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人格の二面性尺度(TSPS-II)における対語の妥当性について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 人格の二面性尺度(TSPS-II)における対語の妥当性について. Author(s). 今川, 民雄; 佐高, 晶子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 48(2): 63-73. Issue Date. 1998-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2241. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 平成10年 2月. 8巻 第2号 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第4. Feb l r ua ly l998. i 2 l iけ o fEduca恒on( Sec i lo fHo姑瓢do Un t Jo on IC)Vo ver s na t u r . .48 ,No. 人格の二面性尺度 (TSPS-u) にお ける対語の 妥当性について 今. 川. 民. * 雄 .佐. 高. 晶. 子. 北海道教育大学旭川校教育心理学研究室. 1. 問. 題. 私 たち の 人 格 は, 「優 しい」 「明る い」 「話 し好 き」 な どの 様々 な 特性 によ っ て構 成 さ れて い る. こ れま で. の心理学では人格特性は個人内でも比較的安定しているものと考えられてきた. しかし, 日常 「二重人格」 といったり 「お天気屋」 といったりすることがあるように, 概念的には相反する人格特性でも, 同一人物の 内に存在 している と みなさ れる 場 合 がある. ま た, 学 校や 職場 な どの 公的な場 面 で はいつ も 「無 口」 で 「き び しい」 と み ら れて いる 人 が, 親 しい友 人 とす ごしている 私 的な場 面 では, 意 外な ほ ど 「お しゃ べ り」 で 「あ た た かい」 人 だ っ た り する こ とも あり 得る の である.. 私たちの経験上, 人の行動は, 場所や対人場面によって変動し得る. 先述の例では, 公的場面での振る舞 いから認知される人格特性と,私的場面での振る舞いから認知される人格特性とは,概念的に相反している. これは, 対人場面の変化に伴って人格特性そのものが変わってしまったのではなく, 人が持っている様々な 人格特性のうち, 表出された人格特性が, 対人場面によって変動したのだと考えることもできる. 森( 1 98 3 ) は, 人格が持つ特性の概念的相反性に注目し, 同一個人における人格内の対立的な側面につい て研究し, これを 「人格の二面性」 と呼んだ. 彼女は, 「人格の二面性」 の測定を試み, 測定のための質問 i 紙 TS PS (Two S dedPer l ) を作 成 した. T SP S は, 人格 特性 を 表 し望ま しい 意 味を持つ ‐ son逝 け Sca e. 形容詞60項目から成り,「人格の二面性」 の程度, 適応性をそれぞれ示すような2つのスコアが設定された. その結果, 概念的には反対とみなし得る対についても, 両特性が人格において共存し得る可能性が示唆され た. ま たT SP Sによっ て 「人格の二面性」 の存在が数量的に確認された. 森の研究と結果を受けラ 桑原 ( 986 1 ) はTSPSの形容詞に望ましくない意味を持つ語を加え, 質問紙T S P S - n を作 成, POSIT]WEな側 面 (肯 定語 :以 下 P), N1GAT ]WEな側面 (否定語:以下N) と, PN の複合から成る5つのスコアを設定した.そして否定的側面における考察を試みるとともに,項目の持つ「望 ま しさ」 につ い ての 考 察も 行 っ た. この結 果, P とN が類 義語 である こと, 被験者 は項 目の 持つ 「望ま しさ」 より 項 目の 持つ 特 性 的意 味に反応 している こ と が示 さ れた. ま た, TSP S -n が パ ーソ ナリ ティ ・ テス ト. としての側面, 人格の 「二面性」 の程度を測定するための尺度としての側面, 自己受容度としての側面の三 側 面 を持つ こ と が明 らか にさ れた. 今川 ・佐 高 ( 1997 ) は, 森, 桑 原 の 一 連の研 究 につ いて以 下 の3 点の 疑 問を抱 き, 疑 問 点に基づいた検討. を目的とし調査を行っ た. ① 桑原のS-スコアが示す 「人格の二面性」 の意味的区別の必要性の検討 ② Pと意味的に対応するN項目との関係に基づいた 「社会的望ましさ」 の影響の検討 ③ TSPS‐ほにおいて因子分析を行う意味の検討 そ の結 果, ① につ い て は, S-ス コア が必 ず しも典 型 的 な 「人 格の二 面 性」 の程 度を 表 してお らず, む し. 63.

(3) . 今 川 民 雄・佐 高 晶 子. る, 対項 目 間 でP, N どち らにお い ても 「どち らでも ない」 と 判 断 して いる 「判 断保留 二 面性」 が, ス コア. に最も高い影響を示していることが明らかになっ た. ま た, 「人格の二 面性」 は 「自 己を望ま しく 見 せる 構 え」 の 影響 を直接受 けてい ない が, 「人格 の二面 性」. の程度は, 自己を 「望ましさ」 次元で二面的に捉える傾向 (望ましくもあり, 望ましくもない) と結びつい ている可能性が示唆された. ③では, 「人格の二面性」 と人格評定の前提を挙げ検討した結果, 被験者が提示されたTSPS-nの項 目対を 「対語」 とみなしていないのではないかという可能性が指摘され, 更なる検討の必要性が示された. 今川・佐高 ( 97 ) は最後に, TSPS‐nについての検討結果をまとめ, 以下の6点の課題・問題点を 19 指摘した. 1) P-N間で有意な相関が得られない項目の改良 2) 「人格の二 面性」 と 「望ま しさ」 の二 面性 につ い てのよ り 深い 検討. 3) 「人格の二面性」 の意識レベルの差が, 「人格の二面性」 に影響しているのかどうかの検討 4) 一 般的な 「人格の 二 面性」 で はなく, 時や 場 合 によ っ て異 なる 「二 面性」 に焦 点 を当 てて みる こと. 5) 「どちらでもない」 という反応の構えが, どの程度 「人格の二面性」 に影響するのかの検討 6) 「人格の二面性」 の測定の前提を, 他者認知と自己認知を照らし合わせることで, 確認すること. 