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研究会千夜一夜 : 放送コンピューティング研究グループ

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Academic year: 2021

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(1)Column. 研究会千夜一夜. BCC. 放送コンピューティング 研究グループ ▪図 -1 研究会の様子. 義久智樹 大阪大学 岡田謙一 慶應義塾大学 放送コンピューティング  すでに地上デジタル放送が開始され,2011 年には現 在のアナログテレビ放送から地上デジタルテレビ放送 への完全な移行が予定されています.また,インター ネットの普及に伴って放送と通信の融合が脚光を集め ています.このような背景から,放送を利用してコン ピューティングを行う環境に着目し,放送コンピュー BCC. ティング研究グループ(BCC : Broadcast Communication and Computing)は,放送分野のさらなる進展を目指し. ・放送型情報サービス ・放送エージェント ・放送通信融合アーキテクチャ ・放送型データベース ・放送プロトコル ・放送セキュリティ ・放送受信端末 ・放送知的インタフェース ・マルチメディア情報配信. 活動内容  放送コンピューティング研究グループでは,放送の関. て 2002 年に設立されました.. 係者に情報交換の場を提供するため,研究会やシンポジ. 研究テーマ. ▪研究発表会.  放送型配信は 1 対多の通信形態です.1 つのサーバが 複数のクライアントにまとめてデータを配信でき,各ク ライアントとの通信で発生するオーバヘッドを軽減でき ます.クライアントが増加してもデータ配信のコストが それほど変化しないため,クライアント数が非常に多い 場合に,通信品質を落とすことなく情報配信ができます. 特に最近では高機能な携帯電話や携帯型パソコンの爆発 的な普及により,人々は常に携帯端末を持ち歩いてコン ピューティングを行うことが当たり前になってきました. このような環境においては,多数のユーザに効率的なサ ービスを提供できる放送コンピューティングの重要性が ますます高まっています.  放送コンピューティングの研究分野は,通信方式に関 する研究や,効率的にデータを放送するための放送スケ ジューリングに関する研究,放送されたデータをいかに 蓄積するかといったフィルタリングおよびキャッシング に関する研究といった基盤技術に加え,放送型アプリケ ーション構築技術やエージェント技術,データベース技術 などさまざまな分野にまたがっています.以下は放送コ ンピューティング研究グループの主な研究トピックです.. 582. 情報処理 Vol.49 No.5 May 2008. ウムを運営しています.  放送コンピューティング分野の研究者による研究発表 会を開催しています(図 -1) .2007 年度では,5 月に静 岡大学にて単独で研究会を開催し,11 月に京都大学に て MBL,ITS と共催,1 月に群馬にて DBS,GN と共催で 研究会を開催しました.年 3 回の研究会を基本として おり,これまで 19 回の研究会を開催しています.研究 会ごとに優秀な発表を数件表彰し,若手研究者の啓蒙を 行っています.DICOMO の運営にも協力しています.. ▪国際会議  我が国の放送コンピューティング技術を世界的にアピ ールするため,国際会議 ICMU の運営に研究グループと して協力しています.. ▪シンポジウム,ワークショップ  放送コンピューティング分野に関する最新情報を提供 するため,シンポジウムやワークショップを運営してい ます.企業,大学の専門家による講演を主に,これまで 数回開催しています.放送コンピューティングシンポジ ウムや放送コンピューティングワークショップを開催し, 放送業界の著名な方々に講演をいただいています..

