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技術家庭科における合理的実践力の育成について

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(1)Title. 技術家庭科における合理的実践力の育成について. Author(s). 奥野, 亮輔; 山田, 正; 蓬田, 幸男. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 21(2): 190-198. Issue Date. 1971-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4612. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . i ion (Secヒ i lof Hokkaido Univer ty of Bducat Journa on IC) s. Vo l .2 ,21 No. Feb , ,1971. 技術o家庭科における合理的実践力の 育 成 に つ い て 奥. 亮. 野. 輔. 北海道教育大学岩見沢分校工業研究室 正. 田. 山. 札幌市立陵北中学校技術科 蓬. 田. 幸. 男. 札幌市立白石中学校技術科. Ry6suke 。KUN0 Tadashi YAMADA, Yukio Y( )MOG工DA ; , l P i i R A b i l i b B i f t on rng ty in the Courses ing-up o easona e rac c ng ion on Junior High of Technology and Home Science Educat. I Schoo I Leve. SI. 緒. 言. 中学校の技術・家庭科教育は, 実習を通して生徒を教育 基本法の中に求められ ているような人 間に育成 するのが究極の目的であり, 中学校段階で実習を主体とする学習の必要性は, デ ュウイ )を引用 するまでもなく, 現在, この教育法は広く認められている. かっ ては, 技術・家 の言葉1 )について, 中学校の教育会で激論され 庭科の目標 が明確でなかったため, 技術・家庭科廃止論2 た こ と も あ る,. )にあるように 「実物を対象として, その中 現在では, 文部省教科調査官の鈴木寿雄氏の言葉3 に存在する幾 多の原理性や法則性などを生徒の五感に訴えながら 理解させ, その解決されたもの を基盤として, 生徒の創造的思考力を伸ばし, 実践力を育てて, そして高めていこうとするもの であり, いわば合理的実 践力の育成にある」 といわれているように 「合理的実践力の育成」 が こ の教科の本質であるといわれている, しかし, これだけではなく, それに加えるに 「労働観 や労 4 ) ことも必要であるといわれている, 働態度も 生徒に養わせる」 現在の日本 では, あるものをなすために試行錯誤的な行動をしていたのでは, 与えられた仕事 のみに追われて自分自身 の仕事・趣味・自由時間などを持つことはむずかしくなっ てきている,そ こで我々は長年の経験からどのようにすれば与えられた仕事を早くできるかを自然に体得し て い る. そして, これを学問的に発展させたのが経営学でいう工程管理・作業分析等であり, 現在さ わ が れ て い る PE R T (Program Evaluation and Review Technique, 或 い は, Performance ) と か 組 織 工 学 と い わ れ る も の で, 日 本 社 会 の あ ら ゆ る 面 ion and Review Te Evaluat chnique)5 -190-.

(3) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和4 6年2月. で多少とも応用されている, 日本の 義務教育課程の各科目では多少ともそれに類したものは訓練しているが, 系統立てては 実施していない, 例えば, 家庭科では衣服を製作する順序だとか, どのような機械・器具を使用 するかという問題や理科の実験順序などは, この応用例である, 現在の社会では, ある仕事をなすに当っ て1人1人に正確・高速・安全・安価・使い易さ等を 考慮して, それに対処できる人間を要求 しているので, 義務教育段階か ら, これらを系統的に学 習させる必要があると考える, この教育に最も適しているのが実習を主とした技術・家庭科であ り, この教科の目標より当然のことと思われる. 