2. 研究1. 1) 目 的 さ て, 今川 ・佐 高 ( 1997 ) で は, S ‐ス コ ア の 検討 と, 因子 分析 の 意 味につ い て 検 討 した が, 「社 会 的望 ま しさ」 の影 響 につ いて の 検討 は必 ず しも 十 分と はいえない. そ こ で, 研 究1 で は, この 点についての検討. を行うことを目的とする. 先 述 したよう に, TS PS ‐n のS ‐ス コア は, 典型 的な 「人 格の二 面性」 を必 ず しも測 定 して いない と いう 可 能 性 が指摘 さ れて いる. そ こ で, 「人格 の 二 面 性」 と 「望 ま しさ」 の 二 面性 につ い てより 深 い 検討 を. 試みるために, 人格特性で反対の意味を持つP項目対とN項目対の4項目を一組の 「項目組」 として, 各組 ごとに望ましさの評定パターンについて分類基準を決め, 分類するという方法で分析を行った. 評定パターンの分類基準は以下の通りである. なお,以下 の例 で は特 性 aを表すP項 目、をPa , , N項 目 をNa , aと 反対の意 味を持つ特 性b の そ れぞれをPb Nbと し, P 同士, N同士 が対と なる. ま た, こ の4項 目を一組 の項 目組とする.. ) ◎ 「望ましさ」 反応では一貫性がなく 「項目特性」 反応でも一貫性がない… 一貫性欠如型 (NR 例 :Pa〉 Na bで, かつPa 〉 Pb, Na 〈Nbの とき. , Pb 〈J. ◎ 「望ましさ」 反応では一貫性がなく 「項目特性」 反応では一貫性がある… 項目特性型 ( C ) I 例 :Pa〉 Na ’の とき. , Pb o恥 で, か つPa〉 Pb, Na〉 Nt. ◎ 「望ましさ」 反応では一貫性があり (P〉 N) 「項目特性」 反応では一貫性がない… 望ましさP型 (EP) ‐ 〉 Na 〉 Pb, Na 〈N ’で, かつPa bの とき. 例 :Pa , Pb〉 Nt. ◎ 「望ましさ」 反応では一貫性があり (P〉 N) 「項目特性」 反応でも一貫性がある… 望ましさP項目特性 型 (EPI ) ‐ Pb〉 Nt 例 :Pa〉 N ’のと き. > Pb, Na 〉 Nt ’で, かつPa a ,. ◎ 「望ましさ」 反応では一貫性があり (P 〈N) 「項目特性」 反応では一貫性がない… 望ましさN型 (EN) ‐ 〈戦 例 :Pa 〈Na, Pb 〈Jbで, か つPa〉 Pb, N )の とき. a. 64.

(4) . 人格の二面性尺度 (TSPS-ロ) における対語の妥 当性について. ◎ 「望ましさ」 反応では一貫性があり (P 〈N) 「項目特性」 反応でも一貫性がある… 望ましさN項目特性 型 (E ]順) 〉の とき. 例 : P a 〈Na, Pb 〈Nbで, か つPa〉 Pb, Na〉 Nt. なお, 一貫性欠如型については, 4項目の各評定値に差があってかつ一貫性がないもの (純一貫性欠如: 以下婚ことする) と, 差がなく一貫性欠如であるもの (無差一貫性欠如:以下NDRとする) とに分けること ができる. NDRの反応数が多いとき, 評定に対する 「構え」 の可能性が考えられ, 特に4項目の評定値が すべて同じ値であった場合, 評定することへの拒否の可能性が考えられるため, これを 「拒否組」 と名付け た. ま た, MRにお い て項 目対 の評 定値の大小 がP N 間で矛盾 している とき, こ れを 「矛盾 組」 と名付 けた. 「 「 更 に, EP, EP1 , E1m を 項 , EN, 瓢順を 合 計 した も の を 望 ま しさ」 反応 (以 下ET) と し, IC, EP1. 目特性」 反応 (以下IT) とした. 1997 ) が扱 っ てき た 以 上 の 評 定 反応 7バ タ ー ンとET, 工T, 「拒 否 組」 「矛盾 組」 11指標 と, 今川 ・佐 高 ( ▲ S ‐ な どの9 指標 との 計20の指標 そ れ ぞ れにつ い て 分析 を行 っ た. S十, , 1997 なお, 今川 ・佐 高 ( ) の 扱 っ てき た9指 標 と その 意 味につ いて は以下 の通 り である.. 積極的自己肯定度 (大群において積極的に 「望ましい」 型の自己肯定). S十 (P). 大:主導性・社会適応性. 小:内向性. 消極的自己肯定度 (小群において 「望ましくはない」 型の肯定を示す). S十 (N). 大:非活動・神経質 小:主導的・社会適応性 大:外向性・積極性 小:情緒安定性. S- (P). P二面性 (情緒安定性). S- (N). N二面性 (社会的内向性). S十 (P‐N). 自己受容 (肯定) 度 社会適応性・社会的外向性. 大:社会適応性 小:内向性・非活動性. T (P-N) の方向性を持った尺度. S - (P -N). P‐N 間二 面性 評 定尺 度. S十 (P+N). 全評定値の総和. S‐ (P+N). 全評定値のずれの総和. T (PーN). 望ましさ尺度. 2) 方 法 ) 被験者 北海道教育大学教育学部旭川校四年生 (教育指導論1受講生), 男子59名, 女子7 ( 1 9名, 合計1 38 名. このう ち, 記入 漏 れのある も の を 除き, 男 子55名, 女子73名, 合 計128名 を採用 した. 2 ( ) 質 問紙. 1986 ) の用 い たTS P S ‐= と 同 様のも の を用 い た. 桑原 (. ( 3 ) 方法 上記の質問用紙により得られた データから, 前述の20指標を算出し, 分析を行った. ( 4 ) 調 査 日 1995年10月 9 日困. 3) 結果と考察 ま ず, 「拒 否 組」 「矛盾 組」 を 除い た9指 標 の平 均 値 を 見る と, 「望 ま しく なさ」 (EN,E ) への 反応 が最 ] VI も 低 く (EN= =1 ), つ い で 「望 ま しさ」 へ の 反応 (EP1 008 ), 無差 一 貫 ‐992 . ,ENI ,EP), 純 一 貫 性 欠如 (NR 性 欠如 (NI )R), 「望 ま しさ」 反 応 の 合 計 (ET) と 続 き, 「項 目 特 性」 へ の 反応 が最 も 高 か っ た ( IC=8 609 . , ). IT=12 266 ‐. 各項目組がどのような特性に反応されやすかったのかを調べるために, 被験者各々の項目組における反応 を, 評定パターン7指標に分類し, 「望ましさ」 反応 (EP十EN十EPI十E 1m指標の合計) を選んだ被験者の. 65.

