。. 3−3.いじめ被害とPTGの関連 開(2006)は、PTGを促すものや変容過程に視点を置いている研 究をしており、PTGを促すイベントとして《いじめなどを含めた友 人関係のトラブル》を挙げており、いじめや友人関係のトラブルは、. “人知れず一人で抱え込む”といった苦悩を感じても、その後のソ. ーシャルサポートや環境の変化、自信を取り戻すような体験を通し. てPTGが促され、他にもイベントによって生じた苦悩を十分に実感 する中での気付きもPTGへと変わる引き金となり、結果、そのイベ ントをプラスに解釈できるようになることを明らかにしている。. このように、いじめ被害体験によって受けた傷は、体験後の周囲 の対応や環境の変化、認知の変化といったものなどの影響により、. 体験そのものの意味付けがマイナスのものからプラスのものへ変容 することも大いにあると考えられる。. 9.
(13) 4.本研究の目的 これまでのことから、いじめられ体験は、複雑な形で被害者の心 身の状態及び自己認知や他者認知の両面に長期的影響を及ぼしてい ると考えられる。また、いじめ被害直後の認知は、否定的なものが 多いが、その後の自らの援助要請や他者からの援助、新しい信頼で きる人間関係の構築といった信頼感を回復させるような体験をする ことによって肯定的な認知へと変容している可能性があると考えら れる。. そこで、本研究では、いじめ被害体験者と被害体験のない者とに おける自己認知や他者(特に友人)への信頼感の違いを検討すること. を第一の目的とする。さらに、いじめ被害体験における他者からの 援助がいじめ被害体験後からの回復やいじめに対する認知や行動の 変化にどのように関連しているかを探索的に検討することを第二の 目的とする。. 10.
(14) 皿章 研究1 1.目的. 研究1では、いじめ被害体験者といじめ被害未経験者とにおける 自己認知や他者(特に友人)への信頼感の違いを検討することを目的 とする。. 2.方法. ①調査協力者および調査方法 国立大学法人A大学の教育学部所属の大学生11名(男性1名、 女性10名)、私立B・C・D大学の心理学系所属の大学生及び大学 院生135名(男性39名、女性96名)、保育系E専門学校生59名(女 性のみ)の計205名(男性40名、女性165名)を調査対象者とし、 質問紙法による調査を実施した。質問紙は、授業担当教員に依頼し て、授業時間内の配布・回収をお願いし、回収率・有効回答率とも に100%であった。. ②調査時期. 2012年7月∼11月の間に、A・B・C・D大学およびE専門学校 の授業時間を利用して調査を実施した。. ③調査内容 (1)フェイスシート. 性別、年齢、いじめ被害体験の有無、“有”の場合には、《自身に 最も影響を与えたと感じるいじめ》について、その内容(暴力/嫌が らせ/仲間外れ/脅迫的な指図/その他)、時期(小1∼3/小4∼6/中/. 高)、期間、当時の苦痛度(0:全く苦痛を感じなかった∼10:死に そうなくらい苦痛であった)、いじめ被害体験がネガティブな影響を. 与えたか、もし“与えた”の場合、今でもその影響が続いているか (続いている/気にしないレベルになっている)について尋ねた。. その他、倫理的配慮として、精神科もしくは心療内科の通院歴、 および現在の服薬について尋ねた。. 11.
(15) (2)信頼感尺度(天貝,1995;1997). 自己や他者、社会への信頼感の測定のために用いた。〈自分への 信頼〉〈他人への信頼〉〈不信〉の3下位尺度、24項目で構成され、. それぞれの項目内容について、自分の今の気持ちや考えに最も近い. ところについて6件法(1:全くあてはまらない∼6:非常によくあ てはまる)で回答を求めた。. ④倫理的配慮・個人情報の保護 調査するにあたって、回答するかどうかは自分の意志で自由に決 めることができ、答えたくない質問がある場合には、その質問をと. ばして次の質問に移ってもよく、回答しなかったり、回答を途中で やめたりしても、いかなる不利益も生じないということ、また、質 問への回答は無記名で行い、調査の結果は、研究目的のみに使用さ れ、統計データとして処理されるため、個人の回答がそのままの形 で公開されることはなく、回答の処理からデータの保管と処分まで、. 回答は厳重に保護されるということが書面及び口頭で教示した。. さらに、回答中、気分が悪くなったり、体調不良が現れた場合、 すぐに回答を中止し、途中退室をしていただいて構わず、回答後も 体調がすぐれない場合は臨床心理士が責任をもって対応することも 教示した。. 12.
(16) 3.結果. 1.質問紙回答者全員での分析. ①所属といじめ被害体験の頻度についての検討 調査対象者205名のうち、いじめ被害体験有と答えた者は82名 (40%)で、うち男性は17名(21%)、女性は65名(79%)で、 いじめ被害体験無と答えた者は123名で、うち男性は23名(19%)、. 女性は100名(81%)であった。 また、性別間でいじめ被害体験の頻度に差があるかを調べる為に X2検定を行ったところ有意でなく、性差は見られなかった。. 次に、調査対象者205名のうち、いじめ被害体験有と答えた者82 名のうち、大学生・大学院生は70名(85%)、専門学校生12名(15%)、. いじめ被害体験無と答えた者123名のうち、大学生・大学院生は76 名(62%)、専門学校生47名(38%)であった(Table1)。. また、所属間でX2検定を行ったところ有意で、大学生・大学院生 の方が専門学校生に比べて、いじめ被害体験の頻度が高かった (x2(1)=13.34, p〈.05).. したがって、以降は所属別に分析を行う。. Tablel 所属といじめ被害体験の有無のクロス表 いじめ被害体験. 合計. 有 無 (心理・教育系). 70. 76. 146. 12. 47. 59. 82. 123. 205. 大学生・大学院生 所属 (保育系). 専門学校生 合計. 13.
