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高校生・大学生の親になることへの意識調査

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Academic year: 2021

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高 校 生 ・大 学 生 の 親 に な る こ と へ の 意 識 調 査

中 嶋 律 子 1)・北 川 眞 理 子 1)・小 笠 原 昭 彦 2)・神 田 真 愛 3)・ 植 松 み ほ 4) 安 藤 え み 5)・鈴 木 理 美 子 6)・ 中 野 あ ゆ み 7)・ 長 谷 川 綾 8)・ 近 藤 晴 子 1)

High

School

and University

Students

Readiness

for Parenthood

NAKAJIMA Ritsuko, KITAGAWA Mariko,

OGASAWARA Akihiko,

KANDA Mai,

UEMATSU Miho, ANDO Emi, SUZUKI Rimiko, NAKANO Ayumi

HASEGAWA Aya and KONDO Haruko

キ ー ワ ー ド:子 育 て 、 親 役 割 、 青 年 期

Key  words:childbearing,  parenthood,  adolescence

1.は じ め に 人 は 妊 娠 ・出 産 に よ り、 生 物 学 的 に は 「親 」 と な る。 しか し、 必 ず し も心 理 社 会 的 に も 「親 」 に な っ て い る と は 限 ら な い 。 エ リ ク ソ ン は 、 成 人 期 の 心 理 社 会 的 危 機 を 「生 殖 性 と停 滞 」 と し、 「そ の 関 心 が 自分 自 身 の 子 孫 に 向 か な い 人 もい る 」 と しな が ら も、 生 殖 性 を 「次 の 世 代 を 確 立 させ 導 く こ とへ の 関 心 で あ る 」 と述 べ て い る1)。 こ ど も た ちが 次 世 代 を 育 て る こ と に 関心 を もつ こ と、 心 理 社 会 的 に も親 に な る こ と は 、 成 人 期 の 課 題 と な る 。 そ し て 、 こ の 心 理 社 会 的 な発 達 は 、 成 人 期 に な っ て 急 に お こ る わ け で は な い 。 中 西 らは 、 乳 幼 児 と接 触 経 験 や 保 育 に 関 す る学 習 経 験 な ど が 、「親 に な こ とへ の 準 備 状 態 」の 形 成 に 影 響 を 与 え る と し て い る2)。 しか し、 少 子 化 の 現 代 にお い て は 、 乳 幼 児 と接 触 す る機 会 は 少 な い の が 現 状 で あ る 。 こ の よ う な 現 状 の な か 、 新 しい生 命 の 誕 生 や 育 児 を援 助 す る 助 産 婦 に と っ て 、 親 に な る 人 た ち に 心 理 社 会 学 的 に も親 とな れ る よ う 、 そ の 発 達 を促 す 援 助 は 不 可 欠 と な りつ つ あ る 。 そ こ で 、 親 に な る前 段 階 に あ る世 代 へ の 援 助 の あ り方 を検 討 す る資 料 を 得 る た め 、 高 校 生 、 大 学 生 の 親 に な る こ とへ の 意 識 につ い て 調 査 した 。 2.目 的 本 研 究 の 目的 は 、 以 下 の3点 で あ る 。 (1)高 校 生 、 大 学 生 の 親 に な る こ とへ の 意 識 を 明 らか に す る。 (2)高 校 生 、 大 学 生 と現 在 子 育 て 中 の 親 の親 に な る こ と へ の 意 識 の 違 い を明 ら か にす る 。 (3)子 ど も との 接 触 経 験 が 高 校 生 、 大 学 生 の 親 に な る こ とへ の 意 識 に及 ぼ す 影 響 を 明 ら か にす る。 3.方 法 1)調 査 方 法 自 己 記 入 式 の 調 査 用 紙 を用 い 、 留 め 置 き法 に よ る調 査 を行 っ た 。 調 査 内 容 は 、家 族 構 成 、乳 幼 児 との 接 触 経 験 、 親 に な る こ とへ の 意 識 で あ っ た 。 親 に な る こ とへ の 意 識 に つ い て は 、 牧 野 らの 「親 に な る こ とへ の 準 備 状 態 」 測 1)名 古 屋 市 立 大 学 看 護 学 部(助 産 学)、2)名 古 屋 市 立 大 学 看 護 学 部(心 理 学)、3)厚 生 連 海 南 病 院 、4)名 古 屋 第 一 赤 十 字 病 院 、 5)羽 島 市 民 病 院 、6)聖 霊 病 院 、7)加 藤 産 婦 人 科 病 院 、8)名 古 屋 市 立 大 学 病 院

