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中学校数学授業研究

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Academic year: 2021

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  4  リティ教育は必要不可欠である。こうした教育の中で、片思いがあってよいことや同性間 の恋愛があること、また恋愛をしなくてもよいことや交際していてもセックスしなくても よい関係があること等々、多様な関係性があることを知ると同時に、メディアが描く関係 をジェンダーの視点から批判的に読み解くような授業を展開する必要がある。 その際に重要となるのは、教師自身が性に関する言説に対してジェンダーの視点から常 に批判的思考を働かせておくことである。そのためには、教師が自分の中に内面化してき たジェンダー規範に対して内省的でなければならない。自分自身のジェンダー規範を意識 化することで、子どもたちの中に形成されたジェンダー規範に気付いたり、学校の中に存 在するジェンダー・バイアスのかかった思い込みを見抜いたりすることにも繋がると考え られる。 今後の課題としては、以下の2 点があげられる。1 つは、さらに事例研究を重ね、ライ フストーリーの分析を行うことである。他の女性や男性の卒業生も対象としたインタビュ ー調査を実施することで、男女で異なりうる経験の様相や学校教育の課題が明らかになり、 ジェンダー規範の影響に関する考察をより深めることができるだろう。2 つ目は、今回得 られた知見を特別支援学校での性教育プログラムの体系化に活用することである。そこか ら授業実践として具現化し、その効果的な授業の在り方まで探っていくことが必要である。 文献 小畑伸五・鶴岡尚子・古井克憲(2020)知的障害特別支援学校における性教育に関する 研究 卒業生を対象としたインタビュー調査から、日本特殊教育学会第 58 回大会ポ スター発表 桜井厚(2012)ライフストーリー論、弘文堂、pp.17-16 井上輝子(2009)メディアが女性をつくる?女性がメディアをつくる?、新編 日本の フェミニズム7 表現とメディア、pp.2-36、岩波書店 澤田匡人(2017)中学生・高校生(青年期前半)の心理学、発達心理学、太田信夫監修、 二宮克美・渡辺弥生編集、北大路書房、pp.105-123 艮香織(2017)デート DV、ハタチまでに知っておきたい性のこと第 2 版、橋本紀子・ 田代美江子・関口久志編、大月書店、pp.107-118 小柳しげ子(2015)悩む―移りゆくジェンダー観のはざまで、ジェンダーで学ぶ社会学、 伊藤公雄・牟田和恵編、世界思想社、pp.161-174 俣野美咲(2018)初交時の避妊の状況とパートナーの影響―「同い年」の増加と勢力関 係、青少年の性行動はどう変わってきたか―全国調査にみる 40 年間、林雄亮編、ミ ネルヴァ書房、pp.80-101 菅沼徳夫・生川善雄(2013)知的障害児の性教育に対する特別支援学校教師の意識に関 する多次元的研究、了徳寺大学研究紀要 (7)、pp.59-70

中学校数学授業研究

有田市立箕島中学校  奥有加 有田市立文成中学校  小林紘平 永田崇 有田川町立吉備中学校 丸山直城 田口智香子 山本寛  前裕貴 的場治代 有田川町立石垣中学校 貴志康平 宮﨑俊和 和歌山大学教育学部   北山秀隆 西山尚志 山本紀代

本研究の目的と概要

和歌山県有田地域は,全国学力・学習状況調査の結果において全国平均を上回っている 有田市の子ど も た ち の 状 況 平 成 3 1 年 度 ( 令 和 元 年 度 ) 全 国 学 力 ・ 学 習 状 況 調 査 の 結 果 KWWSVZZZFLW\DULGDOJMSBUHVSURMHFWVGHIDXOWBSURMHFWBSDJHBU]HQNRNXJDNXFKRKSSGI)など県下でも特に教育 に力を入れている地域であり,教員の方々も日ごろから工夫されて授業を行っている。本研究は,有田 地域の連携中学校において,数学科の授業方法などについての情報交換や,授業内容,指導法,教材等 の改善について研究を行うものである。現場での中学校教員の授業実践の取り組みを大学教員の研究・ 教育活動に活かしていくことや,大学教員の専門的な知識を中学校での教育現場に活かしていくことを 目指している。また本研究を通して地域の先生方との交流の機会など,地域の教育活動に和歌山大学も 少しでも貢献していきたいという思いも持っている。 本研究は,本学名誉教授の森杉馨氏を中心として始められたもので,これまで研究代表者を変更しな がら継続して行っているものである。なお今年度の研究代表者は,引き続き西山が担当することとなっ た。

