測定圧のはさみゲージに及ぼす影響について
著者
中島 繁, 是枝 賢一
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
5
ページ
51-58
別言語のタイトル
INFLUENCES OF MEASURING PRESSURE UPON SNAP
GUAGES
測定圧のはさみゲージに及ぼす影響について
著者
中島 繁, 是枝 賢一
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
5
ページ
51-58
別言語のタイトル
INFLUENCES OF MEASURING PRESSURE UPON SNAP
GUAGES
測定圧のはさみケージに及ぼす影響について
中 島 繁 。 是 枝 賢
(受理昭和40年5月28日) INFLUENCESOFMEASURINGPRESSURE UPONSNAPGUAGF1S SigeruNAKAJIMA,KenichiKOREEDA Whenashaftismeasuredwithaplainsnapguage,thediameterofguageisusuanyexpanded byawedgeactionduetomeasuringpressure・Theauthorsmadesinglepurposesnapguagesof severalshapesastestingpiecesandcomparedandexaminedrespectiveallowableexpansewithone another・Theyobtainedthefollowingresults、 1)Thenearertheguagediameterthepositiontobemeasuredis,thelargeristheallowable expansewithincreasingmeasurementerrors、2)Thelengthofaguagearmshouldbekeptwithinthenecessaryminimumlimit、
3)Thee麺anseresultsinappearanceofnlletoftheguagealmandinreliefoftheguage
smface、Theexpanseisgreatlyinflnencedbytheshapeandsizeofundercut、4
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measured,theemansevariestooandtheaccuracyofmeasurementbecomeschangeable・Accordinglyinordertoimprovetheaccuracyofmeasurement,itisessentialfurthertoknow
therelationoftheworkingtolerancewiththeabrasionallowanceandtheoptimumapplication scopeofsnapguagesinpracticaluse. 1 . 緒 言板はさみゲージで丸軸を検査するときに,測定圧に
よるくさび作用でゲージの口が拡がり,作動寸法が固有寸法よりわずかだけ大きくなる.
円板ゲージとはさみゲージを組合せた場合の横押力
と拡がりの関係については,HerbertやLebomhisl)
の研究がある.又Bemdt2)ははさみゲージ測定面に
作用する摩擦係数についても実験を行ない,測定圧が
はさみゲージ自重の約10倍に達することを確めてい る.本邦においては最近岩崎3)によって,はさみゲー ジの剛性度に関する研究がなされ,JES,JIS形状のも のについて拡がり量と製作公差,摩耗しろなどの問題 にふれている. 現在JIS規格に定められたはさみゲージには,数種 の形状についてゲージ各部寸法や公差,摩耗しろ,等 級,材質,硬度などについて規定されている.もちろ ん使用箇所,使用目的,測定精度,ゲージ製作上の難 易や検査要領などから利用度の多い標準的なものが定 められていることはいうまでもないが,その理論的根 拠については,はっきりしない. 筆者4)らは,さきに予備実験で既製のはさみゲージ について,測定圧による拡がり量を測定した結果,予 想以上に大きく無視できないことを確めた.したがっ て,はさみゲージが剛性を保ち,自重による測定圧の 増加を防ぎ,最も実用に適した形状,寸法のものを究 明するべく,現在のJIS製品をもとに多くの異ったは さみゲージを試作して,拡がり度の傾向や相関性につ いて定性的解析を試みたのでその結果を報告する. 2 . 実 験 原 理 第1図は円形断面の被検査物がはさみゲージの測定 面 を ち ょ う ど 通 過 す る と き の 原 理 を 示 し た も の で あ P-
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第 1 図鳶
