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24. 呼吸苦は「こころ」に何をもたらすのか―精神心理学的視点からの考察―(第18回群馬緩和医療研究会)

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Academic year: 2021

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モルヒネに OR することで呼吸困難感が改善した症例を 経験し, 呼吸器症状に対するオピオイドの有用性につい て えてみたいと思う. 24.呼吸苦は「こころ」に何をもたらすのか ―精神心 理学的視点からの 察― 藤平 和吉 (利根中央病院 精神神経科) 全身 怠感・浮腫・呼吸苦は,がんにかかわる症状マネ ジメントの中でも取り け困難なものとされており, な かでも呼吸苦は人間の不安感情と密接に関係していると いわれている. 例えば, 心理的 藤状態に置かれた場合, 人はしばしば「過呼吸症状」を呈する.この症状は不思議 なことに, 他覚的には呼吸機能が 十 過ぎるくらい 機能しているにもかかわらず, 自覚的には 呼吸困難感 窒息感 を覚えるのである. この事実の解釈はさまざま であろうが, 精神心理学的視点からは「呼吸苦そのもの が人間の原初的な不安体験 (すなわち出生直前に母親の 産道を通過するときの窒息感) である」とする意見もあ るし, 不安によって生起された呼吸困難感の防衛機制 的代償行動が過呼吸症状である」とする見方もある. い ずれにしても「呼吸苦」と「不安」との間の密接な関係 が見て取れる. また, 精神科医の立場からは呼吸器症状 を有する坦がん患者の意識障害 (せん妄) も比較的よく 経験する. これらは経験的に 2群に 類される印象があ る. 一方は, 例えば CO 貯留状態時のぼんやりしながら 訳の らないことを口にするというような状態像で, こ れらは「脳の急性機能不全」というせん妄本来の定義に よく合致するような一群である. 他方, 精神力動的に了 解可能な不安を表出しながら, その不安に耐えられない が故に 褄の合わない行動表出に帰結するというよう な,いわば「心因反応的要素」を強く感じさせる一群もし ばしば経験する. 後者の群は他の坦がん患者に比べ, 呼 吸器症状を有するケースに圧倒的に多い印象があり, す なわち前述の「呼吸苦」と「不安」の密接な関係を示唆 するものとして興味深く感じている. 呼吸器症状を抱え た患者は「呼吸苦」という直接的な苦しみ以外に,そこか ら惹起される「不安」という 2次的な苦しみも大きいの かもしれない. 援助者として我々に出来得ることは何な のか. 当日の活発な議論に期待したい. 25.肺がん患者へのチームアプローチ ―自 らしさを とり戻せた最期の5日間― 金子 結花 (群馬大医・附属病院・緩和ケアチーム) 【はじめに】 がん患者の呼吸困難は緩和しにくい症状の ひとつであり, 対症療法として薬剤の第一選択はモルヒ ネとされている. また呼吸困難は不安や抑うつ状態と密 接に関連しているため, 薬物療法のみならず非薬物療法 も重要な位置づけとしてあげられる. 今回, 肺がん終末 期患者に対し緩和ケアチームが介入したことで, 呼吸困 難が緩和され自 らしさをとり戻すことができた事例に ついて報告する. 【事 例】 60歳代 男性 肺癌 癌 性胸膜炎. 経過 : 患者は呼吸不全の状態で, 身の置き場 のない苦痛と焦燥感が強かった. すでに家族には看取り 期であることが告げられていた. 患者の一番の苦痛は 「少し動くと息苦しくなり食事も摂れない」ということ であった. また, 家族がそばにいないと不安が強くなり 呼吸困難は増強した. そこで緩和目標は「呼吸困難が緩 和でき食事が摂れる」「不安を軽減し穏やかに過ごせる」 とした. モルヒネ持続静注を開始し, 日常生活における ナーシングケアを病棟看護師と共に行った. 【結 果】 「前より苦しくなくなった」という言葉が聞かれ, 亡く なる前日まで食事摂取が継続できた. さらに, 花のス ケッチや写真撮影を楽しむことができ, 病室内は穏やか な 囲気へと変化した. その結果, 短期間ではあったが 患者と家族が穏やかに過ごす時間がもてた. 【 察】 モルヒネ持続静注の開始により呼吸困難が緩和され, 食 事摂取への満足感や趣味を楽しもうとする患者らしさを 支えることができた. しかし, 薬物療法のみでは目標は 達成できなかった. 日常生活におけるケアや家族・医療 者の温かい見守りが患者の持てる力を引き出した結果で あったと える. 【まとめ】 呼吸困難は緩和しにくい 症状のひとつであるが, 薬物療法と非薬物療法を併用す ることで患者のニーズに答えていくことが可能となる. 26.がん患者の呼吸苦症状へのリハビリテーションアプ ローチ 一場 未緒(独立行政法人国立病院機構 西群馬病院理学療法士) 当院では 4月よりリハビリテーション科が開設され, 緩和ケア病棟にも介入している. 今回は理学療法士とし ての立場から, がん患者の呼吸苦症状へのアプローチに ついて紹介する. がん患者のリハビリテーション (以下 リハビリ) の役割は, 患者や家族の要求を十 に把握し, ADL を維持, 改善することにより, できる限り可能な最 高の QOL を実現するために関わることころあると え る. リハビリの介入によりある時期, ある程度までは ADL の維持, 改善も見られるが病状の進行とともに, 下 降して行く時期が訪れ, それに伴い随時, 毎日でもその 目的を修正していく. がん患者の主な身体症状は全身 怠感, 食欲不振, 痛み, 秘, 不眠に続き呼吸困難が挙げ られ, 51.9%に聞かれる. 呼吸困難は呼吸不全 (SPO ≦ 60Toor) に定義される客観的な肺機能障害に必ずしも一 致するわけではなく, 精神的な要因も絡むため標準的な 189

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