(17) ②所属における信頼感の相関 所属別の信頼感下位尺度問の相関係数をTable2に示す。 専門学校生では、〈自分への信頼〉がく他人への信頼〉と非常に 強い正の相関を、また、〈他人への信頼〉がく不信〉と非常に強い 負の相関を示した。その他、全体としては、大学生では各下位尺度 間は互いに独立しているのに対し、専門学校生においては各下位尺 度が互いに独立性が乏しいと考えられる。. Table2 所属別の相関係数 自分への. 他人への. 信頼. 信頼 3 7. 自分への信頼 他人への信頼. *. =20*. .66**. 一.14. .62**. .76** 一.47**. }. 7 7. *. 信頼感全体. 全体. *. 不信. *. 信頼感. 不信. 一.78** 1一一一一一一一. .78**. .95**. 一.90**. ’ρ<,05, *’ρく.01. 右上:大学生・大学院生,左下 専門学校生. ③いじめ被害体験の有無における信頼感の相関 いじめ被害体験の有無別の信頼感下位尺度間の相関係数を Table3に示す。. いじめ被害体験無の人では、〈自分への信頼〉がく他人への信頼 〉と強い正の相関を、〈他人への信頼〉がく不信〉と強い負の相関 を示した。. 14.
(18) Table3 いじめ被害体験の有無別の相関係数 自分への. 他人への. 信頼. 信頼. 信頼感 全体. *. *. 49. 自分への信頼. 不信. @,36**. .74**. 一.36**. .75**. 一一. 不信. 一.20*. 47. 信頼感全体. .64**. .83**. *. .55** *. 他人への信頼. 一.82**. =83**. *p〈.05, **p〈.01. 右上:有,左下:無. ④所属・いじめ被害体験の有無による信頼感との関連の検討 所属といじめ被害体験が信頼感にどのような影響を及ぼしてい るかを明らかにするために、所属(心理・教育系の大学・大学院生,. 保育系の専門学校生)×いじめ被害体験(有無)の2×2の分散分析 を行った。. ④一・ 1 自分への信頼感. く自分への信頼〉において、「所属」と「経験」の主効果がそれぞ. れ有意で、大学生・大学院生は専門学校生よりもく自分への信頼感 〉が高く(F(1,201)=6.88,、ρ<.05)、いじめ被害体験無の人は有の. 人より高かった(F(1,201)=12.32,p<.01)(Figure1)。. 15.
(19) 自分への信頼感 24 f一 ,, L. 22 1. i.大学生.蝉院蜜. 2i t’. ロ . 1 } ミ. le門学校生 i. 20 F. L._..一一一_一__,.___一_一一._____’._一__.、._,. ,, L. 1. ls L一“.T一一. 経験 i Figure 1自分への信頼感 ④一2 他人への信頼感. く他人への信頼〉において、「所属と経験」の交互作用が有意だ った(F(1,201)=8.14,p<.05)。そこで、単純主効果の検定を行っ. たところ、いじめ被害体験有の人において、大学生・大学院生は専 門学校生よりもく他人への信頼感〉が高いことが分かった(F(1, 2el)=5.69, p〈.05).. また、専門学校生において、いじめ被害体験無の人は有の人より く他人への信頼感〉が高いことが分かった(F(1,201)=9.22,p<.05) (Figure2).. 他者への信頼感 34 f,. *. *. 32.s 1・・. 1’”’mu−rm’inum一””’+一m’一 一一ua’””u”. i幽大学生・大学院生 i. I I 31ト l1. l .. ”H. ... 1. I ロ専門学校生 Lua.ww”一thnv一一一..」. 29.5 1−. 28トー・一. 1. 有 無 1 経験 l. Figure 2他人への信頼感 16.
(20) ④一3 不信惑. 〈不信〉においても、「所属と経験」の交互作用が有意だった(F(1 201)=4.47,p<.05)。そこで、単純主効果の検定を行ったところ、. いじめ被害体験無の人において、大学生・大学院生は専門学校生よ りもく不信感〉が高いことが分かった(F(1,201)=5.55,p<.05)。. また、専門学校生において、いじめ被害体験有の人は無の人より 〈不信感〉が高いことが分かった(F(1,201)=8.97,p<.05) ( Fig ure 3).. 不信感 40 r 38.5 IL ド . @ コ. 【吠学生.大学院劉. 37 1. l i ミ. 35.5 1. 1・専門学校生}. ,, li.. ヨ L__.一.、一..一_一.4_一.一..__一一一_一.._一..___」. ,,., 1.. ,, I. l i. 有 無 i 経験 {. Figure 3不信感. ④一4 信頼感全体. 「信頼感全体(自分への信頼+他人への信頼一不信)」においても、 「所属と経験」の交互作用が有意だった(F(1,201)=8.52,p<.05)。. そこで、単純主効果の検定を行ったところ、いじめ被害体験有の人 において、大学生・大学院生は専門学校生よりも《信頼感》が高い ことが分かった(F(1,201)=5.66,p<.05)。. また、専門学校生において、いじめ被害体験有の人は無の人より 《信頼感》が低いことが分かった(F(1,201)=15.06,p<.05) (Figure4).. 17.