1)Nagoya  City  University  School  of Nursing(Midwifery) ,2)Nagoya  City  University  School  of Nursing(Psychology),3)Kainan  Hospital,4)Japan Red  Cross  Nagoya  First Hospital,5)Hashima  City  HospitaL  6)Intemational  Holy  Spirit Hospital ,7)Kato  Hospital,8)Nagoya  City  University  Hpspital

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定 尺 度3)を も と に作 成 した 「親 に な る こ とへ の 意 識 」 に 関 す る尺 度 を 用 い て 調 査 し た 。尺 度 の作 成 に あ た っ て は 、 牧 野 ら の 尺 度 を用 い て 実 施 した プ レ テ ス トの 結 果 を も と に 、 質 問 が わ か りに くい 項 目 を削 除 し、 プ レ テ ス トの 自 由記 述 で 得 ら れ た 項 目 を 追 加 した 。 質 問 項 目 は 、 表1に 示 し た 、 乳 幼 児 に対 す る 感 情 や 認 知 、 子 育 て に 関 す る行 動 や 感 情 、 認 知 、 親 に な る こ とに 関 す る感 情 や 認 知 に 関 す る25項 目で あ る。 回 答 形 式 は 、 牧 野 ら の 設 定 した 「は い ・?・ い い え 」 で は 、 「?」 に 回 答 が 集 中 し た こ と か ら、 「全 然 そ う で は な い 」(1点)か ら 「非 常 に そ の とお り」(4点)の4段 階 か ら な る順 位 尺 度 と した 。ク ロ ンバ ッ ク の α係 数 は0.82で あ っ た 。 調 査 に 際 して は 、 調 査 用 紙 配 布 時 に 、 調 査 へ の 協 力 は 自 由 で あ る こ と 、 調 査 に 同 意 す る場 合 の み 用 紙 を提 出 す る よ う説 明 し、 調 査 用 紙 の 回 収 を も っ て 調 査 へ の 同 意 を 確 認 した 。 ま た 回 収 に あ た っ て は 、 プ ラ イバ シ ー に 配 慮 し、 対 象 者 自 身 が 用 紙 を封 筒 に 入 れ 、 封 を した もの を 回 収 した 。 2)調 査 対 象 対 象 は 、愛 知 県 内 のA高 等 学 校 に 通 う2年 生 の 男 女287 名 、大 学 生 な ら び に 短 期 大 学 生 の 男 女104名 、現 在 子 育 て 中 の 男 女240名 。 現 在 子 育 て 中 の 男 女 につ い て は 、大 阪 府 下 な ら び に京 都 府 下 に あ る3施 設 の 産 婦 人 科 外 来 を受 診 した40歳 未 満 の 女 性 とそ の 夫 と した 。 子 育 て 中 の 親 に つ い て は 、 親 子 関 係 は 子 ど も の 年 齢 に よ っ て 、特 に思 春 期 以 降 に、 変 化 す る4)5)ことや 、親 自身 が 親 に な る こ と に よ っ て 人 格 発 達 を きた す6)こ とか ら 、 本 調 査 で は 、13歳 未 満 の 子 ど もの 親 に 限 定 し た 。 こ の こ と か ら、 子 ど もの 年 齢 を考 慮 して 、 対 象 の 年 齢 を40歳 未 満 と した 。 3>調 査 期 間 1998年10月 か ら11月 と 、1999年4月 。 4)分 析 「親 に な る こ とへ の 意 識 」に 関 す る 尺 度 の 各 項 目 の 点 数 をt検 定 し、 高 校 生 ・大 学 生 と子 育 て 中 の 親 を 比 較 した 。 さ ら に こ の 尺 度 の 結 果 を 、 バ リ マ ッ クス 回 転 を加 え て 主 因 子 法 で 因 子 分 析 し、 高 校 生 ・大 学 生 と親 を比 較 し た。 子 ど も と の 接 触 が 親 に な る こ とへ の 意 識 に 及 ぼ す 影 響 の 検 討 に つ い て は 、 高 校 生 ・大 学 生 を乳 幼 児 との 接 触 経 験 の 有 無 で2群 に 分 け 、「親 に な る こ とへ の 意 識 」に 関 す る 尺 度 の 点 数 を 因 子 ご と に 合 計 し、 そ れ ぞ れ にt検 定 を 行 っ た 。 統 計 学 的 な 処 理 に は 、統 計 ソ フ トSPSS Ver.10.0 を用 い た 。 4.結 果 回 収 数 と 回 収 率 は 、 高 校 生287名(100%)、 大 学 生104 名(80.0%)、 子 育 て 中 の 親109名(45.4%)で あ っ た 。 回 収 した 調 査 用 紙 の う ち 、 ま ず 、 子 ど もの 年 齢 が13歳 以 上 の 親21名 を除 外 し、 さ ら に 未 回答 項 目の あ る もの を除 い て 、分 析 対 象 と し た 。 分 析 対 象 数 は 、高 校 生281名 、大 学 生96名 、子 育 て 中 の 親76名 で あ っ た 。 有 効 回 答 率 は 、 高 校 生97.9%、 大 学 生92.3%、 子 育 て 中 の 親86.4%で あ っ た 。 そ れ ぞ れ の 男 女 の 内 訳 、 平 均 年 齢 等 は 表2に 示 した 通 りで あ っ た。 「親 に な る こ とへ の 意 識 」の 各 項 目ご との 点 数 を 図1に 示 した 。 子 育 て 中 の 親 と高 校 生 ・大 学 生 を比 較 した 結 果 、 「子 ど もが う る さ くて イ ラ イ ラ す る 」 「私 は よ い 親 に な れ る と思 う」「子 ど も を扱 う職 業 に つ きた い と思 う こ とが あ る」 「子 ど も は男 女 が 協 力 して 育 て る もの 」 「子 ど も の 成

