巻
頭
言
日本福祉大学大学院社会福祉学研究科
福祉社会開発研究 編集委員長
田
中
千枝子
2020 年は全世界が COVID−19 に翻弄され, 我々はいまだ激しい社会変動の渦中にあります. 新型
コロナウィルスは感染症として人としての関係性を変容させ, 個々人のライフスタイル, 対人コミュ
ニケーション, 集団行動, 地域社会における諸活動, IT など情報のマスコミュニケーション, 世界レ
ベルの人の移動, 経済・流通活動の停滞などグローバルに広く, また人や社会の在り方への思想哲学
としても深く, 人の人生/生活に甚大な影響を与えています. 今後さらに我々は With コロナの時代を
生活者として研究者として歩んでいかねばなりません.
日本福祉大学大学院の教育・研究活動も多大な影響を受ける中, 在学生は研究・調査活動の支障や
停滞から, 休学や復学を届け出ることも多くありました. こうした院生や修了生たちの多難な社会活
動とその上での研究活動を踏まえて, 今回 福祉社会開発研究 第 16 号をお届けします.
今回コロナ禍でも, 例年通り活発な投稿活動が行われ, 社会福祉学分野で論文 8 本, 医療福祉マネ
ジメント分野で 3 本, 福祉経営分野 0 本, 国際社会開発分野 0 本, 合計 11 本が集まりました. これは
前年度の 16 本に比べやや減っています. 応募者の投稿意欲は旺盛でした. 一方で全 11 本の投稿のう
ち最終的には論文 1 本, 研究ノート 2 本が採用となりました. 採用に至らなかった論文が 8 本 (うち
投稿辞退 6 本) になりました.
ここ 5 年ほどの投稿論文の増加以来の査読の傾向として, 1 次査読時点ではほとんどが C 評価であ
り, 各査読者からの厳しくも丁寧な指導が記載されています. また修正後の 2 次査読段階では, 投稿
者のほとんどが希望する 「論文」 ではなく, 「研究ノート」 や 「掲載不可」 との結果となり, 二者の評
価の開きが縮まらず最終的に第三査読として編集委員会預かりとなったものが 6 本出ました.
また今回査読結果後, とり下げを行ったものが 6 本出ました. これは 1 次査読で丁寧に指導されたも
のの, 2 次査読で評価がついてこない場合が多いようです. また研究ノートとの判定に対して別の学術
誌に投稿し直すことで, 博士課程関連の執筆資格を満たすようにすると考えることもあったようです.
社会福祉学研究 は, 大学院社会福祉学研究科が刊行する査読付きの研究機関雑誌です. 本誌は原
則として日本福祉大学大学院研究科院生. 修了者および研究生など関係者の研究発表の 「場」 として
設けたものです. そして本学大学院研究科の運営委員が編集委員会を構成し, 学会誌等に準ずる査読
体制を整えたものとして発刊してきました.
その活動が大学院教育制度とその内実の成熟化に伴って, 新たな事態や要求される機能に対応する
編集・査読方針, 査読体制等が問われております. 毎年その対応策を検討し続けておりますが, 研究
動向や考え方に対応する十分な働きになっていない反省があります. 本学大学院の教育研究制度・活
動の一環とした目的に合致した 福祉社会開発研究 になることについて検討いたしたく, ご指導・
お読みいただいた方々の忌憚ないご意見をいただきたくお願い申し上げます.