(2) BS. 1001 SIG Nights. SE. でなく,他の情報も放送することで良質のコンテンツを. ARC. 放送する研究も行われています.コンテンツの質や量を. OS. 求めると,コンテンツ全体のデータサイズが大きくなっ て帯域が不足するため,効率的にコンテンツを提供する. SLDM. 必要があります.. HPC.  通信の意味での放送コンピューティングでは,いかに. PRO. して複数のコンテンツを時間内に効率的に配信するかが 主な問題になります.たとえば,地上デジタル放送では,. AL. 1 つのチャネルを 13 個のセグメントに分割してセグメン. MPS. トをいくつかまとめて通信方式を規定することで,コンテ ▪図 -2 オリジナル論文集 放送コンピューティング. 他研究会. 研究グループ. ンツのビットレートに応じた放送を可能にしています.ワ. EMB. ンセグメント放送では,携帯型再生機を対象とすること. DPS. で,処理能力の低い小型端末に対して効率的な配信を可能 にしています.同じデータを繰り返して放送するカルーセ. HI CG. サイズ. A4. B5. ル放送において,コンテンツ受信までの待ち時間を短縮す. 表紙. カラー地. 白地. 論文. カラー. 白黒. る研究も行われています .放送帯域があらかじめ定めら. 締切. 発表の数日前. 発表の約 1 カ月前. 運営側負担. 大. 小. ▪表 -1 論文集の比較. 2). IS. れているため,限られた帯域内で視聴者がストレスなく再 生できるようにコンテンツを提供する必要があります.. FI.  放送コンピューティングの応用先は広く,放送コンピュ. AVM. ーティングと車車間通信やセンサネットワーク,ホームネ ットワークと組み合わせた研究も多数行われています.. GN. 今後の展開. DSM. きます.せっかくなので,放送コンピューティング研究.  先日開催されました情報処理学会短期集中セミナー. DD. グループでは,読みやすいオリジナル論文集を製作して. 「インターネット放送の現在と展望」 が大盛況でした.冒. います.図 -2 がこれまでの論文集の一部です.表 -1 に. 頭でも述べたように,放送のディジタル化,インターネ. 他研究会の論文集との比較を示します.サイズが A4 な. ット放送の普及により,我が国だけではなく世界的に見. のですっきりと棚に収まりやすく,カラー地なので背表. ても,近年放送型配信は脚光を浴びています.. 紙を見ただけで放送コンピューティング研究グループの.  放送コンピューティング分野は,2011 年地上放送の. 論文集が分かります.論文自体もカラーで情報量が多く,. 完全ディジタル化という大きな節目を目前にしています.. CSEC. 原稿の締切は発表の数日前と,発表ぎりぎりまで時間を. 完全ディジタル化により放送コンピューティング技術の. ITS. かけてクオリティの高い論文を執筆できます.ただし,. 重要性がますます高まります.来るべき真の放送通信融. 運営側で製作しないといけないためその負担は大きくな. 合時代のため放送コンピューティング研究グループはこ. ります.これまで,オリジナル論文集を製作してきた放. れからも活発な活動を続けたいと思います.. 送コンピューティング研究グループですが,論文集のオ. 参考文献 1)外池光雄,岡田謙一他:におい・香りの情報通信,フレーグランスジ ャーナル社 (Feb. 2007). 2)Yoshihisa,T., Tsukamoto, M. and Nishio, S.: A Scheduling Protocol for Continuous Media Data Broadcasting With Large-scale Data Segmentation, IEEE Transactions on Broadcasting, Vol.53, Issue4, pp.780-788 (2007). (平成 20 年 3 月 5 日受付). オリジナル論文集  研究グループは,論文集を自分たちでつくることがで. ンライン化に伴い,お手製オリジナル論文集もなくなっ てしまいました.残念.. 放送コンピューティングのトレンド  近年の放送コンピューティングは,インターネット放送 のようにサービスの意味での放送と,テレビやラジオとい った無線通信による通信の意味での放送とに大別できます.  サービスの意味での放送コンピューティングでは,い かにして視聴者の嗜好に合ったコンテンツを提供するか が主な問題になります.たとえば,GyaO は膨大な量の コンテンツを提供することで,カバーできる嗜好の範囲 を広くしています.YouTube では視聴者にコンテンツを 作成させることで,同様の嗜好を持つ視聴者にコンテン ツを提供しています.香り放送 のように映像情報だけ 1). BCC. MBL. QAI EVA. 義久智樹(正会員) [email protected]  2005 年大阪大学大学院博士課程修了,博士(情報科学) .2008 年 より大阪大学サイバーメディアセンター講師.ビデオオンデマン ド,センサネットワーク,放送型データベースに関する研究に従事. BCC 研究グループ幹事. 岡田謙一(正会員) [email protected]  慶應義塾大学理工学部情報工学科教授,工学博士.専門は,CSCW, グループウェア,ヒューマン・コンピュータ・インタラクション. 本会 MBL 研究会運営委員,BCC 研究グループ主査,日本 VR 学会理事, CS 研究会委員長.本会フェロー.. UBI NL ICS CVIM CE CH MUS SLP EIP GI EC. 情報処理 Vol.49 No.5 May 2008. 583. BIO.

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