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長 の しか た を知 る こ と は 大 切 だ」「父 親 よ り母 親 の ほ うが 子 ど も を 育 て る の に 向 い て い る」、の6項 目以 外 で 有 意 差 が み ら れ た 。 「子 ど も は 男 女 が 協 力 して 育 て る もの 」 「子 ど もの 成 長 の しか た を知 る こ と は 大 切 だ 」 で は 、 双 方 が 高 得 点 を示 して い た 。 さ ら に 、「親 に な る こ とへ の 意 識 」に 関 す る尺 度 を 因 子 分 析 した 結 果 を表3、 表4に 示 した 。 高 校 生 と大 学 生 そ れ ぞ れ に 因 子 分 析 を行 っ た と こ ろ 、 因 子 の 構 成 に 違 い が な か っ た の で 、 高 校 生 と大 学 生 を統 合 させ て 子 育 て 中 の 親 と比 較 した 。 子 育 て 中 の 親 、 高 校 生 ・大 学 生 双 方 で5 因 子 が 抽 出 さ れ た 。 共 通 して い た 因子 は 「子 ど も好 き」 「子 育 て に よ る 社 会 性 の 発 達 」「拒 否 」の3因 子 で 、「子 ど も好 き」 「子 育 て に よ る社 会 性 の 発 達 」 の2因 子 で は 、因 子 を構 成 して い る 項 目 もほ ぼ 一 致 して い た 。 子 育 て 中 の 親 で は 、 子 育 て へ の 拒 否 に 関 連 した 因 子 と否 定 的 な イ メ ー ジ に 関 連 した 因 子 に 分 か れ た の に対 し、 高 校 生 ・大