(5) . 今 川 民 雄・佐 高 晶 子. = 同士の相関】. 【E同士の相関I EP ------ EPI. EP1 一一一-- ENI. - I ><. . ET. IC ----- 1‐ r. EN ------ ENI. F i g.1. I. C. 15 0‐0360 0.0585 0.9222 -0 ‐0894 0‐05 1407 -0 0.8455 0‐2884 0 ‐0588 -0. .2004 12 -0.0 124 13 15 0.3415 ‐0.1198 -0. 0.82. T( P-N ) N. D. R. 拒. 否. 組. E E. P. I P N. E. S 十 ( N ) E. N. N. 矛. I R. 盾. 対. 寄与率(%) 累積寄与率 (%). 因子 5. 135 0.0248 0.2265 0.8463 0 ‐0358 -0.2 -0.5263 -0.6579 ‐0.0767 0.3302 -0 .「400 1783 ‐0 -0.4093 ‐0 .1836 ‐6713 -0.0883 0. 1856 0 703 -0.4269 0. -0.0707 0 .1899 .5 113 -0.384 1 0‐2784 0 -0.3546 0.5 .3043. 0.0524 0.il94. ‐0.1645 0.4326 -0.2398. 10 0.0057 0.83 0.8 103 -0.0435 1321 0 .7592 0. ′ 1 ‐0.9304 12 0.0630 -0、0 1 -0.8671 186 2 ‐0.022 0.. -0 .0840 -0 .1043. 1458 0.. 0 .9432. 1809 0 -0. .1638 16 -0 188 0.12 .3 14 0.168 1 0.10 ・. S 十 ( P ) -0.0554 因子負荷量2乗和. 因子 3. 因子 4. 因子 1. 因子 2. 0.1727 -0.0346. 組あ っ た. す な わち, 項 目 組全 体で見 れ ば, 被. 験者は 「望ましさ」 よりも 「項目特性」 に反応 する 項 目 組の 方 が多 か っ た. しか し, そ の 一方. 名. S - ( P ) S ‐ ( N ). 「望ましさ」 に反応した項目組は3項目組 「項 , に同数の被験者が反応していた項目組が1項目. ス コ ア 間相 関. Tab-e l 因子分析表 数. を選んだ被験者の数とを算出し, 最多人数の反 応をその項目組の反応とみなした. その結果, 目特性」 に反応した項目組は2 6項目組で, 両方. 上図において, 線で結 ばれた両端の指標間には相関がある.. 変. 数と 「項目特性」 反応 ( IC十EPI十E I順の合計). 2.9446 2.6193 2 .2904 1.9948 1.4055 2 1.0329 18.7089 16.3603 14.2486 10 .0393 1 1‐0329 39.74 18 56.1022 70.3507 80 2 .390. で 「望ましさ」 により反応しやすい項目組が存 在 していた という ことも示 さ れた. 「望ま しさ」 へ 反応 さ れやす い項 目 ・粗 は, 「項. 目特性」 よりも 「望ましさ」 という特性の方が 被験者にとっ て評定判断対象になりやすいと思 われる.「項目特性」 に反応された項目組と 「望 ましさ」 へ反応された項目組では, 項目間が有 している 「望ましさ」 、の程度の大きさ自体に差 があるという可能性を指摘できるだろう. 桑原は, N項目を選定する際に 「望ましさ」 の程度に違いがあることを選定の条件としてい たが, 他方では被験者が評定する際は 「項目特 性」に反応 して評 定さ れる こと を期 待 してい た.. さらに, 全20指標間で相関の分析, 因子分析を 行 っ た.. ‐ T (P‐N ) 指標, すなわち 「社会的望ましさ」 の指標は, S‐ (N) と強い正相関が, 矛盾組と中程度 の正相関が認められた一方で, NDRや拒否組とは強い負相関を示した. なお, 評定パ ターンの 「望ましさ」 (E) に関わる指標間の相関, 「項目特性」 (1) に関わる全指標間の 相 関につ いて はFi g‐1に示 した.. 因子分析では, S- (P) などの9指標のうちS- (P‐N) などの複合指標4指標と, 評定パターン11 指 標 のう ちET,ITの 2 指 標 を 除 き, 計14指 標 に つ い て 直 交 回 転, ヴ ァ リ マ ッ ク ス 法 を用 い 分 析 を 行 っ た. 「 l (Tab ). その結果, 5因子が得られ, 第一因子は 「項目特性因子」 el , , 第二因子は 社会的望ましさ因子」 「 「 第三因子は 「望ましさN因子」 , 第五因子は・ 自己肯定度因子」 とそ , 第四因子は 一貫性欠如・矛盾因子」 れぞれ名付けた. 「項目特性因子」 はIC, S‐ (P) , S- (N) の3指標からなり, 項目特性に一貫して 反応する傾向がPN両側面における 「人格の二面性」 と因子的に反対の方向で同じ意味を持つことは,2 つ の 「人格 の二面 性」 指標 の一 定程 度の妥 当性を示 唆 して いる. ま た, 「社 会 的望 ま しさ」 (T (P‐N)) は, 「望. ましさ」 のP側面と強い連関を持っ ていることも示された. 項目の望ましさに一貫して反応する傾向は, 自 己を望ましいとみなす傾向と因子的に同じ意味を持つことが示されている. ここ で, EP工が 第二 因子, ENIが第 三 因 子 に含ま れ てい る こ と に注 目 した い. 被 験 者 が項 目 の 「社 会 的望. ましさ」 に注目し, 一貫した仕方で反応する場合, 第 因子で示されている 「人格の二面性」 の妥 当性が, 必ずしも保証されなくなる、ことを, 、この結果は示していると解釈できる. TSPS‐=における項目選択の. 66.