52 第 3 図 る.今”のゲージ自重で測定したとき,接触点にお いて摩擦力と荷重灰kg)が釣合っていると考えられ るので, 〃=2八………(1)/:摩擦係数 s:横押力(kg) の式が成立する.この時のはさみゲージの拡がり量を 』w,単位荷重当りの拡がり量をαw(座/kg)とすれば, 4W=α"・〃………・…。(2) こ こ で A w を 知 る た め , 横 押 力 s の み ゲ ー ジ 腕 の 測定面に加えた場合の拡がり丑As(のを測定すれば, 単位圧力当りの拡がり度as(β/kg)として, 』s=as・』…………・……・…………。(3) となる.したがって上述の式より,』s=』wなるとき は,且=gliL=上.………..……(4)
〃 α s 2 f からゲージの拡がり量,および摩擦係数/・が求まる. 3.実験装置および方法 はさみゲージには両口型,片口型,C型などがある が,われわれはまず片口型はさみゲージを選び,その 拡がり量を測定するため,第2図に示すような実験装 置を作った. 計器は電気マイクロメータ(1目盛0.25のと,UT ケージを測定子とした抵抗線ひずみ計で左右の拡がり 量を測定した.UTゲージは非接着型ゲージで±40座 の測定範囲をもづ直線偏位型のひずみ−変位量(10× 10-6-0.0087の変換器である.それ自身4ゲージ法で 温度による誤差は少なく,筆者らが倍率2万倍の精密 級表面粗さ計で検定した結果,会社添付の較正表に良 く一致した.又,絶対値の少ない小歪測定時には計器 の固有誤差が問題となるが,筆者らの静的性質をもっ たものでは,10×10-6までは十分信頼し得ることを確 めた.測定子の零点調整は,マイクロメータ・ヘッド を利用した1目盛0.25座(右),0.5“左)の微動装置に よって行なった. 重錘台に荷重がかかると,はさみゲージの内側面に 横押力が作用しはさみゲージの口が拡がる.変位はあ らかじめゲージ側面に接着されたチップに接触した測 定子の先端に伝わり計器に読みとられる.その際チッ プの表面は鏡面仕上げとして粗さの影響をのぞき,又 チップの計器測定圧(259±59)によるたわみは無視 できることを確めた. 測定法は偏位法により1kg毎に荷重範囲8kgまで とした.測定回数はいずれのゲージも6回として,結 果はその平均値を採用した. 次に円板とはさみゲージを組合わせて,そのときの 拡がり量と摩擦係数を測定するため荷重装置のみ第3 図のように替え,他は同一条件の装置によって測定し た.使用した円板は直径60mmに研削仕上げしたも ので,円板中心から下げられた重錘台まで含めて2009 の重さになっている.荷重は100g単位に総荷重700g までのせ,その時の拡がり量を前述の測定器で測った. 荷重は安定した動作を得るため上下微動装置によって 静かにはさみゲージ口元に円板が接触するようにし た.なお横押力,円板荷重の範囲ははさみゲージの自 重と摩擦係数の予測から定めたものである. // 露胤詔7ロメ 第 2 図 6 1 とレー 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 5 号 舌 懲 竺嶋 予備実験においてゲージの固定,安定性が測定に敏 感に影響することがわかったので,板はさみゲージは 水平に保たれた,がんぢようなベース上のL型支持台 に座金をはめたボルトで固定した.その場合のはさみ ゲージの水平,垂直,および高さはそのつど水準器, 角定規で調整するようにした. 荷重は左右均衡を保つためにベース下に滑車を介し た鋼線で1箇所に集めて重錘をのせた. 一一爵ミー”→ 中 鮎 ・ 是 枝 : 測 定 圧 の は さ み ケ ー ジ に 及 ぼ す 影 響 に つ い て ← 53 第4(3)図 4 . 実 験 試 料 Tlll、ミー11← 基礎実験としてまず外形寸法,厚さを一定として, ゲージ切欠部の形状,寸法を変えた場合に,拡がり度
に及ぼす影響について考察するため第4図に示す外形
寸法に定めた.予備実験において呼び寸法の小さいゲ
ージは,拡がり量が小さく測定も困難なので,JISに定められた片口型はさみゲージ呼び寸法50mmの寸
法に相似したF3を基準として切欠部は単純な凹,U
型の2種20個を製作した.E3は内外形ともU型の曲 りはり形状にして,理論解析に便ならしめた. 試料A型はゲージ腕の幅と呼び寸法を変え,B型は各々の切欠隅部にR(半径20mm)をつけたもので,
C型は腰部の高さと腕長さを変えた場合であり,D型 はそれにB型と同様にRをつけたものである.A3と C3,B3とD3は同形で比較検討しやすいようにした. 材料は一般構造用圧延鋼SS34を使用し,研削仕上 げとした. 第4図に示したG1,G2は呼び寸法45mm,G3,G4 は48mm,G5∼G8は60mmのもので表に示すように 製作公差(通り側,止り側)の明示されたメーカー製 品で筆者らの依頼製作したものである.測定面はラッ プ仕上(H1nu‘X0.4s)され,その付近は測定による摩耗 をふせぐため焼入れており,硬度は砥060前後(JIS 、国」
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単位‘'mⅧ 第4(1)図 畠 へ胤腰
