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森林科学科総合実習の記録(平成19年度) ―船生演習林列状間伐試験地の基盤情報整備―

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森林科学科総合実習の記録(平成19年度)

−船生演習林列状間伐試験地の基盤情報整備−

A Record of Student Integrated Project in Forest Science Program (2008)

-Toward the development and the utilization of forest

information in line thinning experimental forests

森林科学科

Department of Forest Science

はじめに 森林科学科3年生の前期の最終週、夏季休業中から 後期にかけて「森林科学総合実習」(1単位)が実施 されており、この報告は平成19年度の同実習の記録で ある。授業の到達目標として、森林科学科に入学以 来、既習得の講義・演習・実験・実習で培った知識や 技術を活用して、森林科学に関する実践的な課題にグ ループで取り組み、自主的に実習の企画・調整・実 行・報告書作成・プレゼンテーションなどの能力を習 得することにある。総合実習の具体的な進め方として は、平成19年度の主題を「船生演習林列状間伐試験地 の情報基盤整備」とし、船生演習林の列状間伐地を対 象として、その間伐方法の有効性を検証するため、間 伐木と周辺自然環境(地形・土壌・植生など)に関す る計測データを収集し、具体的な問題点の抽出、その 解決に向けた提案を、班ごとの協働作業を通しておこ なった。中間指導日を含めて3回の成果発表会を行っ た。中間指導日には各班が配付資料を作成し、学科教 員全員が参加して指導・助言をおこない、それらを参 考にして班員が協力して課題解決をおこなった。平成 19年度の教員側担当者は田坂聡明、大久保達弘の2名 であった。 実施日程は以下の通りに実施した。 平成19年7月30日豺 16:00−17:00 第1回:趣旨説 明・班編成(@森林科学学生実習室) 平成19年8−9月:研究計画書作成 平成19年10月22日豺 14:30−16:00 第2回:研究計 画書の発表(具体的課題(目的)・調査項目・方法)、 班編成再調整、実習日程調整(@森林科学学生実習 室) 平成19年11月12日豺 14:30−16:00 第3回:実地調 査の中間発表、実習日程再調整(@森林科学学生実習 室) 平成19年12月17日豺 14:30−16:00 第4回:実地調 査の結果発表(@森林科学学生実習室) 平成20年1月21日豺 14:30−16:00 第5回:最終成 果発表練習(@森林科学学生実習室) 平成20年1月27日 第6回:最終成果発表(卒論発表 会後)(@大学会館多目的ホール) 平成20年2月29日貊:最終報告書の提出締切(@森林 科学科事務室) 成績評価は、実習の企画立案、実地調査、成果の取 りまとめと成果発表会、報告書作成ならびに授業への 取組姿勢などにより、授業科目の目標達成度を全教員 で評価した。目標達成度により優は80%以上、良は 70%以上80%未満、可は60%以上70%未満、不可は60% 未満とし、可以上をもって合格とした。 第1回:趣旨説明と班編成 期日:平成19年7月30日 豺 午後4時、場所:森林科学科学生実習室 趣旨説明:主題を「船生演習林列状間伐試験地の基盤 情報整備」とし、船生演習林の列状間伐地 を対象に、列状間伐の有効性を検証する目 的のため、1)間伐木資源、2)間伐木搬 出作業、3)間伐地の林内環境(地形・土 壌・植生など)をテーマにして計測データ を収集し、具体的な問題点の抽出、その解 決に向けた提案を、班ごとの協働作業を通 しておこなう。 基盤情報例 1)列状間伐木の資源量(蓄積、成長、空間配置など) 2)間伐木の搬出作業(材積、売り払い価格など) 3)列状間伐地の周辺環境(地形・土壌(土層厚、硬 度)・植生(林内照度)・気象 (温度、雨量、 風向・風速) 4)統合型情報収集システムとデータベースの構築 等 使用可能な測定装置・データ一覧 風向・風速計、温湿度計、雨量計、土壌水分計、pH メータ、LiDarデータ、林床の光環境(間伐以前)情 報収集システム(データロガー、無線LANシステム) 第2回:研究計画書の発表(具体的課題(目的)・調 査項目・方法)、班編成再調整、実習日程調 整(@森林科学学生実習室)期日:平成19年 10月22日豺 14:30−16:00、森林科学科学生 実習室 実習内容 1.班編成再調整、実習日程調整、2.研究計画書の 発表、3.実地調査・結果発表の進め方 1.班編成再調整、実習日程調整

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受講者班編成(森林科学科3年生(一部4年生))を 以下に示した。 1班:6名 伊藤 要、大澤智也、大野達也、大山香 織、大類 瞳、大輪信幸 2班:6名 鹿山敦司、川崎江里子、熊谷美里、桑野 将志、小林良太、酒井森 3班:6名 重松孝典、清水靖子、菅野孝昭、鈴木美 帆、田中真貴、塚田綾子 4班:6名 鶴見和樹、豊泉竜也、中川 遼、中山直 紀、中山みどり、橋本友里恵 5班:6名 馬場隼人、早川 宙、松本健太郎、三浦 貫才、三原康典、村上文美 6班:6名 村上智彦、山口麻衣子、吉岡俊知、吉田 佳右、吉田裕佑、吉永章人 以上 36名 2.研究計画書の作成と発表 具体的な研究課題名、グループメンバーと分担、目 的、調査内容、期待される成果、実地調査計画、計画 実行上の疑問点・問題点等をA4、1枚程度に取りま とめ、各班5分程度で説明する。その際、印刷原稿を 実習の前週金曜日までに担当教員に提出すること。調 査計画を立てる際には、調査項目に関連する森林科学 科および演習林の教員に実行可能性を相談すること。 研究計画書作成にあたっては手引き(付録1)を参考 にする。 3.実地調査・結果発表の進め方 調査は後期授業期間中や週末に行い、教員の助け等 が必要な場合は、適宜、関連する教員に相談するこ と。また、自家用車の運転には十分注意する。 1)実地調査の中間発表を11月12日に、結果発表を12 月17日に各班5分程度で発表する。その際、A4、 1枚程度の要旨に取りまとめ、印刷原稿を実習の 前週金曜日までに担当教員に提出すること。 2)各班の班長は班の学内打合せや実地調査の活動記 録(日程、参加者、活動内容)を取っておくこ と。 3)実地調査で演習林を利用する際にはあらかじめ担 当教員に連絡すること。特に、演習林職員の協力 や器材を借りる必要がある場合などは1週間前ま でに担当教員に申し出ること。 第3回:実地調査の中間発表、実習日程再調整 平成 19年11月12日豺 14:30−16:00(@森林科学 学生実習室) 第4回:実地調査の結果発表 平成19年12月17日豺 14:30−16:00(@森林科学学生実習室) 第5回:最終成果発表練習 期日:平成20年1月21日 豺 14:30−16:00、森林科学科学生実習室 実習内容 1.最終成果発表について 2.最終報告書・報告書抄録の提出について 1.最終成果発表について 班ごとに10分間の発表の後、3分間の質疑を行い、 全教員参加による評価を実施する。評価に当たって は、総合実習での作業内容を、1)企画立案、2)実 地調査、3)成果のまとめ、4)成果発表、5)報告 書に大別し、それぞれについて提出資料、発表結果を もとに採点する。 1.課題に対して適切な調査を立案している。 2.必要な調査が十分に行われている。 3.調査結果をもとに、十分な検討と内容のまとめが 行われている。 4.成果を分かりやすく発表し、質疑項目にも適切に 回答している。 5.提出された報告書は総合実習報告書として十分な 内容を持つ。 上記5項目について以下の標語により評価を行い、 実習担当教員が評価点に換算する。 A+(20点) A(18点):優 B+(16点) B(14点):良 C(12点):可 D(8点):やや劣る E(2点):劣る F(0点):不合格 評価基準の標準点は14点とする。 2.最終報告書・抄録作成の提出締切:2007年2月29 日(付録2,3,4参考) 第6回:最終成果発表(卒論発表会後)平成20年1月 27日:(@大学会館多目的ホール) おわりに 平成19年度の本実習は、宇都宮大学農学部付属船生 演習林の列状間伐地を対象に実施した。間伐はヒノキ 人工林の保育過程の中で重要な位置を占め、森林科学 科の分野横断的なテーマとしては適当であると考え た。各班が間伐試験地の光環境、風倒害、コスト面の 有効性、植栽木ヒノキの成長経過、長伐期施業への移 行、占有面積による枯死木予測の各テーマを提案し、 現地調査、中間成果報告、最終発表を実施した。一 部、班内での役割分担の偏りなど今後の課題も見受け られた。この森林科学総合実習は、各研究室での卒論 製作活動の準備段階として位置付けられる。教員側と しては、参加した学生がこの実習の中で習得した知 識、技術などを卒論作成へ向けて活用することを願っ ている。最後に、本実習に対してご協力いただいた演 習林教職員を始めとする関係者各位に厚くお礼申し上 げます。