現在の教育で 「創造性を高める教育はいかにあるべきか」 といわれているように創造性を非常 に重要視している, これは1人の人間が一生の間に対処す べき仕事や出来事が多種多様化してお り,学校で学んだ知識が直接使用できることはほとんどまれで, むしろ対処する姿勢や対処すると きの基本的な考え方を身につけることが望まれ, 姿勢や基本的な考え方から知識を個々の仕事や )と考えられるので, 技術・家庭科の目標の 「合 出来事に対処できるように変えていくのが創造6 理的実践力の育成」 と 「創造性を高める教育」 とは一致するのである, )も述べているように, 現代の機械文明の中で物の製作過程や ここで問題になるのは恩田彰氏7 仕事に対処する態度はアメリカではほぼ完成しているが, なお, 社会には不平・不安が増大して いることも確かである. これを救うには, 美の創造から得られる愛であるとい われているが, 中 学校までの段階では美術教育と 技術教育とは表裏の関係にあるのである. これのどちらが欠けて も現代社会に生活するのに好ましいものではないし, 義務教育では 全教科を通して理想的な人間 を育成していくのである, S2. 目標 の捉 え 方. 技術・家庭科の目標である 「合理的実践力の育成」 は二分すると, 合理的な計画と, その計画 に従っ て行動することであり, 後者の行動は試行錯誤的な実習 を繰り返えすことによって得られ るものではなく, あくまでも生徒の能力にあった合理的な計画に従っ て実習 を積み重ねることに よっ て身につくものである, 無計画に実習 を繰り返えすことは生徒に技術・家庭科の目標を誤り 捉えさせ, 場合によっ ては実習に対するいや気を起こさせ, 実践力の減退になりかねない, よっ て, ここでは合理的な実習計画を作 ることを問題にすることが, まず必要になっ てくる 話を技 . 術科にしぼっ てみると, 実習は製図・木材加工・金属加工 ・機械・電気・栽培の6分野に大別で き製品を作るのに最も重点をおい てい るのは木材加工と金属加工である. しかし, 技術・家庭科 の目標からいって6分野に限る必要はなく, どんな作 業からも目標は達成できるが, 生徒の日常 生活に身近なものを取り上げることによって, 学習に興味をもたせ, その応用に も都合がよ いた めに, 6分野にしぼっ たと考えられる, これが技術科の具体的目標である生活を豊かにすること に つ な が る,. それでは, これら6分野と 「合理的実践力の育成」 との関連になっ てく るが, この考え 方の一 例と して本立て製作を通して説明してみる. 本立て製作過程は大別すると第1図のように4 ブ ロ ッ ク に 分 け れ る. そ して, こ の 第 1 ブ ロ ッ クでは大体のデザイ ン・製作費・製作期間などが条件として与えられる . 第2ブロックの合理的 な計画は第2図のように 安く・使い易く・美しく・安全に, という条件を考慮しながら設計製図 をする, ここでいう 「安く」 は, 製作工程の順序を上手にして安くするのではなく, 材料と加工 -19 1-.

(4) . Vo l ・21 No ,2. f Bducat id。 Uni i i ion I C) [ Ho l d t l。 Journa ver s くa on (Sect yo. 第. 図. 1. な 計 の意志 画 . Feb , ,1971. 加 工 作業. … 品. 製. . を少なくすることによっ て得られるものであり, 「安全に」 は, できあがった製品が安全 に使用 できるということです, そ して, この設計図に基づき作業順序・その作業に必要な工作機械・木 工具, また, 作業台や工作機械などの配置を 「速く・安く・安全に・正確に」 ということを考え ながらきめていくのが 「作業工程」 である. ここでいう 「安く」 は, 作業順序や合目的的な機械 ・器具を使用することによる作業時間の短縮に関係す るもの であり, 「安全に」 は, 作業順序や正 第. 回. 2. 合理的な計画. 実践 力育成. 安. 的 な. . 安. 設計製図. . . 速. 作業工程に 従った作業. 作業工程. . 評 反. 価 省. . に. ‘ こ. しい機械・器具の使い方などによっ て得られる安全である. 「早く」「正確に」 についても同様な 考え方ができる, さらに深めて考えると, 製図の3角法とか, 線の種類等, また, 技術科で使用 許可されているいろいろな機械・器具・道具と, それらのメ カニズムや理論等は, この 「合理的 実践力の育成」 にどう関連するかが問題になるので, 次に, これらを具体的に考えてみる. A 製 図 の 位 置 製図は第2図からわかるように, 作業工程図の作成と作業に必要であるから技術科の製図学習 は木材加工・金属加工・機械・電気の実習を合理的に計画するのに必要なものとして捉え, その 実習計画に合わせて製図学習の範囲を決めればよく, 製図の本にでてく るからといっ ていたずら に範囲を広げたり, 時間数を多くとることはさけるべきで ある, 実習から切り離して製図だけを学習することは, 第2図のサイクルを切ることになり 「合理的 実践力の育成」 を達成するには合理的ではない. しかし, 能率を上げるために製図の基礎を一定 期間は実習と切り離して学習することも止むをえない. ただし, 製図が 単に正確に・きれいに画 けたということを評価するのではなく, 第3図のように, 1サイク ルとして考え, 製図の範囲内 第. 製図を画く. 8. 回. 機図. 大図. 画図. 影而. き而. 法の. さの. 毒画. 序を. 合 理 的 図面 設計. 図而の製作. 図 図 而 面 個の 配の 置 秋. 選図必 択器要 具な の製. -19 2-. 評 反. 価 省.

