、 、
ビ
ニ
ロ
ン
合
成
繊
維
工
業
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原
料
系
列
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地
系
列
の
変
貌
﹂ 石 油 化 学 工 業 の 発 展 を 契 機 と し て ﹁ 一 和田
俊
二
ま え が き ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 は ヵ ー バ イ ド ーー ア セ チ レ ン を 出 発 原 料 と し て 企 業 化 さ れ た 。 カ ! バ イ ド の 有 機 合 成 用 需 要 は 昭 和 三 〇 年 頃 か 与 激 増 を 始 め 、 そ れ ま で の カ ー バ イ ド 需 要 の 主 柱 を な し て い た 肥 料 用 需 要 の 比 率 と 明 確 に 地 位 を 逆 転 し て 、 高 い 年 率 で も っ て 成 長 を 続 け た が 、 そ れ は わ が 国 の 有 機 合 成 化 学 工 業 の 主 要 部 門 を な す 塩 化 ビ ニ ル 樹 脂 と 合 成 繊 維 ( た だ し 、 ・ ポ パ ー ル 系 . 塩 化 ビ ニ リ デ ン 系 . ア ク リ ル 系 合 繊 ) の 原 料 が 昭 和 三 二 年 頃 ま で は 、 カ ー バ イ ド 旺 ア セ チ レ ン だ け で あ っ た と こ ろ に 原 因 が あ る 。 こ れ ら の ア セ チ レ ン 系 有 機 合 成 品 の 出 発 原 料 の シ ェ .ア に お い て 、 カ ー バ イ ド が ほ ぼ 一 〇 〇 % を 占 め る 状 態 は 三 五 年 頃 ま で 続 い た の で あ る 。 し か る に 、 こ れ よ り 後 、 カ ー バ イ ド " ア セ チ レ ン が 有 機 合 成 化 学 の 白 眉 で あ っ た 時 期 は 、 . 一 転 し て 凋 落 の 時 期 に 入 る こ と に な っ た 。 と い う の は 、 ア セ チ レ ン 源 は カ ー バ イ ド だ け に 限 定 さ れ ず 、 天 然 ガ ス か ら の ア セ チ レ ン 合 成 も 可 能 で あ る し 石 油 化 学 係 ﹁エ チ レ ーン か ち の ア セ チ レ ン 合 成 も 可 能 で あ る ば か り で な く 、 従 来 は ア セ チ レ ン を 出 発 原 料 と し た 諸 誘 導 品 (前 述 の 各 種 合 繊 の 中 間 原 料 や 塩 化 ビ ニ ル 樹 脂 を 主 柱 と せ る 誘 導 品 ) が ア ゼ .チ レ ン を 経 由 せ ず に 、 エ チ レ ン か ら 直 接 に 誘 導 す る プ ロ ゼ . ・ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 一ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 ニ ス が 発 明 さ れ る に 至 っ た か ら で あ る 。 日 進 月 歩 の 化 学 工 業 の 技 術 革 新 は い ま や 石 油 化 学 工 業 時 代 へ と 転 換 を 押 し 進 め つ つ あ る と い え る 。 か く し て ヵ ー バ イ ド ーー ア セ チ レ ン 原 料 の 独 占 分 野 は 重 大 な 脅 威 に 曝 さ れ る と と も に 、 カ ー バ イ ド 工 業 自 体 が こ の 事 態 の 変 革 に 、 い か よ う に 対 処 す べ き か は 、 カ ー バ イ ド 企 業 自 体 に と っ て 重 大 な 問 題 で あ る が 、 こ の 問 題 の 検 討 は 稿 を 改 め て 取 上 げ る こ と と す る 。 わ れ わ れ は 既 に ヵ ー バ イ ド ーー ア セ チ レ ン を 出 発 原 料 と し て 、 わ が 国 の 純 国 産 技 術 で 開 発 さ れ た ビ ニ ロ ン 合 繊 工 業 の 立 地 因 子 の 分 析 を 終 璽 さ ら に 力 去 イ ド H ア セ チ レ ン お よ び 天 然 ガ ス " ア セ チ レ ン に 基 づ く ビ ニ 。 ソ 合 繊 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 に 関 す る 研 究 、 石 油 化 学 系 ア セ チ レ ン 原 料 に よ る 斯 業 の 企 業 化 計 画 が 遂 に 実 現 を 見 ず に 終 っ だ こ と に つ い て は 、 (2 ) 前 編 に て 究 明 し た と こ ろ で あ る が 、 本 稿 で は 石 油 化 学 工 業 の 華 々 し い 登 場 を 背 景 と せ る 、 エ チ レ ン 法 へ の 原 料 転 換 ・ プ ロ セ ス 転 換 に 伴 な う 原 料 系 列 ど 立 地 系 列 の 変 動 に つ い て 究 明 し た い と 思 う 。 (1 ) 拙 稿 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 立 地 因 子 の 分 析 彦 根 論 叢 一 三 二 ・ 一 三 三 合 併 号 昭 和 四 三 年 = 一月 。 ( 2 ) 拙 稿 .ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 工 業 立 地 彦 根 論 叢 一 三 九 ・ 一 四 〇 合 併 号 昭 和 四 五 年 一 月 。 一 わ が 国 に お け る 石 油 化 学 工 業 の 発 展 ﹂ 有 機 合 成 化 学 工 業 に 対 す る 在 来 の 原 料 供 給 産 業 と の 競 合 関 係 の 発 生 わ が 国 に お け る 石 油 化 学 技 術 の 企 業 化 が 昭 和 三 二 年 に 始 ま る と い う 事 実 は 、 た し か に わ が 国 化 学 工 業 の 新 し い エ ポ ッ ク を 形 成 す る と い っ て も 過 言 で は あ る ま い 。 な ぜ な ら ば 、 こ の 時 点 で わ が 国 の 化 学 工 業 全 体 が 石 油 を 原 料 と す る 誘 導 品 利 用 へ 、 ま た 石 油 精 製 に 伴 な う 各 種 副 生 ガ ス 利 用 へ と 方 向 転 換 を 始 め る と と も に 、 そ れ ら を 原 料 と し た 新 し い 化 学 工 業 が 進 展 す る こ と に な る か ら で あ る 。 こ の 段 階 に 至 っ て わ が 国 で も 本 格 的 な コ ン ビ ナ ー ト 化 へ の 動 き が 見 ら れ 、 さ ら に わ が 国 化 学
' 1 ' ダ . 工 業 が 世 界 的 な 産 業 と し て の 地 位 を 確 保 し 始 め る の で あ り 、 そ の 結 果 、 わ が 化 学 工 業 の 再 編 成 が 全 面 的 に 進 行 を 開 始 す る と い う 意 味 で も 、 そ れ は 画 期 的 な 出 来 事 と い い う る で あ ろ う 。 わ が 国 の 石 油 化 学 工 業 の 生 い た ち と 発 展 石 油 化 学 工 業 の 先 駆 を な し た ア メ リ カ で は 、 一 九 二 〇 年 代 に 既 に 石 油 化 学 技 術 の 工 業 化 が 行 わ れ て い る の に 、 わ が 国 で は 戦 後 に 至 っ て さ え 、 こ の 種 の 化 学 技 術 の 蓄 積 は 皆 無 と い っ て よ い 状 態 で あ っ た 。 . だ か ら 戦 後 わ が 国 で 急 激 な 発 達 を 遂 げ た 有 機 合 成 化 学 工 業 の 原 料 は 、 後 に 詳 述 す る よ う に 、 古 い 歴 史 を も っ た 在 来 の 化 学 工 業 、 す な わ ち タ ー ル 工 業 ・ 醗 酵 工 業 、 ・ カ ー バ イ ド 工 業 か ら の 原 料 供 給 に 依 存 す る よ り 道 が な か っ た 。 だ が 、 合 成 化 学 工 業 の 異 常 な 発 展 は 原 料 供 給 産 業 の 供 給 量 を 越 え た 原 料 需 要 を 惹 起 し 、 さ ら に わ が 国 で 産 出 し な い 種 類 の 原 料 需 要 は こ れ を 輸 入 に 俟 た ざ る を 得 ず 、 か く て 年 々 石 油 化 学 製 品 の 輸 入 、 あ る い は そ の 原 料 の 輸 入 は 累 増 を 加 え た 。 よ っ て 、 こ れ ら の 輸 入 防 遏 の た め に も 、 わ が 国 に お け る 急 速 な 石 油 化 学 工 業 化 が 要 請 さ れ た 。 そ の た め わ が 国 が 不 可 欠 と す る 外 国 技 術 導 入 、 な ら び に 石 油 化 学 工 業 が 総 合 企 業 形 態 を と ら ざ る を 得 な い 性 質 に 基 因 す る 巨 大 資 本 導 入 の 必 要 性 は 、 昭 和 二 五 年 外 資 法 の 成 立 に よ っ て 解 決 可 能 と な る に 及 ん で 計 画 具 体 化 は 緒 に つ く に 至 り 、 加 え て 三 〇 年 制 定 を 見 た 石 油 化 学 工 業 育 成 対 策 に よ っ て 、 わ が 国 の 石 油 化 学 工 業 の 幕 あ け と な っ た 。 こ の 育 成 対 策 と は ω ナ イ ロ ン ・ 酢 酸 繊 維 等 の 合 成 繊 維 工 業 お よ び 石 炭 酸 樹 脂 ・ メ タ ア ク リ ル 樹 脂 等 の 合 成 樹 脂 工 業 め 急 速 な 発 展 に 伴 い 、 供 給 量 不 足 を き た す ベ ン ゾ ー ル ・ 石 炭 酸 ・ ア セ ト ン 等 の 原 材 料 の 供 給 を 確 保 し 、 ② 当 時 全 量 を 輸 入 に 依 存 し て 、 噛石 油 化 学 工 業 を 確 立 し な い 限 り 輸 入 の 増 加 が 必 至 と 思 わ れ る エ チ レ ン 系 製 品 等 の 原 材 料 物 資 の 国 産 化 を 進 め 、 ⑧ 石 油 化 学 方 式 の 技 術 的 、 経 済 的 優 越 性 に 着 目 し て き た 主 要 化 学 工 業 原 料 の 供 給 価 格 の 引 き 下 げ を 期 七 、 こ れ ら を 通 じ て 産 業 構 造 の 高 度 化 、 化 学 工 業 お よ び 関 連 産 業 の 国 際 競 争 力 の 増 大 を 図 る 、こ と を 目 的 と す る も の で あ る 。 ( 昭 和 三 〇 年 七 月 一 一 日 、 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 ・ 三
! ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 ∫ 幽 ,四 通 産 省 省 議 決 定 ) 政 府 は こ の 育 成 対 策 に は 外 国 技 術 導 入 認 可 、 設 備 資 金 融 資 斡 旋 、 法 人 税 免 除 、 重 要 な 設 備 に つ い て の 特 別 償 却 制 度 な ど 一 〇 項 目 に わ た る 周 到 な 育 成 措 置 を と っ た 。 そ れ ら の 恩 典 を 与 え ら れ で 、 お お か た の 石 油 化 学 会 社 は 特 許 権 を 賢 い 、 製 造 装 置 の 一 部 と そ の ノ ! ハ ウ を 輸 入 し て 工 場 を 建 設 し た 。 そ の 額 は 約 三 、 七 五 〇 万 ド ル と い わ れ る 。 若 し こ の 育 成 措 置 を と ら な け れ ば 、 製 品 輸 入 は 三 二 年 度 に 四 h 二 〇 〇 万 ド ル 、 三 i 四 年 後 に は 一 億 数 千 万 ド ル に 達 す る と 考 え ら れ て い た も の が 特 許 料 な ど 四 〇 〇 万 ド ル と 原 判 油 六 〇 〇 万 ド ル の 支 払 で 済 む ほ ど に 、 外 貨 節 約 の 見 込 み が あ っ た か ら こ そ 、 か か る 育 成 措 置 が と ら れ た の で あ る 。 か く し て 、 石 油 化 学 の 企 業 化 の ︿ 第 一 期 計 画 ﹀ は 三 〇 年 か ら 三 二 年 に か け て 具 体 化 し 、 三 四 年 度 末 ま で に は 岩 国 ( 三 井 石 油 化 学 ) 、 、 新 居 浜 (住 友 化 学 ) 、 四 日 市 (三 菱 油 化 ) 、 川 崎 ( 日 本 石 油 化 学 ) 、の 四 つ の ナ フ サ セ ン タ ー を 中 核 止 し て 第 一 期 計 画 は 完 載 し た 。 そ の 規 模 は エ チ レ ン 生 産 能 力 で は 合 計 七 万 九 、 八 ○ ○ 万 ド ン で あ っ た 。 本 計 画 の 特 徴 は 、 本 計 画 が 完 成 す れ ば 石 油 化 学 工 業 と 既 存 化 学 工 業 と の 間 に 、 製 品 分 野 に お け る 競 合 が 予 想 さ れ る の で 、 既 存 化 学 工 業 に 対 し て は 急 激 な 影 響 を 与 え な い よ う 配 慮 が 加 え ら れ た こ と で あ る 。 ︿ 第 二 期 計 画 ﹀ は 三 五 年 よ り 始 め て 三 九 年 完 成 の 予 定 計 画 で あ っ た 。 第 一 期 計 画 が 完 成 し た 三 四 年 以 後 も 、 石 油 化 学 製 品 の 需 要 は 予 想 以 上 の 伸 長 を 見 せ 、 そ の た め 輸 入 は さ ら に 増 大 傾 向 を 辿 る と と も に 、 企 業 採 算 性 の 目 途 も 立 つ に つ れ て 企 業 の 新 増 設 意 欲 が 旺 盛 と な っ た 。 第 一 期 計 画 に よ る 石 油 化 学 製 品 の 価 格 の 内 外 格 差 は な お 著 し か っ た 。 そ れ は 石 油 化 学 製 品 の 価 格 が 装 置 工 業 の も つ 特 徴 と も い う べ き 規 模 の 経 済 性 に 支 配 さ れ る 性 質 を も つ が 、 第 一 期 計 画 に お け る エ チ レ ン 設 備 は 最 大 の も の で も 二 万 五 、 ○ ○ ○ ト ン に 過 ぎ な い 程 度 で 、 未 だ に エ チ レ ン 生 産 規 模 が 国 際 水 準 に 達 し て い な か っ た と こ ろ に 原 因 が あ っ た 。 そ れ 散 策 二 期 計 画 に お い て は 、 石 油 化 学 製 品 の 国 際 価 格 水 準 を ベ ー ス と し て の 生 産 を 前 提 と し て 、 ω 第
〆 ■ ・ 、 一 期 計 画 品 目 の 生 産 設 備 の 増 強 を は か り 、 輸 入 の 完 全 防 遏 を 実 現 す る σ 働 新 規 石 油 化 学 製 品 の 企 業 化 等 に よ り 、 未 利 用 ナ レ フ ィ ン の 有 効 活 用 を は か り 総 合 石 油 化 学 コ ン ビ ナ ー ト の 完 成 を 期 す る ◎ ㈲ 既 存 生 産 方 式 の 石 油 化 学 方 式 に よ る 代 替 に よ り 、 基 礎 化 学 製 品 等 の コ ス ト ダ ウ ン と そ の 供 給 力 の 増 強 を は か る こ と を 、 石 油 化 学 企 業 化 の 主 要 課 題 と し て 、 も っ て 国 際 水 準 の 石 油 化 学 工 業 の 確 立 が 図 ら れ る こ と に な っ た 。 か く し て 、 千 葉 (丸 善 石 油 化 学 ) 、 川 崎 (東 燃 石 油 化 学 ) 、 . 四 日 市 (大 協 和 石 油 化 学 ) 、 水 島 (化 成 水 島 ) 、 徳 山 ( 出 光 石 海 化 学 ) の 五 つ の ナ フ サ セ ン タ ー が 設 立 さ れ た 。 前 述 の 第 一 期 計 画 に よ る 四 つ の 先 発 ナ フ サ セ ン タ ー の 増 強 と と も に 、 合 計 九 つ の 設 立 を 見 た の で あ る が 、 第 二 期 計 画 に お け る エ チ レ ン 設 備 は い ず れ も ﹁ 年 産 四 万 -一 〇 万 ト ン と 大 型 化 さ れ た 。 ︿ 第 三 期 計 画 ﹀ は 四 〇 年 か ら 四 二 年 に 終 る 計 画 で あ る 。 三 九 年 に ほ ぼ 完 成 し た 第 二 期 計 画 に よ る エ チ レ ン 生 産 能 力 で は 合 計 七 三 万 ト ソ と な り 、 世 界 で も 二 、 三 位 を 競 う 規 模 に 成 長 し た が 、 第 三 期 計 画 に て は 新 設 セ ン タ ー の 基 準 と し て 、 ω 適 正 な 誘 導 品 計 画 を 有 し 、 エ チ レ ン 生 産 能 力 が 年 産 一 〇 万 ト ン 程 度 の 大 規 模 セ ン タ ー 、で あ る こ と 。 ② 原 料 ナ フ サ の 相 当 部 分 が コ ン ビ ナ ー ト を 構 成 す る 製 油 所 か ら パ イ プ に よ っ て 入 手 で き る 見 込 み が あ る こ と 。 ㈲ 必 要 な 技 術 能 力 ・ 資 金 調 達 能 力 を 、 有 す る こ と 。 ㈲ 将 来 エ チ レ ン 生 産 能 力 を 年 産 二 〇 万 ト ソ 以 上 に 拡 大 で き る 立 地 条 件 を 有 す る こ と 。 ㈲ 公 害 防 止 に つ い て 所 要 の 配 慮 が な さ れ て い る こ と を 条 件 と し て 、 外 資 法 に 基 く 技 術 導 入 の 認 可 が 行 わ れ た 結 果 、一 千 葉 (三 井 石 油 化 学 ) 、 千 葉 (住 、 友 化 学 ) 、 大 分 (昭 和 電 工 ) 、 堺 (大 阪 石 油 化 学 ) の 四 つ の ナ フ サ セ ン タ ー の 新 設 と 既 設 セ ン タ ー の 拡 充 が 認 可 さ れ た 。 こ の 計 画 に お い て 装 置 工 業 と し て の 規 模 の 経 済 性 の 追 求 が 明 示 さ れ る と と も に 、 わ が 国 石 油 化 学 工 業 の 原 料 事 情 が も つ ぼ ら ナ フ サ に 依 存 す る 点 に 配 慮 が 加 え ら れ て い る 。 ︿ 第 四 期 計 画 ﹀ は 四 三 年 に ほ ぼ 完 成 を 見 た 第 三 期 計 画 に 続 い て 、 石 油 化 学 会 社 に よ っ て 進 め ら れ た も の で あ る が 、 こ の . 期 に 至 る と 、 通 産 省 は ナ フ サ セ ン タ ー の 新 設 基 準 を 次 の 如 く に 改 め て 、 わ が 国 の 石 油 化 学 工 業 の 国 際 競 争 力 強 化 を 図 る こ ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 五
' ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 六 と に し た 。 即 ち エ チ レ ン は 石 油 化 学 製 品 の 基 礎 原 料 で あ り 、 か つ 設 備 大 規 模 化 の メ レ .ッ ト が 端 的 に 効 果 を 発 揮 す る も の で あ る こ と を 考 慮 し て 、 エ チ レ ン 製 造 設 備 の 思 い 切 っ た 大 規 模 化 、 即 ち 年 産 三 〇 万 ト ン 以 上 の も の た る こ と 、 石 油 化 学 工 業 で は ナ フ サ 分 解 に よ っ て 生 ず る エ チ レ ン ・ プ ロ ピ レ ン 等 の オ レ フ ィ ン 溜 分 を 有 効 に 利 用 す る こ と が 、 国 際 比 価 に お け る 競 ﹁ 争 力 強 化 の 根 源 と な る の で 、 オ レ フ ィ ソ 溜 分 の 適 正 な 誘 導 品 計 画 が あ る こ と 、 原 料 ナ フ サ の 相 当 部 分 が コ ン ビ ナ ー ト を 構 成 す る 製 油 所 か ら パ イ プ に よ っ て 入 手 で き る 見 込 み が あ り 、 ま た コ ン ビ ナ ー ト を 構 成 す る に 充 分 な 立 地 条 件 を 備 え て い る こ と 、 国 際 競 争 力 の あ る 石 油 化 学 コ ン ビ ナ ー ト 形 成 に 必 要 な 技 術 ・ 資 金 調 達 能 力 あ る こ ど を 条 件 と し て 、 第 四 期 計 画 の 認 ・ 可 条 件 と さ れ た 。 か く し て 、 企 業 間 の 協 調 体 制 が 基 調 と な っ て 、 千 葉 (丸 善 石 油 化 学 ) 、 川 崎 (浮 島 石 油 化 学 11 三 井 石 油 化 学 . 日 本 石 油 化 学 の 折 半 出 資 ) 、 千 葉 ( 住 友 千 葉 化 学 ・ 東 燃 石 油 の 輪 番 投 資 ) 、 水 島 (化 成 水 島 と 旭 化 成 . 日 本 鉱 業 の 折 半 投 資 ) 、 鹿 島 (三 菱 油 化 ) 、 泉 北 (大 阪 石 油 化 学 ) の 新 増 設 が 行 わ れ る に 至 っ た 。 か く の 如 き 石 油 化 学 工 業 の 急 速 な 新 増 設 の 結 果 が そ の 製 品 生 産 額 に 現 わ れ た と こ ろ を 見 る と 、 三 三 年 の = 一 億 円 か ら 三 五 年 六 三 一 億 円 、 三 七 年 一 、 二 七 二 億 円 、 三 九 年 二 、 三 九 四 億 円 、 四 一 年 四 、 一 四 二 億 円 、 四 二 年 五 、 三 一 八 億 円 と い う 飛 躍 的 発 展 を 遂 げ て い る の で あ っ て 、 そ の 結 果 、 全 化 学 製 品 に 占 め る 割 合 も 三 二 年 の 一 ・ 八 % か ら 四 一 年 に は 二 二 ・ 七 % と な り 、 化 学 工 業 の な か で は 肥 料 工 業 に 代 わ っ て 最 大 部 門 に 伸 し 上 が っ た 。 わ が 国 の 石 油 化 学 工 業 の か か る 生 産 規 模 は 国 際 的 に 見 れ ば 、 7 メ リ .カ に 次 い で 世 界 第 二 位 と 考 え ら れ る 。 も っ と も 、 こ の 国 際 比 較 は エ チ レ ン の 生 産 能 力 を も っ て 行 っ た 場 合 な の で あ る が 、 な ぜ エ チ レ ン 生 産 能 力 で 代 表 さ せ て 国 際 比 較 が 行 わ れ る か と い う と 、 石 油 化 学 製 品 の 基 礎 製 品 で あ る 各 種 炭 化 水 素 、 す な わ ち エ チ レ ン ・ プ ロ ピ レ ン ・ B -B 等 の ナ レ フ ィ ン 溜 分 の な か で 、 現 在 エ チ レ ン が 最 も 多 量 に 消 費 さ れ る こ と と 、 エ チ レ ン を 出 発 原 料 と し て 製 造 さ れ る 基 礎 化 学 製 品 ( ア セ ト ア ル デ ヒ ド 、 ポ リ エ チ レ ン 等 々 ) の 生 産 能 力 が ま た エ チ レ ン 需 要 ベ ー ス で 決 め ら れ る こ と に よ る か ら で あ る 。 四 一 年 ア メ リ カ の エ チ レ ン 生 産 能 力 四 七 五 万 ト ン に 次 い で r 、
わ が 国 は 一 二 〇 万 ト ソ で あ っ た 。 ﹂ 四 三 年 に は 一 四 四 万 ト ン と な り 、 こ れ に 認 可 ず み の 新 増 設 分 を 加 え る と 、 三 一 七 万 ト ン と な り 、 世 界 第 二 位 の 国 際 地 位 は 確 然 た る も の と な っ た 。 こ う し て わ が 国 で は 石 油 化 学 製 品 の 低 価 格 ・ 大 量 の 国 内 供 給 が 可 能 と な っ た 結 果 、 全 製 品 輸 入 の 完 全 防 遏 と い う 所 期 の 目 的 は 完 遂 さ れ 、 四 〇 年 を 転 機 と し て わ が 国 は 輸 出 に 転 じ て い る ヨ 状 況 で あ る 。 - . , 苦 幹 、 芸 戦 後 わ が 国 の 合 成 繊 維 工 業 と 合 成 樹 脂 工 業 は 、 高 分 子 化 学 の 急 速 な 発 展 を 基 底 と し て 、 国 民 所 得 の 増 加 に よ る 一 般 生 活 文 化 の 向 上 に 支 え ら れ て 、 異 常 な 発 展 を 拍 車 ざ れ た の で あ る が 、 繊 維 ・ 樹 脂 を 中 心 と せ る 有 機 合 成 化 学 工 業 に 対 し て 、 当 初 .︿ 原 料 供 給 産 業 ﹀ の 役 割 を 果 た し た の は 、 石 炭 乾 溜 工 業 ( タ ー ル 工 業 ) ・ 醗 酵 工 業 ・ カ ー バ イ ド 工 業 と い ヶ 在 来 の 化 学 工 . 業 で あ っ た 。 し か る に 、 こ れ ら の 原 料 供 給 産 業 が 供 給 せ る 原 料 か ら 生 産 さ れ る 繊 維 ・ 樹 脂 あ る い は そ れ ち の 中 間 原 料 と 、 寸 分 違 わ な い も の が 、 前 述 の 如 く 急 激 な 発 展 を 遂 げ た 石 油 化 学 工 業 に よ っ て 、 大 量 か つ 低 価 格 に 生 産 さ れ る こ と が 出 来 る よ う に な る と 、 石 油 化 学 工 業 と 在 来 の 原 料 供 給 産 業 と の 間 に 競 合 関 係 を 生 ず る の は 、 け だ し 当 然 と い わ ね ば な ら な い 。 よ っ て 次 に そ れ ぞ れ の 在 来 の 化 学 工 業 と の 競 合 関 係 を 述 べ る こ と に し た い 。 タ ー ル 工 業 と 石 油 化 学 工 業 と の 競 合 関 係 一 夕 ー ル 工 業 の 独 占 喪 失 芳 香 族 炭 化 水 素 類 、 即 ち ベ ン ゾ ー ル ・ .ト ル オ ー ル ・ キ シ ロ ー ル (略 称 し て B ・ T ・ X が 慣 用 さ れ る ) は 元 来 、 石 炭 乾 溜 の 際 に コ ー ク ス ・ 石 炭 ガ ス と と も に 併 産 さ れ を タ ー ル .か ら 精 製 さ れ て 供 給 さ れ た 。 こ れ ら の 芳 香 族 が 石 油 化 学 工 業 か ら も 生 産 さ れ る と こ ろ に 競 合 原 因 が あ る 。 戦 前 タ ー ル を 原 料 と す る 有 機 合 成 化 学 工 業 は 染 料 に よ っ て 代 表 き れ 、 医 薬 ・ 爆 薬 ・ 香 料 ・ 顔 料 な ど も 含 ん で 、 大 正 年 間 か ら 第 二 次 大 戦 に か け て 発 達 し た も の で あ る 。 し か る に 戦 後 の 高 分 子 化 学 の 発 達 に よ っ て 、 タ ー ル 工 業 に 新 し い 局 面 が 展 開 し た 。 と い う の は ポ リ ア ミ ド 系 ( ナ イ ・ ン ) ・ ポ リ エ ス テ ル 系 ( テ ト ・ ン な ど ) の 合 成 繊 維 原 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 七
ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 Z 立 地 系 列 の 変 貌 - . 八 料 あ る い は 在 来 の フ ゴ ノ ー ル 樹 脂 ( ベ ー ク ラ イ ト ) の ほ か に 新 た に 登 場 し た ポ リ ス チ レ ン な ど の 合 成 樹 脂 原 料 と し て 、 大 き (4 ) な 需 要 分 野 が 開 け る と と も に 、 そ の 供 給 不 足 が 問 題 と な り 始 め た も の で あ る 。 芳 香 族 原 料 の 供 給 源 は 前 述 の よ う に 製 鉄 業 . 都 市 ガ ス 工 業 に お け る 石 炭 乾 溜 の 副 産 物 と し て 得 ら れ る タ ー ル よ り の 精 製 に 依 存 し て き た が 、 タ ー ル 工 業 は 本 質 的 に 製 鉄 . 都 市 ガ ス 工 業 の 主 製 品 の 生 産 事 情 に 左 右 さ れ 、 タ ー ル 工 業 独 自 の 生 産 を 行 な い 得 な い 副 産 物 利 用 工 業 で あ る 性 質 を 紅 つ た め 、 設 備 の 近 代 化 、 企 業 の 分 離 に よ る 合 理 化 な ど を 行 な っ て も 、 な お 生 産 量 に 限 界 が あ る 。 同 時 に 主 製 品 価 格 か ら の 制 約 と 原 料 炭 の 割 高 に 支 配 忘 れ て 、 そ の 価 格 は 低 下 す る 可 能 性 が 少 な い 。 原 料 炭 は 粘 結 性 の 強 度 を 初 め と し て 品 質 上 の 条 件 が 厳 し く 、 特 に 製 鉄 用 コ ー ク ス に 必 要 な 強 粘 結 炭 は 、 大 部 分 を 米 ・ 濠 か ら の 輸 入 に 依 存 せ ざ る を 得 な い た め 国 際 的 に ら お 割 高 で あ る 。 