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学 生 で は1つ の 因 子 と な っ て い た 。 次 に 、 子 ど も と の接 触 経 験 と親 に な る こ とへ の 意 識 と の 関 係 に つ い て 分 析 し た。 子 ど も との 接 触 経 験 は 、 「赤 ち ゃ ん を抱 い た こ とが あ る か 否 か 」「き ょ う だ い や 親 戚 の 子 ど もの 世 話 を した 経 験 が あ る か 否 か 」「小 さ な 子 ど も と 遊 ん だ 経 験 が あ る か 否 か 」 の3種 類 に分 け て 質 問 した 。 まず 、子 ど も と の 接 触 経 験 に 関 す る 結 果 を 図2に 示 し た 。 「赤 ち ゃ ん を 抱 く」 「小 さ な 子 ど も と遊 ぶ 」 で は 、 全 然 な い 、 あ ま りな い と経 験 の な い もの が 約 半 数 で あ っ た の に 対 し、 き ょ うだ い や 親 戚 の こ ど もの 世 話 に な る と、 少 し あ る 、 か な りあ る と答 え た もの の合 計 が 、72.1%と 経 験 の あ る もの の ほ うが 多 くな っ て い た 。 こ の接 触 経 験 に 関 す る 質 問 に 、 「全 然 な い 」 「あ ま りな い 」 と回 答 した も の を 「経 験 な し群 」、「少 しあ る」 「か な りあ る 」 と回 答 した もの を 「経 験 あ り群 」 と し、 因子 分 析 に よ っ て 抽 出 さ れ た 因 子 ご との 合 計 点 を2群 間 で 比 較 し た 。 そ の 結 果 、 表 5の よ う な 結 果 が 得 られ た 。3つ の 経 験 項 目 と も に 、「子 ど も好 き」 因子 の 点 数 が 経 験 あ り群 で 有 意 に 高 く な っ て い る と 同 時 に 、「拒 否 」 因 子 で も 、経 験 あ り群 の ほ う が 有 意 に 点 数 が 高 くな っ て い る と い う結 果 を 示 して い た 。 そ の 他 に は 、 き ょ う だ い や 親 戚 の 子 ど もの 世 話 を した こ と が あ る 群 で は 「親 に な る こ とへ の 自己 認 識 」 因 子 の 点 数 が 高 く、 小 さ な こ ど も と遊 ん だ 経 験 の あ る 群 で 、「子 育 て へ の 関 心 」 因 子 の 得 点 が 高 く な っ て い た 。 5.考 察 親 に な る こ とへ の 意 識 に つ い て 高 校 生 ・大 学 生 と、 子 育 て 中 の親 を 比 較 し た結 果 、 全 体 的 に 、 親 の ほ うが 点 数 が 高 くな つ て い た こ とは 、 子 育 て 中 の 親 が 、 青 年 期 の 発 達 を 遂 げ て い るPこ と に 加 え 、 子 育 て に よ つ て 親 自 身 に 人 格 の 発 達 が お こ っ た6)結 果 で あ る と考 え られ る 。「子 ど も は 男 女 が 協 力 し て育 て る もの 」「子 ど もの 成 長 の しか た を知 る こ とは 大 切 」 の 項 目で 有 意 差 が み ら れ な か っ た こ とに つ い て は 、 子 育 て に 関 す る一 般 論 と して 、 高 校 生 か らす で に そ の よ う に 認 識 され て い る こ とが 考 え ら れ る。 次 に 、 「拒 否 」 因子 に お け る項 目 の 違 い は 、 親 で は 、実 際 の 子 育 て を通 して 拒 否 感 を 抱 く事 柄 が 具 体 化 して い る の 対 し、 高 校 生 ・大 学 生 で は 、 子 育 て に対 して 抱 い て い

(5)

表4「 親 に な る こ とへ の 意 識 」 の 因 子 分 析 結 果(高 校 生 ・大学生の場合) *赤 ちゃん を見 て いるだ けで楽 しくな る *小 さな子 どもと遊 ぶ の が 好 き *小 さな子 どもに興 味 が ある *赤 ちゃん を見 ると抱 きしめ た くな る *赤 ちゃん の子 守 りをす るの は おもしろい *小 さな子 どもの 相 手 をするの はつ ま らない 子 どもを扱 う職 業 につ きたい と思 うことが ある 赤ち ゃん の 世 話 をす るの は つま らな いと思 う *子 育 ては 楽 しいもの だ *子 どもは 男 女 が 協 力 して 育 てるもの *子 どもを育 てると親 も成 長 す る *子 どもの 成 長 の しか た を知 ることは大 切 だ *子 育 て は 人 と人 の つきあ いで ある *子 どもは 人 格 をもった存 在 で ある *親 は 子 育 てを通 して社 会 にも 目を向 け るべ きだ 子 どもが うるさくして いるとイライラす る 赤 ちゃん の泣 き声 が 耳 障 り *赤 ちゃん のお む つを替 え るの は嫌 だ 子 どもを育 てて いる間 、親 は 自 由 な時 間 が 減 る 父 親 より母親 の ほ うが 子 どもを育 てるの に向 い てる * 小 さな子 どもは親 の いうことに従 うべ きだ 子 育 ては 毎 日毎 日同 じことの 繰 り返 しであ る 私 は よい親 になれ ると思 う 私 は将 来 子 どもを育 てた くな い 新 聞 な どの子 育 てに 関す る記 事 をよく読 む 累 積 寄 与 率 *印 は 子 育 て 中の 親 と一 致 してい る項 目を示 す