(5) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 6年2月 昭和4. で技術o家庭科の目標を達成す るように学習させるとよい, この場合の評価は合理的な図の配置 ・大きさ・製作に重要な部分が充分に表わされているかというようなことである, 製図だけを考えると, 製作過程の 「安く・正確に・安全に・使い易く ・美しく」 の中で, 「安 全に」 は不必要であるが, 製図はあくまでも製作・修理過程に必要なもので, この面から考えれ ば, 「安全に」 は設計者の心の中に常に存在すべきである, B 工作機械・器具 の位置 工作機械・器具・道具等は製作過程での 「早く・安く o正確に」 等の目標を達成するのに必要 なものであるが, これらのものを深く 学ぶことは目標から遠ざかる可能性が ある, しかし, 使い 方を知らなかったり, それらの機械があることを知らなかったり, また, 間違った使い方をする ことも ま「早く・安く ・正確に・安全に」 ということが阻害されるので, 生徒には, これらの正し い取り扱い方と性能を教えることが必要と思われる. C. 理論学習の位置. どんな作業を行なう場合にも, その作業を正しくなしとげるために, その作業の基礎となり作 業を条件 づける知識が必要である. すなわち, 作業の過程には, その重要で不可分な部分とし て )は, これを技術的知識・一般的知識・職業指導的知 知的内容が含まれている。 フリックラ ソド8 識の三つに分類している, 技術的知識は, ある作業を行なう場合に, その作業につい ての正しい 判断を形成するため に 「知っ ていなければならない」 知識である, これには数学・理科・製図・ 技術の理論的知識・専門技術用語・安全に作業に関す る知識などである, 一般的知識は, 作業を 行なう場合に欠くことがで きないものではないが, 「知っていた方がよい」 知識である, これは 職業の社会的経済的な諸関係の知識と間接的であるが, 科学的基礎に関する知識であり, 直接に 作業に役立つよりも間接的に有用な一般的知識である. 職業指導的知識は, 学校および公共職業 訓練所で就職前の教育を受けている生徒に必要な知識で, 職業指導にとっ て意義のあるものであ る. このニつの中で, 技術科は一般義務教育の一部であることと, 高校進学率のたかまりより職 業指導的な要因はなくなり, 1番日の技術的知識が主である, これを技術科と関連させて考える と, 「木材加工」 では木材の性質・構造の力学的強さ等, 「金属加工」 では銅の性質・金属の切削. 機構・刃先角o構造の力学的強さ等, 「機械」 では原動機類のメ カニズム等, 「電気」 において電 気の働き・電子現象等, 「栽培」 においては肥料と草花の成長関係等, それぞれの分野で理論学習 が行なわれているが, これも 「合理的実践力の育成」 の一手段である. 例えば, 木材の性質・構 造の力学的強さを知ることは, 製品を 「安く・正確に・安全に」 作る前提条件となるし, 切削機 構を知ることは, 刃物を正確に砥 ぎ, 正しい使い方をす るようになり, それが 「安く」 等につな が っ て いく, 「機 械」 は 主 と し てメ カ ニ ズ ム を 学 習 す る が, こ れ も, そ のメ カ ニ ズム を 応 用 し て 製. 作過程における工作機械・器具・道具を能 率よく使用することや, 新しい機械・器具・治具等の 製作につながり, また, そのメ カニズムに適した使い方をするので, 技術・家庭科の目標と一致 す る も の で ある, こ の 場 合 に は, メ カ ニ ズム を 含 ん だ 物 を・作 る こ と が 必 要 で あ り,. 単 にメ カニ ズ. ムだ け の学 習 に 終 っ て は な ら な い.. 「電気」 と 「栽培」 については, 実習を除く と表面的には理科と一致するところが多いが, 「電 気」 については 「機械- 1と同じ考え方で, 現在の日本社会で電気 の恩恵に浴していないものが な いように, 物の製作過程において電気を利用したものが多数 入っ ているので, この電気の知識と 応用を身につけることは, 機械に安全装置をつけたり, ある機械に電気装置をつけることにより 他に使用できる機械に変えることにより, 「安全に・早く ・正確に」 物を製作したり処理す ること -193-.

