ミズバショウの花の細胞顆粒について : 呼吸に関する基礎的研究の一つとして
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(2) . VO1 ,23 .1 , No. i IC) i t i t on l ty of Educa on (Sec l of Hokkaido Univer s Journa. Sep t r l972 embe. ミ ズバ ショ ウ の花 の細胞 穎粒 につ いて美 --呼吸に 関する 基礎的研究の 一つと して~--. 桑. 山. 弥 寿 男. 北海道教育大学岩見沢分校家庭科教室. 佐. 藤. 直. 樹・宇 佐美. 正一郎. 北海道大学理学部植物学教室. 考の2 Spadix i 〇n the part n 乙ysにあす culate Granules i i - A Bas c Study on Respirat・on-- Yasuo KUWAYAMA i i do Univer t on s y of Educat Depar zawa Branch tmentof Home Economi cs , Hokkai ,lwami U h h i S I S d S AM i k Nao i ATo an oc 工o i do Univers t i y t Depar t ence tmentof Bo any y of Sc , Hokkai ,Facul. Summary ion were made on the paエ ー ion and electron mi fugal fract ionat c obse工vat Cent i crographi r d i f i i h i 6 t n e t c a h h h i o e r c l 1 a r a c s d i c c y e c L f 履 ね a s e i av ” spa x ce s w c p t cu1ate granu.es in ysc ion, rat res i stant respi l ioi s by ・ s of ground cel tated from suspens Starch gra ins and chloropl ast s were precipi tated from i d t a were precipi fugat t ofthe mi ion at 500xg f i ochondr s or lo minutes centr , an mo i 2 0 t f ion at 150 fugat oo xg or m nu es d b centri , the supernatant 賃ui. y , ioi l l l s of sshowed abundantsect AI 1 ofthe prepared electron micrographs ofthe spadix ce l l ions of chloroplast s in c e s of surface parts i tochondr ectron mi crographs showed sect a mi . E1 f d i a h f i i r f h l l t t s i i owe u e d i i f e r s s s e o , an sectons o ofthe spa x sectons o starc grans n ce s o nn , i i culum i c ret endoplasn・ n some cases.. ioi ly i Especi th Cyanideresistant respiration, son.e natures of particulate gr& ] wi al n connect l l scussed, nules i s were di n the spadix ce. 緒. 言. ミ ズバ ショウの花の呼吸 が青酸 や 一酸化炭素によ って阻害されないだけでなく, その酸素吸収量 ) ま た 遠 心 分 離 に よ る こ の 花 の ミ トコ ン ド が か え っ て 増 大 す る こ と に つ い て は す で に 報 告 した1 , .. ) この特異的な呼吸は通常の電子伝達系のほか リア分画について も, 青酸無阻害呼吸が示された2 .. 4 ) に, あ る 種 の b 型 チ トク ロ ー ム が 関 与 す る こ と に よ っ て 営 ま れ る こ と が 推 定 さ れ , さ らに, こ の ) b 型 チ トク ロ ー ム は ミ ズバ シ ョ ウ の 花 か ら精 製 さ れ 結 晶 化 さ れ た5 . 美 宇佐美正一郎教授還暦記念論文.