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る イ メ ー ジ が も と に な っ て い る た め と考 え ら れ る。ま た 、 高 校 生 ・大 学 生 で は 、 子 ど も との 接 触 に よ っ て 、 子 ど も が 好 きに な る 反 面 、 子 ど も や 子 育 て へ の 拒 否 も起 こ っ て い る こ とが わ か っ た 。 こ の こ と は 、 子 育 て 中 の 親 は 、 赤 ち ゃ ん の 泣 き声 が 耳 障 り と か 、 子 ど もが う る さ く して い る と イ ラ イ ラす る の は 、 子 ど も好 き に 関 連 して い る して い る の に対 し、 高 校 生 ・大 学 生 で は 、 子 育 て や 子 ど もへ の拒 否 と 関 連 して い る こ と か ら 、 子 ど も と接 し た 時 の 状 況 に よ つ て 、 そ の 経 験 が か え っ て 、 親 に な る こ とへ の 拒 否 につ なが る危 険 性 を も っ て い る の で は な い か と考 え ら れ る。 今 回 の 結 果 か ら 、 高 校 生 や 大 学 生 の 世 代 の 、 親 に な る こ とへ の 心 理 的 な準 備 状 態 を高 め る た め に は 、 子 ど も と の 接 触 が 有 効 で あ る と考 え ら れ る。 しか し、 経 験 した 内 容 に よ っ て は 、 拒 否 に もつ なが る とい う危 険 性 を も っ て い る た め 、 子 ど もが 好 き に な る と か 、 子 育 て へ の 関 心 を 高 め る とい う こ と を 目的 と して 、 子 ど も との 接 触 を思 春 期 教 育 に 取 り入 れ る場 合 、 十 分 な注 意 が 必 要 で あ る と考 え られ る 。 ま た 、子 育 て に つ い て 、想 像 の み で 悪 い イ メ ー ジ を 持 た せ る 可 能 性 や 、 良 い 部 分 だ け しか 認 識 させ な い 可 能 性 を もっ て い る こ とが 考 え られ た 。 しか し実 際 に子 育 て を す る に は 、 ど ち ら も子 育 て や 子 ど もへ の拒 否 を も た らす 危 険 性 が あ る た め 、 子 育 て の 様 々 な 面 を 知 る 機 会 を 提 供 し、そ の 中 で 自 分 自 身 で 子 育 て とい う も の を考 え 、 将 来 を 計 画 で き る よ う に す る こ と も必 要 で は な か い と 考 え る。 今 回 の 調 査 で は 、 子 育 て 中 の 親 の 数 が 少 な く、 男 女 比 に も偏 りが あ っ た 。 今 後 こ の 点 を補 っ た 上 で さ ら に検 討 す る 必 要 が あ る と考 え ら れ る 。 ま た 、 子 ど も と接 した 経 験 の 内 容 を さ ら に 細 か く分 類 して 、 親 に な る こ とへ の 意 識 との 関 係 を明 らか にす る こ とで 、 思 春 期 教 育 に 子 ど も との 接 触 を取 り入 れ る こ との 有 効 性 な どが 明 らか に な る の で は な い か と考 え る。 この 点 に つ い て も、 さ ら に 追 加 の 調 査 を行 い 検 討 を加 え る 必 要 が あ る と考 え る 。 6.ま と め 親 に な る こ とへ の 意 識 につ い て調 査 した 結 果 、 子 育 て 中 の 親 と高 校 生 ・大 学 生 で は 、 ほ ぼ 同 じ因 子 で構 成 さ れ て い る こ とが わ か っ た 。 ま た 、 高 校 生 ・大 学 生 で は 、 子 ど も と接 し た経 験 が あ る 場 合 の ほ う が 子 ど も好 きに な る 反 面 、 子 ど も や 子 育 てへ の 拒 否 的 な気 持 ち も生 じて い る こ とが 明 らか に な っ た 。 こ れ らの こ とか ら、 親 に な る こ とへ の 意 識 を 高 め る た め に は 、 子 ど も との 接 触 の 経 験 が 有 効 で あ るが 、 そ の 場 合 、拒 否 的 な気 持 ち を 生 じ させ な い よ う注 意 して 進 め な け れ ば な ら な い 。 今 後 、 さ ら に 、 子 ど も と接 した 程 度 や 内 容 の 具 体 化 を 図 り、 親 に な る こ とへ の 意 識 を 高 め る た め の 援 助 方 法 と して の 、 子 ど も と の 接 触 の 活 用 方 法 等 に つ い て 検 討 す る必 要 が あ る 。 7.謝 辞 調 査 に ご協 力 下 さ い ま した対 象 者 の 方 々 、 石 田 病 院 成 本 勝 彦 先 生 、 足 立 病 院 畑 山 博 先 生 、 池 田 産 婦 人科 池 田 聡