(6) . vol ,21 No ,2. i do Univer i Journal。f H0kka i ion (Sec t t on IC) s y of Bducat. Feb , ,1971. ができるようになる, 勿論, 電気知識は, 電気器具の修理という形態をとって 製作過程の安全弁 的役割も果している. これも, できれば製作過程を通して目標達成ができればよいが, 基礎知識 や応用知識が上記4分野よりも狭いため, 機械的な製作だけで終わる可能性がある, 「栽培」 は前5分野の実習と違い, 生き物の育成という過程を通して技術・家庭科の目標に迫る のであるが, 時間単位も前5分野よりも長く なり, 計画も幾分違っ てく るが, 生産を上げたり, 思った日に開花させたりするための一連の手続きが必要である, しかし, 「栽培」 は前5分野より 技術・家庭科の目標から離れていることは否定できない,これは主として目標を達成させるための 根回しが技術的に難しいた めと考えられる. これは道徳の実践に非常によい教材ではなかろぅか, さ て, そ れ で は, こ の 理 論 学習 を どこ ま で 深 め る の が 適 当 か と い う こ と に な る が,. 深く 進 め る. と技術・家庭科廃止論にみられるように, 学習する目標が 違うにしても, 他教科, 特に理科との 区別ができなく なる, そこで, 「木材加工」 と 「金属加工」 の理論学習は, なる べく実習 時間に組み入れ, 上記と別の 理論研究, 即ち, 作業工程順序とか, 安く作るための木取り・デザイ ンとか, 工程順序の反省と 理想的工程の作成に重点を置く べ きである. 「機械」「電気」の理論学習は,基礎的な部品の働きや, その簡単なものが集まっ て できている物のメカニズムや働きの理解を実演や視聴覚機械によ っ て 教える程度にする. これだけでも応用できるようにするには時間がたりないので, 実習も含め て, 実演や視聴覚での教育は, 知識の定着性に重点が置かれて いて, 将来, 生徒の身の回りで起るだ ろう所の仕事に合理的な対処ができることを願っ たものと理解す べ きであり, 「木材加工」 や 「金 属加工」 の場合のように, 実習過程が 「合理的実践力の育成- ! の 第 2 図 の よ う な サイ ク ル に 完 全 に入るようにするのはむずかしく, 将来, 仕事に対処するときに入ることの方が多いのであるか ら, 扱い方によっ ては, 理科で行なう実習の中で身体の汚れるものを技術科に回したとしか受け 取られなくなる恐 れがあるので注意を要する, D. 作 業 の 位 置. 技術科における作業の目的は, 大別すると①心身の調和した発達をめざすこと, ②知識の定着 性をよくすること, ⑧合理的実践力の育成にあるのだが, ①, ②は⑧を実施することにより付随 す る も の で あ る.. 1年生の製図実習は 「木材加工」 ・ 「金属加工」 と切離されて行なわれること. が多いが, この場合は, 「木材加工」 ・ 「金属加工- 」 ・ 「機械」 ・ 「電気」 の実習で必要となるこ とを見越して, 当面, 知識の定着性を良くすることに重点がある, 「機械」 の実習は, 分解・修理とか, 模型を使ったメ カニ ズムの研究が多く, 生徒がその実習 全体を見通して計画を立てることはむずかしいが, 条件を良く与えることによっ て, 生徒自身で 設計.製作 ができるが, あまり条件をつけす ぎて, 工夫する自由度を奪っ てはいけない, 「電気」 の実習については, ア ンプ製作を例にとると, 配線図に従っ て組み立てる のが精一杯で, ア ンプ の設計や改良・応用は無理である, しかし, 「木材加工」「金属加工」 の実習においては, 製作す べ きものを生徒に明示すると, 自分の好む設計をし, 工作順序や使用機械・器具について, かな りの程度ま で計画を立て得る. これは, 木材や金属で出来てい る物に対 する知識が 「機械」 のメ カニズムや 「電気」 の働きを取り入れた物に対す る知識よりも豊富 であると同時に, 単純である た め です.. こ の こ と は, 設 計 段 階 で 生 徒 に い ろ い ろ な こ と を 考 え さ せ る こ と が で き, 今 ま で 記 し. た 「合理的計画」 をさせるのに都合 がよい. このようなこと から中学校段階では, 「機械」 や 「電気」 の経験・知識を 「木材加工」 や 「金属 加工」 の実習のように, 生徒に合理的実践力をつけるための実習としては捉えさせずらいので, -194-.