要 す る に タ ー ル 工 業 が 副 産 物 利 用 工 業 た る 性 格 よ り 、 B ・ T ・ X を 初 め と す る タ ー ル 製 品 の 需 要 に 応 じ た 供 給 が 不 可 能 で あ る こ と 、 欧 米 よ り も 高 価 格 で あ る こ と の 理 由 か ら 、 激 増 せ ん と す る こ れ ら の 製 品 輸 入 を 防 遏 す る 目 的 を も . っ て 、 前 節 述 べ た 如 く わ が 国 の 石 油 化 学 工 業 育 成 対 策 が 確 定 さ れ た 。 .か く し て 育 成 対 策 に よ る 石 油 化 学 工 業 の 第 一 期 計 画 は 、 B ・ T ・ X 等 の 価 格 引 下 げ 、 供 給 量 増 大 を は か る た め に 、 新 た に 石 油 化 学 工 業 を 供 給 源 と す る こ と が 取 上 げ ら れ だ 。 そ の 結 果 、 三 三 年 よ り 石 油 化 学 に お け る ナ フ サ 改 質 法 に よ る B ・ T ・ X の 製 造 が 始 ま り 、 ま た ナ フ サ 分 解 副 生 油 か ら の B . T . X 抽 出 も 行 わ れ る よ う に な り 、 か く の 如 き 石 油 化 学 工 業 に よ る 芳 香 族 製 造 の 開 始 は 、 長 い 間 石 炭 乾 溜 工 業 を 唯 一 の 供 給 源 と し て き た 芳 香 族 供 給 態 勢 に 革 命 的 な 変 革 を も た ら し た と い う べ き で あ る 。 石 油 化 学 工 業 に よ る B ・ T ・ X 製 造 に お い て は 、 ト ル オ ー ,ル ・ キ シ .ロ ー ル を 多 量 に 産 出 す る の に 対 し て 、 ベ ン ゾ ー ル 産 出 量 が 少 な い と い う 欠 点 が あ っ た 。 そ れ は 当 初 は ナ フ サ 改 質 法 の み に よ っ た か ら で あ る が 、 第 二 期 計 画 ま り は 製 法 は ナ フ ナ 熱 分 解 に よ っ て 副 生 す る 分 解 油 を 原 料 と し て 製 造 す る 方 法 が 多 く な っ た が 、 こ の 製 法 に よ る と 前 者 よ り は 比 較 的 多 量 の べ ・ で ル が 得 ら れ る 利 点 が あ 郁 べ ・ で ル 生 産 は 三 五 年 に は 石 炭 系 六 九 % 石 油 系 一三 % の 紫 で あ っ た が ・笙 表 ・ 9
' ・石 油 系 別 ベ ン ゾール 生 産 能 力(単 位:t/y) 石炭 第1表 43年 ユ20,000 '38 ,000 40,000 36,000 5,700 15,600 51,000 6,600 36,000 60,000 408,900 100,000 103,500 26,000 49,000 58,200 60,000 8,400 35,800 83,000 3,600 143,000 670,500 1,079,400 42年 60,000 38,000 36,000 5,700 15,600 30,000 5,400 36,000 60,000 12,900 299,600 100,000 24,300 26,000 58,200 60,000 8,400 37,000 3,600 56,000 373,500 673,100 41年 60,000 30,600 36,000 5,700 15,600 30,000 5,400 36,000 60,000 17,500 3,800 300,600 100,000 24,300 58,200 60,000 7,200 37,000 3,600 56,000 346,300 671,200 40年 35,400 25,900 35,400 5,400 15,600 30,000 '5,400 30,000 32,400 19,200 3,800 238,500 工 場 社 会 島 葉 島 浜 開 蘭 畑 田 崎 畑 崎 山 牟 歌 酉 千 水 横 港 室 広 大 黒 戸 川 和 斯 学 斯 斯 鉄 ス 成 学 挙 挙 計 化 ク ン 化 瓦 瓦 製 ヒ ヒ . 瓦 化 イ イ イ " " 一 フ 山 阪 鉄 京 邦 土 抽 菱 幡 ㌣ 小 大 川 東 東 富 三 三 八 日 和 石 炭 系 24,300 56,000 39,500 7,200 34,000 2,000 56,000 219,000 457,500 浜 山 浜 浦 浜 国 、山 井 島 崎 市 居 ケ 日 積 徳 新 柏 塩 岩 松 五 水 川 四 油 学 学 学 挙 挙 油 学 油 化 計
猛
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油
石 友 千 石 石 善 石 菱 菱 ジ 光 友 本 井 善 小 ア 出 住 往 日 三 丸 丸 三 三 石 油 累 計 合 総 日本 の 石 油 化 学工 業 1966∼1969各 年 版 よ り作 成 一S・w・ ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 第 二 表 に 示 す よ う に 、 四 一 年 に は 石 炭 系 を 凌 駕 し て 石 油 系 は 五 四 % と な り 、 漸 次 そ の 比 重 む 増 大 し て 行 く 傾 向 が 明 示 さ れ て い る 。 し か し 、 タ ー ル 工 業 に あ っ て も 新 技 術 に よ る 生 産 の 発 展 は 著 し く 、 都 市 ガ ス 工 業 で は 一 部 で ガ ス 源 を 石 炭 か ら 石 油 へ と 原 料 転 換 が 行 わ れ た の で 、 石 炭 系 タ ー ル 製 品 生 産 は 伸 び 悩 ん だ が 、 石 油 ガ ス か ら の タ ー ル 製 造 が 新 し く 加 わ っ て 、 い わ ゆ る 石 炭 系 の タ ー ル 製 品 の 生 産 は 大 幅 の 伸 長 を 見 せ た 。 か く の 如 く 、 従 来 の B ・ T ・ X の 唯 一 の 供 給 源 で あ っ た タ ー ル 工 業 も 順 調 に 生 産 を 拡 大 し つ つ 、 他 方 石 油 化 学 工 業 に お け る 生 産 の 一 大 飛 躍 に よ っ て 、 芳 香 族 B ・ T ・ X 及 び そ の 誘 導 品 の 生 産 は 英 独 を 凌 ぐ ま で に 躍 九 、' ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 石 炭 ・石 油 系 別B.T.X.の 生 産能 力 と構 成比(生 産能力の単位t/y) 第2表 43年 100 37.9 62.1 100 15.6 84.4 100 5.8 94.2 42年 100 44.6 55.4 100 20.5 79.5 41年 100 46.4 53.6 100 23,4 76.6 100 10.8 89,2 100 12.2 87.8 40年 100 52.3 47.7 100 22.3 77.7 100 13.乞 86.8 42年 43年 ベ ン ゾ ール 石 炭 系 石 油 系 ト リオ ー ル 石 炭 系 石 油 系 キ シ ロー ル 石 炭 系 石 油 系 673,100 299,600
373.500
1,079,400 408,900 670,500 306,700 62,700 244,000; 497,300 77,400 419,900 *479 *27:900,900 *452,000「 185,700 20,000 165,700 40年 41年457,5001646,900
238,5001300,600
219,000,346,300
249,2001281,500 55,700 66,000 193,500 215,500 145,8001171,500 19,200 20,800 126,600 150,700 ベ ン ゾール 石 炭 系 石 油 系 ト リオ ール 石 炭 系 石 油 系 キ シ ロー ル 石 炭 系 石 油 系 * 混 合 キ シ ロ ール の 数 値 で あ る 。 日本 の石 油 化 学 工 業 1966周1969各 年 版 よ り作 成 一S.W. 一 〇 進 し 、 当 初 懸 念 さ れ た 石 油 化 学 工 業 と の 競 合 関 係 が 、 も し タ ー ル 工 業 と の 間 に 存 在 す る と せ ば 、 そ れ は 芳 香 族 供 給 源 と し て の タ ー ル 工 業 の 独 占 が 破 ら れ た こ と で あ ろ う 。 醗 酵 工 業 と 石 油 化 学 工 業 と の 競 合 関 係 -醗 酵 法 の 潰 滅 く え ん さ ん 醗 酵 工 業 に は ア ル コ ー ル 、 ブ タ ノ ー ル 、 ア セ ト ン 、 枸 櫞 酸 、 ヴ ィ タ ミ ン 、 抗 生 物 質 等 々 の 多 種 類 の 醗 酵 工 業 が あ る が 、 こ こ で 醗 酵 工 業 と い う の は 石 油 化 学 工 業 と 競 合 す る 性 質 を も ち 、 そ れ 故 に ま っ さ き に 石 油 化 学 工 業 の 激 し い 攻 撃 を 受 け た ア セ ト ン 、 ブ タ ノ ー ル の 醗 酵 工 業 を 指 し て い う 。 両 製 品 は 塗 料 の 溶 剤 と し て 、 ま 売 戦 後 異 常 な 発 展 を 遂 げ た 軟 質 塩 化 ビ ニ ル 樹 脂 の 可 塑 剤 、 ア セ テ ー ト 繊 維 原 料 と し て 不 可 欠 の も の で あ る が 、 在 来 、 ア セ ト ン , ブ タ ノ ー ル は 、 戦 前 わ が 国 有 機 合 成 化 学 の 先 駆 を な し た 醗 酵 工 業 か ら 供 給 さ れ て い た 。 そ の 製 法 は 輸 入 糖 蜜 や 甘 藷 を 原 料 と し て 、 特 殊 な 醗 酵 菌 を 加 え て 製 造 さ れ た 。 醗 酵 法 と 並 行 し て 、 こ れ よ り 遅 れ て カ ー バ イ ド H ア セ チ レ ン 原 料 よ り 中 間 体 ア セ ト ア ル デ ヒ ド を 経 て 、 ア セ ト ン 、 ブ タ ノ ー ル を 製 造 す る 合 成 法 が 企 業 化 さ れ 、 両 法 は 並 存 し て い た 。 