(6) . 人格の二面性尺度 (TSP S‐ロ) における対語の妥当性について. 妥当性についての疑問が提起される. } -. 3. -. 研究亘. 1) 目 的 ‐項 目 間 にお い て1% 水準 で有意 であ た相 1997 ) の研 究 で は, 桑 原 の研 究結 果よ り, P -N 今川 ・佐 高 ( っ. 4項目, 桑原3項目. うち1項目重複あり) 関の見られた項目が少なかった (今川・佐高1 . このことから, 項目自体に被験者間で意味の受け取り方に違いがある可能性が指摘された. また, 先述のように因子分析の 意 味を考 察 した 際 にも, 項 目の 意 味につ いて 同 様の指摘 がなさ れた. 従 っ て, 項 目の 中 に はTSPS ‐1 1が. 作成された当初の設定である 「望ましさの方向だけが反対で同じ意味を持つ言葉の対」 とはみなせない項目 対が含まれている可能性が高い. 二点目 として, 桑原が行ったN項目選定手続きの再検討が挙げられる. 桑原がN項目設定の際に行った手続きは以下の通りである. ①. 質 問紙 を用 いて 「TSPS の各P 項 目と, そ れ ぞ れ’ 類 義 語“ で, かつ“ 自 分にと っ て望 ま しく ない意 味を持つ 語” を思 いつ く だけ挙 げる よう に」 という 教示 を与 え 語の 収集 を行 っ た. なお , , 語 の 収集. 質問紙は自由記述方であり, これを調査①とした. ② 類義語評定 調査①で収集された語の中から, 桑原があらかじめPの項目ごとにそれぞれ6個ずつ, 挙げられた頻度の多い順に選び, そのうえで類義語として適当なものを3個ずつ選択させた. 桑 原 が 選 ん だ 語 の 中 に は, 文 献 (青 木, 1971a ) や 類 義 語 辞典, 反 対 語 辞 典, 国 , 1972 , 1971b , 1973. 語辞典などを参考にして選ばれた語も加えられている. なお, 質 問紙 は 表示 さ れて いる 6語のうち選択した3語を0で囲むという方法を用いている この手続 .. きを調査②とした. ③ 対立概念妥当性 調査②で選ばれた語について,Pの各項目ごとに数の多いものから3,4個を挙げ , Nの項目群として選定した. 次に, その中からPの各項目対ごとにNの対を3対ずつ候補として作成し た (作成に際しては桑原ともう1名との2名協議による). そして作成された各対について, 対になっ た両項目が対立概念として妥当であるかについて質問紙を用い て評定させた. これによって対立概念妥当性が最も高いもの, あるいは50%の被験者が妥当と認めた対のう ち適当だと思われるものを桑原が選んだ. なお, 質 問紙 は“ 妥 当 である”” ま あま あ 妥当 である“” 妥 当 でな い” の3 件法 を用 い て評 定さ せ てい る .. この手続きを調査③とした. ‐ 以 上 の ① ~③の 手 続き をふま え, 桑 原 はP30対 に対応 したN 30対 を選定 した.. しかし, ここで問題となるのは, 調査③における評定基準である. 桑原は上述した3件法を用いているが , 妥当性を調査するのであればこれに” まあまあ妥当でない” に相当する評定基準を設けるべきではないだろ う か. 桑 原 の用 い た 3 件法 で は, 「妥 当 で ない」 と は っ き り判 断 しにく い 場 合 「ま あ ま あ 妥 当 でな い」 と い う 判 断が でき ない た め, 「ま あま あ 妥 当 である」 と せ ざる を得 ない か らである . 第三 に, 本 論文 の研 究 工 にお い ても, 項 目の 「社 会 的望ま しさ」 に対 して一貫 した 反応 がなさ れる と 「人 , 格 の二 面性」 を測 定 でき なく なる という こ と が明 らか にな っ ており このこ と は各項 目 にお いて 項 目の特 , ,. 性的意味と 「社会的望ま しさ」 とが相互作用を起こしている可能性を示している. このことからも各項目が 特性的意味と「社会的望ましさ」 とにおいて, バラ ンスよく選ばれているのかどうかを検討する必要がある . 従っ て, 選択されたN項目が適切に選ばれていたのかという点を中心に, 桑原がTSPS‐nに取り上げ. 67.

(7) . 今 川 民 雄・佐 高 晶 子. た項目が 「人格の二面性」 を測定するのに妥当な項目か どうかを検討することを目的とする. すなわち, P 「 N項目間における 「類似性」 や 「望ましさの方向」 , 対項目間における 反対概念妥 当性」 などの前提に沿っ てN項目が選択されていたのだが, 選択結果が本当にこれらの前提にかなっているのかということを検討す る.. 2) 方. 法. 67 8名, 計1 ) 被験者 北海道教育大学教育学部旭川 校一年生 (発達学習基礎論受講生) ( 1 , 男子79名, 女子8 4名, 計41 4名. 6名, 計247名, 合計男子200名, 女子21 名, 四年生 (教育指導論受講生) , 男子121名, 女子12 37名), 調査②では 6 5名, 四年生2 このうち, 回答に不備があった者をのぞき, 調査①では402名 (一年生1 163名, 238名) を 採用 した. 404名 (163名, 241名), 調 査③ で は401名 (. ( 2 ) 質問紙 桑原のN項目選定手続きを検討するため, 以下の3種類の調査を行った. ① 類似度評定 TSPS-nにおいて 「望ましさの方向は異なるが, 項目の意味は類似している」 とさ ” ” れている P N の 2 語 を対 提 示 し,“ 非 常 に類 似 して い なしf か ら 非 常 に類 似 して いる ま での 5 件法. を用いて, 両語の類似度についての評定を求めた. これを調査①とする. ②. 望 ま しさ の 程 度評 定. TS P S ‐ B にお い て用 い ら れてい る P N の 全120項 目 につ い て, そ れ ぞ れ単. 独 提示 し,“ 非常 に望 ま しく な い” か ら” 非 常 に望 ま ししぞ ま で の 5 件法 を用 い て, 各 語 の 望ま しさ の. 程度についての評定を求めた. なお, これを調査②とする. ③ 反対概念妥 当性度評定 TSPSーロにおいて 「概念的に反対の意味を持つ語の対」 とされているP 同士 N 同士 の 対, 全60対 につ い て,“ 適切 で ない” か ら” 適切 である” ま で の4 件 法 を用 い て, 反対 概. 念妥当性についての評定を求めた.なお,「妥当」という言葉の非日常性を考慮したため, 質問紙では「適 切」 という語を使用した. これを調査③とする. ( ) 方法 上述の3種類の質問紙による調査を,調査①~③の順で,授業時間を利用して集団的に実施した. 3 なお, 実施の際は, 質問紙配布後表紙の教示文を全体に対して一読し, 質問のあった者については挙手し てもらい, 個別に対応した. 被験者の回答中においても, 同様の方法を用いて質問に対応した. 4 ( ) 調 査 日 1997年4月10日困, 4月17日困, 4月21日鯛) , 5月13日的. 3) 結果と考察 まず,調査①~③の3つの調査結果が,満たしていることを期待された条件はそれぞれ以下の通りである. 1. 調 査① におい て, 各 PN 項 目 間 が 「類 似 して いる」 と評 定さ れる こと. 2. 調 査 ② にお いて, P 項 目 が 「望ま しく」, N 項 目 が 「望 ま しく な い」 と評 定さ れてお り, かつ 両 項 目 の平均値 がP〉 N である こと.. 3. 調査③において, 各対間の項目概念妥当性が 「妥当である」 と評定されること. 各調査における判断基準値は, 各調査の評定値の中間値とした. すなわち, 類似度, 望ましさの程度につ 5である. いて は5段 階評 定のた め 中 間値3‐0 , 妥 当性 につ いて は4段 階評 定のため 中 間値2‐. l この判断基準値に従って項目間, 対間の類似度等を判定した結果をTab e 2に示 した. i その結果, 対応するP対 とN対の4項目を一組とみなした項目組 (F g ‐2参照) において, 3調査すべて の条件を満たしていた項目組は一組もなかった. 30%) が類似して 各調査 ごとに条件を満たしている割合をみると, まず類似度では60項目対中18項目対 ( ‐ いる とみ なさ れた. す な わち, 70% の項 目対 におい てPN 間 で類 似 してい ない と みなさ れた.. 68.