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付録1 研究計画書作成の手引き Ⅰ.研究計画書の作成は以下の注意にしたがって進め ること。 1.計画書はⅡに示された項目にしたがって整理 し、内容を記述すること。 2.A4要旨1枚の文字数は1,600字前後、10.5ポイ ント、左右上下余白25㎜とします。 3.タイトル、見出しはフォントを大きくしたり、 太字にするなど工夫すること。 Ⅱ.計画書の具体的項目について 1.計画書タイトル 例)研究計画書(森林科学総合実習:第2回平 成19年10月22日) 2.研究課題名 内容が明確で、研究計画がどんなものかが端的 に示された課題名とすること。必要であれば、サ ブタイトルを付けてもかまわない。 3.グループメンバーと分担 責任者の氏名と具体的作業分担の内容を示すこ と。 例) 班名(1∼6班) ・担当責任者氏名(学籍番号) 課題検討の責任者 ・担当分担者氏名(学籍番号) 現地調査内容のま とめ ・担当分担者氏名(学籍番号) 地図作成、必要な 器材の選定 4.目的 課題を提案した動機や背景、本課題の目的など を具体的に述べること。 5.調査内容 調査項目や方法および調査地を具体的に記述す ること。調査地は**演習林**林班**小班な ど、明確に実行場所を示すこと。実行場所が広域 にわたる場合は、地図などを用いて場所を示すこ と。 6.期待される成果 この研究の意義・位置づけをふまえて「成果の 松竹梅」を予想する。「ここまでだったら梅、こ こまでできたら竹、そしてここまで成果を出せた ら松」など、研究の到達点のイメージを具体化さ せること。 7.実地調査計画 実地調査の準備打合せ・実地調査の日程(予 定)や調査内容を列記する。 8.計画実行上の疑問点・問題点 実地調査実行上の疑問点や問題点があれば整理 して示すこと。 9.引用資料 説明に使用した資料、計画を実施する上で重要 な資料を、引用資料として列記する。 付録2 最終報告書・抄録作成の手引き (提出締切:2007年2月29日) Ⅰ.報告書・抄録の作成は以下の注意にしたがって進 めてください。 1.報告書はⅡに示された項目にしたがって整理 し、内容を記述してください。 2.抄録は別紙の通りの書式にしたがって記述して ください。 3.タイトル、見出しはフォントを大きくしたり、 太字にするなど工夫してください。 Ⅱ.報告書の具体的項目について 1.課題名 内容が明確に示された課題としてください。必 要であれば、サブタイトルを付けてもかまいませ ん。 2.グループメンバーと分担 責任者の氏名と具体的作業分担の内容を示して ください。 例) ・担当責任者氏名(学籍番号) 課題検討の責任者 ・担当分担者氏名(学籍番号) 現地調査内容のま とめ ・担当分担者氏名(学籍番号) 地図作成、必要な 器材の選定 3.目的 課題を提案した動機や背景、本課題の目的など を具体的に述べてください。 4.調査地および調査方法 調査項目、方法および調査地を記述してくださ い。調査地は**演習林**林班**小班など、 明確に実行場所を示してください。実行場所が広 域にわたる場合は、地図などを用いて場所を示し てください。 5.結果 調査で得られた写真や地図などを示しながら、 明らかになった点、調査の結果をまとめて記述し てください。なお、引用資料以外の資料は、報告 書末に添付してください。 6.考察 実地調査により明らかになった項目を示しなが ら、計画が実施可能であることを示してくださ い。また、実行上の疑問点や問題点があれば整理 して示してください。最後に今後、本課題で提案 した情報の収集・活用方法に関する提言を行って ください。 7.引用・添付資料 説明に資料した資料、計画を実施する上で重要 な資料を、引用資料と添付資料に分け、資料リス トとともに添付する。