し か る に 合 成 法 の 中 間 体 ア セ ト ア ル デ ヒ ド を エ チ レ ン か ら 直 接 酸 化 に よ っ て 製 造 す る 、 い わ ゆ る 石 油 化 学 方 式 の 技 術 導 入 が 行 わ れ 企 業 化 さ れ る と 、 製 造 コ ス ト の 上 で 合 成 法 は 太 刀 打 ち で き ず 大 き な 打 撃 を 蒙 る に 至 る こ と は 勿 論 で あ る が 、 エ チ レ ン 法 ア セ ト ア ル デ ヒ ド 企 業 化 の 影 響 は カ ー バ イ ド 工 業 に﹁ 、 対 す る よ り も ひ と 足 さ き に 、 か つ 激 甚 な 打 撃 を 醗 酵 法 に 与 え た 。 わ が 国 に お い て 醗 酵 法 を 実 施 し て き た の は 二 大 合 成 ア ル コ ー ル メ ー カ ー で あ る 協 和 醗 酵 と 三 楽 オ ー シ ャ ン な ら び に 鐘 淵 化 学 の 三 社 で あ る が 、 こ れ ら の 製 品 が 石 油 化 学 工 業 に よ る 生 産 が 始 ま る と 、 三 社 は い ち 早 く 石 油 化 学 工 業 に 転 身 す る こ と に よ り 、 醗 酵 工 業 は 昭 和 四 〇 年 に は 完 全 に そ の あ と を 断 つ に 至 っ た 。 醗 酵 工 業 の 石 油 化 学 工 業 へ の 転 換 の 過 程 は 次 の 如 く で あ る 。 協 利 醗 酵 は 石 油 化 学 へ の 原 料 転 換 を め ざ し て 、 大 協 石 油 と 合 弁 で ︿ 大 協 和 石 油 化 学 ﹀ を 四 日 市 に 設 立 し 、 三 八 年 よ り 本 格 的 稼 動 に 入 っ た 。 こ れ は 大 協 石 油 よ り 原 料 ナ フ サ の 供 給 を う け て エ チ レ ン 法 ア セ ト ア ル デ ヒ ド を 経 由 し て N ブ タ ノ ー ル ニ 、 五 〇 〇 〇 ' / ツ を 、 三 九 年 よ り は プ ロ ピ レ ン よ り ア セ ト ン 二 七 、 ○ ○ ○ ' / ツ を 生 産 開 始 し た 。 そ の 後 ︿ 協 和 油 化 ﹀ (資 本 金 一 〇 億 円 、 協 和 醗 酵 六 〇 % 、 大 協 石 油 四 〇 % の 出 資 ) を 創 立 し 、 大 協 和 石 油 化 学 の 誘 導 品 部 門 だ け を 分 離 し て 担 当 さ せ る よ う に な り 、 四 三 年 度 の 現 有 能 力 は ブ タ ノ ー ル 二 五 、 ○ ○ ○ む ' / ッ 、 ア セ ト ン 三 五 、 ○ ○ ○ ∼ / ツ で あ る 。 三 楽 オ ー シ ャ ン は 石 油 化 学 へ の 原 料 転 換 の た め に 、 三 七 年 に 日 本 瓦 斯 化 学 ・ 昭 和 電 工 の 三 社 合 弁 で ︿ 徳 山 石 油 化 学 ﹀ を 設 立 、 全 社 は 出 光 興 産 よ り 原 料 エ チ レ ン の 供 給 を う け て ア セ ト ア ル デ ヒ ド を 経 由 し て ブ タ ノ ー ル 一 も二 、 ○ 0 0 ︾ / ツ を 生 あ む 産 す る 計 画 で 出 発 し た が 、 企 業 化 は 大 幅 に 遅 延 し 出 資 会 社 の 追 加 参 加 も あ っ て 、 本 格 的 操 業 に 入 っ た の は 四 〇 年 で あ る 。 鐘 淵 化 学 は 三 菱 油 化 を 中 心 に 日 本 合 成 化 学 ・・ 大 協 和 石 油 化 学 と と も に 資 本 参 加 し て く 日 本 ブ タ ノ ー ル V を 創 立 し て 醗 酵 法 よ り 転 身 す る こ と に な っ た 。 ︿ 日 本 ブ タ ノ ー ル ﹀ は 三 菱 油 化 が 技 術 導 入 を 行 な っ た B A S F 社 の レ ッ ペ 法 に よ っ て 生 産 を 行 な う も の で 、 レ ッ ペ 法 は プ ロ ピ レ ン と 一 酸 化 炭 素 を 水 蒸 気 の も と で 一 段 で ブ タ ノ ー ル に 合 成 す る 新 技 術 で 、 ω 従 来 の ワ ッ カ ー 法 が 勿 当 り 一 三 〇 円 前 後 で あ る る の に 対 し て 九 〇 円 前 後 と い わ れ 、 コ ス ト の 大 幅 低 減 が で き る 。 ② 原 料 は 安 価 な プ ロ ピ レ ン に 求 め 、 か つ 収 率 は 八 五 % 以 上 、 ⑧ 装 置 材 料 と し て 特 殊 材 質 を 要 し な い 、 な ど の 利 点 を も っ て い る 。 大 協 和 石 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 二
、 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 、 一 二 油 化 学 は 既 に エ チ レ ン を 原 料 と す る ヘ キ ス ト ・ ワ ッ カ 書 法 に よ っ て 、 ブ タ ノ ー ル の 生 産 を 開 始 し た 後 に 、 全 社 が レ ッ ペ 法 に よ る 日 本 ブ タ ノ ー ル ㈱ 設 立 に 参 加 し た こ と か ら 見 て も 、 レ ッ ペ 法 の 威 力 が う か が わ れ る ば か り か 、 技 術 革 新 の 激 し い 石 油 化 学 工 業 に と っ て 、 ひ と き わ 目 立 つ 存 在 と な っ た 。 日 本 ブ タ ノ ー ル 社 は プ ロ ピ レ ン を 三 菱 油 化 よ り 、 一 酸 化 炭 素 を 東 海 ﹂ 瓦 斯 化 成 よ り 購 入 、 年 産 一 五 、 ○ ○ ○ ト ン の 規 模 で 四 〇 年 よ り 本 格 的 操 業 に 入 っ た が 、 レ ッ ペ 法 と い う 有 力 な 武 器 を も っ て 先 き 行 き わ が 国 ブ タ ノ ー ル 界 を リ ー ド す る こ と は 決 定 的 と 見 ら れ 、 寡 占 よ り 独 占 へ の 移 行 の 日 も そ う 遠 く な い で あ ろ う 、 、- (19 ) と さ え 云 わ れ て い る 。 わ が 国 に お け る 醗 酵 法 に よ る ア セ ト ン 製 造 は 次 の 経 過 を 辿 っ て 石 海 化 学 方 式 に と っ て 換 わ ら れ た 。 三 二 年 に 日 本 石 油 化 学 が 横 浜 製 油 所 の P I P 溜 分 の 有 効 利 用 の 一 環 と し て 、 企 業 化 さ れ た I P A ( イ ソ プ ロ ピ ル ア ル コ ー ル ) は 全 社 の 最 初 の 石 油 化 学 製 品 と し て 歴 史 的 な も の で あ る が 、 I P A 脱 水 素 法 に よ っ て ア セ ト ン 製 造 が 開 始 さ れ た の が 石 油 化 学 方 式 へ の 転 換 の 第 一 歩 と な り 、 次 い で 三 三 年 か ら 三 井 石 油 化 学 が ナ イ ロ ン 原 料 及 び フ ェ ノ ー ル 樹 脂 原 料 の フ ェ ノ ー ル 生 産 を 主 目 的 に 、 ゾ ロ ピ レ ン と ベ ソ ゼ ソ か ら 得 ら れ る ク メ ン を 分 解 し て ア セ ト ン と フ ェ ノ ー ル を 六 対 一 〇 の 割 合 で 併 産 す る ク メ ソ 法 を 採 用 し て 生 産 を 始 め た 。 更 に 三 九 年 か ら 大 協 和 石 油 化 学 、 化 成 水 島 が プ ロ ピ レ ン の 直 接 酸 化 に よ る ヘ キ ス ト ・ ワ ッ カ i 法 で 生 産 す る に 至 弘 隷 ㎝ ) し か る に 在 来 の 醗 酵 法 ア セ ト ン 製 造 に は ブ タ ノ ー ル を 併 産 す る 。 そ れ 故 、 醗 酵 法 ブ タ ノ ー ル 原 料 の 輸 入 糖 蜜 の 問 題 は そ の ま ま 醗 酵 法 ブ タ ノ ー ル に も 当 て 嵌 ま り 、 か つ ブ タ ノ ー ル 製 法 に は レ ッ ペ 法 の 登 場 よ り 石 油 化 学 方 式 へ の 完 全 転 換 を 完 了 し た こ と は 既 述 の 通 り で あ る 。 故 に ア セ ト ン の み の 醗 酵 法 が 残 存 す る 筈 も な い 。 ま た ア セ ト ン 製 法 の 石 油 化 学 方 式 に 前 述 の 三 つ が あ る う ち 、 ワ ッ カ ー 法 に 太 刀 打 ち で き る も の は な い 。 よ っ て 三 九 年 ワ ッ カ ー 法 に よ る 生 産 開 始 と と も に 、 ア セ ト ン は 石 油 化 学 方 式 に 完 全 に 原 料 転 換 を 完 了 し た 。 そ れ 故 、 わ が 国 の 在 来 の 原 料 供 給 産 業 の う ち で 、 石 油 化 学 工 業 の 最 も 激 甚 な 攻 撃 に よ り 完 全 に 潰 滅 し て し ま っ た の が 醗 酵 工 業 で あ る と い え る 。