(21) 信頼感 26 r. 23ト 561. 「i承;;覇星…i. ,e i.. . l i 口専門学校生」. ,, ll. ii 1’. 無. 8 if一一. i 有 経験. Figure 4信頼感全体. ll. いじめ被害体験有の人のみの分析. ①ネガティブな影響の持続度と信頼感との闘連の検討 いじめ被害体験有の人におけるネガティブな影響の持続の有無 別の検討を行うために、信頼感の各下位尺度、および信頼感全体得 点についてt検定を行った(Table4)。 その結果、「自分への信頼」下位尺度(t(78)=2.56,p<.05)と「他 人への信頼」下位尺度(t(78)=3.87,p<.01)、「信頼感全体」 (t(78)ニ3.36,.ρ<.01)において、ネガティブな影響が続いている人. の方が気にしないレベルになっている人よりも有意に低いことが分 かった。また、「不信」下位尺度(t(203)=1.72,p<.Ol)については、. ネガティブな影響が続いている人の方が気にしないレベルになって いる人よりも有意傾向に高いことが分かった。. 18.
(22) Table4 ネガティブな影響の持続別の平均値と. SDおよびt検定の結果 続いている. 気にしないレベル. (N=31). (N=50). t値. 平均. SD. 平均. SD. 自分への信頼. 20.30. 4.98. 22,94. 4.14. 2,56*. 他人への信頼. 29.37. 5.54. 33.32. 3.61. 3.87**. 不信. 38,33. 6.27. 35.58. 7,32. 1,72t. 信頼感全体. 11.33. 13,90. 20.68. 10,79. 3.36**. ,p〈.1, ’p〈.05, ”p〈.Ol. ②いじめ被害体験におけるネガティブな影響の持続度と当時の 苦痛度との関連の検討① いじめ被害体験によるネガティブな影響の持続度が、当時の苦痛 度によって差があるかを調べる為に一2検定を行ったところ有意で、. ネガティブな影響が現在も続いている人の方が、気にしないレベル になっている人より当時の苦痛度が高かった( Y2(1)=12.12,、ρ<.01) ( Table 5).. Table5 ネガティブな影響の持続度と当時の苦痛度のクロス表 当時の苦痛度 ︵∠りム. 影響の持続度 気にしないレベル 合計. 36. 44. 19. 0︵︶ 0 05. 3 0. 6. ネガティブな 続いている. 40. Ot−6 7t一 10. 合計. 80.
(23) ③いじめ被害体験によるネガティブな影響の持続度と当時の苦 痛度の関連の検討② いじめ被害体験有の人において、いじめ被害体験によるネガティ. ブな影響の持続度の検討を行うために、当時の苦痛度についてt検 定を行った(Table6)。 その結果、当時の苦痛度が低群(0∼6)の者(t(77.47)=3.92,p<.Ol). と高群(7∼10)の者(t(70.47)=3.84,、ρ<.01)において、現在もい. じめ被害体験によるネガティブな影響が続いている人の方が気にし ないレベルになっている人よりも有意に高いことが分かった。. Table6 ネガティブな影響の持続別の平均値とSDおよびt検定の結果 苦痛度 低群(N=36). 続いている. 気にしないレベル “’. 高群(N=44). 平均. SD. 平均. 4,50. 2.14. 8.36. O.93 3.92**. 3.97. 1.4 0. 8.05. 1.07 3.84**. SD. t値. マく.01. ④いじめ被害体験者におけるいじめ被害体験の期間と信頼感と の関連の検討 いじめ被害体験有の人において、所属といじめ被害体験の期間が 信頼感にどのような影響を及ぼしているかを明らかにするために、. 所属(心理・教育系大学・大学院生,保育系専門学校生)xいじめ. 被害体験の期間(∼1ヶ月未満,1ヶ,月以上∼3ヶ月未満,3ヶH以 上∼1年未満,1年以上∼)の2×4の分散分析を行った。しかし、. 専門学校生の中にいじめ被害体験の期間が1ヶ月未満の者がいなか 20.
(24) つた為、所属(心理・教育系大学・大学院生,保育系専門学校)×. いじめ被害体験の期間(1ヶ月以上∼3ヶ月未満,3ヶ月以上∼1年 未満,1年以上∼)の2×3の分散分析の結果となっている。 ④一1 自分への信頼感. 〈自分への信頼〉において、「所属と期間」の交互作用が有意だ った(F(2,50)=5. 48,p<.01)。そこで、単純主効果の検定を行っ. たところ、いじめ被害の期間が1年以上に及んだ人において、大学 生・大学院生は専門学校生よりも〈自分への信頼感〉が高いことが 分かった(F(1,50)=18.99,p<.01)。また、専門学校生において、. いじめ被害の期間が1ヶ月以上∼3か月未満の人は1年以上の人よ りもく自分への信頼感〉が高いことが分かった(F(2,50)=3.27, p〈.05) (Figure5).. 26. m. ミ ミ 20 f iロ専門学校生 l. i. L一.一。.一.一..一...t.._一一._...__.一.一一m_」. 18卜 16t−. 14−. i. 121 一一一一一一一 …t.. 1ケ月∼3ケ月 3ケ月以上∼1年 1年以上. Figure 5自分への信頼感 ④・2 他人への信頼感. く他人への信頼〉においても、「所属と期間」の交互作用が有意 だった(F(2,50=4.29,p<.05)。そこで、単純主効果の検定を行っ. たところ、いじめ被害の期間が1年以上に及んだ人において、大学 生・大学院生は専門学校生よりもく他人への信頼感〉が高いことが 分かった(∬(1,50)=11.81,p<.01)。また、専門学校生において、. いじめ被害の期間が1ヶ月以上∼3かH未満の人は1年以上の人よ 21.