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明 先 生 に 謝 意 を表 し ます 。

8.文 献

1)Erikson  F;. H.:Childhood  and Society(2nci  ed.),W. W. Norton,  New  York,1963,仁 科 弥 生 訳,乳 幼 児 期 と 社 会   1,343-345,み す ず 書 房,東 京,1977. 2)中 西 雪 夫.牧 野 カ ツ コ:高 校 生 の 「親 に な る こ と へ   の 準 備 状 態 」 と 保 育 教 育(第2報),日 本 家 庭 科 教 育 学 会 誌,32(2),55-59,1989. 3)牧 野 カ ツ コ,中 西 雪 夫:高 校 生 の 「親 に な る こ と へ   の 準 備 状 態 」 と 保 育 教 育(第1報),日 本 家 庭 科 教 育 学 会 誌,32(2),51-53,1989. 4)山 本 誠 一:思 春 期 ・青 年 中 期 の 発 達 と 人 間 関 係,看 護 場 面 に 学 ぶ 発 達 臨 床 心 理 学(後 藤 宗 理 編 著),118-  127,樹 村 房,東 京,2000. 5)桐 山 雅 子:青 年 後 期 か ら 成 人 前 期 の 発 達 と 人 間 関 係, 看 護 場 面 に 学 ぶ 発 達 臨 床 心 理 学(後 藤 宗 理 編 著),132-142,樹 村 房,東 京,2000. 6)柏 木 恵 子,若 松 素 子:「 親 に な る こ と 」 に よ る 人 格 発 達 生 涯 発 達 的 視 点 か ら 親 を研 究 す る 試 み,発 達 心 理 学 研 究,5,73-83,1994. 要 約 親 に な る 準 備 段 階 に あ る 高 校 生 ・大 学 生 の 親 に な る こ とへ の 意 識 と 、 子 ど も との 接 触 経 験 が 親 に な る こ とへ の 意 識 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 明 ら か にす る た め 、 高 校2年 生 男 女287名 、 大 学 ・短 大 生 男 女104名 、 現 在13歳 未 満 の 子 ど も を 育 て て い る 男 女240名 を 対 象 に 質 問 紙 調 査 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 高 校 生 ・大 学 生 で は 、 親 に な る と い う意 識 は 、 「子 ど も好 き」 「子 育 て に よ る社 会 性 の 発 達 」 「拒 否 」「親 に な る こ とへ の 自 己 認 識 」「子 育 て へ の 関 心 」 の5因 子 か ら構 成 され て い る こ と、 「子 ど も好 き」 「子 育 て に よ る社 会 性 の 発 達 」 で は 、 子 育 て 中 の 親 とほ ぼ 同 じ 構 成 に な っ て い る こ と が わ か っ た 。「拒 否 」に つ い て も 、親 の 「否 定 的 イ メ ー ジ」 と 「拒 否 」を 統 合 させ た 構 成 に な っ て い た 。 高 校 生 ・大 学 生 の 子 ど も と の接 触 の 経 験 は 、 親 に な る こ とへ の 意 識 の う ち 、「子 ど も好 き」の 要 因 を 高 め て い る 反 面 、「拒 否 」の 気 持 ち も生 じ させ て い る こ とが 明 らか に な っ た。 (平 成12年ll月30日 受 稿) (平 成13年1月16日 受 理)

参照

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