つ . . 一 カ ー バ イ ド 工 業 と 石 油 化 学 工 業 と の 競 合 関 係 -カ ー バ イ ド 資 本 の 石 油 化 学 コ ン ビ ナ ー ト へ の 進 出 第 三 の 原 料 供 給 産 業 は カ ー バ イ ド 工 業 で あ る 。 戦 後 め ざ ま し い 発 展 を 遂 げ た 合 成 樹 脂 ・ 合 成 繊 維 工 業 に 対 し て 、 既 述 の タ ー ル 工 業 を 供 給 源 と せ る 芳 香 族 炭 化 水 素 原 料 と は 、 系 統 を 異 に し た 脂 肪 族 炭 化 水 素 原 料 を 供 給 し た の が カ ー バ イ ド 工 業 な い し は カ ー バ イ ド ,H ア セ チ レ ン 系 有 機 合 成 化 学 工 業 で あ っ た 。 し か る に 、 出 発 原 料 と な る カ ー バ イ ド は 元 来 単 価 の 低 廉 な 余 剰 電 力 利 用 を も つ て 製 造 さ れ た も の で あ る の に 、 戦 後 の 電 力 再 編 成 、 電 力 料 金 構 造 の 変 化 、 設 備 投 資 の 増 大 に も と つ く 電 力 単 価 の 高 騰 が 、 カ ー バ イ ド 原 価 を 引 き 下 げ る 余 地 を 許 さ ぬ 状 態 と な り 、 こ こ に カ ー バ イ ド H ア セ チ レ ン を 出 発 原 料 と す る 合 成 樹 脂 ・ 合 成 繊 維 工 業 は 続 々 と 石 油 化 学 工 業 に 原 料 を 求 め て 、 .原 料 転 換 と プ . ロ セ ス 転 換 を 押 し 進 め る こ と に な つ (19 ) た 。 そ の 状 況 は 既 に 拙 稿 に 詳 論 し た の 、で 本 稿 で は 省 略 す る こ ど に し 、 本 稿 後 章 で は ヵ ー バ イ ド ーー ア セ チ レ ン を 出 発 原 料 と し て い る ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 石 油 化 学 化 、 す な わ ち 石 油 化 学 系 原 料 へ の 転 換 と プ ﹁ロ セ ス 転 換 に つ ぎ 論 述 す る 。 、 ( 1 ) 現 代 日 本 産 業 講 座 W 化 学 工 業 、 昭 和 三 四 年 、 三 一 = 頁 心 ( 2 ) 天 谷 直 弘 、 新 時 代 を 迎 え る 石 油 化 学 工 業 -晶 チ レ ソ 三 〇 万 ト ソ 基 準 を 中 心 と し て 、 通 産 ジ ャ ー ナ ル 、 一 巻 五 号 、 昭 和 四 三 年 四 月 一 五 日 、 七 ! 二 一 頁 。 (3 ) 重 化 学 工 業 通 信 社 、 日 本 の 石 油 化 学 工 業 、 一 九 六 二 年 版 -一 九 六 九 年 版 。 (4 ) 現 代 日 本 産 業 講 座 、 前 掲 、 二 四 九 -二 五 一 頁 。 . 、 (5 ) 大 原 総 一 郎 、 化 学 繊 維 工 業 論 、 昭 和 三 六 年 、 四 〇 〇 1 四 〇 二 頁 。 (6 ) 林 雄 二 郎 ﹁ 日 本 の 化 学 工 業 (岩 波 新 書 ) 、 昭 和 三 六 年 、 一 三 六 一 = 二 八 頁 。 ( 7 ) 中 村 忠 一 、 日 本 の 化 学 ゴ ソ ピ ナ ー ト 、 昭 和 三 七 年 、 二 〇 三 -二 〇 四 頁 。 (8 ) 現 代 日 本 産 業 講 座 、 前 掲 、 三 三 六 頁 。 (9 ) カ ー バ イ ド 工 業 会 、 カ ー バ イ ド 産 業 の 研 究 、 昭 和 三 一 年 、 一 五 四 -一 五 五 頁 。 ( 10 ) 渡 辺 徳 二 、 石 油 化 学 工 業 (岩 波 新 書 ) 、 昭 和 四 一 年 、 一 九 〇 頁 。 ( 11 ) 日 本 の 石 油 化 学 工 業 、 一 九 六 三 年 版 、 一 〇 六 頁 。 ( 12 ) 前 掲 書 、 一 九 六 九 年 版 、 一 二 八 頁 。 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 一 三
し ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 ( 13 ) 前 掲 書 、 一 九 六 三 年 版 、 一 六 三 頁 。 ( 14 ) . 前 掲 書 、 一 九 六 六 年 版 、 一 九 四 頁 。 ( 15 ) 前 掲 書 、 一 九 六 五 年 版 、 二 七 七 頁 。 ( 16 ) 前 掲 書 、 一 九 六 六 年 版 、 二 二 六 -二 二 七 頁 。 ( 17 ) 前 掲 書 、 一 九 六 五 年 版 、 二 七 一 一 二 七 二 頁 。 ( 18 ) 前 掲 書 、 一 九 六 六 年 版 、 三 一 八 一 三 一 九 頁 。 ( 19 ) 拙 稿 、 岐 路 に 立 つ わ が 国 カ ー バ イ ド 工 業 に つ い て 、 彦 根 論 叢 一 二 二 二 二 三 合 併 号 、 昭 和 四 二 年 三 月 。 一 四 ニ ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 の 中 間 原 料 " 酢 酸 ビ ニ ル の 原 料 転 換 と プ ロ セ ス 転 換 昭 和 三 〇 年 に 通 産 省 省 議 決 定 を み た 石 油 化 学 工 業 育 成 対 策 を 端 緒 と し て 、 三 二 年 か ら 石 油 化 学 工 業 企 業 化 の 第 一 期 計 画 が 開 始 さ れ た 止 き に は 、 既 存 化 学 工 業 の 製 品 分 野 に 対 し て 急 激 な 影 響 を 与 え な い よ う 配 慮 が 加 え ら れ た が 、 第 二 期 計 画 に 入 る と 、 か ね て か ら 問 題 に さ れ て い た カ ー バ イ ド ーー ア セ チ レ ン を 出 産 原 料 と せ る 諸 誘 導 品 が エ チ レ ン ・ プ ロ ピ レ ン へ 原 料 転 換 、 プ ロ セ ス 転 換 を 開 始 し て 、 そ の 企 業 化 が 進 行 す る こ と に な っ た 。 転 換 の 過 程 は ま ず ア ク リ ロ ニ ト リ ル ( ア ク リ ル 系 A ﹃ 繊 原 料 ) に 始 ま り 、 ア セ ト ア ル デ ヒ ド ・ 塩 化 ビ ニ ル と 続 き 、 四 一 年 に な る と 、 ア セ チ レ ン 原 料 か ら 生 産 さ れ る 誘 導 品 は 酢 酸 ビ ニ ル 、 ク 口 口 プ レ ン 、 ト リ ク レ ン の み と な っ た 。 い わ ば ア セ チ レ ン 法 の 孤 塁 と い う べ き で あ っ た 。 し か 6 に 四 二 年 に 酢 酸 ビ ニ ル の エ チ レ ン 方 式 へ の 転 換 が 現 実 化 す る こ と に な っ て 、 ア セ チ レ ン 法 の 孤 塁 の 一 角 が 崩 れ 始 め た 。 エ チ レ ン 法 酢 酸 ビ ニ ル (以 下 酢 ビ と 記 す ) の 技 術 は 欧 米 の 著 名 化 学 会 社 で は 既 に 確 立 さ れ て い て 、 ア セ チ レ ン 法 に よ る 生 産 費 と の 比 較 で は 、 エ チ レ ン 法 で 約 二 〇 % 低 廉 で あ る こ と は 明 確 な 事 実 と な っ て い る こ と は 次 に 詳 述 す る が 、 そ れ に 加 え て ナ フ サ セ ン タ ー が エ チ レ ン 年 産 三 〇 万 ト ソ を 基 準 と す る ま で に 大 規 模 化 し て 、 規 模 の 経 済 性 を 発 揮 す る に 至 っ て 、 エ チ レ ン 価 格 の 大 幅 低 下 の 見 通 し が 確 実 と な っ て い る の に 反 し て 、 ア セ チ レ ン 法 の カ ー バ イ ド の コ ス ト ダ ウ ン は 前 述 の 理 由 に
, ・ 第1図'ア セチ レン法 酢 酸 ビニ ル製 造 工 程 ∼ 製 ル ニ ビ 酸 精 酢 蒸溜 酢 酸 ビニ ワレ (粗 製) 触 媒 (酢酸亜鉛) 160∼300℃ ア セ チ レ ン 酢酸(蒸 気) カ ー バ イ ド産 業 の 研 究 P.80よ り 第3表 酢 酸 ビモ ル モ ノ マー の原 価 試 算 例 12,000か 年 600百 万 円 生 産 数 量 費 設 建 構成比 27.6 45.7 3.2 0.6 7.3 1.5 0.6 1。1 87,6 1.1 5.8 1.7 1.5 2.3 11.3 100.0 金 額 (円) 23,800 39,368 2,770 513 6,300 1,300 557 936 75,544 970 5.000 1,500 1,250 1,940 9,690 86.204 単 価 (円) 70.00 56.00 3.80 1000.00 5.00 6.00 10.00 1,800 単 位 原 原 価 項 目 340珍 703晦 135㎜ 6.3' 260〃 ノ 93〃ガ 93.6K:ca1 0.54 9年 定 額 建 設 費 の3%/年 建 設 費 の2,5%/年 労 務 費 の200% ン 酸 媒 力 気 水 素 凍 計 費 費 費 料 費 計 価
弛
、
鱒
欝
鰍
経
原
セ の 務 価 税 他 ア 酢 そ 電 蒸 用 窒 冷 小 減 修 諸 共 小 造 原 材 料 費労 経 費 製 カ ーバ イ ド ・ア セ チ レ ン産 業 と石 油 化 学 工 業,P・248よ り作成 一S・w・ , ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 よ っ て 悲 観 的 で あ る と す れ ば 、 長 期 的 見 通 し に お い て 、 ア セ チ レ ン 洗 酢 ビ は エ チ レ ン 法 に 代 替 さ れ る 傾 向 は 否 定 さ る べ く も な い で あ ろ う o 、 酢 酸 ビ ニ ル 製 造 に お け る ア セ チ レ ン 法 と エ チ レ ン 法 の コ ス ト 比 較 ω ア セ チ レ ン 法 に よ る 酢 ビ 製 造 法 と 原 価 計 算 わ が 国 で は 従 来 は 専 ら ア セ チ レ ン と 酢 酸 と を 触 媒 の 存 在 の 下 に 直 接 気 相 反 応 に よ・ っ て 得 与 れ る 方 法 が と ら れ た σ 触 媒 は 活 性 炭 を 担 体 と し て こ れ に 酢 酸 亜 鉛 を 平 衡 的 に 吸 着 さ せ た も の で あ る 。 反 応 温 度 は 触 媒 の 新 七 い 問 は 一 六 〇 1 一 七 〇 ℃ 、 活 性 低 下 に つ れ て 徐 々 に 昇 温 し 、 二 四 〇 ℃ に 到 っ て 反 応 を 停 止 し て 触 媒 を 取 り 換 え る と 一 五 {