(8) . . 人格の二面性尺度 (TSPS‐D) における対語の妥当性について Tabl e 2 項目選択条件に対する結果 項. 損金 ,度 璽ま しさ 妥埜 性 左項右項左項右項上対下対. 目. 朝 廷 C い 1---ーのん気な 1 1用 J 0IX xー0. ×. 一 巡も. 岡議. ×. 虚数 一 歳像「. ×. 直捻附 壷撮 - O,. O. - 雫零コ 1. O 目 罰 陣園 屋. -- 慎璽 重な !棋 l ー 気 軽 一E x10 0IX 可 醗 寧 崖「 軽 率 な 1-- 1思い切りの想い l I □塞弱圧延盛にゴ ー--ーエネルギッシュな ー - △1x 紙. -がむ ”な. I. 1. 盤釣 冊 献鳩針. 「居じEFデデー 1 OEO. O. 1聞きじょうず 1 01x. ヒ璽露編つ --1間 し ・ てばかりのI - O. 脚 日回 1 認針. 壷齢 - O. 図軒P 警詩} -L 警伊一 雫浮. 「つ紙 弼感 詞 断 定「 励 な 1一一一1の 1のぼせやすし いl O. -『 噂孫 - 需 愛野 堺や 1 迎郡9な 1 1詔宅ロ寺=「. O. O. × 7 6 1 2 . 0 9 8 9 .. ×. x. 1. O. O. 2 2 9 42 4 2 5 . . 0 9 6 41 0 1 8 . .. × × O O O x 3 3 3 7 . 5 2 5 1 92 3 0 2 2 9 0 82 2 1〉 ‐ . . . 7 10 9 1 1 1 2 0 9 3 2 蟹 ; 0 8 1 3 3 ‐ ‐ . ‐8 .. I 頑固r] L. 陽気な 1. O. 7 [8 i 罪節ぶ霜「 - 0ー. ×. × 寧 品 も --陰 気 な 1 O. 1. o0 雫義わ -- 情流渦 1. O ズT「 1一 - -1単 刀面 直入 国鰯 ぃう 1- それとなくい 一 ×10 010 E房要宛可コ ケズケいう ゎっていう 1一 1もってまわ I 一一1ズ O. O. 雫P 」僻浄 --胃癌園厨「 1理屈っぽい !. O. O. -- 事納め 「でずで耐口gコ かせか た 1 O. 一1搬豹. 1. 呼淳 0IX I ;ゴ ー一 1なょなょとした 1 ー詞ぎぞC 0 O. 渉し帥1 干 口 轡 や -1歳 0IX. ×. 慢霜罰赤] --1そつけなぃ -. 1 8 9 0 - 2 0 7 9 .. O. 遜ヨニ鷺欝. O × △ O O x 3 5 2 73 4 2 0 . . 7 1V V 3 2 62 8 2 2 0 9 0 ‐ . ‐ 1 0 9 8 3 i 0 3 3 2 8 0 2 0 3 0 0 7 0 0 , . . . ・. 題需 圏ョ:穫. O × O O O × 3 9 1 9 63 0 8 . . 3 1 9 92 0 5 0V V 2 12 7 0 0 1 5 . . ‐ . 1 2 7 8 9 1 3 2 4 1 2 2 0 9 3 2 2 50 7 9 6 . . ‐ ‐ 41 . .. 1茶嗣幼鱗1- 雫浮回. x. ×. O. O. 2 4 8 3 . 1 1 4 6 . ×. ×. 2 8 9 12 8 5 6 . . 1 2 21 0 1 8 2 . . O. O. O. △ O 2 8 2 9 . V 2 6 7 3 .. O. O × × 3 9 6 3 . V 2 2 9 92 3 0 9 . . 2 3 8 7 9 90 8 3 5 . 90 . .. O O O × 3 1 G 5 . 3 7 6 6〉 7 4 2 2 62 7 6 . . . 1 0 5 6 2 1 3 0 8 7 30 7 3 1 . .6 . .. O. ,. 豹8-一. 座『「. O. 蕪 ー 雫需. 護に翻縛 :顎嘉 霊 欝ョ:霊嘉 O. ョ警護 x’O 1:g 罰驚 ,. O. O. O. x. O O 3 2 9 3 2 92 0 . . 5 0 8 8 30 8 6 . .. x O O O O 3 2 0 33 4 5 8 ‐ ‐ 5 5 7V V 3 1 6 22 8 3 3 0 ‐ . . 1 0 2 52 2 5 02 5 6 40 8 0 60 8 2 4 . . . . .. x. O. x. O. × ×. O. O. ×. x. ×. O. O O x 3 2 0 5 . V 2 2 0 9 ‐ 2 3 3 4 0 8 2 1 ‐ .. O. O O × 5 7 0 3 ‐ V 7 2 3 2 . 5 2 0 2 2 0 8 4 . .. 2 1 2 7 . 5 0 9 1 ‐ x. O. O. 2 8 1 3 ‐ 1 0 8 0 . O. O. 3 3 3 22 7 1 8 . . 2 70 3 7 0 9 8 . .. 2 1 9 7 5 9 52 . . 1 1 1 01 0 5 3 ・ . O. O 2 7 9 8 . 0 5 1 8 .. 2 2 4 62 2 6 1 . . 50 9 9 9 0 9 6 . .. I. O △ × × 3 3 8 43 8 3 9 . . 1 2 2 12 9 8 8V V 2 0 5 72 0 2 5 . . . . 