本研究の実施方法

上で述べたように本研究は,これまで継続されてきた研究課題であり,実施についても一応の形がで きている。これまでの実施では,連携中学校教員の研究授業に大学教員も参加して,各学校や地域の教 員の方々と一緒に授業の参観やその後の協議会で協議を行い授業改善についての情報交換や交流を図っ てきた。授業の参観や協議を授業改善に生かしていただくことや大学教員も刺激をいただいて研究・授 業改善につなげていきたいという趣旨である。具体的には,各連携中学校からの希望をもとに,大学側 の教員との日程調整を行い日程が合えば実施するという形で年に数回程度の実施であった。 本年度は新型コロナウィルス感染症の影響で,学校現場での人の出入りが難しくなったことや開始が 遅くなったこともあり,これまでの方法で実施するのは難しいとも考えられたが,形式の変更は,連携 中学校教員の方々にも大きな負担がかかってしまうため,これまでと同様,研究授業の参観を中心とし た形式での実施とした。

本年度の活動

本年度は 吉備中学校において,研究授業に本学の教員が参加し,授業の参観によって数学の授業につ いて研究を行った。コロナウィルス感染症の影響もあり,授業後の協議会に大学教員は参加できなかっ たことは残念であった。授業については,後日大学教員間で授業について検討した内容を伝え,また吉 備中学校からも当日の協議会についての資料をメールで送っていただく形で情報の共有を行った。 ─ 163 ─

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研究授業参観 実施日:令和2年9月11日(金) 実施場所:有田川町立吉備中学校 和歌山大からの参加教員:西山 尚志 山本 紀代 ・研究授業 (5限に実施) 学級     第3学年 ' 組(28名) 単元     関数 𝑦𝑦 𝑦 𝑦𝑦𝑦𝑦2 指導者    前 裕貴 授業内容   下図のように横に一本,縦に2本の線を引く操作を繰り返す。     操作回数を 𝑦𝑦 としたとき,対応する変数 𝑦𝑦 を生徒に自由にとらせて,表を作成するこ とで,これらの変数の間の関数関係を発見させるものである。例えば交点の個数などに注 目させることで 𝑦𝑦 𝑦 𝑦𝑦𝑦𝑦2 の関数への導入としている。

今年度の研究について

 前述したようにコロナウィルス感染症の影響もあり,今年度の実施は吉備中学校での研究授業参観の みとなった。吉備中学校での研究授業では,前先生の工夫した授業を見せて頂き,中学校3年の関数分 野の導入部分に生徒たちとどのように取り組んでいくか,授業実践を通じて学べたことは有意義であり, 一定の成果があったものと考えている。また後程和歌山大教員間でも検討を行った。その際,山本先生 から教育の専門家としての観点からご助言をいただけたことは非常に良かったと感じている。ただし, 諸般の事情からその後の協議会に参加できず,研究授業から得られた知見については,後日メール等で の共有だけにとどまってしまったのは残念であった。