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付録3 宇都宮大学農学部森林科学科 「森林科学総合実習」 抄録執筆要領 宇都宮大学農学部森林科学科 2008年1月 原稿の提出 この要領に従って書かれたもの1部を期日まで に最終成果報告書とともに森林科学科事務室に提 出すること。事故に備えて必ず控えを取っておく こと。 用語及び制限ペ−ジ 白色のA4判縦長用紙を使用し、上下20㎜、左 右25㎜の余白をとる。横書きで題名、副題、氏名 (学籍番号)(班員全員)および2段組の本文を記 述する。なお、段組み間隔は6㎜とする。原稿の 長さは図表を含めて2ペ−ジとする。フォントは 題名、副題、氏名(所属)、キーワード、本文の 見出しをゴシック体(MSPゴチック相当)とし、 本文は明朝体(MSP明朝相当)とする。サイズは 題名を12ポイント、副題を10ポイント、氏名(所 属)、キーワードおよび本文を9ポイントとする。 数字およびアルファベットなどは半角とする。題 名は1行目から中央揃えで書き出し、副題がある 場合はその下に中央揃えで書く。1行あけて氏名 (所属)を右側に寄せて書く。 原稿の構成 構成は、抄録表題として宇都宮大学森林科学科 「森林科学総合実習」抄録集(発行年)、論文表題 (副題)、著者名(学籍番号)(班員全員分)、キー ワード(5つ以内、アルファベット順)、本文、 図表とする。(詳細は次ページ参照) 本文の書き方 本文はキーワードのあと、1行あけて2段組で 書く。各段は60行前後(題名・氏名等を含めな い)、1行文字数は24文字前後に設定する。フォ ントは明朝体とし、図表中の文字を除いて、和文 は1駒1字あて、英数字は半角文字を用いる。 文体は横書き、口語体で「・・・である。」、句 読点は、「。、」。数字は半角、年号は西暦とする。 新仮名遣いにより、学術用語以外は常用漢字を用 いる。原稿中に欧語を用いるのは、その必要があ る場合に限る。動物・植物名の和名は片仮名書き し、学名、数式等は必要に応じてイタリック体で 表示する。同じ学名が繰り返して出る場合は、2 度目以後は混同の可能性のない限り属名を略記し (Fagus→F.)、命名者名は必要に応じて省略でき るものとする。単位はメ−トル法による。 大見出しは、たとえばⅠ.はじめに、Ⅱ.調査 地と方法、Ⅲ.結果と考察、などのようにロ−マ 数字(ピリオド)を使用する。中見出しは1駒下 げ、1.2.3.の算用数字(ピリオド)をつけ る。それ以下の見出しは適宜とする。数字および 欧語(単位も)が2行にわたらないようにするこ と。単語などやむをえず2行にわたる場合には必 ずハイフンをつけること。 数式の書き方 数式は本文途中に入れず、必ず、別行とし1駒 分下げる。 図表の書き方 図の表題は図の下に、表の表題は表の上に、 図−1.表−1.のような見出し(ピリオド)を つけつづけること。図・表の表題の末尾に句読点 はつけない。図・表が小さすぎて判読困難となら ないようにすること。図についての説明書きは、 表題の下に簡潔に書き、凡例は図の余白もしくは 説明書きとして表題の下にかく、また軸の説明書 きと単位は必ず記入すること。表について、数値 の単位は、ひとつにまとまっていれば表の右上に 表示し、注は表の下にまとめて記述すること。縦 ケイは省略し、横ケイも最小限度にとどめる。

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付録4 各実習班の抄録 1班:列状間伐がもたらす光環境の変化 伊藤要(053501A)、大澤智也(053502Y)、松村達 矢(053504K)、大山香織(053505C)、大類瞳 (053506A)、大輪信幸(053507Z) キーワード:光環境、開空度、下層植生、列状間伐、 全天空写真 Ⅰ.はじめに 森林施業を行う上での間伐作業は、樹木の成長を促 す上ではもちろん、光環境を調整し下層植生を繁茂さ せ土壌の流出を防ぐ意味でも必要不可欠な作業であ る。しかし、間伐の際の間伐木の選木に手間がかかる ということで間伐作業が進んでいない森林が増えてい る。そのため、近年、間伐木の選木が容易な列状間伐 が注目されている。この列状間伐が定性間伐のように 光環境を調整できるのか知る必要があり、本研究では 選木が容易な列状間伐において光環境の変化がどの程 度見られるのかを知ることを目的とした。また、列状 間伐を行った前と後での光環境の変化を下層植生の変 化を検討した。 Ⅱ.調査地および方法 調査地は、栃木県塩谷郡塩谷町にある宇都宮大学附 属船生演習林4林班そ小班である。林況は、面積が 2.58ha、樹種はヒノキで2007年に列状間伐が行われて いる。1伐3残の箇所でのみ2006年に列状間伐が行わ れた。列状間伐地は、間伐方法によって1伐3残、2 伐3残、2伐4残、無間伐地の4つに分かれており、 その4箇所に6個ずつ、計24個のポイントを設置し、 そのポイント上で光環境を調査するために魚眼レンズ を用いて全天空写真を撮影した。撮影日は2007年11月 4日で天候は曇りである。また、同じポイントで2006 年11月22日にも全天空写真が撮影されている。魚眼レ ンズは、地面から50㎝の高さに設置し、露出を0と +0.3の2種類に設定し撮影した。2006年のものも同様 の方法で撮影されている。全天空写真は、解析ソフト CANOPON2を使用し開空度を算出した。2006年撮 影の写真と2007年撮影の写真の開空度を比較すること で光環境の変化を検討した。また、全天空写真を撮影 した各ポイントの斜面上部に50cmの点から1m×1 mのプロットを作成し植生調査を行った。植生調査は、 2006年のデータがないので今後、経年的に調査してい くものとする。 Ⅲ.結果および考察 1.結果 解析ソフトCANOPON2を使用し開空度を算出し た結果を示す。(図1)2伐3残、2伐4残、コント ロール区において2006年撮影の写真よりも2007年撮影 の写真のほうで開空度が大きくなるという結果になっ た。統計ソフトJMPを使用し多重比較検定を行った結 果を示す。(図2)植生調査の結果、各伐列の総種数 は1伐3残−63種、2伐3残−46種、2伐4残−39 種、コントロール1−4種、コントロール2−14種で あった。また、これらの植物体を木本、多年生草本、 一年生草本に分け分類したところ、1伐3残では33種 中、19種が木本、9種が多年生草本、3種が一年生草 本で2種が不明となり、2伐3残では27種中、15種が 木本、8種が多年生草本、2種が一年生草本で2種が 不明であった。2伐4残では23種中、11種が木本、8 種が多年生草本、1種が一年生草本で3種が不明。コ ントロール1では4種中、2種が木本、多年生草本が なしで、1種が一年生草本、また1種不明。コントロ ール2では11種中、4種が木本、5種が多年生草本、 一年生草本はなし、また1種不明となった。不明に は、科までしか同定できなかった種、同定不可能だっ た種を含む。また双子葉植物spは木本として考えた。 これらの植生調査のデータをもとに、プロットごとの 各種相対優占度を算出し、各伐列における優占種を取 り上げた。その結果、1伐3残は3種優占でチヂミザ サ・ヤブムラサキ・リョウブ、2伐3残は2種優占で ヤブムラサキ・タラノキ、2伐4残は1種優占でタケ ニグサ、コントロール1は3種優占でクロヒナスゲ・ スギ・不明、コントロール2は4種優占でミツバアケ ビ・タチシオデ・コゴメウツギ・ヤマウルシとなっ た。 2.考察 盧列状間伐前後の開空度の変化については1伐3残と 2伐3残、1伐3残と2伐4残では光環境の変化に 差が見られた。1伐3残の写真は間伐後の写真であ り、2伐3残と2伐4残のみが間伐の前後を比較し ているので、2伐3残、2伐4残は間伐によって光 環境が変化したと考えられる。そして2伐3残と2 伐4残の変化は統計学的に差がないことがわかっ た。また、コントロール区で開空度が増加している のは、間伐後に撮影した全天空写真に伐列が入って いるためと考えられる。これらのことから、列状間 伐によって開空度が増加し光環境が変化しているこ とがわかった。 盪下層植生については、1伐3残は1年早い2005年に 間伐を入れたため、出現種数、最大高ともに他の伐 列よりも下層植生は発達していたが、同年2006年に 間伐した2伐3残と2伐4残については成長量に有 意な差は見られなかった。木本類が入る以前には、 林床の環境に適応した植物が出現した。草本層の植 生は各生育地の環境条件を判断する指標になるた め、木本、多年生草本、一年生草本に分類したが、 どの伐列についても半数は木本が占め、次いで多年 生、一年生という結果になった。ここでの2伐3残 と2伐4残の差は、2伐3残の方が若干木本の占め る割合が多い程度で、ほとんど差は見られなかっ た。コントロール区については、コントロール自体 範囲が狭いことから、プロットC1−1・3は隣の 伐列の光が入り込み、光環境が改善された結果、成 長が促進されたものと考えられる。また、C1−2 については樹幹がほぼ閉鎖されている状態だったた め、下層植生は入ることができなかったものと考え られる。コントロール2についてもプロットC1− 1・3と同様のことがいえると考えられ、1個体の

