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社会科学関連インドネシア語コア・ジャーナル (特集 アジア地域研究と雑誌 -- 「コア・ジャーナル」を語る)

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社会科学関連インドネシア語コア・ジャーナル (特

集 アジア地域研究と雑誌 -- 「コア・ジャーナル

」を語る)

著者

高橋 宗生

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

198

ページ

26-27

発行年

2012-03

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00004038

(2)

  本稿では、インドネシアに関す る社会科学系の研究を実施する機 関にとって、揃えることが望まし い と 思 わ れ る イ ン ド ネ シ ア 語 コ ア・ジャーナルを紹介したい。選 択の基準は、少なくとも一〇年以 上継続出版され、筆者が所属する アジ研図書館で最低五年以上雑誌 記事索引の採録対象となった雑誌 である。便宜上、学術誌、ニュー ス報道誌、ビジネス誌の三つの範 疇 に 分 け て 解 説 す る こ と に し た い。誌名については、繰り返しを 避けるために表 1のアイテム番号 を使用する。

●学術誌

  まず、広く社会科学全般を対象 に論文を掲載する三誌を紹介した い。インドネシア科学院(LIP I)が発行する⑧「インドネシア 社会」は、 社会科学の中でも社会、 文化、人類学方面に強い雑誌であ る。インドネシアの地域社会が抱 える諸問題に関し、様々な専門分 野の研究成果を発表している。   一民間NGOである経済社会調 査教育情報協会(LP 3ES)が 一九七一年から九八年まで発行し てきた⑨「プリズム」は、二〇〇 九 年 に 復 刊 し た。 同 誌 は か つ て、 インドネシア知識人の知性レベル を反映する雑誌ともいわれ、月ご とに政治、経済、社会関連の特集 を組んで最新の研究成果を発表し ていた。月刊から季刊へと変わっ たが、特集テーマの選択や執筆陣 の構成は当時のレベルを保ってい るようにみえる。①「CSISの 分析」は公共政策を研究対象とす る民間研究所の機関誌である。政 治、経済、社会、国際関係の分野 で政策提言に直結する論文を掲載 している。   経済学の分野では、インドネシ ア大学経済学部経済社会研究所が 出版する④「インドネシア経済と 金 融 」 を 見 逃 す こ と は で き な い。 半世紀以上にわたって、本格的論 文を掲載し続けた実績は高く評価 されている。国立情報学研究所の 総合目録で調べると、日本国内で も所蔵機関が一六機関もある。二 〇〇三年以降は英文論文のみを掲 載 し て お り、 世 界 を 市 場 と す る ジャーナルへと変貌しつつある。   比較的新しい雑誌としては中央 銀行が出版する②「金融経済・銀 行雑誌」がある。計量経済学を適 用した金融部門の研究成果を調べ るには欠かせないジャーナルであ る。LIPIの経済開発研究セン ターが出す⑥「経済・開発ジャー ナル」も、発刊後一九年と比較的 新しく、国内の研究者たちが開発 問題のどのような側面に注目して いるかを知ることができる。   経営学の分野では、二〇〇七年 まで月刊ベースで発行されていた ⑦「 イ ン ド ネ シ ア 企 業 家 経 営 ジ ャ ー ナ ル 」 が 代 表 的 と い え る。 最先端の経営学理論をインドネシ アに適用した論文が多い。人口学 に関してはインドネシア大学経済 学部人口学研究所発行の⑪「人口 学ニュース」 が、 保健やジェンダー を含む最新のテーマとイシューを 取り上げている。   インドネシアで出版される学術 誌は、記載されている出版年より も一~二年遅れて出版されること も珍しくない。発行頻度も表 1に あるように多くて隔月刊、少なけ れば年二回だが、しばしば合併号 で年一回となる場合もある。しか し、 同国の研究動向を知るうえで、 これらの学術誌のタイムリーな入 手は不可欠といえる。

●ニュース報道誌

  インドネシア社会の実情と発展 の方向性を知るうえで欠かせない の が 優 れ た ニ ュ ー ス 報 道 誌 で あ る。そこでまず思い浮かぶ雑誌は ⑩ を お い て な い。 「 イ ン ド ネ シ ア の動向を追うには、新聞は﹃コン パス﹄一紙、雑誌は﹃テンポ﹄だ

社会科学関連イ

特 集

アジア地域研究と雑誌

―『コア・ジャーナル』を語る―

26

アジ研ワールド・トレンド No.198 (2012. 3)

(3)

