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幼児期の体験が小学三年生のなわとび技術に及ぼす影響-作文分析から-

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Academic year: 2021

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(1)幼児期の体験が小学三年生のなわとび技術に及ぼす影響           一作文分析から一 学校教育学専攻 幼年教育コース. M07034F 松岡 哲雄. 1.問題と目的  先行研究では、主に身体の調整力といったなわと びを跳ぶ技術にその研究の主眼がおかれていた。そ. の中では、運動としてrできる・できない」といっ. 固定されているか)2.リズミカルに跳べているか3.. 速さ(1分間に120回程度)、跳ぶ高さ(5cm∼10 cm)、などを見てA。(3項目とも優れている)、A (1項目程度難はあるが、他の点は合格点である)B. た幼児個人の運動能力に関するものが殆どであった。. (2項目程度難がある)C(3項目に難がある)の4.  本研究は、これらの従来の研究と立場を違え、な わとびの思い出の作文を分析することで、幼児期の 思い出と現在なわとびの状態との関連性を見出そう とするものである。子どもたちにとって、幼児期に. 評価で総合判定とした。.  これらの観点の中で、選定者のA。判定が多い上. 位5名とC判定が多い下位5名を抽出した。 ③幼児期から3年生までのなわとびの思い出を作文. なわとびは面白いという経験がなされていないと、. 内発的動機でなわとびを行うことは難しいのではな いか。現在のなわとびへの関心は、幼児の体験と大. に書かせた。.  題目は「幼稚園の思い出」、「小学校1年から3年 までの思い出」で2回実施した。. きく関連するのではないかと考えた。.  作文について、身体反応、情緒・情況反応の2つ に分け、肯定感は○、否定感にはX、どちらともと. 2.方法. れないものには△、事述記述のみや、なわとびと全. 1)対象. く関係のないセンテンスには一、とすると同時に内.  兵庫県の小学校に通う小学3年生である。. 容も分析した。. クラスの人数は33名、男19名、女14名である。. ④なわとびカードを授業や休み時間に活用し、なわ. 2)期間. とぴの習熟度の違いや関心・意欲・態度の違いを調.  2007年10月3日から2007年12月19日であっ. 査した。. た。. ⑤なわとびのできる子とできない子では、小学校で. 3)調査内容. の20分休みの遊びに違いはあるかを調査した。調.  調査内容は以下の通りである。. ①なわとびの跳べる子と跳びにくい子を選定するた. 査内容は、なわとび、鉄棒、鬼ごっこ、ボール、学 習園、部屋(教室)、その他に分け、20分休み何を. めにビデオ撮りをした。. ②児童2名ずつ、40秒程両足とびをしている様子を ビデオ撮りし、幼児教育の現場経験をもつ7名で選 定を行った。なわとびの跳べる子と跳びにくい子の. 選定方法は、『図説なわとび運動 跳び方112への. して遊んだかを振り返りカードの一つの項目として 設け、毎回書かせた。それと同時に、私自身も被験 者がいる場所をラウンドし、上記のどこで誰と遊ぶ ことが多いのか調査した。. 挑戦』(太田1979)の図などのなわとびの発達過程 を参考にして資料を作成し、判定基準とした。内容. 3.結果と考察. としては1.手首の軌跡、位置(手首は、腰の部分に. 一52一. 始めに、なわとびが跳びにくい子は、幼児期に負.

(2) の経験がなされていて、楽しい思い出があまりない.  最後に、なわとびが跳べる子、なわとびが跳びに. について考察する。幼児期になわとぴが上手にでき. くい子の、3年次での休み時間の過ごし方について. なかったという負の経験は、なわとびが跳べる子も. 考察する。結果としては、なわとびが跳べる子に一も. 跳びにくい子も同様にあった。. 教室で過ごす姿を多く見られ、違いは見られなかっ.  しかし「手立てや援助」は負の経験がなされたと. た。なわとびが跳びにくい子には、友達と係わらな. き、幼児期では、なわとびが跳べる子の作文にのみ、. いで一人で過ごす割合が高い子が3名いた。一人で. 周りの称賛や励ましが記載されていた。なわとびが. 過ごすことの多い子と、なわとびが跳びにくい子と. 上達するのには、友達、保護者、教師などの称賛や. の関係性は、今後の課題とする。. 励ましの重要性が示された。.  次に、なわとびが跳べる子、なわとびが跳びにく. 4.結論. い子の、3年次でのなわとびに対する関心、意欲、.  近年、幼児体育が盛んに行われ、問題と目的で述. 態度について考察する。なわとびに対する関心、意. べたように、なわとびを跳ぶ技術に主眼がおかれる. 欲、態度はなわとびカードの押印回数、種目数、全. 研究が多かった。前とびなど技術的には難しいもの. 跳躍数で測った。なわとびが跳べる子の押印回数の. ではなく、遅かれ早かれ出来るようになる。幼児期. 平均は12.6回、種目数の平均は8種目、全跳躍数の. に、いくらスモールステップでの指導をしても、で. 平均は222.8回であった。なわとびが跳びにくい子. きる・できないにこだわると、それでもできない子. の押印回数の平均は3.8回、種目数の平均は3.4種. は楽しくなくなる。なわとびに対する、関心・意欲・. 目、全跳躍数の平均は73.6回であった。なわとびカ. 態度を児童期も継続させるために必要なものは、技. ードは、なわとびが跳びにくい子の事も考慮して、. 術的な指導より子どもが夢中になって遊ぶ場作りや、. スモールステップで作った。なわとびが上手に跳べ. 環境作りだと結論付けたい。なわとびの指導技術の. る子は、授業中はもちろん、授業始めや終りの休み. 専門性がなくても、子どもが壁にぶつかったとき、. 時間にも練習する姿をよく見かけた。しかし、なわ. 友達となわとびを一緒に跳んだり、親、友達、教師. とびが跳びにくい子どもは、なわとびが上手に跳べ. などの称賛や励ましがあれば、壁を乗り越えていき. る子に比べ、授業中はもちろん、授業始めや終りの. やすことが明らかとなった。その幼児期の体験が、. 休み時間にも練習する姿は全体的には少なく、関. 生涯学習にもつながる重要なきっかけになると考え. 心・意欲・態度とも低かった。しかし、一人ひとり. る。. をみれば、なわとびが跳べる子も、なわとびが跳び にくい子にも当てはまらない子が出てきた。作文分. 主任指導教員 名須川 知子. 析をしていくと、それらの子に共通するのは、友達. 指導教員   名須」l1知子. となわとびを通しての関わりがあったり、親、友達、. 教師などの称賛や励ましがあることが分かった。以 上のことから、なわとびが跳びにくい子が、幼児期 に負の体験があり、小学校でのなわとぴに対する関 心・意欲・態度が低くなるのではなく、なわとびが 跳べる子、跳びにくい子関係なく、負の体験があっ ても、幼児期に周りの友達となわとびを一緒にした り、友達、保護者、教師などの称賛や励ましがある. と、小学校でもなわとびに対する関心・意欲・態度 は高いことが示されたと考えられる。. 一53一.

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