今後の展望と課題

 現在,和歌山大学の教科の専任教員に数学教育を専門とする者がいない.そのため大学教員の数学に 関する専門性を生かす形で貢献していくことが中心と考えているが,我々大学教員もより数学教育につ いての知見を深め,地域の教育ニーズに答えていく必要がある。本活動は大学側の教員にとっても,教 育実践を直に見せていただくことができる機会であり,数学教育の実際への理解を深めることや先生方 から学ばせていただいたことを自身の授業改善に生かせる貴重な機会であると感じている。来年度も継 続して研究を実施していきたい。 本年度の実施については,特殊事情もあったが,リモート化など何らかの工夫をすることもできたの では考えている。今後は,現場の先生方の負担をこれ以上増やすことのないよう,リモートでの運営等 の工夫を取り入れていくことも検討していきたい。また配分された予算をほとんど使うことができなか った。これまで予算は我々の旅費のほかに,協力校の授業改善に役立つように利用してきた。来年度は 予算なども協力校での教育に役立つ形で利用したい。 1

小学校教師の授業力の向上に向けた実践的研究

ー新人教師を対象としてー

本学教育学部 林 修 本学附属小学校 則藤 一起 湊本 祐也 田辺市立田辺第三小学校 塩路 文哉 和歌山市立雑賀小学校 山岡 大祐 Ⅰ はじめに 我々の経験から,新人教師の中に「生まれ持っての教師」と思われるような優れた資質・能力を備 えた先生に出会うことがある。これは「優れた教師は突然に優れてくるのではなく,新人の頃から

優れているものである。」(Bereiter & Scardamalia;1993)とする言葉にも表れている。このこ

とから,優れた教師を育てていくためには,新人の頃から優れた教師を探し出し,なぜそうした 優秀性を検討することが求められる。 そこで,本研究では,その一端として優れた学習成果(態度と技能)を収めた2 名の先生を対象に, 「自分を変えた子どもとの出会い」,「先輩教師との出会い」についてアンケートを行い,それぞれの 先生の優秀性とその背景について考えてみることにした。 Ⅱ 資料の収集 1. 対象教師(新人教師の限定) 松尾(2006)は,Ericson の「高いレベルの熟達者になるためには 10 年の準備期間が必要とな る」とする「10 年ルール」を一般企業の営業調査のデータから検証した。 また,体育分野では,清水・辻野(1976)が教職経験年数 1~30 年の小学校高学年(5・6 年 生)を担任している教師 60 名を対象に教職経験年数と学習成果の一つである態度得点の関係に ついて検討した。その結果,教職経験年数5 年前後までは態度得点は低いが,教職経験年数 10~ 20 年の間で高まってくると報告している。 これらのことは,新人教師の教職経験年数が10 年未満であることを示すものである。 また,厚東・梅野(2008)は,小学校高学年(5・6 年生)教師を対象に,体育授業に対する反 省得点と教職経験年数との関係を検討した結果,職経験年数8 年までの教師は反省得点と態度得 点との間に関係性が認められなかったが,教職経験年数 12 年を境に,反省得点が漸増していく 教師と逓減していく教師に分かれ,前者の教師は子どもからの評価(態度得点)が高まるが,後 者の教師は逓減傾向にあることを報告している。さらに,教職経験年数が3 年までの教師は自身 の授業をどのような観点から振り返ればよいのか判然とし難い様態にあるとした。 これらのことから,教職経験年数4~8 年目にある方を新人教師とすることにした。 これらを踏まえて,①教職経験年数が4 年〜8年,②学習成果(態度得点と技能)を高めた,の2 点に合致する教師2名に協力を依頼した。その結果,教職経験年数7 年(以下,A 先生)と 8 年(以 下,B 先生)とから協力を得ることができた。 2.資料の収集 (1)教材(バウンドゲーム) 図1 は,今回用いた教材(バウンドゲーム)のコート図を示 したものである。これは,3 年生のネット型ゲームとして身体 教育研究(2017)が開発したものである。 この教材は,ネットの代わりにコート中央にサークルを設置 し,そこにボールを叩きつけてバウンドさせながら攻防を展開 するゲームである。この時,バウンドしたボールを相手チーム がキャッチできない時に自チームの得点となる。 図1 バウンドボールのコート図 (武田・佐々.2017) ─ 164 ─ ─ 165 ─

参照

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