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最大高がコントロール1と比較し小さいのは、間伐 作業における土壌の踏み荒らしによるものと思われ る。以上のことから、列状間伐における光環境の変 化による植生の違いは、間伐されて間もないために ほとんど差異はみとめられないという結果に至っ た。 2班:列状間伐地における風倒害の危険性 −風向・風速からの考察− 鹿山敦司(053508X)川崎江里子(053509M)熊 谷美里(053510)、桑野将志(053511X)小林良太 (053512)酒井森(053513H) キーワード:風向 風速 風倒害 列状間伐 ウィン ドサック Ⅰ.はじめに 近年、間伐されていない人工林が増えている中、コ ストの面で優れている列状間伐が注目されている。し かし、機械的間伐である列状間伐は、定性間伐に比べ て風倒害が発生しやすいとの報告もある。これらか ら、列状間伐地の風向・風速のデータを収集した後に 列状間伐と風向・風速の関係について考察し、さらに そのデータから列状間伐地と風倒害の関係について検 討することを本調査の目的とした。 Ⅱ.調査地および調査方法 調査地は、宇都宮大学付属船生演習林4林班そ小班 列状間伐地である。風倒害地の調査は、同演習林4林 班つ小班で行った。ここは、以前風倒被害に遭った場 所である。風倒害に遭いやすい場所の一例として、測 定を行った。 調査は、風向・風速を測る器具として手製のウィン ドサックを用いて行った。ウィンドサックは規格に合 わせて作製した(長さ:100㎝、大口径:28㎝、小口 径:22㎝)。事前に、風速計を用い、ウィンドサック の傾きとそのときの風速を記録するという風洞実験を 行った。その両者のデータを相対化させることで、ウ ィンドサックの傾きから風速を求めることを可能にし た。 各測点にウィンドサックを設置し、チームリーダー が時間を計り、1分毎に合図をした。その合図と同時 に、すべての測点における瞬間のウィンドサックの傾 きをデジタルカメラで同時撮影し、風向を記録した。 後日、写真からウィンドサックの角度を読み取り、風 速に換算した。 10分間において1分毎、計10回の風向・風速を測定 するのを1回の調査とする。そのような調査を何度か 行い、間伐列、残存木列、風倒害地の各測点での風 向・風速のデータを得る。 Ⅲ.結果および考察 1.間伐列  斜面上部に向かって吹き上げる風の各 測点間での風速に変化はみられなかった。吹き降ろ す風の風速は、風下に向かうにつれて増加する傾向 がみられた。これは、未間伐地や定性間伐地では風 速が減少することと比較すると、風の吹き方は無立 木地に近く、斜面の下方向が開けているので吹き降 ろしの風速が増加したと考えられる。 各測点間の吹き上げる風の風速に変化がみられな かったことより、間伐列に面した立木は、風倒被害 に遭う危険性が高いように思われる。しかし、気象 条件のみでなく、生育条件も加味して考えると、間 伐列に面していない立木の方が被害に遭う危険性が 高いと言われている。これは、間伐列に面していな い立木と面している立木の枝下高の違いによるもの である。列状間伐を行った後、間伐列に面している 立木には、十分な日光が当たるようになる。これに より、枝下高が低くなり、風が立木に与える力の力 点が低くなるため、倒れにくくなるのだと考えられ る。風の条件のみを見れば、間伐列に面している立 木は倒れやすいように思える。しかし、列状間伐に よる光環境の変化が、立木の風への耐性を強める。 2.残存木列  吹き上げる風は風向が安定しなかっ たため、信頼しうるデータが得られなかった。間伐 列と異なり、立木が密集している残存木列では、風 が立木に当たり分散されるため、入りこんだ風が一 方向に定まりにくいと思われる。 吹き降ろす風は、間伐列と同じく風速が増加する 傾向が見られたが、増加率は間伐列に比べ、小さく なっていた。これも、残存木による影響であると考 えられる。 3.風倒害地  風倒害地は、斜面に囲まれており、 各斜面から吹き降ろす風が下部に集まっていき、風 の吹き溜まりができることがわかった。斜面からの 吹き降ろし風がそこでぶつかり合い、不安定にな り、突風が発生する危険性があると考えられる。そ ういった場合、風倒害が発生しやすいということを 図2 多重比較検定の結果 図1 開空度の算出結果 (左から1伐3残、2伐3残、2伐4残、コントロールを それぞれ示す)