(25) りもく他人への信頼感〉が高いことが分かった(F(2,50)=4. 99, p〈,05) (Figure6).. 他人への信頼. r一”m一一’m一;. 35 1’. *. 33し. i 3i F. 礪.蝉;梱 噂門学校生 !. 29 t. L.rmr一一」,. 27 1− 2s il. ,g 1・. 21 Lmm”.. 1ケ月∼3ケ月 3ケ月∼1年 1年以上. Figure 6他人への信頼感 ④一3 不信感. 〈不信〉において、「所属と期間」の交互作用が有意だった(F(2, 50=4.54,、ρ<.05)。そこで、単純主効果の検定を行ったところ、い. じめ被害の期間が1年以上に及んだ人において、大学生・大学院生. は専門学校生よりも〈不信感〉が低いことが分かった(F(1, 50)=7.61,p<.01)。また、専門学校生において、いじめ被害の期間. が1ヶ月以上∼3か月未満の人は1年以上の人よりもく不信感〉が 低いことが分かった(R(2,50)ニ5,27,、ρ<.01)(Figure7)。. **. *. 2glg:1”. 不信. 「;蒔生τ鰹棄「 o専門学校生 i. l i L一一一一一L.umrmriimr−j. ゴ恩 1ケ月∼3ケ月. 3ケ月∼1年 1年以上. Figure 7不信感 22.
(26) ④・4 信頼感全体. く信頼感全体(自分への信頼+他人への信頼・不信)〉においても、 「所属と期間」の交互作用が有意だった(F(2,50=9.34,p<.01)。. そこで、単純主効果の検定を行ったところ、いじめ被害の期間が1 年以上に及んだ人において、大学生・大学院生は専門学校生よりも 〈信頼感〉が高いことが分かった(F(1,50)=23.18,p<.01)。また、. 専門学校生において、いじめ被害の期間が1年以上に及んだ人は、 1ヶ月以上∼3か,月未満の人や3ヶ.月以上∼1年未満の人よりも〈信 頼感〉が低いことが分かった(F(2,50)=9.30,p<.05)(Figure8)。 信頼感. i. *. 30 f. 25ト. *. 20卜. **. i 15ヒ. ■大学生・大学院生. lo L−. ロ専門学校生. i. st. O L−rth”一一一一一一... 戸ケ月一3・月. 3ヶ月∼1年. 1年. 十一. ・5ト ー10 F −15 L. Figure 8信頼感全体. 23.
(27) 4.考察. 4−1.所属やいじめ被害体験の有無と信頼感との関連 所属による信頼感の相関による検討を行った結果、大学生・大学 院生ではく自分への信頼〉、〈他人への信頼〉、〈不信〉が互いに. 独立していたが、専門学校生では、これら3つの下位尺度が互いに 密接に影響し合っていた。 一方、いじめ被害体験の有無による信 頼感の相関による検討を行った結果、被害体験の有無に関係なく、 〈自分への信頼〉〈他人への信頼〉〈不信〉は互いに独立していた。. これらの相違が、学力の違いによるものであるのか、もしくは専門 としている分野の違いによるものであるのかは本研究で明らかにす ることは難しい。しかし、この結果から、大学生・大学院生は自己 や他者への信頼感が低いからといって、不信感が高いということで はなく、信頼感と不信感とが分化していると考えられ、これは、丸 一(2007)の大学生の信頼感の研究における、自分を信頼する人は、. 他者を信頼する傾向があることと一致していると考えられる。しか し、専門学校生はこれらが未分化の状態だと考えられ、過去にいじ め被害体験のある人は、ない人に比べて自己や他者への信頼感が低 く、不信感が高いということが明らかになった。. この結果から、木村・濱野(2010)が示唆しているように、いじ め被害体験は対人関係での傷つき体験であり、他者全般への信頼感 を損なわせていくと考えられる。そして、被害体験から時間が経過 しても、一度いじめによる他者からの裏切られ体験を経験すると、. 信頼感の低下や情緒的不適応といったネガティブな影響が長期間続 き、簡単に信頼感を回復することは困難であると考えられる。いじ. め被害体験は、PTSDを発症させうるような外傷体験ともみなすこ とができる体験であり、この体験による影響は一過的なものではな く、自尊:感情や信頼感の低下といったネガティブで長期的かつ持続. 的な影響を与えることを示唆している研究がいくつか見受けられる。. 例えば、Dietz(1994)や山本(2006)では、いじめ被害体験者の 自尊感情を調べたところ、いじめ被害体験のない人に比べて自尊感. 24.