(3) . 第23巻 第1号. 北海道教育大学紀要 (第2部 C). 昭和47年9月. ヒ トをふくめて生物の酸素呼吸は, 青酸などいわゆる呼吸毒によ って阻害を受けるのが一般であ る.. われわれは, 呼吸生理学の一つの基礎的研究過程として, このような特異的呼吸機作をもつミズ バ ショウの花の細胞顕粒について, 遠心分離によるその分画と電子顕微鏡による観察とについてこ こに報告する. 材 料 と 方 法 r Z 北 海 道 に 自 生 す る ミ ズバ シ ョ ウ (Lys t ) の, 萄 が 開 き 花 穂 の 表 面 c霧Zの2 cの7 2 z s魂 のGB 7 2 se schot. に規則正 しく並んでいる一つず つの花からはおしべの突出する以前の時期の, 花を材料とした, 遠心分離による願粒分画のためには, 花穂か ら花の部分のみをそ ぎとり, ほぼ同重量の! 蓉砕液を 加え, ホモ ジナイザーを使用 して氷冷 しなが ら磨砕 し, 綿布を通した櫨液を遠心分離 した. 磨砕液 25 M 庶 糖・0 lmM EDTA・0 の 組 成 は,0 l m M MgC1 02 M ア ス コ ル ビ ン酸・0 02 M 燐酸緩衝 ・0 . . . 2 , .. 液. 8 pH 7.. と した. また, 順粒の細分のために, 40%~10%の庶糖密度勾配を用いた.. 各 種 順 粒 の 同 定 の た め に は, 光 学 顕 微 鏡 に よ る 観 察, ヨ ー ド・ ョ 【 ドカ リ 液 や ヤ ヌ ス ・ グリ ー ン B 液による染色性 色素抽出による分光分析等のほか 電子顕微鏡による観察をおこなった , , .. 花の各組織の電 子顕微鏡による観察のためには, 1 %四酸化オスミウム固定のうえ, メ チル・メ タ ア ク リ レー ト 3:n-ブチ ル ・メ タ ア ク リ レー ト 7 の 樹 脂 に 包 埋 し, 切 片 を 作 製 した ,. 結 果 と 考 察 ミ ズ バ シ ョ ウ の 花 を 磨 砕 し綿 布 を 通 した 櫨 液 を 500xg , 10 分 間 の 遠 心 分 離 に よ っ て, 第 1 図 に 示 した よ う な, 4層 の沈澱物がえ られた. 下層か ら黄緑色の細胞塊・細胞壁層, 黄色の花粉層, 白. 色の澱粉; 顧粒層, および, 薄緑色の葉緑体層であ った. これらは光学顕微鏡による観察で確められ 澱 粉 野 粒 に つい て は ヨ ー ド・ ヨ ー ドカ リ 液 に よ る 染 色 性か ら も 確 か め ら れ た. ま た, 葉 緑 体 に つ い て は ア セ ト ンに よ る 色 素 抽 出 の う え 分 光 分 析 を お こ な い, ク ロ ロ フ ィ ル a お よ び b の存在を確認. した. 500xg , 10 分間の遠心分離上燈液について, 遠心力をさらに増加させてゆくと, 葉緑体破 oooxg 片 と と も に ミ ト コ ン ドリ ア が 沈 澱 層 に あ らわ れ, 15 , , 20 分 間 の 遠 心 分 離 で ミ トコ ン ドリ ア は ほ と ん ど沈 澱 した. そ して, そ の 上 澄 液 は 透 明 帯 赤 褐 色 と な っ た, ミ トコ ン ドリ ア に つ い て は,. 3. 彫彩 0分間の遠心 第1図 500xg ,1 分離による沈澱層およ び上澄液 1 . 細胞塊・ 細胞壁層 2 . 花粉層 3 . 澱粉駅粒層 4 . 葉緑体層 5 , 上澄液. 0xg 第2図 50 , 10分間上澄液の 5 00OXg , , 10分間沈澱物の 40%~10%庶糖 密 度 勾 配 1 ( ) 0oxg ミ , , 60分間遠心分離 による分画 1 , 澱粉順粒 2 . 葉緑体破片および ミト コ ン ドリ ア. 3 . 上層. 第3図 ミ ズバツョウの花の模式図 1 . 花被 2 . めしべ 3 , おしべ 4 . 花の基部.
(4) . l Vo ,23 .I , No. i ion ( Sec i 工C) lof Hokka ido Univer t t t Journa s on l y of Educa. ー 総燕滴 ≦------/ム 津. 1 . 花被の表面部分. Sept ember l972. . 2 , 才だ被の中央部分. ; 愛ミ ; 暮〆繊麗, 3 . めしべの先端部分. 4 , めしべの中央部分. 5 . 花粉の表面部分. 6 , 基部の部分. 第4図 ミズバショウの花の各組織における細胞顎粒 c:葉緑体, e: 小胞体,・ ・ 1: ミトコンドリア, s: 澱粉順粒. .
(5) . ▲ ン 第23巻 第1号 万 . ヤ ヌ ス ・ グリ ー ン B. - 、 旭 日 学紀要 北海道教育大 子か. 2口 C) (第2部. 昭 和 47 年 9 月. 液による染色性か ら確か められた ,. ま た, 500×g oooxg , 10 分間 の 遠 心 分 離 上 澄 液 に つ い て, 5 , , 10 分 間 の 遠 心 分 離 を お こ な い,. 沈澱する願粒を細分するために, 40%~10%の庶糖密度勾配を用いて1ooox g , , 60 分間の遠心分 離をおこな った, その結果, 下層に少量 の混在していた澱粉頭粒 中間層に葉緑体破片と ミトコン , ドリ ア, そ して, 上層は淡黄褐色の層とは っきり分離した (第2図) この上層にはミ トコ ンドリ . ア破片が含まれると考えられる また 庶糖密度勾配遠心分離をくりかえすことにより顎粒の精製 , , が 可能と考え られる , 遠心分離による顎粒分画の実験により ミズバ ショウのこの時期の花の組織には すくなくとも , , 澱粉願粒, 葉緑体, およびミトコンドリ アの存在が明らかである 各顎粒とも磨砕および綿布櫨過 . 