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−横押"(#)野
2 2.14 1.48 1.09 1.44 1.24 1.01 1.78 1.34 1.06 皿唖皿皿、 22222 1234︲ 3.76 2.96 1.92 1.38 1.04 1.58 1.32 1.02 0.86 0.68 1.52 1.20 1.00 0.80 0.50 2.00 1.38 1.30 0.94 0.70 2.88 2.06 1.64 1.00 0.82 0.92 0.86 0.62 2.5mm 12.5mm 22.5mm 32.5mm 42.5mm 第 2 表﹁山当
達蕪
第 5 表 第 3 表 拡がり度(as)単位("/kg) /<Z D 1 1 D 2 1 D 3 1 D 4 1 D 5 2.00 1.38 1.30 0.94 0.70 第 2 3 4 崎 一横押力(s) 5 図 第 4 表 mmmmm mmmmm 55555 ワーワーワ]ワ言う一 1234. 1.92 1.48 1.12 0.80 0.72 1.10 1.04 0.88 0.66 0.46 04804 ワー1876 ■●町■b llOOO 42977 04220 ■■■ゆ凸 11000 2.56 2.22 1.52 1.30 0.80 ヶLジ ロ冠'1 拡がり度(as)単位(座/kg)86420
;賓樗I
/Z5滴耐 225町版 2,51'海f86420
︵ざ響論籍1︲
C 1 l C 2 1 C 3 1 C 4 1 C 5山
1.18 0.88 0.78 0.64 54 3.06 2.10 1.74 1.26 1.06 E 3 1 F 8 拡がり度(as)単位("/kg) as)単位(似/kg) 4.32 4.02 3.18 2.54 1.60 拡がり度(垂
:
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:
三
鱒
1.38 1.26 0.92 0.70 0.60 mmmmm mmmmm 55555 22222 1フ︼34) 55 l崎 38123 EFGGG 1.31 1.30 1.39 1.76 2.17 第 6 表 筆 Bemdt Lebouris 岩
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12345 CCCCC 単 位 ( の牝駒
者 1.34 1.42 1.98 2.78 3.72 拡がり度(as)単位“/kg) 第 9 表 口元における拡がり量(4W):ノー0.175 G4 G5 G6 G 7 1 G 8 か ら の 距 離 ∼ 摩 1.64 1.65 1.98 2.63 3,04 12345 AAAAA2
7
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3.87 2.82 2.30 1.68 4.25 2.67 2.03 mmmmm mmmmm 55555 フーヮニワニウ三2 1ワ雪34. 2.20 1.52 1.10 2020 1.89 1.39 0.81 0.69 2,10 1.76 1.51 0.99 12345 AAAAA 288 335 354 235 333 ○ 的になっており,なかでもc5のゲージロ元からの距 離2.5mmの点では最大値4.32座/kgにおよんでい る.第5表,第6表のG型では呼び寸法の大きなゲー ジほどasも大きく,また口元からの距離に比例して減 少する傾向は第4表までと同様である. 摩擦係数を決定するためゲージG6,G8について第 3図に示す装置により,ゲージロ元における拡がり量 “w)を測定した.円板荷重〃と』wが直線的比例 関係を示すのは,』s同様でこの時の拡がり度α”が式 (2)および第7図より求められる.G6,G8のas(第 6表),α”値を式(4)に代入すると摩擦係数/が求 められる.計算結果では両者とも0.175が得られた. この時のゲージ測定面はJIS規格0.4J以内の表面あ らさで仕上げられたもので,一応標準的な測定条件と 考えられる.いうまでもなくはさみゲージの種類や, 検査軸の表面あらさ’潤滑油の在否等によって摩擦係 数は異り,一義的に数値決定は困難であるが,参考ま でに他者の実験結果(測定条件は不明)を併記すれば, 第7表のとおりである. (Z)自重による拡がり量 筆者らの測定結果より算出した/値を適用し全試料 について自重による拡がり量(41V),すなわち測定圧 Q 2 0 4 Q 6 k 3−−−砿(砿)
7 図 7 表第第