1 1 1 1 5 0 0 6 1 8 7 1 3 3 0 8 2 30 7 5 7 ・ . . .00 . .. ×. O. 2 1 5 5 62 9 0 ‐ . 0 8 6 60 8 7 0 . .. O × O △ O × 3 5 5 72 8 8 1 . . 5 02 1 5 3 4 1 82 2 0V V 2 9 9 6 ‐ . . . 52 5 52 30 7 6 1 1 2 61 0 2 0 Z O O0 8 9 6 ‐ ‐ . . . .. こぅみずな 1一一 国璽コ. O. O. 2 8 8 63 5 0 7 . . 1 0 6 61 1 0 5 . .. 1 鴎 . 弓栗 」計轡 1む. し. O. × O O O O O 3 3 0 04 0 0 7 . . 21 63 1 1 9V V 2 6 2 32 6 9 1 ‐ . . J 5 1 2 9 02 8 0 90 9 80 9 5 8 1 7 8I 3 61 8 ‐ . . . . x. E. 1 唾辱 Eせ. ×. 5 21 9 8 2 5 8 . ‐ 1 30 9 2 4 0 8 . ‐. ÷;コ確「 一一1人情に厚い i ー. 0. △ O O 2 9 3 1 ‐ 5 7 4 V 2 ‐ 5 0 8 2 7 2 4 9 . . O. O. ド益針 『 金量 ,. △ O × 2 5 7 4 . V 2 3 7 4 . 5 1 4 8 0 9 3 7 ‐ ‐. △ O O X 2 7 8 6 . V 2 3 6 1 3 4 8 8 2 9 6 32 3 2 9 . . . . 1 0 6 41 1 2 21 0 9 1 60 9 0 5 8 9 9 . . . . .. o. O. O. 12 8 0 G 2 7 8 . . 1 1 9 1 9 8 81 . - x. 「罪弓稲「 --1しゃくし鰍寛な i. ー愛廓訂 --‘…-…. x. x. 0溢. 1人づきあいの悪い l. ,. O O O 3 2 6 2 . 〉 3 4 2 9 . 2 8 0 70 7 9 3 . .. X器. 1. コ顔;辱ミ コ 扉コ 1むっつりした - -ー ー. 品. O. △ O O 1 3 1 2 9 2 34 . ‐ 2 9 9 3 8 7 8 ‐ . V 〉 2 1 1 9 9 5 81 9 8 80 9 6 2 81 ‐ ‐ . .. O. ,. ×. ×. 駈好む 呼 淳 一ー孤 △IX. か 国 辱 罫 -1闘 △10. △ O O 2 9 4 1 . 2 V 5 0 9 ‐ 9 5 3 2 1 8 6 0 . .. 2 7 1 62 6 0 4 . . 7 0 9 0 31 0 2 . .. O 三顧悪扇顔 i ド r l 1あきらめのよい 1 -- ー 01× ×1△ 「 粘りのない l rじ家当六 ÷ ÷「. O. O. 3 5 7 7 0 8 72 . . 1 2 2 0 7 7 21 ‐ ・. 1. 1おっとりした I. O x x 3 2 i 3 0 . V 2 0 7 02 0 4 7 . . 2 3 7 9 60 8 9 90 9 9 . . .. O O x O 3 6 2 9 . V 1 6 7 123 6 . 2 6 5 8 6 0 T 7 80 7 3 ‐ - ‐. x. O. 歳総 一 輪綜「. 1 墜噂. O. 1 8 8 3 . 9 2 0 7 ‐. O 言気 鴬が 岡強 面い 六「 1---iおとなしい 1 ー. [疋羅露 「 ー. O. 2 8 9 12 8 5 1 . . 1 6 51 1 0 8 0 . .. 誌 ミ 司腹 暦な =コ ヶートな 1 太 1デリケ 1---1デ ー っ. O 「「古 顔風 面 奮「 一一!現 な 1 -- !現代的な. ×. 類億 ,皮 望ま しさ 妥竺 性 左現右項左堰右項上対下対. 目. 項. O. O. ×. O. 2 1 7 2 .. 4 52 9 7 3 6 2 . . 1 0 4 20 8 7 8 . .. 0 ,醐. × O O × × 3 5 6 9 .“23 . 1 2 4 9 52 1 2 7V V 2 1 51 8 9 3 . . . . 1 吻 2 2 5 0 2 0 9 8 2 20 7 5 8 ‐ , . . 70 . x. O. 2 2 0 9 . 1 2 3 5 .. O O 3 9 6 0 ‐ V 2 3 5 .4. O. O. O × ※ O x × 3 1 1 64 2 2 3 . . 4 2 6 62 6 8 7へ 〉 2 3 6 72 2 6 7 . . . . 0 8 7 3 1 1 5 5 3 1 9 6 2 6 4 1 4 9 3 00G I . . . ‐ 0 . × 2 1 8 3 ‐ 1 1 2 1 .. O. O. △ O 3 5 5 0 ‐ V 4 3 3 .8. O. 上表中の数値は 「類似度」 「妥 当性」 の欄については上段が平均値, 下段が標準偏差である‐ 「望ま しさ」 の 欄における数値は, 項目に対応 した各々の平均値である‐. 69.