(7) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 6年2月 昭和4. 我々の理解としては, 将来, 合理的に仕事を遂行するために必要となることを見越して, 現在は 知識の定着性に重点をおいていると捉えている, さらに, あるものを製作する場合や, 仕事を遂 行する時には, 一人で行なう場合も多数の人が協力して行なう場合もある, この協同で行なう場 合は一人の場合と違って, 全工程の一部を担当することになるので, 見通しの必要がなくなり, 生徒が機械的に自分の仕事だけをすることになりかねないが, 反面, 合理的計画の中の 「速く・ 安く」・ 等の目的は, 分業することによっ て得られることが多いので, 技術科の実習には分業によ 「 る 流れ作業」 や, 週 ごと 作業内容を変える 「回転移動学習」 の経験も可能な限り取り入れるべ きである, このような作業を通して生徒は自分を集団の中 で作業している一員として捉え, 「合理 的実践」 を阻むものや, 促進させるものの存在を自覚し, 正しい労働観を身につけていくもの で .その製図を見て全体をだいたい見通せる ある, ただし, ある部品の製作だけを受け持つ実習は, 高学年で行なうのが望ましい. B. 技術史教育の位置. 技術科教育の中に技術史は, どのような位置を占めるかを考えるために, 技術・家庭科の目標 との関連を調 べる必要がある. この目標である 「合理的実践力の育成」 には, 上記の製図・理論 学習・作業等の必要性を説いたのと同様に技術史を考えるべきでなく, むしろ, それ以前の問題 として考えるべきで ある. 即ち, 「合理的実践力の育成」 が何故必要かを, より説得性をもっ て生 徒に感じさせるために必要な学習として捉えるべきである, であるから, 技術史の内容は時代・時代の大きな技術に関係する事件を説明するのでなく, そ の時代の社会の要請と関連 づけて考えさせる べきであるが, この学習が重要だからといっ て特別 に時間をとるのでなく, 実習 や理論学習のあい間に学習 する程度 でよい, m. 仮. 説. 実. 習. 「合理的実践力の育成」 を効果的に学習する方法は, 各地域, 各学校, 各先生方が工夫し実施し ) ていると思われるが, ここでは, デ ュウィ によっ て提示された5段階法によ る問題解決的思考9 l o ) f !喜田二郎氏 の理科における創造性開発の方法を応用したもので, 理科教育の実験学習 とか,j に用いられている仮説実験学習を技術科の授業に用いることを考えてみる. 仮説実験学習法は, 文部省でも取り上げられて, 昭和27年度改訂学習指導要領の理科編には, 次のような指導過程をあげている, ① 学習すべ き問題をはっ きりつかむ, ② 問題を解決す るために結果を予想し, 計画を立てる. ③ 計画に基 づいて, 研究や作業を続ける, ④. 研究や作業の結果をまとめる, まとめた結果を活用し, 応用してみる, となっているので, これを技術科 (家庭科も同様に考えられる) の実習授業にあてはめてみる. ⑤. と, 次 の よ う に な る の で は な い か,. ① ②. 製作す べきものの把握 製作するために必要なもの (設計図や使用す べ き機械等も含む) と, 作業順序の計画を立 て る,. ⑧ ④. 計画に基づいて作業を行なう, 作業結果を表にまとめる, 一19 5-.