(28) 情が低く、人間不信が強いことを示唆しており、亀田・相良(2007) では、“心のしこり(情緒的不適応)”を、過去のいじめ被害体験が. 外傷体験となり、青年期後期においても心の傷として否定的な影響 を及ぼしている状態と定義し、いじめ被害体験のある人はない人に 比べて情緒的不適応の値が高いことを示唆している。また、立花 (1990)の研究でも、いじめ被害体験について、外見上軽微に見え. る「いじめられ体験」でさえも子どもに対してPTSD級の深い心の 傷を与える可能性があると示唆されている。. 今回、大学生・大学院生の結果が専門学校生の結果と同様でなか った要因として、大学生・大学院生は、過去に心の傷となるような いじめ被害体験を経験していても、専門学校生に比べると、学業面 における成功体験が多く、そのような体験によって、自己効力感も 低下してないのではないかと考えられる。また、本研究の調査対象 者である大学生・大学院生が教育・心理系を専攻している学生であ ったため、いじめ被害体験から目を背けずに直面し、いじめ被害体 験をネガティブな体験からプラスの体験として捉え直し、乗り越え ようとしている段階であり、その結果、現在の進路に進んでいるの ではないかと考えられる。一方、今回の専門学校生の結果は、井梅 ら(2003)らが報告しているように、現代青年は自己中心性や自他 境界の未分化、見捨てられ不安、対人信頼感の欠如といった対人関 係の問題を抱えているということと一致しているとも考えられる。. このように、大学生・大学院生と専門学校生徒の結果の相違の要因 としては、双方の学業面の要因と専門分野が異なるが故に起こり得 る、問題意識の持ち方の違いの要因とが錯綜していると考えられる。. これらのことから、いじめ被害体験は、自己や他者への信頼感に 大きな影響を及ぼし、一度低下した自尊感情や信頼感は、被害体験 後の対人関係における様々な体験や自己開示や内省などを通して、. ある程度であれば回復しうる可能性はあると考えられるが、ネガテ ィブな影響は長期的に続き、いじめ被害体験者にとって心の傷とし て残る可能性が考えられる。. 25.
(29) 4−2.ネガティブな影響の持続の度合いと信頼感との関連 ネガティブな影響の持続の程度が信頼感にどのような影響を及 ぼしているかの検討を行った結果、いじめ被害体験後から現在もな お被害体験によるネガティブな影響が続いている人は、気にしない レベルになっている人よりも、自己や他者への信頼感が低く、不信 感が高いことが明らかになった。. このことから、先述したように、いじめ被害体験によるネガティ ブな影響は長期的、かつ持続的に続くものであることが考えられる。. Herman(1922)の研究でも、他者との間で生じた「心の傷」体験 をした者は、他者に信頼感をもてなくなり、自己や他者の捉え方が 歪められたりすることが示唆されており、Rothetal.(2002)も、 いじめを受けることで、被害者は社会的状況を常に警戒が必要な危 険な場であると知覚し、社会的状況を回避するようになり、年齢相 応の社会的スキルの学習や実践の機会の減少という事態を招くこと になってしまい、その結果対人不安などの不適応状態が持続するこ とになることを示唆している。その他、立花(1990)も、いじめら. れ体験は、アイデンティティ形成の重要な指標である、肯定的自己 価値と肯定的自己像をもつことに破壊的な影響を及ぼすとしている。. これらのことから、いじめ被害体験は、他者とのかかわりの中で 起こるものであるため、他者への信頼感が低下することは想定でき るが、それだけでなく、いじめ被害体験は他者から自己を否定され る体験とも捉えることができ、自分への信頼感をも低下させ、その 影響も長期的に続いていくということが考えられる。. 4−3.いじめ被害体験中の苦痛度とその後のネガティブな影響 の持続の度合いとの関連 いじめ被害体験中に感じていた心理的苦痛の度合いが、いじめ被 害体験によるネガティブな影響の現在の持続度合いにどのような影 響を及ぼしているかを検討した結果、現在もなお、いじめ被害体験 によるネガティブな影響が続いている者は、気にしないレベルにな. 26.
(30) っている者よりも当時の苦痛度が高いことが明らかになった。. このことから、いじめ被害体験当時に、より心理的苦痛を感じて いた者は、被害体験後も長期間に渡り、信頼感や自尊感情の低下と. いった、ネガティブな影響が長く続いていることが考えられ、この ことは、荒木(2005)の研究でも、被害体験当時の被害感および苦 痛感が大きいものほど長期的影響が長引く傾向にあることが示唆さ れている。. 4−4.いじめ被害体験の期間と信頼感との関連 いじめ被害体験の期間が信頼感にどのような影響を及ぼしている. かの検討を行った結果、いじめ被害体験が1年以上続いた者におい てのみ、〈自分への信頼〉、〈他人への信頼〉およびく信頼感全体 〉において、専門学校生は大学生・大学院生より低く、〈不信〉に. おいては専門学校生の方が高かった。また、大学生・大学院生にお いては、いじめ被害体験の期間による信頼感に大きな差は見られな かったが、専門学校生においては、〈自分への信頼〉、<他人への. 信頼〉および〈信頼感全体〉において、いじめ被害体験の期間が1 年以上の者は、期間が1ヶ月以上3ヶ,月未満よりも非常に低く、〈 不信〉においては高いことが明らかになった。. このことから、先述したように、本研究の大学生・大学院生は教 育・心理系を専攻する学生であったため、個々人の中ですでにいじ め被害体験そのものに向き合い、乗り越えようとしている者や、プ ラスの体験として捉えなおしている者などがおり、被害体験の期間 による信頼感の差が見られなかったのではないかと考えられる。加 えて、石田・中村(2002)の研究で、いじめを解決した体験の多い 人は、自尊感情が高く、大人への信頼も高いことが示唆されている ことから、本研究の調査対象者にとって、いじめ被害体験後の他者 とのかかわりや内省などを通して、被害体験の意味を捉えなおすこ. とが、いじめを解決した体験と同じような体験となっており、信頼 感もある程度回復したのではないかとも考えられる。一方、専門学. 27.