、 第2図 エチ レン法 酢 酸 ビニ ル製 造 工程 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 (1 ) へ) エ チ レ ン ア ル デ ヒ ド 酸 素 酢 酸 触 媒 反 応 器
至
精 溜 塔 第 二 精 溜 塔孟
ご
酢酸ビ子ル
ド 塔 添 加 剤 O 重 質 分 (ボイラーブイー ド 河 村一 雄:酢 ビの原料 転換,に よる。 、 一 六 い う も の で 、 図 示 す れ ば 第 一 図 の 如 く で あ る 。 こ の 製 法 の 設 備 費 は 安 く 、 ユ ー テ ィ リ テ ィ 費 も 少 な く て 済 む 利 点 が あ る こ と は 、 第 三 表 原 価 計 算 例 に 示 さ れ る 。 す な わ ち 、 主 原 料 ア セ チ レ ン と 酢 酸 の 費 用 合 計 は 七 三 % を 越 え る 反 面 、 固 定 費 の 比 率 が 低 い の で 、 操 業 率 の 変 動 に よ る 影 響 、 設 備 規 模 に よ る コ ス ト 差 は 大 き く な い と 考 え ら れ る 。 原 価 構 成 比 で 大 き な ウ エ イ ト を 占 め る 主 原 料 の ア セ チ レ ン も 酢 酸 も そ の 出 発 原 料 は カ ー バ イ ド で あ る が 、 前 述 の 通 り そ の 価 格 低 下 が 至 難 で あ る 。 ㈲ エ チ レ ン 法 に よ る 酢 ビ 製 造 法 と 原 価 計 算 エ チ レ ン と 酢 酸 か ら 酢 ビ を 合 成 す る 原 理 は 一 九 六 〇 年 に ソ 連 の モ イ セ ー エ フ 等 に よ っ て 発 見 さ れ 、 ソ 連 科 学 ア カ デ ミ ー 彙 報 に 発 表 さ れ た が 、 酢 ビ 製 法 の 石 油 化 学 方 式 の 確 立 が 要 請 さ れ て い た 時 期 で あ る の で 、 世 界 の 著 名 化 等 会 ! 社 は 競 っ て そ の 工 業 化 に 傾 注 し た 。 そ の 結 果 、 各 社 の 技 術 が 確 立 さ れ た な か で 、 I C I ( 英 ) お よ び 日 本 合 成 化 学 ( 株 ) で は 、 い ず れ も 加 圧 下 で 液 相 に お い て 塩 化 パ ラ ジ ウ ム を 触 媒 と し 酢 酸 と エ チ レ ン と 酸 素 を 原 料 と し て 、 一 段 で 酢 ビ に 製 造 す る も の で あ る 。 ( 第 二 図 参 照 ) エ チ レ ン 法 酢 ビ の 製 造 コ ス ト に つ い て 公 表 さ れ た も の が な い の で 、 河 村 一 雄 氏 は 両 法 の コ ス ト 差 を 第 四 表 の よ う に 推 定 し た 。 こ の 概 算 に よ っ て エ チ レ ン 法 に よ る と 、 工 場 原 価 は 約 一 〇 、 ○ ○ ○ 円 下 が る 。 な お 、 エ チ レ ﹂ン 法 の 設第4表 酢 酸 ビ ニル 製造 コス トに おけ る エチ レ ン法 と ア セチ レ ン法 の比 較 原 価 要 素 コス ト差 (1)ア セ チ レ ン とエ レチ ソ の 原料 の差 ア セチ.レソ法 330晦/'×75円/壇 ≒25,000円/' エ チ レ シ 法 5与0晦/∫x40円/壇 ≒22000円/∫ 差 (2)酢 酸 '(3)酸 素 (4)副 産 物 控 除 (5)労 務 費 引 ・ 3,000円/' エ チ レ ン 法 は 若 干 原 単 位 大 … … … …:∵△2,000円/' エ チ レ ン 法 の み 必 要・』 250〃〃'×8円/〃 ず … ・… … … … ・… … … ・△2,000円/' エ チ レ ン 法 で 生 成 す る ア セ ト ア ル デ ヒ ド 250}曽/∫ ×40円/㎏ ㌣・… ・… ・・… … ・… ・・一10,000円/' エ チ レ ン 法 は 運 転 人 員 が 少 く て よ い … …1,000円/' 計 10,000円/' 河 村 一 雄;酢 ビの 原 料 転 換,に よ る 。 の 合 弁 、 水 島 ) は い ず れ も バ イ エ ル の 技 術 導 入 認 可 を 得 て 建 設 に か か り 、 四 三 年 か ら 四 五 年 に か け て 稼 動 に 入 っ た 。 し か し 、 エ チ レ ン 法 酢 ビ が 稼 動 す る や 、 同 時 に ア セ チ レ ン 法 を ス ク ラ ッ プ 化 し て 全 面 的 に 原 科 転 換 を 行 わ ん と す る 計 画 で は な い 。 と い う の は 酢 ビ 需 要 の 主 柱 と も い う べ き ポ バ ー ル ( ビ ニ ・ ン 合 繊 原 料 ) は 日 本 の 独 占 的 商 品 で 、 国 際 競 争 力 に お い て は 在 来 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 ﹂ 一 七 備 建 設 費 は 一 〇 1 = 一億 円 程 度 で あ り 、 ア セ チ レ ン 法 の 場 合 と 大 差 な く 従 っ て 償 却 費 の 差 も 大 し た こ と は な い 。 ま た 二 五 〇 忽 程 度 の ア セ ト ア ル ・ デ ヒ ド 副 生 量 に お さ え ら れ る と す れ ば 、 電 力 ・ 蒸 気 等 の ユ ー テ ィ リ テ ィ 費 も 大 差 は な い も の の よ う で あ 菟 と い う ・ 製 造 コ ス ト に 一 万 円 の 羨 あ み と 推 測 さ れ る 以 上 は 、 エ チ レ ン 法 が 今 後 の 酢 ビ 製 造 に 占 め る 地 位 は 急 速 に 大 き く な っ て 行 く と い う 見 通 し は 直 ち に 現 実 化 し た 。 そ れ は 昭 和 四 二 年 に 酢 ビ メ ー カ ー に よ る ︿ エ チ レ ン 法 酢 ビ の 企 業 化 ラ .ッ シ ュ ﹀ と な っ て 現 わ れ た 。・ 昭 和 電 工 は 徳 山 石 油 化 学 ( 昭 電 七 億 、 出 光 興 産 六 徳 、 日 本 瓦 斯 化 学 六 徳 、 三 楽 オ レ シ ャ ン 、 東 洋 曹 達 、 徳 山 曹 達 各 一 億 円 の 共 9 同 出 資 ) に お い て 、 I C I の 技 術 に よ る 年 産 三 万 屯 の 設 備 を 建 設 し て 、 四 一、 一年 末 よ り 生 産 開 始 し た 0 を 最 先 発 と し 、 次 い で 従 来 か ら 酢 ビ ← ポ バ ー ル ← ビ ニ ロ ン ま で 、 需 要 系 統 の 確 立 し て い る 既 存 ア セ チ レ ン 法 酢 ビ メ ー カ ー 、 す な わ ち ω 電 気 化 学. ( デ ン カ 石 油 化 学 、 千 葉 ). は ナ シ ョ ナ ル ・ デ ィ ス テ ィ ラ ー ズ の 技 術 を も っ て 、 ② 倉 レ 岡 山 隅 ㈲ 信 越 化 学 ( ニ ヂ ボ ー と 合 ド , 弁 で 新 会 社 設 立 、 堺 × ω 水 島 合 成 化 学 ( 日 本 合 成 化 学 六 〇 % 、 三 菱 化 成 四 〇 % (4 )
、 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 酢 酸 ビ ニル製 造 設 備:現 有能 力 と増 設計 画(単 位:t/y) 第5表 術 技 完成年 次 新増設計画 現有能 力 工 場 社 会 59,400 79,200 46,800 60,000 84,000 18,000 山 条 垣 本 海 津 江 宮 中 大 熊 青 直 レ 倉 日 本 合 成 " 電 気 化 学 信 越 化 学 ア セ チ レ ン 法 Bayer Bayer ND. Bayer 1.C.1. Bayer 45年 44年6月 45年4月 45年4月 42年 末 47年? 33,000 50,000 45,000 50,000 30,000 枷 一 = 調 一 凪 . 謝 山 島 葉 北 山 葉 岡 水 千 泉 徳 千 レ 成 学 ビ 学 学 ヒ 合 化 酢 測 化 島 気 越 石 友 山 倉 水 電 信 徳 佐 エ チ レ ン 法
N.D.はNational Distillers;1.C.LはImperial Chemical Industriesの 略 。
日 本 の 石 油 化 学 工 業'69年 版,p.385に よ る 。 - 一 八 .辱-の ア セ チ レ ン 法 で も 十 分 に 力 を 備 え て い る と い わ れ る が 、 ビ ニ ロ ン 合 繊 の 成 長 に 伴 う 酢 ビ 需 要 増 に よ り 、 酢 ビ メ ー カ ー は 製 造 設 備 の 増 設 の 必 要 ・ に 迫 ら れ て い た 。 時 を 同 じ う し て 、 ナ フ サ セ ン タ ー が エ チ レ ン 三 〇 万 ト ソ 基 準 の 大 規 模 化 の 実 現 を 目 前 に 控 え て 、 新 し い エ チ レ ン の 完 全 消 化 の た め に エ チ レ ン 誘 導 品 を い か に 揃 え る か が 焦 眉 の 課 題 と な っ て い た 。 そ れ 故 、 ナ フ サ セ ン タ ー 側 と 酢 ビ メ ー カ : 、 延 い て は 石 油 化 学 工 業 へ の 進 出 の 宿 望 を も つ ビ ニ ロ ン 合 繊 側 と の 要 求 が 、 奇 し く も 一 致 し て 前 述 の . (5 ) ︿ エ チ レ ン 法 酢 ビ 企 業 化 ラ ッ シ ュ ﹀ の 事 態 を 現 出 し た と 見 る べ き で あ る 。 従 っ て 在 来 の ア セ チ レ ン 法 と エ チ レ ン 法 と は 、 今 後 し ば ら く は 並 存 状 態 (両 法 の 生 産 能 力 の 並 存 状 況 を 示 す 第 五 表 参 照 ) を 続 け る で あ ろ う し 、 そ の 後 各 社 の エ チ レ ン 法 増 設 に と も な っ て ア セ チ レ ン 法 の 本 格 的 ス ク ラ ッ プ 化 に 入 る も の と 思 わ れ る 。 わ が 国 の カ ー バ イ ド 工 場 の う ち で 最 低 コ ス ト 生 産 が 可 能 な 工 場 と い え ば 、 比 類 な き 立 地 的 優 位 性 を も つ 電 気 化 学 ㈱ 青 海 工 場 で あ る こ と は 既 に 拙 稿 で 述 べ .た と こ ろ で あ る が 、 そ の 青 海 工 場 長 が ﹁ カ ー バ イ ド ーー ア セ チ レ ン が エ チ レ ン と 競 争 で き る 自 信 の あ る の は あ と (6 ) 七 年 ﹂ と 悲 観 的 観 測 を 表 明 し た の は 昭 和 三 九 年 で あ る が 、 こ の 観 測 が 正 鵠 を 得 た も の か 否 か が 事 実 に よ っ て 立 証 さ れ る 時 期 が 目 睫 の 間 に 迫 っ て い る 。 . ,