(8) . Vol .21 No ,2. ⑤. ido Uni lof Hokka Journa i ion (Sec i t t ver s on IC) y of Educat. Feb . ,1971. 計画表と実習表 (実際に行なった工程表) との比較検討をして, その結果を応用して, 次 の作業計画を立てる.. ①に ついては, 教師より, かなり明確な形で生徒に提示される場合が多 い. これは, 限られた 学習時間で, 特定な機械・器具等を使用し, 特定な場所で実習するために, ある程度の制限は必 要であるが, できるだけ生徒の創意・工夫の入れる余裕 があることが望ましし ・ . ②については, 教科書中の設計図と作業工程表等に当るものを作成することである が, 教科書 中の表は, 一覧表的 になっ て い て機動性が少なく, 工程変更の場合は書き直すことが大変であり, ・よ て 中学2 しかも, この表から工程順序の良し悪しや, 創意・工夫を入れる余裕が少ない. っ , 年程度ならば, J I S規格=)にある工程図記号やPBRT記号を使用するとよい。 この工程図記 号やPERT記 号を利用するには, 生徒が使用できる工作機械の種類や性能も知らなけれ ばい け ないので, 1年 目む ま初歩的な教科書と同じ工程一覧表を作らせ, 工程図表の必要性と, 学校にあ ′ る工作機械・器具等の種類や性能について知らせる必要がある。 ⑧は, 工程図表と設計図によっ て作業を進めていき, 作業終了毎に実際の作業工程 と工程図表 との間に変更があれば, その変更理由を記録しておく. ④, ⑥は, 全作業が終了した後, 予定した工程図表と実施した工程図表を 比較し, 変更があっ た場合の変更理由の検討, 改善す べ きところがあれば, その改善した工程図表を書く. 技術・家庭科教育では, この④, ⑤の段階を軽視しが ち であるが, この検討こそ仮説実習授業 の最重点であるから, 充分に時間をかける必要がある. このような検討を しておくと, 次の実習 課題 が 与えられた場合, どのようなことに気をつければ 「合理的な計画」 を立てられる かを学ん で い る の で, て き ぱ き と 消 化 す る こ と が で き る。. この仮説実習授業は, 今までの実習授業よりも実習以外の時間を多く必要とするので, 多種類 の実習を経験きせれなくなる可能性もあるが, この授業方法を通して得る方が, より技術・家 庭 科の目標に近づ けると思われる。 そして, この授業より得た態度は, 何も物を製作する場合にだ け役立つのではなく, 日常生活全般に役立つと考えられる, 第4図 本 立 て 工 程 表 ①“ ( 2 )製 ⑨工 の. ” 作 程 作. 国面 準備. 表 図 表 成. . 2 4. . 2. 二 1 : 程表 確認. 2 3. . 5. 2 1. . 工具 { 与 準f. かんな すみつけ 仕上げ 1 1 6 3 . かんな ず 仕上‘. 穴あげ. 2 6. 仕上げ 綾 装 - 桧客 韮伍 ” 2 b2 8 7. - 1 2 9. 2 0. すみつけ. 1 8. 予想工程表と実際工程との 比較・検討・反省. ー196-. 1 4. 1 0. 欄仮 けずり. ^ ÷ ÷ -- 1 5u. 切断. 1 1. 1 2. 理想工程表の 作成. 9.