(31) 校生においては、いじめ被害体験の期間によって、信頼感に大きな 差が見られた。これについて、坂西(1995)も、大学生を対象とし た回顧的調査を行い、いじめ被害体験者は当時の心理的苦痛度が大 きいほど、活動意欲の減退や抑うつ感などを強く感じていることを 報告しており、いじめ被害における自尊感情や信頼感の低下、抑う. つや対人といった不安不適応状態などのネガティブな影響は、少な くとも青年期後期まで持続し、その強さは被害体験の期間に一定の 影響を受けるのではないかと考えられる。. 28.
(32) 皿章研究l1 1.目的. いじめ被害体験における他者からの援助が、いじめ被害体験から. の回復やいじめに対する認知や行動の変化にどのように関連してい るかを探索的に検討することを目的とする。 2.方法. ①調査協力者および調査方法 研究1の質問紙において、いじめ被害体験有で、インタビューお よび質問紙調査への協力に同意を得られた国立大学法人A大学の教 育学部所属の大学生4名、私立C・D大学の心理学系所属の大学生及 び大学院生8名の計12名(男性3名、女性9名)を調査対象者とし、 インタビュー及び質問紙法による調査を実施した。. ②調査時期. 2012年7月∼11月の間に、A・B・C・D大学それぞれのキャン パス内の空き部屋を利用して、インタビューおよび質問紙調査を実 施した。. ③謂査内容 (1)インタビュー. 《他者への信頼感を回復させるような体験》について、《周囲へ の援助希求》について、《周囲からの気付きによる援助》について、 《いじめ被害体験前後における認知や行動の変化》について、 《過. 去の加害体験》について、 《最近のいじめ報道》についての6項目. を尋ね、約25分間の半構造化インタビューを実施した。. 29.
(33) (2)いじめの影響尺度(香取,1999). いじめ経験の長期的影響の測定のために用いた。〈情緒的不適応 〉〈他者尊重〉〈同調傾向〉〈他者評価への過敏〉〈精神的強さ〉. 〈進路選択への影響〉の6下位尺度、42項目で構成され、それぞれ の項目内容について、いじめを通して自分が変わったと思うことに. ついて4件法(1:全くそう思わない∼4:全くそう思う)で回答を 求めた。. (3)いじめ被害経験後認知尺度(永浦,2009). いじめ経験後の認知の変容の度合いの測定のために用いた。<い じめに立ち向かう意識〉〈世の中への不信〉〈世の中への不条理〉. 〈自己に関する否定〉の4下位尺度、39項目で構成され、それぞれ の項目内容について、いじめ経験直後の考えに今現在どの程度同意 できるかについて7件法 (1:まったくそう思わない∼7:まったく そう思う)で同答を求めた。. ④倫理的配慮 インタビュー及び質問紙調査実施前に、IES−Rに回答してもらい、. カットオフ値を超えた場合、協力要請は行わないこととしたが、今 回は該当する者がいなかった。. 30.
(34) 3.結果. ①インタビュー協力者の特性 インタビュー協力者の特性を知るために、【いじめの影響尺度】. および【いじめ被害経験後認知尺度】に回答してもらい、既存の尺 度との平均の差の検定を行った。. その結果、【いじめの影響尺度】において、いじめのマイナスの. 影響として考えられる〈情緒的不適応〉は先行研究の平均値よりも 低い数値を示し、〈同調傾向〉やく他者評価への過敏〉については 平均値を上回っていたが有意ではなかった。また、いじめのプラス の影響として考えられる〈他者尊重〉〈精神的強さ〉については、 先行研究の平均値よりも高い値:を示していたが有意ではなく、<進. 路選択への影響〉についてのみ5%水準で有意に高いことが分かっ た(t(98)ニ2.34,p<.05)。. また、【いじめ被害経験後認知尺度】において、いじめのプラス の影響として考えられるくいじめに立ち向かう意識〉については、. 先行研究の平均値よりも高い値を示していたが有意ではなく、いじ めのマイナスの影響と考えられるく世の中への不信〉〈世の中への 不条理〉〈自己に関する否定〉についても、先行研究の平均値より も低い値を示していたが有意でなかった。. これらの結果から、本研究のインタビュー協力者は、先行研究の 対象者と基本的には大きな差は見られないが、過去のいじめ被害体 験が現在の進路選択に影響を及ぼしているといえる。. 31.