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確認できた。 Ⅳ.まとめ 今回の調査により、列状間伐地では、間伐列が風の 通り道になる傾向があることがわかった。調査の結果 のみを見れば、列状間伐地では、風倒害が起こりやす いと思われる。しかし、風倒害が起こりやすいと考え られる間伐列側の立木は、光環境の変化によって、枝 下高が低くなり、風倒害への耐性が高くなるといわれ ている。列状間伐を行うことで、風による影響を受け やすくなる一方、それ以上に風への耐性が強まるの で、風倒害は起こりにくいと考えられる。 3班:人件費と機械費から見る列状間伐の有効性 −伐採から搬出まで− 重松孝典(053515A)清水靖子(053516Y) 菅 野孝昭(053517U)、鈴木美帆(053519C)田中真 貴(053520U)塚田綾子(053521K) キーワード:列状間伐、ランニングスカイライン式、 索張り、定性間伐、、ジグザグ方式 Ⅰ.はじめに 列状間伐が近年普及してきている。それはコストの 減少、生産量の増加など多くの理由が挙げられる。そ こで3班では、伐採から搬出までの人件費と機械経費 に焦点を当てどのくらいの差が生まれるのかを調べ、 列状間伐の有効性を検討することを目的とする。 Ⅱ.調査地および方法 調査地は栃木県塩谷郡塩谷町大字船生7556の宇都宮 大学農学部付属船生演習林の4林班そ小班の2伐4残 区域と3林班ろ小班で行った。3林班ろ小班ではビニ ールテープによる索張り体験と、実際のワイヤーによ る索張り体験、その他にかかる時間を計測した。ま た、工学実習時に搬出・荷かけ・荷おろしなどタワー ヤーダによる集材時間を測定した。4林班そ小班(プ ロット20×83.7m)において、模擬選木を行い、ラン ニングスカイライン式、ジグザグ方式をビニールテー プにより索張り体験し時間を測定、また、樹木位置図 を作成した。これらで得られたデータより、4林班そ 小班における伐採・搬出にかかる作業時間を算出し、 その時間より人件費と機械経費を算出し、比較するこ とによって、列状間伐と定性間伐のどちらに有効性が あるか検討した。 Ⅲ.結果および考察 ランニングスカイライン式による定性間伐は3人、 列状間伐は4人、ジグザグ方式による定性間伐は7人 で行うこととして計算した。これは、各方式の作業工 程の内もっとも人数を必要とする行程の最低必要人数 に合わせたものである。ランニングスカイライン式に よる定性間伐は、搬出時の荷かけに2人、荷下ろし・ タワーヤーダの操縦に1人より3人となる。ランニン グスカイライン式による列状間伐は、搬出時の荷かけ に2人、荷下ろし・タワーヤーダの操縦に1人、プロ セッサの操縦に1人より4人となる。ジグザグ方式に よる定性間伐は、搬出時の荷かけに3人、荷下ろしに 3人、集材機の操縦に1人より7人となった。 1.選木 ランニングスカイライン式による定性間 伐と、ジグザグ式の場合において選木を行った。プロ ット内に144本あり、そのうち約4割を伐倒すること を目標に選木し、52本を選出した。選木に要した時間 は15分9秒となった。ただし、ランニングスカイライ ン式の場合は残存木への被害を考慮し、索を張るため に52本に加えて15本選木し、計67本選出した。 2.伐倒 列状間伐におけるランニングスカイライ ン式では、1本あたり1分47秒かかり、2伐なのでこ のプロットにおいては36本切ることとなる。また、木 から木への移動時間も考慮した。ジグザグ方式と定性 間伐のランニングスカイライン式では、伐倒・枝払 い・玉切りにかかる時間を標準工程表により算出し た。伐採木の材積は望高法(下式)により算出し、標 準工程表より1人1日あたり4.9m3作業できるので、 ジグザグ方式では4時間28分48秒、ランニングスカイ ライン式による定性間伐では13時間36分かかった。 v=2g/3×(H+m/2)、ここでg:胸高断面積 H:地上から望点高までの高さ m:胸高 3.索張り 3林班ろ小班においてランニングスカ イライン式をワイヤーにより索張りすると、往路 (133.05m)が5分25秒、復路(133.05m)が4分30秒 となった。次に同じコースをワイヤーに見立てたビニ ールテープで索張りすると、往路・復路ともに2分に なった。また、4林班そ小班(プロット20×83.7m) においてランニングスカイライン式をビニールテープ により索張りすると、往路(83.7m)が2分51秒、復 路(83.7m)が2分7秒となった。3林班ろ小班の結 果と、これらの結果により、このプロットにワイヤー で索張りをすると、往路が7分34秒、復路が4分46秒 かかることになる。次に、ジグザグ方式をビニールテ ープにより索張りすると、往路(91.7m)が2分52秒、 復路(81.6m)が2分28秒となった。3林班ろ小班の 結果と、これらの結果により、このプロットに索張り をすると、往路が7分46秒、復路が5分34秒かかるこ とになる。その他、搬器へのワイヤー取り付けにかか る時間は2分40秒、滑車にワイヤーをかけるときの安 全体取り付け時間は2分10秒、滑車にワイヤーをかけ る時間が2分05秒となった。 4.搬出(値はすべて1本あたり・1回あたりの値) 森林工学実習において、列状間伐のランニングスカイ ライン式では搬器上昇に9秒、空搬器移動に1.58m/ s、搬器降下が7秒、搬器からワイヤーを引く時間が 2分13秒、ワイヤーを木に巻く時間が25秒、林内へ退 避する時間が20秒、張り上げ時間が45秒、搬出が0.85 m/s、荷おろしが27秒、取り外しが9秒となった。 また、定性間伐のランニングスカイライン式では、玉 切りした状態で搬出するためこれらに木をワイヤーの 下まで運ぶ時間が含まれる。木を持って10m歩くのに 9.56秒、何も持たずに10m歩くのに6.88秒かかった。次 にジグザグ方式では、集材機の速度が7m/min.、荷 かけに59秒05、荷おろしが17秒35となる。 5.その他かかる時間 ランニングスカイライン式