等の過程で破損される可能性が充分にあり 核についてはとくにその可能性が大きいと 考 え ら れ , る. ま た, こ の 実 験 で は 確 認 さ れ る に 到 っ て い な い が ミク ロ ソ ー ム の 分 画 の た め に は こ の 実 験 , ,. で用いたよりもさらに大きな遠心力を必要とすると 考えられる . それぞれ の顎粒の細胞内での存在を確認するた めに 花の各部 分について電子顕微鏡による観察 , を おこ な っ た. ミ ズバ シ ョ ウ の 花 の 一 つ を 模 式 的 に あ らわ した の が 第 3 図 で あ り 花 被 め しべ , , , お しべ, およ び, 花 基 部 か ら な っ て い る . 第 4 図 1 ~ 6 の す べ て に 共 通 して み られ る よ う に ミ トコ ン ドリ ア は 観 察 した す べ て の 細 胞 に 見 ,. 出された. 花の表面部分, すなわち第4図1および3には葉緑体が見出され 花の内部 すなわち , , 第4図2 ) は他の部分とは異なっ , 4および6には澱粉顎粒が見出された. また, 花粉 (第4図5 て, その構造は 密であり, その表面は突 起でおおわれ さらに粘膜をもつようであった 第 4図4 , . には小胞体が認められた. 花被の表面部分 (第4図1 ) にみられた葉緑体は ラメラ構造が未発達であり, 未成熟の段階にあ る葉緑体と考え られる これに比して め しべ の先端部分 (第4図3 ) にみ られた葉緑体は成熟度 . , の, よりすすんだ段階にあると考え られる 澱粉類粒については 澱粉がその顎粒のほとんどを占 . , める状態にはなく, 消費されつつあることを示すように考え られる ミトコ ンドリアは認め られた .. す べ て に つ い て, そ の 内 部 は 密で な く ま た 動 物 細 胞 で み られ る よ う な は き り と した ク リ ス っ , , , テ の 発 達 が 認 め られ な い. こ の こ と は ズバ ミ シ A ウ と 同 科 で る あ と こ ろ の ”〃” の花の電子顕 ョ , ) に お い て も 同 様 で あ る そ して こ の こ と は 分 画 時 な どに お い ミ 微 鏡 に よ る 観 察6 て トコ ン ドリ ア . ,. の破損をもた らしやすいと考えられる , ミ ズバ シ ョ ウ の 花 の ミ トコ ン ドリ ア 分 画 の 呼 吸 が 青 酸 無 阻 害 で あ り2 ) ま た こ の 分 画 が b 型チ , ,. )こと さ らに この花の各部分とも青酸無阻害呼吸を示 し1 トクロームの 強い吸収帯を示す3 ) 各 , , , 部分すべての細胞にミトコ ンドリアが見出されたこと等か らみて 自動酸化能をもち青酸不感受性 , の b 型 チ トク ロ ー ム が ミ トコ ン ドリ ア に 存 在 す る 可 能 性 は 強 い と 考 え られ る ,. 摘. 要. 青酸によ って阻害されない呼吸機作をもつミズバ ショウの花の細胞顎粒について 遠心分離によ , る細胞顎粒の分画と, 電子顕微鏡による観察とをおこなった . 澱粉 顎 粒 と葉 緑 体 は500xg 00OXg , 10 分 間 の 遠 心 分 離 で 沈 澱 し, ミ トコ ン ドリ ア は 15 , , 20 分 間. の遠心分離でそのほとんどが沈澱した . 観察したす べての細胞に多くのミトコ ン ドリアが見出され た 花の表面部分の細胞には葉緑体が , , そ して, 花の内部の細胞には澱粉 顎粒 が見出され, ほかに小胞体が認められた ..
(6) . Vol .I .23 , No. ion lI C) i t t do Univer i i t on (Sec lof Hokka s Journa y of Educa. Sep t r l972 embe. この花の細胞類粒について, とくに青酸無温 害呼吸との関連において考察 した. 本研究をおこなうにあたり, 高橋昭 一郎氏および八木正己 氏に実験上の援助をいただいた. 記 し て深く謝意を表す. 献. 文 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 ). 19 60 IB ) , 桑山弥寿男・宇佐美正一郎: 北海道学芸大学紀要 (第二部) , 18( , 11‐ 1 9 6 1 3 7 5( ) 4 . 桑山弥寿男・庄貞行・宇佐美正一郎: 植物学雑誌, 7 , 1962 工 13‐IB,69 ( ), i 1 i Kuwayama , Y.:J , Hokkaido Gakugei Unversty ( ), 1 968 ) . 桑山弥寿男: 北海道科学研究費自由課題による研究報告書, 10 ,99(. i Sa pt t , o ,:in manuscr ,S ,and Usami , Kuwayama , Y. , N. 1961 ) 6 414 ( 1 2 3 B ‐ E t A J h J d C o x 6 . p n : m a ) Simon, E,W, a a n . . , , p . , , . ,. (ヱ8).
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