(9) . 北海道教育大学紀要 (第一部C). 第 21 巻 第 2 号. 昭和46年2月. 本 立て工 程 表. 第6図. ①材 料表 ②製 作 図 ③工程 表の 作 成 側板. 底板. ば. 5. 背板. さし. 班長 M. h l. h l. 検査 ↓. ↓. ↓. 署〆 回. 回. 回. のこ引き 2. 2. 2. さ. 丙. 夢 帯. . . . かんなかけ 3. 3. 3. 総プ回. 4. 学泉雲 ナ4. 4. 4 ンド. 6. 紙や すり 海て末 靭 靭. ン シ ナ ー 容器 M. 水. 井 り納がき7 ” とのれ 【 }がん ず 水 ”. 7 ′. ‐ 8. 8. F I止め 9. ?密 …. ぁて木 ウエス. 班長. 餅出し. とのれ } の一部 個人. ブ図 鑑 識,解 離) 雛‐ ,. 網 l o. 提出 W. 工. 程. 表. 本立ての製作を例にしているが, 工程表はj I Sを基本にして, ある程度つけたした個所もあ る, この2通りの製作工程表で, J I S規格の工程表は使用す る物を重点にしてあり, PBRT の方は順序の方を重点にしている, また, 同じ物を製作するのに, 順序が少し違うのは,PBRT の方は理想的な工程 (技術科の目標から理想的なものは, 機械は いつも使用 でき, しかも, 速く ・安く ・安全に・正確に等を満たしているもの) であり, J I S工程表の方は, 生徒が予想を立 -19 7-.

(10) . . Vo l ,21 No.2. lof Hokka do Uni i Journa i ion (Sect i t ver s on I C) y of Bducat. 第. Feb , ,1971. 図. 8. l l. 1 1 I. てるかもしれない 工程表である. V. む. す. び. 以上, 述べた技術科の目標を忠実に実行できるものは, 現在の実習方法では中学校の教材の中 には, 「木材加工」 と 「金属加工」 が最も良 い。 他の分野は縮少させるか削除してもかまわない. しかし, これは一つの考え方であっ て, 技術科の目標を広く 解釈して, 理科の教科と本質的には 区別されなく ても, 実習を通して学ぶという目標の設定や, 美の創造も含めると, 当然かわって くると思われる. また, 創造性の開発を第1目標にすることによっ ても変っ てくる。 この目標よ りみれば, 教材は, より多くの自由度をもっ たものが良 いことになる. すなわち, いろいろな製 作順序が可能なものである. これは, 学校にある機械・器具等が少ないためばかりでなく, 生徒 にどのような製作順序を選ぶのが最も良いかを学ばせたり, 製作の障害になるものは何であるか を知らせることにもなる. 参 考 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8 ) 9) 10 ) 1 1). 文. 献. 昭 森 19 5 2 , 総験主義の教育原理, 金子書房, 263一264頁 産業教育研究連盟 19 68 6頁 , 技術・家庭科教育の創造, 国土社,190÷20 樋 口 博 章 19 68 , 技術・家庭科の主体的学習, 明治図書, 7頁 産業教育研究連盟 1963 , 技術科大事典, 国土社, 8-14頁 加 藤 昭 吉 19 69 , 計画の科学, 講談社, 26頁 田 恩 彰 19 68 , 創造性の教育1, 明治図書, 1頁 恩 田 彰 196 8 , 創造性の教育1, 明治図書, 22頁 土井・長谷川等 19 69 7一68頁 , 工業技術教育法, 産業図書, 6 昭 19 52 5頁 森 , 経験主義の教育原理, 金子書房, 23 19 高 野 恒 雄 69 13頁 , 理科教育の理論と実践, 東洋館出版, 1 6 日本工業標準調査会 1966 , 工程図記号J I S Z 820 , 日本規格協会, 1-2貫. 一198-.

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