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による列状間伐では、全木集材であるため、集材後に プロセッサによって枝払い・玉切りを行う。プロセッ サによる作業は1本あたり2分52秒かかった。 6.総作業時間 ランニングスカイライン式による 列状間伐では伐倒に1時間09分10秒、策張り(滑車数 1)に19分15秒、荷かけ・搬出・荷おろしに3時間36 分31秒、プロセッサによる枝払い・玉切りに2分52秒 (プロセッサは搬出と同時進行なため、最後の1本分の 時間のみを加える)かかり、合計が5時間07分48秒か かった。ランニングスカイライン式による定性間伐で は、選木に15分9秒29、伐倒・枝払い・玉切りに13時 間36分、策張り(滑車数1)に19分15秒、木を移動す る時間は、2人1組計1組で行い、短幹集材(1本の 木を3mで5つに玉切り)で335本にし、移動させる ので、45分39秒かかった。また、短幹を3本1組で搬 出すると、荷かけ・搬出・荷おろしに11時間19分40秒 かかり、合計が26時間15分43秒かかった。ジグザグ方 式による定性間伐では、選木に15分09秒29、伐倒・枝 払い・玉切りに4時間36分、策張り(滑車数16)には 46分37秒48、木を移動する時間は2人1組計3組で行 い、短幹集材(1本の木を3mで5つに玉切り)で 260本にし、移動させるので6分57秒かかった。また、 荷かけには4時間15分53秒、搬出に2時間53分19秒、 荷おろしに1分44秒01(荷おろしは荷かけと同時に作 業可能なため、ここでいう荷おろし時間は荷かけが終 わり荷おろしのみ行っている時間とする)かかり、合 計は13時間30分55秒92かかった。 7.作業にかかる人件費 1日8時間労働、時給 12,000円として計算すると、ランニングスカイライン 式による列状間伐では0.64日となり、1人あたり7,695 円となるので4人で30,780円となる。次にランニング スカイライン式の定性間伐では3.28日となり、1人あ たり39,376円となるので3人で118,130円となる。最後 にジグザグ方式の定性間伐では1.69日となり、1人あ たり20,231円となるので7人で141,618円となる。 8.作業に使う林業機械にかかる費用 タワーヤー ダにおいて、機械価格が18,000,000円、耐用年数が6 年、年間運転時間が1350時間、償却率が0.9、維持修 理率が0.96、年間管理率が0.065、燃料消費率が3.0L/ 時、燃料単価を125円、油脂費の燃料費に対する割合 を0.2とすると、機械経費は5450円/時となる。プロセ ッサにおいて、機械価格が26,000,000円、耐用年数が5 年、年間運転時間が900時間、償却率が0.9、維持修理 率が0.75、年間管理率が0.035、燃料消費率が2.0L/時、 燃料単価を125円、油脂費の燃料費に対する割合を0.2 とすると、機械経費は10844円/時となる。チェンソー において、機械価格が136,800円、耐用年数が3年、年 間運転時間が1350時間、償却率が0.9、維持修理率が 0.85、年間管理率が0.065、燃料消費率が2.8L/時、燃 料単価を125円、油脂費の燃料費に対する割合を0.2と すると、機械経費は486円/時となる。集材機におい て、機械価格が5,150,000円、耐用年数が7年、年間運 転時間が1350時間、償却率が0.9、維持修理率が0.96、 年間管理率が0.065、燃料消費率が2.8L/時、燃料単価 を125円、油脂費の燃料費に対する割合を0.2とすると、 機械経費は1,681円/時となる。ランニングスカイ式の 列状間伐では、機材はプロセッサ・タワーヤーダ・チ ェンソーが使われており、チェンソーは1.07時間(1 台)、タワーヤーダは3.61時間、プロセッサは1.73時間 それぞれ使用するため、機械経費は38,893円となる。 ランニングスカイライン式の定性間伐では、機材はチ ェンソー・タワーヤーダが使われており、チェンソー は13.6時間(3台)、タワーヤーダは11.33時間それぞ れ使用しているため、機械経費は81,577円となる。ジ グザグ方式による定性間伐では、機材はチェンソー・ 集材機が使われており、チェンソーは4.6時間(7台)、 集材機は2.89時間それぞれ使用しているため、機械経 費は20,505円となる。 9.作業にかかる費用 ランニングスカイライン式 の列状間伐には69,673円、ランニングスカイライン式 の定性間伐には93,390円、ジグザグ方式の定性間伐に は162,123円かかる。 10.考察 今回の調査では、作業時間について、ラ ンニングスカイライン式による列状間伐がランニング スカイライン式による定性間伐、ジグザグ方式による 定性間伐両方と比べて短くなった。また、人件費につ いても、ランニングスカイライン式による列状間伐が ランニングスカイライン式による定性間伐、ジグザグ 方式による定性間伐と比べて低い事がわかる。さら に、図1にあるように、各工程の生産性を比較しても すべての工程においてランニングスカイライン式によ る列状間伐が高く、有効性が見られた。だが、機械経 費については高性能林業機械を多く使う列状間伐は、 それほど有効性は見られない。これは、今回の研究の 結果だけでなく、平成8年3月に九州で行われた調査 結果から求めた値でも明らかである。しかし、この値 に人件費を加えた作業全体を考えると、列状間伐のほ うが安くなるため、有効性はあるといえる。 4班:列状間伐における間伐方法の違いによるヒノキ 人工林の成長量 鶴見和樹(053522C)豊泉竜也(053523A) 中 川遼(053524Z)中山直紀(053525)、中山みどり (053526M)橋本友里恵(053529A) キーワード:列状間伐、ヒノキ人工林、成長量変化 図1 定性と列状間伐での生産性比較 (単位:㎡/人・日)

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Ⅰ.はじめに 現在、森林経営を行っていく上で、持続可能性が重 要になっている。それには適切な管理を行って良質な 材を供給し続ける必要がある。その際、枝打ちや間伐 など様々な作業があるがその作業の中でも間伐によっ て林分の質を高めることが必要となる。 間伐そのものは1本1本の木を評価し間伐を行う定 性間伐が理想的ではあるが、近年は後継者不足などで 高い選木技術を持つ林業家が減っているのが現状であ り、また林業家の高齢化によって定性間伐を行なうの が困難になっている。そこで高い選木技術を必要とし ないことや大型機械による間伐木の搬出が容易な列状 間伐が注目されている。 列状間伐にはいくつかの間伐方法があり、その中か ら適切な施業を行わなければ育成木の形質向上は見込 めない。しかし、どの間伐方法が適切かという研究は あまり行われていない。したがって、本研究の目的は 船生演習林の列状間伐地の林分の成長が今後どのよう に推移するか見るための第一回目のデータ収集であ る。 Ⅱ.調査地および方法 調査地は宇都宮大学船生演習林4林班そ小班であ り、林齢45年のヒノキ人工林で構成される。斜面中腹 にある歩道から下に位置し、平均斜度は32°、最大斜 度は34°である。4林班そ小班は2005年に列状間伐が 試験的に行われ、南側から順に1伐3残、2伐3残、 2伐4残と入っている。間伐方法の違いによる影響を 防ぐため、1伐3残と2伐3残、2伐3残と2伐4残 の間にコントロール区を残してある。 船生演習林4林班そ小班の1伐3残、2伐3残、2 伐4残、コントロール地において全立木の胸高直径・ 樹高を測定した。その際、斜面を相対的に1伐3残、 コントロール①は斜距離で3分の1ずつに、2伐3 残、コントロール②、2伐4残は2分の1ずつ分け記 録した。1伐3残、2伐3残、2伐4残では、伐採し た列に隣接した列を外側、それ以外を内側として記録 した。 得られたデータを用いて、形状比の逆数D/Hを求め た。D/Hは1.4∼1.6が健全であるとされており、逆に 1.0前後になると林分の健全性は低下する。加えてD2H を算出した。今後の経年的調査の値と照らし合わせる ことで材積の成長量変化を見ることができる。間伐方 法ごとにそれぞれ胸高直径、樹高、D/H、D2Hの平均 をだした。また、斜面高・林分別の平均、内外・林分 別の平均をだした。それぞれの結果をJMPの多変量解 析にかけ、優位な差が認められるか調べた。その際、 枯死木は除外した。 Ⅲ.結果および考察(図1) 第1回目のデータの蓄積は完了した。1伐3残445 本、コントロール①457本、2伐3残235本、コントロ ール②183本、2伐4残338本、全1658本の立木のデー タ収集を行った。林分別データからコントロール②と 2伐4残が平均胸高直径、平均樹高ともに高く、コン トロール①が平均胸高直径、平均樹高ともに1番低か った。 またJMPの多変量解析においていくつかの有意な差 が認められた。林分別の各平均値では若干の差がみら れた。斜面高、林分別の各平均値では、どの林分にお いても下部の方が上部より成長していることが認めら れた(図1)。これは林縁効果及び斜面下部の土壌の 肥沃さによるものであろう。内・外側、林分別の各平 均値では有意な差はほとんど認められなかった。D/H の平均値においてはどの林分においても差はほとんど 認められず、その値は1.00∼1.15の間であまり良い状 態ではない。林分別(間伐方法別)と斜面高別のどち らがより強く林分の成長に影響を与えているかを調べ るために、2元配置分散分析法を用いた。その結果、 斜面高別の方がより強く影響していた。本研究では列 状間伐において、成長量の点から見てどの間伐方法が 適切であるかを明らかにするために、データの収集を 行った。その結果、現時点での各林分の状態を把握す ることができた。2元配置分散分析の結果より、現在 の各林分は斜面高別の影響を最も強く受けていること がわかった。これは、林縁効果及び斜面下部の土壌の 図1 斜面高、林分別の各平均値 どの林分でも下部の 方が良い成長を示している