421 376 348 325 297 12345 ︹UnDnD︹己︵陸 擦 係 数 . / 、 12845 DDDDD 389 366 347 320 283 303 401 293 325 284 0.175 0.052(ワセリン塗付 0.14 0.168 単位(9) 12345 DDDDD GGGGG 45678 第 8 表 ケ 33123 EFGGG 400 375 348 341 307 397 359 347 319 301 による拡がり量を第8表のゲージ重量をもとに算出し た.第9表はゲージ口元から2.5mmの点における拡 がり量』”の計算結果である.実用の際は,はさみゲ ージの両測定面の平行度や平面度誤差のために最小寸 法を与えるような点において接触する5).さらに検査 軸の真円度如何によって止り側測定面において接触す る場合もある.したがって,ゲージロ元からの距離2.5 mm,22.5mmの接触点を選びゲージ番号順に』wと 幅,長さとの関係を図に表わしたのが第8図,第9図 である. ジ 重 量 ( 〃 ) 中 島 ・ 是 枝 : 測 定 圧 の は さ み ケ ー ジ に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 12345 CCCCC 12845 ︵EB︵け︽巳云出 2.45 3.55 1.49 1.34 1.74 17305 86260 ●凸●■■ 12224 4︽−,67︵U GGGGG 1.05 1.20 1.39 2.23 2‘803 56 ’E宝411111 然 的 に 長 く な る た め ゲ ー ジ ロ 元 に お け る 拡 が り 量 は そ れだけ増大する.故に腕長さだけでなく腕幅も広くし た方が,自重による拡がりを一層少なくすることが当 然推察される.しかし,はさみゲージの使用目的や測 定精度の範囲をどの程度までとどめるか,またゲージ 自重の増加による検査上の不便さや経済面も考慮しな ければならない. ii)Rの影響について 第8,9図の結果から切欠隅部にRのついたB,D が,RのないA,Cに比べて各々』,1,が少ないことが わかる.しかし接触点がゲージ口元から深くなるにつ れてRの影響による4Wの差は縮まってくる. 第10図は隅部形状のみが異なる場合について,各々 のAwを比較しRによる影響をしらべたものである. Rの隅肉のついたB3,G6と角に切り取られたA3,G5, またF3,G8はRの切欠形状に腕つけねがせまくなっ たものである.第10図のゲージ口元から2.5mmの接 触点における‘4Wについてみると,B8,G6はF3,G8 の約半分に減少し,腕つけねがせまくなった時の影響 が大きいことがわかる.接触点がゲージ口元から深く なった22.5mmの場合については,第8図,第9図と 同様Rの変化によるHwの差は縮まる傾向がみられ る. 2 fと
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図 2 第 8 一一帳ジ魁鍔鮫式の樋と) 第 9 図 i)腕幅と腕長さの影響について 第8図ははさみゲージA1∼A5,B1∼B5の結果であ る.腕幅がせまいほど』wは大きくなる,第9図のc, D型では,腕長さが長くなるほど乱wは増大する.さ らに両図からゲージ口元からの距離2.5mmのaWが 22.5mmの場合よりも,いずれも41Vが大きい.また 腕幅が広く,腕長さが短かくなるにつれてAⅣの減少 する傾向は緩漫となり,特にゲージ口元から22.5mm の距離では,4Wの変化は僅少になり値も低く1‘"前 後になることが推察される. ゲージ形状,寸法を定める際には,できるだけ腕長 さの短かいことが好ましいが,固有寸法の半分いわゆ る被検査軸の半径長に,安定した検査と測定精度を保 持するための測定面,逃げ面長さ等を加えた腕長さが 最少限度必要であり,また検査軸とゲージ腰部端而と のすきましろもなければならない.特に通り側,止り 側 両 用 の 片 口 型 は さ み ゲ ー ジ に お い て は , 腕 長 さ が 必4
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鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 5 号 ↓’225111分9t 4.0 1 2 3 4 5
−吟口元よソ25'm、 ,a 1‐ B 3 A 3 E 烏 免 馬
籾原5.5,,,瓶厚生5.''1m 第 ’ 0 図 現在のJIS規格では,切欠逃げ面に半径Rを比較的 大きくとっているため,この部分でのひずみが大きく, したがって拡がりに及ぼす影響は大きい.さきに予術 実験によって,呼び寸法48mmのJIS製品はさみゲ ージ(G3)の各部に半導‘体ケージをはりひずみ壁を測 定した結果,ひずみは枇押力に比例して増加し,切欠 逃げ面のひずみは,切欠底部端面中央の約3倍(5.5× 0'
