第
654 回健康教育講座
「とても大切なオシッコの話」
開催日 平成18年10月18日(水) 講 師 社会保険中京病院小児科 都築 一夫 とかく毛嫌い、敬遠されがちなオシッコ(尿)ですが、とても大切なものなのです。 ● なぜ尿が作られるのでしょう? それは生命(生物)の進化と関係しています。生命は最初、単細胞生物として誕生しま したが、そこは約38 億年前の「太古の海」でした。やがて多細胞生物となり、動物も出現 しました。動物は海水から淡水、更に陸上へと生活の場を広げていきましたが、一貫して 体内に「太古の海」を保持することで、細胞が生命誕生の当時と同じ快適な環境にいられ る訳です。この体内環境(細胞外液)を維持するために腎臓が尿を作っているのです。 ● 腎臓はゴミ処理場?! 腎臓は、日々の生命活動(新陳代謝)の結果生ずるゴミ(老廃物)を尿として処理しま す。ゴミの多くは蛋白質が壊されたものです。蛋白を摂りすぎるとゴミが増えます。従っ て、腎臓病では食事の蛋白を制限するのです。 ● 腎臓にはこんな働きもあるのです 腎臓は体を弱アルカリに保ち、血圧をコントロールし、造血ホルモンを作ります。骨(カ ルシウム・リン)代謝を調節する機能もあります。 ● オネショウでお困りの方へ 小学1年生で10∼15%、中学1年生で 1∼5%に夜尿症があるといいます。多くは膀胱機 能が成熟すると自然に治るので、心配ありません。でも、時に多尿や尿路異常など治療を 要するものもあります。ことに尿路異常は腎不全の原因にもなります。 ● 子どもの発熱では尿路感染症も考える 膀胱尿管逆流などの尿路異常では尿路感染症(UTI)を起こしやすく、腎障害の原因になり ます。しかし、乳児のUTI は発熱・不機嫌以外の症状に乏しく、注意して下さい。 ● 尿量を減らすのも腎臓の大事な働き(尿濃縮力)です 沙漠など水分の少ない環境では、尿量を少なく(濃く)するのも腎臓の重要な働きです。 ● 子どもはみずみずしい 大人では体重の60%が水分ですが、乳児では 70%、新生児では 80%にもなります。 ● 脱水時には塩分の補給も! 脱水の時には塩分も失われており、水分とともに塩分も補給する必要があります。● 子どもの腎臓病はさまざま 成人の腎臓病は糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎が殆どですが、小児では様々な腎臓病が あります。多くは尿異常が病気発見のきっかけになります。でも、なかには余り尿異常の ない腎臓病もあり注意が必要です。 ● たかが検尿されど検尿 検尿は腎臓病の診断に重要ですが、正しい診断には尿を適切に採取する必要があります。