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肥沃さによるものであろう。一方、列状間伐で最も影 響がでると思われた内・外間にはほとんど差が見られ なかった。したがって、現在の各林分の成長量の差は 立地環境の違いによるもので、間伐方法の違いによる 差はまだ表れていないものと思われる。 5班:列状間伐地における長伐期施業への移行の検討 馬場隼人(053530H)、早川宙(053531B)、松本 健太郎(053532A)、三浦貫才(053533Y)、三原康 典(053534U)村上文美(053536C)、キーワー ド:船生演習林、間伐、成長量、長伐期、材積 Ⅰ.はじめに 現在木材価格の長期にわたる低迷、林業労働力不足 などの問題をうけて、育林経費の軽減や優良木の供給 量から、長伐期林への期待が高まっている。それは環 境問題の関心が世界的に拡大し、森林による二酸化炭 素固定機能に対する期待が大きくなったことにより、 短伐期施業から長伐期施業への転換に拍車をかけてい る。 また、近年列状間伐が作業の簡易性、コスト面など から注目されている。現存の長伐期林は定期的に定性 間伐を行われたものなどが主流であり、定量間伐を用 いた長伐期林のデータは見つからなかった。そこで、 今回の課題の条件である列状間伐地の調査と組み合わ せて本研究では、1次間伐の際に列状間伐を用いた長 伐期林施業の方法及び結果を検討・考察することを目 的としたのである。 Ⅱ.調査地及び調査方法 調査地として本研究では宇都宮大学船生演習林・4 林班そ小班における1伐3残列状間伐地のうち、始ま りの3列を調査地と設定した。以下はその詳細であ る。 樹種:ヒノキ、林齢:47年、調査地面積:約0.188ha 調査方法として、研究時に試験地内における立木を 毎木調査したデータを参照し、過去に調査されていた 同じ範囲の樹木位置図と照合することで林分配置を考 える指標としてグラフを作成した。また、同じ船生演 習林内にある長伐期林の作業形態を参考にして、列状 間伐地における以後の間伐方法の検討をした。参考に した長伐期林は船生演習林2林班を−3小班、を−4 小班でそれぞれの小班内に2つずつプロットを取った もので、詳細は 樹種:ヒノキ、林齢:99年、総面積:1.044ha となっている。参考にした長伐期林は5年毎に定性間 伐を行っており、その前後でDBH及び樹高の毎木調 査を行っている。データは船生演習林の演習林報告に 記載されていたものを使用した。 参考にした長伐期施業地の選木基準は ①形状比の大きい順に選木する ②間伐材積は蓄積の10%程度とし、5年間の成長量を 超えない範囲とする ③林分配置を考慮する 今回はさらに、上記の条件に加えて、下層木、曲が りなどの形状や形状比の大きいもの、材積の小さいも のや、林分配置なども含めて選木した。このとき、形 状比は1.1以上を目安として選木した。 Ⅲ.結果 1.まず既存の樹木位置図と樹高、DBHのデータ を照らし合わせ、樹木の材積を円柱として計算し、デ ータを長伐期試験地のものと比較した(表−1)。 そして下層間伐、および形状比1.1以上のもの、曲 がりなどの下層木をエクセルで処理してグラフ化し、 林分配置の目安とした(図−1)。こうして得られた データを基に、長伐期試験地の間伐基準に従って選木 を行った。総材積の10%を選木し、選木した本数は41 本(うち下層間伐は17本)、間伐材積は16.7裙になっ た(図−2)。 Ⅳ.考察 今回採用された間伐は、長伐期施業地の間伐方法を 参考に選木したために、施業地と同様に5年毎の間伐 表−1.比較データ 図−1.形状比1.1以上の樹木及び下層木の位置図 図−2.選木後の位置図