(35) ②インタビュー分析 本研究のインタビュー分析の方法として、逐語をデータに即した 形でまとめ上げていく方法に最適とされ、質的研究法では最も体系. 化されているという利点があるGTA(グラウンデッド・セオリー・ アプローチ)を採用した。GTAの基本的な手続きとしては、①デー タを収集して、データが単一の意味を持つ最小単位での文脈を抽出 する、②データ同士を比較しながら概念やカテゴリーを見つけ出す、. ③カテゴリーを精錬する、④カテゴリー同士の関連から仮説やモデ ルを作る、である。. インタビュー分析の信愚性を得るために、概念・カテゴリーを生. 成する中での調査当初の基準を明確にすることを目的として、GTA の①と②のプロセスを行うにあたり、インタビュー協力者の4人目. までを、臨床心理士の資格を持つ教員1名と筆者を含む臨床心理学 を専攻する9名の大学院生で行った。 インタビコ.一調査により得られた、いじめ被害体験者の信頼感回. 復までのプロセスについて概念とカテゴリーをまとめた。以下に、 概念およびカテゴリーについて記述する。なお、概念は【】、カテゴ リーは〈〉で示した。. 32.
(36) 以下に、インタビュー調査協力者のプロフィールを示す(Table7)。. i24歳. }. 33. 、b 、b. 半 年. せ . 心劇小2. 、b. 心理1中1. } し. 嫌 が. せ. せ. せれせ ら外ら が間が 嫌仲嫌. i23歳. f. 1 年 半 以 上. 月. 12i大学院. i l 心理 1高2,3 1. ケ. 11i大学 {2臓 1 1. 心理 i中2,3. {. ー. i 20歳 I E 10i 大学 1 } 22歳 1. 1. が. が 嫌 . gi大学. i’. 心理i中2. ; . 0. 嫌. 123歳 i. 旨 { :. 月. 8 i大学院. 2 ケ. 心理1中3 …. 1. 年ケ 半 8 年. I i 25歳 i’. ; {. 4. 3 4◎ 7 3 8 71. 71大学院. i 心理i 中 ぱ 1. 月. 1/. 心理 1 小4. { …. せれせ ら外ら が間が 嫌仲嫌. 6i大学院 1/. 1. りQ. l l 24歳 1. 教育i中2 }. i一 . 5i大学院. 1. 年年. 1 20歳 li. 教育i高2. ;. 畿嫡嫡嫡嫡棚. 一大学 11. ; }. n◎ . i. 7 4 . }20歳. ケ. i. 月 年 ケ. 31大学. 1. 2. 半鴻 3. i’. 教育i高2. 月. }21歳. 裾鷺. 21大学 1. 別女 性女 性女 性女 性男 性女 性女 性女 性女 性男 性女 性男 性 性. インタビュー協力者のプロフィール N。1所属と 専攻1被害 1 11 }画 1 年齢 1 i 教育 1小4 1i大学 … i }2。歳 i : i. 嫌仲嫌仲嫌仲嫌仲嫌. 謙・. Table7.
(37) Table8インタビュー内容【苦痛度①】 理由. 尺度. いじめレベル. いじめの内容. 楽観. サポート. いじめの原因. 1. 嫌がらせ・仲間外れ. 2. 陰画を言われたりの嫌がらせ. 3. 内容が嫌がらせと仲間外れだけつてい. なんか、上から目線で見れてた. うのもあって、身体的苦痛もないし、ま. っていうか。“まあ、勝手にや. 嫌がらせを受ける理由を 何となく自分で分かって. あ、精神的にちょっとやられるくらい で、まあ、軽いっていうのもあった. つとけ”っていう感じ. いた。. 4. されることを. 周りに見られ るのが嫌だっ た。. *まあ、“いっかどうにかなる. 苦痛感じた. かな”っていう風に軽く考えら. し、“死にそう. れとった部分もあった。. なくらい”が. *その時は、いじめられとると. “ものすご. かそんなん思わずに、ん∼“早. く”だったら. 〈この状況どうにかしたいな”. 10とかにな. って思ってた. る。. 5. サポートが あったこと が大きい。. 6. 周囲への評価. 中1:仲間外れ(最初). 中1:レギュラー枠も3枠. *シカトみたいな状態で、女の子からの. しかない。成績とかで私に. 陰湿ないじめ、クラブの中でレギュラー. 負けてることが嫌だった。. の事。仲間外れという感じでだった。. その子のSisもソフトボー ル部で、私に勝ちたいとか. 中2:嫌がらせ(次). *基本男の子からいじめられて…それ は本当に嫌がらせ。言葉でいろいろ言わ. そういうのがどうもあっ. れる…。キモいとか死ねとか、来んなみ. 中2二嫌がらせ(次). たみたい. たいな感じ。. 34.
(38) Table8インタビュー内容【苦痛度②】 理由. 尺度. いじめレベル. 7. いじめの内容. 楽観. 2ヶ月ほどのいじめつて、些細なことなんですけど、そ. 直接的に何か悪口を. 自分は何もしてないって. の、AさんがBさんをいじめていて、で、 Aさんは私が Bさんをいじめてるっていう風に吹聴していた. 言われるとか、暴力. いうことが明確だった. サポート. を奮われるっていう. 亀. 8. 周りが何となく私から距離を取るようになって…こう無. のは直接的な影響は. 視をされる、シカトをされる. なかった. 行事ごとの時は確か嫌がらせっていうか、ちょっと聞こ. 別にそこまで酷くな. える感じで言われたりとかはあったんですけど、基本的. かったのかな. いた. な日常としては、男の子が、なんかちょっと言ってくる くらい…聞こえるように言ってくるくらい。 9. 10. 嫌がらせ. *一年生の頃は割と友人が多かったんですけど、文理選. 択で全部友人が理系に行っちゃって…文系にも少ない友 人がいたんですけど、クラス外では結構嫌われてて…で、 クラス外で嫌ってる人たちが同じクラスになった時に、. 文系にいた数少ない友人たちが周りと一緒になって俺の こと無視するようになって…。 11. 仲間外れ・嫌がらせ. 12. 嫌がらせ. 周りに結構お 友達が普通に. 35. いじめの原因. 周囲への評価.
