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中学校における若手教師の授業力育成に関する研究:―模擬授業を活用した授業研究モデルの構築―

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Academic year: 2021

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(1)中学校における若手教師の授業カ育成に関する研究   模擬授業を活用した授業研究モデルの構築 教育実践高度化専攻 授業実践リーダーコース. P09016B 非ノロ敦子 1.間田の所在と研究の目的. 3.研究の枢要.  教員の資質能力の向上が一層求均られている.  序章では,本研究を進めるにあたっての問題. 現在,校内における研修・研究の重要性はいっ. の所在,研究の日的とその方法を述べるととも. そう高まっている。とりわけ児童・生徒たちの. に,各章を略述した。. 学習意欲を引き出し,分かる授業を展開してい.  第1章では,「授業力」についての先行研究と. く「授業力」の育成が求められている。さらに,. 授業研究の現状と先行研究の動向について整理. 団塊の世代の大量退職期を迎え,若手教師が増. するとともに, 「授業力」の育成に授業研究が. 加し,授業カ育成の機会を確保することが喫緊. どのように寄与してきたかについて論述した。. の課題となっている。.  第2章では,模擬授業の様式とその変遷につい.  本研究では,学校を基盤とした授業力育成の. て論述し,模擬授業を取り入れた授業研究の先. 契機となり得る授業研究の方法論として,模擬. 行研究・先行事例を整理するとともに,授業研. 授業に着目した。年間数回行われる授業研究会. 究に模擬授業を取り入れる意義を確認した。. と模擬授業を連動させることで,授業研究会で. 3.1現任校における授業研究の課題. 提案される授業の質が向上すると考えた。.  第3章では,現任校の授業研究の課題を生成す.  そこで本研究は,中学校における若手教師の. るために質問紙調査を実施した。. 授業カ育成を目指した模擬授業導入型授業研究.  現任校における授業研究の最も大きな課題と. モデルを開発,試行し,その効果を検討するこ. して,若手教師の授業力を育成するための手だ. とを目的とする。. てが不十分であったことが明らかになった。若 手教師が自主的に授業についてのアドバイスを. 2研究報告書の構成. 受ける機会を見つけ出すことは,実際には難し.  本報告書は,次の7章で構成した。. い現状にあり,日常的に授業について相談した.  序 章 問題の所在と研究の目的・方法. り,授業内容を検討したりする機会が,ほとん.  第1章「授業力」の育成と授業研究. ど確保できないと感じている教師が半数以上い.  第2章 模擬授業を活用した授業研究. ることが明らかになった。.  第3章 現任校における課題の生成. 32模擬授業を活用した授業研究モデルの構想.  第4章 模擬授業を活用した授業研究モデル.  第4章では,現任校で行った予備調査(社会.      の構想. 科・数学科での模擬授業)の結果から,模擬授.  第5章 若手教師を対象とした研究実践. 業を活用した授業研究モデルを構想した。.  終 章 全体考察. 一32一.

(2) 321模擬授業の目標設定と評価方法. ンすることの必要性に気づいたという発言があ.  模擬授業の目標設定と評価方法については,. った。また,K先生はA先生の模擬授業につい. 事後検討会の後,社会科および数学科の模擬授. てのF先生の発言から,より良い授業について. 業参加者で協議をし,目標については授業者が. 思考する中で,自身の授業についても省察する. 課題としていることを自身で決定するのが良い. ことにつながったと述べている。. という意見に集約された。また,評価について. 332教学科における模擬授業. は,チェックリストを用いて点数化するのでは.  数学科部会での授業者Yは,一昨年,初任者. なく,授業者が自己の目標と照らして自己評価. として本校に赴任し,3年目を迎えた女性教師. をする方法をとることとした。. である。模擬授業には教職経験17年の男性教師. 322模擬授業の実施時間の検討. Nと本年度新採用の2名が参加した。授業者Y.  模擬授業の実施時間については,模擬授業実. は,模擬授業を通して,グループでの話し合い. 施後の聞き取り調査では, 「思った以上に多く. が活発に行える課題であるかを検討したいと考. のことが検討できたので10分間でよい」という. えていた。模擬授業後のインタビューで,生徒. 意見がほぼ全員の参加者から聞かれた。また,. が納得して課題に取り組めるような提示の仕方. 実施する時間帯については,教務担当者とも協. の必要性に気づいたことがわかる発言があった。. 議し,時間割作成段階から同じ教科の担当者が 共通して使える空き時間を設定するなど,工夫. 4.研究の成果と今後の課題. が必要となる。.  研究の結果は以下の2点に集約される。第一. 33若手教師を対象とした研究実践. に実際の授業の前段階として模擬授業を位置づ.  第5章では,第4章で構想した授業研究モデル. け日常的に実施することで,授業についての省. を取り入れた若手教師を対象とした研究実践の. 察の機会が増え,授業改善への意欲が増したこ. 概要と方法について論述し,模擬授業および事. とを確認した。. 後検討会参加者の発話を質的に分析し,考察し.  第二に,模擬授業に参加した授業者以外の教. ている。. 師は,授業者が課題としていることをともに考. 3.3.1国語科における模擬授業. える過程で,他の教師の授業観を知り,より良. 国語科部会での授業者Aは,教職経験年数2年. い授業を模索する中で自身の授業についても省. (本校では1年目)の女性教師である。模擬授業. 察することにつながった。. には,教職経験25年日の女性教師Fと7年目の.  今後の課題は,播磨東地区の中学校において. 男性教師Kの2名が生徒役で参加した。授業者. 模擬授業を取り入れた校内研修を実施し,その. Aは,発間が適切かどうかの検討を目的として. 有効性を検証するとともに,調査で得られた知. 模擬授業を行った。授業後の検討会でのF先生. 見に基づいて,模擬授業を活用した授業研究モ. やK先生の発言から,自らの実践を「省察」し,. デルの修正案を提案することである。. 課題としていた発問そのものを改善するだけで はなく,授業の申で何を目標とし生徒にどんな. 修学指導教員 増澤康男 溝邊和成. 力をつけたいかを念頭に置いて,授業をデザイ. 指導教員 溝邊和成. 一33一.

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参照

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