、 、-● 〆 / ( -) ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) ( 5 ) ( 6 ) カ ー バ イ ド 工 栗 会 、 カ ー バ イ ド ・ ア セ チ レ ン 産 業 と 石 油 化 学 工 業 、 昭 和 三 七 年 、 二 四 六 i 二 四 七 頁 σ 河 村 一 雄 、 酢 ビ の 原 料 転 換 、 コ ー ク ダ イ ジ ェ ス ト 五 五 号 、 一 九 六 六 年 六 月 七 頁 。 前 掲 書 、 七 -八 頁 。 間 野 道 雄 、 カ ー バ イ ド 工 業 の 現 状 と 将 来 、 石 油 化 学 新 聞 、 四 二 年 一 一 月 = 二 日 。 エ チ レ ン 法 酢 ビ の 企 業 化 ラ ッ シ ュ 、 化 学 経 済 、 . 一 九 六 七 年 一 二 月 、 六 〇 頁 。 東 洋 経 済 新 報 、 三 九 年 一 〇 月 三 日 号 。 三 ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 に お け る 立 地 系 列 の 変 貌 合 繊 工 業 の 原 料 系 列 の 発 生 か ら 合 繊 工 業 の 原 料 溯 及 へ の 指 向 性 ﹂ 、 合 繊 工 業 に お け る 原 料 系 列 化 は わ が 国 特 有 の 形 態 で あ る 。 既 稿 で 触 れ た と こ ろ で あ る が 、 そ れ は 欧 米 先 進 国 で は 合 繊 企 業 化 の 当 初 か ら ( 徹 底 し て 合 繊 企 業 化 の 主 導 権 を 握 っ た の は 総 合 化 学 工 業 会 社 で あ っ た 。 そ れ は 軽 工 業 的 性 格 を も つ 在 来 の 繊 維 工 業 と 異 っ て 、 合 繊 工 業 が 重 化 学 工 業 的 性 格 を も つ か ら で あ る 。 し か る に 先 発 的 欧 米 の 事 情 と 違 っ て 、 わ が 国 化 学 会 社 は 従 来 肥 料 生 産 に 偏 向 し て 紡 糸 工 程 の 技 術 的 蓄 積 を も た な か っ た た め 、 粗 原 料 か ら 繊 維 ま で の 一 貫 生 産 を 独 自 で 企 業 化 で き な か っ た 。 こ う い う 事 情 か ら わ が 国 で は 繊 維 会 社 が 主 導 権 を 握 っ て 合 繊 企 業 化 が 実 現 し た 。 . し か し な が ら 、 繊 維 会 社 側 に は 合 繊 原 料 製 造 に 必 要 と す る 高 度 の 合 成 化 学 の 技 術 的 蓄 積 も 巨 額 の 資 本 も 有 せ ず 、 よ っ て 原 料 製 造 部 門 を 併 設 し て 独 自 で 原 料 か ち 繊 維 ま で の 一 貫 生 産 を 行 な .う に は 危 険 を 含 ん で い た た め に 、 原 料 供 給 部 門 と し て 既 存 化 学 工 業 を 利 用 す る 方 法 を 案 出 し て 企 業 化 が 実 現 し た 。 そ れ が 合 繊 工 業 の 原 料 系 列 化 の 発 生 の 根 本 原 因 で あ る 。 合 繊 工 業 が 化 学 工 業 と 原 料 系 列 を 確 然 と 結 ぶ こ と に よ っ て 、 安 定 価 格 、 安 定 供 給 量 の 需 給 を は か っ た こ と は 、 ビ ニ ロ ン 合 繊 だ げ で は な い 。 原 料 系 統 を 異 に し た す べ て の 合 繊 が 企 業 化 に 当 っ て は 、 ビ ニ ロ ン 合 繊 同 様 に 化 学 会 社 と 原 料 系 列 を 結 ん で 企 業 化 さ れ た 。 例 と し て ナ イ ロ ン に お け る ア ェ ノ ー ル 、 シ ク ロ ヘ キ サ ソ 、 ア .ン モ ニ ア な ど の 製 造 、 ポ リ エ ス テ ル 繊 維 -ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 一 九
ビ ニ ロ ン 合 成 繊 維 工 業 の 原 料 系 列 と 立 地 系 列 の 変 貌 , 、 二 〇 ( テ ト ロ ン な ど ) に お け る テ レ フ タ ー ル 酸 、 ジ メ チ d ル テ レ フ タ レ ! ト 、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル な ど の 製 造 は 化 学 会 社 に 依 存 す る 。 こ れ ら は 完 製 品 で は な く 中 間 原 料 で あ る が 、 合 繊 工 業 は こ れ ら の 中 間 体 を 購 入 し 、 そ れ を 出 発 原 料 と し て そ れ 以 降 繊 維 ま で の 工 程 を 分 担 す る こ と に な っ て い る 。 、 喰 繊 工 業 は 前 述 の あ が 個 特 有 の 事 情 か ら 発 生 し た 特 有 の 形 態 と も い う べ き 、 原 料 系 列 を 結 ん で 企 業 化 さ れ た と は い え 、 合 繊 側 が 独 自 で 原 料 製 造 段 階 ま で 溯 及 せ ん と す る こ と は 、 企 業 化 当 初 か ら 合 繊 工 業 が か た と き も 忘 れ る こ と の で き な い 宿 願 で あ り 課 題 で も あ .つ た 。 そ れ は 河 村 明 英 氏 が 指 摘 す る 原 料 取 得 方 法 に お け る 合 繊 工 業 と 天 然 繊 維 工 業 と の 相 違 か ら 由 来 す る と 思 わ れ る 。 綿 紡 績 に あ っ て は 綿 花 買 付 け が 原 料 手 配 の 方 法 で あ っ た 。 農 産 物 で あ る 綿 花 の 需 給 と 相 場 の 情 勢 を 機 敏 に 察 知 し て 、 よ り 安 い 綿 花 を 将 来 の 相 場 と に ら み 合 わ せ て 大 量 に 買 付 け る 。 買 付 け の 巧 拙 が 直 接 企 業 収 益 に 大 き く は れ か 、兄 っ て く る 。 だ か ら 原 綿 買 付 け は 重 要 部 門 を な し て い る 。 綿 塵 国 は 世 界 の ど こ の 国 で も よ い 、 よ り 有 利 な 条 件 で 原 綿 を 購 入 せ ん と す る 形 を と る 。 羊 毛 に あ っ て も 同 様 の 事 情 が あ り 、 原 料 取 得 に お け る 投 機 性 は 綿 以 上 で あ る 。 天 然 繊 維 工 業 の 商 業 資 本 的 性 格 は こ う し た 原 料 取 得 方 法 に か か っ て い る 。 し か る に 合 繊 工 業 に あ っ て は 、 原 料 系 統 の 如 何 を 問 わ ず 悉 く 化 学 工 業 が 生 産 す る 中 間 原 料 の 購 入 と い う 原 料 取 得 方 法 が と ら れ る た め に 、 原 料 系 列 を 確 然 と 結 ん で 安 定 量 、 安 定 価 格 の 需 給 . を 図 っ た と し て も 、 所 詮 、 原 料 購 入 に よ っ て は 原 料 価 格 引 き 下 げ 、 延 い て は 製 品 価 格 引 き 下 げ は 望 む こ と が で き な (陀 。 ・ 本 来 、 合 成 繊 維 は 天 然 繊 維 に 代 替 せ ん と す る 性 質 を も ち 、 か つ 原 料 系 統 を 異 に し た 合 繊 同 志 が 競 合 し な け れ ば な ら ぬ 性 質 を も つ 。 競 合 に 勝 つ た め に は 低 価 格 生 産 を 至 上 の 課 題 と す る 。 し か も 合 繊 製 造 原 価 に 占 め る 原 料 費 の ウ ェ ー ト は 三 〇 1 五 〇 % を δ め る た め に 、 製 品 価 格 は 原 料 価 格 に 左 右 さ れ て 、 原 料 購 入 に 依 存 す る 限 り 製 品 価 格 引 き 下 げ に は 困 難 が あ る 。 藏 に 合 繊 の 企 業 化 当 初 か ら 合 繊 工 業 側 が 独 自 で 原 料 溯 及 を 行 わ ん と す る 指 向 性 を も っ た こ と は 容 易 に 了 解 さ れ う る こ と で あ ろ う 。 ' 、
. ρ 合 繊 工 業 の 原 料 溯 及 に と も な う 立 地 系 列 の 変 貌 一 見 通 し 在 来 の ア セ チ レ ン 法 に よ る ビ ニ ロ ン 合 繊 工 業 の 立 地 系 列 に は 二 つ の パ タ ー ン が 考 え ら れ る 。 在 来 法 に よ る ビ ニ ロ ン 合 繊