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「働く幸せ」

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Academic year: 2021

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「働く幸せ」

著者

井上 勝雄

雑誌名

Econo forum 21 = エコノフォーラム21 : 学生と教

職員のインターコミュニケーション誌

17

ページ

31-31

発行年

2011-03-16

URL

http://hdl.handle.net/10236/7623

(2)

Econo Forum 21/ No.17 31 チャペル講話 私 た ち は 、 生 き る た め 、 さ ら に よ り 豊 か な 生 活 の た め 消 費 し ま す が 、 そ れ を 可 能 に す る 所 得 が 要 り ま す 。 所 得 を 得 る に は 、 誰 か が 買 っ て く れ る モ ノ を 生 産 し ま す 。 つ ま り 私 た ち は 、 社 会 が 必 要 と す る 働 き を し な け れ ば な り ま せ ん 。 こ ん な こ と を 入 門 的 な 一 著 に 執 筆 中 、 大 山 泰 弘 著 ﹃ 働 く 幸 せ  ∼ 仕 事 で い ち ば ん 大 切 な こ と ∼ ﹄ に 出 会 い ま し た 。   著 者 が 経 営 す る 日 本 理 化 学 工 業 株 式 会 社 は 、 チ ョ ー ク づ く り に 取 り 組 ん で き た 社 員 74 の 会 社 で 、 社 員 の 7 割 は 知 的 障 害 者 で す 。 そ れ は 、 ち ょ っ と し た 同 情 心 と ﹁ な り ゆ き ﹂ で 、 二 人 の 15 の 知 的 障 害 者 を 雇 用 し た の が 始 ま り で あ っ た 。   会 社 か ら 遠 く な い と こ ろ に 養 護 学 校 が あ り 、 あ る 日 突 然 、 一 人 の 先 生 が 訪 ね て こ ら れ 、﹁ う ち の 生 徒 の 就 職 を お 願 い し た い ﹂ と い う の で す 。 一 九 五 〇 年 代 半 ば の 当 時 、 知 的 障 害 者 に は 、 何 ら 施 策 は な く 、 彼 ら は 社 会 の ア ウ ト サ イ ダ ー だ っ た 。 大 山 氏 は 、﹁ と ん で も な い 、 無 理 な ご 相 談 で す ﹂ と 回 答 し ま す 。 数 日 後 、 先 生 は 再 び 会 社 に 来 ら れ る が 、 再 度 、 断 り ま す 。 い よ い よ 三 度 目 は 、 「 就 職 と は 申 し ま せ ん 、 せ め て 働 く 体 験 だ け で も 。 あ の 子 た ち は 、 こ の 先 、 施 設 に 入 り 、 一 生 、 働 く こ と を 知 ら ず に 、こ の 世 を 終 わ っ て し ま い ま す 」 。 こ の と き 、﹁ 働 く の が 当 た り 前 な の に 、 そ れ が 出 来 な い の は 可 哀 想 だ な ﹂ と 、 彼 に 同 情 心 が 生 ま れ ま す 。 そ こ で 、 2 週 間 程 度 な ら と 、 就 業 体 験 を 受 け 入 れ た の で し た 。   実 習 も 今 日 が 最 後 と 言 う と き に 、 作 業 チ ー ム の 代 表 格 の 女 性 が ﹁ 一 生 懸 命 に や っ て く れ る の だ か ら 、 雇 っ て あ げ て 。 私 た ち が 面 倒 を 見 ま す 。 こ れ は 、 み ん な の 意 見 で す ﹂ と 言 い ま す 。﹁ そ れ な ら ﹂ と 言 う こ と で 、 卒 業 と 同 時 に 二 人 を 採 用 し ま し た 。 大 山 氏 は 、 ち ゃ ん と 護 っ て く れ る 施 設 が あ る の に 、 満 員 電 車 に 乗 っ て 通 勤 し 、 工 場 で 一 日 中 働 か せ る こ と に 、 ど こ か 後 ろ め た さ が あ っ た よ う で す 。   あ る と き 、 禅 寺 を 訪 れ る 機 会 が あ り 、 祈 祷 後 に 用 意 さ れ た 食 事 の 席 で 、 寺 の 住 職 が 隣 に 座 ら れ た 。 何 か 話 か け よ う と 、﹁ う ち の 工 場 に は 知 的 障 害 者 の 人 た ち が 働 い て い ま す が 、 ど う し て 施 設 に 居 る よ り 、 工 場 に 来 た が る の で し ょ う ﹂ と 彼 の 口 か ら 飛 び 出 し た 。 唐 突 な 問 い か け に 、 ご 住 職 は 、﹁ 人 間 の 究 極 の 幸 せ は 4 つ で す 。 人 に 愛 さ れ る こ と 、 人 に ほ め ら れ る こ と 、 人 の 役 に 立 つ こ と 、 そ し て 人 か ら 必 要 と さ れ る こ と 。 障 害 者 の 人 た ち が 企 業 で 働 き た い と 願 う の は 、 社 会 で 必 要 と さ れ る の を 実 感 す る こ と で 、 本 当 の 幸 せ を 求 め る 人 の 証 な の で す 。﹂ と 。   こ の 後 、 大 山 氏 は 、 働 く こ と で 人 は 幸 せ に な る な ら 、 会 社 は 利 益 を 出 す と と も に 、 社 員 に 幸 せ を 提 供 す る 場 で な け れ ば と 考 え 、 あ ら た な 商 品 開 発 と と も に 、 健 常 者 と 障 害 者 が 同 じ 能 率 で 仕 事 が 出 来 る よ う 、 作 業 工 程 、 生 産 方 法 な ど 工 程 改 革 に 全 力 を 上 げ て 取 り 組 み ま す 。 そ う し て 、 知 的 障 害 者 が 主 力 の 会 社 を 作 り 上 げ た の で す 。   社 会 の 誰 か の た め に 働 き 、 所 得 を 得 る 、 こ れ は ﹁ 経 済 ル ー ル ﹂ の 一 つ で す 。 そ し て こ の 働 く こ と が 、 本 当 の 幸 せ に 繋 が っ て い る の で す 。 派 遣 切 り 、 ワ ー キ ン グ ・ プ ア 、 雇 用 格 差 と い っ た 、 お よ そ 働 く 幸 せ の イ メ ー ジ と ほ ど 遠 い 最 近 で は あ る が 、 大 山 氏 の 話 か ら 、 今 一 度 、 働 く 幸 せ を 考 え て み る べ き で は な い で し ょ う か 。 ■

2010年

6

月16日

水曜日

参照

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