(9) . 今 川 民 雄・佐 高 晶 子. 次に, 望ましさの程度では上述の条件を 完全に満たしている項目対は全60項目対中. (妥当性・① ). . ‐であ 49項 目対 ( 81.7%) であり, P〉 N っ. (類似度・@)⑫ ←( ◎ 望ましさ ◎)→ ⑪(類似度・◎). 巨回. (妥当性・①). 匪回. た も の の P に お い て 平 均 値 が3‐0未 満 で あ っ た項 目対 は10項 目対, P 〈N で しかも. PNともに平均値が3.0以上であっ た項目. A I E項目、 Nは N EG T I V E項目であることを示す) S I T V (PはPO. 対 が1項 目対 のみ あ っ た.. F i g.2 N項目が満たしていることが期待される条件. 反対概念の妥当性では60項目対中37項目 1‐類似度(②◎). 0 以上であること。 N 項目間において類似度評定値の平均値が 3 … :条件 各 P . 「0」 一 表中の記号 上記の条件を満たしている 「×」 表中の記号 上記の条件を満たしていない 1 1.望ましさ(②⑤) N 項目間において以下の2つの条件をすべて満たしていること。 :条件 各 P- 0 以上であり、N項目の平均値が 3 ① P項目の平均値が 3 .0 未満であること。 ‐ ② P項目の方が N項目より平均値が高いこと。 (P〉N) 「○」 一 表中の記号 上記の条件をすべて満たしている 「×」 表中の記号 上記の条件をすべて満たしていない 表中の記号 条f中②は満たしているが、 条件①を満たしていない 「△」 0 以上であり、 かつ N の両項目の平均値が共に 3 なお、 表中にある 「※」 は、P . , PくN であったので、 これを明示するため区別してつけた記号である。. 皿.妥当性(①◎). 5 以上であること。 :条件 各対間において項目概念妥当性(適切性)評定値の平均値が 2 . 「○」 一 表中の記号 上記の条件を満たしている 「×」 表中の記号 上記の条件を満たしていない. 対 ( 61‐7%) に お い て 平 均 値 が2‐5を 越 え. 妥当であるとみなされた. 以上 の結 果か ら, 桑 原 のN項 目 は, 特 に. P項目との意味的な類似において, 対応し ない傾向が高く, この選定方法では, 目的 に応 じたN項 目 が選 定さ れてい な か っ た と いう こと が考 え ら れる の である.. このような結果を得た原因としては, 以 下の5点の可能性が考えられる. ① P対とN対の組み合わせによる項目組. にお いて, 4 項 目 間の構 造 が項 目組 によ っ て異 な っ て いる と いう 可 能性.. ② 項目組において, 望ましさ次元と項目特性次元の両次元軸が直交していないという可能性. ③ P対の項目間, N対の項目間における, 両項目間で望ましさの程度に差が存在 している可能性. ④ 被験者の側が, 対提示されたP‐Nの言葉の意味を同じものとしてとらえていないのではないかという 可能性. ⑤ 桑原が項目を選定する際に用いた評定方法と, 本実験で行った評定方法が異なることによって評定結果 に差違が表れたという可能性.. ー 心 t お 鴬 i 三 雲′ 滋 ぞ ′ ‘さま豪雪 ミニ : ;-*; - “な 書 きl 都 ・ …- さ 諌ゞ : さ 、 ≦ 二 ぎ ;÷ままぎ 、三 、. F i g.3 項目組の 「望ましさ」 と 「類似度」 の付置 概念図. 70. ーすぎ ・ ‐ …- ・ ・ ; 汁宝容姿 羅 ミ . ミニ′ ・急 ぎ想お ギ 姫鱒. … ご ド 謙三 ミ 澄 こ ・ ‐君 -三瀦 , .. F i g.4 項目組の 「望ま しさ」 と 「類似度」 の付置 平均的な例.

(10) . 人格の二面性尺度 (TSPS-亘) における対語の妥当性について. ′. 〉 ′ ぜさ.-. ご、【 ‐ .きミ . -. 類. 似. ー ・ :′ : ・ ‘ 濁さ ; き ≧ ざ ま 言 さ ・ ・ に だ . 牝 さ へて , 鱒二虚 き 態謝 ご ゞ 、′ ”さ ” ‘ .. 度. F i g.5 項目組の 「望ま しさ」 と 「類似度」 の付置:. 面積が狭い例. F i g.6 項目組の 「望ま しさ」 と 「類似度」 の付置. 項目が不適切な例. 各可 能 性 につ い て 検討す る と, ① で は, Tab l e2中左部の項目対間での各調査結果に図示したように, 項. 目組の示す構造は多様であっ た. このよう に異なっ た構造の項目組を含んでいるために, 被験者は対提示さ れたP N の項 目対 の意 味を, 同 じも の と して と らえて い なか っ た の ではな い だ ろう か. ま た 構造 が異 な っ ,. ているという可能性は, 上記の②にも関わってくる. これまでの研究では, 項目の持つ望ましさと性格特性 との両次元が直交していると仮定されてきた. しかし, 本研究の結果から, 直交しているという仮定自体に 問題が見いだされたのである. ③ を検討 する た め に, 対応 している P, N 全項 目対 間にお いて 対応 の ない t検定 を行 っ た と ころ 60項 目 ,. 対中54項目対 (P28項目対・N26項目対) で対になった左右の項目間の望ましさにおける評定の平均値に有 意 な差 が見 ら れた‘ 従 っ て, P 同士, N 同士 の対 にな っ た項 目間 におい て も望 ま しさ の差 が存 在 して いる こ と が明 らか にな っ た (Tab l ). e2. さらに, ③④についての検討として, 各項目組にお ける類似度と望ましさの程度との関係をグラフ上に図 示した ( F i i ). 横軸を類似度, 縦軸を望ましさの程度としたとき, 各項目組のプロッ トは四角形 g.3~F g‐6 と して 表す こと ができる.. 桑原のN項目選定条件を満たすためには, F i 3のように, グラフ上の各項目座標 間を結ぶ直線が, 直角 g. に交 わ っ ている べ き であろう. ま た, 四点 に 囲ま れた 四角 形 の面積 は なる べく 広 い 方 が望 ま しい しか し , . , Fi 5に 図示 した よう に は直角 実 際 は交 わ ら に かつ 面 積 も 狭 ず い 項 目 組 が多 か っ た. さ ら に, F g. i , g‐6の ,. ように座標間を結ぶ直線が交差する項目組も存在した. この項目組においては, 桑原が設けた選定条件を全 く満たしておらず, むしろ選定された項目は不適当であっ たという可能性が強いと考えられる. さ て, ⑤ につ い て 検 討 する と, 桑 原 の用 い た N項 目 選 定方 法 は 「P に類 似 してお り かつ 望ま しさ の 程 , ,. 度が反対であると思われる語」 として語を収集し, 選ばれた対語の妥当性について評定を求めるという方法 を採用 していた. しかし本研究では, 「類似度」 と 「望ましさ」 という各条件をそれぞれ独立させて評定を 求めた. これは, 各条件における条件設定意図の達成度を純粋に調査したかったためである. 桑 原 の 研 究 にお い て そ の ほ と ん どの項 目対 が 「類 似 して いる」 「妥 当 (適切) である」 と 評 定さ れた の に. 対して, 本研究での結果はほとんどこの反対の結果が得られた. つまり 予想された以上に項目対間での類 , 似度・妥当 (適切) 性が低く, 条件を満たしているとみなすことができる項目対が少なかったのである . 桑原の選定方法は, 「類似度」 「望ましさの程度」 の調査後に適切だと思われた語の中からP I項 目 につ き N3項目程度として, 各々3対の候補対を作成, 対提示し PーNの対として最も妥当 (適切) だと評定さ , れた語を採用していた. 換言するとPI項目に対応するN3項目間で, 対としての妥当性を相対評価した結. 71.