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を考慮していることになる。表−1と選木した結果か らわかるように、実際は20年後までに本数密度から言 えばあと60本ほど切らなければならなくなる。しかし ながら列状間伐地は残存木の状態にばらつきがあるた め、一度に間伐を行うと風倒害や材質に影響が通常よ り出やすい。そのため一度に多量の間伐を行うことが できない。よって残りの60本は樹幹長率や、成長量を 考えて残りの15年間で間伐していくべきだという結論 に至った。 間伐木を材積から決めるこの方法では、頻繁な計測 と慎重な選木が必要になる。しかし実際の間伐におい ては間伐前後に計測をすることは非常に稀であり、間 伐量は作業者の見解に基づいたものになるため、今回 のように間伐材積10%という値に合わせるのは困難で ある。 一方で今回の方法では材積管理ができ、長伐期林と して理想的な形に持っていくことが容易であるという メリットもある。そのため列状間伐と定性間伐を組み 合わせることで、初期から定性間伐を行うよりも定期 的な間伐における作業の効率、コストの低減、伐倒木 による被害・風倒害の予防など様々なメリットが見込 むことができると考えられる。 しかしながら、今回は長伐期試験地の間伐基準に基 づき、間伐率10%として選木したが、林齢が47年、67 年と大幅に異なることから、その間伐率をそのまま用 いてよいかどうかという点で実行可能かどうかが大き くかかわってくるそれは本来ならば、間伐回帰年の成 長量だけ間伐することが望ましいからである。今後さ らに突き詰めるのならば成長量推移のデータと照らし 合わせ、林齢47年から67年までの20年間の材積成長量 をもとめ、間伐量とする必要があるだろう 6班:列状間伐地への占有面積の導入と枯死木予測の ための情報蓄積 と手法の整備 村上智彦(053537A)山口麻衣子(053539X)吉 岡俊知(053540A)、吉田佳右(053541Z)、吉田裕 佑(053542X)吉永章人(053543M) キーワー ド:列状間伐、ヒノキ林、枯死木、ボロノイ図、1伐 3残 Ⅰ.はじめに この研究において列状間伐を取り扱うわけである が、ここでは木材の有効活用こそが社会に対して総合 的に見た場合に利益につながるものと考え、総材積が 最大になるような林業経営を支持する立場をとるもの とする。植物集団の成長を考える場合に密度と個体と の間には密接な関係がある。それは樹木の成長につい てもいえることであり、密度管理つまりは間伐が林業 の中心的課題の1つであろう。この研究は第一に列状 間伐地において生育空間面積と樹木の樹高との間に枯 死についての相関を見出そうとするものであって、第 二にボロノイ多角形による列状間伐地の単木単位の生 育空間決定が適当であるか枯死発生のシミュレーショ ンを行い、時系列データと比較検討する。この生育空 間が列状間伐地においても林分密度と樹木の成長に相 関があるならば成長予測の定量化を可能にできるだろ う。 林分の成長予測をする上でさまざまな形のモデルが 用いられるが、この研究では単木距離従属モデルを用 いることとする。これは、単木間の距離を考慮に入れ た場合のモデルで、樹冠の拡張を通じての樹木間の競 争を考慮しているので、生育空間面積と樹木の成長と の間に相関が確認できれば樹木の成長と密度との関係 が分かり、間伐による占有面積の変化や残存木の成長 に対する効果を定量的に明らかにし得る可能性を有し ている。単木単位の生育空間つまり占有面積を画定す る方法としてボロノイ多角形による方法を用いる。ボ ロノイ多角形は平面上にいくつかの点が与えられてい るとき、その点が他のどの点に最も近いかによって分 割したときに形成される多角形で、対象木から隣接木 のそれぞれに直線を引き、直線の垂直2等分線の交点 を結ぶことで作図できる。このようにして作られた図 はボロノイ図という。ボロノイ多角形の面積は各個体 の占有面積を表す指標として用いる。 Ⅱ.調査地および方法 調査地は、栃木県塩谷郡塩谷町船生の宇都宮大学農 学部附属船生演習林4林班そ小班とした。方法とし て、まず、小班内の1伐3残列状間伐地とコントロー ル区において2箇所のプロットを設置した。そのプロ ットにおいて樹木位置図の作成、プロット面積の測 定、ヒノキの毎木調査を行った。毎木調査では樹高と 胸高直径を測定し、枯死木についても倒木でない限り 測定した。この時、測定木には白ペンキで番号を付け た。その後、材積、個体別占有面積の算出を行い、樹 高と占有面積、材積と占有面積の関係を示した。枯死 木の予測のためにすでに測定したコントロール区の枯 死木から枯死について回帰直線を作成した。この線を 枯死の基準として、線より下の個体が枯死するであろ うと予測した。1伐3残では列状間伐前の状態と、列 状間伐後つまり現在の状態とで枯死木を予測し、コン トロール区では1伐3残列状間伐地と同程度の定量的 間伐、つまり25%程度の強度の間伐を行うものと仮定 して、間伐前つまり現在の状態と仮想間伐後の状態で 枯死木を予測するものとする。今後、毎木調査は5年 毎に行うものとし、その際に全調査から枯死木の発生 があったかも確認する。各調査で、最初に作成した各 プロットの樹木位置図から樹木1本ごとの占有面積を 求めて樹高と調査結果との関係から今後の枯死木を予 測する。 Ⅲ.結果および考察 1.枯死線の相関 枯死線について樹高と占有面積 の枯死線の相関係数は0.582であり、材積と占有面積 のそれは0.597である。これらの数値のみからは枯死 についての相関が高いとはいえない。しかし、コント ロール区の全木からの樹高と占有面積の関係について の回帰直線は相関係数が0.119であり、材積と占有面 積の関係についての回帰直線は相関係数が0.097であ

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る。また、コントロール区仮想間伐後の全木からの樹 高と占有面積の関係についての回帰直線は相関係数が 0.190であり、材積と占有面積の関係についての回帰 直線は相関係数が0.063である。加えて、1伐3残列 状間伐地プロットの全木からの樹高と占有面積の関係 についての回帰直線は相関係数が0.095であり、材積 と占有面積の関係についての回帰直線は相関係数が 0.054である。これらを踏まえて考えた場合、枯死線 の相関は相対的に高いので一概に相関を否定するのは 早計といえる。 2.枯死すると予測される個体の本数 コントロール 区のプロットの面積は203.942㎡であり、枯死すると 予測される個体の本数は樹高と占有面積、材積と占有 面積の各グラフと各枯死線を対応させた場合に枯死線 よりも下方にプロットされた本数は、間伐前では前者 が22本、後者が17本、両者を満たすのが17本であっ た。間伐後では前者が7本、後者が8本、両者を満た すのが7本であった。推定枯死木本数の結果から、間 伐後では材積と占有面積の関係から推定される枯死木 よりも樹高と占有面積の関係から予測される枯死木の 方が本数の減りが激しく、このことから、コントロー ル区では、枯死が樹高の影響を受けやすいのではない かと考えた。1伐3残プロットの面積は301.902㎡、枯 死すると予測される個体の本数は樹高と占有面積、材 積と占有面積の各グラフと各枯死線を対応させた場合 に枯死線よりも下方にプロットされた数は、間伐前で は前者が27本、後者が27本、両者を満たすのが26本で あった。間伐後では前者が12本、後者が8本、両者を 満たすのが8本であった。推定枯死木本数の結果か ら、間伐後では樹高と占有面積の関係から予測される 枯死木よりも材積と占有面積の関係から推定される枯 死木の方が本数の減りが激しく、このことから、1伐 3残では、枯死が材積の影響を受けやすいのではない かと考えられる。 3.今後の考察対象と課題 枯死の発生率に違いが 出るのか、枯死の発生場所にそれぞれ傾向が見られる のかがあげられる。枯死予測と実際との結果が違うと すればその理由も考察項目になる。各プロットにおい て枯死の可能性の高い樹木について予測は可能となっ たが、実際に枯死する場合はそこからさらに占有面積 の変化が考慮されなければならず、集中的に枯死が発 生するということは考えにくい。つまり、今後の調査 においての結果から枯死木予測の傾向を読み取るしか できない。また、現段階において占有面積が1伐3残 列状間伐地において適応できるかどうかは判断できな い。枯死木のサンプル数も少なく、枯死線も適当かど うかは不明である。これらの不透明な点を明らかにし ていくことが課題として挙げられる。 (2009年2月26日受理) 図1 図2

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