(39) Table9 【苦痛度】 1.....一..一..一,.一..一・.一・・一・・一一・一@一・・一”一”一i’一”一”一”一”一”一i. l*サポートがあったことが大きい i. i。周囲に友達がいた i. i・嫌がらせを受ける理由を自分で分かつていた i l*自分は何もしていないということが明確だった i i・されることを周囲に見られるのが嫌だった l L..一.. .一. ”“.. 一一 ..一” 一一 ..一..…一..一” 一一 ..一.一.. 一. ..... 一一 ...” ny .. k.. ...,.一.. ny ”」. ①【苦痛度】. 今回のインタビュー調査協力者に、当時の苦痛度について、“0が. 全く苦痛を感じなかった∼10が死にそうなくらい苦痛であった”で. 尋ねたところ、3∼10で推移していた。また、その数値を提示した 理由をそれぞれに尋ねたところ、“サポートがあった”や“周囲に友達 がいた”、“嫌がらせを受ける理由を自分自身が分かっていた”、“自. 分は何もしていないということが明確だった”、“されていることを 周囲に見られるのが嫌だった”などが挙げられた。. この結果から、周囲の支えやサポートがある場合や、いじめ被害 に遭う理由を自らが理解している場合などにおいては、いじめ被害 体験の期間や内容に関係なく苦痛度が低いことが考えられる。. 36.
(40) Table 10インタビュー内容【周囲からの気付き①】(7,12は回答なし) 人物との関係. 人物 1. 先生. 自分が結構話しやすい子. Oループの主格(主犯. 状況. 主格(主犯格)がやつぱ. いじめ被害体験中. 一番自分が話しやすい子に、なん ゥ、“おかしくない?”みたいなん. ゥてないところで. 言ったんやと思う. i)じゃない子ら 2. 行動(自分). 時期. いじめ被害体験中. 同じように陰口を言われてい. 骼q 3. 周り. いじあ被害体験中. 知らない人・自転車置き場でし. ゥ話さない人 4. 先生. いじめ被害体験中. 都活の顧問. 学校のクラスメイトとは普通に話 オていた。. 5. 友人. 6. 母親. クラスメイト. 泣いている時. いじめ被害体験中. 異変に感じて. いじめ被害体験中. 隠さずに全部話して…SOSを求め 驍ンたいな感じ. 8. 友人. 9. 友人. 10. 教師. 11. 友人. いじめ被害体験中. クラスメイト. 37.
(41) Table 10インタビュー内容【周囲からの気付き②】(12は回答なし) 行動(相手). 傍で支えてくれる存在 共感 1. 先を見据えた解決策 気付き. 気付いてくれて、優しい書葉をかけてきてくれた。. “たぶんもう収まる。もう終わる。気にす. 驍アとないよ“と言ってくれた。 2. 私もそうだから”って言ってくれた。. 3. “あの時なんで一人でおったん?”と言ってもらった。. マ極的に話しかけてもらった。 ハのクラスに行けば、仲良くできる子はいた。 4. ”どうなってるの?”と気にかけてもらった。. “もう無かったことになるから。ほんまに. 烽、ちょっとやから”と言ってくれた。 5. 机に伏せて泣いている時にクラスの友人 ェ肩を抱いてくれた。頭を撫でてくれた。. みんな僕のことを心配してくれたりとか、声をかけてくれた。. 6. Moが解決策を考えだす。⇒高校進学につい ト具体的に考える。. 7. 2ヶ月くらいたってやっと、なんかそんなに別に悪いことして 驍フAざんぱいしな∼っていうのを薄々気づき始めて、普通の. レし方に戻ってきた 8. “気にせんとき”とか、“嫌な奴だよね”. ニいう感じで言ってくれた. “あいつばなんか、勉強が出来なくて、周りをやっかんでるの. 諱hとフォローしてくれるような子がいた. 9. 気付いてくれたりとかする子がいた. 10. 気を遣ってくれました。. 謳カがものすごく声はかけてくれるようになりました。 11. “いじめは良くない”って言ってくれた. すごい庇ってくれて、その子たちが助けてくれた рェいじめられてるんかなって気が付いた男の子が“そんなん 竄゚とけ”“そんなことするのはアカソ”って大きな声で、ふ エけてかもしれないがやめたれよと言ってくれてた。(男子). 38.
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ハンブルク大学の Harunaga Isaacson 教授も,ポスドク研究員としてオックスフォード
学識経験者 品川 明 (しながわ あきら) 学習院女子大学 環境教育センター 教授 学識経験者 柳井 重人 (やない しげと) 千葉大学大学院
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生活環境別の身体的特徴である身長、体重、体
向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :
高村 ゆかり 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 寺島 紘士 笹川平和財団 海洋政策研究所長 西本 健太郎 東北大学大学院法学研究科 准教授 三浦 大介 神奈川大学 法学部長.