(11) . 今 川 民 雄・佐 高 晶 子. 果であると言える だろう. それに対して本研究では, 単純に各条件別に評定を求めたため, P‐N対項目間 で絶対評価が行われたと見ることができる. 従っ て, 桑原の結果と本研究の結果において大きく差違が表れたのは, この評価方法の違いが影響してい るためであるとも考えられるのである.. 4 全体考察 ) が湖 198 5 8 森( 1 9 3 ) が, 最初 「社会的望ましさ」 の高い項目によってTSPSを構成し, 次いで桑原 ( 王 ましくない項目も含めてTSPS‐亘を構成したのは,「社会的望ましさ」を意識した場合に「人格の二面性」 が現れやすいと考えたためである. しかしこの前提は, 「人格の二面性」 を測定しようとする手続きに 「社 会的望ましさの二面性」 や, 「社会的望ましさの意味の多様性」 を持ち込んでしまったように思われる. で は, 「人格 の二 面性」 は どのよう な 条 件 の も と で現 れや す い の であ ろう か. 最初 に 挙 げ た 「二 重 人格」. とか 「お天気屋」 といっ た日常語が示すのは, 時間・空間条件の違いによる, 人間の行動の変化を表してい る.. ) を参考 に したい. 1996a この問 題点 につ いて は, ティ モ シー と 園 田 (. 0答法を用 ティモシーと園 田は, 日本人の民族的特徴をとらえるために, 文脈が自己概念に与える影響を2 いて研究した. その際, 文脈に 「場所」 条件と 「他者」 条件の2つの条件を設け, 自己記述の違いを比較し 「 た. この結果, 文脈なし条件では 「日本人は物理的自己と社会的自己の記述が多く」 , 文脈条件では 精神 状態の記述が増加している」 ことが明らかにされた. さらに, 文脈条件を 「場所」 と 「他者」 の条件別に見 ると, 「場所」 条件では自己特性の記述は少なく, 精神状態の記述が多かった. このことから, 日本人は他 者がいない条件においても 「ある程度自己の内的変化を意識している」 と考えられた. また, 「他者」 条件 では, 「日本人は文脈のない時にはまず自己の物理的特性や社会的特性を多く記述し, 文脈がある時に自己 特性の記述が多く」 なった. このことから, 日本人が 「文脈の変化に対する自己の反応によって自己の内的 特性が定義されること」 が示唆された. この研究から, 「場所」 や 「他者」 などの外的条件は, 日本人の自 己概念に影響を与えるものと推察される. また, 客観的に観察可能な 「行動」 だけではなく, 体験される意識面に焦点を当ててみれば, 「人格の二 面性」 が現れる (意識される) 場合というのは, 自らの振る舞いについての認知と, 自らの内面の欲求や態 度などの認知との間の矛盾に気づいている場合であろう. 意図的に自らが, 内面の求めるものとは異なった 振る舞いをしようとする場合もあれば, そうしたくはないにもかかわらず, そうせ ざるを得ないという場合 もある. さらに, 自己内にそう した矛盾を感じる傾向が強いかどうかということもまた, 「人格の二面性」 をとらえる重要な側面と考えられる. さて, 最後に 「社会的望ましさ」 の問題を取り上げておこう. 人格特性を測定するにあたっ て, 「社会的望ましさ」 の影響をどう処理するかは, 重要な課題である. 人 格特性を 「社会的望ましさ」 と関わりのないものとしてとらえる観点からは, これをいかに測定から除こう とするかの工夫が問われてきている. ) による パ ー ソ ナリ ティ 認知 の 基 本3 次元 で は 「社 1978 他 方, パ ーソ ナリ ティ 認知 と いう 観点 か らは, 林 (. 会的望ましさ」 次元そのものが, パーソナリティ 認知の一つの次元であるとしてとらえられており, それを 直接にとらえようと試みられている. i ま た, 近年 は, パー ソ ナリ ティ 認知 で は” Bi vざ という考え方がほぼ定着しつつあり (柏木・和田・ gF 青 木,1993 ), こ こ でも, 「社 会 的望 ま しさ」 を 含 む パ ー ソ ナリ ティ 次 元 が確 認さ れて き て いる. こ れ らの研. 72.

(12) . 人格の二面性尺度 (TSPSーロ) における対語の妥当性について. 究を踏まえ,「人格の二面性」 を 「社会的望ましさ」 を基準にした項目選 びという観点から離れ,”Bi g Fivざ としてとらえられる特性に関する二面性としてとらえ直す方向が有用であると考えられる.. 引用文献 青木 孝悦 1 9 7 1 5 5語の選択, 分類および望ましさの評定- a 性格表現用語の心理‐辞典的研究 ‐4 心理学研究, 42 3‐ , 1‐1 孝悦 1971b 性格 表現用 語 にお ける個 人的望ま しさの因子分析的研究. 青木 青木. 心理学研究, 42 , 87‐91. 孝悦 1972 性格表現用 語580語の意 味類 似による多 因子解析 か ら作 られた性格の側面 心理 学研 究, 43 . , 125‐136. 青木. 孝悦 1973 性格側 面57につ いての2, 3の研究. ‐ 反意語, 言い替え語, 特性所有のタイ プ-. 千葉大学人文研究, 2, 35‐58.. 林 文俊 1 9 7 8 対人認知構造の基本次元についての一考察 名古屋大学教育学部紀要 (教育心理学科) 3 ‐ 2 5 3 47 ,2 ,2 今川. 民雄・佐高. 晶子 1997 人格の二面性 に関する研究. C), 47 , 2, 別 冊 繁男・和 田 さゆり・青 木. 柏木. ~TSP S-=の批判的検討~. 孝悦 199 3 性格特性のBIG. F工VEと日本語版ACL項目の斜行因子基本パターン. 心理学研究, 64 , 153-159 知子 1985 人格の二面性測定の試み-NE GATIVE語を加えて一. 桑原. 知子 1986 人格の二 面性 につ いて. 桑原. 北海道教育大学紀要 (第1部. 教育心理学研 究, 34 , 1, 31‐38. 風間書房. LE班 RS TIMOTHY・ 園 田. 直 子 1996a 文 脈的 自 己概 念 に 関する 比較 文化 的研 究( ) ‐場 所, 他 者 の 文脈と 自己一 1 本グルー プダイ ナミクス 学会 第狸回発表論文集, 106‐107. 森. 知子 1983 質問紙法による 人格の二 面性測 定の試み. 園田. 心理学研 究, 54 , 3, 182‐188 直子・LEt刀 RS TIMOTHY I996b 文脈 的 自己概 念に 関する 比 較 文化 的研 究( 2 ) 一 時 間意識と 自己-. 日. 日本 グルー. プダイ ナミクス 学会 和田. 第製 図発 表論文集,108‐109 さゆり 1996 性格特性用 語を用 いたBi ve尺度の作成 g Fi. 心理学研究, 67 , 61‐67. 脚注 (*:旭川校教授) (**:旭川校大学院学校教育専攻). 73.

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参照

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