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小特集「「人工知能」表紙問題における議論と論点の整理」にあたって

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Academic year: 2021

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166 人 工 知 能  29 巻 2 号(2014 年 3 月) まさに「たかが表紙,されど表紙」であることを痛感 した今回の出来事であった.いわゆる学会の発行する学 会誌の表紙は,総じてその号の内容を記すことが目的で あり,デザインをどうするか云々などは二の次というの が実態であろう.本会学会誌においても設立されてから 20数年にわたり,ありがちなデザインと刊の内容を記 した表紙を続けてきたのであるが,Vol. 29, No. 1(2014) において,表紙の大改革という思い切った行動に出るこ ととなった.近年のインターネットの着実な社会生活イ ンフラ化やコンピュータの高性能化,そして Web の急 激な進化などを背景に,SNS やビッグデータ,クラウ ドといった新しいキーワードが一般誌でも普通に登場す るようになり,これらと同じく「人工知能」に対する注 目も高まりを見せつつあることがその大きな背景にあ る.本来,学会とはその学問に携わる研究者のための場 であり,学会誌に収録される記事もその想定する読者は 主として学会関係者である.しかし,本会のテーマであ る「人工知能」という研究分野は,人や社会と密接に関 わる学問なのである.人のような知能をもつ機械,すな わちロボットが登場すれば,それらは無論我々の生活環 境に入り込み,日常生活から介護に至るさまざまな場面 で我々と関わることになり,人工知能技術が社会生活イ ンフラの隅々に浸透していくこととなることが容易に想 像できる.今回の表紙問題において,我々が驚かされた のは,その反響が人工知能研究に関連する人々の範囲を 超えたさまざまな分野の多くの方々からあったことであ る.ここまで広く問題化してしまうことまでは想定して いない事態であり,人工知能というキーワードと社会と の距離が,我々が考える以上に近くなっていることに気 付かされた次第である.そして,一方,改めて表紙とい うメディアがもつ情報発信力の凄さを知ることにもなっ た.本稿が掲載される 3 月号(No. 2)の表紙を含め, 学会としての情報発信や,その号の特集を効果的に伝え るためのイラストなど,引き続き表紙づくりにも積極的 に取り組みたいと思う次第である. だからこそ,今回起こった問題について冷静に考察し ておくことは重要であろう.そこで,今回,「「人工知 能」表紙問題における議論と論点の整理」と題した特集 を組むこととした.まず,視覚表象研究の第一人者であ る池田 忍氏,山崎明子氏に,今回の表紙問題を,表紙 のデザインや寄せられたさまざまな意見や議論を照らし 合わせつつ大胆に考察・分析いただいた.さらに,実際 にネットにおいてどのような動きが起こっていたのかを より正確に記録,分析しておくことも重要であろう.そ こで,鳥海不二夫氏,榊 剛史氏,岡崎直観氏に「「人工 知能」の表紙に関する Tweet の分析」と題して,「人工 知能」の表紙問題が twitter 界隈でどのように捉えられ, どのような議論を生んだのかを明らかにしていただい た.そして,ヒューマンインタラクション研究において アクティブな若手研究者である大澤博隆氏には,これか らの人工知能と社会との関わりにおいて特に重要となる であろう擬人化の観点から,今回の表紙問題について考 察いただいた. いずれも読み応え十分な内容であり,ぜひ,一読いた だくとともに,その内容はもちろんのこと,毎号変わる 学会誌の表紙に期待していただきたい.

小特集「「人工知能」表紙問題における議論と論点の整理」にあたって

松尾  豊

(東京大学,編集委員長)

栗原  聡

(電気通信大学,副編集委員長) 図 1 人工知能 Vol. 29, No. 1(2014)表紙

参照

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