けあればいい」という極端な研究 者の声があるのも、それほど報道 に信頼性があるからであろう。   スハルト政権の草創期に生まれ た同誌は、創刊以来インドネシア を代表するニュース週刊誌として の地位を着実に築いていった。政 権 末 期 に 発 禁 の 憂 き 目 に 遭 っ た が、インターネットを通して報道 し 続 け、 世 界 中 の 注 目 を 集 め た。 政権崩壊後復刊し、二〇〇〇年か らは、英語版も出版し始めた。   同誌は時にはインドネシアの歴 史を築いた政治家、思想家、活動 家らに関し、新たな評価を投げか ける。二〇〇八年五月の「民族覚 醒の日」を記念する特集において は、 同 国 が 誇 る 政 治 家、 思 想 家、 作家らに加え、外国人研究者の代 表的著作を現代の視点から紐解い た。このように現在だけでなく過 去にも目を凝らし、厚みのある報 道を行う点も他のニュース報道誌 にみられない特質である。   次に紹介する⑤「正義フォーラ ム」は、その名前どおり、法律や 社 会・ 政 治 問 題 に 鋭 く 踏 み 込 む。 利害関係者に対し万遍なく聞き取 り調査を実施し、インタビュー記 事を多数掲載する。法律をめぐる 諸問題、汚職疑惑事件、各種紛争 事件の報道にあたり、複数の語り 手を通して問題の所在を浮かび上 がらせる。一例として、二〇一一 年一二月一一日号では、汚職容疑 者となった民主主義者党幹部が絡 んだ事件の報道において、政治家 からは国会副議長と国会内法律担 当委員会委員、法律家からは容疑 者の弁護士と汚職撲滅委員会のス ポークスマンにそれぞれ聞き取り を 行 い、 各 一 ペ ー ジ の イ ン タ ビュー記事を掲載している。この ような手法は、一つの事件が立場 の異なる人々の視点からみるとど う見えるかという点で、読者の知 的好奇心を刺激する。また人権問 題 に 対 し て も 敏 感 に 取 材 を 進 め、 他の雑誌が取り上げない事件の報 道も多い。ホームページにアクセ ス(二〇一二年一月一〇日)する と、フルテキストかつ無料で過去 一年分ほどの記事が読めるのも魅 力の一つである。

●ビジネス誌

  こ の 分 野 の 雑 誌 は 種 類 も 多 く、 最 近 は Globe Asia の よ う な 財 閥 系 英 文 誌 の 参 入 も み ら れ る よ う に なった。当館では一九八五年から 九 五 年 ま で Swasembada 誌 を、 一 九 八 九 年 か ら 今 日 ま で ⑫「 経 済 ニュース」を購読している。後者 の特徴は、ランキング形式で最新 のビジネス情報を提供するところ にあろう。地方の投資環境に加え て、CEO、企業幹部、若手企業 家 た ち の 動 向 を 知 る の に も 役 立 つ。 現 物 を 手 に 取 る と、 「 財 政 が 裕福な都市ベスト五〇」 、「企業役 員報酬ベスト一〇〇」 、「二〇一〇 年理想企業ベスト二〇」などの文 言が派手に各号のカバーを飾って いる。また、企業や政府機関のI T 化 の 進 み 具 合 に も メ ス を 入 れ、 独自の採点方法で評価を行う。優 秀な企業や政府機関には「電子企 業賞」や「電子政府賞」などを授 与し、毎年誌上で発表する。毎回 の よ う に 掲 載 さ れ る e-company シ リーズにはIT化に取組む企業の 実情が描かれている。   一方、五〇年以上の歴史を持つ ③は、週二回発行される英文版と と も に イ ン ド ネ シ ア 経 済 の 最 新 ニュースを伝えてきた。各種経済 指標に加えて、経済関係法律・法 令や中央官庁の省令などが掲載さ れているので、ビジネスの力強い 助けとなろう。 ( た か は し   む ね お / ア ジ ア 経 済 研 究所   図書館資料整理課) 表1 社会科学関連のインドネシア語主要コア・ジャーナル 誌名1) 創刊年2) 刊行頻度3) 使用言語 主題分野 編集・発行

① Analisis CSIS 1972 季刊 インドネシア語 社会科学一般 CSIS: Centre for Strategic and International Studies

② Buletin ekonomi moneter dan perbankan 1998 季刊 インドネシア語、英語 経済 Direktorat Riset Ekonomi dan Kebijakan Moneter, Bank Indonesia

③ Business news (Indonesian ed.) 1957 週3回 インドネシア語 ビジネス PT Business News

④ Ekonomi dan keuangan Indonesia 1948 季刊 インドネシア語、英語 経済 Lembaga Penyelidikan Ekonomi dan Masyarakat, Fakultas Ekonomi, Universitas Indonesia

⑤ Forum keadilan 1988 週刊 インドネシア語 ニュース報道 PT Forum Adil Mandiri

⑥ Jurnal ekonomi dan pembangunan 1993 年2回 インドネシア語、英語 経済 Puslitbang Ekonomi dan Pembangunan, LIPI

⑦ Jurnal manajemen usahawan Indonesia 1971 隔月刊 インドネシア語、英語 経営 Lembaga Management, Fakultas Ekonomi, Universitas Indonesia

⑧ Masyarakat Indonesia 1974 年2回 インドネシア語、英語 社会科学一般 LIPI: Lembaga Ilmu Pengetahuan Indonesia

⑨ Prisma (Indonesian ed.) 1971 季刊 インドネシア語 社会科学一般 LP3ES: Lembaga Penelitian, Pendidikan dan Penerangan Ekonomi dan Sosial

⑩ Tempo (Indonesian ed.) 1971 週刊 インドネシア語 ニュース報道 PT Tempo Inti Media Tbk.

⑪ Warta demografi 1971 季刊 インドネシア語 人口、保健、ジェンダー Lembaga Demografi, Fakultas Ekonomi, Universitas Indonesia

⑫ Warta ekonomi 1989 隔週刊 インドネシア語 ビジネス PT Obor Sarana Utama

(注) 1)現在の誌名。 2)継続前誌を含んだ創刊年。 3)最新のもの。頻度が変遷した雑誌も多い。

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社会科学関連インドネシア語コア・ジャーナル

アジ研ワールド・トレンド No.198 (2012. 3)

参照

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