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111111I2 中 脇 ・ 是 枝 : 測 定 圧 の は さ み ケ ー ジ に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 4 場における諸問題の解決には役立たない. 外形の隅角もさらに切り取ったU型曲りはり形状の E3,G7について測定した結果を第12図に示す.厚み と材質による相違がわずかあるが,曲線はほとんど類 似した傾向を示している.現在呼び寸法60mmのは さみゲージはJIS規格C型に属するもので,これは各 国の規格ゲージの中で最も剛性が高いと考えられるド イツのはさみゲージの外周に内接する円形をとり重量 を軽減して日本人向さのものにしてある7).筆者らの 実験試料E3,G7もそれに準じた形状のものとし,さ らに応力集中を緩和して理論解析を容易ならしむるよ う試みた.しかしはさみゲージの固定法や締付工合に 問題があり,実用の際のゲージは測定者の手によって ゲージ自重で測定するため実験とは異った条件とな る.したがって実際の測定時には実験値よりもさらに 拡がり量が増大することは当然推察される. 10-6/k勘の値を示した,この時の拡がり度asは,第 5表に示した2.14鰹/kgとなり,ゲージ口元から2.5 mmの接触点における拡がり量Awは1.74座に達し た.これは製作公差や摩耗しろと比べれば無視できな い値である. 以上の事実から判断すれば,ゲージ測定面の逃げは 製作上の難易さも考えて測定面より1∼2mmの切欠 寸法に押えて,腰部までRをつけたいわゆるU型の内 部形状のものがもつとも有効であると考えられる. iii)呼び寸法による‘4Wの差異 第11図は呼び寸法45mmのG1,48mmのG4, 60mmのF3,G8について比較したものである.G8 はF3に比し厚みが1mm薄いため拡がり量が大き く,JIS規格5.6級工作用はさみゲージ製作工作に匹 敵する値となっている.呼び寸法の大きなゲージほど 拡がり量も増大する傾向が良く認められるが,この極 ゲージは検討する余地が十分あると思われる.いずれ にしても拡がり量は最大1〃以下であることが好まし く,摩耗しろ(3∼4の6)のついた新製品の間は拡が り量と相殺されたかたちになるが,使用回数が重なる につれて測定面は摩耗し測定誤差は開いてくる.
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盃吊軽減の場合その剛性を保ち,拡がり量がさ程増 さぬ様な外形形状寸法について検討し,又材質や硬度 による影響,光弾性模型実験による応力解析も試みて 拡がりとの関係を究明したい.1 2 3 + 恥
一 一 一 口 識 5 涯 融 6 . 結 論 本研究の結果を要約すると次の通りである. 1)測定圧による拡がり量は,はさみゲージ口元に 近いほど増大する. 2)外形寸法一定のはさみゲージにおいては,ゲー ジ腕の長さをできるだけ短かく,腕幅は広くした方が 剛性は保たれ測定圧による拡がり丑は少ない. 3)一般に呼び寸法の大きなはさみゲージほど測定 0 0 5 1 第 1 1 │ 、 5 2 . 5 β ' ' 1善
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図 iv)板厚みその他について ゲージ板厚みが薄いと拡がり型が増すことは'第'0 図から推察されるが,製作上からも測定面仕上げが困 難となり平行度,平而度がとりにくく’また検査時の 摩耗もはげしくなるので板厚みの薄いのは好ましくな い.ゲージの剛性を保つために厚みは,呼び寸法の大 小にかかわらずある程度以上の原みは必要であるが, 厚みの増加が拡がりの減少度合に及ぼす効果程度を老 えねばならず,ゲージの剛性だけに主眼をおいても現58 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 5 号 圧による拡がり量は多い. 4)拡がり量は,はさみゲージ腕の隅肉や測定面逃 げの切欠形状寸法に大きく左右される. 5)拡がり量は,はさみゲージ測定面と検査軸との 摩擦係数や測定時の検査要領により著しく相異する. 6)はさみゲージの種類や等級により製作公差,摩 耗しろなど異るが,ゲージの形状,寸法次第では許容 公差以上の拡がりを示し,検査をはさみゲージだけに 頼るのは不完全である. 以上片口型はさみゲージだけについて述べたが,今 後両口型,C型はさみゲージについても検討し,さら に理論的解析によって従来からの経験や経済上の見地 から定められた現在の限界ゲージの諸問題の解決に役 立てば幸いである. 文 献 1)CA・Lebourhis:FehlemrsachenbeimGeb‐ rauChvonRachenlehren,Werkstattstechnik50 Heft7・Jahrgl960,358. 2)吉本源之助:限界ケージ方式及び工作法,16, (7.20),p、236,誠文堂. 3)岩崎博:はさみゲージの剛性度に関する研究 (第2報),神奈川県工業試験所報,1963,3. 4)中島・是枝・南:測定圧のはさみゲージに及ぼ す 影 響 に つ い て , 精 機 学 会 九 州 支 部 講 演 会 , 前 刷 (39.11.13),p、37. 5)武藤孝治:ゲージとゲージエ作,33.8.15),p、 49,精密工学講座1−2,日刊工業新聞社. 6)加藤文雄:ハメアイ方式,36,(10.15),pl65, 日 刊 工 業 新 聞 社 . 7)日本規格協会:限界ケージ解説,1964,21.